Chapter 1
1 はじめに 神 は 天 と 地 とを 創造 された。
2 地 は 形 なく、むなしく、やみが 淵 のおもてにあり、神 の 霊 が 水 のおもてをおおっていた。
3 神 は「光 あれ」と 言 われた。すると 光 があった。
4 神 はその 光 を 見 て、良 しとされた。神 はその 光 とやみとを 分 けられた。
5 神 は 光 を 昼 と 名 づけ、やみを 夜 と 名 づけられた。夕 となり、また 朝 となった。第 一 日 である。
6 神 はまた 言 われた、「水 の 間 におおぞらがあって、水 と 水 とを 分 けよ」。
7 そのようになった。神 はおおぞらを 造 って、おおぞらの 下 の 水 とおおぞらの 上 の 水 とを 分 けられた。
8 神 はそのおおぞらを 天 と 名 づけられた。夕 となり、また 朝 となった。第 二 日 である。
9 神 はまた 言 われた、「天 の 下 の 水 は一つ 所 に 集 まり、かわいた 地 が 現 れよ」。そのようになった。
10 神 はそのかわいた 地 を 陸 と 名 づけ、水 の 集 まった 所 を 海 と 名 づけられた。神 は 見 て、良 しとされた。
11 神 はまた 言 われた、「地 は 青草 と、種 をもつ 草 と、種類 にしたがって 種 のある 実 を 結 ぶ 果樹 とを 地 の 上 にはえさせよ」。そのようになった。
12 地 は 青草 と、種類 にしたがって 種 をもつ 草 と、種類 にしたがって 種 のある 実 を 結 ぶ 木 とをはえさせた。神 は 見 て、良 しとされた。
13 夕 となり、また 朝 となった。第 三 日 である。
14 神 はまた 言 われた、「天 のおおぞらに 光 があって 昼 と 夜 とを 分 け、しるしのため、季節 のため、日 のため、年 のためになり、
15 天 のおおぞらにあって 地 を 照 らす 光 となれ」。そのようになった。
16 神 は二つの 大 きな 光 を 造 り、大 きい 光 に 昼 をつかさどらせ、小 さい 光 に 夜 をつかさどらせ、また 星 を 造 られた。
17 神 はこれらを 天 のおおぞらに 置 いて 地 を 照 らさせ、
18 昼 と 夜 とをつかさどらせ、光 とやみとを 分 けさせられた。神 は 見 て、良 しとされた。
19 夕 となり、また 朝 となった。第 四 日 である。
20 神 はまた 言 われた、「水 は 生 き 物 の 群 れで 満 ち、鳥 は 地 の 上、天 のおおぞらを 飛 べ」。
21 神 は 海 の 大 いなる 獣 と、水 に 群 がるすべての 動 く 生 き 物 とを、種類 にしたがって 創造 し、また 翼 のあるすべての 鳥 を、種類 にしたがって 創造 された。神 は 見 て、良 しとされた。
22 神 はこれらを 祝福 して 言 われた、「生 めよ、ふえよ、海 の 水 に 満 ちよ、また 鳥 は 地 にふえよ」。
23 夕 となり、また 朝 となった。第 五 日 である。
24 神 はまた 言 われた、「地 は 生 き 物 を 種類 にしたがっていだせ。家畜 と、這 うものと、地 の 獣 とを 種類 にしたがっていだせ」。そのようになった。
25 神 は 地 の 獣 を 種類 にしたがい、家畜 を 種類 にしたがい、また 地 に 這 うすべての 物 を 種類 にしたがって 造 られた。神 は 見 て、良 しとされた。
26 神 はまた 言 われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって 人 を 造 り、これに 海 の 魚 と、空 の 鳥 と、家畜 と、地 のすべての 獣 と、地 のすべての 這 うものとを 治 めさせよう」。
27 神 は 自分 のかたちに 人 を 創造 された。すなわち、神 のかたちに 創造 し、男 と 女 とに 創造 された。
28 神 は 彼 らを 祝福 して 言 われた、「生 めよ、ふえよ、地 に 満 ちよ、地 を 従 わせよ。また 海 の 魚 と、空 の 鳥 と、地 に 動 くすべての 生 き 物 とを 治 めよ」。
29 神 はまた 言 われた、「わたしは 全 地 のおもてにある 種 をもつすべての 草 と、種 のある 実 を 結 ぶすべての 木 とをあなたがたに 与 える。これはあなたがたの 食物 となるであろう。
30 また 地 のすべての 獣、空 のすべての 鳥、地 を 這 うすべてのもの、すなわち 命 あるものには、食物 としてすべての 青草 を 与 える」。そのようになった。
31 神 が 造 ったすべての 物 を 見 られたところ、それは、はなはだ 良 かった。夕 となり、また 朝 となった。第 六 日 である。
Chapter 2
1 こうして 天 と 地 と、その 万象 とが 完成 した。
2 神 は 第 七 日 にその 作業 を 終 えられた。すなわち、そのすべての 作業 を 終 って 第 七 日 に 休 まれた。
3 神 はその 第 七 日 を 祝福 して、これを 聖別 された。神 がこの 日 に、そのすべての 創造 のわざを 終 って 休 まれたからである。
4 これが 天地 創造 の 由来 である。主 なる 神 が 地 と 天 とを 造 られた 時、
5 地 にはまだ 野 の 木 もなく、また 野 の 草 もはえていなかった。主 なる 神 が 地 に 雨 を 降 らせず、また 土 を 耕 す 人 もなかったからである。
6 しかし 地 から 泉 がわきあがって 土 の 全面 を 潤 していた。
7 主 なる 神 は 土 のちりで 人 を 造 り、命 の 息 をその 鼻 に 吹 きいれられた。そこで 人 は 生 きた 者 となった。
8 主 なる 神 は 東 のかた、エデンに一つの 園 を 設 けて、その 造 った 人 をそこに 置 かれた。
9 また 主 なる 神 は、見 て 美 しく、食 べるに 良 いすべての 木 を 土 からはえさせ、更 に 園 の 中央 に 命 の 木 と、善悪 を 知 る 木 とをはえさせられた。
10 また一つの 川 がエデンから 流 れ 出 て 園 を 潤 し、そこから 分 れて四つの 川 となった。
11 その 第 一の 名 はピソンといい、金 のあるハビラの 全 地 をめぐるもので、
12 その 地 の 金 は 良 く、またそこはブドラクと、しまめのうとを 産 した。
13 第 二の 川 の 名 はギホンといい、クシの 全 地 をめぐるもの。
14 第 三の 川 の 名 はヒデケルといい、アッスリヤの 東 を 流 れるもの。第 四の 川 はユフラテである。
15 主 なる 神 は 人 を 連 れて 行 ってエデンの 園 に 置 き、これを 耕 させ、これを 守 らせられた。
16 主 なる 神 はその 人 に 命 じて 言 われた、「あなたは 園 のどの 木 からでも 心 のままに 取 って 食 べてよろしい。
17 しかし 善悪 を 知 る 木 からは 取 って 食 べてはならない。それを 取 って 食 べると、きっと 死 ぬであろう」。
18 また 主 なる 神 は 言 われた、「人 がひとりでいるのは 良 くない。彼 のために、ふさわしい 助 け 手 を 造 ろう」。
19 そして 主 なる 神 は 野 のすべての 獣 と、空 のすべての 鳥 とを 土 で 造 り、人 のところへ 連 れてきて、彼 がそれにどんな 名 をつけるかを 見 られた。人 がすべて 生 き 物 に 与 える 名 は、その 名 となるのであった。
20 それで 人 は、すべての 家畜 と、空 の 鳥 と、野 のすべての 獣 とに 名 をつけたが、人 にはふさわしい 助 け 手 が 見 つからなかった。
21 そこで 主 なる 神 は 人 を 深 く 眠 らせ、眠 った 時 に、そのあばら 骨 の一つを 取 って、その 所 を 肉 でふさがれた。
22 主 なる 神 は 人 から 取 ったあばら 骨 でひとりの 女 を 造 り、人 のところへ 連 れてこられた。
23 そのとき、人 は 言 った。「これこそ、ついにわたしの 骨 の 骨、わたしの 肉 の 肉。男 から 取 ったものだから、これを 女 と 名 づけよう」。
24 それで 人 はその 父 と 母 を 離 れて、妻 と 結 び 合 い、一体 となるのである。
25 人 とその 妻 とは、ふたりとも 裸 であったが、恥 ずかしいとは 思 わなかった。
Chapter 3
1 さて 主 なる 神 が 造 られた 野 の 生 き 物 のうちで、へびが 最 も 狡猾 であった。へびは 女 に 言 った、「園 にあるどの 木 からも 取 って 食 べるなと、ほんとうに 神 が 言 われたのですか」。
2 女 はへびに 言 った、「わたしたちは 園 の 木 の 実 を 食 べることは 許 されていますが、
3 ただ 園 の 中央 にある 木 の 実 については、これを 取 って 食 べるな、これに 触 れるな、死 んではいけないからと、神 は 言 われました」。
4 へびは 女 に 言 った、「あなたがたは 決 して 死 ぬことはないでしょう。
5 それを 食 べると、あなたがたの 目 が 開 け、神 のように 善悪 を 知 る 者 となることを、神 は 知 っておられるのです」。
6 女 がその 木 を 見 ると、それは 食 べるに 良 く、目 には 美 しく、賢 くなるには 好 ましいと 思 われたから、その 実 を 取 って 食 べ、また 共 にいた 夫 にも 与 えたので、彼 も 食 べた。
7 すると、ふたりの 目 が 開 け、自分 たちの 裸 であることがわかったので、いちじくの 葉 をつづり 合 わせて、腰 に 巻 いた。
8 彼 らは、日 の 涼 しい 風 の 吹 くころ、園 の 中 に 主 なる 神 の 歩 まれる 音 を 聞 いた。そこで、人 とその 妻 とは 主 なる 神 の 顔 を 避 けて、園 の 木 の 間 に 身 を 隠 した。
9 主 なる 神 は 人 に 呼 びかけて 言 われた、「あなたはどこにいるのか」。
10 彼 は 答 えた、「園 の 中 であなたの 歩 まれる 音 を 聞 き、わたしは 裸 だったので、恐 れて 身 を 隠 したのです」。
11 神 は 言 われた、「あなたが 裸 であるのを、だれが 知 らせたのか。食 べるなと、命 じておいた 木 から、あなたは 取 って 食 べたのか」。
12 人 は 答 えた、「わたしと 一緒 にしてくださったあの 女 が、木 から 取 ってくれたので、わたしは 食 べたのです」。
13 そこで 主 なる 神 は 女 に 言 われた、「あなたは、なんということをしたのです」。女 は 答 えた、「へびがわたしをだましたのです。それでわたしは 食 べました」。
14 主 なる 神 はへびに 言 われた、「おまえは、この 事 を、したので、すべての 家畜、野 のすべての 獣 のうち、最 ものろわれる。おまえは 腹 で、這 いあるき、一生、ちりを 食 べるであろう。
15 わたしは 恨 みをおく、おまえと 女 とのあいだに、おまえのすえと 女 のすえとの 間 に。彼 はおまえのかしらを 砕 き、おまえは 彼 のかかとを 砕 くであろう」。
16 つぎに 女 に 言 われた、「わたしはあなたの 産 みの 苦 しみを 大 いに 増 す。あなたは 苦 しんで 子 を 産 む。それでもなお、あなたは 夫 を 慕 い、彼 はあなたを 治 めるであろう」。
17 更 に 人 に 言 われた、「あなたが 妻 の 言葉 を 聞 いて、食 べるなと、わたしが 命 じた 木 から 取 って 食 べたので、地 はあなたのためにのろわれ、あなたは 一生、苦 しんで 地 から 食物 を 取 る。
18 地 はあなたのために、いばらとあざみとを 生 じ、あなたは 野 の 草 を 食 べるであろう。
19 あなたは 顔 に 汗 してパンを 食 べ、ついに 土 に 帰 る、あなたは 土 から 取 られたのだから。あなたは、ちりだから、ちりに 帰 る」。
20 さて、人 はその 妻 の 名 をエバと 名 づけた。彼女 がすべて 生 きた 者 の 母 だからである。
21 主 なる 神 は 人 とその 妻 とのために 皮 の 着物 を 造 って、彼 らに 着 せられた。
22 主 なる 神 は 言 われた、「見 よ、人 はわれわれのひとりのようになり、善悪 を 知 るものとなった。彼 は 手 を 伸 べ、命 の 木 からも 取 って 食 べ、永久 に 生 きるかも 知 れない」。
23 そこで 主 なる 神 は 彼 をエデンの 園 から 追 い 出 して、人 が 造 られたその 土 を 耕 させられた。
24 神 は 人 を 追 い 出 し、エデンの 園 の 東 に、ケルビムと、回 る 炎 のつるぎとを 置 いて、命 の 木 の 道 を 守 らせられた。
Chapter 4
1 人 はその 妻 エバを 知 った。彼女 はみごもり、カインを 産 んで 言 った、「わたしは 主 によって、ひとりの 人 を 得 た」。
2 彼女 はまた、その 弟 アベルを 産 んだ。アベルは 羊 を 飼 う 者 となり、カインは 土 を 耕 す 者 となった。
3 日 がたって、カインは 地 の 産物 を 持 ってきて、主 に 供 え 物 とした。
4 アベルもまた、その 群 れのういごと 肥 えたものとを 持 ってきた。主 はアベルとその 供 え 物 とを 顧 みられた。
5 しかしカインとその 供 え 物 とは 顧 みられなかったので、カインは 大 いに 憤 って、顔 を 伏 せた。
6 そこで 主 はカインに 言 われた、「なぜあなたは 憤 るのですか、なぜ 顔 を 伏 せるのですか。
7 正 しい 事 をしているのでしたら、顔 をあげたらよいでしょう。もし 正 しい 事 をしていないのでしたら、罪 が 門口 に 待 ち 伏 せています。それはあなたを 慕 い 求 めますが、あなたはそれを 治 めなければなりません」。
8 カインは 弟 アベルに 言 った、「さあ、野原 へ 行 こう」。彼 らが 野 にいたとき、カインは 弟 アベルに 立 ちかかって、これを 殺 した。
9 主 はカインに 言 われた、「弟 アベルは、どこにいますか」。カインは 答 えた、「知 りません。わたしが 弟 の 番人 でしょうか」。
10 主 は 言 われた、「あなたは 何 をしたのです。あなたの 弟 の 血 の 声 が 土 の 中 からわたしに 叫 んでいます。
11 今 あなたはのろわれてこの 土地 を 離 れなければなりません。この 土地 が 口 をあけて、あなたの 手 から 弟 の 血 を 受 けたからです。
12 あなたが 土地 を 耕 しても、土地 は、もはやあなたのために 実 を 結 びません。あなたは 地上 の 放浪者 となるでしょう」。
13 カインは 主 に 言 った、「わたしの 罰 は 重 くて 負 いきれません。
14 あなたは、きょう、わたしを 地 のおもてから 追放 されました。わたしはあなたを 離 れて、地上 の 放浪者 とならねばなりません。わたしを 見付 ける 人 はだれでもわたしを 殺 すでしょう」。
15 主 はカインに 言 われた、「いや、そうではない。だれでもカインを 殺 す 者 は七 倍 の 復讐 を 受 けるでしょう」。そして 主 はカインを 見付 ける 者 が、だれも 彼 を 打 ち 殺 すことのないように、彼 に一つのしるしをつけられた。
16 カインは 主 の 前 を 去 って、エデンの 東、ノドの 地 に 住 んだ。
17 カインはその 妻 を 知 った。彼女 はみごもってエノクを 産 んだ。カインは 町 を 建 て、その 町 の 名 をその 子 の 名 にしたがって、エノクと 名 づけた。
18 エノクにはイラデが 生 れた。イラデの 子 はメホヤエル、メホヤエルの 子 はメトサエル、メトサエルの 子 はレメクである。
19 レメクはふたりの 妻 をめとった。ひとりの 名 はアダといい、ひとりの 名 はチラといった。
20 アダはヤバルを 産 んだ。彼 は 天幕 に 住 んで、家畜 を 飼 う 者 の 先祖 となった。
21 その 弟 の 名 はユバルといった。彼 は 琴 や 笛 を 執 るすべての 者 の 先祖 となった。
22 チラもまたトバルカインを 産 んだ。彼 は 青銅 や 鉄 のすべての 刃物 を 鍛 える 者 となった。トバルカインの 妹 をナアマといった。
23 レメクはその 妻 たちに 言 った、「アダとチラよ、わたしの 声 を 聞 け、レメクの 妻 たちよ、わたしの 言葉 に 耳 を 傾 けよ。わたしは 受 ける 傷 のために、人 を 殺 し、受 ける 打 ち 傷 のために、わたしは 若者 を 殺 す。
24 カインのための 復讐 が七 倍 ならば、レメクのための 復讐 は七十七 倍」。
25 アダムはまたその 妻 を 知 った。彼女 は 男 の 子 を 産 み、その 名 をセツと 名 づけて 言 った、「カインがアベルを 殺 したので、神 はアベルの 代 りに、ひとりの 子 をわたしに 授 けられました」。
26 セツにもまた 男 の 子 が 生 れた。彼 はその 名 をエノスと 名 づけた。この 時、人々 は 主 の 名 を 呼 び 始 めた。
Chapter 5
1 アダムの 系図 は 次 のとおりである。神 が 人 を 創造 された 時、神 をかたどって 造 り、
2 彼 らを 男 と 女 とに 創造 された。彼 らが 創造 された 時、神 は 彼 らを 祝福 して、その 名 をアダムと 名 づけられた。
3 アダムは百三十 歳 になって、自分 にかたどり、自分 のかたちのような 男 の 子 を 生 み、その 名 をセツと 名 づけた。
4 アダムがセツを 生 んで 後、生 きた 年 は八百 年 であって、ほかに 男子 と 女子 を 生 んだ。
5 アダムの 生 きた 年 は 合 わせて九百三十 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
6 セツは百五 歳 になって、エノスを 生 んだ。
7 セツはエノスを 生 んだ 後、八百七 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
8 セツの 年 は 合 わせて九百十二 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
9 エノスは九十 歳 になって、カイナンを 生 んだ。
10 エノスはカイナンを 生 んだ 後、八百十五 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
11 エノスの 年 は 合 わせて九百五 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
12 カイナンは七十 歳 になって、マハラレルを 生 んだ。
13 カイナンはマハラレルを 生 んだ 後、八百四十 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
14 カイナンの 年 は 合 わせて九百十 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
15 マハラレルは六十五 歳 になって、ヤレドを 生 んだ。
16 マハラレルはヤレドを 生 んだ 後、八百三十 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
17 マハラレルの 年 は 合 わせて八百九十五 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
18 ヤレドは百六十二 歳 になって、エノクを 生 んだ。
19 ヤレドはエノクを 生 んだ 後、八百 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
20 ヤレドの 年 は 合 わせて九百六十二 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
21 エノクは六十五 歳 になって、メトセラを 生 んだ。
22 エノクはメトセラを 生 んだ 後、三百 年、神 とともに 歩 み、男子 と 女子 を 生 んだ。
23 エノクの 年 は 合 わせて三百六十五 歳 であった。
24 エノクは 神 とともに 歩 み、神 が 彼 を 取 られたので、いなくなった。
25 メトセラは百八十七 歳 になって、レメクを 生 んだ。
26 メトセラはレメクを 生 んだ 後、七百八十二 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
27 メトセラの 年 は 合 わせて九百六十九 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
28 レメクは百八十二 歳 になって、男 の 子 を 生 み、
29 「この 子 こそ、主 が 地 をのろわれたため、骨折 り 働 くわれわれを 慰 めるもの」と 言 って、その 名 をノアと 名 づけた。
30 レメクはノアを 生 んだ 後、五百九十五 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
31 レメクの 年 は 合 わせて七百七十七 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
32 ノアは五百 歳 になって、セム、ハム、ヤペテを 生 んだ。
Chapter 6
1 人 が 地 のおもてにふえ 始 めて、娘 たちが 彼 らに 生 れた 時、
2 神 の 子 たちは 人 の 娘 たちの 美 しいのを 見 て、自分 の 好 む 者 を 妻 にめとった。
3 そこで 主 は 言 われた、「わたしの 霊 はながく 人 の 中 にとどまらない。彼 は 肉 にすぎないのだ。しかし、彼 の 年 は百二十 年 であろう」。
4 そのころ、またその 後 にも、地 にネピリムがいた。これは 神 の 子 たちが 人 の 娘 たちのところにはいって、娘 たちに 産 ませたものである。彼 らは 昔 の 勇士 であり、有名 な 人々 であった。
5 主 は 人 の 悪 が 地 にはびこり、すべてその 心 に 思 いはかることが、いつも 悪 い 事 ばかりであるのを 見 られた。
6 主 は 地 の 上 に 人 を 造 ったのを 悔 いて、心 を 痛 め、
7 「わたしが 創造 した 人 を 地 のおもてからぬぐい 去 ろう。人 も 獣 も、這 うものも、空 の 鳥 までも。わたしは、これらを 造 ったことを 悔 いる」と 言 われた。
8 しかし、ノアは 主 の 前 に 恵 みを 得 た。
9 ノアの 系図 は 次 のとおりである。ノアはその 時代 の 人々 の 中 で 正 しく、かつ 全 き 人 であった。ノアは 神 とともに 歩 んだ。
10 ノアはセム、ハム、ヤペテの三 人 の 子 を 生 んだ。
11 時 に 世 は 神 の 前 に 乱 れて、暴虐 が 地 に 満 ちた。
12 神 が 地 を 見 られると、それは 乱 れていた。すべての 人 が 地 の 上 でその 道 を 乱 したからである。
13 そこで 神 はノアに 言 われた、「わたしは、すべての 人 を 絶 やそうと 決心 した。彼 らは 地 を 暴虐 で 満 たしたから、わたしは 彼 らを 地 とともに 滅 ぼそう。
14 あなたは、いとすぎの 木 で 箱舟 を 造 り、箱舟 の 中 にへやを 設 け、アスファルトでそのうちそとを 塗 りなさい。
15 その 造 り 方 は 次 のとおりである。すなわち 箱舟 の 長 さは三百キュビト、幅 は五十キュビト、高 さは三十キュビトとし、
16 箱舟 に 屋根 を 造 り、上 へ一キュビトにそれを 仕上 げ、また 箱舟 の 戸口 をその 横 に 設 けて、一 階 と二 階 と三 階 のある 箱舟 を 造 りなさい。
17 わたしは 地 の 上 に 洪水 を 送 って、命 の 息 のある 肉 なるものを、みな 天 の 下 から 滅 ぼし 去 る。地 にあるものは、みな 死 に 絶 えるであろう。
18 ただし、わたしはあなたと 契約 を 結ぼ う。あなたは 子 らと、妻 と、子 らの 妻 たちと 共 に 箱舟 にはいりなさい。
19 またすべての 生 き 物、すべての 肉 なるものの 中 から、それぞれ二つずつを 箱舟 に 入 れて、あなたと 共 にその 命 を 保 たせなさい。それらは 雄 と 雌 とでなければならない。
20 すなわち、鳥 はその 種類 にしたがい 獣 はその 種類 にしたがい、また 地 のすべての 這 うものも、その 種類 にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに 入 れて、命 を 保 たせなさい。
21 また、すべての 食物 となるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの 食物 としなさい」。
22 ノアはすべて 神 の 命 じられたようにした。
Chapter 7
1 主 はノアに 言 われた、「あなたと 家族 とはみな 箱舟 にはいりなさい。あなたがこの 時代 の 人々 の 中 で、わたしの 前 に 正 しい 人 であるとわたしは 認 めたからである。
2 あなたはすべての 清 い 獣 の 中 から 雄 と 雌 とを七つずつ 取 り、清 くない 獣 の 中 から 雄 と 雌 とを二つずつ 取 り、
3 また 空 の 鳥 の 中 から 雄 と 雌 とを七つずつ 取 って、その 種類 が 全 地 のおもてに 生 き 残 るようにしなさい。
4 七日 の 後、わたしは四十 日 四十 夜、地 に 雨 を 降 らせて、わたしの 造 ったすべての 生 き 物 を、地 のおもてからぬぐい 去 ります」。
5 ノアはすべて 主 が 命 じられたようにした。
6 さて 洪水 が 地 に 起 った 時、ノアは六百 歳 であった。
7 ノアは 子 らと、妻 と、子 らの 妻 たちと 共 に 洪水 を 避 けて 箱舟 にはいった。
8 また 清 い 獣 と、清 くない 獣 と、鳥 と、地 に 這 うすべてのものとの、
9 雄 と 雌 とが、二つずつノアのもとにきて、神 がノアに 命 じられたように 箱舟 にはいった。
10 こうして 七日 の 後、洪水 が 地 に 起 った。
11 それはノアの六百 歳 の二 月 十七 日 であって、その 日 に 大 いなる 淵 の 源 は、ことごとく 破 れ、天 の 窓 が 開 けて、
12 雨 は四十 日 四十 夜、地 に 降 り 注 いだ。
13 その 同 じ 日 に、ノアと、ノアの 子 セム、ハム、ヤペテと、ノアの 妻 と、その 子 らの三 人 の 妻 とは 共 に 箱舟 にはいった。
14 またすべての 種類 の 獣 も、すべての 種類 の 家畜 も、地 のすべての 種類 の 這 うものも、すべての 種類 の 鳥 も、すべての 翼 あるものも、皆 はいった。
15 すなわち 命 の 息 のあるすべての 肉 なるものが、二つずつノアのもとにきて、箱舟 にはいった。
16 そのはいったものは、すべて 肉 なるものの 雄 と 雌 とであって、神 が 彼 に 命 じられたようにはいった。そこで 主 は 彼 のうしろの 戸 を 閉 ざされた。
17 洪水 は四十 日 のあいだ 地上 にあった。水 が 増 して 箱舟 を 浮 べたので、箱舟 は 地 から 高 く 上 がった。
18 また 水 がみなぎり、地 に 増 したので、箱舟 は 水 のおもてに 漂 った。
19 水 はまた、ますます 地 にみなぎり、天 の 下 の 高 い 山々 は 皆 おおわれた。
20 水 はその 上、さらに十五キュビトみなぎって、山々 は 全 くおおわれた。
21 地 の 上 に 動 くすべて 肉 なるものは、鳥 も 家畜 も 獣 も、地 に 群 がるすべての 這 うものも、すべての 人 もみな 滅 びた。
22 すなわち 鼻 に 命 の 息 のあるすべてのもの、陸 にいたすべてのものは 死 んだ。
23 地 のおもてにいたすべての 生 き 物 は、人 も 家畜 も、這 うものも、空 の 鳥 もみな 地 からぬぐい 去 られて、ただノアと、彼 と 共 に 箱舟 にいたものだけが 残 った。
24 水 は百五十 日 のあいだ 地上 にみなぎった。
Chapter 8
1 神 はノアと、箱舟 の 中 にいたすべての 生 き 物 と、すべての 家畜 とを 心 にとめられた。神 が 風 を 地 の 上 に 吹 かせられたので、水 は 退 いた。
2 また 淵 の 源 と、天 の 窓 とは 閉 ざされて、天 から 雨 が 降 らなくなった。
3 それで 水 はしだいに 地 の 上 から 引 いて、百五十 日 の 後 には 水 が 減 り、
4 箱舟 は七 月 十七 日 にアララテの 山 にとどまった。
5 水 はしだいに 減 って、十 月 になり、十 月 一 日 に 山々 の 頂 が 現 れた。
6 四十 日 たって、ノアはその 造 った 箱舟 の 窓 を 開 いて、
7 からすを 放 ったところ、からすは 地 の 上 から 水 がかわききるまで、あちらこちらへ 飛 びまわった。
8 ノアはまた 地 のおもてから、水 がひいたかどうかを 見 ようと、彼 の 所 から、はとを 放 ったが、
9 はとは 足 の 裏 をとどめる 所 が 見 つからなかったので、箱舟 のノアのもとに 帰 ってきた。水 がまだ 全 地 のおもてにあったからである。彼 は 手 を 伸 べて、これを 捕 え、箱舟 の 中 の 彼 のもとに 引 き 入 れた。
10 それから 七日 待 って 再 びはとを 箱舟 から 放 った。
11 はとは 夕方 になって 彼 のもとに 帰 ってきた。見 ると、そのくちばしには、オリブの 若葉 があった。ノアは 地 から 水 がひいたのを 知 った。
12 さらに 七日 待 ってまた、はとを 放 ったところ、もはや 彼 のもとには 帰 ってこなかった。
13 六百一 歳 の一 月 一 日 になって、地 の 上 の 水 はかれた。ノアが 箱舟 のおおいを 取 り 除 いて 見 ると、土 のおもては、かわいていた。
14 二 月 二十七 日 になって、地 は 全 くかわいた。
15 この 時、神 はノアに 言 われた、
16 「あなたは 妻 と、子 らと、子 らの 妻 たちと 共 に 箱舟 を 出 なさい。
17 あなたは、共 にいる 肉 なるすべての 生 き 物、すなわち 鳥 と 家畜 と、地 のすべての 這 うものとを 連 れて 出 て、これらのものが 地 に 群 がり、地 の 上 にふえ 広 がるようにしなさい」。
18 ノアは 共 にいた 子 らと、妻 と、子 らの 妻 たちとを 連 れて 出 た。
19 またすべての 獣、すべての 這 うもの、すべての 鳥、すべて 地 の 上 に 動 くものは 皆、種類 にしたがって 箱舟 を 出 た。
20 ノアは 主 に 祭壇 を 築 いて、すべての 清 い 獣 と、すべての 清 い 鳥 とのうちから 取 って、燔祭 を 祭壇 の 上 にささげた。
21 主 はその 香 ばしいかおりをかいで、心 に 言 われた、「わたしはもはや二 度 と 人 のゆえに 地 をのろわない。人 が 心 に 思 い 図 ることは、幼 い 時 から 悪 いからである。わたしは、このたびしたように、もう二 度 と、すべての 生 きたものを 滅 ぼさない。
22 地 のある 限 り、種 まきの 時 も、刈入 れの 時 も、暑 さ 寒 さも、夏 冬 も、昼 も 夜 もやむことはないであろう」。
Chapter 9
1 神 はノアとその 子 らとを 祝福 して 彼 らに 言 われた、「生 めよ、ふえよ、地 に 満 ちよ。
2 地 のすべての 獣、空 のすべての 鳥、地 に 這 うすべてのもの、海 のすべての 魚 は 恐 れおののいて、あなたがたの 支配 に 服 し、
3 すべて 生 きて 動 くものはあなたがたの 食物 となるであろう。さきに 青草 をあなたがたに 与 えたように、わたしはこれらのものを 皆 あなたがたに 与 える。
4 しかし 肉 を、その 命 である 血 のままで、食 べてはならない。
5 あなたがたの 命 の 血 を 流 すものには、わたしは 必 ず 報復 するであろう。いかなる 獣 にも 報復 する。兄弟 である 人 にも、わたしは 人 の 命 のために、報復 するであろう。
6 人 の 血 を 流 すものは、人 に 血 を 流 される、神 が 自分 のかたちに 人 を 造 られたゆえに。
7 あなたがたは、生 めよ、ふえよ、地 に 群 がり、地 の 上 にふえよ」。
8 神 はノアおよび 共 にいる 子 らに 言 われた、
9 「わたしはあなたがた 及 びあなたがたの 後 の 子孫 と 契約 を 立 てる。
10 またあなたがたと 共 にいるすべての 生 き 物、あなたがたと 共 にいる 鳥、家畜、地 のすべての 獣、すなわち、すべて 箱舟 から 出 たものは、地 のすべての 獣 にいたるまで、わたしはそれと 契約 を 立 てよう。
11 わたしがあなたがたと 立 てるこの 契約 により、すべて 肉 なる 者 は、もはや 洪水 によって 滅 ぼされることはなく、また 地 を 滅 ぼす 洪水 は、再 び 起 らないであろう」。
12 さらに 神 は 言 われた、「これはわたしと、あなたがた 及 びあなたがたと 共 にいるすべての 生 き 物 との 間 に 代々 かぎりなく、わたしが 立 てる 契約 のしるしである。
13 すなわち、わたしは 雲 の 中 に、にじを 置 く。これがわたしと 地 との 間 の 契約 のしるしとなる。
14 わたしが 雲 を 地 の 上 に 起 すとき、にじは 雲 の 中 に 現 れる。
15 こうして、わたしは、わたしとあなたがた、及 びすべて 肉 なるあらゆる 生 き 物 との 間 に 立 てた 契約 を 思 いおこすゆえ、水 はふたたび、すべて 肉 なる 者 を 滅 ぼす 洪水 とはならない。
16 にじが 雲 の 中 に 現 れるとき、わたしはこれを 見 て、神 が 地上 にあるすべて 肉 なるあらゆる 生 き 物 との 間 に 立 てた 永遠 の 契約 を 思 いおこすであろう」。
17 そして 神 はノアに 言 われた、「これがわたしと 地 にあるすべて 肉 なるものとの 間 に、わたしが 立 てた 契約 のしるしである」。
18 箱舟 から 出 たノアの 子 らはセム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの 父 である。
19 この三 人 はノアの 子 らで、全 地 の 民 は 彼 らから 出 て、広 がったのである。
20 さてノアは 農夫 となり、ぶどう 畑 をつくり 始 めたが、
21 彼 はぶどう 酒 を 飲 んで 酔 い、天幕 の 中 で 裸 になっていた。
22 カナンの 父 ハムは 父 の 裸 を 見 て、外 にいるふたりの 兄弟 に 告 げた。
23 セムとヤペテとは 着物 を 取 って、肩 にかけ、うしろ 向 きに 歩 み 寄 って、父 の 裸 をおおい、顔 をそむけて 父 の 裸 を 見 なかった。
24 やがてノアは 酔 いがさめて、末 の 子 が 彼 にした 事 を 知 ったとき、
25 彼 は 言 った、「カナンはのろわれよ。彼 はしもべのしもべとなって、その 兄弟 たちに 仕 える」。
26 また 言 った、「セムの 神、主 はほむべきかな、カナンはそのしもべとなれ。
27 神 はヤペテを 大 いならしめ、セムの 天幕 に 彼 を 住 まわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。
28 ノアは 洪水 の 後、なお三百五十 年 生 きた。
29 ノアの 年 は 合 わせて九百五十 歳 であった。そして 彼 は 死 んだ。
Chapter 10
1 ノアの 子 セム、ハム、ヤペテの 系図 は 次 のとおりである。洪水 の 後、彼 らに 子 が 生 れた。
2 ヤペテの 子孫 はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスであった。
3 ゴメルの 子孫 はアシケナズ、リパテ、トガルマ。
4 ヤワンの 子孫 はエリシャ、タルシシ、キッテム、ドダニムであった。
5 これらから 海沿 いの 地 の 国民 が 分 れて、おのおのその 土地 におり、その 言語 にしたがい、その 氏族 にしたがって、その 国々 に 住 んだ。
6 ハムの 子孫 はクシ、ミツライム、プテ、カナンであった。
7 クシの 子孫 はセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカであり、ラアマの 子孫 はシバとデダンであった。
8 クシの 子 はニムロデであって、このニムロデは 世 の 権力者 となった 最初 の 人 である。
9 彼 は 主 の 前 に 力 ある 狩猟者 であった。これから「主 の 前 に 力 ある 狩猟者 ニムロデのごとし」ということわざが 起 った。
10 彼 の 国 は 最初 シナルの 地 にあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。
11 彼 はその 地 からアッスリヤに 出 て、ニネベ、レホボテイリ、カラ、
12 およびニネベとカラとの 間 にある 大 いなる 町 レセンを 建 てた。
13 ミツライムからルデ 族、アナミ 族、レハビ 族、ナフト 族、
14 パテロス 族、カスル 族、カフトリ 族 が 出 た。カフトリ 族 からペリシテ 族 が 出 た。
15 カナンからその 長子 シドンが 出 て、またヘテが 出 た。
16 その 他 エブスびと、アモリびと、ギルガシびと、
17 ヒビびと、アルキびと、セニびと、
18 アルワデびと、ゼマリびと、ハマテびとが 出 た。後 になってカナンびとの 氏族 がひろがった。
19 カナンびとの 境 はシドンからゲラルを 経 てガザに 至 り、ソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイムを 経 て、レシャに 及 んだ。
20 これらはハムの 子孫 であって、その 氏族 とその 言語 とにしたがって、その 土地 と、その 国々 にいた。
21 セムにも 子 が 生 れた。セムはエベルのすべての 子孫 の 先祖 であって、ヤペテの 兄 であった。
22 セムの 子孫 はエラム、アシュル、アルパクサデ、ルデ、アラムであった。
23 アラムの 子孫 はウヅ、ホル、ゲテル、マシであった。
24 アルパクサデの 子 はシラ、シラの 子 はエベルである。
25 エベルにふたりの 子 が 生 れた。そのひとりの 名 をペレグといった。これは 彼 の 代 に 地 の 民 が 分 れたからである。その 弟 の 名 をヨクタンといった。
26 ヨクタンにアルモダデ、シャレフ、ハザルマウテ、エラ、
27 ハドラム、ウザル、デクラ、
28 オバル、アビマエル、シバ、
29 オフル、ハビラ、ヨバブが 生 れた。これらは 皆 ヨクタンの 子 であった。
30 彼 らが 住 んだ 所 はメシャから 東 の 山地 セパルに 及 んだ。
31 これらはセムの 子孫 であって、その 氏族 とその 言語 とにしたがって、その 土地 と、その 国々 にいた。
32 これらはノアの 子 らの 氏族 であって、血統 にしたがって 国々 に 住 んでいたが、洪水 の 後、これらから 地上 の 諸 国民 が 分 れたのである。
Chapter 11
1 全 地 は 同 じ 発音、同 じ 言葉 であった。
2 時 に 人々 は 東 に 移 り、シナルの 地 に 平野 を 得 て、そこに 住 んだ。
3 彼 らは 互 に 言 った、「さあ、れんがを 造 って、よく 焼 こう」。こうして 彼 らは 石 の 代 りに、れんがを 得、しっくいの 代 りに、アスファルトを 得 た。
4 彼 らはまた 言 った、「さあ、町 と 塔 とを 建 てて、その 頂 を 天 に 届 かせよう。そしてわれわれは 名 を 上 げて、全 地 のおもてに 散 るのを 免 れよう」。
5 時 に 主 は 下 って、人 の 子 たちの 建 てる 町 と 塔 とを 見 て、
6 言 われた、「民 は一つで、みな 同 じ 言葉 である。彼 らはすでにこの 事 をしはじめた。彼 らがしようとする 事 は、もはや 何事 もとどめ 得 ないであろう。
7 さあ、われわれは 下 って 行 って、そこで 彼 らの 言葉 を 乱 し、互 に 言葉 が 通 じないようにしよう」。
8 こうして 主 が 彼 らをそこから 全 地 のおもてに 散 らされたので、彼 らは 町 を 建 てるのをやめた。
9 これによってその 町 の 名 はバベルと 呼 ばれた。主 がそこで 全 地 の 言葉 を 乱 されたからである。主 はそこから 彼 らを 全 地 のおもてに 散 らされた。
10 セムの 系図 は 次 のとおりである。セムは百 歳 になって 洪水 の二 年 の 後 にアルパクサデを 生 んだ。
11 セムはアルパクサデを 生 んで 後、五百 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
12 アルパクサデは三十五 歳 になってシラを 生 んだ。
13 アルパクサデはシラを 生 んで 後、四百三 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
14 シラは三十 歳 になってエベルを 生 んだ。
15 シラはエベルを 生 んで 後、四百三 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
16 エベルは三十四 歳 になってペレグを 生 んだ。
17 エベルはペレグを 生 んで 後、四百三十 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
18 ペレグは三十 歳 になってリウを 生 んだ。
19 ペレグはリウを 生 んで 後、二百九 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
20 リウは三十二 歳 になってセルグを 生 んだ。
21 リウはセルグを 生 んで 後、二百七 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
22 セルグは三十 歳 になってナホルを 生 んだ。
23 セルグはナホルを 生 んで 後、二百 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
24 ナホルは二十九 歳 になってテラを 生 んだ。
25 ナホルはテラを 生 んで 後、百十九 年 生 きて、男子 と 女子 を 生 んだ。
26 テラは七十 歳 になってアブラム、ナホルおよびハランを 生 んだ。
27 テラの 系図 は 次 のとおりである。テラはアブラム、ナホルおよびハランを 生 み、ハランはロトを 生 んだ。
28 ハランは 父 テラにさきだって、その 生 れた 地、カルデヤのウルで 死 んだ。
29 アブラムとナホルは 妻 をめとった。アブラムの 妻 の 名 はサライといい、ナホルの 妻 の 名 はミルカといってハランの 娘 である。ハランはミルカの 父、またイスカの 父 である。
30 サライはうまずめで、子 がなかった。
31 テラはその 子 アブラムと、ハランの 子 である 孫 ロトと、子 アブラムの 妻 である 嫁 サライとを 連 れて、カナンの 地 へ 行 こうとカルデヤのウルを 出 たが、ハランに 着 いてそこに 住 んだ。
32 テラの 年 は二百五 歳 であった。テラはハランで 死 んだ。
Chapter 12
1 時 に 主 はアブラムに 言 われた、「あなたは 国 を 出 て、親族 に 別 れ、父 の 家 を 離 れ、わたしが 示 す 地 に 行 きなさい。
2 わたしはあなたを 大 いなる 国民 とし、あなたを 祝福 し、あなたの 名 を 大 きくしよう。あなたは 祝福 の 基 となるであろう。
3 あなたを 祝福 する 者 をわたしは 祝福 し、あなたをのろう 者 をわたしはのろう。地 のすべてのやからは、あなたによって 祝福 される」。
4 アブラムは 主 が 言 われたようにいで 立 った。ロトも 彼 と 共 に 行 った。アブラムはハランを 出 たとき七十五 歳 であった。
5 アブラムは 妻 サライと、弟 の 子 ロトと、集 めたすべての 財産 と、ハランで 獲 た 人々 とを 携 えてカナンに 行 こうとしていで 立 ち、カナンの 地 にきた。
6 アブラムはその 地 を 通 ってシケムの 所、モレのテレビンの 木 のもとに 着 いた。そのころカナンびとがその 地 にいた。
7 時 に 主 はアブラムに 現 れて 言 われた、「わたしはあなたの 子孫 にこの 地 を 与 えます」。アブラムは 彼 に 現 れた 主 のために、そこに 祭壇 を 築 いた。
8 彼 はそこからベテルの 東 の 山 に 移 って 天幕 を 張 った。西 にはベテル、東 にはアイがあった。そこに 彼 は 主 のために 祭壇 を 築 いて、主 の 名 を 呼 んだ。
9 アブラムはなお 進 んでネゲブに 移 った。
10 さて、その 地 にききんがあったのでアブラムはエジプトに 寄留 しようと、そこに 下 った。ききんがその 地 に 激 しかったからである。
11 エジプトにはいろうとして、そこに 近 づいたとき、彼 は 妻 サライに 言 った、「わたしはあなたが 美 しい 女 であるのを 知 っています。
12 それでエジプトびとがあなたを 見 る 時、これは 彼 の 妻 であると 言 ってわたしを 殺 し、あなたを 生 かしておくでしょう。
13 どうかあなたは、わたしの 妹 だと 言 ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで 無事 であり、わたしの 命 はあなたによって 助 かるでしょう」。
14 アブラムがエジプトにはいった 時 エジプトびとはこの 女 を 見 て、たいそう 美 しい 人 であるとし、
15 またパロの 高官 たちも 彼女 を 見 てパロの 前 でほめたので、女 はパロの 家 に 召 し 入 れられた。
16 パロは 彼女 のゆえにアブラムを 厚 くもてなしたので、アブラムは 多 くの 羊、牛、雌雄 のろば、男女 の 奴隷 および、らくだを 得 た。
17 ところで 主 はアブラムの 妻 サライのゆえに、激 しい 疫病 をパロとその 家 に 下 された。
18 パロはアブラムを 召 し 寄 せて 言 った、「あなたはわたしになんという 事 をしたのですか。なぜ 彼女 が 妻 であるのをわたしに 告 げなかったのですか。
19 あなたはなぜ、彼女 はわたしの 妹 ですと 言 ったのですか。わたしは 彼女 を 妻 にしようとしていました。さあ、あなたの 妻 はここにいます。連 れて 行 ってください」。
20 パロは 彼 の 事 について 人々 に 命 じ、彼 とその 妻 およびそのすべての 持 ち 物 を 送 り 去 らせた。
Chapter 13
1 アブラムは 妻 とすべての 持 ち 物 を 携 え、エジプトを 出 て、ネゲブに 上 った。ロトも 彼 と 共 に 上 った。
2 アブラムは 家畜 と 金銀 に 非常 に 富 んでいた。
3 彼 はネゲブから 旅路 を 進 めてベテルに 向 かい、ベテルとアイの 間 の、さきに 天幕 を 張 った 所 に 行 った。
4 すなわち 彼 が 初 めに 築 いた 祭壇 の 所 に 行 き、その 所 でアブラムは 主 の 名 を 呼 んだ。
5 アブラムと 共 に 行 ったロトも 羊、牛 および 天幕 を 持 っていた。
6 その 地 は 彼 らをささえて 共 に 住 ませることができなかった。彼 らの 財産 が 多 かったため、共 に 住 めなかったのである。
7 アブラムの 家畜 の 牧者 たちとロトの 家畜 の 牧者 たちの 間 に 争 いがあった。そのころカナンびととペリジびとがその 地 に 住 んでいた。
8 アブラムはロトに 言 った、「わたしたちは 身内 の 者 です。わたしとあなたの 間 にも、わたしの 牧者 たちとあなたの 牧者 たちの 間 にも 争 いがないようにしましょう。
9 全 地 はあなたの 前 にあるではありませんか。どうかわたしと 別 れてください。あなたが 左 に 行 けばわたしは 右 に 行 きます。あなたが 右 に 行 けばわたしは 左 に 行 きましょう」。
10 ロトが 目 を 上 げてヨルダンの 低地 をあまねく 見 わたすと、主 がソドムとゴモラを 滅 ぼされる 前 であったから、ゾアルまで 主 の 園 のように、またエジプトの 地 のように、すみずみまでよく 潤 っていた。
11 そこでロトはヨルダンの 低地 をことごとく 選 びとって 東 に 移 った。こうして 彼 らは 互 に 別 れた。
12 アブラムはカナンの 地 に 住 んだが、ロトは 低地 の 町々 に 住 み、天幕 をソドムに 移 した。
13 ソドムの 人々 はわるく、主 に 対 して、はなはだしい 罪 びとであった。
14 ロトがアブラムに 別 れた 後 に、主 はアブラムに 言 われた、「目 をあげてあなたのいる 所 から 北、南、東、西 を 見 わたしなさい。
15 すべてあなたが 見 わたす 地 は、永久 にあなたとあなたの 子孫 に 与 えます。
16 わたしはあなたの 子孫 を 地 のちりのように 多 くします。もし 人 が 地 のちりを 数 えることができるなら、あなたの 子孫 も 数 えられることができましょう。
17 あなたは 立 って、その 地 をたてよこに 行 き 巡 りなさい。わたしはそれをあなたに 与 えます」。
18 アブラムは 天幕 を 移 してヘブロンにあるマムレのテレビンの 木 のかたわらに 住 み、その 所 で 主 に 祭壇 を 築 いた。
Chapter 14
1 シナルの 王 アムラペル、エラサルの 王 アリオク、エラムの 王 ケダラオメルおよびゴイムの 王 テダルの 世 に、
2 これらの 王 はソドムの 王 ベラ、ゴモラの 王 ビルシャ、アデマの 王 シナブ、ゼボイムの 王 セメベル、およびベラすなわちゾアルの 王 と 戦 った。
3 これら五 人 の 王 はみな 同盟 してシデムの 谷、すなわち 塩 の 海 に 向 かって 行 った。
4 すなわち 彼 らは十二 年 の 間 ケダラオメルに 仕 えたが、十三 年 目 にそむいたので、
5 十四 年 目 にケダラオメルは 彼 と 連合 した 王 たちと 共 にきて、アシタロテ・カルナイムでレパイムびとを、ハムでズジびとを、シャベ・キリアタイムでエミびとを 撃 ち、
6 セイルの 山地 でホリびとを 撃 って、荒野 のほとりにあるエル・パランに 及 んだ。
7 彼 らは 引 き 返 してエン・ミシパテすなわちカデシへ 行 って、アマレクびとの 国 をことごとく 撃 ち、またハザゾン・タマルに 住 むアモリびとをも 撃 った。
8 そこでソドムの 王、ゴモラの 王、アデマの 王、ゼボイムの 王 およびベラすなわちゾアルの 王 は 出 てシデムの 谷 で 彼 らに 向 かい、戦 いの 陣 をしいた。
9 すなわちエラムの 王 ケダラオメル、ゴイムの 王 テダル、シナルの 王 アムラペル、エラサルの 王 アリオクの四 人 の 王 に 対 する五 人 の 王 であった。
10 シデムの 谷 にはアスファルトの 穴 が 多 かったので、ソドムの 王 とゴモラの 王 は 逃 げてそこに 落 ちたが、残 りの 者 は 山 にのがれた。
11 そこで 彼 らはソドムとゴモラの 財産 と 食料 とをことごとく 奪 って 去 り、
12 またソドムに 住 んでいたアブラムの 弟 の 子 ロトとその 財産 を 奪 って 去 った。
13 時 に、ひとりの 人 がのがれてきて、ヘブルびとアブラムに 告 げた。この 時 アブラムはエシコルの 兄弟、またアネルの 兄弟 であるアモリびとマムレのテレビンの 木 のかたわらに 住 んでいた。彼 らはアブラムと 同盟 していた。
14 アブラムは 身内 の 者 が 捕虜 になったのを 聞 き、訓練 した 家 の 子 三百十八 人 を 引 き 連 れてダンまで 追 って 行 き、
15 そのしもべたちを 分 けて、夜 かれらを 攻 め、これを 撃 ってダマスコの 北、ホバまで 彼 らを 追 った。
16 そして 彼 はすべての 財産 を 取 り 返 し、また 身内 の 者 ロトとその 財産 および 女 たちと 民 とを 取 り 返 した。
17 アブラムがケダラオメルとその 連合 の 王 たちを 撃 ち 破 って 帰 った 時、ソドムの 王 はシャベの 谷、すなわち 王 の 谷 に 出 て 彼 を 迎 えた。
18 その 時、サレムの 王 メルキゼデクはパンとぶどう 酒 とを 持 ってきた。彼 はいと 高 き 神 の 祭司 である。
19 彼 はアブラムを 祝福 して 言 った、「願 わくは 天地 の 主 なるいと 高 き 神 が、アブラムを 祝福 されるように。
20 願 わくはあなたの 敵 をあなたの 手 に 渡 されたいと 高 き 神 があがめられるように」。アブラムは 彼 にすべての 物 の十 分 の一を 贈 った。
21 時 にソドムの 王 はアブラムに 言 った、「わたしには 人 をください。財産 はあなたが 取 りなさい」。
22 アブラムはソドムの 王 に 言 った、「天地 の 主 なるいと 高 き 神、主 に 手 をあげて、わたしは 誓 います。
23 わたしは 糸 一 本 でも、くつひも一 本 でも、あなたのものは 何 にも 受 けません。アブラムを 富 ませたのはわたしだと、あなたが 言 わないように。
24 ただし 若者 たちがすでに 食 べた 物 は 別 です。そしてわたしと 共 に 行 った 人々 アネルとエシコルとマムレとにはその 分 を 取 らせなさい」。
Chapter 15
1 これらの 事 の 後、主 の 言葉 が 幻 のうちにアブラムに 臨 んだ、「アブラムよ 恐 れてはならない、わたしはあなたの 盾 である。あなたの 受 ける 報 いは、はなはだ 大 きいであろう」。
2 アブラムは 言 った、「主 なる 神 よ、わたしには 子 がなく、わたしの 家 を 継 ぐ 者 はダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしに 何 をくださろうとするのですか」。
3 アブラムはまた 言 った、「あなたはわたしに 子 を 賜 わらないので、わたしの 家 に 生 れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。
4 この 時、主 の 言葉 が 彼 に 臨 んだ、「この 者 はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの 身 から 出 る 者 があとつぎとなるべきです」。
5 そして 主 は 彼 を 外 に 連 れ 出 して 言 われた、「天 を 仰 いで、星 を 数 えることができるなら、数 えてみなさい」。また 彼 に 言 われた、「あなたの 子孫 はあのようになるでしょう」。
6 アブラムは 主 を 信 じた。主 はこれを 彼 の 義 と 認 められた。
7 また 主 は 彼 に 言 われた、「わたしはこの 地 をあなたに 与 えて、これを 継 がせようと、あなたをカルデヤのウルから 導 き 出 した 主 です」。
8 彼 は 言 った、「主 なる 神 よ、わたしがこれを 継 ぐのをどうして 知 ることができますか」。
9 主 は 彼 に 言 われた、「三 歳 の 雌牛 と、三 歳 の 雌 やぎと、三 歳 の 雄羊 と、山 ばとと、家 ばとのひなとをわたしの 所 に 連 れてきなさい」。
10 彼 はこれらをみな 連 れてきて、二つに 裂 き、裂 いたものを 互 に 向 かい 合 わせて 置 いた。ただし、鳥 は 裂 かなかった。
11 荒 い 鳥 が 死体 の 上 に 降 りるとき、アブラムはこれを 追 い 払 った。
12 日 の 入 るころ、アブラムが 深 い 眠 りにおそわれた 時、大 きな 恐 ろしい 暗 やみが 彼 に 臨 んだ。
13 時 に 主 はアブラムに 言 われた、「あなたはよく 心 にとめておきなさい。あなたの 子孫 は 他 の 国 に 旅 びととなって、その 人々 に 仕 え、その 人々 は 彼 らを四百 年 の 間、悩 ますでしょう。
14 しかし、わたしは 彼 らが 仕 えたその 国民 をさばきます。その 後 かれらは 多 くの 財産 を 携 えて 出 て 来 るでしょう。
15 あなたは 安 らかに 先祖 のもとに 行 きます。そして 高齢 に 達 して 葬 られるでしょう。
16 四 代 目 になって 彼 らはここに 帰 って 来 るでしょう。アモリびとの 悪 がまだ 満 ちないからです」。
17 やがて 日 は 入 り、暗 やみになった 時、煙 の 立 つかまど、炎 の 出 るたいまつが、裂 いたものの 間 を 通 り 過 ぎた。
18 その 日、主 はアブラムと 契約 を 結 んで 言 われた、「わたしはこの 地 をあなたの 子孫 に 与 える。エジプトの 川 から、かの 大川 ユフラテまで。
19 すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、
20 ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、
21 アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとの 地 を 与 える」。
Chapter 16
1 アブラムの 妻 サライは 子 を 産 まなかった。彼女 にひとりのつかえめがあった。エジプトの 女 で 名 をハガルといった。
2 サライはアブラムに 言 った、「主 はわたしに 子 をお 授 けになりません。どうぞ、わたしのつかえめの 所 におはいりください。彼女 によってわたしは 子 をもつことになるでしょう」。アブラムはサライの 言葉 を 聞 きいれた。
3 アブラムの 妻 サライはそのつかえめエジプトの 女 ハガルをとって、夫 アブラムに 妻 として 与 えた。これはアブラムがカナンの 地 に十 年 住 んだ 後 であった。
4 彼 はハガルの 所 にはいり、ハガルは 子 をはらんだ。彼女 は 自分 のはらんだのを 見 て、女 主人 を 見下 げるようになった。
5 そこでサライはアブラムに 言 った、「わたしが 受 けた 害 はあなたの 責任 です。わたしのつかえめをあなたのふところに 与 えたのに、彼女 は 自分 のはらんだのを 見 て、わたしを 見下 さげます。どうか、主 があなたとわたしの 間 をおさばきになるように」。
6 アブラムはサライに 言 った、「あなたのつかえめはあなたの 手 のうちにある。あなたの 好 きなように 彼女 にしなさい」。そしてサライが 彼女 を 苦 しめたので、彼女 はサライの 顔 を 避 けて 逃 げた。
7 主 の 使 は 荒野 にある 泉 のほとり、すなわちシュルの 道 にある 泉 のほとりで、彼女 に 会 い、
8 そして 言 った、「サライのつかえめハガルよ、あなたはどこからきたのですか、またどこへ 行 くのですか」。彼女 は 言 った、「わたしは 女 主人 サライの 顔 を 避 けて 逃 げているのです」。
9 主 の 使 は 彼女 に 言 った、「あなたは 女 主人 のもとに 帰 って、その 手 に 身 を 任 せなさい」。
10 主 の 使 はまた 彼女 に 言 った、「わたしは 大 いにあなたの 子孫 を 増 して、数 えきれないほどに 多 くしましょう」。
11 主 の 使 はまた 彼女 に 言 った、「あなたは、みごもっています。あなたは 男 の 子 を 産 むでしょう。名 をイシマエルと 名 づけなさい。主 があなたの 苦 しみを 聞 かれたのです。
12 彼 は 野 ろばのような 人 となり、その 手 はすべての 人 に 逆 らい、すべての 人 の 手 は 彼 に 逆 らい、彼 はすべての 兄弟 に 敵 して 住 むでしょう」。
13 そこで、ハガルは 自分 に 語 られた 主 の 名 を 呼 んで、「あなたはエル・ロイです」と 言 った。彼女 が「ここでも、わたしを 見 ていられるかたのうしろを 拝 めたのか」と 言 ったことによる。
14 それでその 井戸 は「ベエル・ラハイ・ロイ」と 呼 ばれた。これはカデシとベレデの 間 にある。
15 ハガルはアブラムに 男 の 子 を 産 んだ。アブラムはハガルが 産 んだ 子 の 名 をイシマエルと 名 づけた。
16 ハガルがイシマエルをアブラムに 産 んだ 時、アブラムは八十六 歳 であった。
Chapter 17
1 アブラムの九十九 歳 の 時、主 はアブラムに 現 れて 言 われた、「わたしは 全能 の 神 である。あなたはわたしの 前 に 歩 み、全 き 者 であれ。
2 わたしはあなたと 契約 を 結 び、大 いにあなたの 子孫 を 増 すであろう」。
3 アブラムは、ひれ 伏 した。神 はまた 彼 に 言 われた、
4 「わたしはあなたと 契約 を 結 ぶ。あなたは 多 くの 国民 の 父 となるであろう。
5 あなたの 名 は、もはやアブラムとは 言 われず、あなたの 名 はアブラハムと 呼 ばれるであろう。わたしはあなたを 多 くの 国民 の 父 とするからである。
6 わたしはあなたに 多 くの 子孫 を 得 させ、国々 の 民 をあなたから 起 そう。また、王 たちもあなたから 出 るであろう。
7 わたしはあなた 及 び 後 の 代々 の 子孫 と 契約 を 立 てて、永遠 の 契約 とし、あなたと 後 の 子孫 との 神 となるであろう。
8 わたしはあなたと 後 の 子孫 とにあなたの 宿 っているこの 地、すなわちカナンの 全 地 を 永久 の 所有 として 与 える。そしてわたしは 彼 らの 神 となるであろう」。
9 神 はまたアブラハムに 言 われた、「あなたと 後 の 子孫 とは 共 に 代々 わたしの 契約 を 守 らなければならない。あなたがたのうち
10 男子 はみな 割礼 をうけなければならない。これはわたしとあなたがた 及 び 後 の 子孫 との 間 のわたしの 契約 であって、あなたがたの 守 るべきものである。
11 あなたがたは 前 の 皮 に 割礼 を 受 けなければならない。それがわたしとあなたがたとの 間 の 契約 のしるしとなるであろう。
12 あなたがたのうちの 男子 はみな 代々、家 に 生 れた 者 も、また 異邦人 から 銀 で 買 い 取 った、あなたの 子孫 でない 者 も、生 れて八 日 目 に 割礼 を 受 けなければならない。
13 あなたの 家 に 生 れた 者 も、あなたが 銀 で 買 い 取 った 者 も 必 ず 割礼 を 受 けなければならない。こうしてわたしの 契約 はあなたがたの 身 にあって 永遠 の 契約 となるであろう。
14 割礼 を 受 けない 男子、すなわち 前 の 皮 を 切 らない 者 はわたしの 契約 を 破 るゆえ、その 人 は 民 のうちから 断 たれるであろう」。
15 神 はまたアブラハムに 言 われた、「あなたの 妻 サライは、もはや 名 をサライといわず、名 をサラと 言 いなさい。
16 わたしは 彼女 を 祝福 し、また 彼女 によって、あなたにひとりの 男 の 子 を 授 けよう。わたしは 彼女 を 祝福 し、彼女 を 国々 の 民 の 母 としよう。彼女 から、もろもろの 民 の 王 たちが 出 るであろう」。
17 アブラハムはひれ 伏 して 笑 い、心 の 中 で 言 った、「百 歳 の 者 にどうして 子 が 生 れよう。サラはまた九十 歳 にもなって、どうして 産 むことができようか」。
18 そしてアブラハムは 神 に 言 った、「どうかイシマエルがあなたの 前 に 生 きながらえますように」。
19 神 は 言 われた、「いや、あなたの 妻 サラはあなたに 男 の 子 を 産 むでしょう。名 をイサクと 名 づけなさい。わたしは 彼 と 契約 を 立 てて、後 の 子孫 のために 永遠 の 契約 としよう。
20 またイシマエルについてはあなたの 願 いを 聞 いた。わたしは 彼 を 祝福 して 多 くの 子孫 を 得 させ、大 いにそれを 増 すであろう。彼 は十二 人 の 君 たちを 生 むであろう。わたしは 彼 を 大 いなる 国民 としよう。
21 しかしわたしは 来年 の 今 ごろサラがあなたに 産 むイサクと、わたしの 契約 を 立 てるであろう」。
22 神 はアブラハムと 語 り 終 え、彼 を 離 れて、のぼられた。
23 アブラハムは 神 が 自分 に 言 われたように、この 日 その 子 イシマエルと、すべて 家 に 生 れた 者 およびすべて 銀 で 買 い 取 った 者、すなわちアブラハムの 家 の 人々 のうち、すべての 男子 を 連 れてきて、前 の 皮 に 割礼 を 施 した。
24 アブラハムが 前 の 皮 に 割礼 を 受 けた 時 は九十九 歳、
25 その 子 イシマエルが 前 の 皮 に 割礼 を 受 けた 時 は十三 歳 であった。
26 この 日 アブラハムとその 子 イシマエルは 割礼 を 受 けた。
27 またその 家 の 人々 は 家 に 生 れた 者 も、銀 で 異邦人 から 買 い 取 った 者 も 皆、彼 と 共 に 割礼 を 受 けた。
Chapter 18
1 主 はマムレのテレビンの 木 のかたわらでアブラハムに 現 れられた。それは 昼 の 暑 いころで、彼 は 天幕 の 入口 にすわっていたが、
2 目 を 上 げて 見 ると、三 人 の 人 が 彼 に 向 かって 立 っていた。彼 はこれを 見 て、天幕 の 入口 から 走 って 行 って 彼 らを 迎 え、地 に 身 をかがめて、
3 言 った、「わが 主 よ、もしわたしがあなたの 前 に 恵 みを 得 ているなら、どうぞしもべを 通 り 過 ごさないでください。
4 水 をすこし 取 ってこさせますから、あなたがたは 足 を 洗 って、この 木 の 下 でお 休 みください。
5 わたしは 一口 のパンを 取 ってきます。元気 をつけて、それからお 出 かけください。せっかくしもべの 所 においでになったのですから」。彼 らは 言 った、「お 言葉 どおりにしてください」。
6 そこでアブラハムは 急 いで 天幕 に 入 り、サラの 所 に 行 って 言 った、「急 いで 細 かい 麦粉 三セヤをとり、こねてパンを 造 りなさい」。
7 アブラハムは 牛 の 群 れに 走 って 行 き、柔 らかな 良 い 子 牛 を 取 って 若者 に 渡 したので、急 いで 調理 した。
8 そしてアブラハムは 凝乳 と 牛乳 および 子 牛 の 調理 したものを 取 って、彼 らの 前 に 供 え、木 の 下 で 彼 らのかたわらに 立 って 給仕 し、彼 らは 食事 した。
9 彼 らはアブラハムに 言 った、「あなたの 妻 サラはどこにおられますか」。彼 は 言 った、「天幕 の 中 です」。
10 そのひとりが 言 った、「来年 の 春、わたしはかならずあなたの 所 に 帰 ってきましょう。その 時、あなたの 妻 サラには 男 の 子 が 生 れているでしょう」。サラはうしろの 方 の 天幕 の 入口 で 聞 いていた。
11 さてアブラハムとサラとは 年 がすすみ、老人 となり、サラは 女 の 月 のものが、すでに 止 まっていた。
12 それでサラは 心 の 中 で 笑 って 言 った、「わたしは 衰 え、主人 もまた 老人 であるのに、わたしに 楽 しみなどありえようか」。
13 主 はアブラハムに 言 われた、「なぜサラは、わたしは 老人 であるのに、どうして 子 を 産 むことができようかと 言 って 笑 ったのか。
14 主 にとって 不可能 なことがありましょうか。来年 の 春、定 めの 時 に、わたしはあなたの 所 に 帰 ってきます。そのときサラには 男 の 子 が 生 れているでしょう」。
15 サラは 恐 れたので、これを 打 ち 消 して 言 った、「わたしは 笑 いません」。主 は 言 われた、「いや、あなたは 笑 いました」。
16 その 人々 はそこを 立 ってソドムの 方 に 向 かったので、アブラハムは 彼 らを 見送 って 共 に 行 った。
17 時 に 主 は 言 われた、「わたしのしようとする 事 をアブラハムに 隠 してよいであろうか。
18 アブラハムは 必 ず 大 きな 強 い 国民 となって、地 のすべての 民 がみな、彼 によって 祝福 を 受 けるのではないか。
19 わたしは 彼 が 後 の 子 らと 家族 とに 命 じて 主 の 道 を 守 らせ、正義 と 公道 とを 行 わせるために 彼 を 知 ったのである。これは 主 がかつてアブラハムについて 言 った 事 を 彼 の 上 に 臨 ませるためである」。
20 主 はまた 言 われた、「ソドムとゴモラの 叫 びは 大 きく、またその 罪 は 非常 に 重 いので、
21 わたしはいま 下 って、わたしに 届 いた 叫 びのとおりに、すべて 彼 らがおこなっているかどうかを 見 て、それを 知 ろう」。
22 その 人々 はそこから 身 を 巡 らしてソドムの 方 に 行 ったが、アブラハムはなお、主 の 前 に 立 っていた。
23 アブラハムは 近寄 って 言 った、「まことにあなたは 正 しい 者 を、悪 い 者 と 一緒 に 滅 ぼされるのですか。
24 たとい、あの 町 に五十 人 の 正 しい 者 があっても、あなたはなお、その 所 を 滅 ぼし、その 中 にいる五十 人 の 正 しい 者 のためにこれをゆるされないのですか。
25 正 しい 者 と 悪 い 者 とを 一緒 に 殺 すようなことを、あなたは 決 してなさらないでしょう。正 しい 者 と 悪 い 者 とを 同 じようにすることも、あなたは 決 してなさらないでしょう。全 地 をさばく 者 は 公義 を 行 うべきではありませんか」。
26 主 は 言 われた、「もしソドムで 町 の 中 に五十 人 の 正 しい 者 があったら、その 人々 のためにその 所 をすべてゆるそう」。
27 アブラハムは 答 えて 言 った、「わたしはちり 灰 に 過 ぎませんが、あえてわが 主 に 申 します。
28 もし五十 人 の 正 しい 者 のうち五 人 欠 けたなら、その五 人 欠 けたために 町 を 全 く 滅 ぼされますか」。主 は 言 われた、「もしそこに四十五 人 いたら、滅 ぼさないであろう」。
29 アブラハムはまた 重 ねて 主 に 言 った、「もしそこに四十 人 いたら」。主 は 言 われた、「その四十 人 のために、これをしないであろう」。
30 アブラハムは 言 った、「わが 主 よ、どうかお 怒 りにならぬよう。わたしは 申 します。もしそこに三十 人 いたら」。主 は 言 われた、「そこに三十 人 いたら、これをしないであろう」。
31 アブラハムは 言 った、「いまわたしはあえてわが 主 に 申 します。もしそこに二十 人 いたら」。主 は 言 われた、「わたしはその二十 人 のために 滅 ぼさないであろう」。
32 アブラハムは 言 った、「わが 主 よ、どうかお 怒 りにならぬよう。わたしはいま一 度 申 します、もしそこに十 人 いたら」。主 は 言 われた、「わたしはその十 人 のために 滅 ぼさないであろう」。
33 主 はアブラハムと 語 り 終 り、去 って 行 かれた。アブラハムは 自分 の 所 に 帰 った。
Chapter 19
1 そのふたりのみ 使 は 夕暮 にソドムに 着 いた。そのときロトはソドムの 門 にすわっていた。ロトは 彼 らを 見 て、立 って 迎 え、地 に 伏 して、
2 言 った、「わが 主 よ、どうぞしもべの 家 に 立寄 って 足 を 洗 い、お 泊 まりください。そして 朝 早 く 起 きてお 立 ちください」。彼 らは 言 った、「いや、われわれは 広場 で 夜 を 過 ごします」。
3 しかしロトがしいて 勧 めたので、彼 らはついに 彼 の 所 に 寄 り、家 にはいった。ロトは 彼 らのためにふるまいを 設 け、種 入 れぬパンを 焼 いて 食 べさせた。
4 ところが 彼 らの 寝 ないうちに、ソドムの 町 の 人々 は、若 い 者 も 老人 も、民 がみな 四方 からきて、その 家 を 囲 み、
5 ロトに 叫 んで 言 った、「今夜 おまえの 所 にきた 人々 はどこにいるか。それをここに 出 しなさい。われわれは 彼 らを 知 るであろう」。
6 ロトは 入口 におる 彼 らの 所 に 出 て 行 き、うしろの 戸 を 閉 じて、
7 言 った、「兄弟 たちよ、どうか 悪 い 事 はしないでください。
8 わたしにまだ 男 を 知 らない 娘 がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし 出 しますから、好 きなようにしてください。ただ、わたしの 屋根 の 下 にはいったこの 人 たちには、何 もしないでください」。
9 彼 らは 言 った、「退 け」。また 言 った、「この 男 は 渡 ってきたよそ 者 であるのに、いつも、さばきびとになろうとする。それで、われわれは 彼 らに 加 えるよりも、おまえに 多 くの 害 を 加 えよう」。彼 らはロトの 身 に 激 しく 迫 り、進 み 寄 って 戸 を 破 ろうとした。
10 その 時、かのふたりは 手 を 伸 べてロトを 家 の 内 に 引 き 入 れ、戸 を 閉 じた。
11 そして 家 の 入口 におる 人々 を、老若 の 別 なく 打 って 目 をくらましたので、彼 らは 入口 を 捜 すのに 疲 れた。
12 ふたりはロトに 言 った、「ほかにあなたの 身内 の 者 がここにおりますか。あなたのむこ、むすこ、娘 およびこの 町 におるあなたの 身内 の 者 を、皆 ここから 連 れ 出 しなさい。
13 われわれがこの 所 を 滅 ぼそうとしているからです。人々 の 叫 びが 主 の 前 に 大 きくなり、主 はこの 所 を 滅 ぼすために、われわれをつかわされたのです」。
14 そこでロトは 出 て 行 って、その 娘 たちをめとるむこたちに 告 げて 言 った、「立 ってこの 所 から 出 なさい。主 がこの 町 を 滅 ぼされます」。しかしそれはむこたちには 戯 むれごとに 思 えた。
15 夜 が 明 けて、み 使 たちはロトを 促 して 言 った 「立 って、ここにいるあなたの 妻 とふたりの 娘 とを 連 れ 出 しなさい。そうしなければ、あなたもこの 町 の 不義 のために 滅 ぼされるでしょう」。
16 彼 はためらっていたが、主 は 彼 にあわれみを 施 されたので、かのふたりは 彼 の 手 と、その 妻 の 手 と、ふたりの 娘 の 手 を 取 って 連 れ 出 し、町 の 外 に 置 いた。
17 彼 らを 外 に 連 れ 出 した 時 そのひとりは 言 った、「のがれて、自分 の 命 を 救 いなさい。うしろをふりかえって 見 てはならない。低地 にはどこにも 立 ち 止 まってはならない。山 にのがれなさい。そうしなければ、あなたは 滅 びます」。
18 ロトは 彼 らに 言 った、「わが 主 よ、どうか、そうさせないでください。
19 しもべはすでにあなたの 前 に 恵 みを 得 ました。あなたはわたしの 命 を 救 って、大 いなるいつくしみを 施 されました。しかしわたしは 山 まではのがれる 事 ができません。災 が 身 に 追 い 迫 ってわたしは 死 ぬでしょう。
20 あの 町 をごらんなさい。逃 げていくのに 近 く、また 小 さい 町 です。どうかわたしをそこにのがれさせてください。それは 小 さいではありませんか。そうすればわたしの 命 は 助 かるでしょう」。
21 み 使 は 彼 に 言 った、「わたしはこの 事 でもあなたの 願 いをいれて、あなたの 言 うその 町 は 滅 ぼしません。
22 急 いでそこへのがれなさい。あなたがそこに 着 くまでは、わたしは 何事 もすることができません」。これによって、その 町 の 名 はゾアルと 呼 ばれた。
23 ロトがゾアルに 着 いた 時、日 は 地 の 上 にのぼった。
24 主 は 硫黄 と 火 とを 主 の 所 すなわち 天 からソドムとゴモラの 上 に 降 らせて、
25 これらの 町 と、すべての 低地 と、その 町々 のすべての 住民 と、その 地 にはえている 物 を、ことごとく 滅 ぼされた。
26 しかしロトの 妻 はうしろを 顧 みたので 塩 の 柱 になった。
27 アブラハムは 朝 早 く 起 き、さきに 主 の 前 に 立 った 所 に 行 って、
28 ソドムとゴモラの 方、および 低地 の 全面 をながめると、その 地 の 煙 が、かまどの 煙 のように 立 ちのぼっていた。
29 こうして 神 が 低地 の 町々 をこぼたれた 時、すなわちロトの 住 んでいた 町々 を 滅 ぼされた 時、神 はアブラハムを 覚 えて、その 滅 びの 中 からロトを 救 い 出 された。
30 ロトはゾアルを 出 て 上 り、ふたりの 娘 と 共 に 山 に 住 んだ。ゾアルに 住 むのを 恐 れたからである。彼 はふたりの 娘 と 共 に、ほら 穴 の 中 に 住 んだ。
31 時 に 姉 が 妹 に 言 った、「わたしたちの 父 は 老 い、またこの 地 には 世 のならわしのように、わたしたちの 所 に 来 る 男 はいません。
32 さあ、父 に 酒 を 飲 ませ、共 に 寝 て、父 によって 子 を 残 しましょう」。
33 彼女 たちはその 夜、父 に 酒 を 飲 ませ、姉 がはいって 父 と 共 に 寝 た。ロトは 娘 が 寝 たのも、起 きたのも 知 らなかった。
34 あくる 日、姉 は 妹 に 言 った、「わたしは 昨夜、父 と 寝 ました。わたしたちは 今夜 もまた 父 に 酒 を 飲 ませましょう。そしてあなたがはいって 共 に 寝 なさい。わたしたちは 父 によって 子 を 残 しましょう」。
35 彼 らはその 夜 もまた 父 に 酒 を 飲 ませ、妹 が 行 って 父 と 共 に 寝 た。ロトは 娘 の 寝 たのも、起 きたのも 知 らなかった。
36 こうしてロトのふたりの 娘 たちは 父 によってはらんだ。
37 姉 娘 は 子 を 産 み、その 名 をモアブと 名 づけた。これは 今 のモアブびとの 先祖 である。
38 妹 もまた 子 を 産 んで、その 名 をベニアンミと 名 づけた。これは 今 のアンモンびとの 先祖 である。
Chapter 20
1 アブラハムはそこからネゲブの 地 に 移 って、カデシとシュルの 間 に 住 んだ。彼 がゲラルにとどまっていた 時、
2 アブラハムは 妻 サラのことを、「これはわたしの 妹 です」と 言 ったので、ゲラルの 王 アビメレクは、人 をつかわしてサラを 召 し 入 れた。
3 ところが 神 は 夜 の 夢 にアビメレクに 臨 んで 言 われた、「あなたは 召 し 入 れたあの 女 のゆえに 死 なねばならない。彼女 は 夫 のある 身 である」。
4 アビメレクはまだ 彼女 に 近 づいていなかったので 言 った、「主 よ、あなたは 正 しい 民 でも 殺 されるのですか。
5 彼 はわたしに、これはわたしの 妹 ですと 言 ったではありませんか。また 彼女 も 自分 で、彼 はわたしの 兄 ですと 言 いました。わたしは 心 も 清 く、手 もいさぎよく、このことをしました」。
6 神 はまた 夢 で 彼 に 言 われた、「そうです、あなたが 清 い 心 をもってこのことをしたのを 知 っていたから、わたしもあなたを 守 って、わたしに 対 して 罪 を 犯 させず、彼女 にふれることを 許 さなかったのです。
7 いま 彼 の 妻 を 返 しなさい。彼 は 預言者 ですから、あなたのために 祈 って、命 を 保 たせるでしょう。もし 返 さないなら、あなたも 身内 の 者 もみな 必 ず 死 ぬと 知 らなければなりません」。
8 そこでアビメレクは 朝 早 く 起 き、しもべたちをことごとく 召 し 集 めて、これらの 事 をみな 語 り 聞 かせたので、人々 は 非常 に 恐 れた。
9 そしてアビメレクはアブラハムを 召 して 言 った、「あなたはわれわれに 何 をするのですか。あなたに 対 してわたしがどんな 罪 を 犯 したために、あなたはわたしとわたしの 国 とに、大 きな 罪 を 負 わせるのですか。あなたはしてはならぬことをわたしにしたのです」。
10 アビメレクはまたアブラハムに 言 った、「あなたはなんと 思 って、この 事 をしたのですか」。
11 アブラハムは 言 った、「この 所 には 神 を 恐 れるということが、まったくないので、わたしの 妻 のゆえに 人々 がわたしを 殺 すと 思 ったからです。
12 また 彼女 はほんとうにわたしの 妹 なのです。わたしの 父 の 娘 ですが、母 の 娘 ではありません。そして、わたしの 妻 になったのです。
13 神 がわたしに 父 の 家 を 離 れて、行 き 巡 らせた 時、わたしは 彼女 に、あなたはわたしたちの 行 くさきざきでわたしを 兄 であると 言 ってください。これはあなたがわたしに 施 す 恵 みであると 言 いました」。
14 そこでアビメレクは 羊、牛 および 男女 の 奴隷 を 取 ってアブラハムに 与 え、その 妻 サラを 彼 に 返 した。
15 そしてアビメレクは 言 った、「わたしの 地 はあなたの 前 にあります。あなたの 好 きな 所 に 住 みなさい」。
16 またサラに 言 った、「わたしはあなたの 兄 に 銀 千 シケルを 与 えました。これはあなたの 身 に 起 ったすべての 事 について、あなたに 償 いをするものです。こうしてすべての 人 にあなたは 正 しいと 認 められます」。
17 そこでアブラハムは 神 に 祈 った。神 はアビメレクとその 妻 および、はしためたちをいやされたので、彼 らは 子 を 産 むようになった。
18 これは 主 がさきにアブラハムの 妻 サラのゆえに、アビメレクの 家 のすべての 者 の 胎 を、かたく 閉 ざされたからである。
Chapter 21
1 主 は、さきに 言 われたようにサラを 顧 み、告 げられたようにサラに 行 われた。
2 サラはみごもり、神 がアブラハムに 告 げられた 時 になって、年老 いたアブラハムに 男 の 子 を 産 んだ。
3 アブラハムは 生 れた 子、サラが 産 んだ 男 の 子 の 名 をイサクと 名 づけた。
4 アブラハムは 神 が 命 じられたように八 日 目 にその 子 イサクに 割礼 を 施 した。
5 アブラハムはその 子 イサクが 生 れた 時 百 歳 であった。
6 そしてサラは 言 った、「神 はわたしを 笑 わせてくださった。聞 く 者 は 皆 わたしのことで 笑 うでしょう」。
7 また 言 った、「サラが 子 に 乳 を 飲 ませるだろうと、だれがアブラハムに 言 い 得 たであろう。それなのに、わたしは 彼 が 年 とってから、子 を 産 んだ」。
8 さて、おさなごは 育 って 乳離 れした。イサクが 乳離 れした 日 にアブラハムは 盛 んなふるまいを 設 けた。
9 サラはエジプトの 女 ハガルのアブラハムに 産 んだ 子 が、自分 の 子 イサクと 遊 ぶのを 見 て、
10 アブラハムに 言 った、「このはしためとその 子 を 追 い 出 してください。このはしための 子 はわたしの 子 イサクと 共 に、世継 となるべき 者 ではありません」。
11 この 事 で、アブラハムはその 子 のために 非常 に 心配 した。
12 神 はアブラハムに 言 われた、「あのわらべのため、またあなたのはしためのために 心配 することはない。サラがあなたに 言 うことはすべて 聞 きいれなさい。イサクに 生 れる 者 が、あなたの 子孫 と 唱 えられるからです。
13 しかし、はしための 子 もあなたの 子 ですから、これをも、一つの 国民 とします」。
14 そこでアブラハムは 明 くる 朝 はやく 起 きて、パンと 水 の 皮 袋 とを 取 り、ハガルに 与 えて、肩 に 負 わせ、その 子 を 連 れて 去 らせた。ハガルは 去 ってベエルシバの 荒野 にさまよった。
15 やがて 皮 袋 の 水 が 尽 きたので、彼女 はその 子 を 木 の 下 におき、
16 「わたしはこの 子 の 死 ぬのを 見 るに 忍 びない」と 言 って、矢 の 届 くほど 離 れて 行 き、子供 の 方 に 向 いてすわった。彼女 が 子供 の 方 に 向 いてすわったとき、子供 は 声 をあげて 泣 いた。
17 神 はわらべの 声 を 聞 かれ、神 の 使 は 天 からハガルを 呼 んで 言 った、「ハガルよ、どうしたのか。恐 れてはいけない。神 はあそこにいるわらべの 声 を 聞 かれた。
18 立 って 行 き、わらべを 取 り 上 げてあなたの 手 に 抱 きなさい。わたしは 彼 を 大 いなる 国民 とするであろう」。
19 神 がハガルの 目 を 開 かれたので、彼女 は 水 の 井戸 のあるのを 見 た。彼女 は 行 って 皮 袋 に 水 を 満 たし、わらべに 飲 ませた。
20 神 はわらべと 共 にいまし、わらべは 成長 した。彼 は 荒野 に 住 んで 弓 を 射 る 者 となった。
21 彼 はパランの 荒野 に 住 んだ。母 は 彼 のためにエジプトの 国 から 妻 を 迎 えた。
22 そのころアビメレクとその 軍勢 の 長 ピコルはアブラハムに 言 った、「あなたが 何事 をなさっても、神 はあなたと 共 におられる。
23 それゆえ、今 ここでわたしをも、わたしの 子 をも、孫 をも 欺 かないと、神 をさしてわたしに 誓 ってください。わたしがあなたに 親切 にしたように、あなたもわたしと、このあなたの 寄留 の 地 とに、しなければなりません」。
24 アブラハムは 言 った、「わたしは 誓 います」。
25 アブラハムはアビメレクの 家来 たちが、水 の 井戸 を 奪 い 取 ったことについてアビメルクを 責 めた。
26 しかしアビメレクは 言 った、「だれがこの 事 をしたかわたしは 知 りません。あなたもわたしに 告 げたことはなく、わたしもきょうまで 聞 きませんでした」。
27 そこでアブラハムは 羊 と 牛 とを 取 ってアビメレクに 与 え、ふたりは 契約 を 結 んだ。
28 アブラハムが 雌 の 小羊 七 頭 を 分 けて 置 いたところ、
29 アビメレクはアブラハムに 言 った、「あなたがこれらの 雌 の 小羊 七 頭 を 分 けて 置 いたのは、なんのためですか」。
30 アブラハムは 言 った、「あなたはわたしの 手 からこれらの 雌 の 小羊 七 頭 を 受 け 取 って、わたしがこの 井戸 を 掘 ったことの 証拠 としてください」。
31 これによってその 所 をベエルシバと 名 づけた。彼 らがふたりそこで 誓 いをしたからである。
32 このように 彼 らはベエルシバで 契約 を 結 び、アビメレクとその 軍勢 の 長 ピコルは 立 ってペリシテの 地 に 帰 った。
33 アブラハムはベエルシバに一 本 のぎょりゅうの 木 を 植 え、その 所 で 永遠 の 神、主 の 名 を 呼 んだ。
34 こうしてアブラハムは 長 い 間 ペリシテびとの 地 にとどまった。
Chapter 22
1 これらの 事 の 後、神 はアブラハムを 試 みて 彼 に 言 われた、「アブラハムよ」。彼 は 言 った、「ここにおります」。
2 神 は 言 われた、「あなたの 子、あなたの 愛 するひとり 子 イサクを 連 れてモリヤの 地 に 行 き、わたしが 示 す 山 で 彼 を 燔祭 としてささげなさい」。
3 アブラハムは 朝 はやく 起 きて、ろばにくらを 置 き、ふたりの 若者 と、その 子 イサクとを 連 れ、また 燔祭 のたきぎを 割 り、立 って 神 が 示 された 所 に 出 かけた。
4 三 日 目 に、アブラハムは 目 をあげて、はるかにその 場所 を 見 た。
5 そこでアブラハムは 若者 たちに 言 った、「あなたがたは、ろばと 一緒 にここにいなさい。わたしとわらべは 向 こうへ 行 って 礼拝 し、そののち、あなたがたの 所 に 帰 ってきます」。
6 アブラハムは 燔祭 のたきぎを 取 って、その 子 イサクに 負 わせ、手 に 火 と 刃物 とを 執 って、ふたり 一緒 に 行 った。
7 やがてイサクは 父 アブラハムに 言 った、「父 よ」。彼 は 答 えた、「子 よ、わたしはここにいます」。イサクは 言 った、「火 とたきぎとはありますが、燔祭 の 小羊 はどこにありますか」。
8 アブラハムは 言 った、「子 よ、神 みずから 燔祭 の 小羊 を 備 えてくださるであろう」。こうしてふたりは 一緒 に 行 った。
9 彼 らが 神 の 示 された 場所 にきたとき、アブラハムはそこに 祭壇 を 築 き、たきぎを 並 べ、その 子 イサクを 縛 って 祭壇 のたきぎの 上 に 載 せた。
10 そしてアブラハムが 手 を 差 し 伸 べ、刃物 を 執 ってその 子 を 殺 そうとした 時、
11 主 の 使 が 天 から 彼 を 呼 んで 言 った、「アブラハムよ、アブラハムよ」。彼 は 答 えた、「はい、ここにおります」。
12 み 使 が 言 った、「わらべを 手 にかけてはならない。また 何 も 彼 にしてはならない。あなたの 子、あなたのひとり 子 をさえ、わたしのために 惜 しまないので、あなたが 神 を 恐 れる 者 であることをわたしは 今 知 った」。
13 この 時 アブラハムが 目 をあげて 見 ると、うしろに、角 をやぶに 掛 けている一 頭 の 雄羊 がいた。アブラハムは 行 ってその 雄羊 を 捕 え、それをその 子 のかわりに 燔祭 としてささげた。
14 それでアブラハムはその 所 の 名 をアドナイ・エレと 呼 んだ。これにより、人々 は 今日 もなお「主 の 山 に 備 えあり」と 言 う。
15 主 の 使 は 再 び 天 からアブラハムを 呼 んで、
16 言 った、「主 は 言 われた、『わたしは 自分 をさして 誓 う。あなたがこの 事 をし、あなたの 子、あなたのひとり 子 をも 惜 しまなかったので、
17 わたしは 大 いにあなたを 祝福 し、大 いにあなたの 子孫 をふやして、天 の 星 のように、浜 べの 砂 のようにする。あなたの 子孫 は 敵 の 門 を 打 ち 取 り、
18 また 地 のもろもろの 国民 はあなたの 子孫 によって 祝福 を 得 るであろう。あなたがわたしの 言葉 に 従 ったからである』」。
19 アブラハムは 若者 たちの 所 に 帰 り、みな 立 って、共 にベエルシバへ 行 った。そしてアブラハムはベエルシバに 住 んだ。
20 これらの 事 の 後、ある 人 がアブラハムに 告 げて 言 った、「ミルカもまたあなたの 兄弟 ナホルに 子 どもを 産 みました。
21 長男 はウヅ、弟 はブズ、次 はアラムの 父 ケムエル、
22 次 はケセデ、ハゾ、ピルダシ、エデラフ、ベトエルです」。
23 ベトエルの 子 はリベカであって、これら八 人 はミルカがアブラハムの 兄弟 ナホルに 産 んだのである。
24 ナホルのそばめで、名 をルマという 女 もまたテバ、ガハム、タハシおよびマアカを 産 んだ。
Chapter 23
1 サラの 一生 は百二十七 年 であった。これがサラの 生 きながらえた 年 である。
2 サラはカナンの 地 のキリアテ・アルバすなわちヘブロンで 死 んだ。アブラハムは 中 にはいってサラのために 悲 しみ 泣 いた。
3 アブラハムは 死人 のそばから 立 って、ヘテの 人々 に 言 った、
4 「わたしはあなたがたのうちの 旅 の 者 で 寄留者 ですが、わたしの 死人 を 出 して 葬 るため、あなたがたのうちにわたしの 所有 として一つの 墓地 をください」。
5 ヘテの 人々 はアブラハムに 答 えて 言 った、
6 「わが 主 よ、お 聞 きなさい。あなたはわれわれのうちにおられて、神 のような 主君 です。われわれの 墓地 の 最 も 良 い 所 にあなたの 死人 を 葬 りなさい。その 墓地 を 拒 んで、あなたにその 死人 を 葬 らせない 者 はわれわれのうちには、ひとりもないでしょう」。
7 アブラハムは 立 ちあがり、その 地 の 民 ヘテの 人々 に 礼 をして、
8 彼 らに 言 った、「もしわたしの 死人 を 葬 るのに 同意 されるなら、わたしの 願 いをいれて、わたしのためにゾハルの 子 エフロンに 頼 み、
9 彼 が 持 っている 畑 の 端 のマクペラのほら 穴 をじゅうぶんな 代価 でわたしに 与 え、あなたがたのうちに 墓地 を 持 たせてください」。
10 時 にエフロンはヘテの 人々 のうちにすわっていた。そこでヘテびとエフロンはヘテの 人々、すなわちすべてその 町 の 門 にはいる 人々 の 聞 いているところで、アブラハムに 答 えて 言 った、
11 「いいえ、わが 主 よ、お 聞 きなさい。わたしはあの 畑 をあなたにさしあげます。またその 中 にあるほら 穴 もさしあげます。わたしの 民 の 人々 の 前 で、それをさしあげます。あなたの 死人 を 葬 りなさい」。
12 アブラハムはその 地 の 民 の 前 で 礼 をし、
13 その 地 の 民 の 聞 いているところでエフロンに 言 った、「あなたがそれを 承諾 されるなら、お 聞 きなさい。わたしはその 畑 の 代価 を 払 います。お 受 け 取 りください。わたしの 死人 をそこに 葬 りましょう」。
14 エフロンはアブラハムに 答 えて 言 った、
15 「わが 主 よ、お 聞 きなさい。あの 地 は 銀 四百シケルですが、これはわたしとあなたの 間 で、なにほどのことでしょう。あなたの 死人 を 葬 りなさい」。
16 そこでアブラハムはエフロンの 言葉 にしたがい、エフロンがヘテの 人々 の 聞 いているところで 言 った 銀、すなわち 商人 の 通用 銀 四百シケルを 量 ってエフロンに 与 えた。
17 こうしてマムレの 前 のマクペラにあるエフロンの 畑 は、畑 も、その 中 のほら 穴 も、畑 の 中 およびその 周囲 の 境 にあるすべての 木 も 皆、
18 ヘテの 人々 の 前、すなわちその 町 の 門 にはいるすべての 人々 の 前 で、アブラハムの 所有 と 決 まった。
19 その 後、アブラハムはその 妻 サラをカナンの 地 にあるマムレ、すなわちヘブロンの 前 のマクペラの 畑 のほら 穴 に 葬 った。
20 このように 畑 とその 中 にあるほら 穴 とはヘテの 人々 によってアブラハムの 所有 の 墓地 と 定 められた。
Chapter 24
1 アブラハムは 年 が 進 んで 老人 となった。主 はすべての 事 にアブラハムを 恵 まれた。
2 さてアブラハムは 所有 のすべてを 管理 させていた 家 の 年長 のしもべに 言 った、「あなたの 手 をわたしのももの 下 に 入 れなさい。
3 わたしはあなたに 天地 の 神、主 をさして 誓 わせる。あなたはわたしが 今 一緒 に 住 んでいるカナンびとのうちから、娘 をわたしの 子 の 妻 にめとってはならない。
4 あなたはわたしの 国 へ 行 き、親族 の 所 へ 行 って、わたしの 子 イサクのために 妻 をめとらなければならない」。
5 しもべは 彼 に 言 った、「もしその 女 がわたしについてこの 地 に 来 ることを 好 まない 時 は、わたしはあなたの 子 をあなたの 出身 地 に 連 れ 帰 るべきでしょうか」。
6 アブラハムは 彼 に 言 った、「わたしの 子 は 決 して 向 こうへ 連 れ 帰 ってはならない。
7 天 の 神、主 はわたしを 父 の 家、親族 の 地 から 導 き 出 してわたしに 語 り、わたしに 誓 って、おまえの 子孫 にこの 地 を 与 えると 言 われた。主 は、み 使 をあなたの 前 につかわされるであろう。あなたはあそこからわたしの 子 に 妻 をめとらねばならない。
8 けれどもその 女 があなたについて 来 ることを 好 まないなら、あなたはこの 誓 いを 解 かれる。ただわたしの 子 を 向 こうへ 連 れ 帰 ってはならない」。
9 そこでしもべは 手 を 主人 アブラハムのももの 下 に 入 れ、この 事 について 彼 に 誓 った。
10 しもべは 主人 のらくだのうちから十 頭 のらくだを 取 って 出 かけた。すなわち 主人 のさまざまの 良 い 物 を 携 え、立 ってアラム・ナハライムにむかい、ナホルの 町 へ 行 った。
11 彼 はらくだを 町 の 外 の、水 の 井戸 のそばに 伏 させた。時 は 夕暮 で、女 たちが 水 をくみに 出 る 時刻 であった。
12 彼 は 言 った、「主人 アブラハムの 神、主 よ、どうか、きょう、わたしにしあわせを 授 け、主人 アブラハムに 恵 みを 施 してください。
13 わたしは 泉 のそばに 立 っています。町 の 人々 の 娘 たちが 水 をくみに 出 てきたとき、
14 娘 に 向 かって『お 願 いです、あなたの 水 がめを 傾 けてわたしに 飲 ませてください』と 言 い、娘 が 答 えて、『お 飲 みください。あなたのらくだにも 飲 ませましょう』と 言 ったなら、その 者 こそ、あなたがしもべイサクのために 定 められた 者 ということにしてください。わたしはこれによって、あなたがわたしの 主人 に 恵 みを 施 されることを 知 りましょう」。
15 彼 がまだ 言 い 終 らないうちに、アブラハムの 兄弟 ナホルの 妻 ミルカの 子 ベトエルの 娘 リベカが、水 がめを 肩 に 載 せて 出 てきた。
16 その 娘 は 非常 に 美 しく、男 を 知 らぬ 処女 であった。彼女 が 泉 に 降 りて、水 がめを 満 たし、上 がってきた 時、
17 しもべは 走 り 寄 って、彼女 に 会 って 言 った、「お 願 いです。あなたの 水 がめの 水 を 少 し 飲 ませてください」。
18 すると 彼女 は「わが 主 よ、お 飲 みください」と 言 って、急 いで 水 がめを 自分 の 手 に 取 りおろして 彼 に 飲 ませた。
19 飲 ませ 終 って、彼女 は 言 った、「あなたのらくだもみな 飲 み 終 るまで、わたしは 水 をくみましょう」。
20 彼女 は 急 いでかめの 水 を 水 ぶねにあけ、再 び 水 をくみに 井戸 に 走 って 行 って、すべてのらくだのために 水 をくんだ。
21 その 間 その 人 は 主 が 彼 の 旅 の 祝福 されるか、どうかを 知 ろうと、黙 って 彼女 を 見 つめていた。
22 らくだが 飲 み 終 ったとき、その 人 は 重 さ 半 シケルの 金 の 鼻輪 一つと、重 さ十シケルの 金 の 腕輪 二つを 取 って、
23 言 った、「あなたはだれの 娘 か、わたしに 話 してください。あなたの 父 の 家 にわたしどもの 泊 まる 場所 がありましょうか」。
24 彼女 は 彼 に 言 った、「わたしはナホルの 妻 ミルカの 子 ベトエルの 娘 です」。
25 また 彼 に 言 った、「わたしどもには、わらも、飼葉 もたくさんあります。また 泊 まる 場所 もあります」。
26 その 人 は 頭 を 下 げ、主 を 拝 して、
27 言 った、「主人 アブラハムの 神、主 はほむべきかな。主 はわたしの 主人 にいつくしみと、まこととを 惜 しまれなかった。そして 主 は 旅 にあるわたしを 主人 の 兄弟 の 家 に 導 かれた」。
28 娘 は 走 って 行 って、母 の 家 のものにこれらの 事 を 告 げた。
29 リベカにひとりの 兄 があって、名 をラバンといった。ラバンは 泉 のそばにいるその 人 の 所 へ 走 って 行 った。
30 彼 は 鼻輪 と 妹 の 手 にある 腕輪 とを 見、また 妹 リベカが「その 人 はわたしにこう 言 った」というのを 聞 いて、その 人 の 所 へ 行 ってみると、その 人 は 泉 のほとりで、らくだのそばに 立 っていた。
31 そこでその 人 に 言 った、「主 に 祝福 された 人 よ、おはいりください。なぜ 外 に 立 っておられますか。わたしは 家 を 準備 し、らくだのためにも 場所 を 準備 しておきました」。
32 その 人 は 家 にはいった。ラバンはらくだの 荷 を 解 いて、わらと 飼葉 をらくだに 与 え、また 水 を 与 えてその 人 の 足 と、その 従者 たちの 足 を 洗 わせた。
33 そして 彼 の 前 に 食物 を 供 えたが、彼 は 言 った、「わたしは 用向 きを 話 すまでは 食 べません」。ラバンは 言 った、「お 話 しください」。
34 そこで 彼 は 言 った、「わたしはアブラハムのしもべです。
35 主 はわたしの 主人 を 大 いに 祝福 して、大 いなる 者 とされました。主 はまた 彼 に 羊、牛、銀、金、男女 の 奴隷、らくだ、ろばを 与 えられました。
36 主人 の 妻 サラは 年老 いてから、主人 に 男 の 子 を 産 みました。主人 はその 所有 を 皆 これに 与 えました。
37 ところで 主人 はわたしに 誓 わせて 言 いました、『わたしの 住 んでいる 地 のカナンびとの 娘 を、わたしの 子 の 妻 にめとってはならない。
38 おまえはわたしの 父 の 家、親族 の 所 へ 行 って、わたしの 子 に 妻 をめとらなければならない』。
39 わたしは 主人 に 言 いました、『もしその 女 がわたしについてこない 時 はどういたしましょうか』。
40 主人 はわたしに 言 いました、『わたしの 仕 えている 主 は、み 使 をおまえと 一緒 につかわして、おまえの 旅 にさいわいを 与 えられるであろう。おまえはわたしの 親族、わたしの 父 の 家 からわたしの 子 に 妻 をめとらなければならない。
41 そのとき、おまえはわたしにした 誓 いから 解 かれるであろう。またおまえがわたしの 親族 に 行 く 時、彼 らがおまえにその 娘 を 与 えないなら、おまえはわたしにした 誓 いから 解 かれるであろう』。
42 わたしはきょう、泉 のところにきて 言 いました、『主人 アブラハムの 神、主 よ、どうか 今 わたしのゆく 道 にさいわいを 与 えてください。
43 わたしはこの 泉 のそばに 立 っていますが、水 をくみに 出 てくる 娘 に 向 かって、「お 願 いです。あなたの 水 がめの 水 を 少 し 飲 ませてください」と 言 い、
44 「お 飲 みください。あなたのらくだのためにも、くみましょう」とわたしに 言 うなら、その 娘 こそ、主 がわたしの 主人 の 子 のために 定 められた 女 ということにしてください』。
45 わたしが 心 のうちでそう 言 い 終 らないうちに、リベカが 水 がめを 肩 に 載 せて 出 てきて、水 をくみに 泉 に 降 りたので、わたしは『お 願 いです、飲 ませてください』と 言 いますと、
46 彼女 は 急 いで 水 がめを 肩 からおろし、『お 飲 みください。わたしはあなたのらくだにも 飲 ませましょう』と 言 いました。それでわたしは 飲 みましたが、彼女 はらくだにも 飲 ませました。
47 わたしは 彼女 に 尋 ねて、『あなたはだれの 娘 ですか』と 言 いますと、『ナホルとその 妻 ミルカの 子 ベトエルの 娘 です』と 答 えました。そこでわたしは 彼女 の 鼻 に 鼻輪 をつけ、手 に 腕輪 をつけました。
48 そしてわたしは 頭 をさげて 主 を 拝 し、主人 アブラハムの 神、主 をほめたたえました。主 は 主人 の 兄弟 の 娘 を 子 にめとらせようと、わたしを 正 しい 道 に 導 かれたからです。
49 あなたがたが、もしわたしの 主人 にいつくしみと、まことを 尽 そうと 思 われるなら、そうとわたしにお 話 しください。そうでなければ、そうでないとお 話 しください。それによってわたしは 右 か 左 に 決 めましょう」。
50 ラバンとベトエルは 答 えて 言 った、「この 事 は 主 から 出 たことですから、わたしどもはあなたによしあしを 言 うことができません。
51 リベカがここにおりますから 連 れて 行 って、主 が 言 われたように、あなたの 主人 の 子 の 妻 にしてください」。
52 アブラハムのしもべは 彼 らの 言葉 を 聞 いて、地 に 伏 し、主 を 拝 した。
53 そしてしもべは 銀 の 飾 りと、金 の 飾 り、および 衣服 を 取 り 出 してリベカに 与 え、その 兄 と 母 とにも 価 の 高 い 品々 を 与 えた。
54 彼 と 従者 たちは 飲 み 食 いして 宿 ったが、あくる 朝 彼 らが 起 きた 時、しもべは 言 った、「わたしを 主人 のもとに 帰 らせてください」。
55 リベカの 兄 と 母 とは 言 った、「娘 は 数日、少 なくとも十 日、わたしどもと 共 にいて、それから 行 かせましょう」。
56 しもべは 彼 らに 言 った、「主 はわたしの 道 にさいわいを 与 えられましたから、わたしを 引 きとめずに、主人 のもとに 帰 らせてください」。
57 彼 らは 言 った、「娘 を 呼 んで 聞 いてみましょう」。
58 彼 らはリベカを 呼 んで 言 った、「あなたはこの 人 と 一緒 に 行 きますか」。彼女 は 言 った、「行 きます」。
59 そこで 彼 らは 妹 リベカと、そのうばと、アブラハムのしもべと、その 従者 とを 送 り 去 らせた。
60 彼 らはリベカを 祝福 して 彼女 に 言 った、「妹 よ、あなたは、ちよろずの 人 の 母 となれ。あなたの 子孫 はその 敵 の 門 を 打 ち 取 れ」。
61 リベカは 立 って 侍女 たちと 共 にらくだに 乗 り、その 人 に 従 って 行 った。しもべはリベカを 連 れて 立 ち 去 った。
62 さてイサクはベエル・ラハイ・ロイからきて、ネゲブの 地 に 住 んでいた。
63 イサクは 夕暮、野 に 出 て 歩 いていたが、目 をあげて、らくだの 来 るのを 見 た。
64 リベカは 目 をあげてイサクを 見、らくだからおりて、
65 しもべに 言 った、「わたしたちに 向 かって、野 を 歩 いて 来 るあの 人 はだれでしょう」。しもべは 言 った、「あれはわたしの 主人 です」。するとリベカは、被衣 で 身 をおおった。
66 しもべは 自分 がしたことのすべてをイサクに 話 した。
67 イサクはリベカを 天幕 に 連 れて 行 き、リベカをめとって 妻 とし、彼女 を 愛 した。こうしてイサクは 母 の 死後、慰 めを 得 た。
Chapter 25
1 アブラハムは 再 び 妻 をめとった。名 をケトラという。
2 彼女 はジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデアン、イシバクおよびシュワを 産 んだ。
3 ヨクシャンの 子 はシバとデダン。デダンの 子孫 はアシュリびと、レトシびと、レウミびとである。
4 ミデアンの 子孫 はエパ、エペル、ヘノク、アビダ、エルダアであって、これらは 皆 ケトラの 子孫 であった。
5 アブラハムはその 所有 をことごとくイサクに 与 えた。
6 またそのそばめたちの 子 らにもアブラハムは 物 を 与 え、なお 生 きている 間 に 彼 らをその 子 イサクから 離 して、東 の 方、東 の 国 に 移 らせた。
7 アブラハムの 生 きながらえた 年 は百七十五 年 である。
8 アブラハムは 高齢 に 達 し、老人 となり、年 が 満 ちて 息 絶 え、死 んでその 民 に 加 えられた。
9 その 子 イサクとイシマエルは 彼 をヘテびとゾハルの 子 エフロンの 畑 にあるマクペラのほら 穴 に 葬 った。これはマムレの 向 かいにあり、
10 アブラハムがヘテの 人々 から、買 い 取 った 畑 であって、そこにアブラハムとその 妻 サラが 葬 られた。
11 アブラハムが 死 んだ 後、神 はその 子 イサクを 祝福 された。イサクはベエル・ラハイ・ロイのほとりに 住 んだ。
12 サラのつかえめエジプトびとハガルがアブラハムに 産 んだアブラハムの 子 イシマエルの 系図 は 次 のとおりである。
13 イシマエルの 子 らの 名 を 世代 にしたがって、その 名 をいえば 次 のとおりである。すなわちイシマエルの 長子 はネバヨテ、次 はケダル、アデビエル、ミブサム、
14 ミシマ、ドマ、マッサ、
15 ハダデ、テマ、エトル、ネフシ、ケデマ。
16 これはイシマエルの 子 らであり、村 と 宿営 とによる 名 であって、その 氏族 による十二 人 の 君 たちである。
17 イシマエルのよわいは百三十七 年 である。彼 は 息 絶 えて 死 に、その 民 に 加 えられた。
18 イシマエルの 子 らはハビラからエジプトの 東、シュルまでの 間 に 住 んで、アシュルに 及 んだ。イシマエルはすべての 兄弟 の 東 に 住 んだ。
19 アブラハムの 子 イサクの 系図 は 次 のとおりである。アブラハムの 子 はイサクであって、
20 イサクは四十 歳 の 時、パダンアラムのアラムびとベトエルの 娘 で、アラムびとラバンの 妹 リベカを 妻 にめとった。
21 イサクは 妻 が 子 を 産 まなかったので、妻 のために 主 に 祈 り 願 った。主 はその 願 いを 聞 かれ、妻 リベカはみごもった。
22 ところがその 子 らが 胎内 で 押 し 合 ったので、リベカは 言 った、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。彼女 は 行 って 主 に 尋 ねた。
23 主 は 彼女 に 言 われた、「二つの 国民 があなたの 胎内 にあり、二つの 民 があなたの 腹 から 別 れて 出 る。一つの 民 は 他 の 民 よりも 強 く、兄 は 弟 に 仕 えるであろう」。
24 彼女 の 出産 の 日 がきたとき、胎内 にはふたごがあった。
25 さきに 出 たのは 赤 くて 全身 毛 ごろものようであった。それで 名 をエサウと 名 づけた。
26 その 後 に 弟 が 出 た。その 手 はエサウのかかとをつかんでいた。それで 名 をヤコブと 名 づけた。リベカが 彼 らを 産 んだ 時、イサクは六十 歳 であった。
27 さてその 子 らは 成長 し、エサウは 巧 みな 狩猟者 となり、野 の 人 となったが、ヤコブは 穏 やかな 人 で、天幕 に 住 んでいた。
28 イサクは、しかの 肉 が 好 きだったので、エサウを 愛 したが、リベカはヤコブを 愛 した。
29 ある 日 ヤコブが、あつものを 煮 ていた 時、エサウは 飢 え 疲 れて 野 から 帰 ってきた。
30 エサウはヤコブに 言 った、「わたしは 飢 え 疲 れた。お 願 いだ。赤 いもの、その 赤 いものをわたしに 食 べさせてくれ」。彼 が 名 をエドムと 呼 ばれたのはこのためである。
31 ヤコブは 言 った、「まずあなたの 長子 の 特権 をわたしに 売 りなさい」。
32 エサウは 言 った、「わたしは 死 にそうだ。長子 の 特権 などわたしに 何 になろう」。
33 ヤコブはまた 言 った、「まずわたしに 誓 いなさい」。彼 は 誓 って 長子 の 特権 をヤコブに 売 った。
34 そこでヤコブはパンとレンズ 豆 のあつものとをエサウに 与 えたので、彼 は 飲 み 食 いして、立 ち 去 った。このようにしてエサウは 長子 の 特権 を 軽 んじた。
Chapter 26
1 アブラハムの 時 にあった 初 めのききんのほか、またききんがその 国 にあったので、イサクはゲラルにいるペリシテびとの 王 アビメレクの 所 へ 行 った。
2 その 時、主 は 彼 に 現 れて 言 われた、「エジプトへ 下 ってはならない。わたしがあなたに 示 す 地 にとどまりなさい。
3 あなたがこの 地 にとどまるなら、わたしはあなたと 共 にいて、あなたを 祝福 し、これらの 国 をことごとくあなたと、あなたの 子孫 とに 与 え、わたしがあなたの 父 アブラハムに 誓 った 誓 いを 果 そう。
4 またわたしはあなたの 子孫 を 増 して 天 の 星 のようにし、あなたの 子孫 にこれらの 地 をみな 与 えよう。そして 地 のすべての 国民 はあなたの 子孫 によって 祝福 をえるであろう。
5 アブラハムがわたしの 言葉 にしたがってわたしのさとしと、いましめと、さだめと、おきてとを 守 ったからである」。
6 こうしてイサクはゲラルに 住 んだ。
7 その 所 の 人々 が 彼 の 妻 のことを 尋 ねたとき、「彼女 はわたしの 妹 です」と 彼 は 言 った。リベカは 美 しかったので、その 所 の 人々 がリベカのゆえに 自分 を 殺 すかもしれないと 思 って、「わたしの 妻 です」と 言 うのを 恐 れたからである。
8 イサクは 長 らくそこにいたが、ある 日 ペリシテびとの 王 アビメレクは 窓 から 外 をながめていて、イサクがその 妻 リベカと 戯 れているのを 見 た。
9 そこでアビメレクはイサクを 召 して 言 った、「彼女 は 確 かにあなたの 妻 です。あなたはどうして『彼女 はわたしの 妹 です』と 言 われたのですか」。イサクは 彼 に 言 った、「わたしは 彼女 のゆえに 殺 されるかもしれないと 思 ったからです」。
10 アビメレクは 言 った、「あなたはどうしてこんな 事 をわれわれにされたのですか。民 のひとりが 軽々 しくあなたの 妻 と 寝 るような 事 があれば、その 時 あなたはわれわれに 罪 を 負 わせるでしょう」。
11 それでアビメレクはすべての 民 に 命 じて 言 った、「この 人、またはその 妻 にさわる 者 は 必 ず 死 ななければならない」。
12 イサクはその 地 に 種 をまいて、その 年 に百 倍 の 収穫 を 得 た。このように 主 が 彼 を 祝福 されたので、
13 彼 は 富 み、またますます 栄 えて 非常 に 裕福 になり、
14 羊 の 群 れ、牛 の 群 れ 及 び 多 くのしもべを 持 つようになったので、ペリシテびとは 彼 をねたんだ。
15 またペリシテびとは 彼 の 父 アブラハムの 時 に、父 のしもべたちが 掘 ったすべての 井戸 をふさぎ、土 で 埋 めた。
16 アビメレクはイサクに 言 った、「あなたはわれわれよりも、はるかに 強 くなられたから、われわれの 所 を 去 ってください」。
17 イサクはそこを 去 り、ゲラルの 谷 に 天幕 を 張 ってその 所 に 住 んだ。
18 そしてイサクは 父 アブラハムの 時 に 人々 の 掘 った 水 の 井戸 を 再 び 掘 った。アブラハムの 死後、ペリシテびとがふさいだからである。イサクは 父 がつけた 名 にしたがってそれらに 名 をつけた。
19 しかしイサクのしもべたちが 谷 の 中 を 掘 って、そこにわき 出 る 水 の 井戸 を 見 つけたとき、
20 ゲラルの 羊飼 たちは、「この 水 はわれわれのものだ」と 言 って、イサクの 羊飼 たちと 争 ったので、イサクはその 井戸 の 名 をエセクと 名 づけた。彼 らが 彼 と 争 ったからである。
21 彼 らはまた一つの 井戸 を 掘 ったが、これをも 争 ったので、名 をシテナと 名 づけた。
22 イサクはそこから 移 ってまた一つの 井戸 を 掘 ったが、彼 らはこれを 争 わなかったので、その 名 をレホボテと 名 づけて 言 った、「いま 主 がわれわれの 場所 を 広 げられたから、われわれはこの 地 にふえるであろう」。
23 彼 はそこからベエルシバに 上 った。
24 その 夜、主 は 彼 に 現 れて 言 われた、「わたしはあなたの 父 アブラハムの 神 である。あなたは 恐 れてはならない。わたしはあなたと 共 におって、あなたを 祝福 し、わたしのしもべアブラハムのゆえにあなたの 子孫 を 増 すであろう」。
25 それで 彼 はその 所 に 祭壇 を 築 いて、主 の 名 を 呼 び、そこに 天幕 を 張 った。またイサクのしもべたちはそこに一つの 井戸 を 掘 った。
26 時 にアビメレクがその 友 アホザテと、軍勢 の 長 ピコルと 共 にゲラルからイサクのもとにきたので、
27 イサクは 彼 らに 言 った、「あなたがたはわたしを 憎 んで、あなたがたの 中 からわたしを 追 い 出 されたのに、どうしてわたしの 所 にこられたのですか」。
28 彼 らは 言 った、「われわれは 主 があなたと 共 におられるのを、はっきり 見 ましたので、いまわれわれの 間、すなわちわれわれとあなたとの 間 に一つの 誓 いを 立 てて、あなたと 契約 を 結ぼ うと 思 います。
29 われわれはあなたに 害 を 加 えたことはなく、ただ 良 い 事 だけをして、安 らかに 去 らせたのですから、あなたはわれわれに 悪 い 事 をしてはなりません。まことにあなたは 主 に 祝福 されたかたです」。
30 そこでイサクは 彼 らのためにふるまいを 設 けた。彼 らは 飲 み 食 いし、
31 あくる 朝、はやく 起 きて 互 に 誓 った。こうしてイサクは 彼 らを 去 らせたので、彼 らはイサクのもとから 穏 やかに 去 った。
32 その 日、イサクのしもべたちがきて、自分 たちが 掘 った 井戸 について 彼 に 告 げて 言 った、「わたしたちは 水 を 見 つけました」。
33 イサクはそれをシバと 名 づけた。これによってその 町 の 名 は 今日 にいたるまでベエルシバといわれている。
34 エサウは四十 歳 の 時、ヘテびとベエリの 娘 ユデテとヘテびとエロンの 娘 バスマテとを 妻 にめとった。
35 彼女 たちはイサクとリベカにとって 心 の 痛 みとなった。
Chapter 27
1 イサクは 年老 い、目 がかすんで 見 えなくなった 時、長子 エサウを 呼 んで 言 った、「子 よ」。彼 は 答 えて 言 った、「ここにおります」。
2 イサクは 言 った。「わたしは 年老 いて、いつ 死 ぬかも 知 れない。
3 それであなたの 武器、弓矢 をもって 野 に 出 かけ、わたしのために、しかの 肉 をとってきて、
4 わたしの 好 きなおいしい 食 べ 物 を 作 り、持 ってきて 食 べさせよ。わたしは 死 ぬ 前 にあなたを 祝福 しよう」。
5 イサクがその 子 エサウに 語 るのをリベカは 聞 いていた。やがてエサウが、しかの 肉 を 獲 ようと 野 に 出 かけたとき、
6 リベカはその 子 ヤコブに 言 った、「わたしは 聞 いていましたが、父 は 兄 エサウに、
7 『わたしのために、しかの 肉 をとってきて、おいしい 食 べ 物 を 作 り、わたしに 食 べさせよ。わたしは 死 ぬ 前 に、主 の 前 であなたを 祝福 しよう』と 言 いました。
8 それで、子 よ、わたしの 言葉 にしたがい、わたしの 言 うとおりにしなさい。
9 群 れの 所 へ 行 って、そこからやぎの 子 の 良 いのを二 頭 わたしの 所 に 取 ってきなさい。わたしはそれで 父 のために、父 の 好 きなおいしい 食 べ 物 を 作 りましょう。
10 あなたはそれを 持 って 行 って 父 に 食 べさせなさい。父 は 死 ぬ 前 にあなたを 祝福 するでしょう」。
11 ヤコブは 母 リベカに 言 った、「兄 エサウは 毛深 い 人 ですが、わたしはなめらかです。
12 おそらく 父 はわたしにさわってみるでしょう。そうすればわたしは 父 を 欺 く 者 と 思 われ、祝福 を 受 けず、かえってのろいを 受 けるでしょう」。
13 母 は 彼 に 言 った、「子 よ、あなたがうけるのろいはわたしが 受 けます。ただ、わたしの 言葉 に 従 い、行 って 取 ってきなさい」。
14 そこで 彼 は 行 ってやぎの 子 を 取 り、母 の 所 に 持 ってきたので、母 は 父 の 好 きなおいしい 食 べ 物 を 作 った。
15 リベカは 家 にあった 長子 エサウの 晴着 を 取 って、弟 ヤコブに 着 せ、
16 また 子 やぎの 皮 を 手 と 首 のなめらかな 所 とにつけさせ、
17 彼女 が 作 ったおいしい 食 べ 物 とパンとをその 子 ヤコブの 手 にわたした。
18 そこでヤコブは 父 の 所 へ 行 って 言 った、「父 よ」。すると 父 は 言 った、「わたしはここにいる。子 よ、あなたはだれか」。
19 ヤコブは 父 に 言 った、「長子 エサウです。あなたがわたしに 言 われたとおりにいたしました。どうぞ 起 きて、すわってわたしのしかの 肉 を 食 べ、あなたみずからわたしを 祝福 してください」。
20 イサクはその 子 に 言 った、「子 よ、どうしてあなたはこんなに 早 く 手 に 入 れたのか」。彼 は 言 った、「あなたの 神、主 がわたしにしあわせを 授 けられたからです」。
21 イサクはヤコブに 言 った、「子 よ、近寄 りなさい。わたしは、さわってみて、あなたが 確 かにわが 子 エサウであるかどうかをみよう」。
22 ヤコブが、父 イサクに 近寄 ったので、イサクは 彼 にさわってみて 言 った、「声 はヤコブの 声 だが、手 はエサウの 手 だ」。
23 ヤコブの 手 が 兄 エサウの 手 のように 毛深 かったため、イサクはヤコブを 見 わけることができなかったので、彼 を 祝福 した。
24 イサクは 言 った、「あなたは 確 かにわが 子 エサウですか」。彼 は 言 った、「そうです」。
25 イサクは 言 った、「わたしの 所 へ 持 ってきなさい。わが 子 のしかの 肉 を 食 べて、わたしみずから、あなたを 祝福 しよう」。ヤコブがそれを 彼 の 所 に 持 ってきたので、彼 は 食 べた。またぶどう 酒 を 持 ってきたので、彼 は 飲 んだ。
26 そして 父 イサクは 彼 に 言 った、「子 よ、さあ、近寄 ってわたしに 口 づけしなさい」。
27 彼 が 近寄 って 口 づけした 時、イサクはその 着物 のかおりをかぎ、彼 を 祝福 して 言 った、「ああ、わが 子 のかおりは、主 が 祝福 された 野 のかおりのようだ。
28 どうか 神 が、天 の 露 と、地 の 肥 えたところと、多 くの 穀物 と、新 しいぶどう 酒 とをあなたに 賜 わるように。
29 もろもろの 民 はあなたに 仕 え、もろもろの 国 はあなたに 身 をかがめる。あなたは 兄弟 たちの 主 となり、あなたの 母 の 子 らは、あなたに 身 をかがめるであろう。あなたをのろう 者 はのろわれ、あなたを 祝福 する 者 は 祝福 される」。
30 イサクがヤコブを 祝福 し 終 って、ヤコブが 父 イサクの 前 から 出 て 行 くとすぐ、兄 エサウが 狩 から 帰 ってきた。
31 彼 もまたおいしい 食 べ 物 を 作 って、父 の 所 に 持 ってきて、言 った、「父 よ、起 きてあなたの 子 のしかの 肉 を 食 べ、あなたみずから、わたしを 祝福 してください」。
32 父 イサクは 彼 に 言 った、「あなたは、だれか」。彼 は 言 った、「わたしはあなたの 子、長子 エサウです」。
33 イサクは 激 しくふるえて 言 った、「それでは、あのしかの 肉 を 取 って、わたしに 持 ってきた 者 はだれか。わたしはあなたが 来 る 前 に、みんな 食 べて 彼 を 祝福 した。ゆえに 彼 が 祝福 を 得 るであろう」。
34 エサウは 父 の 言葉 を 聞 いた 時、大声 をあげ、激 しく 叫 んで、父 に 言 った、「父 よ、わたしを、わたしをも 祝福 してください」。
35 イサクは 言 った、「あなたの 弟 が 偽 ってやってきて、あなたの 祝福 を 奪 ってしまった」。
36 エサウは 言 った、「よくもヤコブと 名 づけたものだ。彼 は二 度 までもわたしをおしのけた。さきには、わたしの 長子 の 特権 を 奪 い、こんどはわたしの 祝福 を 奪 った」。また 言 った、「あなたはわたしのために 祝福 を 残 しておかれませんでしたか」。
37 イサクは 答 えてエサウに 言 った、「わたしは 彼 をあなたの 主人 とし、兄弟 たちを 皆 しもべとして 彼 に 与 え、また 穀物 とぶどう 酒 を 彼 に 授 けた。わが 子 よ、今 となっては、あなたのために 何 ができようか」。
38 エサウは 父 に 言 った、「父 よ、あなたの 祝福 はただ一つだけですか。父 よ、わたしを、わたしをも 祝福 してください」。エサウは 声 をあげて 泣 いた。
39 父 イサクは 答 えて 彼 に 言 った、「あなたのすみかは 地 の 肥 えた 所 から 離 れ、また 上 なる 天 の 露 から 離 れるであろう。
40 あなたはつるぎをもって 世 を 渡 り、あなたの 弟 に 仕 えるであろう。しかし、あなたが 勇 み 立 つ 時、首 から、そのくびきを 振 り 落 すであろう」。
41 こうしてエサウは 父 がヤコブに 与 えた 祝福 のゆえにヤコブを 憎 んだ。エサウは 心 の 内 で 言 った、「父 の 喪 の 日 も 遠 くはないであろう。その 時、弟 ヤコブを 殺 そう」。
42 しかしリベカは 長子 エサウのこの 言葉 を 人 づてに 聞 いたので、人 をやり、弟 ヤコブを 呼 んで 言 った、「兄 エサウはあなたを 殺 そうと 考 えて、みずから 慰 めています。
43 子 よ、今 わたしの 言葉 に 従 って、すぐハランにいるわたしの 兄 ラバンのもとにのがれ、
44 あなたの 兄 の 怒 りが 解 けるまで、しばらく 彼 の 所 にいなさい。
45 兄 の 憤 りが 解 けて、あなたのした 事 を 兄 が 忘 れるようになったならば、わたしは 人 をやって、あなたをそこから 迎 えましょう。どうして、わたしは一 日 のうちにあなたがたふたりを 失 ってよいでしょうか」。
46 リベカはイサクに 言 った、「わたしはヘテびとの 娘 どものことで、生 きているのがいやになりました。もしヤコブがこの 地 の、あの 娘 どものようなヘテびとの 娘 を 妻 にめとるなら、わたしは 生 きていて、何 になりましょう」。
Chapter 28
1 イサクはヤコブを 呼 んで、これを 祝福 し、命 じて 言 った、「あなたはカナンの 娘 を 妻 にめとってはならない。
2 立 ってパダンアラムへ 行 き、あなたの 母 の 父 ベトエルの 家 に 行 って、そこであなたの 母 の 兄 ラバンの 娘 を 妻 にめとりなさい。
3 全能 の 神 が、あなたを 祝福 し、多 くの 子 を 得 させ、かつふえさせて、多 くの 国民 とし、
4 またアブラハムの 祝福 をあなたと 子孫 とに 与 えて、神 がアブラハムに 授 けられたあなたの 寄留 の 地 を 継 がせてくださるように」。
5 こうしてイサクはヤコブを 送 り 出 した。ヤコブはパダンアラムに 向 かい、アラムびとベトエルの 子 で、ヤコブとエサウとの 母 リベカの 兄 ラバンのもとへ 行 った。
6 さてエサウは、イサクがヤコブを 祝福 して、パダンアラムにつかわし、そこから 妻 をめとらせようとしたこと、彼 を 祝福 し、命 じて「あなたはカナンの 娘 を 妻 にめとってはならない」と 言 ったこと、
7 そしてヤコブが 父母 の 言葉 に 従 って、パダンアラムへ 行 ったことを 知 ったとき、
8 彼 はカナンの 娘 が 父 イサクの 心 にかなわないのを 見 た。
9 そこでエサウはイシマエルの 所 に 行 き、すでにある 妻 たちのほかにアブラハムの 子 イシマエルの 娘 で、ネバヨテの 妹 マハラテを 妻 にめとった。
10 さてヤコブはベエルシバを 立 って、ハランへ 向 かったが、
11 一つの 所 に 着 いた 時、日 が 暮 れたので、そこに一 夜 を 過 ごし、その 所 の 石 を 取 ってまくらとし、そこに 伏 して 寝 た。
12 時 に 彼 は 夢 をみた。一つのはしごが 地 の 上 に 立 っていて、その 頂 は 天 に 達 し、神 の 使 たちがそれを 上 り 下 りしているのを 見 た。
13 そして 主 は 彼 のそばに 立 って 言 われた、「わたしはあなたの 父 アブラハムの 神、イサクの 神、主 である。あなたが 伏 している 地 を、あなたと 子孫 とに 与 えよう。
14 あなたの 子孫 は 地 のちりのように 多 くなって、西、東、北、南 にひろがり、地 の 諸 族 はあなたと 子孫 とによって 祝福 をうけるであろう。
15 わたしはあなたと 共 にいて、あなたがどこへ 行 くにもあなたを 守 り、あなたをこの 地 に 連 れ 帰 るであろう。わたしは 決 してあなたを 捨 てず、あなたに 語 った 事 を 行 うであろう」。
16 ヤコブは 眠 りからさめて 言 った、「まことに 主 がこの 所 におられるのに、わたしは 知 らなかった」。
17 そして 彼 は 恐 れて 言 った、「これはなんという 恐 るべき 所 だろう。これは 神 の 家 である。これは 天 の 門 だ」。
18 ヤコブは 朝 はやく 起 きて、まくらとしていた 石 を 取 り、それを 立 てて 柱 とし、その 頂 に 油 を 注 いで、
19 その 所 の 名 をベテルと 名 づけた。その 町 の 名 は 初 めはルズといった。
20 ヤコブは 誓 いを 立 てて 言 った、「神 がわたしと 共 にいまし、わたしの 行 くこの 道 でわたしを 守 り、食 べるパンと 着 る 着物 を 賜 い、
21 安 らかに 父 の 家 に 帰 らせてくださるなら、主 をわたしの 神 といたしましょう。
22 またわたしが 柱 に 立 てたこの 石 を 神 の 家 といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての 物 の十 分 の一を、わたしは 必 ずあなたにささげます」。
Chapter 29
1 ヤコブはその 旅 を 続 けて 東 の 民 の 地 へ 行 った。
2 見 ると 野 に一つの 井戸 があって、そのかたわらに 羊 の三つの 群 れが 伏 していた。人々 はその 井戸 から 群 れに 水 を 飲 ませるのであったが、井戸 の 口 には 大 きな 石 があった。
3 群 れが 皆 そこに 集 まると、人々 は 井戸 の 口 から 石 をころがして 羊 に 水 を 飲 ませ、その 石 をまた 井戸 の 口 の 元 のところに 返 しておくのである。
4 ヤコブは 人々 に 言 った、「兄弟 たちよ、あなたがたはどこからこられたのですか」。彼 らは 言 った、「わたしたちはハランからです」。
5 ヤコブは 彼 らに 言 った、「あなたがたはナホルの 子 ラバンを 知 っていますか」。彼 らは 言 った、「知 っています」。
6 ヤコブはまた 彼 らに 言 った、「彼 は 無事 ですか」。彼 らは 言 った、「無事 です。御覧 なさい。彼 の 娘 ラケルはいま 羊 と 一緒 にここへきます」。
7 ヤコブは 言 った、「日 はまだ 高 いし、家畜 を 集 める 時 でもない。あなたがたは 羊 に 水 を 飲 ませてから、また 行 って 飼 いなさい」。
8 彼 らは 言 った、「わたしたちはそれはできないのです。群 れがみな 集 まった 上 で、井戸 の 口 から 石 をころがし、それから 羊 に 水 を 飲 ませるのです」。
9 ヤコブがなお 彼 らと 語 っている 時 に、ラケルは 父 の 羊 と 一緒 にきた。彼女 は 羊 を 飼 っていたからである。
10 ヤコブは 母 の 兄 ラバンの 娘 ラケルと 母 の 兄 ラバンの 羊 とを 見 た。そしてヤコブは 進 み 寄 って 井戸 の 口 から 石 をころがし、母 の 兄 ラバンの 羊 に 水 を 飲 ませた。
11 ヤコブはラケルに 口 づけし、声 をあげて 泣 いた。
12 ヤコブはラケルに、自分 がラケルの 父 のおいであり、リベカの 子 であることを 告 げたので、彼女 は 走 って 行 って 父 に 話 した。
13 ラバンは 妹 の 子 ヤコブがきたという 知 らせを 聞 くとすぐ、走 って 行 ってヤコブを 迎 え、これを 抱 いて 口 づけし、家 に 連 れてきた。そこでヤコブはすべての 事 をラバンに 話 した。
14 ラバンは 彼 に 言 った、「あなたはほんとうにわたしの 骨肉 です」。ヤコブは一か 月 の 間 彼 と 共 にいた。
15 時 にラバンはヤコブに 言 った、「あなたはわたしのおいだからといって、ただでわたしのために 働 くこともないでしょう。どんな 報酬 を 望 みますか、わたしに 言 ってください」。
16 さてラバンにはふたりの 娘 があった。姉 の 名 はレアといい、妹 の 名 はラケルといった。
17 レアは 目 が 弱 かったが、ラケルは 美 しくて 愛 らしかった。
18 ヤコブはラケルを 愛 したので、「わたしは、あなたの 妹 娘 ラケルのために七 年 あなたに 仕 えましょう」と 言 った。
19 ラバンは 言 った、「彼女 を 他人 にやるよりもあなたにやる 方 がよい。わたしと 一緒 にいなさい」。
20 こうして、ヤコブは七 年 の 間 ラケルのために 働 いたが、彼女 を 愛 したので、ただ 数日 のように 思 われた。
21 ヤコブはラバンに 言 った、「期日 が 満 ちたから、わたしの 妻 を 与 えて、妻 の 所 にはいらせてください」。
22 そこでラバンはその 所 の 人々 をみな 集 めて、ふるまいを 設 けた。
23 夕暮 となったとき、娘 レアをヤコブのもとに 連 れてきたので、ヤコブは 彼女 の 所 にはいった。
24 ラバンはまた 自分 のつかえめジルパを 娘 レアにつかえめとして 与 えた。
25 朝 になって、見 ると、それはレアであったので、ヤコブはラバンに 言 った、「あなたはどうしてこんな 事 をわたしにされたのですか。わたしはラケルのために 働 いたのではありませんか。どうしてあなたはわたしを 欺 いたのですか」。
26 ラバンは 言 った、「妹 を 姉 より 先 にとつがせる 事 はわれわれの 国 ではしません。
27 まずこの 娘 のために一 週 間 を 過 ごしなさい。そうすればあの 娘 もあなたにあげよう。あなたは、そのため 更 に七 年 わたしに 仕 えなければならない」。
28 ヤコブはそのとおりにして、その一 週 間 が 終 ったので、ラバンは 娘 ラケルをも 妻 として 彼 に 与 えた。
29 ラバンはまた 自分 のつかえめビルハを 娘 ラケルにつかえめとして 与 えた。
30 ヤコブはまたラケルの 所 にはいった。彼 はレアよりもラケルを 愛 して、更 に七 年 ラバンに 仕 えた。
31 主 はレアがきらわれるのを 見 て、その 胎 を 開 かれたが、ラケルは、みごもらなかった。
32 レアは、みごもって 子 を 産 み、名 をルベンと 名 づけて、言 った、「主 がわたしの 悩 みを 顧 みられたから、今 は 夫 もわたしを 愛 するだろう」。
33 彼女 はまた、みごもって 子 を 産 み、「主 はわたしが 嫌 われるのをお 聞 きになって、わたしにこの 子 をも 賜 わった」と 言 って、名 をシメオンと 名 づけた。
34 彼女 はまた、みごもって 子 を 産 み、「わたしは 彼 に三 人 の 子 を 産 んだから、こんどこそは 夫 もわたしに 親 しむだろう」と 言 って、名 をレビと 名 づけた。
35 彼女 はまた、みごもって 子 を 産 み、「わたしは 今、主 をほめたたえる」と 言 って 名 をユダと 名 づけた。そこで 彼女 の、子 を 産 むことはやんだ。
Chapter 30
1 ラケルは 自分 がヤコブに 子 を 産 まないのを 知 った 時、姉 をねたんでヤコブに 言 った、「わたしに 子 どもをください。さもないと、わたしは 死 にます」。
2 ヤコブはラケルに 向 かい 怒 って 言 った、「あなたの 胎 に 子 どもをやどらせないのは 神 です。わたしが 神 に 代 ることができようか」。
3 ラケルは 言 った、「わたしのつかえめビルハがいます。彼女 の 所 におはいりなさい。彼女 が 子 を 産 んで、わたしのひざに 置 きます。そうすれば、わたしもまた 彼女 によって 子 を 持 つでしょう」。
4 ラケルはつかえめビルハを 彼 に 与 えて、妻 とさせたので、ヤコブは 彼女 の 所 にはいった。
5 ビルハは、みごもってヤコブに 子 を 産 んだ。
6 そこでラケルは、「神 はわたしの 訴 えに 答 え、またわたしの 声 を 聞 いて、わたしに 子 を 賜 わった」と 言 って、名 をダンと 名 づけた。
7 ラケルのつかえめビルハはまた、みごもって 第 二の 子 をヤコブに 産 んだ。
8 そこでラケルは、「わたしは 激 しい 争 いで、姉 と 争 って 勝 った」と 言 って、名 をナフタリと 名 づけた。
9 さてレアは 自分 が 子 を 産 むことのやんだのを 見 たとき、つかえめジルパを 取 り、妻 としてヤコブに 与 えた。
10 レアのつかえめジルパはヤコブに 子 を 産 んだ。
11 そこでレアは、「幸運 がきた」と 言 って、名 をガドと 名 づけた。
12 レアのつかえめジルパは 第 二の 子 をヤコブに 産 んだ。
13 そこでレアは、「わたしは、しあわせです。娘 たちはわたしをしあわせな 者 と 言 うでしょう」と 言 って、名 をアセルと 名 づけた。
14 さてルベンは 麦 刈 りの 日 に 野 に 出 て、野 で 恋 なすびを 見 つけ、それを 母 レアのもとに 持 ってきた。ラケルはレアに 言 った、「あなたの 子 の 恋 なすびをどうぞわたしにください」。
15 レアはラケルに 言 った、「あなたがわたしの 夫 を 取 ったのは 小 さな 事 でしょうか。その 上、あなたはまたわたしの 子 の 恋 なすびをも 取 ろうとするのですか」。ラケルは 言 った、「それではあなたの 子 の 恋 なすびに 換 えて、今夜 彼 をあなたと 共 に 寝 させましょう」。
16 夕方 になって、ヤコブが 野 から 帰 ってきたので、レアは 彼 を 出迎 えて 言 った、「わたしの 子 の 恋 なすびをもって、わたしがあなたを 雇 ったのですから、あなたはわたしの 所 に、はいらなければなりません」。ヤコブはその 夜 レアと 共 に 寝 た。
17 神 はレアの 願 いを 聞 かれたので、彼女 はみごもって五 番目 の 子 をヤコブに 産 んだ。
18 そこでレアは、「わたしがつかえめを 夫 に 与 えたから、神 がわたしにその 価 を 賜 わったのです」と 言 って、名 をイッサカルと 名 づけた。
19 レアはまた、みごもって六 番目 の 子 をヤコブに 産 んだ。
20 そこでレアは、「神 はわたしに 良 い 賜物 をたまわった。わたしは六 人 の 子 を 夫 に 産 んだから、今 こそ 彼 はわたしと 一緒 に 住 むでしょう」と 言 って、その 名 をゼブルンと 名 づけた。
21 その 後、彼女 はひとりの 娘 を 産 んで、名 をデナと 名 づけた。
22 次 に 神 はラケルを 心 にとめられ、彼女 の 願 いを 聞 き、その 胎 を 開 かれたので、
23 彼女 は、みごもって 男 の 子 を 産 み、「神 はわたしの 恥 をすすいでくださった」と 言 って、
24 名 をヨセフと 名 づけ、「主 がわたしに、なおひとりの 子 を 加 えられるように」と 言 った。
25 ラケルがヨセフを 産 んだ 時、ヤコブはラバンに 言 った、「わたしを 去 らせて、わたしの 故郷、わたしの 国 へ 行 かせてください。
26 あなたに 仕 えて 得 たわたしの 妻子 を、わたしに 与 えて 行 かせてください。わたしがあなたのために 働 いた 骨折 りは、あなたがごぞんじです」。
27 ラバンは 彼 に 言 った、「もし、あなたの 心 にかなうなら、とどまってください。わたしは 主 があなたのゆえに、わたしを 恵 まれるしるしを 見 ました」。
28 また 言 った、「あなたの 報酬 を 申 し 出 てください。わたしはそれを 払 います」。
29 ヤコブは 彼 に 言 った、「わたしがどのようにあなたに 仕 えたか、またどのようにあなたの 家畜 を 飼 ったかは、あなたがごぞんじです。
30 わたしが 来 る 前 には、あなたの 持 っておられたものはわずかでしたが、ふえて 多 くなりました。主 はわたしの 行 く 所 どこでも、あなたを 恵 まれました。しかし、いつになったらわたしも 自分 の 家 を 成 すようになるでしょうか」。
31 彼 は 言 った、「何 をあなたにあげようか」。ヤコブは 言 った、「なにもわたしにくださるに 及 びません。もしあなたが、わたしのためにこの一つの 事 をしてくださるなら、わたしは 今 一 度 あなたの 群 れを 飼 い、守 りましょう。
32 わたしはきょう、あなたの 群 れをみな 回 ってみて、その 中 からすべてぶちとまだらの 羊、およびすべて 黒 い 小羊 と、やぎの 中 のまだらのものと、ぶちのものとを 移 しますが、これをわたしの 報酬 としましょう。
33 あとで、あなたがきて、あなたの 前 でわたしの 報酬 をしらべる 時、わたしの 正 しい 事 が 証明 されるでしょう。もしも、やぎの 中 にぶちのないもの、まだらでないものがあったり、小羊 の 中 に 黒 くないものがあれば、それはみなわたしが 盗 んだものとなるでしょう」。
34 ラバンは 言 った、「よろしい。あなたの 言 われるとおりにしましょう」。
35 そこでラバンはその 日、雄 やぎのしまのあるもの、まだらのもの、すべて 雌 やぎのぶちのもの、まだらのもの、すべて 白 みをおびているもの、またすべて 小羊 の 中 の 黒 いものを 移 して 子 らの 手 にわたし、
36 ヤコブとの 間 に三 日 路 の 隔 たりを 設 けた。ヤコブはラバンの 残 りの 群 れを 飼 った。
37 ヤコブは、はこやなぎと、あめんどうと、すずかけの 木 のなまの 枝 を 取 り、皮 をはいでそれに 白 い 筋 をつくり、枝 の 白 い 所 を 表 わし、
38 皮 をはいだ 枝 を、群 れがきて 水 を 飲 む 鉢、すなわち 水 ぶねの 中 に、群 れに 向 かわせて 置 いた。群 れは 水 を 飲 みにきた 時 に、はらんだ。
39 すなわち 群 れは 枝 の 前 で、はらんで、しまのあるもの、ぶちのもの、まだらのものを 産 んだ。
40 ヤコブはその 小羊 を 別 においた。彼 はまた 群 れの 顔 をラバンの 群 れのしまのあるものと、すべて 黒 いものとに 向 かわせた。そして 自分 の 群 れを 別 にまとめておいて、ラバンの 群 れには、入 れなかった。
41 また 群 れの 強 いものが 発情 した 時 には、ヤコブは 水 ぶねの 中 に、その 群 れの 目 の 前 に、かの 枝 を 置 いて、枝 の 間 で、はらませた。
42 けれども 群 れの 弱 いものの 時 には、それを 置 かなかった。こうして 弱 いものはラバンのものとなり、強 いものはヤコブのものとなったので、
43 この 人 は 大 いに 富 み、多 くの 群 れと、男女 の 奴隷、およびらくだ、ろばを 持 つようになった。
Chapter 31
1 さてヤコブはラバンの 子 らが、「ヤコブはわれわれの 父 の 物 をことごとく 奪 い、父 の 物 によってあのすべての 富 を 獲 たのだ」と 言 っているのを 聞 いた。
2 またヤコブがラバンの 顔 を 見 るのに、それは 自分 に 対 して 以前 のようではなかった。
3 主 はヤコブに 言 われた、「あなたの 先祖 の 国 へ 帰 り、親族 のもとに 行 きなさい。わたしはあなたと 共 にいるであろう」。
4 そこでヤコブは 人 をやって、ラケルとレアとを、野 にいる 自分 の 群 れのところに 招 き、
5 彼女 らに 言 った、「わたしがあなたがたの 父 の 顔 を 見 るのに、わたしに 対 して 以前 のようではない。しかし、わたしの 父 の 神 はわたしと 共 におられる。
6 あなたがたが 知 っているように、わたしは 力 のかぎり、あなたがたの 父 に 仕 えてきた。
7 しかし、あなたがたの 父 はわたしを 欺 いて、十 度 もわたしの 報酬 を 変 えた。けれども 神 は 彼 がわたしに 害 を 加 えることを お許 しにならなかった。
8 もし 彼 が、『ぶちのものはあなたの 報酬 だ』と 言 えば、群 れは 皆 ぶちのものを 産 んだ。もし 彼 が、『しまのあるものはあなたの 報酬 だ』と 言 えば、群 れは 皆 しまのあるものを 産 んだ。
9 こうして 神 はあなたがたの 父 の 家畜 をとってわたしに 与 えられた。
10 また 群 れが 発情 した 時、わたしが 夢 に 目 をあげて 見 ると、群 れの 上 に 乗 っている 雄 やぎは 皆 しまのあるもの、ぶちのもの、霜 ふりのものであった。
11 その 時、神 の 使 が 夢 の 中 でわたしに 言 った、『ヤコブよ』。わたしは 答 えた、『ここにおります』。
12 神 の 使 は 言 った、『目 を 上 げて 見 てごらん。群 れの 上 に 乗 っている 雄 やぎは 皆 しまのあるもの、ぶちのもの、霜 ふりのものです。わたしはラバンがあなたにしたことをみな 見 ています。
13 わたしはベテルの 神 です。かつてあなたはあそこで 柱 に 油 を 注 いで、わたしに 誓 いを 立 てましたが、いま 立 ってこの 地 を 出 て、あなたの 生 れた 国 へ 帰 りなさい』」。
14 ラケルとレアは 答 えて 言 った、「わたしたちの 父 の 家 に、なおわたしたちの 受 くべき 分、また 嗣 業 がありましょうか。
15 わたしたちは 父 に 他人 のように 思 われているではありませんか。彼 はわたしたちを 売 ったばかりでなく、わたしたちのその 金 をさえ 使 い 果 たしたのです。
16 神 がわたしたちの 父 から 取 りあげられた 富 は、みなわたしたちとわたしたちの 子 どものものです。だから 何事 でも 神 があなたにお 告 げになった 事 をしてください」。
17 そこでヤコブは 立 って、子 らと 妻 たちをらくだに 乗 せ、
18 またすべての 家畜、すなわち 彼 がパダンアラムで 獲 た 家畜 と、すべての 財産 を 携 えて、カナンの 地 におる 父 イサクのもとへ 赴 いた。
19 その 時 ラバンは 羊 の 毛 を 切 るために 出 ていたので、ラケルは 父 の 所有 のテラピムを 盗 み 出 した。
20 またヤコブはアラムびとラバンを 欺 き、自分 の 逃 げ 去 るのを 彼 に 告 げなかった。
21 こうして 彼 はすべての 持 ち 物 を 携 えて 逃 げ、立 って 川 を 渡 り、ギレアデの 山地 へ 向 かった。
22 三 日 目 になって、ヤコブの 逃 げ 去 ったことが、ラバンに 聞 えたので、
23 彼 は 一族 を 率 いて、七日 の 間 そのあとを 追 い、ギレアデの 山地 で 追 いついた。
24 しかし、神 は 夜 の 夢 にアラムびとラバンに 現 れて 言 われた、「あなたは 心 してヤコブに、よしあしを 言 ってはなりません」。
25 ラバンはついにヤコブに 追 いついたが、ヤコブが 山 に 天幕 を 張 っていたので、ラバンも 一族 と 共 にギレアデの 山 に 天幕 を 張 った。
26 ラバンはヤコブに 言 った、「あなたはなんという 事 をしたのですか。あなたはわたしを 欺 いてわたしの 娘 たちをいくさのとりこのように 引 いて 行 きました。
27 なぜあなたはわたしに 告 げずに、ひそかに 逃 げ 去 ってわたしを 欺 いたのですか。わたしは 手 鼓 や 琴 で 喜 び 歌 ってあなたを 送 りだそうとしていたのに。
28 なぜわたしの 孫 や 娘 にわたしが 口 づけするのを 許 さなかったのですか。あなたは 愚 かな 事 をしました。
29 わたしはあなたがたに 害 を 加 える 力 をもっているが、あなたがたの 父 の 神 が 昨夜 わたしに 告 げて、『おまえは 心 して、ヤコブによしあしを 言 うな』と 言 われました。
30 今 あなたが 逃 げ 出 したのは 父 の 家 が 非常 に 恋 しくなったからでしょうが、なぜあなたはわたしの 神 を 盗 んだのですか」。
31 ヤコブはラバンに 答 えた、「たぶんあなたが 娘 たちをわたしから 奪 いとるだろうと 思 ってわたしは 恐 れたからです。
32 だれの 所 にでもあなたの 神 が 見 つかったら、その 者 を 生 かしてはおきません。何 かあなたの 物 がわたしのところにあるか、われわれの 一族 の 前 で、調 べてみて、それをお 取 りください」。ラケルが 神 を 盗 んだことをヤコブは 知 らなかったからである。
33 そこでラバンはヤコブの 天幕 にはいり、またレアの 天幕 にはいり、更 にふたりのはしための 天幕 にはいってみたが、見 つからなかったので、レアの 天幕 を 出 てラケルの 天幕 にはいった。
34 しかし、ラケルはすでにテラピムを 取 って、らくだのくらの 下 に 入 れ、その 上 にすわっていたので、ラバンは、くまなく 天幕 の 中 を 捜 したが、見 つからなかった。
35 その 時 ラケルは 父 に 言 った、「わたしは 女 の 常 のことがあって、あなたの 前 に 立 ち 上 がることができません。わが 主 よ、どうかお 怒 りにならぬよう」。彼 は 捜 したがテラピムは 見 つからなかった。
36 そこでヤコブは 怒 ってラバンを 責 めた。そしてヤコブはラバンに 言 った、「わたしにどんなあやまちがあり、どんな 罪 があって、あなたはわたしのあとを 激 しく 追 ったのですか。
37 あなたはわたしの 物 をことごとく 探 られたが、何 かあなたの 家 の 物 が 見 つかりましたか。それを、ここに、わたしの 一族 と、あなたの 一族 の 前 に 置 いて、われわれふたりの 間 をさばかせましょう。
38 わたしはこの二十 年、あなたと 一緒 にいましたが、その 間 あなたの 雌 羊 も 雌 やぎも 子 を 産 みそこねたことはなく、またわたしはあなたの 群 れの 雄羊 を 食 べたこともありませんでした。
39 また 野獣 が、かみ 裂 いたものは、あなたのもとに 持 ってこないで、自分 でそれを 償 いました。また 昼 盗 まれたものも、夜 盗 まれたものも、あなたはわたしにその 償 いを 求 められました。
40 わたしのことを 言 えば、昼 は 暑 さに、夜 は 寒 さに 悩 まされて、眠 ることもできませんでした。
41 わたしはこの二十 年 あなたの 家族 のひとりでありました。わたしはあなたのふたりの 娘 のために十四 年、またあなたの 群 れのために六 年、あなたに 仕 えましたが、あなたは 十 度 もわたしの 報酬 を 変 えられました。
42 もし、わたしの 父 の 神、アブラハムの 神、イサクのかしこむ 者 がわたしと 共 におられなかったなら、あなたはきっとわたしを、から 手 で 去 らせたでしょう。神 はわたしの 悩 みと、わたしの 労苦 とを 顧 みられて 昨夜 あなたを 戒 められたのです」。
43 ラバンは 答 えてヤコブに 言 った、「娘 たちはわたしの 娘、子 どもたちはわたしの 孫 です。また 群 れはわたしの 群 れ、あなたの 見 るものはみなわたしのものです。これらのわたしの 娘 たちのため、また 彼 らが 産 んだ 子 どもたちのため、きょうわたしは 何 をすることができましょうか。
44 さあ、それではわたしとあなたと 契約 を 結 んで、これをわたしとあなたとの 間 の 証拠 としましょう」。
45 そこでヤコブは 石 を 取 り、それを 立 てて 柱 とした。
46 ヤコブはまた 一族 の 者 に 言 った、「石 を 集 めてください」。彼 らは 石 を 取 って、一つの 石塚 を 造 った。こうして 彼 らはその 石塚 のかたわらで 食事 をした。
47 ラバンはこれをエガル・サハドタと 名 づけ、ヤコブはこれをガルエドと 名 づけた。
48 そしてラバンは 言 った、「この 石塚 はきょうわたしとあなたとの 間 の 証拠 となります」。それでその 名 はガルエドと 呼 ばれた。
49 またミズパとも 呼 ばれた。彼 がこう 言 ったからである、「われわれが 互 に 別 れたのちも、どうか 主 がわたしとあなたとの 間 を 見守 られるように。
50 もしあなたがわたしの 娘 を 虐待 したり、わたしの 娘 のほかに 妻 をめとることがあれば、たといそこにだれひとりいなくても、神 はわたしとあなたとの 間 の 証人 でいらせられる」。
51 更 にラバンはヤコブに 言 った、「あなたとわたしとの 間 にわたしが 建 てたこの 石塚 をごらんなさい、この 柱 をごらんなさい。
52 この 石塚 を 越 えてわたしがあなたに 害 を 加 えず、またこの 石塚 とこの 柱 を 越 えてあなたがわたしに 害 を 加 えないように、どうかこの 石塚 があかしとなり、この 柱 があかしとなるように。
53 どうかアブラハムの 神、ナホルの 神、彼 らの 父 の 神 がわれわれの 間 をさばかれるように」。ヤコブは 父 イサクのかしこむ 者 によって 誓 った。
54 そしてヤコブは 山 で 犠牲 をささげ、一族 を 招 いて、食事 をした。彼 らは 食事 をして 山 に 宿 った。
55 あくる 朝 ラバンは 早 く 起 き、孫 と 娘 たちに 口 づけして 彼 らを 祝福 し、去 って 家 に 帰 った。
Chapter 32
1 さて、ヤコブが 旅路 に 進 んだとき、神 の 使 たちが 彼 に 会 った。
2 ヤコブは 彼 らを 見 て、「これは 神 の 陣営 です」と 言 って、その 所 の 名 をマハナイムと 名 づけた。
3 ヤコブはセイルの 地、エドムの 野 に 住 む 兄 エサウのもとに、さきだって 使者 をつかわした。
4 すなわちそれに 命 じて 言 った、「あなたがたはわたしの 主人 エサウにこう 言 いなさい、『あなたのしもべヤコブはこう 言 いました。わたしはラバンのもとに 寄留 して 今 までとどまりました。
5 わたしは 牛、ろば、羊、男女 の 奴隷 を 持 っています。それでわが 主 に 申 し 上 げて、あなたの 前 に 恵 みを 得 ようと 人 をつかわしたのです』」。
6 使者 はヤコブのもとに 帰 って 言 った、「わたしたちはあなたの 兄 エサウのもとへ 行 きました。彼 もまたあなたを 迎 えようと四百 人 を 率 いてきます」。
7 そこでヤコブは 大 いに 恐 れ、苦 しみ、共 にいる 民 および 羊、牛、らくだを二つの 組 に 分 けて、
8 言 った、「たとい、エサウがきて、一つの 組 を 撃 っても、残 りの 組 はのがれるであろう」。
9 ヤコブはまた 言 った、「父 アブラハムの 神、父 イサクの 神 よ、かつてわたしに『おまえの 国 へ 帰 り、おまえの 親族 に 行 け。わたしはおまえを 恵 もう』と 言 われた 主 よ、
10 あなたがしもべに 施 されたすべての 恵 みとまことをわたしは 受 けるに 足 りない 者 です。わたしは、つえのほか 何 も 持 たないでこのヨルダンを 渡 りましたが、今 は二つの 組 にもなりました。
11 どうぞ、兄 エサウの 手 からわたしをお 救 いください。わたしは 彼 がきて、わたしを 撃 ち、母 や 子供 たちにまで 及 ぶのを 恐 れます。
12 あなたは、かつて、『わたしは 必 ずおまえを 恵 み、おまえの 子孫 を 海 の 砂 の 数 えがたいほど 多 くしよう』と 言 われました」。
13 彼 はその 夜 そこに 宿 り、持 ち 物 のうちから 兄 エサウへの 贈 り 物 を 選 んだ。
14 すなわち 雌 やぎ二百、雄 やぎ二十、雌 羊 二百、雄羊 二十、
15 乳 らくだ三十とその 子、雌牛 四十、雄牛 十、雌 ろば二十、雄 ろば十。
16 彼 はこれらをそれぞれの 群 れに 分 けて、しもべたちの 手 にわたし、しもべたちに 言 った、「あなたがたはわたしの 先 に 進 みなさい、そして 群 れと 群 れとの 間 には 隔 たりをおきなさい」。
17 また 先頭 の 者 に 命 じて 言 った、「もし、兄 エサウがあなたに 会 って『だれのしもべで、どこへ 行 くのか。あなたの 前 にあるこれらのものはだれの 物 か』と 尋 ねたら、
18 『あなたのしもべヤコブの 物 で、わが 主 エサウにおくる 贈 り 物 です。彼 もわたしたちのうしろにおります』と 言 いなさい」。
19 彼 は 第 二の 者 にも、第 三の 者 にも、また 群 れ 群 れについて 行 くすべての 者 にも 命 じて 言 った、「あなたがたがエサウに 会 うときは、同 じように 彼 に 告 げて、
20 『あなたのしもべヤコブもわれわれのうしろにおります』と 言 いなさい」。ヤコブは、「わたしがさきに 送 る 贈 り 物 をもってまず 彼 をなだめ、それから、彼 の 顔 を 見 よう。そうすれば、彼 はわたしを 迎 えてくれるであろう」と 思 ったからである。
21 こうして 贈 り 物 は 彼 に 先立 って 渡 り、彼 はその 夜、宿営 にやどった。
22 彼 はその 夜 起 きて、ふたりの 妻 とふたりのつかえめと十一 人 の 子 どもとを 連 れてヤボクの 渡 しをわたった。
23 すなわち 彼 らを 導 いて 川 を 渡 らせ、また 彼 の 持 ち 物 を 渡 らせた。
24 ヤコブはひとりあとに 残 ったが、ひとりの 人 が、夜明 けまで 彼 と 組打 ちした。
25 ところでその 人 はヤコブに 勝 てないのを 見 て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その 人 と 組打 ちするあいだにはずれた。
26 その 人 は 言 った、「夜 が 明 けるからわたしを 去 らせてください」。ヤコブは 答 えた、「わたしを 祝福 してくださらないなら、あなたを 去 らせません」。
27 その 人 は 彼 に 言 った、「あなたの 名 はなんと 言 いますか」。彼 は 答 えた、「ヤコブです」。
28 その 人 は 言 った、「あなたはもはや 名 をヤコブと 言 わず、イスラエルと 言 いなさい。あなたが 神 と 人 とに、力 を 争 って 勝 ったからです」。
29 ヤコブは 尋 ねて 言 った、「どうかわたしにあなたの 名 を 知 らせてください」。するとその 人 は、「なぜあなたはわたしの 名 をきくのですか」と 言 ったが、その 所 で 彼 を 祝福 した。
30 そこでヤコブはその 所 の 名 をペニエルと 名 づけて 言 った、「わたしは 顔 と 顔 をあわせて 神 を 見 たが、なお 生 きている」。
31 こうして 彼 がペニエルを 過 ぎる 時、日 は 彼 の 上 にのぼったが、彼 はそのもものゆえにびっこを 引 いていた。
32 そのため、イスラエルの 子 らは 今日 まで、もものつがいの 上 にある 腰 の 筋 を 食 べない。かの 人 がヤコブのもものつがい、すなわち 腰 の 筋 にさわったからである。
Chapter 33
1 さてヤコブは 目 をあげ、エサウが四百 人 を 率 いて 来 るのを 見 た。そこで 彼 は 子供 たちを 分 けてレアとラケルとふたりのつかえめとにわたし、
2 つかえめとその 子 供 たちをまっ 先 に 置 き、レアとその 子 供 たちを 次 に 置 き、ラケルとヨセフを 最後 に 置 いて、
3 みずから 彼 らの 前 に 進 み、七たび 身 を 地 にかがめて、兄 に 近 づいた。
4 するとエサウは 走 ってきて 迎 え、彼 を 抱 き、そのくびをかかえて 口 づけし、共 に 泣 いた。
5 エサウは 目 をあげて 女 と 子供 たちを 見 て 言 った、「あなたと 一緒 にいるこれらの 者 はだれですか」。ヤコブは 言 った、「神 がしもべに 授 けられた 子供 たちです」。
6 そこでつかえめたちはその 子 供 たちと 共 に 近寄 ってお 辞儀 した。
7 レアもまたその 子 供 たちと 共 に 近寄 ってお 辞儀 し、それからヨセフとラケルが 近寄 ってお 辞儀 した。
8 するとエサウは 言 った、「わたしが 出会 ったあのすべての 群 れはどうしたのですか」。ヤコブは 言 った、「わが 主 の 前 に 恵 みを 得 るためです」。
9 エサウは 言 った、「弟 よ、わたしはじゅうぶんもっている。あなたの 物 はあなたのものにしなさい」。
10 ヤコブは 言 った、「いいえ、もしわたしがあなたの 前 に 恵 みを 得 るなら、どうか、わたしの 手 から 贈 り 物 を 受 けてください。あなたが 喜 んでわたしを 迎 えてくださるので、あなたの 顔 を 見 て、神 の 顔 を 見 るように 思 います。
11 どうかわたしが 持 ってきた 贈 り 物 を 受 けてください。神 がわたしを 恵 まれたので、わたしはじゅうぶんもっていますから」。こうして 彼 がしいたので、彼 は 受 け 取 った。
12 そしてエサウは 言 った、「さあ、立 って 行 こう。わたしが 先 に 行 く」。
13 ヤコブは 彼 に 言 った、「ごぞんじのように、子供 たちは、かよわく、また 乳 を 飲 ませている 羊 や 牛 をわたしが 世話 をしています。もし一 日 でも 歩 かせ 過 ぎたら 群 れはみな 死 んでしまいます。
14 わが 主 よ、どうか、しもべの 先 においでください。わたしはわたしの 前 にいる 家畜 と 子供 たちの 歩 みに 合 わせて、ゆっくり 歩 いて 行 き、セイルでわが 主 と 一緒 になりましょう」。
15 エサウは 言 った、「それならわたしが 連 れている 者 どものうち 幾 人 かをあなたのもとに 残 しましょう」。ヤコブは 言 った、「いいえ、それには 及 びません。わが 主 の 前 に 恵 みを 得 させてください」。
16 その 日 エサウはセイルへの 帰途 についた。
17 ヤコブは 立 ってスコテに 行 き、自分 のために 家 を 建 て、また 家畜 のために 小屋 を 造 った。これによってその 所 の 名 はスコテと 呼 ばれている。
18 こうしてヤコブはパダンアラムからきて、無事 カナンの 地 のシケムの 町 に 着 き、町 の 前 に 宿営 した。
19 彼 は 天幕 を 張 った 野 の 一部 をシケムの 父 ハモルの 子 らの 手 から百ケシタで 買 い 取 り、
20 そこに 祭壇 を 建 てて、これをエル・エロヘ・イスラエルと 名 づけた。
Chapter 34
1 レアがヤコブに 産 んだ 娘 デナはその 地 の 女 たちに 会 おうと 出 かけて 行 ったが、
2 その 地 のつかさ、ヒビびとハモルの 子 シケムが 彼女 を 見 て、引 き 入 れ、これと 寝 てはずかしめた。
3 彼 は 深 くヤコブの 娘 デナを 慕 い、この 娘 を 愛 して、ねんごろに 娘 に 語 った。
4 シケムは 父 ハモルに 言 った、「この 娘 をわたしの 妻 にめとってください」。
5 さてヤコブはシケムが、娘 デナを 汚 したことを 聞 いたけれども、その 子 らが 家畜 を 連 れて 野 にいたので、彼 らの 帰 るまで 黙 っていた。
6 シケムの 父 ハモルはヤコブと 話 し 合 おうと、ヤコブの 所 に 出 てきた。
7 ヤコブの 子 らは 野 から 帰 り、この 事 を 聞 いて、悲 しみ、かつ 非常 に 怒 った。シケムがヤコブの 娘 と 寝 て、イスラエルに 愚 かなことをしたためで、こんなことは、してはならぬ 事 だからである。
8 ハモルは 彼 らと 語 って 言 った、「わたしの 子 シケムはあなたがたの 娘 を 心 に 慕 っています。どうか 彼女 を 彼 の 妻 にください。
9 あなたがたはわたしたちと 婚姻 し、あなたがたの 娘 をわたしたちに 与 え、わたしたちの 娘 をあなたがたにめとってください。
10 こうしてあなたがたとわたしたちとは 一緒 に 住 みましょう。地 はあなたがたの 前 にあります。ここに 住 んで 取引 し、ここで 財産 を 獲 なさい」。
11 シケムはまたデナの 父 と 兄弟 たちとに 言 った、「あなたがたの 前 に 恵 みを 得 させてください。あなたがたがわたしに 言 われるものは、なんでもさしあげましょう。
12 たくさんの 結納 金 と 贈 り 物 とをお 求 めになっても、あなたがたの 言 われるとおりさしあげます。ただこの 娘 はわたしの 妻 にください」。
13 しかし、ヤコブの 子 らはシケムが 彼 らの 妹 デナを 汚 したので、シケムとその 父 ハモルに 偽 って 答 え、
14 彼 らに 言 った、「われわれは 割礼 を 受 けない 者 に 妹 をやる 事 はできません。それはわれわれの 恥 とするところですから。
15 ただ、こうなさればわれわれはあなたがたに 同意 します。もしあなたがたのうち 男子 がみな 割礼 を 受 けて、われわれのようになるなら、
16 われわれの 娘 をあなたがたに 与 え、あなたがたの 娘 をわれわれにめとりましょう。そしてわれわれはあなたがたと 一緒 に 住 んで一つの 民 となりましょう。
17 けれども、もしあなたがたがわれわれに 聞 かず、割礼 を 受 けないなら、われわれは 娘 を 連 れて 行 きます」。
18 彼 らの 言葉 がハモルとハモルの 子 シケムとの 心 にかなったので、
19 若者 は、ためらわずにこの 事 をした。彼 がヤコブの 娘 を 愛 したからである。また 彼 は 父 の 家 のうちで一 番 重 んじられた 者 であった。
20 そこでハモルとその 子 シケムとは 町 の 門 に 行 き、町 の 人々 に 語 って 言 った、
21 「この 人々 はわれわれと 親 しいから、この 地 に 住 まわせて、ここで 取引 をさせよう。地 は 広 く、彼 らをいれるにじゅうぶんである。そしてわれわれは 彼 らの 娘 を 妻 にめとり、われわれの 娘 を 彼 らに 与 えよう。
22 彼 らが 割礼 を 受 けているように、もしわれわれのうちの 男子 が 皆、割礼 を 受 けるなら、ただこの 事 だけで、この 人々 はわれわれに 同意 し、われわれと 一緒 に 住 んで一つの 民 となるのだ。
23 そうすれば 彼 らの 家畜 と 財産 とすべての 獣 とは、われわれのものとなるではないか。ただわれわれが 彼 らに 同意 すれば、彼 らはわれわれと 一緒 に 住 むであろう」。
24 そこで 町 の 門 に 出入 りする 者 はみなハモルとその 子 シケムとに 聞 き 従 って、町 の 門 に 出入 りするすべての 男子 は 割礼 を 受 けた。
25 三 日 目 になって 彼 らが 痛 みを 覚 えている 時、ヤコブのふたりの 子、すなわちデナの 兄弟 シメオンとレビとは、おのおのつるぎを 取 って、不意 に 町 を 襲 い、男子 をことごとく 殺 し、
26 またつるぎの 刃 にかけてハモルとその 子 シケムとを 殺 し、シケムの 家 からデナを 連 れ 出 した。
27 そしてヤコブの 子 らは 殺 された 人々 をはぎ、町 をかすめた。彼 らが 妹 を 汚 したからである。
28 すなわち 羊、牛、ろば 及 び 町 にあるものと、野 にあるもの、
29 並 びにすべての 貨 財 を 奪 い、その 子 女 と 妻 たちを 皆 とりこにし、家 の 中 にある 物 をことごとくかすめた。
30 そこでヤコブはシメオンとレビとに 言 った、「あなたがたはわたしをこの 地 の 住民、カナンびととペリジびとに 忌 みきらわせ、わたしに 迷惑 をかけた。わたしは、人数 が 少 ないから、彼 らが 集 まってわたしを 攻 め 撃 つならば、わたしも 家族 も 滅 ぼされるであろう」。
31 彼 らは 言 った、「わたしたちの 妹 を 遊女 のように 彼 が 扱 ってよいのですか」。
Chapter 35
1 ときに 神 はヤコブに 言 われた、「あなたは 立 ってベテルに 上 り、そこに 住 んで、あなたがさきに 兄 エサウの 顔 を 避 けてのがれる 時、あなたに 現 れた 神 に 祭壇 を 造 りなさい」。
2 ヤコブは、その 家族 および 共 にいるすべての 者 に 言 った、「あなたがたのうちにある 異 なる 神々 を 捨 て、身 を 清 めて 着物 を 着替 えなさい。
3 われわれは 立 ってベテルに 上 り、その 所 でわたしの 苦難 の 日 にわたしにこたえ、かつわたしの 行 く 道 で 共 におられた 神 に 祭壇 を 造 ろう」。
4 そこで 彼 らは 持 っている 異 なる 神々 と、耳 につけている 耳輪 をことごとくヤコブに 与 えたので、ヤコブはこれをシケムのほとりにあるテレビンの 木 の 下 に 埋 めた。
5 そして 彼 らは、いで 立 ったが、大 いなる 恐 れが 周囲 の 町々 に 起 ったので、ヤコブの 子 らのあとを 追 う 者 はなかった。
6 こうしてヤコブは 共 にいたすべての 人々 と 一緒 にカナンの 地 にあるルズ、すなわちベテルにきた。
7 彼 はそこに 祭壇 を 築 き、その 所 をエル・ベテルと 名 づけた。彼 が 兄 の 顔 を 避 けてのがれる 時、神 がそこで 彼 に 現 れたからである。
8 時 にリベカのうばデボラが 死 んで、ベテルのしもの、かしの 木 の 下 に 葬 られた。これによってその 木 の 名 をアロン・バクテと 呼 ばれた。
9 さてヤコブがパダンアラムから 帰 ってきた 時、神 は 再 び 彼 に 現 れて 彼 を 祝福 された。
10 神 は 彼 に 言 われた、「あなたの 名 はヤコブである。しかしあなたの 名 をもはやヤコブと 呼 んではならない。あなたの 名 をイスラエルとしなさい」。こうして 彼 をイスラエルと 名 づけられた。
11 神 はまた 彼 に 言 われた、「わたしは 全能 の 神 である。あなたは 生 めよ、またふえよ。一つの 国民、また 多 くの 国民 があなたから 出 て、王 たちがあなたの 身 から 出 るであろう。
12 わたしはアブラハムとイサクとに 与 えた 地 を、あなたに 与 えよう。またあなたの 後 の 子孫 にその 地 を 与 えよう」。
13 神 は 彼 と 語 っておられたその 場所 から 彼 を 離 れてのぼられた。
14 そこでヤコブは 神 が 自分 と 語 られたその 場所 に、一 本 の 石 の 柱 を 立 て、その 上 に 灌祭 をささげ、また 油 を 注 いだ。
15 そしてヤコブは 神 が 自分 と 語 られたその 場所 をベテルと 名 づけた。
16 こうして 彼 らはベテルを 立 ったが、エフラタに 行 き 着 くまでに、なお 隔 たりのある 所 でラケルは 産気 づき、その 産 は 重 かった。
17 その 難産 に 当 って、産婆 は 彼女 に 言 った、「心配 することはありません。今度 も 男 の 子 です」。
18 彼女 は 死 にのぞみ、魂 の 去 ろうとする 時、子 の 名 をベノニと 呼 んだ。しかし、父 はこれをベニヤミンと 名 づけた。
19 ラケルは 死 んでエフラタ、すなわちベツレヘムの 道 に 葬 られた。
20 ヤコブはその 墓 に 柱 を 立 てた。これはラケルの 墓 の 柱 であって、今日 に 至 っている。
21 イスラエルはまた、いで 立 ってミグダル・エダルの 向 こうに 天幕 を 張 った。
22 イスラエルがその 地 に 住 んでいた 時、ルベンは 父 のそばめビルハのところへ 行 って、これと 寝 た。イスラエルはこれを 聞 いた。さてヤコブの 子 らは十二 人 であった。
23 すなわちレアの 子 らはヤコブの 長子 ルベンとシメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン。
24 ラケルの 子 らはヨセフとベニヤミン。
25 ラケルのつかえめビルハの 子 らはダンとナフタリ。
26 レアのつかえめジルパの 子 らはガドとアセル。これらはヤコブの 子 らであって、パダンアラムで 彼 に 生 れた 者 である。
27 ヤコブはキリアテ・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいる 父 イサクのもとへ 行 った。ここはアブラハムとイサクとが 寄留 した 所 である。
28 イサクの 年 は百八十 歳 であった。
29 イサクは 年老 い、日 満 ちて 息 絶 え、死 んで、その 民 に 加 えられた。その 子 エサウとヤコブとは、これを 葬 った。
Chapter 36
1 エサウ、すなわちエドムの 系図 は 次 のとおりである。
2 エサウはカナンの 娘 たちのうちから 妻 をめとった。すなわちヘテびとエロンの 娘 アダと、ヒビびとヂベオンの 子 アナの 娘 アホリバマとである。
3 また、イシマエルの 娘 ネバヨテの 妹 バスマテをめとった。
4 アダはエリパズをエサウに 産 み、バスマテはリウエルを 産 み、
5 アホリバマはエウシ、ヤラム、コラを 産 んだ。これらはエサウの 子 であって、カナンの 地 で 彼 に 生 れた 者 である。
6 エサウは 妻 と 子 と 娘 と 家 のすべての 人、家畜 とすべての 獣、またカナンの 地 で 獲 たすべての 財産 を 携 え、兄弟 ヤコブを 離 れてほかの 地 へ 行 った。
7 彼 らの 財産 が 多 くて、一緒 にいることができなかったからである。すなわち 彼 らが 寄留 した 地 は 彼 らの 家畜 のゆえに、彼 らをささえることができなかったのである。
8 こうしてエサウはセイルの 山地 に 住 んだ。エサウはすなわちエドムである。
9 セイルの 山地 におったエドムびとの 先祖 エサウの 系図 は 次 のとおりである。
10 エサウの 子 らの 名 は 次 のとおりである。すなわちエサウの 妻 アダの 子 はエリパズ。エサウの 妻 バスマテの 子 はリウエル。
11 エリパズの 子 らはテマン、オマル、ゼポ、ガタム、ケナズである。
12 テムナはエサウの 子 エリパズのそばめで、アマレクをエリパズに 産 んだ。これらはエサウの 妻 アダの 子 らである。
13 リウエルの 子 らは 次 のとおりである。すなわちナハテ、ゼラ、シャンマ、ミザであって、これらはエサウの 妻 バスマテの 子 らである。
14 ヂベオンの 子 アナの 娘 で、エサウの 妻 アホリバマの 子 らは 次 のとおりである。すなわち 彼女 はエウシ、ヤラム、コラをエサウに 産 んだ。
15 エサウの 子 らの 中 で、族 長 たる 者 は 次 のとおりである。すなわちエサウの 長子 エリパズの 子 らはテマンの 族長、オマルの 族長、ゼポの 族長、ケナズの 族長、
16 コラの 族長、ガタムの 族長、アマレクの 族長 である。これらはエリパズから 出 た 族長 で、エドムの 地 におった。これらはアダの 子 らである。
17 エサウの 子 リウエルの 子 らは 次 のとおりである。すなわちナハテの 族長、ゼラの 族長、シャンマの 族長、ミザの 族長。これらはリウエルから 出 た 族長 で、エドムの 地 におった。これらはエサウの 妻 バスマテの 子 らである。
18 エサウの 妻 アホリバマの 子 らは 次 のとおりである。すなわちエウシの 族長、ヤラムの 族長、コラの 族長。これらはアナの 娘 で、エサウの 妻 アホリバマから 出 た 族長 である。
19 これらはエサウすなわちエドムの 子 らで、族 長 たる 者 である。
20 この 地 の 住民 ホリびとセイルの 子 らは 次 のとおりである。すなわちロタン、ショバル、ヂベオン、アナ、
21 デション、エゼル、デシャン。これらはセイルの 子 ホリびとから 出 た 族長 で、エドムの 地 におった。
22 ロタンの 子 らはホリ、ヘマムであり、ロタンの 妹 はテムナであった。
23 ショバルの 子 らは 次 のとおりである。すなわちアルワン、マナハテ、エバル、シポ、オナム。
24 ヂベオンの 子 らは 次 のとおりである。すなわちアヤとアナ。このアナは 父 ヂベオンのろばを 飼 っていた 時、荒野 で 温泉 を 発見 した 者 である。
25 アナの 子 らは 次 のとおりである。すなわちデションとアホリバマ。アホリバマはアナの 娘 である。
26 デションの 子 らは 次 のとおりである。すなわちヘムダン、エシバン、イテラン、ケラン。
27 エゼルの 子 らは 次 のとおりである。すなわちビルハン、ザワン、アカン。
28 デシャンの 子 らは 次 のとおりである。すなわちウズとアラン。
29 ホリびとから 出 た 族長 は 次 のとおりである。すなわちロタンの 族長、ショバルの 族長、ヂベオンの 族長、アナの 族長、
30 デションの 族長、エゼルの 族長、デシャンの 族長。これらはホリびとから 出 た 族長 であって、その 氏族 に 従 ってセイルの 地 におった 者 である。
31 イスラエルの 人々 を 治 める 王 がまだなかった 時、エドムの 地 を 治 めた 王 たちは 次 のとおりである。
32 ベオルの 子 ベラはエドムを 治 め、その 都 の 名 はデナバであった。
33 ベラが 死 んで、ボズラのゼラの 子 ヨバブがこれに 代 って 王 となった。
34 ヨバブが 死 んで、テマンびとの 地 のホシャムがこれに 代 って 王 となった。
35 ホシャムが 死 んで、ベダデの 子 ハダデがこれに 代 って 王 となった。彼 はモアブの 野 でミデアンを 撃 った 者 である。その 都 の 名 はアビテであった。
36 ハダデが 死 んで、マスレカのサムラがこれに 代 って 王 となった。
37 サムラが 死 んでユフラテ 川 のほとりにあるレホボテのサウルがこれに 代 って 王 となった。
38 サウルが 死 んでアクボルの 子 バアル・ハナンがこれに 代 って 王 となった。
39 アクボルの 子 バアル・ハナンが 死 んで、ハダルがこれに 代 って 王 となった。その 都 の 名 はパウであった。その 妻 の 名 はメヘタベルといって、メザハブの 娘 マテレデの 娘 であった。
40 エサウから 出 た 族長 の 名 は、その 氏族 と 住所 と 名 に 従 って 言 えば 次 のとおりである。すなわちテムナの 族長、アルワの 族長、エテテの 族長、
41 アホリバマの 族長、エラの 族長、ピノンの 族長、
42 ケナズの 族長、テマンの 族長、ミブザルの 族長、
43 マグデエルの 族長、イラムの 族長。これらはエドムの 族長 たちであって、その 領地 内 の 住所 に 従 っていったものである。エドムびとの 先祖 はエサウである。
Chapter 37
1 ヤコブは 父 の 寄留 の 地、すなわちカナンの 地 に 住 んだ。
2 ヤコブの 子孫 は 次 のとおりである。ヨセフは十七 歳 の 時、兄弟 たちと 共 に 羊 の 群 れを 飼 っていた。彼 はまだ 子供 で、父 の 妻 たちビルハとジルパとの 子 らと 共 にいたが、ヨセフは 彼 らの 悪 いうわさを 父 に 告 げた。
3 ヨセフは 年寄 り 子 であったから、イスラエルは 他 のどの 子 よりも 彼 を 愛 して、彼 のために 長 そでの 着物 をつくった。
4 兄弟 たちは 父 がどの 兄弟 よりも 彼 を 愛 するのを 見 て、彼 を 憎 み、穏 やかに 彼 に 語 ることができなかった。
5 ある 時、ヨセフは 夢 を 見 て、それを 兄弟 たちに 話 したので、彼 らは、ますます 彼 を 憎 んだ。
6 ヨセフは 彼 らに 言 った、「どうぞわたしが 見 た 夢 を 聞 いてください。
7 わたしたちが 畑 の 中 で 束 を 結 わえていたとき、わたしの 束 が 起 きて 立 つと、あなたがたの 束 がまわりにきて、わたしの 束 を 拝 みました」。
8 すると 兄弟 たちは 彼 に 向 かって、「あなたはほんとうにわたしたちの 王 になるのか。あなたは 実際 わたしたちを 治 めるのか」と 言 って、彼 の 夢 とその 言葉 のゆえにますます 彼 を 憎 んだ。
9 ヨセフはまた一つの 夢 を 見 て、それを 兄弟 たちに 語 って 言 った、「わたしはまた 夢 を 見 ました。日 と 月 と十一の 星 とがわたしを 拝 みました」。
10 彼 はこれを 父 と 兄弟 たちに 語 ったので、父 は 彼 をとがめて 言 った、「あなたが 見 たその 夢 はどういうのか。ほんとうにわたしとあなたの 母 と、兄弟 たちとが 行 って 地 に 伏 し、あなたを 拝 むのか」。
11 兄弟 たちは 彼 をねたんだ。しかし 父 はこの 言葉 を 心 にとめた。
12 さて 兄弟 たちがシケムに 行 って、父 の 羊 の 群 れを 飼 っていたとき、
13 イスラエルはヨセフに 言 った、「あなたの 兄弟 たちはシケムで 羊 を 飼 っているではないか。さあ、あなたを 彼 らの 所 へつかわそう」。ヨセフは 父 に 言 った、「はい、行 きます」。
14 父 は 彼 に 言 った、「どうか、行 って、あなたの 兄弟 たちは 無事 であるか、また 群 れは 無事 であるか 見 てきて、わたしに 知 らせてください」。父 が 彼 をヘブロンの 谷 からつかわしたので、彼 はシケムに 行 った。
15 ひとりの 人 が 彼 に 会 い、彼 が 野 をさまよっていたので、その 人 は 彼 に 尋 ねて 言 った、「あなたは 何 を 捜 しているのですか」。
16 彼 は 言 った、「兄弟 たちを 捜 しているのです。彼 らが、どこで 羊 を 飼 っているのか、どうぞわたしに 知 らせてください」。
17 その 人 は 言 った、「彼 らはここを 去 りました。彼 らが『ドタンへ 行 こう』と 言 うのをわたしは 聞 きました」。そこでヨセフは 兄弟 たちのあとを 追 って 行 って、ドタンで 彼 らに 会 った。
18 ヨセフが 彼 らに 近 づかないうちに、彼 らははるかにヨセフを 見 て、これを 殺 そうと 計 り、
19 互 に 言 った、「あの 夢見 る 者 がやって 来 る。
20 さあ、彼 を 殺 して 穴 に 投 げ 入 れ、悪 い 獣 が 彼 を 食 ったと 言 おう。そして 彼 の 夢 がどうなるか 見 よう」。
21 ルベンはこれを 聞 いて、ヨセフを 彼 らの 手 から 救 い 出 そうとして 言 った、「われわれは 彼 の 命 を 取 ってはならない」。
22 ルベンはまた 彼 らに 言 った、「血 を 流 してはいけない。彼 を 荒野 のこの 穴 に 投 げ 入 れよう。彼 に 手 をくだしてはならない」。これはヨセフを 彼 らの 手 から 救 いだして 父 に 返 すためであった。
23 さて、ヨセフが 兄弟 たちのもとへ 行 くと、彼 らはヨセフの 着物、彼 が 着 ていた 長 そでの 着物 をはぎとり、
24 彼 を 捕 えて 穴 に 投 げ 入 れた。その 穴 はからで、その 中 に 水 はなかった。
25 こうして 彼 らはすわってパンを 食 べた。時 に 彼 らが 目 をあげて 見 ると、イシマエルびとの 隊商 が、らくだに 香料 と、乳香 と、もつやくとを 負 わせてエジプトへ 下 り 行 こうとギレアデからやってきた。
26 そこでユダは 兄弟 たちに 言 った、「われわれが 弟 を 殺 し、その 血 を 隠 して 何 の 益 があろう。
27 さあ、われわれは 彼 をイシマエルびとに 売 ろう。彼 はわれわれの 兄弟、われわれの 肉 身 だから、彼 に 手 を 下 してはならない」。兄弟 たちはこれを 聞 き 入 れた。
28 時 にミデアンびとの 商人 たちが 通 りかかったので、彼 らはヨセフを 穴 から 引 き 上 げ、銀 二十シケルでヨセフをイシマエルびとに 売 った。彼 らはヨセフをエジプトへ 連 れて 行 った。
29 さてルベンは 穴 に 帰 って 見 たが、ヨセフが 穴 の 中 にいなかったので、彼 は 衣服 を 裂 き、
30 兄弟 たちのもとに 帰 って 言 った、「あの 子 はいない。ああ、わたしはどこへ 行 くことができよう」。
31 彼 らはヨセフの 着物 を 取 り、雄 やぎを 殺 して、着物 をその 血 に 浸 し、
32 その 長 そでの 着物 を 父 に 持 ち 帰 って 言 った、「わたしたちはこれを 見 つけましたが、これはあなたの 子 の 着物 か、どうか 見 さだめてください」。
33 父 はこれを 見 さだめて 言 った、「わが 子 の 着物 だ。悪 い 獣 が 彼 を 食 ったのだ。確 かにヨセフはかみ 裂 かれたのだ」。
34 そこでヤコブは 衣服 を 裂 き、荒布 を 腰 にまとって、長 い 間 その 子 のために 嘆 いた。
35 子 らと 娘 らとは 皆 立 って 彼 を 慰 めようとしたが、彼 は 慰 められるのを 拒 んで 言 った、「いや、わたしは 嘆 きながら 陰府 に 下 って、わが 子 のもとへ 行 こう」。こうして 父 は 彼 のために 泣 いた。
36 さて、かのミデアンびとらはエジプトでパロの 役人、侍衛 長 ポテパルにヨセフを 売 った。
Chapter 38
1 そのころユダは 兄弟 たちを 離 れて 下 り、アドラムびとで、名 をヒラという 者 の 所 へ 行 った。
2 ユダはその 所 で、名 をシュアというカナンびとの 娘 を 見 て、これをめとり、その 所 にはいった。
3 彼女 はみごもって 男 の 子 を 産 んだので、ユダは 名 をエルと 名 づけた。
4 彼女 は 再 びみごもって 男 の 子 を 産 み、名 をオナンと 名 づけた。
5 また 重 ねて、男 の 子 を 産 み、名 をシラと 名 づけた。彼女 はこの 男 の 子 を 産 んだとき、クジブにおった。
6 ユダは 長子 エルのために、名 をタマルという 妻 を 迎 えた。
7 しかしユダの 長子 エルは 主 の 前 に 悪 い 者 であったので、主 は 彼 を 殺 された。
8 そこでユダはオナンに 言 った、「兄 の 妻 の 所 にはいって、彼女 をめとり、兄 に 子供 を 得 させなさい」。
9 しかしオナンはその 子 が 自分 のものとならないのを 知 っていたので、兄 の 妻 の 所 にはいった 時、兄 に 子 を 得 させないために 地 に 洩 らした。
10 彼 のした 事 は 主 の 前 に 悪 かったので、主 は 彼 をも 殺 された。
11 そこでユダはその 子 の 妻 タマルに 言 った、「わたしの 子 シラが 成人 するまで、寡婦 のままで、あなたの 父 の 家 にいなさい」。彼 は、シラもまた 兄弟 たちのように 死 ぬかもしれないと、思 ったからである。それでタマルは 行 って 父 の 家 におった。
12 日 がたってシュアの 娘 ユダの 妻 は 死 んだ。その 後、ユダは 喪 を 終 ってその 友 アドラムびとヒラと 共 にテムナに 上 り、自分 の 羊 の 毛 を 切 る 者 のところへ 行 った。
13 時 に、ひとりの 人 がタマルに 告 げて、「あなたのしゅうとが 羊 の 毛 を 切 るためにテムナに 上 って 来 る」と 言 ったので、
14 彼女 は 寡婦 の 衣服 を 脱 ぎすて、被衣 で 身 をおおい 隠 して、テムナへ 行 く 道 のかたわらにあるエナイムの 入口 にすわっていた。彼女 はシラが 成人 したのに、自分 がその 妻 にされないのを 知 ったからである。
15 ユダは 彼女 を 見 たとき、彼女 が 顔 をおおっていたため、遊女 だと 思 い、
16 道 のかたわらで 彼女 に 向 かって 言 った、「さあ、あなたの 所 にはいらせておくれ」。彼 はこの 女 がわが 子 の 妻 であることを 知 らなかったからである。彼女 は 言 った、「わたしの 所 にはいるため、何 をくださいますか」。
17 ユダは 言 った、「群 れのうちのやぎの 子 をあなたにあげよう」。彼女 は 言 った、「それをくださるまで、しるしをわたしにくださいますか」。
18 ユダは 言 った、「どんなしるしをあげようか」。彼女 は 言 った、「あなたの 印 と 紐 と、あなたの 手 にあるつえとを」。彼 はこれらを 与 えて 彼女 の 所 にはいった。彼女 はユダによってみごもった。
19 彼女 は 起 きて 去 り、被衣 を 脱 いで 寡婦 の 衣服 を 着 た。
20 やがてユダはその 女 からしるしを 取 りもどそうと、その 友 アドラムびとに 託 してやぎの 子 を 送 ったけれども、その 女 を 見 いだせなかった。
21 そこで 彼 はその 所 の 人々 に 尋 ねて 言 った、「エナイムで 道 のかたわらにいた 遊女 はどこにいますか」。彼 らは 言 った、「ここには 遊女 はいません」。
22 彼 はユダのもとに 帰 って 言 った、「わたしは 彼女 を 見 いだせませんでした。またその 所 の 人々 は、『ここには 遊女 はいない』と 言 いました」。
23 そこでユダは 言 った、「女 に 持 たせておこう。わたしたちは 恥 をかくといけないから。とにかく、わたしはこのやぎの 子 を 送 ったが、あなたは 彼女 を 見 いだせなかったのだ」。
24 ところが三 月 ほどたって、ひとりの 人 がユダに 言 った、「あなたの 嫁 タマルは 姦淫 しました。そのうえ、彼女 は 姦淫 によってみごもりました」。ユダは 言 った、「彼女 を 引 き 出 して 焼 いてしまえ」。
25 彼女 は 引 き 出 された 時、そのしゅうとに 人 をつかわして 言 った、「わたしはこれをもっている 人 によって、みごもりました」。彼女 はまた 言 った、「どうか、この 印 と、紐 と、つえとはだれのものか、見定 めてください」。
26 ユダはこれを 見定 めて 言 った、「彼女 はわたしよりも 正 しい。わたしが 彼女 をわが 子 シラに 与 えなかったためである」。彼 は 再 び 彼女 を 知 らなかった。
27 さて 彼女 の 出産 の 時 がきたが、胎内 には、ふたごがあった。
28 出産 の 時 に、ひとりの 子 が 手 を 出 したので、産婆 は、「これがさきに 出 た」と 言 い、緋 の 糸 を 取 って、その 手 に 結 んだ。
29 そして、その 子 が 手 をひっこめると、その 弟 が 出 たので、「どうしてあなたは 自分 で 破 って 出 るのか」と 言 った。これによって 名 はペレヅと 呼 ばれた。
30 その 後、手 に 緋 の 糸 のある 兄 が 出 たので、名 はゼラと 呼 ばれた。
Chapter 39
1 さてヨセフは 連 れられてエジプトに 下 ったが、パロの 役人 で 侍衛 長 であったエジプトびとポテパルは、彼 をそこに 連 れ 下 ったイシマエルびとらの 手 から 買 い 取 った。
2 主 がヨセフと 共 におられたので、彼 は 幸運 な 者 となり、その 主人 エジプトびとの 家 におった。
3 その 主人 は 主 が 彼 とともにおられることと、主 が 彼 の 手 のすることをすべて 栄 えさせられるのを 見 た。
4 そこで、ヨセフは 彼 の 前 に 恵 みを 得、そのそば 近 く 仕 えた。彼 はヨセフに 家 をつかさどらせ、持 ち 物 をみな 彼 の 手 にゆだねた。
5 彼 がヨセフに 家 とすべての 持 ち 物 をつかさどらせた 時 から、主 はヨセフのゆえにそのエジプトびとの 家 を 恵 まれたので、主 の 恵 みは 彼 の 家 と 畑 とにあるすべての 持 ち 物 に 及 んだ。
6 そこで 彼 は 持 ち 物 をみなヨセフの 手 にゆだねて、自分 が 食 べる 物 のほかは、何 をも 顧 みなかった。さてヨセフは 姿 がよく、顔 が 美 しかった。
7 これらの 事 の 後、主人 の 妻 はヨセフに 目 をつけて 言 った、「わたしと 寝 なさい」。
8 ヨセフは 拒 んで、主人 の 妻 に 言 った、「御 主人 はわたしがいるので 家 の 中 の 何 をも 顧 みず、その 持 ち 物 をみなわたしの 手 にゆだねられました。
9 この 家 にはわたしよりも 大 いなる 者 はありません。また 御 主人 はあなたを 除 いては、何 をもわたしに 禁 じられませんでした。あなたが 御 主人 の 妻 であるからです。どうしてわたしはこの 大 きな 悪 をおこなって、神 に 罪 を 犯 すことができましょう」。
10 彼女 は 毎日 ヨセフに 言 い 寄 ったけれども、ヨセフは 聞 きいれず、彼女 と 寝 なかった。また 共 にいなかった。
11 ある 日 ヨセフが 務 をするために 家 にはいった 時、家 の 者 がひとりもそこにいなかったので、
12 彼女 はヨセフの 着物 を 捕 えて、「わたしと 寝 なさい」と 言 った。ヨセフは 着物 を 彼女 の 手 に 残 して 外 にのがれ 出 た。
13 彼女 はヨセフが 着物 を 自分 の 手 に 残 して 外 にのがれたのを 見 て、
14 その 家 の 者 どもを 呼 び、彼 らに 告 げて 言 った、「主人 がわたしたちの 所 に 連 れてきたヘブルびとは、わたしたちに 戯 れます。彼 はわたしと 寝 ようとして、わたしの 所 にはいったので、わたしは 大声 で 叫 びました。
15 彼 はわたしが 声 をあげて 叫 ぶのを 聞 くと、着物 をわたしの 所 に 残 して 外 にのがれ 出 ました」。
16 彼女 はその 着物 をかたわらに 置 いて、主人 の 帰 って 来 るのを 待 った。
17 そして 彼女 は 次 のように 主人 に 告 げた、「あなたがわたしたちに 連 れてこられたヘブルのしもべはわたしに 戯 れようとして、わたしの 所 にはいってきました。
18 わたしが 声 をあげて 叫 んだので、彼 は 着物 をわたしの 所 に 残 して 外 にのがれました」。
19 主人 はその 妻 が「あなたのしもべは、わたしにこんな 事 をした」と 告 げる 言葉 を 聞 いて、激 しく 怒 った。
20 そしてヨセフの 主人 は 彼 を 捕 えて、王 の 囚人 をつなぐ 獄屋 に 投 げ 入 れた。こうしてヨセフは 獄屋 の 中 におったが、
21 主 はヨセフと 共 におられて 彼 にいつくしみを 垂 れ、獄屋 番 の 恵 みをうけさせられた。
22 獄屋 番 は 獄屋 におるすべての 囚人 をヨセフの 手 にゆだねたので、彼 はそこでするすべての 事 をおこなった。
23 獄屋 番 は 彼 の 手 にゆだねた 事 はいっさい 顧 みなかった。主 がヨセフと 共 におられたからである。主 は 彼 のなす 事 を 栄 えさせられた。
Chapter 40
1 これらの 事 の 後、エジプト 王 の 給仕 役 と 料理 役 とがその 主君 エジプト 王 に 罪 を 犯 した。
2 パロはふたりの 役人、すなわち 給仕 役 の 長 と 料理 役 の 長 に 向 かって 憤 り、
3 侍衛 長 の 家 の 監禁所、すなわちヨセフがつながれている 獄屋 に 入 れた。
4 侍衛 長 はヨセフに 命 じて 彼 らと 共 におらせたので、ヨセフは 彼 らに 仕 えた。こうして 彼 らは 監禁所 で 幾日 かを 過 ごした。
5 さて 獄屋 につながれたエジプト 王 の 給仕 役 と 料理 役 のふたりは 一夜 のうちにそれぞれ 意味 のある 夢 を 見 た。
6 ヨセフが 朝、彼 らのところへ 行 って 見 ると、彼 らは 悲 しみに 沈 んでいた。
7 そこでヨセフは 自分 と 一緒 に 主人 の 家 の 監禁所 にいるパロの 役人 たちに 尋 ねて 言 った、「どうして、きょう、あなたがたの 顔色 が 悪 いのですか」。
8 彼 らは 言 った、「わたしたちは 夢 を 見 ましたが、解 いてくれる 者 がいません」。ヨセフは 彼 らに 言 った、「解 くことは 神 によるのではありませんか。どうぞ、わたしに 話 してください」。
9 給仕 役 の 長 はその 夢 をヨセフに 話 して 言 った、「わたしが 見 た 夢 で、わたしの 前 に一 本 のぶどうの 木 がありました。
10 そのぶどうの 木 に三つの 枝 があって、芽 を 出 し、花 が 咲 き、ぶどうのふさが 熟 しました。
11 時 にわたしの 手 に、パロの 杯 があって、わたしはそのぶどうを 取 り、それをパロの 杯 にしぼり、その 杯 をパロの 手 にささげました」。
12 ヨセフは 言 った、「その 解 き 明 かしはこうです。三つの 枝 は三 日 です。
13 今 から三 日 のうちにパロはあなたの 頭 を 上 げて、あなたを 元 の 役目 に 返 すでしょう。あなたはさきに 給仕 役 だった 時 にされたように、パロの 手 に 杯 をささげられるでしょう。
14 それで、あなたがしあわせになられたら、わたしを 覚 えていて、どうかわたしに 恵 みを 施 し、わたしの 事 をパロに 話 して、この 家 からわたしを 出 してください。
15 わたしは、実 はヘブルびとの 地 からさらわれてきた 者 です。またここでもわたしは 地下 の 獄屋 に 入 れられるような 事 はしなかったのです」。
16 料理 役 の 長 はその 解 き 明 かしの 良 かったのを 見 て、ヨセフに 言 った、「わたしも 夢 を 見 たが、白 いパンのかごが三つ、わたしの 頭 の 上 にあった。
17 一 番 上 のかごには 料理 役 がパロのために 作 ったさまざまの 食物 があったが、鳥 がわたしの 頭 の 上 のかごからそれを 食 べていた」。
18 ヨセフは 答 えて 言 った、「その 解 き 明 かしはこうです。三つのかごは三 日 です。
19 今 から三 日 のうちにパロはあなたの 頭 を 上 げ 離 して、あなたを 木 に 掛 けるでしょう。そして 鳥 があなたの 肉 を 食 い 取 るでしょう」。
20 さて三 日 目 はパロの 誕生 日 であったので、パロはすべての 家来 のためにふるまいを 設 け、家来 のうちの 給仕 役 の 長 の 頭 と、料理 役 の 長 の 頭 を 上 げた。
21 すなわちパロは 給仕 役 の 長 を 給仕 役 の 職 に 返 したので、彼 はパロの 手 に 杯 をささげた。
22 しかしパロは 料理 役 の 長 を 木 に 掛 けた。ヨセフが 彼 らに 解 き 明 かしたとおりである。
23 ところが、給仕 役 の 長 はヨセフを 思 い 出 さず、忘 れてしまった。
Chapter 41
1 二 年 の 後 パロは 夢 を 見 た。夢 に、彼 はナイル 川 のほとりに 立 っていた。
2 すると、その 川 から 美 しい、肥 え 太 った七 頭 の 雌牛 が 上 がってきて 葦 を 食 っていた。
3 その 後、また 醜 い、やせ 細 った 他 の七 頭 の 雌牛 が 川 から 上 がってきて、川 の 岸 にいた 雌牛 のそばに 立 ち、
4 その 醜 い、やせ 細 った 雌牛 が、あの 美 しい、肥 えた七 頭 の 雌牛 を 食 いつくした。ここでパロは 目 が 覚 めた。
5 彼 はまた 眠 って、再 び 夢 を 見 た。夢 に、一 本 の 茎 に 太 った 良 い七つの 穂 が 出 てきた。
6 その 後 また、やせて、東風 に 焼 けた七つの 穂 が 出 てきて、
7 そのやせた 穂 が、あの 太 って 実 った七つの 穂 をのみつくした。ここでパロは 目 が 覚 めたが、それは 夢 であった。
8 朝 になって、パロは 心 が 騒 ぎ、人 をつかわして、エジプトのすべての 魔術 師 とすべての 知者 とを 呼 び 寄 せ、彼 らに 夢 を 告 げたが、これをパロに 解 き 明 かしうる 者 がなかった。
9 そのとき 給仕 役 の 長 はパロに 告 げて 言 った、「わたしはきょう、自分 のあやまちを 思 い 出 しました。
10 かつてパロがしもべらに 向 かって 憤 り、わたしと 料理 役 の 長 とを 侍衛 長 の 家 の 監禁所 にお 入 れになった 時、
11 わたしも 彼 も 一夜 のうちに 夢 を 見、それぞれ 意味 のある 夢 を 見 ましたが、
12 そこに 侍衛 長 のしもべで、ひとりの 若 いヘブルびとがわれわれと 共 にいたので、彼 に 話 したところ、彼 はわれわれの 夢 を 解 き 明 かし、その 夢 によって、それぞれ 解 き 明 かしをしました。
13 そして 彼 が 解 き 明 かしたとおりになって、パロはわたしを 職 に 返 し、彼 を 木 に 掛 けられました」。
14 そこでパロは 人 をつかわしてヨセフを 呼 んだ。人々 は 急 いで 彼 を 地下 の 獄屋 から 出 した。ヨセフは、ひげをそり、着物 を 着替 えてパロのもとに 行 った。
15 パロはヨセフに 言 った、「わたしは 夢 を 見 たが、これを 解 き 明 かす 者 がない。聞 くところによると、あなたは 夢 を 聞 いて、解 き 明 かしができるそうだ」。
16 ヨセフはパロに 答 えて 言 った、「いいえ、わたしではありません。神 がパロに 平安 をお 告 げになりましょう」。
17 パロはヨセフに 言 った、「夢 にわたしは 川 の 岸 に 立 っていた。
18 その 川 から 肥 え 太 った、美 しい七 頭 の 雌牛 が 上 がってきて 葦 を 食 っていた。
19 その 後、弱 く、非常 に 醜 い、やせ 細 った 他 の七 頭 の 雌牛 がまた 上 がってきた。わたしはエジプト 全国 で、このような 醜 いものをまだ 見 たことがない。
20 ところがそのやせた 醜 い 雌牛 が、初 めの七 頭 の 肥 えた 雌牛 を 食 いつくしたが、
21 腹 にはいっても、腹 にはいった 事 が 知 れず、やはり 初 めのように 醜 かった。ここでわたしは 目 が 覚 めた。
22 わたしはまた 夢 をみた。一 本 の 茎 に七つの 実 った 良 い 穂 が 出 てきた。
23 その 後、やせ 衰 えて、東風 に 焼 けた七つの 穂 が 出 てきたが、
24 そのやせた 穂 が、あの七つの 良 い 穂 をのみつくした。わたしは 魔術 師 に 話 したが、わたしにそのわけを 示 しうる 者 はなかった」。
25 ヨセフはパロに 言 った、「パロの 夢 は一つです。神 がこれからしようとすることをパロに 示 されたのです。
26 七 頭 の 良 い 雌牛 は七 年 です。七つの 良 い 穂 も七 年 で、夢 は一つです。
27 あとに 続 いて、上 がってきた七 頭 のやせた 醜 い 雌牛 は七 年 で、東風 に 焼 けた 実 の 入 らない七つの 穂 は七 年 のききんです。
28 わたしがパロに 申 し 上 げたように、神 がこれからしようとすることをパロに 示 されたのです。
29 エジプト 全国 に七 年 の 大 豊作 があり、
30 その 後 七 年 のききんが 起 り、その 豊作 はみなエジプトの 国 で 忘 れられて、そのききんは 国 を 滅 ぼすでしょう。
31 後 に 来 るそのききんが、非常 に 激 しいから、その 豊作 は 国 のうちで 記憶 されなくなるでしょう。
32 パロが二 度 重 ねて 夢 を 見 られたのは、この 事 が 神 によって 定 められ、神 がすみやかにこれをされるからです。
33 それゆえパロは 今、さとく、かつ 賢 い 人 を 尋 ね 出 してエジプトの 国 を 治 めさせなさい。
34 パロはこうして 国中 に 監督 を 置 き、その七 年 の 豊作 のうちに、エジプトの 国 の 産物 の五 分 の一を 取 り、
35 続 いて 来 る 良 い 年々 のすべての 食糧 を 彼 らに 集 めさせ、穀物 を 食糧 として、パロの 手 で 町々 にたくわえ 守 らせなさい。
36 こうすれば 食糧 は、エジプトの 国 に 臨 む七 年 のききんに 備 えて、この 国 のためにたくわえとなり、この 国 はききんによって 滅 びることがないでしょう」。
37 この 事 はパロとそのすべての 家来 たちの 目 にかなった。
38 そこでパロは 家来 たちに 言 った、「われわれは 神 の 霊 をもつこのような 人 を、ほかに 見 いだし 得 ようか」。
39 またパロはヨセフに 言 った、「神 がこれを 皆 あなたに 示 された。あなたのようにさとく 賢 い 者 はない。
40 あなたはわたしの 家 を 治 めてください。わたしの 民 はみなあなたの 言葉 に 従 うでしょう。わたしはただ 王 の 位 でだけあなたにまさる」。
41 パロは 更 にヨセフに 言 った、「わたしはあなたをエジプト 全国 のつかさとする」。
42 そしてパロは 指輪 を 手 からはずして、ヨセフの 手 にはめ、亜麻 布 の 衣服 を 着 せ、金 の 鎖 をくびにかけ、
43 自分 の 第 二の 車 に 彼 を 乗 せ、「ひざまずけ」とその 前 に 呼 ばわらせ、こうして 彼 をエジプト 全国 のつかさとした。
44 ついでパロはヨセフに 言 った、「わたしはパロである。あなたの 許 しがなければエジプト 全国 で、だれも 手足 を 上 げることはできない」。
45 パロはヨセフの 名 をザフナテ・パネアと 呼 び、オンの 祭司 ポテペラの 娘 アセナテを 妻 として 彼 に 与 えた。ヨセフはエジプトの 国 を 巡 った。
46 ヨセフがエジプトの 王 パロの 前 に 立 った 時 は三十 歳 であった。ヨセフはパロの 前 を 出 て、エジプト 全国 をあまねく 巡 った。
47 さて七 年 の 豊作 のうちに 地 は 豊 かに 物 を 産 した。
48 そこでヨセフはエジプトの 国 にできたその七 年間 の 食糧 をことごとく 集 め、その 食糧 を 町々 に 納 めさせた。すなわち 町 の 周囲 にある 畑 の 食糧 をその 町 の 中 に 納 めさせた。
49 ヨセフは 穀物 を 海 の 砂 のように、非常 に 多 くたくわえ、量 りきれなくなったので、ついに 量 ることをやめた。
50 ききんの 年 の 来 る 前 にヨセフにふたりの 子 が 生 れた。これらはオンの 祭司 ポテペラの 娘 アセナテが 産 んだのである。
51 ヨセフは 長子 の 名 をマナセと 名 づけて 言 った、「神 がわたしにすべての 苦難 と 父 の 家 のすべての 事 を 忘 れさせられた」。
52 また 次 の 子 の 名 をエフライムと 名 づけて 言 った、「神 がわたしを 悩 みの 地 で 豊 かにせられた」。
53 エジプトの 国 にあった七 年 の 豊作 が 終 り、
54 ヨセフの 言 ったように七 年 のききんが 始 まった。そのききんはすべての 国 にあったが、エジプト 全国 には 食物 があった。
55 やがてエジプト 全国 が 飢 えた 時、民 はパロに 食物 を 叫 び 求 めた。そこでパロはすべてのエジプトびとに 言 った、「ヨセフのもとに 行 き、彼 の 言 うようにせよ」。
56 ききんが 地 の 全面 にあったので、ヨセフはすべての 穀倉 を 開 いて、エジプトびとに 売 った。ききんはますますエジプトの 国 に 激 しくなった。
57 ききんが 全 地 に 激 しくなったので、諸国 の 人々 がエジプトのヨセフのもとに 穀物 を 買 うためにきた。
Chapter 42
1 ヤコブはエジプトに 穀物 があると 知 って、むすこたちに 言 った、「あなたがたはなぜ 顔 を 見合 わせているのですか」。
2 また 言 った、「エジプトに 穀物 があるということだが、あなたがたはそこへ 下 って 行 って、そこから、われわれのため 穀物 を 買 ってきなさい。そうすれば、われわれは 生 きながらえて、死 を 免 れるであろう」。
3 そこでヨセフの十 人 の 兄弟 は 穀物 を 買 うためにエジプトへ 下 った。
4 しかし、ヤコブはヨセフの 弟 ベニヤミンを 兄弟 たちと 一緒 にやらなかった。彼 が 災 に 会 うのを 恐 れたからである。
5 こうしてイスラエルの 子 らは 穀物 を 買 おうと 人々 に 交 じってやってきた。カナンの 地 にききんがあったからである。
6 ときにヨセフは 国 のつかさであって、国 のすべての 民 に 穀物 を 売 ることをしていた。ヨセフの 兄弟 たちはきて、地 にひれ 伏 し、彼 を 拝 した。
7 ヨセフは 兄弟 たちを 見 て、それと 知 ったが、彼 らに 向 かっては 知 らぬ 者 のようにし、荒々 しく 語 った。すなわち 彼 らに 言 った、「あなたがたはどこからきたのか」。彼 らは 答 えた、「食糧 を 買 うためにカナンの 地 からきました」。
8 ヨセフは、兄弟 たちであるのを 知 っていたが、彼 らはヨセフとは 知 らなかった。
9 ヨセフはかつて 彼 らについて 見 た 夢 を 思 い 出 して、彼 らに 言 った、「あなたがたは 回 し 者 で、この 国 のすきをうかがうためにきたのです」。
10 彼 らはヨセフに 答 えた、「いいえ、わが 主 よ、しもべらはただ 食糧 を 買 うためにきたのです。
11 われわれは 皆、ひとりの 人 の 子 で、真実 な 者 です。しもべらは 回 し 者 ではありません」。
12 ヨセフは 彼 らに 言 った、「いや、あなたがたはこの 国 のすきをうかがうためにきたのです」。
13 彼 らは 言 った、「しもべらは十二 人 兄弟 で、カナンの 地 にいるひとりの 人 の 子 です。末 の 弟 は 今、父 と 一緒 にいますが、他 のひとりはいなくなりました」。
14 ヨセフは 彼 らに 言 った、「わたしが 言 ったとおり、あなたがたは 回 し 者 です。
15 あなたがたをこうしてためしてみよう。パロのいのちにかけて 誓 います。末 の 弟 がここにこなければ、あなたがたはここを 出 ることはできません。
16 あなたがたのひとりをやって 弟 を 連 れてこさせなさい。それまであなたがたをつないでおいて、あなたがたに 誠実 があるかどうか、あなたがたの 言葉 をためしてみよう。パロのいのちにかけて 誓 います。あなたがたは 確 かに 回 し 者 です」。
17 ヨセフは 彼 らをみな 一緒 に三 日 の 間、監禁所 に 入 れた。
18 三 日 目 にヨセフは 彼 らに 言 った、「こうすればあなたがたは 助 かるでしょう。わたしは 神 を 恐 れます。
19 もしあなたがたが 真実 な 者 なら、兄弟 のひとりをあなたがたのいる 監禁所 に 残 し、あなたがたは 穀物 を 携 えて 行 って、家族 の 飢 えを 救 いなさい。
20 そして 末 の 弟 をわたしのもとに 連 れてきなさい。そうすればあなたがたの 言葉 のほんとうであることがわかって、死 を 免 れるでしょう」。彼 らはそのようにした。
21 彼 らは 互 に 言 った、「確 かにわれわれは 弟 の 事 で 罪 がある。彼 がしきりに 願 った 時、その 心 の 苦 しみを 見 ながら、われわれは 聞 き 入 れなかった。それでこの 苦 しみに 会 うのだ」。
22 ルベンが 彼 らに 答 えて 言 った、「わたしはあなたがたに、この 子供 に 罪 を 犯 すなと 言 ったではないか。それにもかかわらず、あなたがたは 聞 き 入 れなかった。それで 彼 の 血 の 報 いを 受 けるのです」。
23 彼 らはヨセフが 聞 きわけているのを 知 らなかった。相互 の 間 に 通訳者 がいたからである。
24 ヨセフは 彼 らを 離 れて 行 って 泣 き、また 帰 ってきて 彼 らと 語 り、そのひとりシメオンを 捕 えて、彼 らの 目 の 前 で 縛 った。
25 そしてヨセフは 人々 に 命 じて、彼 らの 袋 に 穀物 を 満 たし、めいめいの 銀 を 袋 に 返 し、道中 の 食料 を 与 えさせた。ヨセフはこのように 彼 らにした。
26 彼 らは 穀物 をろばに 負 わせてそこを 去 った。
27 そのひとりが 宿 で、ろばに 飼葉 をやるため 袋 をあけて 見 ると、袋 の 口 に 自分 の 銀 があった。
28 彼 は 兄弟 たちに 言 った、「わたしの 銀 は 返 してある。しかも 見 よ、それは 袋 の 中 にある」。そこで 彼 らは 非常 に 驚 き、互 に 震 えながら 言 った、「神 がわれわれにされたこのことは 何事 だろう」。
29 こうして 彼 らはカナンの 地 にいる 父 ヤコブのもとに 帰 り、その 身 に 起 った 事 をことごとく 告 げて 言 った、
30 「あの 国 の 君 は、われわれに 荒々 しく 語 り、国 をうかがう 回 し 者 だと 言 いました。
31 われわれは 彼 に 答 えました、『われわれは 真実 な 者 であって 回 し 者 ではない。
32 われわれは十二 人 兄弟 で、同 じ 父 の 子 である。ひとりはいなくなり、末 の 弟 は 今 父 と 共 にカナンの 地 にいる』。
33 その 国 の 君 であるその 人 はわれわれに 言 いました、『わたしはこうしてあなたがたの 真実 な 者 であるのを 知 ろう。あなたがたは 兄弟 のひとりをわたしのもとに 残 し、穀物 を 携 えて 行 って、家族 の 飢 えを 救 いなさい。
34 そして 末 の 弟 をわたしのもとに 連 れてきなさい。そうすればあなたがたが 回 し 者 ではなく、真実 な 者 であるのを 知 って、あなたがたの 兄弟 を 返 し、この 国 であなたがたに 取引 させましょう』」。
35 彼 らが 袋 のものを 出 して 見 ると、めいめいの 金 包 みが 袋 の 中 にあったので、彼 らも 父 も 金 包 みを 見 て 恐 れた。
36 父 ヤコブは 彼 らに 言 った、「あなたがたはわたしに 子 を 失 わせた。ヨセフはいなくなり、シメオンもいなくなった。今度 はベニヤミンをも 取 り 去 る。これらはみなわたしの 身 にふりかかって 来 るのだ」。
37 ルベンは 父 に 言 った、「もしわたしが 彼 をあなたのもとに 連 れて 帰 らなかったら、わたしのふたりの 子 を 殺 してください。ただ 彼 をわたしの 手 にまかせてください。わたしはきっと、あなたのもとに 彼 を 連 れて 帰 ります」。
38 ヤコブは 言 った、「わたしの 子 はあなたがたと 共 に 下 って 行 ってはならない。彼 の 兄 は 死 に、ただひとり 彼 が 残 っているのだから。もしあなたがたの 行 く 道 で 彼 が 災 に 会 えば、あなたがたは、しらがのわたしを 悲 しんで 陰府 に 下 らせるであろう」。
Chapter 43
1 ききんはその 地 に 激 しかった。
2 彼 らがエジプトから 携 えてきた 穀物 を 食 い 尽 した 時、父 は 彼 らに 言 った、「また 行 って、われわれのために 少 しの 食糧 を 買 ってきなさい」。
3 ユダは 父 に 答 えて 言 った、「あの 人 はわれわれをきびしく 戒 めて、弟 が 一緒 でなければ、わたしの 顔 を 見 てはならないと 言 いました。
4 もしあなたが 弟 をわれわれと 一緒 にやってくださるなら、われわれは 下 って 行 って、あなたのために 食糧 を 買 ってきましょう。
5 しかし、もし 彼 をやられないなら、われわれは 下 って 行 きません。あの 人 がわれわれに、弟 が 一緒 でなければわたしの 顔 を 見 てはならないと 言 ったのですから」。
6 イスラエルは 言 った、「なぜ、もうひとりの 弟 があるとあの 人 に 言 って、わたしを 苦 しめるのか」。
7 彼 らは 言 った、「あの 人 がわれわれと 一族 とのことを 問 いただして、父 はまだ 生 きているか、もうひとりの 弟 があるかと 言 ったので、問 われるままに 答 えましたが、その 人 が、弟 を 連 れてこいと 言 おうとは、どうして 知 ることができたでしょう」。
8 ユダは 父 イスラエルに 言 った、「あの 子 をわたしと 一緒 にやってくだされば、われわれは 立 って 行 きましょう。そしてわれわれもあなたも、われわれの 子供 らも 生 きながらえ、死 を 免 れましょう。
9 わたしが 彼 の 身 を 請 け 合 います。わたしの 手 から 彼 を 求 めなさい。もしわたしが 彼 をあなたのもとに 連 れ 帰 って、あなたの 前 に 置 かなかったら、わたしはあなたに 対 して 永久 に 罪 を 負 いましょう。
10 もしわれわれがこんなにためらわなかったら、今 ごろは二 度 も 行 ってきたでしょう」。
11 父 イスラエルは 彼 らに 言 った、「それではこうしなさい。この 国 の 名産 を 器 に 入 れ、携 え 下 ってその 人 に 贈 り 物 にしなさい。すなわち 少 しの 乳香、少 しの 蜜、香料、もつやく、ふすだしう、あめんどう。
12 そしてその 上 に、倍額 の 銀 を 手 に 持 って 行 きなさい。また 袋 の 口 に 返 してあった 銀 は 持 って 行 って 返 しなさい。たぶんそれは 誤 りであったのでしょう。
13 弟 も 連 れ、立 って、またその 人 の 所 へ 行 きなさい。
14 どうか 全能 の 神 がその 人 の 前 であなたがたをあわれみ、もうひとりの 兄弟 とベニヤミンとを、返 させてくださるように。もしわたしが 子 を 失 わなければならないのなら、失 ってもよい」。
15 そこでその 人々 は 贈 り 物 を 取 り、また 倍額 の 銀 を 携 え、ベニヤミンを 連 れ、立 ってエジプトへ 下 り、ヨセフの 前 に 立 った。
16 ヨセフはベニヤミンが 彼 らと 共 にいるのを 見 て、家 づかさに 言 った、「この 人々 を 家 に 連 れて 行 き、獣 をほふって、したくするように。この 人々 は 昼、わたしと 一緒 に 食事 をします」。
17 その 人 はヨセフの 言 ったようにして、この 人々 をヨセフの 家 へ 連 れて 行 った。
18 ところがこの 人々 はヨセフの 家 へ 連 れて 行 かれたので 恐 れて 言 った、「初 めの 時 に 袋 に 返 してあったあの 銀 のゆえに、われわれを 引 き 入 れたのです。そしてわれわれを 襲 い、攻 め、捕 えて 奴隷 とし、われわれのろばをも 奪 うのです」。
19 彼 らはヨセフの 家 づかさに 近 づいて、家 の 入口 で、言 った、
20 「ああ、わが 主 よ、われわれは 最初、食糧 を 買 うために 下 ってきたのです。
21 ところが 宿 に 行 って 袋 をあけて 見 ると、めいめいの 銀 は 袋 の 口 にあって、銀 の 重 さは 元 のままでした。それでわれわれはそれを 持 って 参 りました。
22 そして 食糧 を 買 うために、ほかの 銀 をも 持 って 下 ってきました。われわれの 銀 を 袋 に 入 れた 者 が、だれであるかは 分 りません」。
23 彼 は 言 った、「安心 しなさい。恐 れてはいけません。その 宝 はあなたがたの 神、あなたがたの 父 の 神 が、あなたがたの 袋 に 入 れてあなたがたに 賜 わったのです。あなたがたの 銀 はわたしが 受 け 取 りました」。そして 彼 はシメオンを 彼 らの 所 へ 連 れてきた。
24 こうしてその 人 はこの 人々 をヨセフの 家 へ 導 き、水 を 与 えて 足 を 洗 わせ、また、ろばに 飼葉 を 与 えた。
25 彼 らはその 所 で 食事 をするのだと 聞 き、贈 り 物 を 整 えて、昼 にヨセフの 来 るのを 待 った。
26 さてヨセフが 家 に 帰 ってきたので、彼 らはその 家 に 携 えてきた 贈 り 物 をヨセフにささげ、地 に 伏 して、彼 を 拝 した。
27 ヨセフは 彼 らの 安否 を 問 うて 言 った、「あなたがたの 父、あなたがたがさきに 話 していたその 老人 は 無事 ですか。なお 生 きながらえておられますか」。
28 彼 らは 答 えた、「あなたのしもべ、われわれの 父 は 無事 で、なお 生 きながらえています」。そして 彼 らは、頭 をさげて 拝 した。
29 ヨセフは 目 をあげて 同 じ 母 の 子 である 弟 ベニヤミンを 見 て 言 った、「これはあなたがたが 前 にわたしに 話 した 末 の 弟 ですか」。また 言 った、「わが 子 よ、どうか 神 があなたを 恵 まれるように」。
30 ヨセフは 弟 なつかしさに 心 がせまり、急 いで 泣 く 場所 をたずね、へやにはいって 泣 いた。
31 やがて 彼 は 顔 を 洗 って 出 てきた。そして 自分 を 制 して 言 った、「食事 にしよう」。
32 そこでヨセフはヨセフ、彼 らは 彼 ら、陪食 のエジプトびとはエジプトびと、と 別々 に 席 に 着 いた。エジプトびとはヘブルびとと 共 に 食事 することができなかった。それはエジプトびとの 忌 むところであったからである。
33 こうして 彼 らはヨセフの 前 に、長子 は 長子 として、弟 は 弟 としてすわらせられたので、その 人々 は 互 に 驚 いた。
34 またヨセフの 前 から、めいめいの 分 が 運 ばれたが、ベニヤミンの 分 は 他 のいずれの 者 の 分 よりも五 倍 多 かった。こうして 彼 らは 飲 み、ヨセフと 共 に 楽 しんだ。
Chapter 44
1 さてヨセフは 家 づかさに 命 じて 言 った、「この 人々 の 袋 に、運 べるだけ 多 くの 食糧 を 満 たし、めいめいの 銀 を 袋 の 口 に 入 れておきなさい。
2 またわたしの 杯、銀 の 杯 をあの 年下 の 者 の 袋 の 口 に、穀物 の 代金 と 共 に 入 れておきなさい」。家 づかさはヨセフの 言葉 のとおりにした。
3 夜 が 明 けると、その 人々 と、ろばとは 送 り 出 されたが、
4 町 を 出 て、まだ 遠 くへ 行 かないうちに、ヨセフは 家 づかさに 言 った、「立 って、あの 人々 のあとを 追 いなさい。追 いついて、彼 らに 言 いなさい、『あなたがたはなぜ 悪 をもって 善 に 報 いるのですか。なぜわたしの 銀 の 杯 を 盗 んだのですか。
5 これはわたしの 主人 が 飲 む 時 に 使 い、またいつも 占 いに 用 いるものではありませんか。あなたがたのした 事 は 悪 いことです』」。
6 家 づかさが 彼 らに 追 いついて、これらの 言葉 を 彼 らに 告 げたとき、
7 彼 らは 言 った、「わが 主 は、どうしてそのようなことを 言 われるのですか。しもべらは 決 してそのようなことはいたしません。
8 袋 の 口 で 見 つけた 銀 でさえ、カナンの 地 からあなたの 所 に 持 ち 帰 ったほどです。どうして、われわれは 御 主人 の 家 から 銀 や 金 を 盗 みましょう。
9 しもべらのうちのだれの 所 でそれが 見 つかっても、その 者 は 死 に、またわれわれはわが 主 の 奴隷 となりましょう」。
10 家 づかさは 言 った、「それではあなたがたの 言葉 のようにしよう。杯 の 見 つかった 者 はわたしの 奴隷 とならなければならない。ほかの 者 は 無罪 です」。
11 そこで 彼 らは、めいめい 急 いで 袋 を 地 におろし、ひとりひとりその 袋 を 開 いた。
12 家 づかさは 年上 から 捜 し 始 めて 年下 に 終 ったが、杯 はベニヤミンの 袋 の 中 にあった。
13 そこで 彼 らは 衣服 を 裂 き、おのおの、ろばに 荷 を 負 わせて 町 に 引 き 返 した。
14 ユダと 兄弟 たちとは、ヨセフの 家 にはいったが、ヨセフがなおそこにいたので、彼 らはその 前 で 地 にひれ 伏 した。
15 ヨセフは 彼 らに 言 った、「あなたがたのこのしわざは 何事 ですか。わたしのような 人 は、必 ず 占 い 当 てることを 知 らないのですか」。
16 ユダは 言 った、「われわれはわが 主 に 何 を 言 い、何 を 述 べ 得 ましょう。どうしてわれわれは 身 の 潔白 をあらわし 得 ましょう。神 がしもべらの 罪 をあばかれました。われわれと、杯 を 持 っていた 者 とは 共 にわが 主 の 奴隷 となりましょう」。
17 ヨセフは 言 った、「わたしは 決 してそのようなことはしない。杯 を 持 っている 者 だけがわたしの 奴隷 とならなければならない。ほかの 者 は 安全 に 父 のもとへ 上 って 行 きなさい」。
18 この 時 ユダは 彼 に 近 づいて 言 った、「ああ、わが 主 よ、どうぞわが 主 の 耳 にひとこと 言 わせてください。しもべをおこらないでください。あなたはパロのようなかたです。
19 わが 主 はしもべらに 尋 ねて、『父 があるか、また 弟 があるか』と 言 われたので、
20 われわれはわが 主 に 言 いました、『われわれには 老齢 の 父 があり、また 年寄 り 子 の 弟 があります。その 兄 は 死 んで、同 じ 母 の 子 で 残 っているのは、ただこれだけですから 父 はこれを 愛 しています』。
21 その 時 あなたはしもべらに 言 われました、『その 者 をわたしの 所 へ 連 れてきなさい。わたしはこの 目 で 彼 を 見 よう』。
22 われわれはわが 主 に 言 いました。『その 子 供 は 父 を 離 れることができません。もし 父 を 離 れたら 父 は 死 ぬでしょう』。
23 しかし、あなたはしもべらに 言 われました、『末 の 弟 が 一緒 に 下 ってこなければ、おまえたちは 再 びわたしの 顔 を 見 ることはできない』。
24 それであなたのしもべである 父 のもとに 上 って、わが 主 の 言葉 を 彼 に 告 げました。
25 ところで、父 が『おまえたちは 再 び 行 って、われわれのために 少 しの 食糧 を 買 ってくるように』と 言 ったので、
26 われわれは 言 いました、『われわれは 下 って 行 けません。もし 末 の 弟 が 一緒 であれば 行 きましょう。末 の 弟 が 一緒 でなければ、あの 人 の 顔 を 見 ることができません』。
27 あなたのしもべである 父 は 言 いました、『おまえたちの 知 っているとおり、妻 はわたしにふたりの 子 を 産 んだ。
28 ひとりは 外 へ 出 たが、きっと 裂 き 殺 されたのだと 思 う。わたしは 今 になっても 彼 を 見 ない。
29 もしおまえたちがこの 子 をもわたしから 取 って 行 って、彼 が 災 に 会 えば、おまえたちは、しらがのわたしを 悲 しんで 陰府 に 下 らせるであろう』。
30 わたしがあなたのしもべである 父 のもとに 帰 って 行 くとき、もしこの 子供 が 一緒 にいなかったら、どうなるでしょう。父 の 魂 は 子供 の 魂 に 結 ばれているのです。
31 この 子供 がわれわれと 一緒 にいないのを 見 たら、父 は 死 ぬでしょう。そうすればしもべらは、あなたのしもべであるしらがの 父 を 悲 しんで 陰府 に 下 らせることになるでしょう。
32 しもべは 父 にこの 子供 の 身 を 請 け 合 って『もしわたしがこの 子 をあなたのもとに 連 れ 帰 らなかったら、わたしは 父 に 対 して 永久 に 罪 を 負 いましょう』と 言 ったのです。
33 どうか、しもべをこの 子供 の 代 りに、わが 主 の 奴隷 としてとどまらせ、この 子供 を 兄弟 たちと 一緒 に 上 り 行 かせてください、
34 この 子供 を 連 れずに、どうしてわたしは 父 のもとに 上 り 行 くことができましょう。父 が 災 に 会 うのを 見 るに 忍 びません」。
Chapter 45
1 そこでヨセフはそばに 立 っているすべての 人 の 前 で、自分 を 制 しきれなくなったので、「人 は 皆 ここから 出 てください」と 呼 ばわった。それゆえヨセフが 兄弟 たちに 自分 のことを 明 かした 時、ひとりも 彼 のそばに 立 っている 者 はなかった。
2 ヨセフは 声 をあげて 泣 いた。エジプトびとはこれを 聞 き、パロの 家 もこれを 聞 いた。
3 ヨセフは 兄弟 たちに 言 った、「わたしはヨセフです。父 はまだ 生 きながらえていますか」。兄弟 たちは 答 えることができなかった。彼 らは 驚 き 恐 れたからである。
4 ヨセフは 兄弟 たちに 言 った、「わたしに 近寄 ってください」。彼 らが 近寄 ったので 彼 は 言 った、「わたしはあなたがたの 弟 ヨセフです。あなたがたがエジプトに 売 った 者 です。
5 しかしわたしをここに 売 ったのを 嘆 くことも、悔 むこともいりません。神 は 命 を 救 うために、あなたがたよりさきにわたしをつかわされたのです。
6 この二 年 の 間、国中 にききんがあったが、なお五 年 の 間 は 耕 すことも 刈 り 入 れることもないでしょう。
7 神 は、あなたがたのすえを 地 に 残 すため、また 大 いなる 救 をもってあなたがたの 命 を 助 けるために、わたしをあなたがたよりさきにつかわされたのです。
8 それゆえわたしをここにつかわしたのはあなたがたではなく、神 です。神 はわたしをパロの 父 とし、その 全家 の 主 とし、またエジプト 全国 のつかさとされました。
9 あなたがたは 父 のもとに 急 ぎ 上 って 言 いなさい、『あなたの 子 ヨセフが、こう 言 いました。神 がわたしをエジプト 全国 の 主 とされたから、ためらわずにわたしの 所 へ 下 ってきなさい。
10 あなたはゴセンの 地 に 住 み、あなたも、あなたの 子 らも、孫 たちも、羊 も 牛 も、その 他 のものもみな、わたしの 近 くにおらせます。
11 ききんはなお五 年 つづきますから、あなたも、家族 も、その 他 のものも、みな 困 らないように、わたしはそこで 養 いましょう』。
12 あなたがたと 弟 ベニヤミンが 目 に 見 るとおり、あなたがたに 口 ら 語 っているのはこのわたしです。
13 あなたがたはエジプトでの、わたしのいっさいの 栄 えと、あなたがたが 見 るいっさいの 事 をわたしの 父 に 告 げ、急 いでわたしの 父 をここへ 連 れ 下 りなさい」。
14 そしてヨセフは 弟 ベニヤミンのくびを 抱 いて 泣 き、ベニヤミンも 彼 のくびを 抱 いて 泣 いた。
15 またヨセフはすべての 兄弟 たちに 口 づけし、彼 らを 抱 いて 泣 いた。そして 後、兄弟 たちは 彼 と 語 った。
16 時 に、「ヨセフの 兄弟 たちがきた」と 言 ううわさがパロの 家 に 聞 えたので、パロとその 家来 たちとは 喜 んだ。
17 パロはヨセフに 言 った、「兄弟 たちに 言 いなさい、『あなたがたは、こうしなさい。獣 に 荷 を 負 わせてカナンの 地 へ 行 き、
18 父 と 家族 とを 連 れてわたしのもとへきなさい。わたしはあなたがたに、エジプトの 地 の 良 い 物 を 与 えます。あなたがたは、この 国 の 最 も 良 いものを 食 べるでしょう』。
19 また 彼 らに 命 じなさい、『あなたがたは、こうしなさい。幼 な 子 たちと 妻 たちのためにエジプトの 地 から 車 をもって 行 き、父 を 連 れてきなさい。
20 家財 に 心 を 引 かれてはなりません。エジプト 全国 の 良 い 物 は、あなたがたのものだからです』」。
21 イスラエルの 子 らはそのようにした。ヨセフはパロの 命 に 従 って 彼 らに 車 を 与 え、また 途中 の 食料 をも 与 えた。
22 まためいめいに 晴着 を 与 えたが、ベニヤミンには 銀 三百シケルと 晴着 五 着 とを 与 えた。
23 また 彼 は 父 に 次 のようなものを 贈 った。すなわちエジプトの 良 い 物 を 負 わせたろば十 頭 と、穀物、パン 及 び 父 の 道中 の 食料 を 負 わせた 雌 ろば十 頭。
24 こうしてヨセフは 兄弟 たちを 送 り 去 らせ、彼 らに 言 った、「途中 で 争 ってはなりません」。
25 彼 らはエジプトから 上 ってカナンの 地 に 入 り、父 ヤコブのもとへ 行 って、
26 彼 に 言 った、「ヨセフはなお 生 きていてエジプト 全国 のつかさです」。ヤコブは 気 が 遠 くなった。彼 らの 言 うことが 信 じられなかったからである。
27 そこで 彼 らはヨセフが 語 った 言葉 を 残 らず 彼 に 告 げた。父 ヤコブはヨセフが 自分 を 乗 せるために 送 った 車 を 見 て 元 気 づいた。
28 そしてイスラエルは 言 った、「満足 だ。わが 子 ヨセフがまだ 生 きている。わたしは 死 ぬ 前 に 行 って 彼 を 見 よう」。
Chapter 46
1 イスラエルはその 持 ち 物 をことごとく 携 えて 旅立 ち、ベエルシバに 行 って、父 イサクの 神 に 犠牲 をささげた。
2 この 時、神 は 夜 の 幻 のうちにイスラエルに 語 って 言 われた、「ヤコブよ、ヤコブよ」。彼 は 言 った、「ここにいます」。
3 神 は 言 われた、「わたしは 神、あなたの 父 の 神 である。エジプトに 下 るのを 恐 れてはならない。わたしはあそこであなたを 大 いなる 国民 にする。
4 わたしはあなたと 一緒 にエジプトに 下 り、また 必 ずあなたを 導 き 上 るであろう。ヨセフが 手 ずからあなたの 目 を 閉 じるであろう」。
5 そしてヤコブはベエルシバを 立 った。イスラエルの 子 らはヤコブを 乗 せるためにパロの 送 った 車 に、父 ヤコブと 幼 な 子 たちと 妻 たちを 乗 せ、
6 またその 家畜 とカナンの 地 で 得 た 財産 を 携 え、ヤコブとその 子孫 は 皆 ともにエジプトへ 行 った。
7 こうしてヤコブはその 子 と、孫 および 娘 と 孫娘 などその 子孫 をみな 連 れて、エジプトへ 行 った。
8 イスラエルの 子 らでエジプトへ 行 った 者 の 名 は 次 のとおりである。すなわちヤコブとその 子 らであるが、ヤコブの 長子 はルベン。
9 ルベンの 子 らはハノク、パル、ヘヅロン、カルミ。
10 シメオンの 子 らはエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハル 及 びカナンの 女 の 産 んだ 子 シャウル。
11 レビの 子 らはゲルション、コハテ、メラリ。
12 ユダの 子 らはエル、オナン、シラ、ペレヅ、ゼラ。エルとオナンはカナンの 地 で 死 んだ。ペレヅの 子 らはヘヅロンとハムル。
13 イッサカルの 子 らはトラ、プワ、ヨブ、シムロン。
14 ゼブルンの 子 らはセレデ、エロン、ヤリエル。
15 これらと 娘 デナとはレアがパダンアラムでヤコブに 産 んだ 子 らである。その 子 らと 娘 らは 合 わせて三十三 人。
16 ガドの 子 らはゼポン、ハギ、シュニ、エヅボン、エリ、アロデ、アレリ。
17 アセルの 子 らはエムナ、イシワ、イスイ、ベリアおよび 妹 サラ。ベリアの 子 らはヘベルとマルキエル。
18 これらはラバンが 娘 レアに 与 えたジルパの 子 らである。彼女 はこれらをヤコブに 産 んだ。合 わせて十六 人。
19 ヤコブの 妻 ラケルの 子 らはヨセフとベニヤミンとである。
20 エジプトの 国 でヨセフにマナセとエフライムとが 生 れた。これはオンの 祭司 ポテペラの 娘 アセナテが 彼 に 産 んだ 者 である。
21 ベニヤミンの 子 らはベラ、ベケル、アシベル、ゲラ、ナアマン、エヒ、ロシ、ムッピム、ホパム、アルデ。
22 これらはラケルがヤコブに 産 んだ 子 らである。合 わせて十四 人。
23 ダンの 子 はホシム。
24 ナフタリの 子 らはヤジエル、グニ、エゼル、シレム。
25 これらはラバンが 娘 ラケルに 与 えたビルハの 子 らである。彼女 はこれらをヤコブに 産 んだ。合 わせて七 人。
26 ヤコブと 共 にエジプトへ 行 ったすべての 者、すなわち 彼 の 身 から 出 た 者 はヤコブの 子 らの 妻 をのぞいて、合 わせて六十六 人 であった。
27 エジプトでヨセフに 生 れた 子 がふたりあった。エジプトへ 行 ったヤコブの 家 の 者 は 合 わせて七十 人 であった。
28 さてヤコブはユダをさきにヨセフにつかわして、ゴセンで 会 おうと 言 わせた。そして 彼 らはゴセンの 地 へ 行 った。
29 ヨセフは 車 を 整 えて、父 イスラエルを 迎 えるためにゴセンに 上 り、父 に 会 い、そのくびを 抱 き、くびをかかえて 久 しく 泣 いた。
30 時 に、イスラエルはヨセフに 言 った、「あなたがなお 生 きていて、わたしはあなたの 顔 を 見 たので 今 は 死 んでもよい」。
31 ヨセフは 兄弟 たちと 父 の 家族 とに 言 った、「わたしは 上 ってパロに 言 おう、『カナンの 地 にいたわたしの 兄弟 たちと 父 の 家族 とがわたしの 所 へきました。
32 この 者 らは 羊 を 飼 う 者、家畜 の 牧者 で、その 羊、牛 および 持 ち 物 をみな 携 えてきました』。
33 もしパロがあなたがたを 召 して、『あなたがたの 職業 は 何 か』と 言 われたら、
34 『しもべらは 幼 い 時 から、ずっと 家畜 の 牧者 です。われわれも、われわれの 先祖 もそうです』と 言 いなさい。そうすればあなたがたはゴセンの 地 に 住 むことができましょう。羊飼 はすべて、エジプトびとの 忌 む 者 だからです」。
Chapter 47
1 ヨセフは 行 って、パロに 言 った、「わたしの 父 と 兄弟 たち、その 羊、牛 およびすべての 持 ち 物 がカナンの 地 からきて、今 ゴセンの 地 におります」。
2 そしてその 兄弟 のうちの五 人 を 連 れて 行 って、パロに 会 わせた。
3 パロはヨセフの 兄弟 たちに 言 った、「あなたがたの 職業 は 何 か」。彼 らはパロに 言 った、「しもべらは 羊 を 飼 う 者 です。われわれも、われわれの 先祖 もそうです」。
4 彼 らはまたパロに 言 った、「この 国 に 寄留 しようとしてきました。カナンの 地 はききんが 激 しく、しもべらの 群 れのための 牧草 がないのです。どうかしもべらをゴセンの 地 に 住 ませてください」。
5 パロはヨセフに 言 った、「あなたの 父 と 兄弟 たちとがあなたのところにきた。
6 エジプトの 地 はあなたの 前 にある。地 の 最 も 良 い 所 にあなたの 父 と 兄弟 たちとを 住 ませなさい。ゴセンの 地 に 彼 らを 住 ませなさい。もしあなたが 彼 らのうちに 有能 な 者 があるのを 知 っているなら、その 者 にわたしの 家畜 をつかさどらせなさい」。
7 そこでヨセフは 父 ヤコブを 導 いてパロの 前 に 立 たせた。ヤコブはパロを 祝福 した。
8 パロはヤコブに 言 った、「あなたの 年 はいくつか」。
9 ヤコブはパロに 言 った、「わたしの 旅路 のとしつきは、百三十 年 です。わたしのよわいの 日 はわずかで、ふしあわせで、わたしの 先祖 たちのよわいの 日 と 旅路 の 日 には 及 びません」。
10 ヤコブはパロを 祝福 し、パロの 前 を 去 った。
11 ヨセフはパロの 命 じたように、父 と 兄弟 たちとのすまいを 定 め、彼 らにエジプトの 国 で 最 も 良 い 地、ラメセスの 地 を 所有 として 与 えた。
12 またヨセフは 父 と 兄弟 たちと 父 の 全家 とに、家族 の 数 にしたがい、食物 を 与 えて 養 った。
13 さて、ききんが 非常 に 激 しかったので、全 地 に 食物 がなく、エジプトの 国 もカナンの 国 も、ききんのために 衰 えた。
14 それでヨセフは 人々 が 買 った 穀物 の 代金 としてエジプトの 国 とカナンの 国 にあった 銀 をみな 集 め、その 銀 をパロの 家 に 納 めた。
15 こうしてエジプトの 国 とカナンの 国 に 銀 が 尽 きたとき、エジプトびとはみなヨセフのもとにきて 言 った、「食物 をください。銀 が 尽 きたからとて、どうしてあなたの 前 で 死 んでよいでしょう」。
16 ヨセフは 言 った、「あなたがたの 家畜 を 出 しなさい。銀 が 尽 きたのなら、あなたがたの 家畜 と 引 き 替 えで 食物 をわたそう」。
17 彼 らはヨセフの 所 へ 家畜 をひいてきたので、ヨセフは 馬 と 羊 の 群 れと 牛 の 群 れ 及 びろばと 引 き 替 えで、食物 を 彼 らにわたした。こうして 彼 はその 年、すべての 家畜 と 引 き 替 えた 食物 で 彼 らを 養 った。
18 やがてその 年 は 暮 れ、次 の 年、人々 はまたヨセフの 所 へきて 言 った、「わが 主 には 何事 も 隠 しません。われわれの 銀 は 尽 き、獣 の 群 れもわが 主 のものになって、われわれのからだと 田地 のほかはわが 主 の 前 に 何 も 残 っていません。
19 われわれはどうして 田地 と 一緒 に、あなたの 目 の 前 で 滅 んでよいでしょう。われわれと 田地 とを 食物 と 引 き 替 えで 買 ってください。われわれは 田地 と 一緒 にパロの 奴隷 となりましょう。また 種 をください。そうすればわれわれは 生 きながらえ、死 を 免 れて、田地 も 荒 れないでしょう」。
20 そこでヨセフはエジプトの 田地 をみなパロのために 買 い 取 った。ききんがエジプトびとに、きびしかったので、めいめいその 田畑 を 売 ったからである。こうして 地 はパロのものとなった。
21 そしてヨセフはエジプトの 国境 のこの 端 からかの 端 まで 民 を 奴隷 とした。
22 ただ 祭司 の 田地 は 買 い 取 らなかった。祭司 にはパロの 給与 があって、パロが 与 える 給与 で 生活 していたので、その 田地 を 売 らなかったからである。
23 ヨセフは 民 に 言 った、「わたしはきょう、あなたがたとその 田地 とを 買 い 取 って、パロのものとした。あなたがたに 種 をあげるから 地 にまきなさい。
24 収穫 の 時 は、その五 分 の一をパロに 納 め、五 分 の四を 自分 のものとして 田畑 の 種 とし、自分 と 家族 の 食糧 とし、また 子供 の 食糧 としなさい」。
25 彼 らは 言 った、「あなたはわれわれの 命 をお 救 いくださった。どうかわが 主 の 前 に 恵 みを 得 させてください。われわれはパロの 奴隷 になりましょう」。
26 ヨセフはエジプトの 田地 について、収穫 の五 分 の一をパロに 納 めることをおきてとしたが、それは 今日 に 及 んでいる。ただし 祭司 の 田地 だけはパロのものとならなかった。
27 さてイスラエルはエジプトの 国 でゴセンの 地 に 住 み、そこで 財産 を 得、子 を 生 み、大 いにふえた。
28 ヤコブはエジプトの 国 で十七 年 生 きながらえた。ヤコブのよわいの 日 は百四十七 年 であった。
29 イスラエルは 死 ぬ 時 が 近 づいたので、その 子 ヨセフを 呼 んで 言 った、「もしわたしがあなたの 前 に 恵 みを 得 るなら、どうか 手 をわたしのももの 下 に 入 れて 誓 い、親切 と 誠実 とをもってわたしを 取 り 扱 ってください。どうかわたしをエジプトには 葬 らないでください。
30 わたしが 先祖 たちと 共 に 眠 るときには、わたしをエジプトから 運 び 出 して 先祖 たちの 墓 に 葬 ってください」。ヨセフは 言 った、「あなたの 言 われたようにいたします」。
31 ヤコブがまた、「わたしに 誓 ってください」と 言 ったので、彼 は 誓 った。イスラエルは 床 のかしらで 拝 んだ。
Chapter 48
1 これらの 事 の 後 に、「あなたの 父 は、いま 病気 です」とヨセフに 告 げる 者 があったので、彼 はふたりの 子、マナセとエフライムとを 連 れて 行 った。
2 時 に 人 がヤコブに 告 げて、「あなたの 子 ヨセフがあなたのもとにきました」と 言 ったので、イスラエルは 努 めて 床 の 上 にすわった。
3 そしてヤコブはヨセフに 言 った、「先 に 全能 の 神 がカナンの 地 ルズでわたしに 現 れ、わたしを 祝福 して、
4 言 われた、『わたしはおまえに 多 くの 子 を 得 させ、おまえをふやし、おまえを 多 くの 国民 としよう。また、この 地 をおまえの 後 の 子孫 に 与 えて 永久 の 所有 とさせる』。
5 エジプトにいるあなたの 所 にわたしが 来 る 前 に、エジプトの 国 で 生 れたあなたのふたりの 子 はいまわたしの 子 とします。すなわちエフライムとマナセとはルベンとシメオンと 同 じようにわたしの 子 とします。
6 ただし 彼 らの 後 にあなたに 生 れた 子 らはあなたのものとなります。しかし、その 嗣 業 はその 兄弟 の 名 で 呼 ばれるでしょう。
7 わたしがパダンから 帰 って 来 る 途中 ラケルはカナンの 地 で 死 に、わたしは 悲 しんだ。そこはエフラタに 行 くまでには、なお 隔 たりがあった。わたしはエフラタ、すなわちベツレヘムへ 行 く 道 のかたわらに 彼女 を 葬 った」。
8 ところで、イスラエルはヨセフの 子 らを 見 て 言 った、「これはだれですか」。
9 ヨセフは 父 に 言 った、「神 がここでわたしにくださった 子 どもです」。父 は 言 った、「彼 らをわたしの 所 に 連 れてきて、わたしに 祝福 させてください」。
10 イスラエルの 目 は 老齢 のゆえに、かすんで 見 えなかったが、ヨセフが 彼 らを 父 の 所 に 近寄 らせたので、父 は 彼 らに 口 づけし、彼 らを 抱 いた。
11 そしてイスラエルはヨセフに 言 った、「あなたの 顔 が 見 られようとは 思 わなかったのに、神 はあなたの 子 らをもわたしに 見 させてくださった」。
12 そこでヨセフは 彼 らをヤコブのひざの 間 から 取 り 出 し、地 に 伏 して 拝 した。
13 ヨセフはエフライムを 右 の 手 に 取 ってイスラエルの 左 の 手 に 向 かわせ、マナセを 左 の 手 に 取 ってイスラエルの 右 の 手 に 向 かわせ、ふたりを 近寄 らせた。
14 すると、イスラエルは 右 の 手 を 伸 べて 弟 エフライムの 頭 に 置 き、左 の 手 をマナセの 頭 に 置 いた。マナセは 長子 であるが、ことさらそのように 手 を 置 いたのである。
15 そしてヨセフを 祝福 して 言 った、「わが 先祖 アブラハムとイサクの 仕 えた 神、生 れてからきょうまでわたしを 養 われた 神、
16 すべての 災 からわたしをあがなわれたみ 使 よ、この 子供 たちを 祝福 してください。またわが 名 と 先祖 アブラハムとイサクの 名 とが、彼 らによって 唱 えられますように、また 彼 らが 地 の 上 にふえひろがりますように」。
17 ヨセフは 父 が 右 の 手 をエフライムの 頭 に 置 いているのを 見 て 不満 に 思 い、父 の 手 を 取 ってエフライムの 頭 からマナセの 頭 へ 移 そうとした。
18 そしてヨセフは 父 に 言 った、「父 よ、そうではありません。こちらが 長子 です。その 頭 に 右 の 手 を 置 いてください」。
19 父 は 拒 んで 言 った、「わかっている。子 よ、わたしにはわかっている。彼 もまた一つの 民 となり、また 大 いなる 者 となるであろう。しかし 弟 は 彼 よりも 大 いなる 者 となり、その 子孫 は 多 くの 国民 となるであろう」。
20 こうして 彼 はこの 日、彼 らを 祝福 して 言 った、「あなたを 指 して、イスラエルは、人 を 祝福 して 言 うであろう、『神 があなたをエフライムのごとく、またマナセのごとくにせられるように』」。このように、彼 はエフライムをマナセの 先 に 立 てた。
21 イスラエルはまたヨセフに 言 った、「わたしはやがて 死 にます。しかし、神 はあなたがたと 共 におられて、あなたがたを 先祖 の 国 に 導 き 返 されるであろう。
22 なおわたしは一つの 分 を 兄弟 よりも 多 くあなたに 与 える。これはわたしがつるぎと 弓 とを 持 ってアモリびとの 手 から 取 ったものである」。
Chapter 49
1 ヤコブはその 子 らを 呼 んで 言 った、「集 まりなさい。後 の 日 に、あなたがたの 上 に 起 ることを、告 げましょう、
2 ヤコブの 子 らよ、集 まって 聞 け。父 イスラエルのことばを 聞 け。
3 ルベンよ、あなたはわが 長子、わが 勢 い、わが 力 のはじめ、威光 のすぐれた 者、権力 のすぐれた 者。
4 しかし、沸 き 立 つ 水 のようだから、もはや、すぐれた 者 ではあり 得 ない。あなたは 父 の 床 に 上 って 汚 した。ああ、あなたはわが 寝床 に 上 った。
5 シメオンとレビとは 兄弟。彼 らのつるぎは 暴虐 の 武器。
6 わが 魂 よ、彼 らの 会議 に 臨 むな。わが 栄 えよ、彼 らのつどいに 連 なるな。彼 らは 怒 りに 任 せて 人 を 殺 し、ほしいままに 雄牛 の 足 の 筋 を 切 った。
7 彼 らの 怒 りは、激 しいゆえにのろわれ、彼 らの 憤 りは、はなはだしいゆえにのろわれる。わたしは 彼 らをヤコブのうちに 分 け、イスラエルのうちに 散 らそう。
8 ユダよ、兄弟 たちはあなたをほめる。あなたの 手 は 敵 のくびを 押 え、父 の 子 らはあなたの 前 に 身 をかがめるであろう。
9 ユダは、ししの 子。わが 子 よ、あなたは 獲物 をもって 上 って 来 る。彼 は 雄 じしのようにうずくまり、雌 じしのように 身 を 伏 せる。だれがこれを 起 すことができよう。
10 つえはユダを 離 れず、立法 者 のつえはその 足 の 間 を 離 れることなく、シロの 来 る 時 までに 及 ぶであろう。もろもろの 民 は 彼 に 従 う。
11 彼 はそのろばの 子 をぶどうの 木 につなぎ、その 雌 ろばの 子 を 良 きぶどうの 木 につなぐ。彼 はその 衣服 をぶどう 酒 で 洗 い、その 着物 をぶどうの 汁 で 洗 うであろう。
12 その 目 はぶどう 酒 によって 赤 く、その 歯 は 乳 によって 白 い。
13 ゼブルンは 海 べに 住 み、舟 の 泊 まる 港 となって、その 境 はシドンに 及 ぶであろう。
14 イッサカルはたくましいろば、彼 は 羊 のおりの 間 に 伏 している。
15 彼 は 定住 の 地 を 見 て 良 しとし、その 国 を 見 て 楽 しとした。彼 はその 肩 を 下 げてにない、奴隷 となって 追 い 使 われる。
16 ダンはおのれの 民 をさばくであろう、イスラエルのほかの 部族 のように。
17 ダンは 道 のかたわらのへび、道 のほとりのまむし。馬 のかかとをかんで、乗 る 者 をうしろに 落 すであろう。
18 主 よ、わたしはあなたの 救 を 待 ち 望 む。
19 ガドには 略奪者 が 迫 る。しかし 彼 はかえって 敵 のかかとに 迫 るであろう。
20 アセルはその 食物 がゆたかで、王 の 美味 をいだすであろう。
21 ナフタリは 放 たれた 雌 じか、彼 は 美 しい 子 じかを 生 むであろう。
22 ヨセフは 実 を 結 ぶ 若木、泉 のほとりの 実 を 結 ぶ 若木。その 枝 は、かきねを 越 えるであろう。
23 射 る 者 は 彼 を 激 しく 攻 め、彼 を 射、彼 をいたく 悩 ました。
24 しかし 彼 の 弓 はなお 強 く、彼 の 腕 は 素早 い。これはヤコブの 全能者 の 手 により、イスラエルの 岩 なる 牧者 の 名 により、
25 あなたを 助 ける 父 の 神 により、また 上 なる 天 の 祝福、下 に 横 たわる 淵 の 祝福、乳 ぶさと 胎 の 祝福 をもって、あなたを 恵 まれる 全能者 による。
26 あなたの 父 の 祝福 は 永遠 の 山 の 祝福 にまさり、永久 の 丘 の 賜物 にまさる。これらの 祝福 はヨセフのかしらに 帰 し、その 兄弟 たちの 君 たる 者 の 頭 の 頂 に 帰 する。
27 ベニヤミンはかき 裂 くおおかみ、朝 にその 獲物 を 食 らい、夕 にその 分 捕物 を 分 けるであろう」。
28 すべてこれらはイスラエルの十二の 部族 である。そしてこれは 彼 らの 父 が 彼 らに 語 り、彼 らを 祝福 したもので、彼 は 祝福 すべきところに 従 って、彼 らおのおのを 祝福 した。
29 彼 はまた 彼 らに 命 じて 言 った、「わたしはわが 民 に 加 えられようとしている。あなたがたはヘテびとエフロンの 畑 にあるほら 穴 に、わたしの 先祖 たちと 共 にわたしを 葬 ってください。
30 そのほら 穴 はカナンの 地 のマムレの 東 にあるマクペラの 畑 にあり、アブラハムがヘテびとエフロンから 畑 と 共 に 買 い 取 り、所有 の 墓地 としたもので、
31 そこにアブラハムと 妻 サラとが 葬 られ、イサクと 妻 リベカもそこに 葬 られたが、わたしはまたそこにレアを 葬 った。
32 あの 畑 とその 中 にあるほら 穴 とはヘテの 人々 から 買 ったものです」。
33 こうしてヤコブは 子 らに 命 じ 終 って、足 を 床 におさめ、息 絶 えて、その 民 に 加 えられた。
Chapter 50
1 ヨセフは 父 の 顔 に 伏 して 泣 き、口 づけした。
2 そしてヨセフは 彼 のしもべである 医者 たちに、父 に 薬 を 塗 ることを 命 じたので、医者 たちはイスラエルに 薬 を 塗 った。
3 このために四十 日 を 費 した。薬 を 塗 るにはこれほどの 日 数 を 要 するのである。エジプトびとは七十 日 の 間、彼 のために 泣 いた。
4 彼 のために 泣 く 日 が 過 ぎて、ヨセフはパロの 家 の 者 に 言 った、「今 もしわたしがあなたがたの 前 に 恵 みを 得 るなら、どうかパロに 伝 えてください。
5 『わたしの 父 はわたしに 誓 わせて 言 いました「わたしはやがて 死 にます。カナンの 地 に、わたしが 掘 って 置 いた 墓 に 葬 ってください」。それで、どうかわたしを 上 って 行 かせ、父 を 葬 らせてください。そうすれば、わたしはまた 帰 ってきます』」。
6 パロは 言 った、「あなたの 父 があなたに 誓 わせたように 上 って 行 って 彼 を 葬 りなさい」。
7 そこでヨセフは 父 を 葬 るために 上 って 行 った。彼 と 共 に 上 った 者 はパロのもろもろの 家来 たち、パロの 家 の 長老 たち、エジプトの 国 のもろもろの 長老 たち、
8 ヨセフの 全家 とその 兄弟 たち 及 びその 父 の 家族 であった。ただ 子供 と 羊 と 牛 はゴセンの 地 に 残 した。
9 また 戦車 と 騎兵 も 彼 と 共 に 上 ったので、その 行列 はたいそう 盛 んであった。
10 彼 らはヨルダンの 向 こうのアタデの 打 ち 場 に 行 き 着 いて、そこで 大 いに 嘆 き、非常 に 悲 しんだ。そしてヨセフは 七日 の 間 父 のために 嘆 いた。
11 その 地 の 住民、カナンびとがアタデの 打 ち 場 の 嘆 きを 見 て、「これはエジプトびとの 大 いなる 嘆 きだ」と 言 ったので、その 所 の 名 はアベル・ミツライムと 呼 ばれた。これはヨルダンの 向 こうにある。
12 ヤコブの 子 らは 命 じられたようにヤコブにおこなった。
13 すなわちその 子 らは 彼 をカナンの 地 へ 運 んで 行 って、マクペラの 畑 のほら 穴 に 葬 った。このほら 穴 はマムレの 東 にあって、アブラハムがヘテびとエフロンから 畑 と 共 に 買 って、所有 の 墓地 としたものである。
14 ヨセフは 父 を 葬 った 後、その 兄弟 たち 及 びすべて 父 を 葬 るために 一緒 に 上 った 者 と 共 にエジプトに 帰 った。
15 ヨセフの 兄弟 たちは 父 の 死 んだのを 見 て 言 った、「ヨセフはことによるとわれわれを 憎 んで、われわれが 彼 にしたすべての 悪 に、仕返 しするに 違 いない」。
16 そこで 彼 らはことづけしてヨセフに 言 った、「あなたの 父 は 死 ぬ 前 に 命 じて 言 われました、
17 『おまえたちはヨセフに 言 いなさい、「あなたの 兄弟 たちはあなたに 悪 をおこなったが、どうかそのとがと 罪 をゆるしてやってください」』。今 どうかあなたの 父 の 神 に 仕 えるしもべらのとがをゆるしてください」。ヨセフはこの 言葉 を 聞 いて 泣 いた。
18 やがて 兄弟 たちもきて、彼 の 前 に 伏 して 言 った、「このとおり、わたしたちはあなたのしもべです」。
19 ヨセフは 彼 らに 言 った、「恐 れることはいりません。わたしが 神 に 代 ることができましょうか。
20 あなたがたはわたしに 対 して 悪 をたくらんだが、神 はそれを 良 きに 変 らせて、今日 のように 多 くの 民 の 命 を 救 おうと 計 らわれました。
21 それゆえ 恐 れることはいりません。わたしはあなたがたとあなたがたの 子供 たちを 養 いましょう」。彼 は 彼 らを 慰 めて、親切 に 語 った。
22 このようにしてヨセフは 父 の 家族 と 共 にエジプトに 住 んだ。そしてヨセフは百十 年 生 きながらえた。
23 ヨセフはエフライムの三 代 の 子孫 を 見 た。マナセの 子 マキルの 子 らも 生 れてヨセフのひざの 上 に 置 かれた。
24 ヨセフは 兄弟 たちに 言 った、「わたしはやがて 死 にます。神 は 必 ずあなたがたを 顧 みて、この 国 から 連 れ 出 し、アブラハム、イサク、ヤコブに 誓 われた 地 に 導 き 上 られるでしょう」。
25 さらにヨセフは、「神 は 必 ずあなたがたを 顧 みられる。その 時、あなたがたはわたしの 骨 をここから 携 え 上 りなさい」と 言 ってイスラエルの 子 らに 誓 わせた。
26 こうしてヨセフは百十 歳 で 死 んだ。彼 らはこれに 薬 を 塗 り、棺 に 納 めて、エジプトに 置 いた。