Chapter 1
1 ああ 哀 しいかな 古昔 は 人 のみちみちたりし 此 都邑 いまは 凄 しき 樣 にて 坐 し 寡婦 のごとくになれり 嗟 もろもろの 民 の 中 にて 大 いなりし 者 もろもろの 州 の 中 に 女王 たりし 者 いまはかへつて 貢 をいるる 者 となりぬ
2 彼 よもすがら 痛 く 泣 きかなしみて 涙 面 にながる その 戀 人 の 中 にはこれを 慰 むる 者 ひとりだに 無 く その 朋 これに 背 きてその 仇 となれり
3 ユダは 艱難 の 故 によりまた 大 いなる 苦役 のゆゑによりて 擄 はれゆき もろもろの 國 に 住 ひて 安息 を 得 ず これを 追 ふものみな 狭隘 にてこれに 追 しきぬ
4 シオンの 道路 は 節會 の 上 り 來 る 者 なきがために 哀 しみ その 門 はことごとく 荒 れ その 祭司 は 歎 き その 處女 は 憂 へ シオンもまた 自 から 苦 しむ
5 その 仇 は 首 となり その 敵 は 享 ゆ その 愆 の 多 きによりてヱホバこれをなやませたまへるなり そのわかき 子等 は 擄 はれて 仇 の 前 にゆけり
6 シオンの 女 よりはその 榮華 ことごとく 離 れされり またその 牧伯等 は 草 を 得 ざる 鹿 のごとくに 成 り おのれを 追 ふものの 前 に 力 つかれて 歩 みゆけり
7 ヱルサレムはその 艱難 と 窘迫 の 時 むかしの 代 にありしもろもろの 樂 しき 物 を 思 ひ 出 づ その 民 仇 の 手 におちいり 誰 もこれを 助 くるものなき 時 仇人 これを 見 てその 荒 はてたるを 笑 ふ
8 ヱルサレムははなはだしく 罪 ををかしたれば 汚穢 たる 者 のごとくになれり 前 にこれを 尊 とびたる 者 もその 裸體 を 見 しによりて 皆 これをいやしむ 是 もまたみづから 嗟 き 身 をそむけて 退 ぞけり
9 その 汚穢 これが 裾 にあり 彼 その 終局 をおもはざりき 此故 に 驚 ろくまでに 零落 たり 一人 の 慰 さむる 者 だに 無 し ヱホバよわが 艱難 をかへりみたまへ 敵 は 勝 ほこれり
10 敵 すでに 手 を 伸 てその 財寳 をことごとく 奪 ひたり 汝 さきに 異邦人 等 はなんぢの 公會 にいるべからずと 命 じおきたまひしに 彼 らが 聖所 を 侵 しいるをシオンは 見 たり
11 その 民 はみな 哀 きて 食物 をもとめ その 生命 を 支 へんがために 財寳 を 出 して 食 にかへたり ヱホバよ 見 そなはし 我 のいやしめらるるを 顧 りみたまへ
12 すべて 行路人 よ なんぢら 何 ともおもはざるか ヱホバその 烈 しき 震怒 の 日 に 我 をなやましてわれに 降 したまへるこの 憂苦 にひとしき 憂苦 また 世 にあるべきや 考 がへ 見 よ
13 ヱホバ 上 より 火 をくだしわが 骨 にいれて 之 を 克服 せしめ 網 を 張 りわが 足 をとらへて 我 を 後 にむかしめ 我 をして 終日 心 さびしくかつ 疾 わづらはしめたまふ
14 わが 愆尤 の 軛 は 主 の 御手 にて 結 ばれ 諸 の 愆 あひ 纒 はりてわが 項 にのれり 是 はわが 力 をしておとろへしむ 主 われを 敵 たりがたき 者 の 手 にわたしたまへり
15 主 われの 中 なる 勇士 をことごとく 除 き 節會 をもよほして 我 を 攻 め わが 少 き 人 を 打 ほろぼしたまへり 主 酒榨 をふむがごとくにユダの 處女 をふみたまへり
16 これがために 我 なげく わが 目 やわが 目 には 水 ながる わがたましひを 活 すべき 慰 さむるものわれに 遠 ければなり わが 子等 は 敵 の 勝 るによりて 滅 びうせにき
17 シオンは 手 をのぶれども 誰 もこれを 慰 さむる 者 なし ヤコブにつきてはヱホバ 命 をくだしてその 周圍 の 民 をこれが 敵 とならしめたまふ ヱルサレムは 彼 らの 中 にありて 汚 れたる 者 のごとくなりぬ
18 ヱホバは 正 し 我 その 命令 にそむきたるなり 一切 の 民 よわれに 聽 け わが 憂苦 をかへりみよ わが 處女 もわかき 男 も 俘囚 て 往 り
19 われわが 戀人 を 呼 たれども 彼 らはわれを 欺 むけり わが 祭司 およびわが 長老 は 生命 を 繋 がんとて 食物 を 求 むる 間 に 都邑 の 中 にて 氣息 たえたり
20 ヱホバよかへりみたまへ 我 はなやみてをり わが 膓 わきかへり わが 心 わが 衷 に 顛倒 す 我 甚 しく 悖 りたればなり 外 には 劍 ありてわが 子 を 殺 し 内 には 死 のごとき 者 あり
21 かれらはわが 嗟歎 をきけり 我 をなぐさむるもの 一人 だに 无 し わが 敵 みなわが 艱難 をききおよび 汝 のこれを 爲 たまひしを 喜 こべり 汝 はさきに 告 しらせしその 日 を 來 らせたまはん 而 して 彼 らもつひに 我 ごとくに 成 るべし
22 ねがはくは 彼等 が 與 へし 艱難 をことごとくなんぢの 御前 にあらはし 前 にわがもろもろの 罪愆 のために 我 におこなひし 如 く 彼 らにも 行 ひたまへ わが 嗟歎 は 多 くわが 心 はうれひかなしむなり
Chapter 2
1 ああヱホバ 震怒 をおこし 黑雲 をもてシオンの 女 を 蔽 ひたまひ イスラエルの 榮光 を 天 より 地 におとし その 震怒 の 日 に 己 の 足凳 を 心 にとめたまはざりき
2 主 ヤコブのすべての 住居 を 呑 つくしてあはれまず 震怒 によりてユダの 女 の 保砦 を 毀 ち これを 地 にたふし その 國 とその 牧伯等 を 辱 かしめ
3 烈 しき 震怒 をもてイスラエルのすべての 角 を 絶 ち 敵 の 前 にて 己 の 右 の 手 をひきちぢめ 四面 を 焚 きつくす 燃 る 火 のごとくヤコブを 焚 き
4 敵 のごとく 弓 を 張 り 仇 のごとく 右 の 手 を 挺 て 立 ち 凡 て 目 に 喜 こばしきものを 滅 し シオンの 女 の 幕屋 に 火 のごとくその 怒 をそそぎたまへり
5 主 敵 のごとくに 成 たまひてイスラエルを 呑 ほろぼし その 諸 の 殿 を 呑 ほろぼし そのもろもろの 保砦 をこぼち ユダの 女 の 上 に 憂愁 と 悲哀 を 増 くはへ
6 園 のごとく 己 の 幕屋 を 荒 し その 集會 の 所 をほろぼしたまへり ヱホバ 節會 と 安息日 とをシオンに 忘 れしめ 烈 しき 怒 によりて 王 と 祭司 とをいやしめ 棄 たまへり
7 主 その 祭壇 を 忌棄 て その 聖所 を 嫌 ひ 憎 みて その 諸 の 殿 の 石垣 を 敵 の 手 にわたしたまへり 彼 らは 節會 の 日 のごとくヱホバの 室 にて 聲 をたつ
8 ヱホバ、シオンの 女 の 石垣 を 毀 たんと 思 ひさだめ 繩 を 張 り こぼち 進 みてその 手 をひかず 壕 と 石垣 とをして 哀 しましめたまふ 是 らは 共 に 憂 ふ
9 その 門 は 地 に 埋 もれ ヱホバその 關木 をこぼちくだき その 王 ともろもろの 牧伯 は 律法 なき 國人 の 中 にあり その 預言者 はヱホバより 異象 を 蒙 らず
10 シオンの 女 の 長老等 は 地 に 坐 りて 默 し 首 に 灰 をかむり 身 に 麻 をまとふ ヱルサレムの 處女 は 首 を 地 に 低 る
11 わが 目 は 涙 の 爲 に 潰 れんとし わが 膓 は 沸 かへり わが 肝 は 地 に 塗 る わが 民 の 女 ほろぼされ 幼少 ものや 乳哺子 は 疲 れはてて 邑 の 街衢 に 氣息 たへなんとすればなり
12 かれらは 疵 を 負 る 者 の 如 く 邑 のちまたにて 氣息 たえなんとし 母 の 懐 にその 靈魂 をそそがんとし 母 にむかひて 言 ふ 穀物 と 酒 とはいづくにあるやと
13 ヱルサレムの 女 よ 我 なにをもて 汝 にあかしし 何 をもて 汝 にならべんや シオンの 處女 よ われ 何 をもて 汝 になぞらへて 汝 をなぐさめんや 汝 のやぶれは 海 のごとく 大 なり 嗟 たれか 能 く 汝 を 醫 さんや
14 なんぢの 預言者 は 虚 しき 事 と 愚 なることとなんぢに 預言 し かつて 汝 の 不義 をあらはしてその 俘囚 をまぬかれしめんとはせざりき その 預言 するところは 唯 むなしき 重荷 および 追放 たるる 根本 となるべき 事 のみ
15 すべて 往來 の 人 なんぢにむかひて 手 を 拍 ち ヱルサレムの 女 にむかひて 嘲 りわらひ かつ 頭 をふりて 言 ふ 美麗 の 極 全地 の 欣喜 ととなへたりし 邑 は 是 なるかと
16 なんぢのもろもろの 敵 はなんぢに 對 ひて 口 を 開 け あざけり 笑 ひて 切齒 をなす 斯 て 言 ふわれら 之 を 呑 つくしたり 是 われらが 望 みたりし 日 なり 我 ら 已 に 之 にあへり 我 らすでに 之 を 見 たりと
17 ヱホバはその 定 めたまへることを 成 し いにしへより 其 命 じたまひし 言 を 果 したまへり ヱホバはほろぼして 憐 れまず 敵 をして 汝 にかちほこらしめ 汝 の 仇 の 角 をたかくしたまへり
18 かれらの 心 は 主 にむかひて 呼 はれり シオンの 女 の 墻垣 よ なんぢ 夜 も 晝 も 河 の 如 く 涙 をながせ みづから 安 んずることをせず 汝 の 瞳子 を 休 むることなかれ
19 なんぢ 夜 の 初更 に 起 いでて 呼 さけべ 主 の 御前 に 汝 の 心 を 水 のごとく 灌 げ 街衢 のほとりに 饑 たふるるなんぢの 幼兒 の 生命 のために 主 にむかひて 兩手 をあげよ
20 ヱホバよ 視 たまへ 汝 これを 誰 におこなひしか 願 はくは 顧 みたまへ 婦人 おのが 實 なるその 懷 き 育 てし 孩兒 を 食 ふべけんや 祭司 預言者 等 主 の 聖所 において 殺 さるべけんや
21 をさなきも 老 たるも 街衢 にて 地 に 臥 し わが 處女 も 若 き 男 も 刄 にかかりて 斃 れたり なんぢはその 震怒 の 日 にこれを 殺 し これを 屠 りて 恤 れみたまはざりき
22 なんぢ 節會 の 日 のごとくわが 懼 るるところの 者 を 四方 より 呼 あつめたまへり ヱホバの 震怒 の 日 には 遁 れたる 者 なく 又 のこりたる 者 なかりき わが 懷 き 育 てし 者 はみなわが 敵 のためにほろぼされたり
Chapter 3
1 我 はかれの 震怒 の 笞 によりて 艱難 に 遭 たる 人 なり
2 かれは 我 をひきて 黑暗 をあゆませ 光明 にゆかしめたまはず
3 まことに 屢々 その 手 をむけて 終日 われを 攻 なやまし
4 わが 肉 と 肌膚 をおとろへしめ わが 骨 を 摧 き
5 われにむかひて 患苦 と 艱難 を 築 きこれをもて 我 を 圍 み
6 われをして 長久 に 死 し 者 のごとく 暗 き 處 に 住 しめ
7 我 をかこみて 出 ること 能 はざらしめわが 鏈索 を 重 くしたまへり
8 我 さけびて 助 をもとめしとき 彼 わが 祈禱 をふせぎ
9 斫 たる 石 をもてわが 道 を 塞 ぎわが 途 をまげたまへり
10 その 我 に 對 することは 伏 て 伺 がふ 熊 のごとく 潜 みかくるる 獅子 のごとし
11 われに 路 を 離 れしめ 我 をひきさきて 獨 くるしましめ
12 弓 を 張 りてわれを 矢 先 の 的 となし
13 矢筒 の 矢 をもてわが 腰 を 射 ぬきたまへり
14 われはわがすべての 民 のあざけりとなり 終日 うたひそしらる
15 かれ 我 をして 苦 き 物 に 飽 しめ 茵蔯 を 飮 しめ
16 小石 をもてわが 齒 を 摧 き 灰 をもて 我 を 蒙 ひたまへり
17 なんぢわが 靈魂 をして 平和 を 遠 くはなれしめたまへば 我 は 福祉 をわすれたり
18 是 において 我 みづから 言 り わが 氣力 うせゆきぬ ヱホバより 何 を 望 むべきところ 無 しと
19 ねがはくは 我 が 艱難 と 苦楚 茵蔯 と 膽汁 とを 心 に 記 たまへ
20 わがたましひは 今 なほ 是 らの 事 を 想 ひてわが 衷 に 鬱 ぐ
21 われこの 事 を 心 におもひ 起 せり この 故 に 望 をいだくなり
22 われらの 尚 ほろびざるはヱホバの 仁愛 によりその 憐憫 の 盡 ざるに 因 る
23 これは 朝 ごとに 新 なり なんぢの 誠實 はおほいなるかな
24 わが 靈魂 は 言 ふ ヱホバはわが 分 なり このゆゑに 我 彼 を 待 ち 望 まん
25 ヱホバはおのれを 待 ち 望 む 者 とおのれを 尋 ねもとむる 人 に 恩惠 をほどこしたまふ
26 ヱホバの 救拯 をのぞみて 靜 にこれを 待 は 善 し
27 人 わかき 時 に 軛 を 負 は 善 し
28 ヱホバこれを 負 せたまふなれば 獨 坐 して 默 すべし
29 口 を 塵 につけよ あるひは 望 あらん
30 おのれを 撃 つ 者 に 頬 をむけ 充足 れるまでに 恥辱 をうけよ
31 そは 主 は 永久 に 棄 ることを 爲 たまはざるべければなり
32 かれは 患難 を 與 へ 給 ふといへどもその 慈悲 おほいなればまた 憐憫 を 加 へたまふなり
33 心 より 世 の 人 をなやましかつ 苦 しめ 給 ふにはあらざるなり
34 世 のもろもろの 俘囚人 を 脚 の 下 にふみにじり
35 至高者 の 面 の 前 にて 人 の 理 を 抂 げ
36 人 の 詞訟 を 屈 むることは 主 のよろこび 給 はざるところなり
37 主 の 命 じたまふにあらずば 誰 か 事 を 述 んにその 事 即 ち 成 んや
38 禍 も 福 もともに 至高者 の 口 より 出 るにあらずや
39 活 る 人 なんぞ 怨言 べけんや 人 おのれの 罪 の 罰 せらるるをつぶやくべけんや
40 我等 みづからの 行 をしらべかつ 省 みてヱホバに 歸 るべし
41 我 ら 天 にいます 神 にむかひて 手 とともに 心 をも 擧 べし
42 われらは 罪 ををかし 我 らは 叛 きたり なんぢこれを 赦 したまはざりき
43 なんぢ 震怒 をもてみづから 蔽 ひ 我 らを 追攻 め 殺 してあはれまず
44 雲 をもてみづから 蔽 ひ 祈禱 をして 通 ぜざらしめ
45 もろもろの 民 の 中 にわれらを 塵埃 となしたまへり
46 敵 は 皆 われらにむかひて 口 を 張 れり
47 恐懼 と 陷阱 また 暴行 と 滅亡 我 らに 來 れり
48 わが 民 の 女 の 滅亡 によりてわが 眼 には 涙 の 河 ながる
49 わが 目 は 斷 ず 涙 をそそぎて 止 ず
50 天 よりヱホバの 臨 み 見 て 顧 みたまふ 時 にまで 至 らん
51 わが 邑 の 一切 の 女等 の 故 によりてわが 眼 はわが 心 をいたましむ
52 故 なくして 我 に 敵 する 者 ども 鳥 を 追 ごとくにいたく 我 をおひ
53 わが 生命 を 坑 の 中 にほろぼし わが 上 に 石 を 投 かけ
54 また 水 わが 頭 の 上 に 溢 る 我 みづから 言 り 滅 びうせぬと
55 ヱホバよ われ 深 き 坑 の 底 より 汝 の 名 を 呼 り
56 なんぢ 我 が 聲 を 聽 たまへり わが 哀歎 と 祈求 に 耳 をおほひたまふなかれ
57 わが 汝 を 龥 たりし 時 なんぢは 近 よりたまひて 恐 るるなかれと 宣 へり
58 主 よなんぢはわが 靈魂 の 訴 を 助 け 伸 べ わが 生命 を 贖 ひ 給 へり
59 ヱホバよ なんぢは 我 がかうむりたる 不義 を 見 たまへり 願 はくは 我 に 正 しき 審判 を 與 へたまへ
60 なんぢは 彼 らが 我 を 怨 み われを 害 せんとはかるを 凡 て 見 たまへり
61 ヱホバよなんぢは 彼 らが 我 を 詈 り 我 を 害 せんとはかるを 凡 て 聞 たまへり
62 かの 立 て 我 に 逆 らふ 者等 の 言語 およびその 終日 われを 攻 んとて 運 らす 謀計 もまた 汝 これを 聞 たまへり
63 ねがはくは 彼 らの 起居 をかんがみたまへ 我 はかれらに 歌 ひそしらる
64 ヱホバよ なんぢは 彼 らが 手 に 爲 すところに 循 がひて 報 をなし
65 かれらをして 心 くらからしめたまはん なんぢの 呪詛 かれらに 歸 せよ
66 なんぢは 震怒 をもてかれらを 追 ひ ヱホバの 天 の 下 よりかれらをほろぼし 絶 たまはん
Chapter 4
1 ああ 黄金 は 光 をうしなひ 純金 は 色 を 變 じ 聖所 の 石 はもろもろの 街衢 の 口 に 投 すてられたり
2 ああ 精金 にも 比 ぶべきシオンの 愛子等 は 陶噐師 の 手 の 作 なる 土 の 器 のごとくに 見做 る
3 山 犬 さへも 乳房 をたれてその 子 に 乳 を 哺 す 然 るにわが 民 の 女 は 殘忍 荒野 の 鴕鳥 のごとくなれり
4 乳哺兒 の 舌 は 渇 きて 上顎 にひたと 貼 き 幼兒 はパンをもとむるも 擘 てあたふる 者 なし
5 肥甘物 をくらひ 居 りし 者 はおちぶれて 街衢 にあり 紅 の 衣服 にて 育 てられし 者 も 今 は 塵堆 を 抱 く
6 今 我民 の 女 のうくる 愆 の 罰 はソドムの 罪 の 罰 よりもおほいなり ソドムは 古昔 人 に 手 を 加 へらるることなくして 瞬 く 間 にほろぼされしなり
7 わが 民 の 中 なる 貴 き 人 は 從前 には 雪 よりも 咬潔 に 乳 よりも 白 く 珊瑚 よりも 躰 紅色 にしてその 形貌 のうるはしきこと 藍玉 のごとくなりしが
8 いまはその 面 くろきが 上 に 黑 く 街衢 にあるとも 人 にしられず その 皮 は 骨 にひたと 貼 き 乾 きて 枯 木 のごとくなれり
9 劍 にて 死 る 者 は 饑 て 死 る 者 よりもさいはひなり そは 斯 る 者 は 田圃 の 產物 の 罄 るによりて 漸々 におとろへゆき 刺 れし 者 のごとくに 成 ばなり
10 わが 民 の 女 のほろぶる 時 には 情愛 ふかき 婦人等 さへも 手 づから 己 の 子等 を 煮 て 食 となせり
11 ヱホバその 憤恨 をことごとく 洩 し 烈 しき 怒 をそそぎ 給 ひ シオンに 火 をもやしてその 基礎 までも 燒 しめ 給 へり
12 地 の 諸 王 も 世 のもろもろの 民 もすべてヱルサレムの 門 に 仇 や 敵 の 打 いらんとは 信 ぜざりき
13 斯 なりしはその 預言者 の 罪 によりその 祭司 の 愆 によれり かれらは 即 ち 正 しき 者 の 血 をその 邑 の 中 にながしたりき
14 今 かれらは 盲人 のごとく 街衢 にさまよひ 身 は 血 にて 汚 れをれば 人 その 衣服 にふるるあたはず
15 人 かれらに 向 ひて 呼 はり 言 ふ 去 れよ 穢 らはし 去 れ 去 れ 觸 るなかれと 彼 らはしり 去 りて 流離 ば 異邦人 の 中間 にても 人々 また 言 ふ 彼 らは 此 に 寓 るべからずと
16 ヱホバ 怒 れる 面 をもてこれを 散 し 給 へり 再 びこれを 顧 みたまはじ 人々 祭司 の 面 をも 尊 ばず 長老 をもあはれまざりき
17 われらは 賴 まれぬ 救援 を 望 みて 目 つかれおとろふ 我 らは 俟 ゐたりしが 救拯 をなすこと 能 はざる 國人 を 待 をりぬ
18 敵 われらの 脚 をうかがへば 我 らはおのれの 街衢 をも 歩 くことあたはず 我 らの 終 ちかづけり 我 らの 日 つきたり 即 ち 我 らの 終 きたりぬ
19 我 らを 追 ふものは 天空 ゆく 鷲 よりも 迅 し 山 にて 我 らを 追 ひ 野 に 伏 てわれらを 伺 ふ
20 かの 我 らが 鼻 の 氣息 たる 者 ヱホバに 膏 そそがれたるものは 陷阱 にて 執 へられにき 是 はわれらが 異邦 にありてもこの 蔭 に 住 んとおもひたりし 者 なり
21 ウズの 地 に 住 むエドムの 女 よ 悦 び 樂 しめ 汝 にもまたつひに 杯 めぐりゆかん なんぢも 醉 て 裸 になるべし
22 シオンの 女 よ なんぢが 愆 の 罰 はをはれり 重 ねてなんぢを 擄 へゆきたまはじ エドムの 女 よ なんぢの 愆 を 罰 したまはん 汝 の 罪 を 露 はしたまはん
Chapter 5
1 ヱホバよ 我 らにありし 所 の 事 をおもひたまへ 我 らの 恥辱 をかへりみ 觀 たまへ
2 われらの 產業 は 外國人 に 歸 し われらの 家屋 は 他國人 の 有 となれり
3 われらは 孤子 となりて 父 あらず われらの 母 は 寡婦 にひとし
4 われらは 金 を 出 して 自己 の 水 を 飮 み おのれの 薪 を 得 るにも 價 をはらふ
5 われらを 追 ふ 者 われらの 頸 に 迫 る 我 らは 疲 れて 休 むことを 得 ず
6 食物 を 得 て 饑 を 凌 がんとてエジプト 人 およびアッスリヤ 人 に 手 を 與 へたり
7 われらの 父 は 罪 ををかして 已 に 世 にあらず 我 らその 罪 を 負 ふなり
8 奴僕等 われらを 制 するに 誰 ありて 我 らを 之 が 手 よりすくひ 出 すものなし
9 荒野 の 刀兵 の 故 によりて 我 ら 死 を 冒 して 食物 を 得
10 饑饉 の 烈 しき 熱 氣 によりてわれらの 皮膚 は 爐 のごとく 熱 し
11 シオンにて 婦人 等 をかされユダの 邑々 にて 處女等 けがさる
12 侯伯 たる 者 も 敵 の 手 にて 吊 され 老 たる 者 の 面 も 尊 とばれず
13 少 き 者 は 石磨 を 擔 はせられ 童子 は 薪 を 負 ふてよろめき
14 長老 は 門 にあつまることを 止 め 少 き 者 はその 音 樂 を 廢 せり
15 我 らが 心 の 快樂 はすでに 罷 み われらの 跳舞 はかはりて 悲哀 となり
16 われらの 冠冕 は 首 より 落 たり われら 罪 ををかしたれば 禍 なるかな
17 これが 爲 に 我 らの 心 うれへ これらのために 我 らが 目 くらくなれり
18 シオンの 山 は 荒 はて 山 犬 はその 上 を 歩 くなり
19 ヱホバよなんぢは 永遠 に 在 す なんぢの 御位 は 世々 かぎりなし
20 何 とて 我 らを 永 く 忘 れ われらを 斯 ひさしく 棄 おきたまふや
21 ヱホバよねがはくは 我 らをして 汝 に 歸 らしめたまへ われら 歸 るべし 我 らの 日 を 新 にして 昔日 の 日 のごとくならしめたまへ
22 さりとも 汝 まつたく 我 らを 棄 てたまひしや 痛 くわれらを 怒 りゐたまふや