Chapter 1
1 サウルが 死 んだ 後、ダビデはアマレクびとを 撃 って 帰 り、ふつかの 間 チクラグにとどまっていたが、
2 三 日 目 となって、ひとりの 人 が、その 着物 を 裂 き、頭 に 土 をかぶって、サウルの 陣営 からきた。そしてダビデのもとにきて、地 に 伏 して 拝 した。
3 ダビデは 彼 に 言 った、「あなたはどこからきたのか」。彼 はダビデに 言 った、「わたしはイスラエルの 陣営 から、のがれてきたのです」。
4 ダビデは 彼 に 言 った、「様子 はどうであったか 話 しなさい」。彼 は 答 えた、「民 は 戦 いから 逃 げ、民 の 多 くは 倒 れて 死 に、サウルとその 子 ヨナタンもまた 死 にました」。
5 ダビデは 自分 と 話 している 若者 に 言 った、「あなたはサウルとその 子 ヨナタンが 死 んだのを、どうして 知 ったのか」。
6 彼 に 話 している 若者 は 言 った、「わたしは、はからずも、ギルボア 山 にいましたが、サウルはそのやりによりかかっており、戦車 と 騎兵 とが 彼 に 攻 め 寄 ろうとしていました。
7 その 時、彼 はうしろを 振 り 向 いてわたしを 見、わたしを 呼 びましたので、『ここにいます』とわたしは 答 えました。
8 彼 は『おまえはだれか』と 言 いましたので、『アマレクびとです』と 答 えました。
9 彼 はまたわたしに 言 いました、『そばにきて 殺 してください。わたしは 苦 しみに 耐 えない。まだ 命 があるからです』。
10 そこで、わたしはそのそばにいって 彼 を 殺 しました。彼 がすでに 倒 れて、生 きることのできないのを 知 ったからです。そしてわたしは 彼 の 頭 にあった 冠 と、腕 につけていた 腕輪 とを 取 って、それをわが 主 のもとに 携 えてきたのです」。
11 そのときダビデは 自分 の 着物 をつかんでそれを 裂 き、彼 と 共 にいた 人々 も 皆 同 じようにした。
12 彼 らはサウルのため、またその 子 ヨナタンのため、また 主 の 民 のため、またイスラエルの 家 のために 悲 しみ 泣 いて、夕暮 まで 食 を 断 った。それは 彼 らがつるぎに 倒 れたからである。
13 ダビデは 自分 と 話 していた 若者 に 言 った、「あなたはどこの 人 ですか」。彼 は 言 った、「アマレクびとで、寄留 の 他国 人 の 子 です」。
14 ダビデはまた 彼 に 言 った、「どうしてあなたは 手 を 伸 べて 主 の 油 を 注 がれた 者 を 殺 すことを 恐 れなかったのですか」。
15 ダビデはひとりの 若者 を 呼 び、「近寄 って 彼 を 撃 て」と 言 った。そこで 彼 を 撃 ったので 死 んだ。
16 ダビデは 彼 に 言 った、「あなたの 流 した 血 の 責 めはあなたに 帰 する。あなたが 自分 の 口 から、『わたしは 主 の 油 を 注 がれた 者 を 殺 した』と 言 って、自身 にむかって 証拠 を 立 てたからである」。
17 ダビデはこの 悲 しみの 歌 をもって、サウルとその 子 ヨナタンのために 哀悼 した。――
18 これは、ユダの 人々 に 教 えるための 弓 の 歌 で、ヤシャルの 書 にしるされている。――彼 は 言 った、
19 「イスラエルよ、あなたの 栄光 は、あなたの 高 き 所 で 殺 された。ああ、勇士 たちは、ついに 倒 れた。
20 ガテにこの 事 を 告 げてはいけない。アシケロンのちまたに 伝 えてはならない。おそらくはペリシテびとの 娘 たちが 喜 び、割礼 なき 者 の 娘 たちが 勝 ちほこるであろう。
21 ギルボアの 山 よ、露 はおまえの 上 におりるな。死 の 野 よ、雨 もおまえの 上 に 降 るな。その 所 に 勇士 たちの 盾 は 捨 てられ、サウルの 盾 は 油 を 塗 らずに 捨 てられた。
22 殺 した 者 の 血 を 飲 まずには、ヨナタンの 弓 は 退 かず、勇士 の 脂肪 を 食 べないでは、サウルのつるぎは、むなしくは 帰 らなかった。
23 サウルとヨナタンとは、愛 され、かつ 喜 ばれた。彼 らは 生 きるにも、死 ぬにも 離 れず、わしよりも 早 く、ししよりも 強 かった。
24 イスラエルの 娘 たちよ、サウルのために 泣 け。彼 は 緋色 の 着物 をもって、はなやかにあなたがたを 装 い、あなたがたの 着物 に 金 の 飾 りをつけた。
25 ああ、勇士 たちは 戦 いのさなかに 倒 れた。ヨナタンは、あなたの 高 き 所 で 殺 された。
26 わが 兄弟 ヨナタンよ、あなたのためわたしは 悲 しむ。あなたはわたしにとって、いとも 楽 しい 者 であった。あなたがわたしを 愛 するのは 世 の 常 のようでなく、女 の 愛 にもまさっていた。
27 ああ、勇士 たちは 倒 れた。戦 いの 器 はうせた」。
Chapter 2
1 この 後、ダビデは 主 に 問 うて 言 った、「わたしはユダの一つの 町 に 上 るべきでしょうか」。主 は 彼 に 言 われた、「上 りなさい」。ダビデは 言 った、「どこへ 上 るべきでしょうか」。主 は 言 われた、「ヘブロンへ」。
2 そこでダビデはその 所 へ 上 った。彼 のふたりの 妻、エズレルの 女 アヒノアムと、カルメルびとナバルの 妻 であったアビガイルも 上 った。
3 ダビデはまた 自分 と 共 にいた 人々 を、皆 その 家族 と 共 に 連 れて 上 った。そして 彼 らはヘブロンの 町々 に 住 んだ。
4 時 にユダの 人々 がきて、その 所 でダビデに 油 を 注 ぎ、ユダの 家 の 王 とした。人々 がダビデに 告 げて、「サウルを 葬 ったのはヤベシ・ギレアデの 人々 である」と 言 ったので、
5 ダビデは 使者 をヤベシ・ギレアデの 人々 につかわして 彼 らに 言 った、「あなたがたは、主君 サウルにこの 忠誠 をあらわして 彼 を 葬 った。どうぞ 主 があなたがたを 祝福 されるように。
6 どうぞ 主 がいまあなたがたに、いつくしみと 真実 を 示 されるように。あなたがたが、この 事 をしたので、わたしもまたあなたがたに 好意 を 示 すであろう。
7 今 あなたがたは 手 を 強 くし、雄々 しくあれ。あなたがたの 主君 サウルは 死 に、ユダの 家 がわたしに 油 を 注 いで、彼 らの 王 としたからである」。
8 さてサウルの 軍 の 長、ネルの 子 アブネルは、さきにサウルの 子 イシボセテを 取 り、マハナイムに 連 れて 渡 り、
9 彼 をギレアデ、アシュルびと、エズレル、エフライム、ベニヤミンおよび 全 イスラエルの 王 とした。
10 サウルの 子 イシボセテはイスラエルの 王 となった 時、四十 歳 であって、二 年 の 間、世 を 治 めたが、ユダの 家 はダビデに 従 った。
11 ダビデがヘブロンにいてユダの 家 の 王 であった 日数 は七 年 と六か 月 であった。
12 ネルの 子 アブネル、およびサウルの 子 イシボセテの 家来 たちはマハナイムを 出 てギベオンへ 行 った。
13 ゼルヤの 子 ヨアブとダビデの 家来 たちも 出 ていって、ギベオンの 池 のそばで 彼 らと 出会 い、一方 は 池 のこちら 側 に、一方 は 池 のあちら 側 にすわった。
14 アブネルはヨアブに 言 った、「さあ、若者 たちを 立 たせて、われわれの 前 で 勝負 をさせよう」。ヨアブは 言 った、「彼 らを 立 たせよう」。
15 こうしてサウルの 子 イシボセテとベニヤミンびととのために十二 人、およびダビデの 家来 たち十二 人 を 数 えて 出 した。彼 らは 立 って 進 み、
16 おのおの 相手 の 頭 を 捕 え、つるぎを 相手 のわき 腹 に 刺 し、こうして 彼 らは 共 に 倒 れた。それゆえ、その 所 はヘルカテ・ハヅリムと 呼 ばれた。それはギベオンにある。
17 その 日、戦 いはひじょうに 激 しく、アブネルとイスラエルの 人々 はダビデの 家来 たちの 前 に 敗 れた。
18 その 所 にゼルヤの三 人 の 子、ヨアブ、アビシャイ、およびアサヘルがいたが、アサヘルは 足 の 早 いこと、野 のかもしかのようであった。
19 アサヘルはアブネルのあとを 追 っていったが、行 くのに 右 にも 左 にも 曲 ることなく、アブネルのあとに 走 った。
20 アブネルは 後 をふりむいて 言 った、「あなたはアサヘルであったか」。アサヘルは 答 えた、「わたしです」。
21 アブネルは 彼 に 言 った、「右 か 左 に 曲 って、若者 のひとりを 捕 え、そのよろいを 奪 いなさい」。しかしアサヘルはアブネルを 追 うことをやめず、ほかに 向 かおうともしなかった。
22 アブネルはふたたびアサヘルに 言 った、「わたしを 追 うことをやめて、ほかに 向 かいなさい。あなたを 地 に 撃 ち 倒 すことなど、どうしてわたしにできようか。それをすれば、わたしは、どうしてあなたの 兄 ヨアブに 顔 を 合 わせることができようか」。
23 それでもなお 彼 は、ほかに 向 かうことを 拒 んだので、アブネルは、やりの 石 突 きで 彼 の 腹 を 突 いたので、やりはその 背中 に 出 た。彼 はそこに 倒 れて、その 場 で 死 んだ。そしてアサヘルが 倒 れて 死 んでいる 場所 に 来 る 者 は 皆 立 ちとどまった。
24 しかしヨアブとアビシャイとは、なおアブネルのあとを 追 ったが、彼 らがギベオンの 荒野 の 道 のほとり、ギアの 前 にあるアンマの 山 にきた 時、日 は 暮 れた。
25 ベニヤミンの 人々 はアブネルのあとについてきて、集 まり、一 隊 となって、一つの 山 の 頂 に 立 った。
26 その 時 アブネルはヨアブに 呼 ばわって 言 った、「いつまでもつるぎをもって 滅 ぼそうとするのか。あなたはその 結果 の 悲惨 なのを 知 らないのか。いつまで 民 にその 兄弟 を 追 うことをやめよと 命 じないのか」。
27 ヨアブは 言 った、「神 は 生 きておられる。もしあなたが 言 いださなかったならば、民 はおのおのその 兄弟 を 追 わずに、朝 のうちに 去 っていたであろう」。
28 こうしてヨアブは 角笛 を 吹 いたので、民 はみな 立 ちとどまって、もはやイスラエルのあとを 追 わず、また 重 ねて 戦 わなかった。
29 アブネルとその 従者 たちは、夜 もすがら、アラバを 通 って 行 き、ヨルダンを 渡 り、昼 まで 行進 を 続 けてマハナイムに 着 いた。
30 ヨアブはアブネルを 追 うことをやめて 帰 り、民 をみな 集 めたが、ダビデの 家来 たち十九 人 とアサヘルとが 見当 らなかった。
31 しかし、ダビデの 家来 たちは、アブネルの 従者 であるベニヤミンの 人々 三百六十 人 を 撃 ち 殺 した。
32 人々 はアサヘルを 取 り 上 げてベツレヘムにあるその 父 の 墓 に 葬 った。ヨアブとその 従者 たちは、夜 もすがら 行 って、夜明 けにヘブロンに 着 いた。
Chapter 3
1 サウルの 家 とダビデの 家 との 間 の 戦争 は 久 しく 続 き、ダビデはますます 強 くなり、サウルの 家 はますます 弱 くなった。
2 ヘブロンでダビデに 男 の 子 が 生 れた。彼 の 長子 はエズレルの 女 アヒノアムの 産 んだアムノン、
3 その 次 はカルメルびとナバルの 妻 であったアビガイルの 産 んだキレアブ、第 三はゲシュルの 王 タルマイの 娘 マアカの 子 アブサロム、
4 第 四はハギテの 子 アドニヤ、第 五はアビタルの 子 シパテヤ、
5 第 六はダビデの 妻 エグラの 産 んだイテレアム。これらの 子 がヘブロンでダビデに 生 れた。
6 サウルの 家 とダビデの 家 とが 戦 いを 続 けている 間 に、アブネルはサウルの 家 で、強 くなってきた。
7 さてサウルには、ひとりのそばめがあった。その 名 をリヅパといい、アヤの 娘 であったが、イシボセテはアブネルに 言 った、「あなたはなぜわたしの 父 のそばめのところにはいったのですか」。
8 アブネルはイシボセテの 言葉 を 聞 き、非常 に 怒 って 言 った、「わたしはユダの 犬 のかしらですか。わたしはきょう、あなたの 父 サウルの 家 と、その 兄弟 と、その 友人 とに 忠誠 をあらわして、あなたをダビデの 手 に 渡 すことをしなかったのに、あなたはきょう、女 の 事 のあやまちを 挙 げてわたしを 責 められる。
9 主 がダビデに 誓 われたことを、わたしが 彼 のためになし 遂 げないならば、神 がアブネルをいくえにも 罰 しられるように。
10 すなわち 王国 をサウルの 家 から 移 し、ダビデの 位 をダンからベエルシバに 至 るまで、イスラエルとユダの 上 に 立 たせられるであろう」。
11 イシボセテはアブネルを 恐 れたので、ひと 言 も 彼 に 答 えることができなかった。
12 アブネルはヘブロンにいるダビデのもとに 使者 をつかわして 言 った、「国 はだれのものですか。わたしと 契約 を 結 びなさい。わたしはあなたに 力添 えして、イスラエルをことごとくあなたのものにしましょう」。
13 ダビデは 言 った、「よろしい。わたしは、あなたと 契約 を 結 びましょう。ただし一つの 事 をあなたに 求 めます。あなたがきてわたしの 顔 を 見 るとき、まずサウルの 娘 ミカルを 連 れて 来 るのでなければ、わたしの 顔 を 見 ることはできません」。
14 それからダビデは 使者 をサウルの 子 イシボセテにつかわして 言 った、「ペリシテびとの 陽 の 皮 一百をもってめとったわたしの 妻 ミカルを 引 き 渡 しなさい」。
15 そこでイシボセテは 人 をやって 彼女 をその 夫、ライシの 子 パルテエルから 取 ったので、
16 その 夫 は 彼女 と 共 に 行 き、泣 きながら 彼女 のあとについて、バホリムまで 行 ったが、アブネルが 彼 に「帰 って 行 け」と 言 ったので 彼 は 帰 った。
17 アブネルはイスラエルの 長老 たちと 協議 して 言 った、「あなたがたは 以前 からダビデをあなたがたの 王 とすることを 求 めていましたが、
18 今 それをしなさい。主 がダビデについて、『わたしのしもべダビデの 手 によって、わたしの 民 イスラエルをペリシテびとの 手、およびもろもろの 敵 の 手 から 救 い 出 すであろう』と 言 われたからです」。
19 アブネルはまたベニヤミンにも 語 った。そしてアブネルは、イスラエルとベニヤミンの 全家 が 良 いと 思 うことをみな、ヘブロンでダビデに 告 げようとして 出発 した。
20 アブネルが二十 人 を 従 えてヘブロンにいるダビデのもとに 行 った 時、ダビデはアブネルと 彼 に 従 っている 従者 たちのために 酒宴 を 設 けた。
21 アブネルはダビデに 言 った、「わたしは 立 って 行 き、イスラエルをことごとく、わが 主、王 のもとに 集 めて、あなたと 契約 を 結 ばせ、あなたの 望 むものをことごとく 治 められるようにいたしましょう」。こうしてダビデはアブネルを 送 り 帰 らせたので 彼 は 安全 に 去 って 行 った。
22 ちょうどその 時、ダビデの 家来 たちはヨアブと 共 に 多 くのぶんどり 物 を 携 えて 略奪 から 帰 ってきた。しかしアブネルはヘブロンのダビデのもとにはいなかった。ダビデが 彼 を 帰 らせて 彼 が 安全 に 去 ったからである。
23 ヨアブおよび 彼 と 共 にいた 軍勢 がみな 帰 ってきたとき、人々 はヨアブに 言 った、「ネルの 子 アブネルが 王 のもとにきたが、王 が 彼 を 帰 らせたので 彼 は 安全 に 去 った」。
24 そこでヨアブは 王 のもとに 行 って 言 った、「あなたは 何 をなさったのですか。アブネルがあなたの 所 にきたのに、あなたはどうして、彼 を 返 し 去 らせられたのですか。
25 ネルの 子 アブネルがあなたを 欺 くためにきたこと、そしてあなたの 出入 りを 知 り、またあなたのなさっていることを、ことごとく 知 るためにきたことをあなたはごぞんじです」。
26 ヨアブはダビデの 所 から 出 てきて、使者 をつかわし、アブネルを 追 わせたので、彼 らはシラの 井戸 から 彼 を 連 れて 帰 った。しかしダビデはその 事 を 知 らなかった。
27 アブネルがヘブロンに 帰 ってきたとき、ヨアブはひそかに 語 ろうといって 彼 を 門 のうちに 連 れて 行 き、その 所 で 彼 の 腹 を 刺 して 死 なせ、自分 の 兄弟 アサヘルの 血 を 報 いた。
28 その 後 ダビデはこの 事 を 聞 いて 言 った、「わたしとわたしの 王国 とは、ネルの 子 アブネルの 血 に 関 して、主 の 前 に 永久 に 罪 はない。
29 どうぞ、その 罪 がヨアブの 頭 と、その 父 の 全家 に 帰 するように。またヨアブの 家 には 流出 を 病 む 者、らい 病人、つえにたよる 者、つるぎに 倒 れる 者、または 食物 の 乏 しい 者 が 絶 えないように」。
30 こうしてヨアブとその 弟 アビシャイとはアブネルを 殺 したが、それは 彼 がギベオンの 戦 いで 彼 らの 兄弟 アサヘルを 殺 したためであった。
31 ダビデはヨアブおよび 自分 と 共 にいるすべての 民 に 言 った、「あなたがたは 着物 を 裂 き、荒布 をまとい、アブネルの 前 に 嘆 きながら 行 きなさい」。そしてダビデ 王 はその 棺 のあとに 従 った。
32 人々 はアブネルをヘブロンに 葬 った。王 はアブネルの 墓 で 声 をあげて 泣 き、民 もみな 泣 いた。
33 王 はアブネルのために 悲 しみの 歌 を 作 って 言 った、「愚 かな 人 の 死 ぬように、アブネルがどうして 死 んだのか。
34 あなたの 手 は 縛 られず、足 には 足 かせもかけられないのに、悪人 の 前 に 倒 れる 人 のように、あなたは 倒 れた」。そして 民 は 皆、ふたたび 彼 のために 泣 いた。
35 民 はみなきて、日 のあるうちに、ダビデにパンを 食 べさせようとしたが、ダビデは 誓 って 言 った、「もしわたしが 日 の 入 る 前 に、パンでも、ほかのものでも 味 わうならば、神 がわたしをいくえにも 罰 しられるように」。
36 民 はみなそれを 見 て 満足 した。すべて 王 のすることは 民 を 満足 させた。
37 その 日 すべての 民 およびイスラエルは 皆、ネルの 子 アブネルを 殺 したのは、王 の 意思 によるものでないことを 知 った。
38 王 はその 家来 たちに 言 った、「この 日 イスラエルで、ひとりの 偉大 なる 将軍 が 倒 れたのをあなたがたは 知 らないのか。
39 わたしは 油 を 注 がれた 王 であるけれども、今日 なお 弱 い。ゼルヤの 子 であるこれらの 人々 はわたしの 手 におえない。どうぞ 主 が 悪 を 行 う 者 に、その 悪 にしたがって 報 いられるように」。
Chapter 4
1 サウルの 子 イシボセテは、アブネルがヘブロンで 死 んだことを 聞 いて、その 力 を 失 い、イスラエルは 皆 あわてた。
2 サウルの 子 イシボセテにはふたりの 略奪 隊 の 隊長 があった。ひとりの 名 はバアナ、他 のひとりの 名 はレカブといって、ベニヤミンの 子孫 であるベロテびとリンモンの 子 たちであった。(それはベロテもまたベニヤミンのうちに 数 えられているからである。
3 ベロテびとはギッタイムに 逃 げていって、今日 までその 所 に 寄留 している)。
4 さてサウルの 子 ヨナタンに 足 のなえた 子 がひとりあった。エズレルからサウルとヨナタンの 事 の 知 らせがきた 時、彼 は五 歳 であった。うばが 彼 を 抱 いて 逃 げたが、急 いで 逃 げる 時、その 子 は 落 ちて 足 なえとなった。その 名 はメピボセテといった。
5 ベロテびとリンモンの 子 たち、レカブとバアナとは 出立 して、日 の 暑 いころイシボセテの 家 にきたが、イシボセテは 昼寝 をしていた。
6 家 の 門 を 守 る 女 は 麦 をあおぎ 分 けていたが、眠 くなって 寝 てしまった。そこでレカブとその 兄弟 バアナは、ひそかに 中 にはいった。
7 彼 らが 家 にはいった 時、イシボセテは 寝室 で 床 の 上 に 寝 ていたので、彼 らはそれを 撃 って 殺 し、その 首 をはね、その 首 を 取 って、よもすがらアラバの 道 を 行 き、
8 イシボセテの 首 をヘブロンにいるダビデのもとに 携 えて 行 って 王 に 言 った、「あなたの 命 を 求 めたあなたの 敵 サウルの 子 イシボセテの 首 です。主 はきょう、わが 君、王 のためにサウルとそのすえとに 報復 されました」。
9 ダビデはベロテびとリンモンの 子 レカブとその 兄弟 バアナに 答 えた、「わたしの 命 を、もろもろの 苦難 から 救 われた 主 は 生 きておられる。
10 わたしはかつて、人 がわたしに 告 げて、『見 よ、サウルは 死 んだ』と 言 って、みずから 良 いおとずれを 伝 える 者 と 思 っていた 者 を 捕 えてチクラグで 殺 し、そのおとずれに 報 いたのだ。
11 悪人 が 正 しい 人 をその 家 の 床 の 上 で 殺 したときは、なおさらのことだ。今 わたしが、彼 の 血 を 流 した 罪 を 報 い、あなたがたを、この 地 から 絶 ち 滅 ぼさないでおくであろうか」。
12 そしてダビデは 若者 たちに 命 じたので、若者 たちは 彼 らを 殺 し、その 手足 を 切 り 離 し、ヘブロンの 池 のほとりで 木 に 掛 けた。人々 はイシボセテの 首 を 持 って 行 って、ヘブロンにあるアブネルの 墓 に 葬 った。
Chapter 5
1 イスラエルのすべての 部族 はヘブロンにいるダビデのもとにきて 言 った、「われわれは、あなたの 骨肉 です。
2 先 にサウルがわれわれの 王 であった 時 にも、あなたはイスラエルを 率 いて 出入 りされました。そして 主 はあなたに、『あなたはわたしの 民 イスラエルを 牧 するであろう。またあなたはイスラエルの 君 となるであろう』と 言 われました」。
3 このようにイスラエルの 長老 たちが 皆、ヘブロンにいる 王 のもとにきたので、ダビデ 王 はヘブロンで 主 の 前 に 彼 らと 契約 を 結 んだ。そして 彼 らはダビデに 油 を 注 いでイスラエルの 王 とした。
4 ダビデは 王 となったとき三十 歳 で、四十 年 の 間、世 を 治 めた。
5 すなわちヘブロンで七 年 六か 月 ユダを 治 め、またエルサレムで三十三 年、全 イスラエルとユダを 治 めた。
6 王 とその 従者 たちとはエルサレムへ 行 って、その 地 の 住民 エブスびとを 攻 めた。エブスびとはダビデに 言 った、「あなたはけっして、ここに 攻 め 入 ることはできない。かえって、めしいや 足 なえでも、あなたを 追 い 払 うであろう」。彼 らが「ダビデはここに 攻 め 入 ることはできない」と 思 ったからである。
7 ところがダビデはシオンの 要害 を 取 った。これがダビデの 町 である。
8 その 日 ダビデは、「だれでもエブスびとを 撃 とうとする 人 は、水 をくみ 上 げる 縦穴 を 上 って 行 って、ダビデが 心 に 憎 んでいる 足 なえやめしいを 撃 て」と 言 った。それゆえに 人々 は、「めしいや 足 なえは、宮 にはいってはならない」と 言 いならわしている。
9 ダビデはその 要害 に 住 んで、これをダビデの 町 と 名 づけた。またダビデはミロから 内 の 周囲 に 城壁 を 築 いた。
10 こうしてダビデはますます 大 いなる 者 となり、かつ 万軍 の 神、主 が 彼 と 共 におられた。
11 ツロの 王 ヒラムはダビデに 使者 をつかわして、香柏 および 大工 と 石工 を 送 った。彼 らはダビデのために 家 を 建 てた。
12 そしてダビデは 主 が 自分 を 堅 く 立 ててイスラエルの 王 とされたこと、主 がその 民 イスラエルのためにその 王国 を 興 されたことを 悟 った。
13 ダビデはヘブロンからきて 後、さらにエルサレムで 妻 とそばめを 入 れたので、むすこと 娘 がまたダビデに 生 れた。
14 エルサレムで 彼 に 生 れた 者 の 名 は 次 のとおりである。シャンムア、ショバブ、ナタン、ソロモン、
15 イブハル、エリシュア、ネペグ、ヤピア、
16 エリシャマ、エリアダ、およびエリペレテ。
17 さてペリシテびとは、ダビデが 油 を 注 がれてイスラエルの 王 になったことを 聞 き、みな 上 ってきてダビデを 捜 したが、ダビデはそれを 聞 いて 要害 に 下 って 行 った。
18 ペリシテびとはきて、レパイムの 谷 に 広 がっていた。
19 ダビデは 主 に 問 うて 言 った、「ペリシテびとに 向 かって 上 るべきでしょうか。あなたは 彼 らをわたしの 手 に 渡 されるでしょうか」。主 はダビデに 言 われた、「上 るがよい。わたしはかならずペリシテびとをあなたの 手 に 渡 すであろう」。
20 そこでダビデはバアル・ペラジムへ 行 って、彼 らをその 所 で 撃 ち 破 り、そして 言 った、「主 は、破 り 出 る 水 のように、敵 をわたしの 前 に 破 られた」。それゆえにその 所 の 名 はバアル・ペラジムと 呼 ばれている。
21 ペリシテびとはその 所 に 彼 らの 偶像 を 捨 てて 行 ったので、ダビデとその 従者 たちはそれを 運 び 去 った。
22 ペリシテびとが、ふたたび 上 ってきて、レパイムの 谷 に 広 がったので、
23 ダビデは 主 に 問 うたが、主 は 言 われた、「上 ってはならない。彼 らのうしろに 回 り、バルサムの 木 の 前 から 彼 らを 襲 いなさい。
24 バルサムの 木 の 上 に 行進 の 音 が 聞 えたならば、あなたは 奮 い 立 たなければならない。その 時、主 があなたの 前 に 出 て、ペリシテびとの 軍勢 を 撃 たれるからである」。
25 ダビデは、主 が 命 じられたようにして、ペリシテびとを 撃 ち、ゲバからゲゼルに 及 んだ。
Chapter 6
1 ダビデは 再 びイスラエルのえり 抜 きの 者 三万 人 をことごとく 集 めた。
2 そしてダビデは 立 って、自分 と 共 にいるすべての 民 と 共 にバアレ・ユダへ 行 って、神 の 箱 をそこからかき 上 ろうとした。この 箱 はケルビムの 上 に 座 しておられる 万軍 の 主 の 名 をもって 呼 ばれている。
3 彼 らは 神 の 箱 を 新 しい 車 に 載 せて、山 の 上 にあるアビナダブの 家 から 運 び 出 した。
4 アビナダブの 子 たち、ウザとアヒオとが 神 の 箱 を 載 せた 新 しい 車 を 指揮 し、ウザは 神 の 箱 のかたわらに 沿 い、アヒオは 箱 の 前 に 進 んだ。
5 ダビデとイスラエルの 全家 は 琴 と 立琴 と 手 鼓 と 鈴 とシンバルとをもって 歌 をうたい、力 をきわめて、主 の 前 に 踊 った。
6 彼 らがナコンの 打 ち 場 にきた 時、ウザは 神 の 箱 に 手 を 伸 べて、それを 押 えた。牛 がつまずいたからである。
7 すると 主 はウザに 向 かって 怒 りを 発 し、彼 が 手 を 箱 に 伸 べたので、彼 をその 場 で 撃 たれた。彼 は 神 の 箱 のかたわらで 死 んだ。
8 主 がウザを 撃 たれたので、ダビデは 怒 った。その 所 は 今日 までペレヅ・ウザと 呼 ばれている。
9 その 日 ダビデは 主 を 恐 れて 言 った、「どうして 主 の 箱 がわたしの 所 に 来 ることができようか」。
10 ダビデは 主 の 箱 をダビデの 町 に 入 れることを 好 まず、これを 移 してガテびとオベデエドムの 家 に 運 ばせた。
11 神 の 箱 はガテびとオベデエドムの 家 に三か 月 とどまった。主 はオベデエドムとその 全家 を 祝福 された。
12 しかしダビデ 王 は、「主 が 神 の 箱 のゆえに、オベデエドムの 家 とそのすべての 所有 を 祝福 されている」と 聞 き、ダビデは 行 って、喜 びをもって、神 の 箱 をオベデエドムの 家 からダビデの 町 にかき 上 った。
13 主 の 箱 をかく 者 が六 歩 進 んだ 時、ダビデは 牛 と 肥 えた 物 を 犠牲 としてささげた。
14 そしてダビデは 力 をきわめて、主 の 箱 の 前 で 踊 った。その 時 ダビデは 亜麻 布 のエポデをつけていた。
15 こうしてダビデとイスラエルの 全家 とは、喜 びの 叫 びと 角笛 の 音 をもって、神 の 箱 をかき 上 った。
16 主 の 箱 がダビデの 町 にはいった 時、サウルの 娘 ミカルは 窓 からながめ、ダビデ 王 が 主 の 前 に 舞 い 踊 るのを 見 て、心 のうちにダビデをさげすんだ。
17 人々 は 主 の 箱 をかき 入 れて、ダビデがそのために 張 った 天幕 の 中 のその 場所 に 置 いた。そしてダビデは 燔祭 と 酬恩祭 を 主 の 前 にささげた。
18 ダビデは 燔祭 と 酬恩祭 をささげ 終 った 時、万軍 の 主 の 名 によって 民 を 祝福 した。
19 そしてすべての 民、イスラエルの 全 民衆 に、男 にも 女 にも、おのおのパンの 菓子 一 個、肉 一きれ、ほしぶどう一かたまりを 分 け 与 えた。こうして 民 はみなおのおのその 家 に 帰 った。
20 ダビデが 家族 を 祝福 しようとして 帰 ってきた 時、サウルの 娘 ミカルはダビデを 出迎 えて 言 った、「きょうイスラエルの 王 はなんと 威厳 のあったことでしょう。いたずら 者 が、恥 も 知 らず、その 身 を 現 すように、きょう 家来 たちのはしためらの 前 に 自分 の 身 を 現 されました」。
21 ダビデはミカルに 言 った、「あなたの 父 よりも、またその 全家 よりも、むしろわたしを 選 んで、主 の 民 イスラエルの 君 とせられた 主 の 前 に 踊 ったのだ。わたしはまた 主 の 前 に 踊 るであろう。
22 わたしはこれよりももっと 軽 んじられるようにしよう。そしてあなたの 目 には 卑 しめられるであろう。しかしわたしは、あなたがさきに 言 った、はしためたちに 誉 を 得 るであろう」。
23 こうしてサウルの 娘 ミカルは 死 ぬ 日 まで 子供 がなかった。
Chapter 7
1 さて、王 が 自分 の 家 に 住 み、また 主 が 周囲 の 敵 をことごとく 打 ち 退 けて 彼 に 安息 を 賜 わった 時、
2 王 は 預言者 ナタンに 言 った、「見 よ、今 わたしは、香柏 の 家 に 住 んでいるが、神 の 箱 はなお 幕屋 のうちにある」。
3 ナタンは 王 に 言 った、「主 があなたと 共 におられますから、行 って、すべてあなたの 心 にあるところを 行 いなさい」。
4 その 夜、主 の 言葉 がナタンに 臨 んで 言 った、
5 「行 って、わたしのしもべダビデに 言 いなさい、『主 はこう 仰 せられる。あなたはわたしの 住 む 家 を 建 てようとするのか。
6 わたしはイスラエルの 人々 をエジプトから 導 き 出 した 日 から 今日 まで、家 に 住 まわず、天幕 をすまいとして 歩 んできた。
7 わたしがイスラエルのすべての 人々 と 共 に 歩 んだすべての 所 で、わたしがわたしの 民 イスラエルを 牧 することを 命 じたイスラエルのさばきづかさのひとりに、ひと 言 でも「どうしてあなたがたはわたしのために 香柏 の 家 を 建 てないのか」と、言 ったことがあるであろうか』。
8 それゆえ、今 あなたは、わたしのしもべダビデにこう 言 いなさい、『万軍 の 主 はこう 仰 せられる。わたしはあなたを 牧場 から、羊 に 従 っている 所 から 取 って、わたしの 民 イスラエルの 君 とし、
9 あなたがどこへ 行 くにも、あなたと 共 におり、あなたのすべての 敵 をあなたの 前 から 断 ち 去 った。わたしはまた 地上 の 大 いなる 者 の 名 のような 大 いなる 名 をあなたに 得 させよう。
10 そしてわたしの 民 イスラエルのために一つの 所 を 定 めて、彼 らを 植 えつけ、彼 らを 自分 の 所 に 住 ませ、重 ねて 動 くことのないようにするであろう。
11 また 前 のように、わたしがわたしの 民 イスラエルの 上 にさばきづかさを 立 てた 日 からこのかたのように、悪人 が 重 ねてこれを 悩 ますことはない。わたしはあなたのもろもろの 敵 を 打 ち 退 けて、あなたに 安息 を 与 えるであろう。主 はまた「あなたのために 家 を 造 る」と 仰 せられる。
12 あなたが 日 が 満 ちて、先祖 たちと 共 に 眠 る 時、わたしはあなたの 身 から 出 る 子 を、あなたのあとに 立 てて、その 王国 を 堅 くするであろう。
13 彼 はわたしの 名 のために 家 を 建 てる。わたしは 長 くその 国 の 位 を 堅 くしよう。
14 わたしは 彼 の 父 となり、彼 はわたしの 子 となるであろう。もし 彼 が 罪 を 犯 すならば、わたしは 人 のつえと 人 の 子 のむちをもって 彼 を 懲 らす。
15 しかしわたしはわたしのいつくしみを、わたしがあなたの 前 から 除 いたサウルから 取 り 去 ったように、彼 からは 取 り 去 らない。
16 あなたの 家 と 王国 はわたしの 前 に 長 く 保 つであろう。あなたの 位 は 長 く 堅 うせられる』」。
17 ナタンはすべてこれらの 言葉 のように、またすべてこの 幻 のようにダビデに 語 った。
18 その 時 ダビデ 王 は、はいって 主 の 前 に 座 して 言 った、「主 なる 神 よ、わたしがだれ、わたしの 家 が 何 であるので、あなたはこれまでわたしを 導 かれたのですか。
19 主 なる 神 よ、これはなおあなたの 目 には 小 さい 事 です。主 なる 神 よ、あなたはまたしもべの 家 の、はるか 後 の 事 を 語 って、きたるべき 代々 のことを 示 されました。
20 ダビデはこの 上 なにをあなたに 申 しあげることができましょう。主 なる 神 よ、あなたはしもべを 知 っておられるのです。
21 あなたの 約束 のゆえに、またあなたの 心 に 従 って、あなたはこのもろもろの 大 いなる 事 を 行 い、しもべにそれを 知 らせられました。
22 主 なる 神 よ、あなたは 偉大 です。それは、われわれがすべて 耳 に 聞 いたところによれば、あなたのような 者 はなく、またあなたのほかに 神 はないからです。
23 地 のどの 国民 が、あなたの 民 イスラエルのようでありましょうか。これは 神 が 行 って、自分 のためにあがなって 民 とし、自 らの 名 をあげられたもの、また 彼 らのために 大 いなる 恐 るべきことをなし、その 民 の 前 から 国 びととその 神々 とを 追 い 出 されたものです。
24 そしてあなたの 民 イスラエルを 永遠 にあなたの 民 として、自分 のために、定 められました。主 よ、あなたは 彼 らの 神 となられたのです。
25 主 なる 神 よ、今 あなたが、しもべとしもべの 家 とについて 語 られた 言葉 を 長 く 堅 うして、あなたの 言 われたとおりにしてください。
26 そうすれば、あなたの 名 はとこしえにあがめられて、『万軍 の 主 はイスラエルの 神 である』と 言 われ、あなたのしもべダビデの 家 は、あなたの 前 に 堅 く 立 つことができましょう。
27 万軍 の 主、イスラエルの 神 よ、あなたはしもべに 示 して、『おまえのために 家 を 建 てよう』と 言 われました。それゆえ、しもべはこの 祈 をあなたにささげる 勇気 を 得 たのです。
28 主 なる 神 よ、あなたは 神 にましまし、あなたの 言葉 は 真実 です。あなたはこの 良 き 事 をしもべに 約束 されました。
29 どうぞ 今、しもべの 家 を 祝福 し、あなたの 前 に 長 くつづかせてくださるように。主 なる 神 よ、あなたがそれを 言 われたのです。どうぞあなたの 祝福 によって、しもべの 家 がながく 祝福 されますように」。
Chapter 8
1 この 後 ダビデはペリシテびとを 撃 って、これを 征服 した。ダビデはまたペリシテびとの 手 からメテグ・アンマを 取 った。
2 彼 はまたモアブを 撃 ち、彼 らを 地 に 伏 させ、なわをもって 彼 らを 測 った。すなわち二 筋 のなわをもって 殺 すべき 者 を 測 り、一 筋 のなわをもって 生 かしておく 者 を 測 った。そしてモアブびとは、ダビデのしもべとなって、みつぎを 納 めた。
3 ダビデはまたレホブの 子 であるゾバの 王 ハダデゼルが、ユフラテ 川 のほとりにその 勢力 を 回復 しようとして 行 くところを 撃 った。
4 そしてダビデは 彼 から 騎兵 千七百 人、歩兵 二万 人 を 取 った。ダビデはまた一百の 戦車 の 馬 を 残 して、そのほかの 戦車 の 馬 はみなその 足 の 筋 を 切 った。
5 ダマスコのスリヤびとが、ゾバの 王 ハダデゼルを 助 けるためにきたので、ダビデはスリヤびと二万二千 人 を 殺 した。
6 そしてダビデはダマスコのスリヤに 守備 隊 を 置 いた。スリヤびとは、ダビデのしもべとなって、みつぎを 納 めた。主 はダビデにすべてその 行 く 所 で 勝利 を 与 えられた。
7 ダビデはハダデゼルのしもべらが 持 っていた 金 の 盾 を 奪 って、エルサレムに 持 ってきた。
8 ダビデ 王 はまたハダデゼルの 町、ベタとベロタイから、ひじょうに 多 くの 青銅 を 取 った。
9 時 にハマテの 王 トイは、ダビデがハダデゼルのすべての 軍勢 を 撃 ち 破 ったことを 聞 き、
10 その 子 ヨラムをダビデ 王 のもとにつかわして、彼 にあいさつし、かつ 祝 を 述 べさせた。ハダデゼルはかつてしばしばトイと 戦 いを 交 えたが、ダビデがハダデゼルと 戦 ってこれを 撃 ち 破 ったからである。ヨラムが 銀 の 器 と 金 の 器 と 青銅 の 器 を 携 えてきたので、
11 ダビデ 王 は 征服 したすべての 国民 から 取 ってささげた 金銀 と 共 にこれらをも 主 にささげた。
12 すなわちエドム、モアブ、アンモンの 人々、ペリシテびと、アマレクから 獲 た 物、およびゾバの 王 レホブの 子 ハダデゼルから 獲 たぶんどり 物 と 共 にこれをささげた。
13 こうしてダビデは 名声 を 得 た。彼 は 帰 ってきてから 塩 の 谷 でエドムびと一万八千 人 を 撃 ち 殺 した。
14 そしてエドムに 守備 隊 を 置 いた。すなわちエドムの 全 地 に 守備 隊 を 置 き、エドムびとは 皆 ダビデのしもべとなった。主 はダビデにすべてその 行 く 所 で 勝利 を 与 えられた。
15 こうしてダビデはイスラエルの 全 地 を 治 め、そのすべての 民 に 正義 と 公平 を 行 った。
16 ゼルヤの 子 ヨアブは 軍 の 長、アヒルデの 子 ヨシャパテは 史官、
17 アヒトブの 子 ザドクとアビヤタルの 子 アヒメレクは 祭司、セラヤは 書記官、
18 エホヤダの 子 ベナヤはケレテびととペレテびとの 長、ダビデの 子 たちは 祭司 であった。
Chapter 9
1 時 にダビデは 言 った、「サウルの 家 の 人 で、なお 残 っている 者 があるか。わたしはヨナタンのために、その 人 に 恵 みを 施 そう」。
2 さて、サウルの 家 にヂバという 名 のしもべがあったが、人々 が 彼 をダビデのもとに 呼 び 寄 せたので、王 は 彼 に 言 った、「あなたがヂバか」。彼 は 言 った、「しもべがそうです」。
3 王 は 言 った、「サウルの 家 の 人 がまだ 残 っていませんか。わたしはその 人 に 神 の 恵 みを 施 そうと 思 う」。ヂバは 王 に 言 った、「ヨナタンの 子 がまだおります。あしなえです」。
4 王 は 彼 に 言 った、「その 人 はどこにいるのか」。ヂバは 王 に 言 った、「彼 はロ・デバルのアンミエルの 子 マキルの 家 におります」。
5 ダビデ 王 は 人 をつかわして、ロ・デバルのアンミエルの 子 マキルの 家 から、彼 を 連 れてこさせた。
6 サウルの 子 ヨナタンの 子 であるメピボセテはダビデのもとにきて、ひれ 伏 して 拝 した。ダビデが、「メピボセテよ」と 言 ったので、彼 は、「しもべは、ここにおります」と 答 えた。
7 ダビデは 彼 に 言 った、「恐 れることはない。わたしはかならずあなたの 父 ヨナタンのためにあなたに 恵 みを 施 しましょう。あなたの 父 サウルの 地 をみなあなたに 返 します。またあなたは 常 にわたしの 食卓 で 食事 をしなさい」。
8 彼 は 拝 して 言 った、「あなたは、しもべを 何 とおぼしめして、死 んだ 犬 のようなわたしを 顧 みられるのですか」。
9 王 はサウルのしもべヂバを 呼 んで 言 った、「すべてサウルとその 家 に 属 する 物 を 皆、わたしはあなたの 主人 の 子 に 与 えた。
10 あなたと、あなたの 子 たちと、しもべたちとは、彼 のために 地 を 耕 して、あなたの 主人 の 子 が 食 べる 食物 を 取 り 入 れなければならない。しかしあなたの 主人 の 子 メピボセテはいつもわたしの 食卓 で 食事 をするであろう」。ヂバには十五 人 の 男 の 子 と二十 人 のしもべがあった。
11 ヂバは 王 に 言 った、「すべて 王 わが 主君 がしもべに 命 じられるとおりに、しもべはいたしましょう」。こうしてメピボセテは 王 の 子 のひとりのようにダビデの 食卓 で 食事 をした。
12 メピボセテには 小 さい 子 があって、名 をミカといった。そしてヂバの 家 に 住 んでいる 者 はみなメピボセテのしもべとなった。
13 メピボセテはエルサレムに 住 んだ。彼 がいつも 王 の 食卓 で 食事 をしたからである。彼 は 両足 ともに、なえていた。
Chapter 10
1 この 後 アンモンの 人々 の 王 が 死 んで、その 子 ハヌンがこれに 代 って 王 となった。
2 そのときダビデは 言 った、「わたしはナハシの 子 ハヌンに、その 父 がわたしに 恵 みを 施 したように、恵 みを 施 そう」。そしてダビデは 彼 を、その 父 のゆえに 慰 めようと、しもべをつかわした。ダビデのしもべたちはアンモンの 人々 の 地 に 行 ったが、
3 アンモンの 人々 のつかさたちはその 主君 ハヌンに 言 った、「ダビデが 慰 める 者 をあなたのもとにつかわしたのは 彼 があなたの 父 を 尊 ぶためだと 思 われますか。ダビデがあなたのもとに、しもべたちをつかわしたのは、この 町 をうかがい、それを 探 って、滅 ぼすためではありませんか」。
4 そこでハヌンはダビデのしもべたちを 捕 え、おのおの、ひげの 半 ばをそり 落 し、その 着物 を 中 ほどから 断 ち 切 り 腰 の 所 までにして、彼 らを 帰 らせた。
5 人々 がこれをダビデに 告 げたので、ダビデは 人 をつかわして 彼 らを 迎 えさせた。その 人々 はひじょうに 恥 じたからである。そこで 王 は 言 った、「ひげがのびるまでエリコにとどまって、その 後、帰 りなさい」。
6 アンモンの 人々 は 自分 たちがダビデに 憎 まれていることがわかったので、人 をつかわして、ベテ・レホブのスリヤびととゾバのスリヤびととの 歩兵 二万 人 およびマアカの 王 とその一千 人、トブの 人 一万二千 人 を 雇 い 入 れた。
7 ダビデはそれを 聞 いて、ヨアブと 勇士 の 全 軍 をつかわしたので、
8 アンモンの 人々 は 出 て、門 の 入口 に 戦 いの 備 えをした。ゾバとレホブとのスリヤびと、およびトブとマアカの 人々 は 別 に 野 にいた。
9 ヨアブは 戦 いが 前後 から 自分 に 迫 ってくるのを 見 て、イスラエルのえり 抜 きの 兵士 のうちから 選 んで、これをスリヤびとに 対 して 備 え、
10 そのほかの 民 を 自分 の 兄弟 アビシャイの 手 にわたして、アンモンの 人々 に 対 して 備 えさせ、
11 そして 言 った、「もしスリヤびとがわたしに 手 ごわいときは、わたしを 助 けてください。もしアンモンの 人々 があなたに 手 ごわいときは、行 ってあなたを 助 けましょう。
12 勇 ましくしてください。われわれの 民 のため、われわれの 神 の 町々 のため、勇 ましくしましょう。どうぞ 主 が 良 いと 思 われることをされるように」。
13 ヨアブが 自分 と 一緒 にいる 民 と 共 に、スリヤびとに 向 かって 戦 おうとして 近 づいたとき、スリヤびとは 彼 の 前 から 逃 げた。
14 アンモンの 人々 はスリヤびとが 逃 げるのを 見 て、彼 らもまたアビシャイの 前 から 逃 げて 町 にはいった。そこでヨアブはアンモンの 人々 を 撃 つことをやめてエルサレムに 帰 った。
15 しかしスリヤびとは 自分 たちのイスラエルに 打 ち 敗 られたのを 見 て、共 に 集 まった。
16 そしてハダデゼルは 人 をつかわし、ユフラテ 川 の 向 こう 側 にいるスリヤびとを 率 いてヘラムにこさせた。ハダデゼルの 軍 の 長 ショバクがこれを 率 いた。
17 この 事 がダビデに 聞 えたので、彼 はイスラエルをことごとく 集 め、ヨルダンを 渡 ってヘラムにきた。スリヤびとはダビデに 向 かって 備 えをして 彼 と 戦 った。
18 しかしスリヤびとがイスラエルの 前 から 逃 げたので、ダビデはスリヤびとの 戦車 の 兵 七百、騎兵 四万を 殺 し、またその 軍 の 長 ショバクを 撃 ったので、彼 はその 所 で 死 んだ。
19 ハダデゼルの 家来 であった 王 たちはみな、自分 たちがイスラエルに 打 ち 敗 られたのを 見 て、イスラエルと 和 を 講 じ、これに 仕 えた。こうしてスリヤびとは 恐 れて 再 びアンモンの 人々 を 助 けることをしなかった。
Chapter 11
1 春 になって、王 たちが 戦 いに 出 るに 及 んで、ダビデはヨアブおよび 自分 と 共 にいる 家来 たち、並 びにイスラエルの 全 軍 をつかわした。彼 らはアンモンの 人々 を 滅 ぼし、ラバを 包囲 した。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。
2 さて、ある 日 の 夕暮、ダビデは 床 から 起 き 出 て、王 の 家 の 屋上 を 歩 いていたが、屋上 から、ひとりの 女 がからだを 洗 っているのを 見 た。その 女 は 非常 に 美 しかった。
3 ダビデは 人 をつかわしてその 女 のことを 探 らせたが、ある 人 は 言 った、「これはエリアムの 娘 で、ヘテびとウリヤの 妻 バテシバではありませんか」。
4 そこでダビデは 使者 をつかわして、その 女 を 連 れてきた。女 は 彼 の 所 にきて、彼 はその 女 と 寝 た。(女 は 身 の 汚 れを 清 めていたのである。)こうして 女 はその 家 に 帰 った。
5 女 は 妊娠 したので、人 をつかわしてダビデに 告 げて 言 った、「わたしは 子 をはらみました」。
6 そこでダビデはヨアブに、「ヘテびとウリヤをわたしの 所 につかわせ」と 言 ってやったので、ヨアブはウリヤをダビデの 所 につかわした。
7 ウリヤがダビデの 所 にきたので、ダビデは、ヨアブはどうしているか、民 はどうしているか、戦 いはうまくいっているかとたずねた。
8 そしてダビデはウリヤに 言 った、「あなたの 家 に 行 って、足 を 洗 いなさい」。ウリヤは 王 の 家 を 出 ていったが、王 の 贈 り 物 が 彼 の 後 に 従 った。
9 しかしウリヤは 王 の 家 の 入口 で 主君 の 家来 たちと 共 に 寝 て、自分 の 家 に 帰 らなかった。
10 人々 がダビデに、「ウリヤは 自分 の 家 に 帰 りませんでした」と 告 げたので、ダビデはウリヤに 言 った、「旅 から 帰 ってきたのではないか。どうして 家 に 帰 らなかったのか」。
11 ウリヤはダビデに 言 った、「神 の 箱 も、イスラエルも、ユダも、小屋 の 中 に 住 み、わたしの 主人 ヨアブと、わが 主君 の 家来 たちが 野 のおもてに 陣 を 取 っているのに、わたしはどうして 家 に 帰 って 食 い 飲 みし、妻 と 寝 ることができましょう。あなたは 生 きておられます。あなたの 魂 は 生 きています。わたしはこの 事 をいたしません」。
12 ダビデはウリヤに 言 った、「きょうも、ここにとどまりなさい。わたしはあす、あなたを 去 らせましょう」。そこでウリヤはその 日 と 次 の 日 エルサレムにとどまった。
13 ダビデは 彼 を 招 いて 自分 の 前 で 食 い 飲 みさせ、彼 を 酔 わせた。夕暮 になって 彼 は 出 ていって、その 床 に、主君 の 家来 たちと 共 に 寝 た。そして 自分 の 家 には 下 って 行 かなかった。
14 朝 になってダビデはヨアブにあてた 手紙 を 書 き、ウリヤの 手 に 託 してそれを 送 った。
15 彼 はその 手紙 に、「あなたがたはウリヤを 激 しい 戦 いの 最前線 に 出 し、彼 の 後 から 退 いて、彼 を 討死 させよ」と 書 いた。
16 ヨアブは 町 を 囲 んでいたので、勇士 たちがいると 知 っていた 場所 にウリヤを 置 いた。
17 町 の 人々 が 出 てきてヨアブと 戦 ったので、民 のうち、ダビデの 家来 たちにも、倒 れるものがあり、ヘテびとウリヤも 死 んだ。
18 ヨアブは 人 をつかわして 戦 いのことをつぶさにダビデに 告 げた。
19 ヨアブはその 使者 に 命 じて 言 った、「あなたが 戦 いのことをつぶさに 王 に 語 り 終 ったとき、
20 もし 王 が 怒 りを 起 して、『あなたがたはなぜ 戦 おうとしてそんなに 町 に 近 づいたのか。彼 らが 城壁 の 上 から 射 るのを 知 らなかったのか。
21 エルベセテの 子 アビメレクを 撃 ったのはだれか。ひとりの 女 が 城壁 の 上 から 石 うすの 上石 を 投 げて 彼 をテベツで 殺 したのではなかったか。あなたがたはなぜそんなに 城壁 に 近 づいたのか』と 言 われたならば、その 時 あなたは、『あなたのしもべ、ヘテびとウリヤもまた 死 にました』と 言 いなさい」。
22 こうして 使者 は 行 き、ダビデのもとにきて、ヨアブが 言 いつかわしたことをことごとく 告 げた。
23 使者 はダビデに 言 った、「敵 はわれわれよりも 有利 な 位置 を 占 め、出 てきてわれわれを 野 で 攻 めましたが、われわれは 町 の 入口 まで 彼 らを 追 い 返 しました。
24 その 時、射手 どもは 城壁 からあなたの 家来 たちを 射 ましたので、王 の 家来 のある 者 は 死 に、また、あなたの 家来 ヘテびとウリヤも 死 にました」。
25 ダビデは 使者 に 言 った、「あなたはヨアブにこう 言 いなさい、『この 事 で 心配 することはない。つるぎはこれをも 彼 をも 同 じく 滅 ぼすからである。強 く 町 を 攻 めて 戦 い、それを 攻 め 落 しなさい』と。そしてヨアブを 励 ましなさい」。
26 ウリヤの 妻 は 夫 ウリヤが 死 んだことを 聞 いて、夫 のために 悲 しんだ。
27 その 喪 が 過 ぎた 時、ダビデは 人 をつかわして 彼女 を 自分 の 家 に 召 し 入 れた。彼女 は 彼 の 妻 となって 男 の 子 を 産 んだ。しかしダビデがしたこの 事 は 主 を 怒 らせた。
Chapter 12
1 主 はナタンをダビデにつかわされたので、彼 はダビデの 所 にきて 言 った、「ある 町 にふたりの 人 があって、ひとりは 富 み、ひとりは 貧 しかった。
2 富 んでいる 人 は 非常 に 多 くの 羊 と 牛 を 持 っていたが、
3 貧 しい 人 は 自分 が 買 った一 頭 の 小 さい 雌 の 小羊 のほかは 何 も 持 っていなかった。彼 がそれを 育 てたので、その 小羊 は 彼 および 彼 の 子供 たちと 共 に 成長 し、彼 の 食物 を 食 べ、彼 のわんから 飲 み、彼 のふところで 寝 て、彼 にとっては 娘 のようであった。
4 時 に、ひとりの 旅 びとが、その 富 んでいる 人 のもとにきたが、自分 の 羊 または 牛 のうちから一 頭 を 取 って、自分 の 所 にきた 旅 びとのために 調理 することを 惜 しみ、その 貧 しい 人 の 小羊 を 取 って、これを 自分 の 所 にきた 人 のために 調理 した」。
5 ダビデはその 人 の 事 をひじょうに 怒 ってナタンに 言 った、「主 は 生 きておられる。この 事 をしたその 人 は 死 ぬべきである。
6 かつその 人 はこの 事 をしたため、またあわれまなかったため、その 小羊 を四 倍 にして 償 わなければならない」。
7 ナタンはダビデに 言 った、「あなたがその 人 です。イスラエルの 神、主 はこう 仰 せられる、『わたしはあなたに 油 を 注 いでイスラエルの 王 とし、あなたをサウルの 手 から 救 いだし、
8 あなたに 主人 の 家 を 与 え、主人 の 妻 たちをあなたのふところに 与 え、またイスラエルとユダの 家 をあなたに 与 えた。もし 少 なかったならば、わたしはもっと 多 くのものをあなたに 増 し 加 えたであろう。
9 どうしてあなたは 主 の 言葉 を 軽 んじ、その 目 の 前 に 悪事 をおこなったのですか。あなたはつるぎをもってヘテびとウリヤを 殺 し、その 妻 をとって 自分 の 妻 とした。すなわちアンモンの 人々 のつるぎをもって 彼 を 殺 した。
10 あなたがわたしを 軽 んじてヘテびとウリヤの 妻 をとり、自分 の 妻 としたので、つるぎはいつまでもあなたの 家 を 離 れないであろう』。
11 主 はこう 仰 せられる、『見 よ、わたしはあなたの 家 からあなたの 上 に 災 を 起 すであろう。わたしはあなたの 目 の 前 であなたの 妻 たちを 取 って、隣 びとに 与 えるであろう。その 人 はこの 太陽 の 前 で 妻 たちと 一緒 に 寝 るであろう。
12 あなたはひそかにそれをしたが、わたしは 全 イスラエルの 前 と、太陽 の 前 にこの 事 をするのである』」。
13 ダビデはナタンに 言 った、「わたしは 主 に 罪 をおかしました」。ナタンはダビデに 言 った、「主 もまたあなたの 罪 を 除 かれました。あなたは 死 ぬことはないでしょう。
14 しかしあなたはこの 行 いによって 大 いに 主 を 侮 ったので、あなたに 生 れる 子供 はかならず 死 ぬでしょう」。
15 こうしてナタンは 家 に 帰 った。さて 主 は、ウリヤの 妻 がダビデに 産 んだ 子 を 撃 たれたので、病気 になった。
16 ダビデはその 子 のために 神 に 嘆願 した。すなわちダビデは 断食 して、へやにはいり 終夜 地 に 伏 した。
17 ダビデの 家 の 長老 たちは、彼 のかたわらに 立 って 彼 を 地 から 起 そうとしたが、彼 は 起 きようとはせず、また 彼 らと 一緒 に 食事 をしなかった。
18 七日 目 にその 子 は 死 んだ。ダビデの 家来 たちはその 子 が 死 んだことをダビデに 告 げるのを 恐 れた。それは 彼 らが、「見 よ、子 のなお 生 きている 間 に、われわれが 彼 に 語 ったのに 彼 はその 言葉 を 聞 きいれなかった。どうして 彼 にその 子 の 死 んだことを 告 げることができようか。彼 は 自 らを 害 するかも 知 れない」と 思 ったからである。
19 しかしダビデは、家来 たちが 互 にささやき 合 うのを 見 て、その 子 の 死 んだのを 悟 り、家来 たちに 言 った、「子 は 死 んだのか」。彼 らは 言 った、「死 なれました」。
20 そこで、ダビデは 地 から 起 き 上 がり、身 を 洗 い、油 をぬり、その 着物 を 替 えて、主 の 家 にはいって 拝 した。そののち 自分 の 家 に 行 き、求 めて 自分 のために 食物 を 備 えさせて 食 べた。
21 家来 たちは 彼 に 言 った、「あなたのなさったこの 事 はなんでしょうか。あなたは 子 の 生 きている 間 はその 子 のために 断食 して 泣 かれました。しかし 子 が 死 ぬと、あなたは 起 きて 食事 をなさいました」。
22 ダビデは 言 った、「子 の 生 きている 間 に、わたしが 断食 して 泣 いたのは、『主 がわたしをあわれんで、この 子 を 生 かしてくださるかも 知 れない』と 思 ったからです。
23 しかし 今 は 死 んだので、わたしはどうして 断食 しなければならないでしょうか。わたしは 再 び 彼 をかえらせることができますか。わたしは 彼 の 所 に 行 くでしょうが、彼 はわたしの 所 に 帰 ってこないでしょう」。
24 ダビデは 妻 バテシバを 慰 め、彼女 の 所 にはいって、彼女 と 共 に 寝 たので、彼女 は 男 の 子 を 産 んだ。ダビデはその 名 をソロモンと 名 づけた。主 はこれを 愛 された。
25 そして 預言者 ナタンをつかわし、命 じてその 名 をエデデアと 呼 ばせられた。
26 さてヨアブはアンモンの 人々 のラバを 攻 めて 王 の 町 を 取 った。
27 ヨアブは 使者 をダビデにつかわして 言 った、「わたしはラバを 攻 めて 水 の 町 を 取 りました。
28 あなたは 今、残 りの 民 を 集 め、この 町 に 向 かって 陣 をしき、これを 取 りなさい。わたしがこの 町 を 取 って、人 がわたしの 名 をもって、これを 呼 ぶようにならないためです」。
29 そこでダビデは 民 をことごとく 集 めてラバへ 行 き、攻 めてこれを 取 った。
30 そしてダビデは 彼 らの 王 の 冠 をその 頭 から 取 りはなした。それは 金 で 重 さは一タラントであった。宝石 がはめてあり、それをダビデの 頭 に 置 いた。ダビデはその 町 からぶんどり 物 を 非常 に 多 く 持 ち 出 した。
31 またダビデはそのうちの 民 を 引 き 出 して、彼 らをのこぎりや、鉄 のつるはし、鉄 のおのを 使 う 仕事 につかせ、また、れんが 造 りの 労役 につかせた。彼 はアンモンの 人々 のすべての 町 にこのようにした。そしてダビデと 民 とは 皆 エルサレムに 帰 った。
Chapter 13
1 さてダビデの 子 アブサロムには 名 をタマルという 美 しい 妹 があったが、その 後 ダビデの 子 アムノンはこれを 恋 した。
2 アムノンは 妹 タマルのために 悩 んでついにわずらった。それはタマルが 処女 であって、アムノンは 彼女 に 何事 もすることができないと 思 ったからである。
3 ところがアムノンにはひとりの 友 だちがあった。名 をヨナダブといい、ダビデの 兄弟 シメアの 子 である。ヨナダブはひじょうに 賢 い 人 であった。
4 彼 はアムノンに 言 った、「王子 よ、あなたは、どうして 朝 ごとに、そんなにやせ 衰 えるのですか。わたしに 話 さないのですか」。アムノンは 彼 に 言 った、「わたしは 兄弟 アブサロムの 妹 タマルを 恋 しているのです」。
5 ヨナダブは 彼 に 言 った、「あなたは 病 と 偽 り、寝床 に 横 たわって、あなたの 父 がきてあなたを 見 るとき 彼 に 言 いなさい、『どうぞ、わたしの 妹 タマルをこさせ、わたしの 所 に 食物 を 運 ばせてください。そして 彼女 がわたしの 目 の 前 で 食物 をととのえ、彼女 の 手 からわたしが 食 べることのできるようにさせてください』」。
6 そこでアムノンは 横 になって 病 と 偽 ったが、王 がきて 彼 を 見 た 時、アムノンは 王 に 言 った、「どうぞわたしの 妹 タマルをこさせ、わたしの 目 の 前 で二つの 菓子 を 作 らせて、彼女 の 手 からわたしが 食 べることのできるようにしてください」。
7 ダビデはタマルの 家 に 人 をつかわして 言 わせた、「あなたの 兄 アムノンの 家 へ 行 って、彼 のために 食物 をととのえなさい」。
8 そこでタマルはその 兄 アムノンの 家 へ 行 ったところ、アムノンは 寝 ていた。タマルは 粉 を 取 って、これをこね、彼 の 目 の 前 で、菓子 を 作 り、その 菓子 を 焼 き、
9 なべを 取 って 彼 の 前 にそれをあけた。しかし 彼 は 食 べることを 拒 んだ。そしてアムノンは、「みな、わたしを 離 れて 出 てください」と 言 ったので、皆、彼 を 離 れて 出 た。
10 アムノンはタマルに 言 った、「食物 を 寝室 に 持 ってきてください。わたしはあなたの 手 から 食 べます」。そこでタマルは 自分 の 作 った 菓子 をとって、寝室 にはいり 兄 アムノンの 所 へ 持 っていった。
11 タマルが 彼 に 食 べさせようとして 近 くに 持 って 行 った 時、彼 はタマルを 捕 えて 彼女 に 言 った、「妹 よ、来 て、わたしと 寝 なさい」。
12 タマルは 言 った、「いいえ、兄 上 よ、わたしをはずかしめてはなりません。このようなことはイスラエルでは 行 われません。この 愚 かなことをしてはなりません。
13 わたしの 恥 をわたしはどこへ 持 って 行 くことができましょう。あなたはイスラエルの 愚 か 者 のひとりとなるでしょう。それゆえ、どうぞ 王 に 話 してください。王 がわたしをあなたに 与 えないことはないでしょう」。
14 しかしアムノンは 彼女 の 言 うことを 聞 こうともせず、タマルよりも 強 かったので、タマルをはずかしめてこれと 共 に 寝 た。
15 それからアムノンは、ひじょうに 深 くタマルを 憎 むようになった。彼女 を 憎 む 憎 しみは、彼女 を 恋 した 恋 よりも 大 きかった。アムノンは 彼女 に 言 った、「立 って、行 きなさい」。
16 タマルはアムノンに 言 った、「いいえ、兄 上 よ、わたしを 返 すことは、あなたがさきにわたしになさった 事 よりも 大 きい 悪 です」。しかしアムノンは 彼女 の 言 うことを 聞 こうともせず、
17 彼 に 仕 えている 若者 を 呼 んで 言 った、「この 女 をわたしの 所 から 外 におくり 出 し、そのあとに 戸 を 閉 ざすがよい」。
18 この 時、タマルは 長 そでの 着物 を 着 ていた。昔、王 の 姫 たちの 処女 である 者 はこのような 着物 を 着 たからである。アムノンのしもべは 彼女 を 外 に 出 して、そのあとに 戸 を 閉 ざした。
19 タマルは 灰 を 頭 にかぶり、着 ていた 長 そでの 着物 を 裂 き、手 を 頭 にのせて、叫 びながら 去 って 行 った。
20 兄 アブサロムは 彼女 に 言 った、「兄 アムノンがあなたと 一緒 にいたのか。しかし 妹 よ、今 は 黙 っていなさい。彼 はあなたの 兄 です。この 事 を 心 にとめなくてよろしい」。こうしてタマルは 兄 アブサロムの 家 に 寂 しく 住 んでいた。
21 ダビデ 王 はこれらの 事 をことごとく 聞 いて、ひじょうに 怒 った。
22 アブサロムはアムノンに 良 いことも 悪 いことも 語 ることをしなかった。それはアムノンがアブサロムの 妹 タマルをはずかしめたので、アブサロムが 彼 を 憎 んでいたからである。
23 満 二 年 の 後、アブサロムはエフライムの 近 くにあるバアル・ハゾルで 羊 の 毛 を 切 らせていた 時、王 の 子 たちをことごとく 招 いた。
24 そしてアブサロムは 王 のもとにきて 言 った、「見 よ、しもべは 羊 の 毛 を 切 らせております。どうぞ 王 も 王 の 家来 たちも、しもべと 共 にきてください」。
25 王 はアブサロムに 言 った、「いいえ、わが 子 よ、われわれが 皆 行 ってはならない。あなたの 重荷 になるといけないから」。アブサロムはダビデにしいて 願 った。しかしダビデは 行 くことを 承知 せず 彼 に 祝福 を 与 えた。
26 そこでアブサロムは 言 った、「それでは、どうぞわたしの 兄 アムノンをわれわれと 共 に 行 かせてください」。王 は 彼 に 言 った、「どうして 彼 があなたと 共 に 行 かなければならないのか」。
27 しかしアブサロムは 彼 にしいて 願 ったので、ついにアムノンと 王 の 子 たちを 皆、アブサロムと 共 に 行 かせた。
28 そこでアブサロムは 若者 たちに 命 じて 言 った、「アムノンが 酒 を 飲 んで、心 楽 しくなった 時 を 見 すまし、わたしがあなたがたに、『アムノンを 撃 て』と 言 う 時、彼 を 殺 しなさい。恐 れることはない。わたしが 命 じるのではないか。雄々 しくしなさい。勇 ましくしなさい」。
29 アブサロムの 若者 たちはアブサロムの 命 じたようにアムノンにおこなったので、王 の 子 たちは 皆 立 って、おのおのその 騾馬 に 乗 って 逃 げた。
30 彼 らがまだ 着 かないうちに、「アブサロムは 王 の 子 たちをことごとく 殺 して、ひとりも 残 っている 者 がない」という 知 らせがダビデに 達 したので、
31 王 は 立 ち、その 着物 を 裂 いて、地 に 伏 した。そのかたわらに 立 っていた 家来 たちも 皆 その 着物 を 裂 いた。
32 しかしダビデの 兄弟 シメアの 子 ヨナダブは 言 った、「わが 主 よ、王 の 子 たちである 若者 たちがみな 殺 されたと、お 考 えになってはなりません。アムノンだけが 死 んだのです。これは 彼 がアブサロムの 妹 タマルをはずかしめた 日 から、アブサロムの 命 によって 定 められていたことなのです。
33 それゆえ、わが 主、王 よ、王 の 子 たちが 皆 死 んだと 思 って、この 事 を 心 にとめられてはなりません。アムノンだけが 死 んだのです」。
34 アブサロムはのがれた。時 に 見張 りをしていた 若者 が 目 をあげて 見 ると、山 のかたわらのホロナイムの 道 から 多 くの 民 の 来 るのが 見 えた。
35 ヨナダブは 王 に 言 った、「見 よ、王 の 子 たちがきました。しもべの 言 ったとおりです」。
36 彼 が 語 ることを 終 った 時、王 の 子 たちはきて 声 をあげて 泣 いた。王 もその 家来 たちも 皆、非常 にはげしく 泣 いた。
37 しかしアブサロムはのがれて、ゲシュルの 王 アミホデの 子 タルマイのもとに 行 った。ダビデは 日々 その 子 のために 悲 しんだ。
38 アブサロムはのがれてゲシュルに 行 き、三 年 の 間 そこにいた。
39 王 は 心 に、アブサロムに 会 うことを、せつに 望 んだ。アムノンは 死 んでしまい、ダビデが 彼 のことはあきらめていたからである。
Chapter 14
1 ゼルヤの 子 ヨアブは 王 の 心 がアブサロムに 向 かっているのを 知 った。
2 そこでヨアブはテコアに 人 をつかわして、そこからひとりの 賢 い 女 を 連 れてこさせ、その 女 に 言 った、「あなたは 悲 しみのうちにある 人 をよそおって、喪服 を 着、油 を 身 に 塗 らず、死 んだ 人 のために 長 いあいだ 悲 しんでいる 女 のように、よそおって、
3 王 のもとに 行 き、しかじかと 彼 に 語 りなさい」。こうしてヨアブはその 言葉 を 彼女 の 口 に 授 けた。
4 テコアの 女 は 王 のもとに 行 き、地 に 伏 して 拝 し、「王 よ、お 助 けください」と 言 った。
5 王 は 女 に 言 った、「どうしたのか」。女 は 言 った、「まことにわたしは 寡婦 でありまして、夫 は 死 にました。
6 つかえめにはふたりの 子 どもがあり、ふたりは 野 で 争 いましたが、だれも 彼 らを 引 き 分 ける 者 がなかったので、ひとりはついに 他 の 者 を 撃 って 殺 しました。
7 すると 全家 族 がつかえめに 逆 らい 立 って、『兄弟 を 撃 ち 殺 した 者 を 引 き 渡 たすがよい。われわれは 彼 が 殺 したその 兄弟 の 命 のために 彼 を 殺 そう』と 言 い、彼 らは 世継 をも 殺 そうとしました。こうして 彼 らは 残 っているわたしの 炭火 を 消 して、わたしの 夫 の 名 をも、跡 継 をも、地 のおもてにとどめないようにしようとしています」。
8 王 は 女 に 言 った、「家 に 帰 りなさい。わたしはあなたのことについて 命令 を 下 します」。
9 テコアの 女 は 王 に 言 った、「わが 主、王 よ、わたしとわたしの 父 の 家 にその 罪 を 帰 してください。どうぞ 王 と 王 の 位 には 罪 がありませんように」。
10 王 は 言 った、「もしあなたに 何 か 言 う 者 があれば、わたしの 所 に 連 れてきなさい。そうすれば、その 人 は 重 ねてあなたに 触 れることはないでしょう」。
11 女 は 言 った、「どうぞ 王 が、あなたの 神、主 をおぼえて、血 の 報復 をする 者 に 重 ねて 滅 ぼすことをさせず、わたしの 子 の 殺 されることのないようにしてください」。王 は 言 った、「主 は 生 きておられる。あなたの 子 の 髪 の 毛 一 筋 も 地 に 落 ちることはないでしょう」。
12 女 は 言 った、「どうぞ、つかえめにひと 言、わが 主、王 に 言 わせてください」。ダビデは 言 った、「言 いなさい」。
13 女 は 言 った、「あなたは、それならばどうして、神 の 民 に 向 かってこのような 事 を 図 られたのですか。王 は 今 この 事 を 言 われたことによって 自分 を 罪 ある 者 とされています。それは 王 が 追放 された 者 を 帰 らせられないからです。
14 わたしたちはみな 死 ななければなりません。地 にこぼれた 水 の 再 び 集 めることのできないのと 同 じです。しかし 神 は、追放 された 者 が 捨 てられないように、てだてを 設 ける 人 の 命 を 取 ることはなさいません。
15 わたしがこの 事 を 王、わが 主 に 言 おうとして 来 たのは、わたしが 民 を 恐 れたからです。つかえめは、こう 思 ったのです、『王 に 申 し 上 げよう。王 は、はしための 願 いのようにしてくださるかもしれない。
16 王 は 聞 いてくださる。わたしとわたしの 子 を 共 に 滅 ぼして 神 の 嗣 業 から 離 れさせようとする 人 の 手 から、はしためを 救 い 出 してくださるのだから』。
17 つかえめはまた、こう 思 ったのです、『王、わが 主 の 言葉 はわたしを 安心 させるであろう』と。それは 王、わが 主 は 神 の 使 のように 善 と 悪 を 聞 きわけられるからです。どうぞあなたの 神、主 があなたと 共 におられますように」。
18 王 は 女 に 答 えて 言 った、「わたしが 問 うことに 隠 さず 答 えてください」。女 は 言 った、「王、わが 主 よ、どうぞ 言 ってください」。
19 王 は 言 った、「このすべての 事 において、ヨアブの 手 があなたと 共 にありますか」。女 は 答 えた、「あなたはたしかに 生 きておられます。王、わが 主 よ、すべて 王、わが 主 の 言 われた 事 から 人 は 右 にも 左 にも 曲 ることはできません。わたしに 命 じたのは、あなたのしもべヨアブです。彼 がつかえめの 口 に、これらの 言葉 をことごとく 授 けたのです。
20 事 のなりゆきを 変 えるため、あなたのしもべヨアブがこの 事 をしたのです。わが 君 には 神 の 使 の 知恵 のような 知恵 があって、地 の 上 のすべてのことを 知 っておられます」。
21 そこで 王 はヨアブに 言 った、「この 事 を 許 す。行 って、若者 アブサロムを 連 れ 帰 るがよい」。
22 ヨアブは 地 にひれ 伏 して 拝 し、王 を 祝福 した。そしてヨアブは 言 った、「わが 主、王 よ、王 がしもべの 願 いを 許 されたので、きょうしもべは、あなたの 前 に 恵 みを 得 たことを 知 りました」。
23 そこでヨアブは 立 ってゲシュルに 行 き、アブサロムをエルサレムに 連 れてきた。
24 王 は 言 った、「彼 を 自分 の 家 に 引 きこもらせるがよい。わたしの 顔 を 見 てはならない」。こうしてアブサロムは 自分 の 家 に 引 きこもり、王 の 顔 を 見 なかった。
25 さて 全 イスラエルのうちにアブサロムのように、美 しさのためほめられた 人 はなかった。その 足 の 裏 から 頭 の 頂 まで 彼 には 傷 がなかった。
26 アブサロムがその 頭 を 刈 る 時、その 髪 の 毛 をはかったが、王 のはかりで二百シケルあった。毎年 の 終 りにそれを 刈 るのを 常 とした。それが 重 くなると、彼 はそれを 刈 ったのである。
27 アブサロムに三 人 のむすこと、タマルという 名 のひとりの 娘 が 生 れた。タマルは 美 しい 女 であった。
28 こうしてアブサロムは 満 二 年 の 間 エルサレムに 住 んだが、王 の 顔 を 見 なかった。
29 そこでアブサロムはヨアブを 王 のもとにつかわそうとして、ヨアブの 所 に 人 をつかわしたが、ヨアブは 彼 の 所 にこようとはしなかった。彼 は 再 び 人 をつかわしたがヨアブはこようとはしなかった。
30 そこでアブサロムはその 家来 に 言 った、「ヨアブの 畑 はわたしの 畑 の 隣 にあって、そこに 大麦 がある。行 ってそれに 火 を 放 ちなさい」。アブサロムの 家来 たちはその 畑 に 火 を 放 った。
31 ヨアブは 立 ってアブサロムの 家 にきて 彼 に 言 った、「どうしてあなたの 家来 たちはわたしの 畑 に 火 を 放 ったのですか」。
32 アブサロムはヨアブに 言 った、「わたしはあなたに 人 をつかわして、ここへ 来 るようにと 言 ったのです。あなたを 王 のもとにつかわし、『なんのためにわたしはゲシュルからきたのですか。なおあそこにいたならば 良 かったでしょうに』と 言 わせようとしたのです。それゆえ 今 わたしに 王 の 顔 を 見 させてください。もしわたしに 罪 があるなら 王 にわたしを 殺 させてください」。
33 そこでヨアブは 王 のもとへ 行 って 告 げたので、王 はアブサロムを 召 しよせた。彼 は 王 のもとにきて、王 の 前 に 地 にひれ 伏 して 拝 した。王 はアブサロムに 口 づけした。
Chapter 15
1 この 後、アブサロムは 自分 のために 戦車 と 馬、および 自分 の 前 に 駆 ける 者 五十 人 を 備 えた。
2 アブサロムは 早 く 起 きて 門 の 道 のかたわらに 立 つのを 常 とした。人 が 訴 えがあって 王 に 裁判 を 求 めに 来 ると、アブサロムはその 人 を 呼 んで 言 った、「あなたはどの 町 の 者 ですか」。その 人 が「しもべはイスラエルのこれこれの 部族 のものです」と 言 うと、
3 アブサロムはその 人 に 言 った、「見 よ、あなたの 要求 は 良 く、また 正 しい。しかしあなたのことを 聞 くべき 人 は 王 がまだ 立 てていない」。
4 アブサロムはまた 言 った、「ああ、わたしがこの 地 のさばきびとであったならばよいのに。そうすれば 訴 え、または 申 立 てのあるものは、皆 わたしの 所 にきて、わたしはこれに 公平 なさばきを 行 うことができるのだが」。
5 そして 人 が 彼 に 敬礼 しようとして 近 づくと、彼 は 手 を 伸 べ、その 人 を 抱 きかかえて 口 づけした。
6 アブサロムは 王 にさばきを 求 めて 来 るすべてのイスラエルびとにこのようにした。こうしてアブサロムはイスラエルの 人々 の 心 を 自分 のものとした。
7 そして四 年 の 終 りに、アブサロムは 王 に 言 った、「どうぞわたしを 行 かせ、ヘブロンで、かつて 主 に 立 てた 誓 いを 果 させてください。
8 それは、しもべがスリヤのゲシュルにいた 時、誓 いを 立 てて、『もし 主 がほんとうにわたしをエルサレムに 連 れ 帰 ってくださるならば、わたしは 主 に 礼拝 をささげます』と 言 ったからです」。
9 王 が 彼 に、「安 らかに 行 きなさい」と 言 ったので、彼 は 立 ってヘブロンへ 行 った。
10 そしてアブサロムは 密使 をイスラエルのすべての 部族 のうちにつかわして 言 った、「ラッパの 響 きを 聞 くならば、『アブサロムがヘブロンで 王 となった』と 言 いなさい」。
11 二百 人 の 招 かれた 者 がエルサレムからアブサロムと 共 に 行 った。彼 らは 何 心 なく 行 き、何事 をも 知 らなかった。
12 アブサロムは 犠牲 をささげている 間 に 人 をつかわして、ダビデの 議 官 ギロびとアヒトペルを、その 町 ギロから 呼 び 寄 せた。徒党 は 強 く、民 はしだいにアブサロムに 加 わった。
13 ひとりの 使者 がダビデのところにきて、「イスラエルの 人々 の 心 はアブサロムに 従 いました」と 言 った。
14 ダビデは、自分 と 一緒 にエルサレムにいるすべての 家来 に 言 った、「立 て、われわれは 逃 げよう。そうしなければアブサロムの 前 からのがれることはできなくなるであろう。急 いで 行 くがよい。さもないと、彼 らが 急 ぎ 追 いついて、われわれに 害 をこうむらせ、つるぎをもって 町 を 撃 つであろう」。
15 王 のしもべたちは 王 に 言 った、「しもべたちは、わが 主君、王 の 選 ばれる 所 をすべて 行 います」。
16 こうして 王 は 出 て 行 き、その 全家 は 彼 に 従 った。王 は十 人 のめかけを 残 して 家 を 守 らせた。
17 王 は 出 て 行 き、民 はみな 彼 に 従 った。彼 らは 町 はずれの 家 にとどまった。
18 彼 のしもべたちは 皆、彼 のかたわらを 進 み、すべてのケレテびとと、すべてのペレテびと、および 彼 に 従 ってガテからきた六百 人 のガテびとは 皆、王 の 前 に 進 んだ。
19 時 に 王 はガテびとイッタイに 言 った、「どうしてあなたもまた、われわれと 共 に 行 くのですか。あなたは 帰 って 王 と 共 にいなさい。あなたは 外国 人 で、また 自分 の 国 から 追放 された 者 だからです。
20 あなたは、きのう 来 たばかりです。わたしは 自分 の 行 く 所 を 知 らずに 行 くのに、どうしてきょう、あなたを、われわれと 共 にさまよわせてよいでしょう。あなたは 帰 りなさい。あなたの 兄弟 たちも 連 れて 帰 りなさい。どうぞ 主 が 恵 みと 真実 をあなたに 示 してくださるように」。
21 しかしイッタイは 王 に 答 えた、「主 は 生 きておられる。わが 君、王 は 生 きておられる。わが 君、王 のおられる 所 に、死 ぬも 生 きるも、しもべもまたそこにおります」。
22 ダビデはイッタイに 言 った、「では 進 んで 行 きなさい」。そこでガテびとイッタイは 進 み、また 彼 のすべての 従者 および 彼 と 共 にいた 子 どもたちも 皆、進 んだ。
23 国中 みな 大声 で 泣 いた。民 はみな 進 んだ。王 もまたキデロンの 谷 を 渡 って 進 み、民 は 皆 進 んで 荒野 の 方 に 向 かった。
24 そしてアビヤタルも 上 ってきた。見 よ、ザドクおよび 彼 と 共 にいるすべてのレビびともまた、神 の 契約 の 箱 をかいてきた。彼 らは 神 の 箱 をおろして、民 がことごとく 町 を 出 てしまうのを 待 った。
25 そこで 王 はザドクに 言 った、「神 の 箱 を 町 にかきもどすがよい。もしわたしが 主 の 前 に 恵 みを 得 るならば、主 はわたしを 連 れ 帰 って、わたしにその 箱 とそのすまいとを 見 させてくださるであろう。
26 しかしもし 主 が、『わたしはおまえを 喜 ばない』とそう 言 われるのであれば、どうぞ 主 が 良 しと 思 われることをわたしにしてくださるように。わたしはここにおります」。
27 王 はまた 祭司 ザドクに 言 った、「見 よ、あなたもアビヤタルも、ふたりの 子 たち、すなわちあなたの 子 アヒマアズとアビヤタルの 子 ヨナタンを 連 れて、安 らかに 町 に 帰 りなさい。
28 わたしはあなたがたから 言葉 があって 知 らせをうけるまで、荒野 の 渡 し 場 にとどまります」。
29 そこでザドクとアビヤタルは 神 の 箱 をエルサレムにかきもどり、そこにとどまった。
30 ダビデはオリブ 山 の 坂道 を 登 ったが、登 る 時 に 泣 き、その 頭 をおおい、はだしで 行 った。彼 と 共 にいる 民 もみな 頭 をおおって 登 り、泣 きながら 登 った。
31 時 に、「アヒトペルがアブサロムと 共謀 した 者 のうちにいる」とダビデに 告 げる 人 があったのでダビデは 言 った、「主 よ、どうぞアヒトペルの 計略 を 愚 かなものにしてください」。
32 ダビデが 山 の 頂 にある 神 を 礼 拝 する 場所 にきた 時、見 よ、アルキびとホシャイはその 上着 を 裂 き、頭 に 土 をかぶり、来 てダビデを 迎 えた。
33 ダビデは 彼 に 言 った、「もしあなたがわたしと 共 に 進 むならば、わたしの 重荷 となるであろう。
34 しかしもしあなたが 町 に 帰 ってアブサロムに 向 かい、『王 よ、わたしはあなたのしもべとなります。わたしがこれまで、あなたの 父 のしもべであったように、わたしは 今 あなたのしもべとなります』と 言 うならば、あなたはわたしのためにアヒトペルの 計略 を 破 ることができるであろう。
35 祭司 たち、ザドクとアビヤタルとは、あなたと 共 にあそこにいるではないか。それゆえ、あなたは 王 の 家 から 聞 くことをことごとく 祭司 たち、ザドクとアビヤタルとに 告 げなさい。
36 あそこには 彼 らと 共 にそのふたりの 子 たち、すなわちザドクの 子 アヒマアズとアビヤタルの 子 ヨナタンとがいる。あなたがたは 聞 いたことをことごとく 彼 らの 手 によってわたしに 通報 しなさい」。
37 そこでダビデの 友 ホシャイは 町 にはいった。その 時 アブサロムはすでにエルサレムにはいっていた。
Chapter 16
1 ダビデが 山 の 頂 を 過 ぎて、すこし 行 った 時、メピボセテのしもべヂバは、くらを 置 いた二 頭 のろばを 引 き、その 上 にパン二百 個、干 ぶどう百ふさ、夏 のくだもの一百、ぶどう 酒 一 袋 を 載 せてきてダビデを 迎 えた。
2 王 はヂバに 言 った、「あなたはどうしてこれらのものを 持 ってきたのですか」。ヂバは 答 えた、「ろばは 王 の 家族 が 乗 るため、パンと 夏 のくだものは 若者 たちが 食 べるため、ぶどう 酒 は 荒野 で 弱 った 者 が 飲 むためです」。
3 王 は 言 った、「あなたの 主人 の 子 はどこにおるのですか」。ヂバは 王 に 言 った、「エルサレムにとどまっています。彼 は、『イスラエルの 家 はきょう、わたしの 父 の 国 をわたしに 返 すであろう』と 思 ったのです」。
4 王 はヂバに 言 った、「見 よ、メピボセテのものはことごとくあなたのものです」。ヂバは 言 った、「わたしは 敬意 を 表 します。わが 主、王 よ、あなたの 前 にいつまでも 恵 みを 得 させてください」。
5 ダビデ 王 がバホリムにきた 時、サウルの 家 の 一族 の 者 がひとりそこから 出 てきた。その 名 をシメイといい、ゲラの 子 である。彼 は 出 てきながら 絶 えずのろった。
6 そして 彼 はダビデとダビデ 王 のもろもろの 家来 に 向 かって 石 を 投 げた。その 時、民 と 勇士 たちはみな 王 の 左右 にいた。
7 シメイはのろう 時 にこう 言 った、「血 を 流 す 人 よ、よこしまな 人 よ、立 ち 去 れ、立 ち 去 れ。
8 あなたが 代 って 王 となったサウルの 家 の 血 をすべて 主 があなたに 報 いられたのだ。主 は 王国 をあなたの 子 アブサロムの 手 に 渡 された。見 よ、あなたは 血 を 流 す 人 だから、災 に 会 うのだ」。
9 時 にゼルヤの 子 アビシャイは 王 に 言 った、「この 死 んだ 犬 がどうしてわが 主、王 をのろってよかろうか。わたしに、行 って 彼 の 首 を 取 らせてください」。
10 しかし 王 は 言 った、「ゼルヤの 子 たちよ、あなたがたと、なんのかかわりがあるのか。彼 がのろうのは、主 が 彼 に、『ダビデをのろえ』と 言 われたからであるならば、だれが、『あなたはどうしてこういうことをするのか』と 言 ってよいであろうか」。
11 ダビデはまたアビシャイと 自分 のすべての 家来 とに 言 った、「わたしの 身 から 出 たわが 子 がわたしの 命 を 求 めている。今、このベニヤミンびととしてはなおさらだ。彼 を 許 してのろわせておきなさい。主 が 彼 に 命 じられたのだ。
12 主 はわたしの 悩 みを 顧 みてくださるかもしれない。また 主 はきょう 彼 ののろいにかえて、わたしに 善 を 報 いてくださるかも 知 れない」。
13 こうしてダビデとその 従者 たちとは 道 を 行 ったが、シメイはダビデに 並 んで 向 かいの 山 の 中腹 を 行 き、行 きながらのろい、また 彼 に 向 かって 石 や、ちりを 投 げつけた。
14 王 および 共 にいる 民 はみな 疲 れてヨルダンに 着 き、彼 はその 所 で 息 をついだ。
15 さてアブサロムとすべての 民、イスラエルの 人々 はエルサレムにきた。アヒトペルもアブサロムと 共 にいた。
16 ダビデの 友 であるアルキびとホシャイがアブサロムのもとにきた 時、ホシャイはアブサロムに「王 万歳、王 万歳」と 言 った。
17 アブサロムはホシャイに 言 った、「これはあなたがその 友 に 示 す 真実 なのか。あなたはどうしてあなたの 友 と 一緒 に 行 かなかったのか」。
18 ホシャイはアブサロムに 言 った、「いいえ、主 とこの 民 とイスラエルのすべての 人々 が 選 んだ 者 にわたしは 属 し、かつその 人 と 一緒 におります。
19 かつまたわたしはだれに 仕 えるべきですか。その 子 の 前 に 仕 えるべきではありませんか。あなたの 父 の 前 に 仕 えたように、わたしはあなたの 前 に 仕 えます」。
20 そこでアブサロムはアヒトペルに 言 った、「あなたがたは、われわれがどうしたらよいのか、計 りごとを 述 べなさい」。
21 アヒトペルはアブサロムに 言 った、「あなたの 父 が 家 を 守 るために 残 された、めかけたちの 所 にはいりなさい。そうすればイスラエルは 皆 あなたが 父上 に 憎 まれることを 聞 くでしょう。そしてあなたと 一緒 にいる 者 の 手 は 強 くなるでしょう」。
22 こうして 彼 らがアブサロムのために 屋上 に 天幕 を 張 ったので、アブサロムは 全 イスラエルの 目 の 前 で 父 のめかけたちの 所 にはいった。
23 そのころアヒトペルが 授 ける 計 りごとは 人 が 神 のみ 告 げを 伺 うようであった。アヒトペルの 計 りごとは 皆 ダビデにもアブサロムにも 共 にそのように 思 われた。
Chapter 17
1 時 にアヒトペルはアブサロムに 言 った、「わたしに一万二千の 人 を 選 び 出 させてください。わたしは 立 って、今夜 ダビデのあとを 追 い、
2 彼 が 疲 れて 手 が 弱 くなっているところを 襲 って、彼 をあわてさせましょう。そして 彼 と 共 にいる 民 がみな 逃 げるとき、わたしは 王 ひとりを 撃 ち 取 り、
3 すべての 民 を 花嫁 がその 夫 のもとに 帰 るようにあなたに 帰 らせましょう。あなたが 求 めておられるのはただひとりの 命 だけですから、民 はみな 穏 やかになるでしょう」。
4 この 言葉 はアブサロムとイスラエルのすべての 長老 の 心 にかなった。
5 そこでアブサロムは 言 った、「アルキびとホシャイをも 呼 びよせなさい。われわれは 彼 の 言 うことを 聞 きましょう」。
6 ホシャイがアブサロムのもとにきた 時、アブサロムは 彼 に 言 った、「アヒトペルはこのように 言 った。われわれは 彼 の 言葉 のように 行 うべきか。いけないのであれば、言 いなさい」。
7 ホシャイはアブサロムに 言 った、「このたびアヒトペルが 授 けた 計 りごとは 良 くありません」。
8 ホシャイはまた 言 った、「ごぞんじのように、あなたの 父 とその 従者 たちとは 勇士 です。その 上 彼 らは、野 で 子 を 奪 われた 熊 のように、ひどく 怒 っています。また、あなたの 父 はいくさびとですから、民 と 共 に 宿 らないでしょう。
9 彼 は 今 でも 穴 の 中 か、どこかほかの 所 にかくれています。もし 民 のうちの 幾 人 かが 手始 めに 倒 れるならば、それを 聞 く 者 はだれでも、『アブサロムに 従 う 民 のうちに 戦死者 があった』と 言 うでしょう。
10 そうすれば、ししの 心 のような 心 のある 勇 ましい 人 であっても、恐 れて 消 え 去 ってしまうでしょう。それはイスラエルのすべての 人 が、あなたの 父 の 勇士 であること、また 彼 と 共 にいる 者 が、勇 ましい 人々 であることを 知 っているからです。
11 ところでわたしの 計 りごとは、イスラエルをダンからベエルシバまで、海 べの 砂 のように 多 くあなたのもとに 集 めて、あなたみずから 戦 いに 臨 むことです。
12 こうしてわれわれは 彼 の 見 つかる 場所 で 彼 を 襲 い、つゆが 地 におりるように 彼 の 上 に 下 る。そして 彼 および 彼 と 共 にいるすべての 人 をひとりも 残 さないでしょう。
13 もし 彼 がいずれかの 町 に 退 くならば、全 イスラエルはその 町 になわをかけ、われわれはそれを 谷 に 引 き 倒 して、そこに一つの 小石 も 見 られないようにするでしょう」。
14 アブサロムとイスラエルの 人々 はみな、「アルキびとホシャイの 計 りごとは、アヒトペルの 計 りごとよりもよい」と 言 った。それは 主 がアブサロムに 災 を 下 そうとして、アヒトペルの 良 い 計 りごとを 破 ることを 定 められたからである。
15 そこでホシャイは 祭司 たち、ザドクとアビヤタルとに 言 った、「アヒトペルはアブサロムとイスラエルの 長老 たちのためにこういう 計 りごとをした。またわたしはこういう 計 りごとをした。
16 それゆえ、あなたがたはすみやかに 人 をつかわしてダビデに 告 げ、『今夜、荒野 の 渡 し 場 に 宿 らないで、必 ず 渡 って 行 きなさい。さもないと 王 および 共 にいる 民 はみな、滅 ぼされるでしょう』と 言 いなさい」。
17 時 に、ヨナタンとアヒマアズはエンロゲルで 待 っていた。ひとりのつかえめが 行 って 彼 らに 告 げ、彼 らは 行 ってダビデ 王 に 告 げるのが 常 であった。それは 彼 らが 町 にはいるのを 見 られないようにするためである。
18 ところがひとりの 若者 が 彼 らを 見 てアブサロムに 告 げたので、彼 らふたりは 急 いで 去 り、バホリムの、あるひとりの 人 の 家 にきた。その 人 の 庭 に 井戸 があって、彼 らはその 中 に 下 ったので、
19 女 はおおいを 取 ってきて 井戸 の 口 の 上 にひろげ、麦 をその 上 にまき 散 らした。それゆえその 事 は 何 も 知 れなかった。
20 アブサロムのしもべたちはその 女 の 家 にきて 言 った、「アヒマアズとヨナタンはどこにいますか」。女 は 彼 らに 言 った、「あの 人々 は 小川 を 渡 って 行 きました」。彼 らは 尋 ねたが 見当 らなかったのでエルサレムに 帰 った。
21 彼 らが 去 った 後、人々 は 井戸 から 上 り、行 ってダビデ 王 に 告 げた。すなわち 彼 らはダビデに 言 った、「立 って、すみやかに 川 を 渡 りなさい。アヒトペルがあなたがたに 対 してこういう 計 りごとをしたからです」。
22 そこでダビデは 立 って、共 にいるすべての 民 と 一緒 にヨルダンを 渡 った。夜明 けには、ヨルダンを 渡 らない 者 はひとりもなかった。
23 アヒトペルは、自分 の 計 りごとが 行 われないのを 見 て、ろばにくらを 置 き、立 って 自分 の 町 に 行 き、その 家 に 帰 った。そして 家 の 人 に 遺言 してみずからくびれて 死 に、その 父 の 墓 に 葬 られた。
24 ダビデはマハナイムにきた。またアブサロムは 自分 と 共 にいるイスラエルのすべての 人々 と 一緒 にヨルダンを 渡 った。
25 アブサロムはアマサをヨアブの 代 りに 軍 の 長 とした。アマサはかのナハシの 娘 でヨアブの 母 ゼルヤの 妹 であるアビガルをめとったイシマエルびと、名 はイトラという 人 の 子 である。
26 そしてイスラエルとアブサロムはギレアデの 地 に 陣取 った。
27 ダビデがマハナイムにきた 時、アンモンの 人々 のうちのラバのナハシの 子 ショビと、ロ・デバルのアンミエルの 子 マキル、およびロゲリムのギレアデびとバルジライは、
28 寝床 と 鉢、土器、小麦、大麦、粉、いり 麦、豆、レンズ 豆、
29 蜜、凝乳、羊、乾酪 をダビデおよび 共 にいる 民 が 食 べるために 持 ってきた。それは 彼 らが、「民 は 荒野 で 飢 え 疲 れかわいている」と 思 ったからである。
Chapter 18
1 さてダビデは 自分 と 共 にいる 民 を 調 べて、その 上 に千 人 の 長、百 人 の 長 を 立 てた。
2 そしてダビデは 民 をつかわし、三 分 の一をヨアブの 手 に、三 分 の一をゼルヤの 子 ヨアブの 兄弟 アビシャイの 手 に、三 分 の一をガテびとイッタイの 手 にあずけた。こうして 王 は 民 に 言 った、「わたしもまた 必 ずあなたがたと 一緒 に 出 ます」。
3 しかし 民 は 言 った、「あなたは 出 てはなりません。それはわれわれがどんなに 逃 げても、彼 らはわれわれに 心 をとめず、われわれの 半 ばが 死 んでも、われわれに 心 をとめないからです。しかしあなたはわれわれの一万に 等 しいのです。それゆえあなたは 町 の 中 からわれわれを 助 けてくださる 方 がよろしい」。
4 王 は 彼 らに 言 った、「あなたがたの 最 も 良 いと 思 うことをわたしはしましょう」。こうして 王 は 門 のかたわらに 立 ち、民 は 皆 あるいは百 人、あるいは千 人 となって 出 て 行 った。
5 王 はヨアブ、アビシャイおよびイッタイに 命 じて、「わたしのため、若者 アブサロムをおだやかに 扱 うように」と 言 った。王 がアブサロムの 事 についてすべての 長 たちに 命 じている 時、民 は 皆 聞 いていた。
6 こうして 民 はイスラエルに 向 かって 野 に 出 て 行 き、エフライムの 森 で 戦 ったが、
7 イスラエルの 民 はその 所 でダビデの 家来 たちの 前 に 敗 れた。その 日 その 所 に 戦死者 が 多 く、二万に 及 んだ。
8 そして 戦 いはあまねくその 地 のおもてに 広 がった。この 日、森 の 滅 ぼした 者 は、つるぎの 滅 ぼした 者 よりも 多 かった。
9 さてアブサロムはダビデの 家来 たちに 行 き 会 った。その 時 アブサロムは 騾馬 に 乗 っていたが、騾馬 は 大 きいかしの 木 の、茂 った 枝 の 下 を 通 ったので、アブサロムの 頭 がそのかしの 木 にかかって、彼 は 天地 の 間 につりさがった。騾馬 は 彼 を 捨 てて 過 ぎて 行 った。
10 ひとりの 人 がそれを 見 てヨアブに 告 げて 言 った、「わたしはアブサロムが、かしの 木 にかかっているのを 見 ました」。
11 ヨアブはそれを 告 げた 人 に 言 った、「あなたはそれを 見 たというのか。それなら、どうしてあなたは 彼 をその 所 で、地 に 撃 ち 落 さなかったのか。わたしはあなたに 銀 十シケルと 帯 一 筋 を 与 えたであろうに」。
12 その 人 はヨアブに 言 った、「たといわたしの 手 に 銀 千シケルを 受 けても、手 を 出 して 王 の 子 に 敵 することはしません。王 はわれわれが 聞 いているところで、あなたとアビシャイとイッタイに、『わたしのため 若者 アブサロムを 保護 せよ』と 命 じられたからです。
13 もしわたしがそむいて 彼 の 命 をそこなったのであれば、何事 も 王 に 隠 れることはありませんから、あなたはみずから 立 ってわたしを 責 められたでしょう」。
14 そこで、ヨアブは「こうしてあなたと 共 にとどまってはおられない」と 言 って、手 に三 筋 の 投 げやりを 取 り、あのかしの 木 にかかって、なお 生 きているアブサロムの 心臓 にこれを 突 き 通 した。
15 ヨアブの 武器 を 執 る十 人 の 若者 たちは 取 り 巻 いて、アブサロムを 撃 ち 殺 した。
16 こうしてヨアブがラッパを 吹 いたので、民 はイスラエルのあとを 追 うことをやめて 帰 った。ヨアブが 民 を 引 きとめたからである。
17 人々 はアブサロムを 取 って、森 の 中 の 大 きな 穴 に 投 げいれ、その 上 にひじょうに 大 きい 石塚 を 積 み 上 げた。そしてイスラエルはみなおのおのその 天幕 に 逃 げ 帰 った。
18 さてアブサロムは 生 きている 間 に、王 の 谷 に 自分 のために一つの 柱 を 建 てた。それは 彼 が、「わたしは 自分 の 名 を 伝 える 子 がない」と 思 ったからである。彼 はその 柱 に 自分 の 名 をつけた。その 柱 は 今日 までアブサロムの 碑 ととなえられている。
19 さてザドクの 子 アヒマアズは 言 った、「わたしは 走 って 行 って、主 が 王 を 敵 の 手 から 救 い 出 されたおとずれを 王 に 伝 えましょう」。
20 ヨアブは 彼 に 言 った、「きょうは、おとずれを 伝 えてはならない。おとずれを 伝 えるのは、ほかの 日 にしなさい。きょうは 王 の 子 が 死 んだので、おとずれを 伝 えてはならない」。
21 ヨアブはクシびとに 言 った、「行 って、あなたの 見 た 事 を 王 に 告 げなさい」。クシびとはヨアブに 礼 をして 走 って 行 った。
22 ザドクの 子 アヒマアズは 重 ねてヨアブに 言 った、「何事 があろうとも、わたしにもクシびとのあとから 走 って 行 かせてください」。ヨアブは 言 った、「子 よ、おとずれの 報 いを 得 られないのに、どうしてあなたは 走 って 行 こうとするのか」。
23 彼 は 言 った、「何事 があろうとも、わたしは 走 って 行 きます」。ヨアブは 彼 に 言 った、「走 って 行 きなさい」。そこでアヒマアズは 低地 の 道 を 走 って 行 き、クシびとを 追 い 越 した。
24 時 にダビデは二つの 門 の 間 にすわっていた。そして 見張 りの 者 が 城壁 の 門 の 屋根 にのぼり、目 をあげて 見 ていると、ただひとりで 走 ってくる 者 があった。
25 見張 りの 者 が 呼 ばわって 王 に 告 げたので、王 は 言 った、「もしひとりならば、その 口 におとずれがあるであろう」。その 人 は 急 いできて 近 づいた。
26 見張 りの 者 は、ほかにまたひとり 走 ってくるのを 見 たので、門 の 方 に 呼 ばわって 言 った、「見 よ、ほかにただひとりで 走 って 来 る 者 があります」。王 は 言 った、「彼 もまたおとずれを 持 ってくるのだ」。
27 見張 りの 者 は 言 った、「まっ 先 に 走 って 来 る 人 はザドクの 子 アヒマアズのようです」。王 は 言 った、「彼 は 良 い 人 だ。良 いおとずれを 持 ってくるであろう」。
28 時 にアヒマアズは 呼 ばわって 王 に 言 った、「平安 でいらせられますように」。そして 王 の 前 に 地 にひれ 伏 して 言 った、「あなたの 神、主 はほむべきかな。主 は 王、わが 君 に 敵 して 手 をあげた 人々 を 引 き 渡 されました」。
29 王 は 言 った、「若者 アブサロムは 平安 ですか」。アヒマアズは 答 えた、「ヨアブがしもべをつかわす 時、わたしは 大 きな 騒 ぎを 見 ましたが、何事 であったか 知 りません」。
30 王 は 言 った、「わきへ 行 って、そこに 立 っていなさい」。彼 はわきへ 行 って 立 った。
31 その 時 クシびとがきた。そしてそのクシびとは 言 った、「わが 君、王 が 良 いおとずれをお 受 けくださるよう。主 はきょう、すべてあなたに 敵 して 立 った 者 どもの 手 から、あなたを 救 い 出 されたのです」。
32 王 はクシびとに 言 った、「若者 アブサロムは 平安 ですか」。クシびとは 答 えた、「王、わが 君 の 敵、およびすべてあなたに 敵 して 立 ち、害 をしようとする 者 は、あの 若者 のようになりますように」。
33 王 はひじょうに 悲 しみ、門 の 上 のへやに 上 って 泣 いた。彼 は 行 きながらこのように 言 った、「わが 子 アブサロムよ。わが 子、わが 子 アブサロムよ。ああ、わたしが 代 って 死 ねばよかったのに。アブサロム、わが 子 よ、わが 子 よ」。
Chapter 19
1 時 にヨアブに 告 げる 者 があって、「見 よ、王 はアブサロムのために 泣 き 悲 しんでいる」と 言 った。
2 こうしてその 日 の 勝利 はすべての 民 の 悲 しみとなった。それはその 日、民 が、「王 はその 子 のために 悲 しんでいる」と 人 の 言 うのを 聞 いたからである。
3 そして 民 はその 日、戦 いに 逃 げて 恥 じている 民 がひそかに、はいるように、ひそかに 町 にはいった。
4 王 は 顔 をおおった。そして 王 は 大声 に 叫 んで、「わが 子 アブサロムよ。アブサロム、わが 子 よ、わが 子 よ」と 言 った。
5 時 にヨアブは 家 にはいり、王 のもとにきて 言 った、「あなたは、きょう、あなたの 命 と、あなたのむすこ 娘 たちの 命、およびあなたの 妻 たちの 命 と、めかけたちの 命 を 救 ったすべての 家来 の 顔 をはずかしめられました。
6 それはあなたが 自分 を 憎 む 者 を 愛 し、自分 を 愛 する 者 を 憎 まれるからです。あなたは、きょう、軍 の 長 たちをも、しもべたちをも 顧 みないことを 示 されました。きょう、わたしは 知 りました。もし、アブサロムが 生 きていて、われわれが 皆 きょう 死 んでいたら、あなたの 目 にかなったでしょう。
7 今 立 って 出 て 行 って、しもべたちにねんごろに 語 ってください。わたしは 主 をさして 誓 います。もしあなたが 出 られないならば、今夜 あなたと 共 にとどまる 者 はひとりもないでしょう。これはあなたが 若 い 時 から 今 までにこうむられたすべての 災 よりも、あなたにとって 悪 いでしょう」。
8 そこで 王 は 立 って 門 のうちの 座 についた。人々 はすべての 民 に、「見 よ、王 は 門 に 座 している」と 告 げたので、民 はみな 王 の 前 にきた。さてイスラエルはおのおのその 天幕 に 逃 げ 帰 った。
9 そしてイスラエルのもろもろの 部族 の 中 で 民 はみな 争 って 言 った、「王 はわれわれを 敵 の 手 から 救 い 出 し、またわれわれをペリシテびとの 手 から 助 け 出 された。しかし 今 はアブサロムのために 国 のそとに 逃 げておられる。
10 またわれわれが 油 を 注 いで、われわれの 上 に 立 てたアブサロムは 戦 いで 死 んだ。それであるのに、どうしてあなたがたは 王 を 導 きかえることについて、何 をも 言 わないのか」。
11 ダビデ 王 は 祭司 たちザドクとアビヤタルとに 人 をつかわして 言 った、「ユダの 長老 たちに 言 いなさい、『全 イスラエルの 言葉 が 王 に 達 したのに、どうしてあなたがたは 王 をその 家 に 導 きかえる 最後 の 者 となるのですか。
12 あなたがたはわたしの 兄弟、わたしの 骨肉 です。それにどうして 王 を 導 きかえる 最後 の 者 となるのですか』。
13 またアマサに 言 いなさい、『あなたはわたしの 骨肉 ではありませんか。これから 後 あなたをヨアブに 代 えて、わたしの 軍 の 長 とします。もしそうしないときは、神 が 幾重 にもわたしを 罰 してくださるように』」。
14 こうしてダビデはユダのすべての 人 の 心 を、ひとりのように 自分 に 傾 けさせたので、彼 らは 王 に、「どうぞあなたも、すべての 家来 たちも 帰 ってきてください」と 言 いおくった。
15 そこで 王 は 帰 ってきてヨルダンまで 来 ると、ユダの 人 人 は 王 を 迎 えるためギルガルにきて、王 にヨルダンを 渡 らせた。
16 バホリムのベニヤミンびと、ゲラの 子 シメイは、急 いでユダの 人々 と 共 に 下 ってきて、ダビデ 王 を 迎 えた。
17 一千 人 のベニヤミンびとが 彼 と 共 にいた。またサウルの 家 のしもべヂバもその十五 人 のむすこと、二十 人 のしもべを 従 えて、王 の 前 にヨルダンに 駆 け 下 った。
18 そして 王 の 家族 を 渡 し、王 の 心 にかなうことをしようと 渡 し 場 を 渡 った。ゲラの 子 シメイはヨルダンを 渡 ろうとする 時、王 の 前 にひれ 伏 し、
19 王 に 言 った、「どうぞわが 君 が、罪 をわたしに 帰 しられないように。またわが 君、王 のエルサレムを 出 られた 日 に、しもべがおこなった 悪 い 事 を 思 い 出 されないように。どうぞ 王 がそれを 心 に 留 められないように。
20 しもべは 自分 が 罪 を 犯 したことを 知 っています。それゆえ、見 よ、わたしはきょう、ヨセフの 全家 のまっ 先 に 下 ってきて、わが 主、王 を 迎 えるのです」。
21 ゼルヤの 子 アビシャイは 答 えて 言 った、「シメイは 主 が 油 を 注 がれた 者 をのろったので、そのために 殺 されるべきではありませんか」。
22 ダビデは 言 った、「あなたがたゼルヤの 子 たちよ、あなたがたとなにのかかわりがあって、あなたがたはきょうわたしに 敵対 するのか。きょう、イスラエルのうちで 人 を 殺 して 良 かろうか。わたしが、きょうイスラエルの 王 となったことを、どうして 自分 で 知 らないことがあろうか」。
23 こうして 王 はシメイに、「あなたを 殺 さない」と 言 って、王 は 彼 に 誓 った。
24 サウルの 子 メピボセテは 下 ってきて 王 を 迎 えた。彼 は 王 が 去 った 日 から 安 らかに 帰 る 日 まで、その 足 を 飾 らず、そのひげを 整 えず、またその 着物 を 洗 わなかった。
25 彼 がエルサレムからきて 王 を 迎 えた 時、王 は 彼 に 言 った、「メピボセテよ、あなたはどうしてわたしと 共 に 行 かなかったのか」。
26 彼 は 答 えた、「わが 主、王 よ、わたしの 家来 がわたしを 欺 いたのです。しもべは 彼 に、『わたしのために、ろばにくらを 置 け。わたしはそれに 乗 って 王 と 共 に 行 く』と 言 ったのです。しもべは 足 なえだからです。
27 ところが 彼 はしもべのことをわが 主、王 の 前 に、あしざまに 言 ったのです。しかし、わが 主、王 は 神 の 使 のようでいらせられます。それで、あなたの 良 いと 思 われることをしてください。
28 わたしの 父 の 全家 はわが 主、王 の 前 にはみな 死 んだ 人 にすぎないのに、あなたはしもべを、あなたの 食卓 で 食事 をする 人々 のうちに 置 かれました。わたしになんの 権利 があって、重 ねて 王 に 訴 えることができましょう」。
29 王 は 彼 に 言 った、「あなたはどうしてなおも 自分 のことを 言 うのですか。わたしは 決 めました。あなたとヂバとはその 土地 を 分 けなさい」。
30 メピボセテは 王 に 言 った、「わが 主、王 が 安 らかに 家 に 帰 られたのですから、彼 にそれをみな 取 らせてください」。
31 さてギレアデびとバルジライはロゲリムから 下 ってきて、ヨルダンで 王 を 見送 るため、王 と 共 にヨルダンに 進 んだ。
32 バルジライは、ひじょうに 年老 いた 人 で八十{歳 であった。彼 はまた、ひじょうに 裕福 な 人 であったので、王 がマハナイムにとどまっている 間、王 を 養 った。
33 王 はバルジライに 言 った、「わたしと 一緒 に 渡 って 行 きなさい。わたしはエルサレムであなたをわたしと 共 におらせて 養 いましょう」。
34 バルジライは 王 に 言 った、「わたしは、なお 何 年 いきながらえるので、王 と 共 にエルサレムに 上 るのですか。
35 わたしは 今日 八十 歳 です。わたしに、良 いこと 悪 いことがわきまえられるでしょうか。しもべは 食 べるもの、飲 むものを 味 わうことができましょうか。わたしは 歌 う 男 や 歌 う 女 の 声 をまだ 聞 くことができましょうか。それであるのに、しもべはどうしてなおわが 主、王 の 重荷 となってよろしいでしょうか。
36 しもべは 王 と 共 にヨルダンを 渡 って、ただ 少 し 行 きましょう。どうして 王 はこのような 報 いをわたしに 報 いられなければならないのでしょうか。
37 どうぞしもべを 帰 らせてください。わたしは 自分 の 町 で、父母 の 墓 の 近 くで 死 にます。ただし、あなたのしもべキムハムがここにおります。わが 主、王 と 共 に 彼 を 渡 って 行 かせてください。またあなたが 良 いと 思 われる 事 を 彼 にしてください」。
38 王 は 答 えた、「キムハムはわたしと 共 に 渡 って 行 かせます。わたしは、あなたが 良 いと 思 われる 事 を 彼 にしましょう。またあなたが 望 まれることはみな、あなたのためにいたします」。
39 こうして 民 はみなヨルダンを 渡 った。王 は 渡 った 時、バルジライに 口 づけして、祝福 したので、彼 は 自分 の 家 に 帰 っていった。
40 王 はギルガルに 進 んだ。キムハムも 彼 と 共 に 進 んだ。ユダの 民 はみな 王 を 送 り、イスラエルの 民 の 半 ばもまたそうした。
41 さてイスラエルの 人々 はみな 王 の 所 にきて、王 に 言 った、「われわれの 兄弟 であるユダの 人々 は、何 ゆえにあなたを 盗 み 去 って、王 とその 家族、およびダビデに 伴 っているすべての 従者 にヨルダンを 渡 らせたのですか」。
42 ユダの 人々 はみなイスラエルの 人々 に 答 えた、「王 はわれわれの 近親 だからです。あなたがたはどうしてこの 事 で 怒 られるのですか。われわれが 少 しでも 王 の 物 を 食 べたことがありますか。王 が 何 か 賜物 をわれわれに 与 えたことがありますか」。
43 イスラエルの 人々 はユダの 人々 に 答 えた、「われわれは 王 のうちに十の 分 を 持 っています。またダビデのうちにもわれわれはあなたがたよりも 多 くを 持 っています。それであるのに、どうしてあなたがたはわれわれを 軽 んじたのですか。われらの 王 を 導 き 帰 ろうと 最初 に 言 ったのはわれわれではないのですか」。しかしユダの 人々 の 言葉 はイスラエルの 人々 の 言葉 よりも 激 しかった。
Chapter 20
1 さて、その 所 にひとりのよこしまな 人 があって、名 をシバといった。ビクリの 子 で、ベニヤミンびとであった。彼 はラッパを 吹 いて 言 った、「われわれはダビデのうちに 分 がない。またエッサイの 子 のうちに 嗣 業 を 持 たない。イスラエルよ、おのおのその 天幕 に 帰 りなさい」。
2 そこでイスラエルの 人々 は 皆 ダビデに 従 う 事 をやめて、ビクリの 子 シバに 従 った。しかしユダの 人々 はその 王 につき 従 って、ヨルダンからエルサレムへ 行 った。
3 ダビデはエルサレムの 自分 の 家 にきた。そして 王 は 家 を 守 るために 残 しておいた十 人 のめかけたちを 取 って、一つの 家 に 入 れて 守 り、また 養 ったが、彼女 たちの 所 には、はいらなかった。彼女 たちは 死 ぬ 日 まで 閉 じこめられ 一生、寡婦 としてすごした。
4 王 はアマサに 言 った、「わたしのため三 日 のうちにユダの 人々 を 呼 び 集 めて、ここにきなさい」。
5 アマサはユダを 呼 び 集 めるために 行 ったが、彼 は 定 められた 時 よりもおくれた。
6 ダビデはアビシャイに 言 った、「ビクリの 子 シバは 今 われわれにアブサロムよりも 多 くの 害 をするであろう。あなたの 主君 の 家来 たちを 率 いて、彼 のあとを 追 いなさい。さもないと 彼 は 堅固 な 町々 を 獲 て、われわれを 悩 ますであろう」。
7 こうしてヨアブとケレテびととペレテびと、およびすべての 勇士 はアビシャイに 従 って 出 た。すなわち 彼 らはエルサレムを 出 て、ビクリの 子 シバのあとを 追 った。
8 彼 らがギベオンにある 大石 のところにいた 時、アマサがきて 彼 らに 会 った。時 にヨアブは 軍服 を 着 て、帯 をしめ、その 上 にさやに 納 めたつるぎを 腰 に 結 んで 帯 びていたが、彼 が 進 み 出 た 時 つるぎは 抜 け 落 ちた。
9 ヨアブはアマサに、「兄弟 よ、あなたは 安 らかですか」と 言 って、ヨアブは 右 の 手 をもってアマサのひげを 捕 えて 彼 に 口 づけしようとしたが、
10 アマサはヨアブの 手 につるぎがあることに 気 づかなかったので、ヨアブはそれをもってアマサの 腹部 を 刺 して、そのはらわたを 地 に 流 し 出 し、重 ねて 撃 つこともなく 彼 を 殺 した。こうしてヨアブとその 兄弟 アビシャイはビクリの 子 シバのあとを 追 った。
11 時 にヨアブの 若者 のひとりがアマサのかたわらに 立 って 言 った、「ヨアブに 味方 する 者、ダビデにつく 者 はヨアブのあとに 従 いなさい」。
12 アマサは 血 に 染 んで 大路 の 中 にころがっていたので、そのそばに 来 る 者 はみな 彼 を 見 て 立 ちどまった。この 人 は 民 がみな 立 ちどまるのを 見 て、アマサを 大路 から 畑 に 移 し、衣服 をその 上 にかけた。
13 アマサが 大路 から 移 されたので、民 は 皆 ヨアブに 従 って 進 み、ビクリの 子 シバのあとを 追 った。
14 シバはイスラエルのすべての 部族 のうちを 通 ってベテマアカのアベルにきた。ビクリびとは 皆、集 まってきて 彼 に 従 った。
15 そこでヨアブと 共 にいたすべての 人々 がきて、彼 をベテマアカのアベルに 囲 み、町 に 向 かって 土 塁 を 築 いた。それはとりでに 向 かって 立 てられた。こうして 彼 らは 城壁 をくずそうとしてこれを 撃 った。
16 その 時、ひとりの 賢 い 女 が 町 から 呼 ばわった、「あなたがたは 聞 きなさい。あなたがたは 聞 きなさい。ヨアブに、『ここにきてください。わたしはあなたに 言 うことがあります』と 言 ってください」。
17 彼 がその 女 に 近寄 ると、女 は「あなたがヨアブですか」と 言 った。彼 は「そうです」と 答 えた。すると 女 は 彼 に「はしための 言葉 をお 聞 きください」と 言 ったので、「聞 きましょう」と 彼 は 言 った。
18 そこで 女 は 言 った、「昔、人々 はいつも、『アベルで 尋 ねなさい』と 言 って、事 を 定 めました。
19 わたしはイスラエルのうちの 平和 な、忠誠 な 者 です。そうであるのに、あなたはイスラエルのうちで 母 ともいうべき 町 を 滅 ぼそうとしておられます。どうして 主 の 嗣 業 を、のみ 尽 そうとされるのですか」。
20 ヨアブは 答 えた、「いいえ、決 してそうではなく、わたしが、のみ 尽 したり、滅 ぼしたりすることはありません。
21 事実 はそうではなく、エフライムの 山地 の 人 ビクリの 子、名 をシバという 者 が 手 をあげて 王 ダビデにそむいたのです。あなたがたが 彼 ひとりを 渡 すならば、わたしはこの 町 を 去 ります」。女 はヨアブに 言 った、「彼 の 首 は 城壁 の 上 からあなたの 所 へ 投 げられるでしょう」。
22 こうしてこの 女 が 知恵 をもって、すべての 民 の 所 に 行 ったので、彼 らはビクリの 子 シバの 首 をはねてヨアブの 所 へ 投 げ 出 した。そこでヨアブはラッパを 吹 きならしたので、人々 は 散 って 町 を 去 り、おのおの 家 に 帰 った。ヨアブはエルサレムにいる 王 のもとに 帰 った。
23 ヨアブはイスラエルの 全 軍 の 長 であった。エホヤダの 子 ベナヤはケレテびと、およびペレテびとの 長、
24 アドラムは 徴募 人 の 長、アヒルデの 子 ヨシャパテは 史官、
25 シワは 書記官、ザドクとアビヤタルとは 祭司。
26 またヤイルびとイラはダビデの 祭司 であった。
Chapter 21
1 ダビデの 世 に、年 また 年 と三 年、ききんがあったので、ダビデが 主 に 尋 ねたところ、主 は 言 われた、「サウルとその 家 とに、血 を 流 した 罪 がある。それはかつて 彼 がギベオンびとを 殺 したためである」。
2 そこで 王 はギベオンびとを 召 しよせた。ギベオンびとはイスラエルの 子孫 ではなく、アモリびとの 残 りであって、イスラエルの 人々 は 彼 らと 誓 いを 立 てて、その 命 を 助 けた。ところがサウルはイスラエルとユダの 人々 のために 熱心 であったので、彼 らを 殺 そうとしたのである。
3 それでダビデはギベオンびとに 言 った、「わたしはあなたがたのために、何 をすればよいのですか。どんな 償 いをすれば、あなたがたは 主 の 嗣 業 を 祝福 するのですか」。
4 ギベオンびとは 彼 に 言 った、「これはわれわれと、サウルまたはその 家 との 間 の 金銀 の 問題 ではありません。またイスラエルのうちのひとりでも、われわれが 殺 そうというのでもありません」。ダビデは 言 った、「わたしがあなたがたのために 何 をすればよいと 言 うのですか」。
5 かれらは 王 に 言 った、「われわれを 滅 ぼした 人、われわれを 滅 ぼしてイスラエルの 領域 のどこにもおらせないようにと、たくらんだ 人、
6 その 人 の 子孫 七 人 を 引 き 渡 してください。われわれは 主 の 山 にあるギベオンで、彼 らを 主 の 前 に 木 にかけましょう」。王 は 言 った、「引 き 渡 しましょう」。
7 しかし 王 はサウルの 子 ヨナタンの 子 であるメピボセテを 惜 しんだ。彼 らの 間、すなわちダビデとサウルの 子 ヨナタンとの 間 に、主 をさして 立 てた 誓 いがあったからである。
8 王 はアヤの 娘 リヅパがサウルに 産 んだふたりの 子 アルモニとメピボセテ、およびサウルの 娘 メラブがメホラびとバルジライの 子 アデリエルに 産 んだ五 人 の 子 を 取 って、
9 彼 らをギベオンびとの 手 に 引 き 渡 したので、ギベオンびとは 彼 らを 山 で 主 の 前 に 木 にかけた。彼 ら七 人 は 共 に 倒 れた。彼 らは 刈入 れの 初 めの 日、すなわち 大麦 刈 りの 初 めに 殺 された。
10 アヤの 娘 リヅパは 荒布 をとって、それを 自分 のために 岩 の 上 に 敷 き、刈入 れの 初 めから、その 人々 の 死体 の 上 に 天 から 雨 が 降 るまで、昼 は 空 の 鳥 が 死体 の 上 にこないようにし、夜 は 野 の 獣 を 近寄 らせなかった。
11 アヤの 娘 でサウルのめかけであったリヅパのしたことがダビデに 聞 えたので、
12 ダビデは 行 ってサウルの 骨 とその 子 ヨナタンの 骨 を、ヤベシギレアデの 人々 の 所 から 取 ってきた。これはペリシテびとがサウルをギルボアで 殺 した 日 に、木 にかけたベテシャンの 広場 から、彼 らが 盗 んでいたものである。
13 ダビデはそこからサウルの 骨 と、その 子 ヨナタンの 骨 を 携 えて 上 った。また 人々 はそのかけられた 者 どもの 骨 を 集 めた。
14 こうして 彼 らはサウルとその 子 ヨナタンの 骨 を、ベニヤミンの 地 のゼラにあるその 父 キシの 墓 に 葬 り、すべて 王 の 命 じたようにした。この 後、神 はその 地 のために、祈 を 聞 かれた。
15 ペリシテびとはまたイスラエルと 戦争 をした。ダビデはその 家来 たちと 共 に 下 ってペリシテびとと 戦 ったが、ダビデは 疲 れていた。
16 時 にイシビベノブはダビデを 殺 そうと 思 った。イシビベノブは 巨人 の 子孫 で、そのやりは 青銅 で 重 さ三百シケルあり、彼 は 新 しいつるぎを 帯 びていた。
17 しかしゼルヤの 子 アビシャイはダビデを 助 けて、そのペリシテびとを 撃 ち 殺 した。そこでダビデの 従者 たちは 彼 に 誓 って 言 った、「あなたはわれわれと 共 に、重 ねて 戦争 に 出 てはなりません。さもないと、あなたはイスラエルのともし 火 を 消 すでしょう」。
18 この 後、再 びゴブでペリシテびととの 戦 いがあった。時 にホシャびとシベカイは 巨人 の 子孫 のひとりサフを 殺 した。
19 ここにまたゴブで、ペリシテびととの 戦 いがあったが、そこではベツレヘムびとヤレオレギムの 子 エルハナンは、ガテびとゴリアテを 殺 した。そのやりの 柄 は 機 の 巻棒 のようであった。
20 またガテで 再 び 戦 いがあったが、そこにひとりの 背 の 高 い 人 があり、その 手 の 指 と 足 の 指 は六 本 ずつで、その 数 は 合 わせて二十四 本 であった。彼 もまた 巨人 から 生 れた 者 であった。
21 彼 はイスラエルをののしったので、ダビデの 兄弟 シメアの 子 ヨナタンが 彼 を 殺 した。
22 これらの四 人 はガテで 巨人 から 生 れた 者 であったが、ダビデの 手 とその 家来 たちの 手 に 倒 れた。
Chapter 22
1 ダビデは 主 がもろもろの 敵 の 手 とサウルの 手 から、自分 を 救 い 出 された 日 に、この 歌 の 言葉 を 主 に 向 かって 述 べ、
2 彼 は 言 った、「主 はわが 岩、わが 城、わたしを 救 う 者、
3 わが 神、わが 岩。わたしは 彼 に 寄 り 頼 む。わが 盾、わが 救 の 角、わが 高 きやぐら、わが 避 け 所、わが 救主。あなたはわたしを 暴虐 から 救 われる。
4 わたしは、ほめまつるべき 主 に 呼 ばわって、わたしの 敵 から 救 われる。
5 死 の 波 はわたしをとりまき、滅 びの 大水 はわたしを 襲 った。
6 陰府 の 綱 はわたしをとりかこみ、死 のわなはわたしに、たち 向 かった。
7 苦難 のうちにわたしは 主 を 呼 び、またわが 神 に 呼 ばわった。主 がその 宮 からわたしの 声 を 聞 かれて、わたしの 叫 びはその 耳 にとどいた。
8 その 時 地 は 震 いうごき、天 の 基 はゆるぎふるえた。彼 が 怒 られたからである。
9 煙 はその 鼻 からたち 上 り、火 はその 口 から 出 て 焼 きつくし、白熱 の 炭 は 彼 から 燃 え 出 た。
10 彼 は 天 を 低 くして 下 られ、暗 やみが 彼 の 足 の 下 にあった。
11 彼 はケルブに 乗 って 飛 び、風 の 翼 に 乗 ってあらわれた。
12 彼 はその 周囲 に 幕屋 として、やみと 濃 き 雲 と 水 の 集 まりとを 置 かれた。
13 そのみ 前 の 輝 きから 炭火 が 燃 え 出 た。
14 主 は 天 から 雷 をとどろかせ、いと 高 き 者 は 声 を 出 された。
15 彼 はまた 矢 を 放 って 彼 らを 散 らし、いなずまを 放 って 彼 らを 撃 ち 破 られた。
16 主 のとがめと、その 鼻 のいぶきとによって、海 の 底 はあらわれ、世界 の 基 が、あらわになった。
17 彼 は 高 き 所 から 手 を 伸 べてわたしを 捕 え、大水 の 中 からわたしを 引 き 上 げ、
18 わたしの 強 い 敵 と、わたしを 憎 む 者 とからわたしを 救 われた。彼 らはわたしにとって、あまりにも 強 かったからだ。
19 彼 らはわたしの 災 の 日 にわたしに、たち 向 かった。しかし 主 はわたしの 支柱 となられた。
20 彼 はまたわたしを 広 い 所 へ 引 きだされ、わたしを 喜 ばれて、救 ってくださった。
21 主 はわたしの 義 にしたがってわたしに 報 い、わたしの 手 の 清 きにしたがってわたしに 報 いかえされた。
22 それは、わたしが 主 の 道 を 守 り、悪 を 行 わず、わが 神 から 離 れたことがないからである。
23 そのすべてのおきてはわたしの 前 にあって、わたしはその、み 定 めを 離 れたことがない。
24 わたしは 主 の 前 に 欠 けた 所 なく、自 らを 守 って 罪 を 犯 さなかった。
25 それゆえ、主 はわたしの 義 にしたがい、その 目 のまえにわたしの 清 きにしたがって、わたしに 報 いられた。
26 忠実 な 者 には、あなたは 忠実 な 者 となり、欠 けた 所 のない 人 には、あなたは 欠 けた 所 のない 者 となり、
27 清 い 者 には、あなたは 清 い 者 となり、まがった 者 には、かたいぢな 者 となられる。
28 あなたはへりくだる 民 を 救 われる、しかしあなたの 目 は 高 ぶる 者 を 見 てこれをひくくせられる。
29 まことに、主 よ、あなたはわたしのともし 火、わが 神 はわたしのやみを 照 される。
30 まことに、あなたによってわたしは 敵 軍 をふみ 滅 ぼし、わが 神 によって 石 がきをとび 越 えることができる。
31 この 神 こそ、その 道 は 非 のうちどころなく、主 の 約束 は 真実 である。彼 はすべて 彼 に 寄 り 頼 む 者 の 盾 である。
32 主 のほかに、だれが 神 か、われらの 神 のほか、だれが 岩 であるか。
33 この 神 こそわたしの 堅固 な 避 け 所 であり、わたしの 道 を 安全 にされた。
34 わたしの 足 をめじかの 足 のようにして、わたしを 高 い 所 に 安全 に 立 たせ、
35 わたしの 手 を 戦 いに 慣 らされたので、わたしの 腕 は 青銅 の 弓 を 引 くことができる。
36 あなたはその 救 の 盾 をわたしに 与 え、あなたの 助 けは、わたしを 大 いなる 者 とされた。
37 あなたはわたしが 歩 く 広 い 場所 を 与 えられたので、わたしの 足 はすべらなかった。
38 わたしは 敵 を 追 って、これを 滅 ぼし、これを 絶 やすまでは 帰 らなかった。
39 わたしは 彼 らを 絶 やし、彼 らを 砕 いたので 彼 らは 立 つことができず、わたしの 足 もとに 倒 れた。
40 あなたは 戦 いのために、わたしに 力 を 帯 びさせわたしを 攻 める 者 をわたしの 下 にかがませられた。
41 あなたによって、敵 はそのうしろをわたしに 向 けたので、わたしを 憎 む 者 をわたしは 滅 ぼした。
42 彼 らは 見 まわしたが、救 う 者 はいなかった。彼 らは 主 に 叫 んだが、彼 らには 答 えられなかった。
43 わたしは 彼 らを 地 のちりのように 細 かに 打 ちくだき、ちまたのどろのように、踏 みにじった。
44 あなたはわたしを 国々 の 民 との 争 いから 救 い 出 し、わたしをもろもろの 国民 のかしらとされた。わたしの 知 らなかった 民 がわたしに 仕 えた。
45 異国 の 人 たちはきてわたしにこび、わたしの 事 を 聞 くとすぐわたしに 従 った。
46 異国 の 人 たちは、うちしおれてその 城 からふるえながら 出 てきた。
47 主 は 生 きておられる。わが 岩 はほむべきかな。わが 神、わが 救 の 岩 はあがむべきかな。
48 この 神 はわたしのために、あだを 報 い、もろもろの 民 をわたしの 下 に 置 かれた。
49 またわたしを 敵 から 救 い 出 し、あだの 上 にわたしをあげ、暴虐 の 人々 からわたしを 救 い 出 された。
50 それゆえ、主 よ、わたしはもろもろの 国民 の 中 で、あなたをたたえ、あなたの、み 名 をほめ 歌 うであろう。
51 主 はその 王 に 大 いなる 勝利 を 与 え、油 を 注 がれた 者 に、ダビデとその 子孫 とに、とこしえに、いつくしみを 施 される」。
Chapter 23
1 これはダビデの 最後 の 言葉 である。エッサイの 子 ダビデの 託宣、すなわち 高 く 挙 げられた 人、ヤコブの 神 に 油 を 注 がれた 人、イスラエルの 良 き 歌 びとの 託宣。
2 「主 の 霊 はわたしによって 語 る、その 言葉 はわたしの 舌 の 上 にある。
3 イスラエルの 神 は 語 られた、イスラエルの 岩 はわたしに 言 われた、『人 を 正 しく 治 める 者、神 を 恐 れて、治 める 者 は、
4 朝 の 光 のように、雲 のない 朝 に、輝 きでる 太陽 のように、地 に 若草 を 芽 ばえさせる 雨 のように 人 に 臨 む』。
5 まことに、わが 家 はそのように、神 と 共 にあるではないか。それは、神 が、よろず 備 わって 確 かなとこしえの 契約 をわたしと 結 ばれたからだ。どうして 彼 はわたしの 救 と 願 いを、皆 なしとげられぬことがあろうか。
6 しかし、よこしまな 人 は、いばらのようで、手 をもって 取 ることができないゆえ、みな 共 に 捨 てられるであろう。
7 これに 触 れようとする 人 は 鉄 や、やりの 柄 をもって 武装 する、彼 らはことごとく 火 で 焼 かれるであろう」。
8 ダビデの 勇士 たちの 名 は 次 のとおりである。タクモンびとヨセブ・バッセベテはかの三 人 のうちの 長 であったが、彼 はいちじに八百 人 に 向 かって、やりをふるい、それを 殺 した。
9 彼 の 次 はアホアびとドドの 子 エレアザルであって、三 勇士 のひとりである。彼 は、戦 おうとしてそこに 集 まったペリシテびとに 向 かって 戦 いをいどみ、イスラエルの 人々 が 退 いた 時、ダビデと 共 にいたが、
10 立 ってペリシテびとを 撃 ち、ついに 手 が 疲 れ、手 がつるぎに 着 いて 離 れないほどになった。その 日、主 は 大 いなる 勝利 を 与 えられた。民 は 彼 のあとに 帰 ってきて、ただ 殺 された 者 をはぎ 取 るばかりであった。
11 彼 の 次 はハラルびとアゲの 子 シャンマであった。ある 時、ペリシテびとはレヒに 集 まった。そこに 一面 にレンズ 豆 を 作 った 地所 があった。民 はペリシテびとの 前 から 逃 げたが、
12 彼 はその 地所 の 中 に 立 って、これを 防 ぎ、ペリシテびとを 殺 した。そして 主 は 大 いなる 救 を 与 えられた。
13 三十 人 の 長 たちのうちの三 人 は 下 って 行 って 刈入 れのころに、アドラムのほら 穴 にいるダビデのもとにきた。時 にペリシテびとの一 隊 はレパイムの 谷 に 陣 を 取 っていた。
14 その 時 ダビデは 要害 におり、ペリシテびとの 先陣 はベツレヘムにあったが、
15 ダビデは、せつに 望 んで、「だれかベツレヘムの 門 のかたわらにある 井戸 の 水 をわたしに 飲 ませてくれるとよいのだが」と 言 った。
16 そこでその三 人 の 勇士 たちはペリシテびとの 陣 を 突 き 通 って、ベツレヘムの 門 のかたわらにある 井戸 の 水 を 汲 み 取 って、ダビデのもとに 携 えてきた。しかしダビデはそれを 飲 もうとはせず、主 の 前 にそれを 注 いで、
17 言 った、「主 よ、わたしは 断 じて 飲 むことをいたしません。いのちをかけて 行 った 人々 の 血 を、どうしてわたしは 飲 むことができましょう」。こうして 彼 はそれを 飲 もうとはしなかった。三 勇士 はこれらのことを 行 った。
18 ゼルヤの 子 ヨアブの 兄弟 アビシャイは三十 人 の 長 であった。彼 は三百 人 に 向 かって、やりをふるい、それを 殺 した。そして、彼 は三 人 と 共 に 名 を 得 た。
19 彼 は三十 人 のうち 最 も 尊 ばれた 者 で、彼 らの 長 となった。しかし、かの三 人 には 及 ばなかった。
20 エホヤダの 子 ベナヤはカブジエル 出身 の 勇士 であって、多 くのてがらを 立 てた。彼 はモアブのアリエルのふたりの 子 を 撃 ち 殺 した。彼 はまた 雪 の 日 に 下 っていって、穴 の 中 でししを 撃 ち 殺 した。
21 彼 はまた 姿 のうるわしいエジプトびとを 撃 ち 殺 した。そのエジプトびとは 手 にやりを 持 っていたが、ベナヤはつえをとってその 所 に 下 っていき、エジプトびとの 手 からやりをもぎとって、そのやりをもって 殺 した。
22 エホヤダの 子 ベナヤはこれらの 事 をして三 勇士 と 共 に 名 を 得 た。
23 彼 は三十 人 のうちに 有名 であったが、かの三 人 には 及 ばなかった。ダビデは 彼 を 侍衛 の 長 とした。
24 三十 人 のうちにあったのは、ヨアブの 兄弟 アサヘル。ベツレヘム 出身 のドドの 子 エルハナン。
25 ハロデ 出身 のシャンマ。ハロデ 出身 のエリカ。
26 パルテびとヘレヅ。テコア 出身 のイッケシの 子 イラ。
27 アナトテ 出身 のアビエゼル。ホシャびとメブンナイ。
28 アホアびとザルモン。ネトパ 出身 のマハライ。
29 ネトパ 出身 のバアナの 子 ヘレブ。ベニヤミンびとのギベアから 出 たリバイの 子 イッタイ。
30 ピラトンのベナヤ。ガアシの 谷 出身 のヒダイ。
31 アルバテびとアビアルボン。バホリム 出身 のアズマウテ。
32 シャルボン 出身 のエリヤバ。ヤセンの 子 たち。ヨナタン。
33 ハラルびとシャンマ。ハラルびとシャラルの 子 アヒアム。
34 マアカ 出身 のアハスバイの 子 エリペレテ。ギロ 出身 のアヒトペルの 子 エリアム。
35 カルメル 出身 のヘヅロ。アルバびとパアライ。
36 ゾバ 出身 のナタンの 子 イガル。ガドびとバニ。
37 アンモンびとゼレク。ゼルヤの 子 ヨアブの 武器 を 執 る 者、ベエロテ 出身 のナハライ。
38 イテルびとイラ。イテルびとガレブ。
39 ヘテびとウリヤ。合 わせて三十七 人 である。
Chapter 24
1 主 は 再 びイスラエルに 向 かって 怒 りを 発 し、ダビデを 感動 して 彼 らに 逆 らわせ、「行 ってイスラエルとユダとを 数 えよ」と 言 われた。
2 そこで 王 はヨアブおよびヨアブと 共 にいる 軍 の 長 たちに 言 った、「イスラエルのすべての 部族 のうちを、ダンからベエルシバまで 行 き 巡 って 民 を 数 え、わたしに 民 の 数 を 知 らせなさい」。
3 ヨアブは 王 に 言 った、「どうぞあなたの 神、主 が、民 を 今 よりも百 倍 に 増 してくださいますように。そして 王、わが 主 がまのあたり、それを 見 られますように。しかし 王、わが 主 は 何 ゆえにこの 事 を 喜 ばれるのですか」。
4 しかし 王 の 言葉 がヨアブと 軍 の 長 たちとに 勝 ったので、ヨアブと 軍 の 長 たちとは 王 の 前 を 退 き、イスラエルの 民 を 数 えるために 出 て 行 った。
5 彼 らはヨルダンを 渡 り、アロエルから、すなわち 谷 の 中 にある 町 から 始 めて、ガドに 向 かい、ヤゼルに 進 んだ。
6 それからギレアデに 行 き、またヘテびとの 地 にあるカデシに 行 き、それからダンに 至 り、ダンからシドンにまわり、
7 またツロの 要害 に 行 き、ヒビびと、およびカナンびとのすべての 町 に 行 き、ユダのネゲブに 出 てベエルシバへ 行 った。
8 こうして 彼 らは 国 をあまねく 行 き 巡 って、九か 月 と二十 日 を 経 てエルサレムにきた。
9 そしてヨアブは 民 の 総数 を 王 に 告 げた。すなわちイスラエルには、つるぎを 抜 く 勇士 たちが八十万あった。ただしユダの 人々 は五十万であった。
10 しかしダビデは 民 を 数 えた 後、心 に 責 められた。そこでダビデは 主 に 言 った、「わたしはこれをおこなって 大 きな 罪 を 犯 しました。しかし 主 よ、今 どうぞしもべの 罪 を 取 り 去 ってください。わたしはひじょうに 愚 かなことをいたしました」。
11 ダビデが 朝 起 きたとき、主 の 言葉 はダビデの 先見者 である 預言者 ガデに 臨 んで 言 った、
12 「行 ってダビデに 言 いなさい、『主 はこう 仰 せられる、「わたしは三つのことを 示 す。あなたはその一つを 選 ぶがよい。わたしはそれをあなたに 行 うであろう」と』」。
13 ガデはダビデのもとにきて、彼 に 言 った、「あなたの 国 に三 年 のききんをこさせようか。あなたが 敵 に 追 われて三か 月 敵 の 前 に 逃 げるようにしようか。それとも、あなたの 国 に三 日 の 疫病 をおくろうか。あなたは 考 えて、わたしがどの 答 を、わたしをつかわされた 方 になすべきかを 決 めなさい」。
14 ダビデはガデに 言 った、「わたしはひじょうに 悩 んでいますが、主 のあわれみは 大 きいゆえ、われわれを 主 の 手 に 陥 らせてください。わたしを 人 の 手 には 陥 らせないでください」。
15 そこで 主 は 朝 から 定 めの 時 まで 疫病 をイスラエルに 下 された。ダンからベエルシバまでに 民 の 死 んだ 者 は七万 人 あった。
16 天 の 使 が 手 をエルサレムに 伸 べてこれを 滅 ぼそうとしたが、主 はこの 害悪 を 悔 い、民 を 滅 ぼしている 天 の 使 に 言 われた、「もはや、じゅうぶんである。今 あなたの 手 をとどめるがよい」。その 時、主 の 使 はエブスびとアラウナの 打 ち 場 のかたわらにいた。
17 ダビデは 民 を 撃 っている 天 の 使 を 見 た 時、主 に 言 った、「わたしは 罪 を 犯 しました。わたしは 悪 を 行 いました。しかしこれらの 羊 たちは 何 をしたのですか。どうぞあなたの 手 をわたしとわたしの 父 の 家 に 向 けてください」。
18 その 日 ガデはダビデのところにきて 彼 に 言 った、「上 って 行 ってエブスびとアラウナの 打 ち 場 で 主 に 祭壇 を 建 てなさい」。
19 ダビデはガデの 言葉 に 従 い、主 の 命 じられたように 上 って 行 った。
20 アラウナは 見 おろして、王 とそのしもべたちが 自分 の 方 に 進 んでくるのを 見 たので、アラウナは 出 てきて 王 の 前 に 地 にひれ 伏 して 拝 した。
21 そしてアラウナは 言 った、「どうして 王 わが 主 は、しもべの 所 にこられましたか」。ダビデは 言 った、「あなたから 打 ち 場 を 買 い 取 り、主 に 祭壇 を 築 いて 民 に 下 る 災 をとどめるためです」。
22 アラウナはダビデに 言 った、「どうぞ 王、わが 主 のよいと 思 われる 物 を 取 ってささげてください。燔祭 にする 牛 もあります。たきぎにする 打 穀 機 も 牛 のくびきもあります。
23 王 よ、アラウナはこれをことごとく 王 にささげます」。アラウナはまた 王 に、「あなたの 神、主 があなたを 受 けいれられますように」と 言 った。
24 しかし 王 はアラウナに 言 った、「いいえ、代価 を 支払 ってそれをあなたから 買 い 取 ります。わたしは 費用 をかけずに 燔祭 をわたしの 神、主 にささげることはしません」。こうしてダビデは 銀 五十シケルで 打 ち 場 と 牛 とを 買 い 取 った。
25 ダビデはその 所 で 主 に 祭壇 を 築 き、燔祭 と 酬恩祭 をささげた。そこで 主 はその 地 のために 祈 を 聞 かれたので、災 がイスラエルに 下 ることはとどまった。