Chapter 1
1 エフライムの 山地 のラマタイム・ゾピムに、エルカナという 名 の 人 があった。エフライムびとで、エロハムの 子 であった。エロハムはエリウの 子、エリウはトフの 子、トフはツフの 子 である。
2 エルカナには、ふたりの 妻 があって、ひとりの 名 はハンナといい、ひとりの 名 はペニンナといった。ペニンナには 子 どもがあったが、ハンナには 子 どもがなかった。
3 この 人 は 年 ごとに、その 町 からシロに 上 っていって、万軍 の 主 を 拝 し、主 に 犠牲 をささげるのを 常 とした。シロには、エリのふたりの 子、ホフニとピネハスとがいて、主 に 仕 える 祭司 であった。
4 エルカナは、犠牲 をささげる 日、妻 ペニンナとそのむすこ 娘 にはみな、その 分 け 前 を 与 えた。
5 エルカナはハンナを 愛 していたが、彼女 には、ただ一つの 分 け 前 を 与 えるだけであった。主 がその 胎 を 閉 ざされたからである。
6 また 彼女 を 憎 んでいる 他 の 妻 は、ひどく 彼女 を 悩 まして、主 がその 胎 を 閉 ざされたことを 恨 ませようとした。
7 こうして 年 は 暮 れ、年 は 明 けたが、ハンナが 主 の 宮 に 上 るごとに、ペニンナは 彼女 を 悩 ましたので、ハンナは 泣 いて 食 べることもしなかった。
8 夫 エルカナは 彼女 に 言 った、「ハンナよ、なぜ 泣 くのか。なぜ 食 べないのか。どうして 心 に 悲 しむのか。わたしはあなたにとって十 人 の 子 どもよりもまさっているではないか」。
9 シロで 彼 らが 飲 み 食 いしたのち、ハンナは 立 ちあがった。その 時、祭司 エリは 主 の 神殿 の 柱 のかたわらの 座 にすわっていた。
10 ハンナは 心 に 深 く 悲 しみ、主 に 祈 って、はげしく 泣 いた。
11 そして 誓 いを 立 てて 言 った、「万軍 の 主 よ、まことに、はしための 悩 みをかえりみ、わたしを 覚 え、はしためを 忘 れずに、はしために 男 の 子 を 賜 わりますなら、わたしはその 子 を 一生 のあいだ 主 にささげ、かみそりをその 頭 にあてません」。
12 彼女 が 主 の 前 で 長 く 祈 っていたので、エリは 彼女 の 口 に 目 をとめた。
13 ハンナは 心 のうちで 物 を 言 っていたので、くちびるが 動 くだけで、声 は 聞 えなかった。それゆえエリは、酔 っているのだと 思 って、
14 彼女 に 言 った、「いつまで 酔 っているのか。酔 いをさましなさい」。
15 しかしハンナは 答 えた、「いいえ、わが 主 よ。わたしは 不幸 な 女 です。ぶどう 酒 も 濃 い 酒 も 飲 んだのではありません。ただ 主 の 前 に 心 を 注 ぎ 出 していたのです。
16 はしためを、悪 い 女 と 思 わないでください。積 る 憂 いと 悩 みのゆえに、わたしは 今 まで 物 を 言 っていたのです」。
17 そこでエリは 答 えた、「安心 して 行 きなさい。どうかイスラエルの 神 があなたの 求 める 願 いを 聞 きとどけられるように」。
18 彼女 は 言 った、「どうぞ、はしためにも、あなたの 前 に 恵 みを 得 させてください」。こうして、その 女 は 去 って 食事 し、その 顔 は、もはや 悲 しげではなくなった。
19 彼 らは 朝 早 く 起 きて、主 の 前 に 礼拝 し、そして、ラマにある 家 に 帰 って 行 った。エルカナは 妻 ハンナを 知 り、主 が 彼女 を 顧 みられたので、
20 彼女 はみごもり、その 時 が 巡 ってきて、男 の 子 を 産 み、「わたしがこの 子 を 主 に 求 めたからだ」といって、その 名 をサムエルと 名 づけた。
21 エルカナその 人 とその 家族 とはみな 上 っていって、年 ごとの 犠牲 と、誓 いの 供 え 物 とをささげた。
22 しかしハンナは 上 って 行 かず、夫 に 言 った、「わたしはこの 子 が 乳離 れしてから、主 の 前 に 連 れていって、いつまでも、そこにおらせましょう」。
23 夫 エルカナは 彼女 に 言 った、「あなたが 良 いと 思 うようにして、この 子 の 乳離 れするまで 待 ちなさい。ただどうか 主 がその 言 われたことを 実現 してくださるように」。こうしてその 女 はとどまって、その 子 に 乳 をのませ、乳離 れするのを 待 っていたが、
24 乳離 れした 時、三 歳 の 雄牛 一 頭、麦粉 一エパ、ぶどう 酒 のはいった 皮 袋 一つを 取 り、その 子 を 連 れて、シロにある 主 の 宮 に 行 った。その 子 はなお 幼 かった。
25 そして 彼 らはその 牛 を 殺 し、子供 をエリのもとへ 連 れて 行 った。
26 ハンナは 言 った、「わが 君 よ、あなたは 生 きておられます。わたしは、かつてここに 立 って、あなたの 前 で、主 に 祈 った 女 です。
27 この 子 を 与 えてくださいと、わたしは 祈 りましたが、主 はわたしの 求 めた 願 いを 聞 きとどけられました。
28 それゆえ、わたしもこの 子 を 主 にささげます。この 子 は 一生 のあいだ 主 にささげたものです」。そして 彼 らはそこで 主 を 礼拝 した。
Chapter 2
1 ハンナは 祈 って 言 った、「わたしの 心 は 主 によって 喜 び、わたしの 力 は 主 によって 強 められた、わたしの 口 は 敵 をあざ 笑 う、あなたの 救 によってわたしは 楽 しむからである。
2 主 のように 聖 なるものはない、あなたのほかには、だれもない、われわれの 神 のような 岩 はない。
3 あなたがたは 重 ねて 高慢 に 語 ってはならない、たかぶりの 言葉 を 口 にすることをやめよ。主 はすべてを 知 る 神 であって、もろもろのおこないは 主 によって 量 られる。
4 勇士 の 弓 は 折 れ、弱 き 者 は 力 を 帯 びる。
5 飽 き 足 りた 者 は 食 のために 雇 われ、飢 えたものは、もはや 飢 えることがない。うまずめは七 人 の 子 を 産 み、多 くの 子 をもつ 女 は 孤独 となる。
6 主 は 殺 し、また 生 かし、陰府 にくだし、また 上 げられる。
7 主 は 貧 しくし、また 富 ませ、低 くし、また 高 くされる。
8 貧 しい 者 を、ちりのなかから 立 ちあがらせ、乏 しい 者 を、あくたのなかから 引 き 上 げて、王侯 と 共 にすわらせ、栄誉 の 位 を 継 がせられる。地 の 柱 は 主 のものであって、その 柱 の 上 に、世界 をすえられたからである。
9 主 はその 聖徒 たちの 足 を 守 られる、しかし 悪 いものどもは 暗黒 のうちに 滅 びる。人 は 力 をもって 勝 つことができないからである。
10 主 と 争 うものは 粉々 に 砕 かれるであろう、主 は 彼 らにむかって 天 から 雷 をとどろかし、地 のはてまでもさばき、王 に 力 を 与 え、油 そそがれた 者 の 力 を 強 くされるであろう」。
11 エルカナはラマにある 家 に 帰 ったが、幼 な 子 は 祭司 エリの 前 にいて 主 に 仕 えた。
12 さて、エリの 子 らは、よこしまな 人々 で、主 を 恐 れなかった。
13 民 のささげ 物 についての 祭司 のならわしはこうである。人 が 犠牲 をささげる 時、その 肉 を 煮 る 間 に、祭司 のしもべは、みつまたの 肉 刺 しを 手 に 持 ってきて、
14 それをかま、またはなべ、またはおおがま、または 鉢 に 突 きいれ、肉 刺 しの 引 き 上 げるものは 祭司 がみな 自分 のものとした。彼 らはシロで、そこに 来 るすべてのイスラエルの 人 に、このようにした。
15 人々 が 脂肪 を 焼 く 前 にもまた、祭司 のしもべがきて、犠牲 をささげる 人 に 言 うのであった、「祭司 のために 焼 く 肉 を 与 えよ。祭司 はあなたから 煮 た 肉 を 受 けない。生 の 肉 がよい」。
16 その 人 が、「まず 脂肪 を 焼 かせましょう。その 後 ほしいだけ 取 ってください」と 言 うと、しもべは、「いや、今 もらいたい。くれないなら、わたしは 力 づくで、それを 取 ろう」と 言 う。
17 このように、その 若者 たちの 罪 は、主 の 前 に 非常 に 大 きかった。この 人々 が 主 の 供 え 物 を 軽 んじたからである。
18 サムエルはまだ 幼 く、身 に 亜麻 布 のエポデを 着 けて、主 の 前 に 仕 えていた。
19 母 は 彼 のために 小 さい 上着 を 作 り、年 ごとに、夫 と 共 にその 年 の 犠牲 をささげるために 上 る 時、それを 持 ってきた。
20 エリはいつもエルカナとその 妻 を 祝福 して 言 った、「この 女 が 主 にささげた 者 のかわりに、主 がこの 女 によってあなたに 子 を 与 えられるように」。そして 彼 らはその 家 に 帰 るのを 常 とした。
21 こうして 主 がハンナを 顧 みられたので、ハンナはみごもって、三 人 の 男 の 子 とふたりの 女 の 子 を 産 んだ。わらべサムエルは 主 の 前 で 育 った。
22 エリはひじょうに 年 をとった。そしてその 子 らがイスラエルの 人々 にしたいろいろのことを 聞 き、また 会見 の 幕屋 の 入口 で 勤 めていた 女 たちと 寝 たことを 聞 いて、
23 彼 らに 言 った、「なにゆえ、そのようなことをするのか。わたしはこのすべての 民 から、あなたがたの 悪 いおこないのことを 聞 く。
24 わが 子 らよ、それはいけない。わたしの 聞 く、主 の 民 の 言 いふらしている 風説 は 良 くない。
25 もし 人 が 人 に 対 して 罪 を 犯 すならば、神 が 仲裁 されるであろう。しかし 人 が 主 に 対 して 罪 を 犯 すならば、だれが、そのとりなしをすることができようか」。しかし 彼 らは 父 の 言 うことに 耳 を 傾 けようともしなかった。主 が 彼 らを 殺 そうとされたからである。
26 わらべサムエルは 育 っていき、主 にも、人々 にも、ますます 愛 せられた。
27 このとき、ひとりの 神 の 人 が、エリのもとにきて 言 った、「主 はかく 仰 せられる、『あなたの 先祖 の 家 がエジプトでパロの 家 の 奴隷 であったとき、わたしはその 先祖 の 家 に 自 らを 現 した。
28 そしてイスラエルのすべての 部族 のうちからそれを 選 び 出 して、わたしの 祭司 とし、わたしの 祭壇 に 上 って、香 をたかせ、わたしの 前 でエポデを 着 けさせ、また、イスラエルの 人々 の 火祭 をことごとくあなたの 先祖 の 家 に 与 えた。
29 それにどうしてあなたがたは、わたしが 命 じた 犠牲 と 供 え 物 をむさぼりの 目 をもって 見 るのか。またなにゆえ、わたしよりも 自分 の 子 らを 尊 び、わたしの 民 イスラエルのささげるもろもろの 供 え 物 の、最 も 良 き 部分 をもって 自分 を 肥 やすのか』。
30 それゆえイスラエルの 神、主 は 仰 せられる、『わたしはかつて、「あなたの 家 とあなたの 父 の 家 とは、永久 にわたしの 前 に 歩 むであろう」と 言 った』。しかし 今、主 は 仰 せられる、『決 してそうはしない。わたしを 尊 ぶ 者 を、わたしは 尊 び、わたしを 卑 しめる 者 は、軽 んぜられるであろう。
31 見 よ、日 が 来 るであろう。その 日、わたしはあなたの 力 と、あなたの 父 の 家 の 力 を 断 ち、あなたの 家 に 年老 いた 者 をなくするであろう。
32 そのとき、あなたは 災 のうちにあって、イスラエルに 与 えられるもろもろの 繁栄 を、ねたみ 見 るであろう。あなたの 家 には 永久 に 年老 いた 者 がいなくなるであろう。
33 しかしあなたの 一族 のひとりを、わたしの 祭壇 から 断 たないであろう。彼 は 残 されてその 目 を 泣 きはらし、心 を 痛 めるであろう。またあなたの 家 に 生 れ 出 るものは、みなつるぎに 死 ぬであろう。
34 あなたのふたりの 子 ホフニとピネハスの 身 に 起 ることが、あなたのためにそのしるしとなるであろう。すなわちそのふたりは 共 に 同 じ 日 に 死 ぬであろう。
35 わたしは 自分 のために、ひとりの 忠実 な 祭司 を 起 す。その 人 はわたしの 心 と 思 いとに 従 って 行 うであろう。わたしはその 家 を 確立 しよう。その 人 はわたしが 油 そそいだ 者 の 前 につねに 歩 むであろう。
36 そしてあなたの 家 で 生 き 残 っている 人々 はみなきて、彼 に一 枚 の 銀 と一 個 のパンを 請 い 求 め、「どうぞ、わたしを 祭司 の 職 の一つに 任 じ、一口 のパンでも 食 べることができるようにしてください」と 言 うであろう』」。
Chapter 3
1 わらべサムエルは、エリの 前 で、主 に 仕 えていた。そのころ、主 の 言葉 はまれで、黙示 も 常 ではなかった。
2 さてエリは、しだいに 目 がかすんで、見 ることができなくなり、そのとき 自分 のへやで 寝 ていた。
3 神 のともしびはまだ 消 えず、サムエルが 神 の 箱 のある 主 の 神殿 に 寝 ていた 時、
4 主 は「サムエルよ、サムエルよ」と 呼 ばれた。彼 は「はい、ここにおります」と 言 って、
5 エリの 所 へ 走 っていって 言 った、「あなたがお 呼 びになりました。わたしは、ここにおります」。しかしエリは 言 った、「わたしは 呼 ばない。帰 って 寝 なさい」。彼 は 行 って 寝 た。
6 主 はまたかさねて「サムエルよ、サムエルよ」と 呼 ばれた。サムエルは 起 きてエリのもとへ 行 って 言 った、「あなたがお 呼 びになりました。わたしは、ここにおります」。エリは 言 った、「子 よ、わたしは 呼 ばない。もう一 度 寝 なさい」。
7 サムエルはまだ 主 を 知 らず、主 の 言葉 がまだ 彼 に 現 されなかった。
8 主 はまた三 度目 にサムエルを 呼 ばれたので、サムエルは 起 きてエリのもとへ 行 って 言 った、「あなたがお 呼 びになりました。わたしは、ここにおります」。その 時、エリは 主 がわらべを 呼 ばれたのであることを 悟 った。
9 そしてエリはサムエルに 言 った、「行 って 寝 なさい。もしあなたを 呼 ばれたら、『しもべは 聞 きます。主 よ、お 話 しください』と 言 いなさい」。サムエルは 行 って 自分 の 所 で 寝 た。
10 主 はきて 立 ち、前 のように、「サムエルよ、サムエルよ」と 呼 ばれたので、サムエルは 言 った、「しもべは 聞 きます。お 話 しください」。
11 その 時、主 はサムエルに 言 われた、「見 よ、わたしはイスラエルのうちに一つの 事 をする。それを 聞 く 者 はみな、耳 が二つとも 鳴 るであろう。
12 その 日 には、わたしが、かつてエリの 家 について 話 したことを、はじめから 終 りまでことごとく、エリに 行 うであろう。
13 わたしはエリに、彼 が 知 っている 悪事 のゆえに、その 家 を 永久 に 罰 することを 告 げる。その 子 らが 神 をけがしているのに、彼 がそれをとめなかったからである。
14 それゆえ、わたしはエリの 家 に 誓 う。エリの 家 の 悪 は、犠牲 や 供 え 物 をもってしても、永久 にあがなわれないであろう」。
15 サムエルは 朝 まで 寝 て、主 の 宮 の 戸 をあけたが、サムエルはその 幻 のことをエリに 語 るのを 恐 れた。
16 しかしエリはサムエルを 呼 んで 言 った、「わが 子 サムエルよ」。サムエルは 言 った、「はい、ここにおります」。
17 エリは 言 った、「何事 をお 告 げになったのか。隠 さず 話 してください。もしお 告 げになったことを一つでも 隠 して、わたしに 言 わないならば、どうぞ 神 があなたを 罰 し、さらに 重 く 罰 せられるように」。
18 そこでサムエルは、その 事 をことごとく 話 して、何 も 彼 に 隠 さなかった。エリは 言 った、「それは 主 である。どうぞ 主 が、良 いと 思 うことを 行 われるように」。
19 サムエルは 育 っていった。主 が 彼 と 共 におられて、その 言葉 を一つも 地 に 落 ちないようにされたので、
20 ダンからベエルシバまで、イスラエルのすべての 人 は、サムエルが 主 の 預言者 と 定 められたことを 知 った。
21 主 はふたたびシロで 現 れられた。すなわち 主 はシロで、主 の 言葉 によって、サムエルに 自 らを 現 された。こうしてサムエルの 言葉 は、あまねくイスラエルの 人々 に 及 んだ。
Chapter 4
1 イスラエルびとは 出 てペリシテびとと 戦 おうとして、エベネゼルのほとりに 陣 をしき、ペリシテびとはアペクに 陣 をしいた。
2 ペリシテびとはイスラエルびとにむかって 陣 備 えをしたが、戦 うに 及 んで、イスラエルびとはペリシテびとの 前 に 敗 れ、ペリシテびとは 戦場 において、おおよそ四千 人 を 殺 した。
3 民 が 陣営 に 退 いた 時、イスラエルの 長老 たちは 言 った、「なにゆえ、主 はきょう、ペリシテびとの 前 にわれわれを 敗 られたのか。シロへ 行 って 主 の 契約 の 箱 をここへ 携 えてくることにしよう。そして 主 をわれわれのうちに 迎 えて、敵 の 手 から 救 っていただこう」。
4 そこで 民 は 人 をシロにつかわし、ケルビムの 上 に 座 しておられる 万軍 の 主 の 契約 の 箱 を、そこから 携 えてこさせた。その 時 エリのふたりの 子、ホフニとピネハスは 神 の 契約 の 箱 と 共 に、その 所 にいた。
5 主 の 契約 の 箱 が 陣営 についた 時、イスラエルびとはみな 大声 で 叫 んだので、地 は 鳴 り 響 いた。
6 ペリシテびとは、その 叫 び 声 を 聞 いて 言 った、「ヘブルびとの 陣営 の、この 大 きな 叫 び 声 は 何事 か」。そして 主 の 箱 が、陣営 に 着 いたことを 知 った 時、
7 ペリシテびとは 恐 れて 言 った、「神々 が 陣営 にきたのだ」。彼 らはまた 言 った、「ああ、われわれはわざわいである。このようなことは 今 までなかった。
8 ああ、われわれはわざわいである。だれがわれわれをこれらの 強 い 神々 の 手 から 救 い 出 すことができようか。これらの 神々 は、もろもろの 災 をもってエジプトびとを 荒野 で 撃 ったのだ。
9 ペリシテびとよ、勇気 を 出 して 男 らしくせよ。ヘブルびとがあなたがたに 仕 えたように、あなたがたが 彼 らに 仕 えることのないために、男 らしく 戦 え」。
10 こうしてペリシテびとが 戦 ったので、イスラエルびとは 敗 れて、おのおのその 家 に 逃 げて 帰 った。戦死者 はひじょうに 多 く、イスラエルの 歩兵 で 倒 れたものは三万であった。
11 また 神 の 箱 は 奪 われ、エリのふたりの 子、ホフニとピネハスは 殺 された。
12 その 日 ひとりのベニヤミンびとが、衣服 を 裂 き、頭 に 土 をかぶって、戦場 から 走 ってシロにきた。
13 彼 が 着 いたとき、エリは 道 のかたわらにある 自分 の 座 にすわって 待 ちかまえていた。その 心 に 神 の 箱 の 事 を 気 づかっていたからである。その 人 が 町 にはいって、情報 をつたえたので、町 はこぞって 叫 んだ。
14 エリはその 叫 び 声 を 聞 いて 言 った、「この 騒 ぎ 声 は 何 か」。その 人 は 急 いでエリの 所 へきてエリに 告 げた。
15 その 時 エリは九十八 歳 で、その 目 は 固 まって 見 ることができなかった。
16 その 人 はエリに 言 った、「わたしは 戦場 からきたものです。きょう 戦場 からのがれたのです」。エリは 言 った、「わが 子 よ、様子 はどうであったか」。
17 しらせをもたらしたその 人 は 答 えて 言 った、「イスラエルびとは、ペリシテびとの 前 から 逃 げ、民 のうちにはまた 多 くの 戦死者 があり、あなたのふたりの 子、ホフニとピネハスも 死 に、神 の 箱 は 奪 われました」。
18 彼 が 神 の 箱 のことを 言 ったとき、エリはその 座 から、あおむけに 門 のかたわらに 落 ち、首 を 折 って 死 んだ。老 いて 身 が 重 かったからである。彼 のイスラエルをさばいたのは四十 年 であった。
19 彼 の 嫁、ピネハスの 妻 はみごもって 出産 の 時 が 近 づいていたが、神 の 箱 が 奪 われたこと、しゅうとと 夫 が 死 んだというしらせを 聞 いたとき、陣痛 が 起 り 身 をかがめて 子 を 産 んだ。
20 彼女 が 死 にかかっている 時、世話 をしていた 女 が 彼女 に 言 った、「恐 れることはありません。男 の 子 が 生 れました」。しかし 彼女 は 答 えもせず、また 顧 みもしなかった。
21 ただ 彼女 は「栄光 はイスラエルを 去 った」と 言 って、その 子 をイカボデと 名 づけた。これは 神 の 箱 の 奪 われたこと、また 彼女 のしゅうとと 夫 のことによるのである。
22 彼女 はまた、「栄光 はイスラエルを 去 った。神 の 箱 が 奪 われたからです」と 言 った。
Chapter 5
1 ペリシテびとは 神 の 箱 をぶんどって、エベネゼルからアシドドに 運 んできた。
2 そしてペリシテびとはその 神 の 箱 を 取 ってダゴンの 宮 に 運 びこみ、ダゴンのかたわらに 置 いた。
3 アシドドの 人々 が、次 の 日、早 く 起 きて 見 ると、ダゴンが 主 の 箱 の 前 に、うつむきに 地 に 倒 れていたので、彼 らはダゴンを 起 して、それをもとの 所 に 置 いた。
4 その 次 の 朝 また 早 く 起 きて 見 ると、ダゴンはまた、主 の 箱 の 前 に、うつむきに 地 に 倒 れていた。そしてダゴンの 頭 と 両手 とは 切 れて 離 れ、しきいの 上 にあり、ダゴンはただ 胴体 だけとなっていた。
5 それゆえダゴンの 祭司 たちやダゴンの 宮 にはいる 人々 は、だれも 今日 にいたるまで、アシドドのダゴンのしきいを 踏 まない。
6 そして 主 の 手 はアシドドびとの 上 にきびしく 臨 み、主 は 腫物 をもってアシドドとその 領域 の 人々 を 恐 れさせ、また 悩 まされた。
7 アシドドの 人々 は、このありさまを 見 て 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 を、われわれの 所 に、とどめ 置 いてはならない。その 神 の 手 が、われわれと、われわれの 神 ダゴンの 上 にきびしく 臨 むからである」。
8 そこで 彼 らは 人 をつかわして、ペリシテびとの 君 たちを 集 めて 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 をどうしましょう」。彼 らは 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 はガテに 移 そう」。人々 はイスラエルの 神 の 箱 をそこに 移 した。
9 彼 らがそれを 移 すと、主 の 手 がその 町 に 臨 み、非常 な 騒 ぎが 起 った。そして 老若 を 問 わず 町 の 人々 を 撃 たれたので、彼 らの 身 に 腫物 ができた。
10 そこで 人々 は 神 の 箱 をエクロンに 送 ったが、神 の 箱 がエクロンに 着 いた 時、エクロンの 人々 は 叫 んで 言 った、「彼 らがイスラエルの 神 の 箱 をわれわれの 所 に 移 したのは、われわれと 民 を 滅 ぼすためである」。
11 そこで 彼 らは 人 をつかわして、ペリシテびとの 君 たちをみな 集 めて 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 を 送 り 出 して、もとの 所 に 返 し、われわれと 民 を 滅 ぼすことのないようにしよう」。恐 ろしい 騒 ぎが 町中 に 起 っていたからである。そこには 神 の 手 が 非常 にきびしく 臨 んでいたので、
12 死 なない 人 は 腫物 をもって 撃 たれ、町 の 叫 びは 天 に 達 した。
Chapter 6
1 主 の 箱 は七か 月 の 間 ペリシテびとの 地 にあった。
2 ペリシテびとは、祭司 や 占 い 師 を 呼 んで 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 をどうしましょうか。どのようにして、それをもとの 所 へ 送 り 返 せばよいか 告 げてください」。
3 彼 らは 言 った、「イスラエルの 神 の 箱 を 送 り 返 す 時 には、それをむなしく 返 してはならない。必 ず 彼 にとがの 供 え 物 をもって 償 いをしなければならない。そうすれば、あなたがたはいやされ、また 彼 の 手 がなぜあなたがたを 離 れないかを 知 ることができるであろう」。
4 人々 は 言 った、「われわれが 償 うとがの 供 え 物 には 何 をしましょうか」。彼 らは 答 えた、「ペリシテびとの 君 たちの 数 にしたがって、金 の 腫物 五つと 金 のねずみ五つである。あなたがたすべてと、君 たちに 臨 んだ 災 は一つだからである。
5 それゆえ、あなたがたの 腫物 の 像 と、地 を 荒 すねずみの 像 を 造 り、イスラエルの 神 に 栄光 を 帰 するならば、たぶん 彼 は、あなたがた、およびあなたがたの 神々 と、あなたがたの 地 に、その 手 を 加 えることを 軽 くされるであろう。
6 なにゆえ、あなたがたはエジプトびととパロがその 心 をかたくなにしたように、自分 の 心 をかたくなにするのか。神 が 彼 らを 悩 ましたので、彼 らは 民 を 行 かせ、民 は 去 ったではないか。
7 それゆえ 今、新 しい 車 一 両 を 造 り、まだくびきを 付 けたことのない 乳牛 二 頭 をとり、その 牛 を 車 につなぎ、そのおのおのの 子 牛 を 乳牛 から 離 して 家 に 連 れ 帰 り、
8 主 の 箱 をとって、それをその 車 に 載 せ、あなたがたがとがの 供 え 物 として 彼 に 償 う 金 の 作 り 物 を一つの 箱 におさめてそのかたわらに 置 き、それを 送 って 去 らせなさい。
9 そして 見 ていて、それが 自分 の 領地 へ 行 く 道 を、ベテシメシへ 上 るならば、この 大 いなる 災 を、われわれに 下 したのは 彼 である。しかし、そうしない 時 は、われわれを 撃 ったのは 彼 の 手 ではなく、その 事 の 偶然 であったことを 知 るであろう」。
10 人々 はそのようにした。すなわち、彼 らは二 頭 の 乳牛 をとって、これを 車 につなぎ、そのおのおのの 子 牛 を 家 に 閉 じこめ、
11 主 の 箱、および 金 のねずみと、腫物 の 像 をおさめた 箱 とを 車 に 載 せた。
12 すると 雌牛 はまっすぐにベテシメシの 方向 へ、ひとすじに 大路 を 歩 み、鳴 きながら 進 んでいって、右 にも 左 にも 曲 らなかった。ペリシテびとの 君 たちは、ベテシメシの 境 までそのあとについていった。
13 時 にベテシメシの 人々 は 谷 で 小麦 を 刈 り 入 れていたが、目 をあげて、その 箱 を 見、それを 迎 えて 喜 んだ。
14 車 はベテシメシびとヨシュアの 畑 にはいって、そこにとどまった。その 所 に 大 きな 石 があった。人々 は 車 の 木 を 割 り、その 雌牛 を 燔祭 として 主 にささげた。
15 レビびとは 主 の 箱 と、そのかたわらの、金 の 作 り 物 をおさめた 箱 を 取 りおろし、それを 大石 の 上 に 置 いた。そしてベテシメシの 人々 は、その 日、主 に 燔祭 を 供 え、犠牲 をささげた。
16 ペリシテびとの五 人 の 君 たちはこれを 見 て、その 日、エクロンに 帰 った。
17 ペリシテびとが、とがの 供 え 物 として、主 に 償 いをした 金 の 腫物 は、次 のとおりである。すなわちアシドドのために一つ、ガザのために一つ、アシケロンのために一つ、ガテのために一つ、エクロンのために一つであった。
18 また 金 のねずみは、城壁 をめぐらした 町 から 城壁 のない 村里 にいたるまで、すべて五 人 の 君 たちに 属 するペリシテびとの 町 の 数 にしたがって 造 った。主 の 箱 をおろした 所 のかたわらにあった 大石 は、今日 にいたるまで、ベテシメシびとヨシュアの 畑 にあって、あかしとなっている。
19 ベテシメシの 人々 で 主 の 箱 の 中 を 見 たものがあったので、主 はこれを 撃 たれた。すなわち 民 のうち七十 人 を 撃 たれた。主 が 民 を 撃 って 多 くの 者 を 殺 されたので、民 はなげき 悲 しんだ。
20 ベテシメシの 人々 は 言 った、「だれが、この 聖 なる 神、主 の 前 に 立 つことができようか。主 はわれわれを 離 れてだれの 所 へ 上 って 行 かれたらよいのか」。
21 そして 彼 らは、使者 をキリアテ・ヤリムの 人々 につかわして 言 った、「ペリシテびとが 主 の 箱 を 返 したから、下 ってきて、それをあなたがたの 所 へ 携 え 上 ってください」。
Chapter 7
1 キリアテ・ヤリムの 人々 は、きて、主 の 箱 を 携 え 上 り、丘 の 上 のアビナダブの 家 に 持 ってきて、その 子 エレアザルを 聖別 して、主 の 箱 を 守 らせた。
2 その 箱 は 久 しくキリアテ・ヤリムにとどまって、二十 年 を 経 た。イスラエルの 全家 は 主 を 慕 って 嘆 いた。
3 その 時 サムエルはイスラエルの 全家 に 告 げていった、「もし、あなたがたが 一心 に 主 に 立 ち 返 るのであれば、ほかの 神々 とアシタロテを、あなたがたのうちから 捨 て 去 り、心 を 主 に 向 け、主 にのみ 仕 えなければならない。そうすれば、主 はあなたがたをペリシテびとの 手 から 救 い 出 されるであろう」。
4 そこでイスラエルの 人々 はバアルとアシタロテを 捨 て 去 り、ただ 主 にのみ 仕 えた。
5 サムエルはまた 言 った、「イスラエルびとを、ことごとくミヅパに 集 めなさい。わたしはあなたがたのために 主 に 祈 りましょう」。
6 人々 はミヅパに 集 まり、水 をくんでそれを 主 の 前 に 注 ぎ、その 日、断食 してその 所 で 言 った、「われわれは 主 に 対 して 罪 を 犯 した」。サムエルはミヅパでイスラエルの 人々 をさばいた。
7 イスラエルの 人々 のミヅパに 集 まったことがペリシテびとに 聞 えたので、ペリシテびとの 君 たちは、イスラエルに 攻 め 上 ってきた。イスラエルの 人々 はそれを 聞 いて、ペリシテびとを 恐 れた。
8 そしてイスラエルの 人々 はサムエルに 言 った、「われわれのため、われわれの 神、主 に 叫 ぶことを、やめないでください。そうすれば 主 がペリシテびとの 手 からわれわれを 救 い 出 されるでしょう」。
9 そこでサムエルは 乳 を 飲 む 小羊 一 頭 をとり、これを 全 き 燔祭 として 主 にささげた。そしてサムエルはイスラエルのために 主 に 叫 んだので、主 はこれに 答 えられた。
10 サムエルが 燔祭 をささげていた 時、ペリシテびとはイスラエルと 戦 おうとして 近 づいてきた。しかし 主 はその 日、大 いなる 雷 をペリシテびとの 上 にとどろかせて、彼 らを 乱 されたので、彼 らはイスラエルびとの 前 に 敗 れて 逃 げた。
11 イスラエルの 人々 はミヅパを 出 てペリシテびとを 追 い、これを 撃 って、ベテカルの 下 まで 行 った。
12 その 時 サムエルは一つの 石 をとってミヅパとエシャナの 間 にすえ、「主 は 今 に 至 るまでわれわれを 助 けられた」と 言 って、その 名 をエベネゼルと 名 づけた。
13 こうしてペリシテびとは 征服 され、ふたたびイスラエルの 領地 に、はいらなかった。サムエルの 一生 の 間、主 の 手 が、ペリシテびとを 防 いだ。
14 ペリシテびとがイスラエルから 取 った 町々 は、エクロンからガテまで、イスラエルにかえり、イスラエルはその 周囲 の 地 をもペリシテびとの 手 から 取 りかえした。またイスラエルとアモリびととの 間 には 平和 があった。
15 サムエルは 一生 の 間 イスラエルをさばいた。
16 年 ごとにサムエルはベテルとギルガル、およびミヅパを 巡 って、その 所々 でイスラエルをさばき、
17 ラマに 帰 った。そこに 彼 の 家 があったからである。その 所 でも 彼 はイスラエルをさばき、またそこで 主 に 祭壇 を 築 いた。
Chapter 8
1 サムエルは 年老 いて、その 子 らをイスラエルのさばきづかさとした。
2 長子 の 名 はヨエルといい、次 の 子 の 名 はアビヤと 言 った。彼 らはベエルシバでさばきづかさであった。
3 しかしその 子 らは 父 の 道 を 歩 まないで、利 にむかい、まいないを 取 って、さばきを 曲 げた。
4 この 時、イスラエルの 長老 たちはみな 集 まってラマにおるサムエルのもとにきて、
5 言 った、「あなたは 年老 い、あなたの 子 たちはあなたの 道 を 歩 まない。今 ほかの 国々 のように、われわれをさばく 王 を、われわれのために 立 ててください」。
6 しかし 彼 らが、「われわれをさばく 王 を、われわれに 与 えよ」と 言 うのを 聞 いて、サムエルは 喜 ばなかった。そしてサムエルが 主 に 祈 ると、
7 主 はサムエルに 言 われた、「民 が、すべてあなたに 言 う 所 の 声 に 聞 き 従 いなさい。彼 らが 捨 てるのはあなたではなく、わたしを 捨 てて、彼 らの 上 にわたしが 王 であることを 認 めないのである。
8 彼 らは、わたしがエジプトから 連 れ 上 った 日 から、きょうまで、わたしを 捨 ててほかの 神々 に 仕 え、さまざまの 事 をわたしにしたように、あなたにもしているのである。
9 今 その 声 に 聞 き 従 いなさい。ただし、深 く 彼 らを 戒 めて、彼 らを 治 める 王 のならわしを 彼 らに 示 さなければならない」。
10 サムエルは 王 を 立 てることを 求 める 民 に 主 の 言葉 をことごとく 告 げて、
11 言 った、「あなたがたを 治 める 王 のならわしは 次 のとおりである。彼 はあなたがたのむすこを 取 って、戦車 隊 に 入 れ、騎兵 とし、自分 の 戦車 の 前 に 走 らせるであろう。
12 彼 はまたそれを千 人 の 長、五十 人 の 長 に 任 じ、またその 地 を 耕 させ、その 作物 を 刈 らせ、またその 武器 と 戦車 の 装備 を 造 らせるであろう。
13 また、あなたがたの 娘 を 取 って、香 をつくる 者 とし、料理 をする 者 とし、パンを 焼 く 者 とするであろう。
14 また、あなたがたの 畑 とぶどう 畑 とオリブ 畑 の 最 も 良 い 物 を 取 って、その 家来 に 与 え、
15 あなたがたの 穀物 と、ぶどう 畑 の、十 分 の一を 取 って、その 役人 と 家来 に 与 え、
16 また、あなたがたの 男女 の 奴隷 および、あなたがたの 最 も 良 い 牛 とろばを 取 って、自分 のために 働 かせ、
17 また、あなたがたの 羊 の十 分 の一を 取 り、あなたがたは、その 奴隷 となるであろう。
18 そしてその 日 あなたがたは 自分 のために 選 んだ 王 のゆえに 呼 ばわるであろう。しかし 主 はその 日 にあなたがたに 答 えられないであろう」。
19 ところが 民 はサムエルの 声 に 聞 き 従 うことを 拒 んで 言 った、「いいえ、われわれを 治 める 王 がなければならない。
20 われわれも 他 の 国々 のようになり、王 がわれわれをさばき、われわれを 率 いて、われわれの 戦 いにたたかうのである」。
21 サムエルは 民 の 言葉 をことごとく 聞 いて、それを 主 の 耳 に 告 げた。
22 主 はサムエルに 言 われた、「彼 らの 声 に 聞 き 従 い、彼 らのために 王 を 立 てよ」。サムエルはイスラエルの 人々 に 言 った、「あなたがたは、めいめいその 町 に 帰 りなさい」。
Chapter 9
1 さて、ベニヤミンの 人 で、キシという 名 の 裕福 な 人 があった。キシはアビエルの 子、アビエルはゼロルの 子、ゼロルはベコラテの 子、ベコラテはアピヤの 子、アピヤはベニヤミンびとである。
2 キシにはサウルという 名 の 子 があった。若 くて 麗 しく、イスラエルの 人々 のうちに 彼 よりも 麗 しい 人 はなく、民 のだれよりも 肩 から 上、背 が 高 かった。
3 サウルの 父 キシの 数 頭 のろばがいなくなった。そこでキシは、その 子 サウルに 言 った、「しもべをひとり 連 れて、立 って 行 き、ろばを 捜 してきなさい」。
4 そこでふたりはエフライムの 山地 を 通 りすぎ、シャリシャの 地 を 通 り 過 ぎたけれども 見当 らず、シャリムの 地 を 通 り 過 ぎたけれどもおらず、ベニヤミンの 地 を 通 り 過 ぎたけれども 見当 らなかった。
5 彼 らがツフの 地 にきた 時、サウルは 連 れてきたしもべに 言 った、「さあ、帰 ろう。父 は、ろばのことよりも、われわれのことを 心配 するだろう」。
6 ところが、しもべは 言 った、「この 町 には 神 の 人 がおられます。尊 い 人 で、その 言 われることはみなそのとおりになります。その 所 へ 行 きましょう。われわれの 出 てきた 旅 のことについて 何 か 示 されるでしょう」。
7 サウルはしもべに 言 った、「しかし 行 くのであれば、その 人 に 何 を 贈 ろうか。袋 のパンはもはや、なくなり、神 の 人 に 持 っていく 贈 り 物 がない。何 かありますか」。
8 しもべは、またサウルに 答 えた、「わたしの 手 に四 分 の一シケルの 銀 があります。わたしはこれを、神 の 人 に 与 えて、われわれの 道 を 示 してもらいましょう」。
9 ――昔 イスラエルでは、神 に 問 うために 行 く 時 には、こう 言 った、「さあ、われわれは 先見者 のところへ 行 こう」。今 の 預言者 は、昔 は 先見者 といわれていたのである。――
10 サウルはそのしもべに 言 った、「それは 良 い。さあ、行 こう」。こうして 彼 らは、神 の 人 のいるその 町 へ 行 った。
11 彼 らは 町 へ 行 く 坂 を 上 っている 時、水 をくむために 出 てくるおとめたちに 出会 ったので、彼 らに 言 った、「先見者 はここにおられますか」。
12 おとめたちは 答 えた、「おられます。ごらんなさい、この 先 です。急 いで 行 きなさい。民 がきょう 高 き 所 で 犠牲 をささげるので、たった 今、町 にこられたところです。
13 あなたがたは、町 にはいるとすぐ、あのかたが 高 き 所 に 上 って 食事 される 前 に 会 えるでしょう。民 はそのかたがこられるまでは 食事 をしません。あのかたが 犠牲 を 祝福 されてから、招 かれた 人々 が 食事 をするのです。さあ、上 っていきなさい。すぐに 会 えるでしょう」。
14 こうして 彼 らは 町 に 上 っていった。そして 町 の 中 に、はいろうとした 時、サムエルは 高 き 所 に 上 るため 彼 らのほうに 向 かって 出 てきた。
15 さてサウルが 来 る一 日 前 に、主 はサムエルの 耳 に 告 げて 言 われた、
16 「あすの 今 ごろ、あなたの 所 に、ベニヤミンの 地 から、ひとりの 人 をつかわすであろう。あなたはその 人 に 油 を 注 いで、わたしの 民 イスラエルの 君 としなさい。彼 はわたしの 民 をペリシテびとの 手 から 救 い 出 すであろう。わたしの 民 の 叫 びがわたしに 届 き、わたしがその 悩 みを 顧 みるからである」。
17 サムエルがサウルを 見 た 時、主 は 言 われた、「見 よ、わたしの 言 ったのはこの 人 である。この 人 がわたしの 民 を 治 めるであろう」。
18 そのときサウルは、門 の 中 でサムエルに 近 づいて 言 った、「先見者 の 家 はどこですか。どうか 教 えてください」。
19 サムエルはサウルに 答 えた、「わたしがその 先見者 です。わたしの 前 に 行 って、高 き 所 に 上 りなさい。あなたがたは、きょう、わたしと 一緒 に 食事 しなさい。わたしはあすの 朝 あなたを 帰 らせ、あなたの 心 にあることをみな 示 しましょう。
20 三 日 前 に、いなくなったあなたのろばは、もはや 見 つかったので 心 にかけなくてもよろしい。しかしイスラエルのすべての 望 ましきものはだれのものですか。それはあなたのもの、あなたの 父 の 家 のすべての 人 のものではありませんか」。
21 サウルは 答 えた、「わたしはイスラエルのうちの 最 も 小 さい 部族 のベニヤミンびとであって、わたしの 一族 はまたベニヤミンのどの 一族 よりも 卑 しいものではありませんか。どうしてあなたは、そのようなことをわたしに 言 われるのですか」。
22 サムエルはサウルとそのしもべを 導 いて、へやにはいり、招 かれた三十 人 ほどのうちの 上座 にすわらせた。
23 そしてサムエルは 料理 人 に 言 った、「あなたに 渡 して、取 りのけておくようにと 言 っておいた 分 を 持 ってきなさい」。
24 料理 人 は、ももとその 上 の 部分 を 取 り 上 げて、それをサウルの 前 に 置 いた。そしてサムエルは 言 った、「ごらんなさい。取 っておいた 物 が、あなたの 前 に 置 かれています。召 しあがってください。あなたが 客人 たちと 一緒 に 食事 ができるように、この 時 まで、あなたのために 取 っておいたものです」。こうしてサウルはその 日 サムエルと 一緒 に 食事 をした。
25 そして 彼 らが 高 き 所 を 下 って 町 にはいった 時、サウルのために 屋上 に 床 が 設 けられ、彼 はその 上 に 身 を 横 たえて 寝 た。
26 そして 夜明 けになって、サムエルは 屋上 のサウルに 呼 ばわって 言 った、「起 きなさい。あなたをお 送 りします」。サウルは 起 き 上 がった。そしてサウルとサムエルのふたりは、共 に 外 に 出 た。
27 彼 らが 町 はずれに 下 った 時、サムエルはサウルに 言 った、「あなたのしもべに 先 に 行 くように 言 いなさい。しもべが 先 に 行 ったら、あなたは、しばらくここに 立 ちとどまってください。神 の 言葉 を 知 らせましょう」。
Chapter 10
1 その 時 サムエルは 油 のびんを 取 って、サウルの 頭 に 注 ぎ、彼 に 口 づけして 言 った、「主 はあなたに 油 を 注 いで、その 民 イスラエルの 君 とされたではありませんか。あなたは 主 の 民 を 治 め、周囲 の 敵 の 手 から 彼 らを 救 わなければならない。主 があなたに 油 を 注 いで、その 嗣 業 の 君 とされたことの、しるしは 次 のとおりです。
2 あなたがきょう、わたしを 離 れて、去 って 行 くとき、ベニヤミンの 領地 のゼルザにあるラケルの 墓 のかたわらで、ふたりの 人 に 会 うでしょう。そして 彼 らはあなたに 言 います、『あなたが 捜 しに 行 かれたろばは 見 つかりました。いま 父上 は、ろばよりもあなたがたの 事 を 心配 して、「わが 子 のことは、どうしよう」と 言 っておられます』。
3 あなたが、そこからなお 進 んで、タボルのかしの 木 の 所 へ 行 くと、そこでベテルに 上 って 神 を 拝 もうとする三 人 の 者 に 会 うでしょう。ひとりは三 頭 の 子 やぎを 連 れ、ひとりは三つのパンを 携 え、ひとりは、ぶどう 酒 のはいった 皮 袋 一つを 携 えている。
4 彼 らはあなたにあいさつし、二つのパンをくれるでしょう。あなたはそれを、その 手 から 受 けなければならない。
5 その 後、あなたは 神 のギベアへ 行 く。そこはペリシテびとの 守備 兵 のいる 所 である。あなたはその 所 へ 行 って、町 にはいる 時、立琴、手 鼓、笛、琴 を 執 る 人々 を 先 に 行 かせて、預言 しながら 高 き 所 から 降 りてくる 一群 の 預言者 に 会 うでしょう。
6 その 時、主 の 霊 があなたの 上 にもはげしく 下 って、あなたは 彼 らと 一緒 に 預言 し、変 って 新 しい 人 となるでしょう。
7 これらのしるしが、あなたの 身 に 起 ったならば、あなたは 手当 たりしだいになんでもしなさい。神 があなたと 一緒 におられるからです。
8 あなたはわたしに 先立 ってギルガルに 下 らなければならない。わたしはあなたのもとに 下 っていって、燔祭 を 供 え、酬恩祭 をささげるでしょう。わたしがあなたのもとに 行 って、あなたのしなければならない 事 をあなたに 示 すまで、七日 のあいだ 待 たなければならない」。
9 サウルが 背 をかえしてサムエルを 離 れたとき、神 は 彼 に 新 しい 心 を 与 えられた。これらのしるしは 皆 その 日 に 起 った。
10 彼 らはギベアにきた 時、預言者 の 一群 に 出会 った。そして 神 の 霊 が、はげしくサウルの 上 に 下 り、彼 は 彼 らのうちにいて 預言 した。
11 もとからサウルを 知 っていた 人々 はみな、サウルが 預言者 たちと 共 に 預言 するのを 見 て 互 に 言 った、「キシの 子 に 何事 が 起 ったのか。サウルもまた 預言者 たちのうちにいるのか」。
12 その 所 のひとりの 者 が 答 えた、「彼 らの 父 はだれなのか」。それで「サウルもまた 預言者 たちのうちにいるのか」というのが、ことわざとなった。
13 サウルは 預言 することを 終 えて、高 き 所 へ 行 った。
14 サウルのおじが、サウルとそのしもべとに 言 った、「あなたがたは、どこへ 行 ったのか」。サウルは 言 った、「ろばを 捜 しにいったのですが、どこにもいないので、サムエルのもとに 行 きました」。
15 サウルのおじは 言 った、「サムエルが、どんなことを 言 ったか、どうぞ 話 してください」。
16 サウルはおじに 言 った、「ろばが 見 つかったと、はっきり、わたしたちに 言 いました」。しかしサムエルが 言 った 王国 のことについて、おじには 何 も 告 げなかった。
17 さて、サムエルは 民 をミヅパで 主 の 前 に 集 め、
18 イスラエルの 人々 に 言 った、「イスラエルの 神、主 はこう 仰 せられる、『わたしはイスラエルをエジプトから 導 き 出 し、あなたがたをエジプトびとの 手、およびすべてあなたがたをしえたげる 王国 の 手 から 救 い 出 した』。
19 しかしあなたがたは、きょう、あなたがたをその 悩 みと 苦 しみの 中 から 救 われるあなたがたの 神 を 捨 て、その 上、『いいえ、われわれの 上 に 王 を 立 てよ』と 言 う。それゆえ 今、あなたがたは、部族 にしたがい、また 氏族 にしたがって、主 の 前 に 出 なさい」。
20 こうしてサムエルがイスラエルのすべての 部族 を 呼 び 寄 せた 時、ベニヤミンの 部族 が、くじに 当 った。
21 またベニヤミンの 部族 をその 氏族 にしたがって 呼 び 寄 せた 時、マテリの 氏族 が、くじに 当 り、マテリの 氏族 を 人 ごとに 呼 び 寄 せた 時、キシの 子 サウルが、くじに 当 った。しかし 人々 が 彼 を 捜 した 時、見 つからなかった。
22 そこでまた 主 に「その 人 はここにきているのですか」と 問 うと、主 は 言 われた、「彼 は 荷物 の 間 に 隠 れている」。
23 人々 は 走 って 行 って、彼 をそこから 連 れてきた。彼 は 民 の 中 に 立 ったが、肩 から 上 は、民 のどの 人 よりも 高 かった。
24 サムエルはすべての 民 に 言 った、「主 が 選 ばれた 人 をごらんなさい。民 のうちに 彼 のような 人 はないではありませんか」。民 はみな「王 万歳」と 叫 んだ。
25 その 時 サムエルは 王国 のならわしを 民 に 語 り、それを 書 にしるして、主 の 前 におさめた。こうしてサムエルはすべての 民 をそれぞれ 家 に 帰 らせた。
26 サウルもまたギベアにある 彼 の 家 に 帰 った。そして 神 にその 心 を 動 かされた 勇士 たちも 彼 と 共 に 行 った。
27 しかし、よこしまな 人々 は「この 男 がどうしてわれわれを 救 うことができよう」と 言 って、彼 を 軽 んじ、贈 り 物 をしなかった。しかしサウルは 黙 っていた。
Chapter 11
1 アンモンびとナハシは 上 ってきて、ヤベシ・ギレアデを 攻 め 囲 んだ。ヤベシの 人々 はナハシに 言 った、「われわれと 契約 を 結 びなさい。そうすればわれわれはあなたに 仕 えます」。
2 しかしアンモンびとナハシは 彼 らに 言 った、「次 の 条件 であなたがたと 契約 を 結 ぼう。すなわち、わたしが、あなたがたすべての 右 の 目 をえぐり 取 って、全 イスラエルをはずかしめるということだ」。
3 ヤベシの 長老 たちは 彼 に 言 った、「われわれに 七日 の 猶予 を 与 え、イスラエルの 全 領土 に 使者 を 送 ることを 許 してください。そしてもしわれわれを 救 う 者 がない 時 は 降伏 します」。
4 こうして 使者 が、サウルのギベアにきて、この 事 を 民 の 耳 に 告 げたので、民 はみな 声 をあげて 泣 いた。
5 その 時 サウルは 畑 から 牛 のあとについてきた。そしてサウルは 言 った、「民 が 泣 いているのは、どうしたのか」。人々 は 彼 にヤベシの 人々 の 事 を 告 げた。
6 サウルがこの 言葉 を 聞 いた 時、神 の 霊 が 激 しく 彼 の 上 に 臨 んだので、彼 の 怒 りははなはだしく 燃 えた。
7 彼 は一くびきの 牛 をとり、それを 切 り 裂 き、使者 の 手 によってイスラエルの 全 領土 に 送 って 言 わせた、「だれであってもサウルとサムエルとに 従 って 出 ない 者 は、その 牛 がこのようにされるであろう」。民 は 主 を 恐 れて、ひとりのように 出 てきた。
8 サウルはベゼクでそれを 数 えたが、イスラエルの 人々 は三十万、ユダの 人々 は三万であった。
9 そして 人々 は、きた 使者 たちに 言 った、「ヤベシ・ギレアデの 人 にこう 言 いなさい、『あす、日 の 暑 くなるころ、あなたがたは 救 を 得 るであろう』と」。使者 が 帰 って、ヤベシの 人々 に 告 げたので、彼 らは 喜 んだ。
10 そこでヤベシの 人々 は 言 った、「あす、われわれは 降伏 します。なんでも、あなたがたが 良 いと 思 うことを、われわれにしてください」。
11 明 くる 日、サウルは 民 を三つの 部隊 に 分 け、あかつきに 敵 の 陣営 に 攻 め 入 り、日 の 暑 くなるころまで、アンモンびとを 殺 した。生 き 残 った 者 はちりぢりになって、ふたり 一緒 にいるものはなかった。
12 その 時、民 はサムエルに 言 った、「さきに、『サウルがどうしてわれわれを 治 めることができようか』と 言 ったものはだれでしょうか。その 人々 を 引 き 出 してください。われわれはその 人々 を 殺 します」。
13 しかしサウルは 言 った、「主 はきょう、イスラエルに 救 を 施 されたのですから、きょうは 人 を 殺 してはなりません」。
14 そこでサムエルは 民 に 言 った、「さあ、ギルガルへ 行 って、あそこで 王国 を 一新 しよう」。
15 こうして 民 はみなギルガルへ 行 って、その 所 で 主 の 前 にサウルを 王 とし、酬恩祭 を 主 の 前 にささげ、サウルとイスラエルの 人々 は 皆、その 所 で 大 いに 祝 った。
Chapter 12
1 サムエルはイスラエルの 人々 に 言 った、「見 よ、わたしは、あなたがたの 言葉 に 聞 き 従 って、あなたがたの 上 に 王 を 立 てた。
2 見 よ 王 は 今、あなたがたの 前 に 歩 む。わたしは 年老 いて 髪 は 白 くなった。わたしの 子 らもあなたがたと 共 にいる。わたしは 若 い 時 から、きょうまで、あなたがたの 前 に 歩 んだ。
3 わたしはここにいる。主 の 前 と、その 油 そそがれた 者 の 前 に、わたしを 訴 えよ。わたしが、だれの 牛 を 取 ったか。だれのろばを 取 ったか。だれを 欺 いたか。だれをしえたげたか。だれの 手 から、まいないを 取 って、自分 の 目 をくらましたか。もしそのようなことがあれば、わたしはそれを、あなたがたに 償 おう」。
4 彼 らは 言 った、「あなたは、われわれを 欺 いたことも、しえたげたこともありません。また 人 の 手 から 何 も 取 ったことはありません」。
5 サムエルは 彼 らに 言 った、「あなたがたが、わたしの 手 のうちに、なんの 不正 をも 見 いださないことを、主 はあなたがたにあかしされる。その 油 そそがれた 者 も、きょうそれをあかしする」。彼 らは 言 った、「あかしされます」。
6 サムエルは 民 に 言 った、「モーセとアロンを 立 てて、あなたがたの 先祖 をエジプトの 地 から 導 き 出 された 主 が 証人 です。
7 それゆえ、あなたがたは 今、立 ちなさい。わたしは 主 が、あなたがたとあなたがたの 先祖 のために 行 われたすべての 救 のわざについて、主 の 前 に、あなたがたと 論 じよう。
8 ヤコブがエジプトに 行 って、エジプトびとが、彼 らを、しえたげた 時、あなたがたの 先祖 は 主 に 呼 ばわったので、主 はモーセとアロンをつかわされた。そこで 彼 らは、あなたがたの 先祖 をエジプトから 導 き 出 して、この 所 に 住 まわせた。
9 しかし、彼 らがその 神、主 を 忘 れたので、主 は 彼 らをハゾルの 王 ヤビンの 軍 の 長 シセラの 手 に 渡 し、またペリシテびとの 手 とモアブの 王 の 手 にわたされた。そこで 彼 らがイスラエルを 攻 めたので、
10 民 は 主 に 呼 ばわって 言 った、『われわれは 主 を 捨 て、バアルとアシタロテに 仕 えて、罪 を 犯 しました。今、われわれを 敵 の 手 から 救 い 出 してください。われわれはあなたに 仕 えます』。
11 主 はエルバアルとバラクとエフタとサムエルをつかわして、あなたがたを 周囲 の 敵 の 手 から 救 い 出 されたので、あなたがたは 安 らかに 住 むことができた。
12 ところが、アンモンびとの 王 ナハシが 攻 めてくるのを 見 たとき、あなたがたの 神、主 があなたがたの 王 であるのに、あなたがたはわたしに、『いいえ、われわれを 治 める 王 がなければならない』と 言 った。
13 それゆえ、今 あなたがたの 選 んだ 王、あなたがたが 求 めた 王 を 見 なさい。主 はあなたがたの 上 に 王 を 立 てられた。
14 もし、あなたがたが 主 を 恐 れ、主 に 仕 えて、その 声 に 聞 き 従 い、主 の 戒 めにそむかず、あなたがたも、あなたがたを 治 める 王 も 共 に、あなたがたの 神、主 に 従 うならば、それで 良 い。
15 しかし、もしあなたがたが 主 の 声 に 聞 き 従 わず、主 の 戒 めにそむくならば、主 の 手 は、あなたがたとあなたがたの 王 を 攻 めるであろう。
16 それゆえ、今、あなたがたは 立 って、主 が、あなたがたの 目 の 前 で 行 われる、この 大 いなる 事 を 見 なさい。
17 きょうは 小麦 刈 の 時 ではないか。わたしは 主 に 呼 ばわるであろう。そのとき 主 は 雷 と 雨 を 下 して、あなたがたが 王 を 求 めて、主 の 前 に 犯 した 罪 の 大 いなることを 見 させ、また 知 らせられるであろう」。
18 そしてサムエルが 主 に 呼 ばわったので、主 はその 日、雷 と 雨 を 下 された。民 は 皆 ひじょうに 主 とサムエルとを 恐 れた。
19 民 はみなサムエルに 言 った、「しもべらのために、あなたの 神、主 に 祈 って、われわれの 死 なないようにしてください。われわれは、もろもろの 罪 を 犯 した 上 に、また 王 を 求 めて、悪 を 加 えました」。
20 サムエルは 民 に 言 った、「恐 れることはない。あなたがたは、このすべての 悪 をおこなった。しかし 主 に 従 うことをやめず、心 をつくして 主 に 仕 えなさい。
21 むなしい 物 に 迷 って 行 ってはならない。それは、あなたがたを 助 けることも 救 うこともできないむなしいものだからである。
22 主 は、その 大 いなる 名 のゆえに、その 民 を 捨 てられないであろう。主 が、あなたがたを 自分 の 民 とすることを 良 しとされるからである。
23 また、わたしは、あなたがたのために 祈 ることをやめて 主 に 罪 を 犯 すことは、けっしてしないであろう。わたしはまた 良 い、正 しい 道 を、あなたがたに 教 えるであろう。
24 あなたがたは、ただ 主 を 恐 れ、心 をつくして、誠実 に 主 に 仕 えなければならない。そして 主 がどんなに 大 きいことをあなたがたのためにされたかを 考 えなければならない。
25 しかし、あなたがたが、なおも 悪 を 行 うならば、あなたがたも、あなたがたの 王 も、共 に 滅 ぼされるであろう」。
Chapter 13
1 サウルは三十 歳 で 王 の 位 につき、二 年 イスラエルを 治 めた。
2 さてサウルはイスラエルびと三千を 選 んだ。二千はサウルと 共 にミクマシ、およびベテルの 山地 におり、一千はヨナタンと 共 にベニヤミンのギベアにいた。サウルはその 他 の 民 を、おのおの、その 天幕 に 帰 らせた。
3 ヨナタンは、ゲバにあるペリシテびとの 守備 兵 を 敗 った。ペリシテびとはそのことを 聞 いた。そこで、サウルは 国中 に、あまねく 角笛 を 吹 きならして 言 わせた、「ヘブルびとよ、聞 け」。
4 イスラエルの 人 は 皆、サウルがペリシテびとの 守備 兵 を 敗 ったこと、そしてイスラエルがペリシテびとに 憎 まれるようになったことを 聞 いた。こうして 民 は 召 されて、ギルガルのサウルのもとに 集 まった。
5 ペリシテびとはイスラエルと 戦 うために 集 まった。戦車 三千、騎兵 六千、民 は 浜 べの 砂 のように 多 かった。彼 らは 上 ってきて、ベテアベンの 東 のミクマシに 陣 を 張 った。
6 イスラエルびとは、ひどく 圧迫 され、味方 が 危 くなったのを 見 て、ほら 穴 に、縦穴 に、岩 に、墓 に、ため 池 に 身 を 隠 した。
7 また、あるヘブルびとはヨルダンを 渡 って、ガドとギレアデの 地 へ 行 った。しかしサウルはなおギルガルにいて、民 はみな、ふるえながら 彼 に 従 った。
8 サウルは、サムエルが 定 めたように、七日 のあいだ 待 ったが、サムエルがギルガルにこなかったので、民 は 彼 を 離 れて 散 って 行 った。
9 そこでサウルは 言 った、「燔祭 と 酬恩祭 をわたしの 所 に 持 ってきなさい」。こうして 彼 は 燔祭 をささげた。
10 その 燔祭 をささげ 終 ると、サムエルがきた。サウルはあいさつをしようと、彼 を 迎 えに 出 た。
11 その 時 サムエルは 言 った、「あなたは 何 をしたのですか」。サウルは 言 った、「民 はわたしを 離 れて 散 って 行 き、あなたは 定 まった 日 のうちにこられないのに、ペリシテびとがミクマシに 集 まったのを 見 たので、
12 わたしは、ペリシテびとが 今 にも、ギルガルに 下 ってきて、わたしを 襲 うかも 知 れないのに、わたしはまだ 主 の 恵 みを 求 めることをしていないと 思 い、やむを 得 ず 燔祭 をささげました」。
13 サムエルはサウルに 言 った、「あなたは 愚 かなことをした。あなたは、あなたの 神、主 の 命 じられた 命令 を 守 らなかった。もし 守 ったならば、主 は 今 あなたの 王国 を 長 くイスラエルの 上 に 確保 されたであろう。
14 しかし 今 は、あなたの 王国 は 続 かないであろう。主 は 自分 の 心 にかなう 人 を 求 めて、その 人 に 民 の 君 となることを 命 じられた。あなたが 主 の 命 じられた 事 を 守 らなかったからである」。
15 こうしてサムエルは 立 って、ギルガルからベニヤミンのギベアに 上 っていった。サウルは 共 にいる 民 を 数 えてみたが、おおよそ六百 人 あった。
16 サウルとその 子 ヨナタン、ならびに、共 にいる 民 は、ベニヤミンのゲバにおり、ペリシテびとはミクマシに 陣 を 張 っていた。
17 そしてペリシテびとの 陣 から三つの 部隊 にわかれた 略奪 隊 が 出 てきて、一 部 隊 はオフラの 方 に 向 かって、シュアルの 地 に 行 き、
18 一 部 隊 はベテホロンの 方 に 向 かい、一 部 隊 は 荒野 の 方 のゼボイムの 谷 を 見 おろす 境 の 方 に 向 かった。
19 そのころ、イスラエルの 地 にはどこにも 鉄工 がいなかった。ペリシテびとが「ヘブルびとはつるぎも、やりも 造 ってはならない」と 言 ったからである。
20 ただしイスラエルの 人 は 皆、そのすきざき、くわ、おの、かまに 刃 をつけるときは、ペリシテびとの 所 へ 下 って 行 った。
21 すきざきと、くわのための 料金 は一ピムであり、おのに 刃 をつけるのと、とげのあるむちを 直 すのは三 分 の一シケルであった。
22 それでこの 戦 いの 日 には、サウルおよびヨナタンと 共 にいた 民 の 手 には、つるぎもやりもなく、ただサウルとその 子 ヨナタンとがそれを 持 っていた。
23 ペリシテびとの 先陣 はミクマシの 渡 りに 進 み 出 た。
Chapter 14
1 ある 日、サウルの 子 ヨナタンは、その 武器 を 執 る 若者 に「さあ、われわれは 向 こう 側 の、ペリシテびとの 先陣 へ 渡 って 行 こう」と 言 った。しかしヨナタンは 父 には 告 げなかった。
2 サウルはギベアのはずれで、ミグロンにある、ざくろの 木 の 下 にとどまっていたが、共 にいた 民 はおおよそ六百 人 であった。
3 またアヒヤはエポデを 身 に 着 けて 共 にいた。アヒヤはアヒトブの 子、アヒトブはイカボデの 兄弟、イカボデはピネハスの 子、ピネハスはシロにおいて 主 の 祭司 であったエリの 子 である。民 はヨナタンが 出 かけることを 知 らなかった。
4 ヨナタンがペリシテびとの 先陣 に 渡 って 行 こうとする 渡 りには、一方 に 険 しい 岩 があり、他方 にも 険 しい 岩 があり、一方 の 名 をボゼヅといい、他方 の 名 をセネといった。
5 岩 の一つはミクマシの 前 にあって 北 にあり、一つはゲバの 前 にあって 南 にあった。
6 ヨナタンはその 武器 を 執 る 若者 に 言 った、「さあ、われわれは、この 割礼 なき 者 どもの 先陣 へ 渡 って 行 こう。主 がわれわれのために 何 か 行 われるであろう。多 くの 人 をもって 救 うのも、少 ない 人 をもって 救 うのも、主 にとっては、なんの 妨 げもないからである」。
7 武器 を 執 る 者 は 彼 に 言 った、「あなたの 望 みどおりにしなさい。わたしは 一緒 にいます。わたしはあなたと 同 じ 心 です」。
8 ヨナタンはまた 言 った、「われわれは、あの 人々 の 所 に 渡 っていって、彼 らに 身 を 現 そう。
9 そして、もし 彼 らがわれわれに、『こちらから 行 くまで 待 て』と 言 うならば、われわれはその 場 にとどまり、彼 らの 所 に 上 っていかないであろう。
10 しかし、もし 彼 らが『われわれのところへ 上 ってこい』と 言 うならば、われわれは 上 って 行 こう。主 が 彼 らをわれわれの 手 に 渡 されるからである。これをもってしるしとしよう」。
11 こうしてふたりはペリシテびとの 先陣 に、その 身 を 現 したので、ペリシテびとは 言 った、「見 よ、ヘブルびとが、隠 れていた 穴 から 出 てくる」。
12 先陣 の 人々 はヨナタンと、その 武器 を 執 る 者 に 叫 んで 言 った、「われわれのところに 上 ってこい。目 に、もの 見 せてくれよう」。ヨナタンは、その 武器 を 執 る 者 に 言 った、「わたしのあとについて 上 ってきなさい。主 は 彼 らをイスラエルの 手 に 渡 されたのだ」。
13 そしてヨナタンはよじ 登 り、武器 を 執 る 者 もそのあとについて 登 った。ペリシテびとはヨナタンの 前 に 倒 れた。武器 を 執 る 者 も、あとについていってペリシテびとを 殺 した。
14 ヨナタンとその 武器 を 執 る 者 とが、手始 めに 殺 したものは、おおよそ二十 人 であって、このことは一くびきの 牛 の 耕 す 畑 のおおよそ 半分 の 内 で 行 われた。
15 そして 陣営 にいる 者、野 にいるもの、およびすべての 民 は 恐怖 に 襲 われ、先陣 のもの、および 略奪 隊 までも、恐 れおののいた。また 地 は 震 い 動 き、非常 に 大 きな 恐怖 となった。
16 ベニヤミンのギベアにいたサウルの 番兵 たちが 見 ると、ペリシテびとの 群衆 はくずれて 右往左往 していた。
17 その 時 サウルは、共 にいる 民 に 言 った、「人数 を 調 べて、われわれのうちのだれが 出 て 行 ったかを 見 よ」。人数 を 調 べたところ、ヨナタンとその 武器 を 執 る 者 とがそこにいなかった。
18 サウルはアヒヤに 言 った、「エポデをここに 持 ってきなさい」。その 時、アヒヤはイスラエルの 人々 の 前 でエポデを 身 に 着 けていたからである。
19 サウルが 祭司 に 語 っている 間 にも、ペリシテびとの 陣営 の 騒 ぎはますます 大 きくなったので、サウルは 祭司 に 言 った、「手 を 引 きなさい」。
20 こうしてサウルおよび 共 にいる 民 は 皆、集 まって 戦 いに 出 た。ペリシテびとはつるぎをもって 同志 打 ちしたので、非常 に 大 きな 混乱 となった。
21 また 先 にペリシテびとと 共 にいて、彼 らと 共 に 陣営 にきていたヘブルびとたちも、翻 ってサウルおよびヨナタンと 共 にいるイスラエルびとにつくようになった。
22 またエフライムの 山地 に 身 を 隠 していたイスラエルびとたちも 皆、ペリシテびとが 逃 げると 聞 いて、彼 らもまた 戦 いに 出 て、それを 追撃 した。
23 こうして 主 はその 日 イスラエルを 救 われた。そして 戦 いはベテアベンに 移 った。
24 しかしその 日 イスラエルの 人々 は 苦 しんだ。これはサウルが 民 に 誓 わせて「夕方 まで、わたしが 敵 にあだを 返 すまで、食物 を 食 べる 者 は、のろわれる」と 言 ったからである。それゆえ 民 のうちには、ひとりも 食物 を 口 にしたものはなかった。
25 ところで、民 がみな 森 の 中 にはいると、地 のおもてに 蜜 があった。
26 民 は 森 にはいった 時、蜜 のしたたっているのを 見 た。しかしだれもそれを 手 に 取 って 口 につけるものがなかった。民 が 誓 いを 恐 れたからである。
27 しかしヨナタンは、父 が 民 に 誓 わせたことを 聞 かなかったので、手 を 伸 べてつえの 先 を 蜜 ばちの 巣 に 浸 し、手 に 取 って 口 につけた。すると 彼 は 目 がはっきりした。
28 その 時、民 のひとりが 言 った、「あなたの 父 は、かたく 民 に 誓 わせて『きょう、食物 を 食 べる 者 は、のろわれる』と 言 われました。それで 民 は 疲 れているのです」。
29 ヨナタンは 言 った、「父 は 国 を 悩 ませました。ごらんなさい。この 蜜 をすこしなめたばかりで、わたしの 目 がこんなに、はっきりしたではありませんか。
30 まして、民 がきょう 敵 からぶんどった 物 を、じゅうぶん 食 べていたならば、さらに 多 くのペリシテびとを 殺 していたでしょうに」。
31 その 日 イスラエルびとは、ペリシテびとを 撃 って、ミクマシからアヤロンに 及 んだ。そして 民 は、ひじょうに 疲 れたので、
32 ぶんどり 物 に、はせかかって、羊、牛、子 牛 を 取 って、それを 地 の 上 に 殺 し、血 のままでそれを 食 べた。
33 人々 はサウルに 言 った、「民 は 血 のままで 食 べて、主 に 罪 を 犯 しています」。サウルは 言 った、「あなたがたはそむいている。この 所 へ、わたしのもとに 大 きな 石 をころがしてきなさい」。
34 サウルはまた 言 った、「あなたがたは 分 れて、民 の 中 にはいって、彼 らに 言 いなさい、『おのおの 牛 または、羊 を 引 いてきてここでほふって 食 べなさい。血 のままで 食 べて、主 に 罪 を 犯 してはならない』」。そこで 民 は 皆、その 夜、おのおの 牛 を 引 いてきて、それを、その 所 でほふった。
35 こうしてサウルは 主 に一つの 祭壇 を 築 いた。これはサウルが 主 のために 築 いた 最初 の 祭壇 である。
36 サウルは 言 った、「われわれは 夜 のうちにペリシテびとを 追 って 下 り、夜明 けまで 彼 らをかすめて、ひとりも 残 らぬようにしよう」。人々 は 言 った、「良 いと 思 われることを、なんでもしてください」。しかし 祭司 は 言 った、「われわれは、ここで、神 に 尋 ねましょう」。
37 そこでサウルは 神 に 伺 った、「わたしはペリシテびとを 追 って 下 るべきでしょうか。あなたは 彼 らをイスラエルの 手 に 渡 されるでしょうか」。しかし 神 はその 日 は 答 えられなかった。
38 そこでサウルは 言 った、「民 の 長 たちよ、みなこの 所 に 近 よりなさい。あなたがたは、よく 見 きわめて、きょうのこの 罪 が 起 きたわけを 知 らなければならない。
39 イスラエルを 救 う 主 は 生 きておられる。たとい、それがわたしの 子 ヨナタンであっても、必 ず 死 ななければならない」。しかし 民 のうちにはひとりも、これに 答 えるものがいなかった。
40 サウルはイスラエルのすべての 人 に 言 った、「あなたがたは 向 こう 側 にいなさい。わたしとわたしの 子 ヨナタンはこちら 側 にいましょう」。民 はサウルに 言 った、「良 いと 思 われることをしてください」。
41 そこでサウルは 言 った、「イスラエルの 神、主 よ、あなたはきょう、なにゆえしもべに 答 えられなかったのですか。もしこの 罪 がわたしにあるか、またはわたしの 子 ヨナタンにあるのでしたら、イスラエルの 神、主 よ、ウリムをお 与 えください。しかし、もしこの 罪 が、あなたの 民 イスラエルにあるのでしたらトンミムをお 与 えください」。こうしてヨナタンとサウルとが、くじに 当 り、民 はのがれた。
42 サウルは 言 った、「わたしか、わたしの 子 ヨナタンかを 決 めるために、くじを 引 きなさい」。くじはヨナタンに 当 った。
43 サウルはヨナタンに 言 った、「あなたがしたことを、わたしに 言 いなさい」。ヨナタンは 言 った、「わたしは 確 かに 手 にあったつえの 先 に 少 しばかりの 蜜 をつけて、なめました。わたしはここにいます。死 は 覚悟 しています」。
44 サウルは 言 った、「神 がわたしをいくえにも 罰 してくださるように。ヨナタンよ、あなたは 必 ず 死 ななければならない」。
45 その 時、民 はサウルに 言 った、「イスラエルのうちにこの 大 いなる 勝利 をもたらしたヨナタンが 死 ななければならないのですか。決 してそうではありません。主 は 生 きておられます。ヨナタンの 髪 の 毛 一すじも 地 に 落 してはなりません。彼 は 神 と 共 にきょう 働 いたのです」。こうして 民 はヨナタンを 救 ったので 彼 は 死 を 免 れた。
46 サウルはペリシテびとを 追 うことをやめて 引 きあげ、ペリシテびとはその 国 へ 帰 った。
47 サウルはイスラエルの 王 となって、周囲 のもろもろの 敵、すなわちモアブ、アンモンの 人々、エドム、ゾバの 王 たちおよびペリシテびとと 戦 い、すべて 向 かう 所 で 勝利 を 得 た。
48 サウルは 勇 ましく 働 き、アマレクびとを 撃 って、イスラエルびとを 略奪者 の 手 から 救 い 出 した。
49 さて、サウルのむすこたちはヨナタン、エスイ、およびマルキシュアである。ふたりの 娘 の 名 は 次 のとおりである。すなわち 姉 の 名 はメラブ、妹 の 名 はミカルである。
50 サウルの 妻 の 名 はアヒノアムといい、アヒマアズの 娘 である。また 軍 の 長 の 名 はアブネルといい、サウルのおじネルの 子 である。
51 サウルの 父 キシとアブネルの 父 ネルとは、アビエルの 子 である。
52 サウルの 一生 の 間、ペリシテびとと 激 しい 戦 いがあった。サウルは 力 の 強 い 人 や 勇気 のある 人 を 見 るごとに、それを 召 しかかえた。
Chapter 15
1 さて、サムエルはサウルに 言 った、「主 は、わたしをつかわし、あなたに 油 をそそいで、その 民 イスラエルの 王 とされました。それゆえ、今、主 の 言葉 を 聞 きなさい。
2 万軍 の 主 は、こう 仰 せられる、『わたしは、アマレクがイスラエルにした 事、すなわちイスラエルがエジプトから 上 ってきた 時、その 途中 で 敵対 したことについて 彼 らを 罰 するであろう。
3 今、行 ってアマレクを 撃 ち、そのすべての 持 ち 物 を 滅 ぼしつくせ。彼 らをゆるすな。男 も 女 も、幼 な 子 も 乳飲 み 子 も、牛 も 羊 も、らくだも、ろばも 皆、殺 せ』」。
4 サウルは 民 を 呼 び 集 め、テライムで 人数 を 調 べたところ、歩兵 は二十万、ユダの 人 は一万であった。
5 そしてサウルはアマレクの 町 へ 行 って、谷 に 兵 を 伏 せた。
6 サウルはケニびとに 言 った、「さあ、あなたがたはアマレクびとを 離 れて、下 っていってください。彼 らと 一緒 にあなたがたを 滅 ぼすようなことがあってはならない。あなたがたは、イスラエルの 人々 がエジプトから 上 ってきた 時、親切 にしてくれたのですから」。そこでケニびとはアマレクびとを 離 れて 行 った。
7 サウルはアマレクびとを 撃 って、ハビラからエジプトの 東 にあるシュルにまで 及 んだ。
8 そしてアマレクびとの 王 アガグをいけどり、つるぎをもってその 民 をことごとく 滅 ぼした。
9 しかしサウルと 民 はアガグをゆるし、また 羊 と 牛 の 最 も 良 いもの、肥 えたものならびに 小羊 と、すべての 良 いものを 残 し、それらを 滅 ぼし 尽 すことを 好 まず、ただ 値 うちのない、つまらない 物 を 滅 ぼし 尽 した。
10 その 時、主 の 言葉 がサムエルに 臨 んだ、
11 「わたしはサウルを 王 としたことを 悔 いる。彼 がそむいて、わたしに 従 わず、わたしの 言葉 を 行 わなかったからである」。サムエルは 怒 って、夜通 し、主 に 呼 ばわった。
12 そして 朝 サウルに 会 うため、早 く 起 きたが、サムエルに 告 げる 人 があった、「サウルはカルメルにきて、自分 のために 戦勝 記念碑 を 建 て、身 をかえして 進 み、ギルガルへ 下 って 行 きました」。
13 サムエルがサウルのもとへ 来 ると、サウルは 彼 に 言 った、「どうぞ、主 があなたを 祝福 されますように。わたしは 主 の 言葉 を 実行 しました」。
14 サムエルは 言 った、「それならば、わたしの 耳 にはいる、この 羊 の 声 と、わたしの 聞 く 牛 の 声 は、いったい、なんですか」。
15 サウルは 言 った、「人々 がアマレクびとの 所 から 引 いてきたのです。民 は、あなたの 神、主 にささげるために、羊 と 牛 の 最 も 良 いものを 残 したのです。そのほかは、われわれが 滅 ぼし 尽 しました」。
16 サムエルはサウルに 言 った、「おやめなさい。昨夜、主 がわたしに 言 われたことを、あなたに 告 げましょう」。サウルは 彼 に 言 った、「言 ってください」。
17 サムエルは 言 った、「たとい、自分 では 小 さいと 思 っても、あなたはイスラエルの 諸部族 の 長 ではありませんか。主 はあなたに 油 を 注 いでイスラエルの 王 とされた。
18 そして 主 はあなたに 使命 を 授 け、つかわして 言 われた、『行 って、罪 びとなるアマレクびとを 滅 ぼし 尽 せ。彼 らを 皆殺 しにするまで 戦 え』。
19 それであるのに、どうしてあなたは 主 の 声 に 聞 き 従 わないで、ぶんどり 物 にとびかかり、主 の 目 の 前 に 悪 をおこなったのですか」。
20 サウルはサムエルに 言 った、「わたしは 主 の 声 に 聞 き 従 い、主 がつかわされた 使命 を 帯 びて 行 き、アマレクの 王 アガグを 連 れてきて、アマレクびとを 滅 ぼし 尽 しました。
21 しかし 民 は 滅 ぼし 尽 すべきもののうち 最 も 良 いものを、ギルガルで、あなたの 神、主 にささげるため、ぶんどり 物 のうちから 羊 と 牛 を 取 りました」。
22 サムエルは 言 った、「主 はそのみ 言葉 に 聞 き 従 う 事 を 喜 ばれるように、燔祭 や 犠牲 を 喜 ばれるであろうか。見 よ、従 うことは 犠牲 にまさり、聞 くことは 雄羊 の 脂肪 にまさる。
23 そむくことは 占 いの 罪 に 等 しく、強情 は 偶像 礼拝 の 罪 に 等 しいからである。あなたが 主 のことばを 捨 てたので、主 もまたあなたを 捨 てて、王 の 位 から 退 けられた」。
24 サウルはサムエルに 言 った、「わたしは 主 の 命令 とあなたの 言葉 にそむいて 罪 を 犯 しました。民 を 恐 れて、その 声 に 聞 き 従 ったからです。
25 どうぞ、今 わたしの 罪 をゆるし、わたしと 一緒 に 帰 って、主 を 拝 ませてください」。
26 サムエルはサウルに 言 った、「あなたと 一緒 に 帰 りません。あなたが 主 の 言葉 を 捨 てたので、主 もあなたを 捨 てて、イスラエルの 王位 から 退 けられたからです」。
27 こうしてサムエルが 去 ろうとして 身 をかえした 時、サウルがサムエルの 上着 のすそを 捕 えたので、それは 裂 けた。
28 サムエルは 彼 に 言 った、「主 はきょう、あなたからイスラエルの 王国 を 裂 き、もっと 良 いあなたの 隣人 に 与 えられた。
29 またイスラエルの 栄光 は 偽 ることもなく、悔 いることもない。彼 は 人 ではないから 悔 いることはない」。
30 サウルは 言 った、「わたしは 罪 を 犯 しましたが、どうぞ、民 の 長老 たち、およびイスラエルの 前 で、わたしを 尊 び、わたしと 一緒 に 帰 って、あなたの 神、主 を 拝 ませてください」。
31 そこでサムエルはサウルのあとについて 帰 った。そしてサウルは 主 を 拝 んだ。
32 時 にサムエルは 言 った、「わたしの 所 にアマレクびとの 王 アガグを 引 いてきなさい」。アガグはうれしそうにサムエルの 所 にきた。アガグは「死 の 苦 しみはきっと 過 ぎ 去 ったのだ」と 思 った。
33 サムエルは 言 った、「あなたのつるぎは 多 くの 女 に 子供 を 失 わせた。そのようにあなたの 母 も 女 のうちで 最 も 無惨 に 子供 を 失 う 者 となるであろう」。サムエルはギルガルで 主 の 前 に、アガグを 寸断 した。
34 そしてサムエルはラマに 行 き、サウルは 故郷 のギベアに 上 って、その 家 に 帰 った。
35 サムエルは 死 ぬ 日 まで、二 度 とサウルを 見 なかった。しかしサムエルはサウルのために 悲 しんだ。また 主 はサウルをイスラエルの 王 としたことを 悔 いられた。
Chapter 16
1 さて 主 はサムエルに 言 われた、「わたしがすでにサウルを 捨 てて、イスラエルの 王位 から 退 けたのに、あなたはいつまで 彼 のために 悲 しむのか。角 に 油 を 満 たし、それをもって 行 きなさい。あなたをベツレヘムびとエッサイのもとにつかわします。わたしはその 子 たちのうちにひとりの 王 を 捜 し 得 たからである」。
2 サムエルは 言 った、「どうしてわたしは 行 くことができましょう。サウルがそれを 聞 けば、わたしを 殺 すでしょう」。主 は 言 われた、「一 頭 の 子 牛 を 引 いていって、『主 に 犠牲 をささげるためにきました』と 言 いなさい。
3 そしてエッサイを 犠牲 の 場所 に 呼 びなさい。その 時 わたしはあなたのすることを 示 します。わたしがあなたに 告 げる 人 に 油 を 注 がなければならない」。
4 サムエルは 主 が 命 じられたようにして、ベツレヘムへ 行 った。町 の 長老 たちは、恐 れながら 出 て、彼 を 迎 え、「穏 やかな 事 のためにこられたのですか」と 言 った。
5 サムエルは 言 った、「穏 やかな 事 のためです。わたしは 主 に 犠牲 をささげるためにきました。身 をきよめて、犠牲 の 場所 にわたしと 共 にきてください」。そしてサムエルはエッサイとその 子 たちをきよめて 犠牲 の 場 に 招 いた。
6 彼 らがきた 時、サムエルはエリアブを 見 て、「自分 の 前 にいるこの 人 こそ、主 が 油 をそそがれる 人 だ」と 思 った。
7 しかし 主 はサムエルに 言 われた、「顔 かたちや 身 のたけを 見 てはならない。わたしはすでにその 人 を 捨 てた。わたしが 見 るところは 人 とは 異 なる。人 は 外 の 顔 かたちを 見、主 は 心 を 見 る」。
8 そこでエッサイはアビナダブを 呼 んでサムエルの 前 を 通 らせた。サムエルは 言 った、「主 が 選 ばれたのはこの 人 でもない」。
9 エッサイはシャンマを 通 らせたが、サムエルは 言 った、「主 が 選 ばれたのはこの 人 でもない」。
10 エッサイは七 人 の 子 にサムエルの 前 を 通 らせたが、サムエルはエッサイに 言 った、「主 が 選 ばれたのはこの 人 たちではない」。
11 サムエルはエッサイに 言 った、「あなたのむすこたちは 皆 ここにいますか」。彼 は 言 った、「まだ 末 の 子 が 残 っていますが 羊 を 飼 っています」。サムエルはエッサイに 言 った、「人 をやって 彼 を 連 れてきなさい。彼 がここに 来 るまで、われわれは 食卓 につきません」。
12 そこで 人 をやって 彼 をつれてきた。彼 は 血色 のよい、目 のきれいな、姿 の 美 しい 人 であった。主 は 言 われた、「立 ってこれに 油 をそそげ。これがその 人 である」。
13 サムエルは 油 の 角 をとって、その 兄弟 たちの 中 で、彼 に 油 をそそいだ。この 日 からのち、主 の 霊 は、はげしくダビデの 上 に 臨 んだ。そしてサムエルは 立 ってラマへ 行 った。
14 さて 主 の 霊 はサウルを 離 れ、主 から 来 る 悪霊 が 彼 を 悩 ました。
15 サウルの 家来 たちは 彼 に 言 った、「ごらんなさい。神 から 来 る 悪霊 があなたを 悩 ましているのです。
16 どうぞ、われわれの 主君 が、あなたの 前 に 仕 えている 家来 たちに 命 じて、じょうずに 琴 をひく 者 ひとりを 捜 させてください。神 から 来 る 悪霊 があなたに 臨 む 時、彼 が 手 で 琴 をひくならば、あなたは 良 くなられるでしょう」。
17 そこでサウルは 家来 たちに 言 った、「じょうずに 琴 をひく 者 を 捜 して、わたしのもとに 連 れてきなさい」。
18 その 時、ひとりの 若者 がこたえた、「わたしはベツレヘムびとエッサイの 子 を 見 ましたが、琴 がじょうずで、勇気 もあり、いくさびとで、弁舌 にひいで、姿 の 美 しい 人 です。また 主 が 彼 と 共 におられます」。
19 そこでサウルはエッサイのもとに 使者 をつかわして 言 った、「羊 を 飼 っているあなたの 子 ダビデをわたしのもとによこしなさい」。
20 エッサイは、ろばにパンを 負 わせ、皮 袋 にいれたぶどう 酒 一 袋 と、やぎの 子 とを 取 って、その 子 ダビデの 手 によってサウルに 送 った。
21 ダビデはサウルのもとにきて、彼 に 仕 えた。サウルはひじょうにこれを 愛 して、その 武器 を 執 る 者 とした。
22 またサウルは 人 をつかわしてエッサイに 言 った、「ダビデをわたしに 仕 えさせてください。彼 はわたしの 心 にかないました」。
23 神 から 出 る 悪霊 がサウルに 臨 む 時、ダビデは 琴 をとり、手 でそれをひくと、サウルは 気 が 静 まり、良 くなって、悪霊 は 彼 を 離 れた。
Chapter 17
1 さてペリシテびとは、軍 を 集 めて 戦 おうとし、ユダに 属 するソコに 集 まって、ソコとアゼカの 間 にあるエペス・ダミムに 陣取 った。
2 サウルとイスラエルの 人々 は 集 まってエラの 谷 に 陣取 り、ペリシテびとに 対 して 戦列 をしいた。
3 ペリシテびとは 向 こうの 山 の 上 に 立 ち、イスラエルはこちらの 山 の 上 に 立 った。その 間 に 谷 があった。
4 時 に、ペリシテびとの 陣 から、ガテのゴリアテという 名 の、戦 いをいどむ 者 が 出 てきた。身 のたけは六キュビト 半。
5 頭 には 青銅 のかぶとを 頂 き、身 には、うろことじのよろいを 着 ていた。そのよろいは 青銅 で 重 さ五千シケル。
6 また 足 には 青銅 のすね 当 を 着 け、肩 には 青銅 の 投 げやりを 背負 っていた。
7 手 に 持 っているやりの 柄 は、機 の 巻棒 のようであり、やりの 穂 の 鉄 は六百シケルであった。彼 の 前 には、盾 を 執 る 者 が 進 んだ。
8 ゴリアテは 立 ってイスラエルの 戦列 に 向 かって 叫 んだ、「なにゆえ 戦列 をつくって 出 てきたのか。わたしはペリシテびと、おまえたちはサウルの 家来 ではないか。おまえたちから、ひとりを 選 んで、わたしのところへ 下 ってこさせよ。
9 もしその 人 が 戦 ってわたしを 殺 すことができたら、われわれはおまえたちの 家来 となる。しかしわたしが 勝 ってその 人 を 殺 したら、おまえたちは、われわれの 家来 になって 仕 えなければならない」。
10 またこのペリシテびとは 言 った、「わたしは、きょうイスラエルの 戦列 にいどむ。ひとりを 出 して、わたしと 戦 わせよ」。
11 サウルとイスラエルのすべての 人 は、ペリシテびとのこの 言葉 を 聞 いて 驚 き、ひじょうに 恐 れた。
12 さて、ダビデはユダのベツレヘムにいたエフラタびとエッサイという 名 の 人 の 子 で、この 人 に 八 人 の 子 があったが、サウルの 世 には 年 が 進 んで、すでに 年老 いていた。
13 エッサイの 子 らのうち、上 の三 人 はサウルに 従 って 戦争 に 出 た。その 戦 いに 出 た三 人 の 子 の 名 は、長子 をエリアブといい、次 をアビナダブといい、第 三をシャンマと 言 った。
14 ダビデは 末 の 子 であって、兄 三 人 はサウルにしたがった。
15 ダビデはサウルの 所 から 行 ったりきたりして、ベツレヘムで 父 の 羊 を 飼 っていた。
16 あのペリシテびとは四十 日 の 間、朝夕 出 てきて、彼 らの 前 に 立 った。
17 時 に、エッサイはその 子 ダビデに 言 った、「兄 たちのため、このいり 麦 一エパと、この十 個 のパンをとって、急 いで 陣営 にいる 兄 の 所 へ 持 っていきなさい。
18 またこの十の 乾酪 を 取 って、千 人 の 長 にもって 行 き、兄 たちの 安否 を 見 とどけて、そのしるしをもらってきなさい」。
19 さてサウルと 彼 らおよびイスラエルのすべての 人 は、エラの 谷 でペリシテびとと 戦 っていた。
20 ダビデは 朝 はやく 起 きて、羊 を 番人 に 託 し、エッサイが 命 じたように 食料 品 を 携 えて 行 った。彼 が 陣営 に 着 いた 時、軍勢 は、ときの 声 をあげて 戦線 に 出 ようとしていた。
21 そしてイスラエルとペリシテびととは 戦列 を 敷 いて、軍 と 軍 と 向 き 合 った。
22 ダビデは 荷物 をおろして、荷物 を 守 る 者 にあずけ、戦列 の 方 へ 走 って、兄 たちの 所 へ 行 き、彼 らの 安否 を 尋 ねた。
23 兄 たちと 語 っている 時、ペリシテびとの 戦列 から、ガテのペリシテびとで、名 をゴリアテという、あの 戦 いをいどむ 者 が 上 ってきて、前 と 同 じ 言葉 を 言 ったので、ダビデはそれを 聞 いた。
24 イスラエルのすべての 人 は、その 人 を 見 て、避 けて 逃 げ、ひじょうに 恐 れた。
25 イスラエルの 人々 はまた 言 った、「あなたがたは、あの 上 ってきた 人 を 見 たか。確 かにイスラエルにいどむために 上 ってきたのだ。彼 を 殺 す 人 は、王 が 大 いなる 富 を 与 えて 富 ませ、その 娘 を 与 え、その 父 の 家 にはイスラエルのうちで 税 を 免 れさせるであろう」。
26 ダビデはかたわらに 立 っている 人々 に 言 った、「このペリシテびとを 殺 し、イスラエルの 恥 をすすぐ 人 には、どうされるのですか。この 割礼 なきペリシテびとは 何者 なので、生 ける 神 の 軍 をいどむのか」。
27 民 は 前 と 同 じように、「彼 を 殺 す 人 にはこうされるであろう」と 答 えた。
28 上 の 兄 エリアブはダビデが 人々 と 語 るのを 聞 いて、ダビデに 向 かい 怒 りを 発 して 言 った、「なんのために 下 ってきたのか。野 にいるわずかの 羊 はだれに 託 したのか。あなたのわがままと 悪 い 心 はわかっている。戦 いを 見 るために 下 ってきたのだ」。
29 ダビデは 言 った、「わたしが 今、何 をしたというのですか。ただひと 言 いっただけではありませんか」。
30 またふり 向 いて、ほかの 人 に 前 のように 語 ったところ、民 はまた 同 じように 答 えた。
31 人々 はダビデの 語 った 言葉 を 聞 いて、それをサウルに 告 げたので、サウルは 彼 を 呼 び 寄 せた。
32 ダビデはサウルに 言 った、「だれも 彼 のゆえに 気 を 落 してはなりません。しもべが 行 ってあのペリシテびとと 戦 いましょう」。
33 サウルはダビデに 言 った、「行 って、あのペリシテびとと 戦 うことはできない。あなたは 年少 だが、彼 は 若 い 時 からの 軍人 だからです」。
34 しかしダビデはサウルに 言 った、「しもべは 父 の 羊 を 飼 っていたのですが、しし、あるいはくまがきて、群 れの 小羊 を 取 った 時、
35 わたしはそのあとを 追 って、これを 撃 ち、小羊 をその 口 から 救 いだしました。その 獣 がわたしにとびかかってきた 時 は、ひげをつかまえて、それを 撃 ち 殺 しました。
36 しもべはすでに、ししと、くまを 殺 しました。この 割礼 なきペリシテびとも、生 ける 神 の 軍 をいどんだのですから、あの 獣 の一 頭 のようになるでしょう」。
37 ダビデはまた 言 った、「ししのつめ、くまのつめからわたしを 救 い 出 された 主 は、またわたしを、このペリシテびとの 手 から 救 い 出 されるでしょう」。サウルはダビデに 言 った、「行 きなさい。どうぞ 主 があなたと 共 におられるように」。
38 そしてサウルは 自分 のいくさ 衣 をダビデに 着 せ、青銅 のかぶとを、その 頭 にかぶらせ、また、うろことじのよろいを 身 にまとわせた。
39 ダビデは、いくさ 衣 の 上 に、つるぎを 帯 びて 行 こうとしたが、できなかった。それに 慣 れていなかったからである。そこでダビデはサウルに 言 った、「わたしはこれらのものを 着 けていくことはできません。慣 れていないからです」。
40 ダビデはそれらを 脱 ぎすて、手 につえをとり、谷間 からなめらかな 石 五 個 を 選 びとって 自分 の 持 っている 羊飼 の 袋 に 入 れ、手 に 石 投 げを 執 って、あのペリシテびとに 近 づいた。
41 そのペリシテびとは 進 んできてダビデに 近 づいた。そのたてを 執 る 者 が 彼 の 前 にいた。
42 ペリシテびとは 見 まわしてダビデを 見、これを 侮 った。まだ 若 くて 血色 がよく、姿 が 美 しかったからである。
43 ペリシテびとはダビデに 言 った、「つえを 持 って、向 かってくるが、わたしは 犬 なのか」。ペリシテびとは、また 神々 の 名 によってダビデをのろった。
44 ペリシテびとはダビデに 言 った、「さあ、向 かってこい。おまえの 肉 を、空 の 鳥、野 の 獣 のえじきにしてくれよう」。
45 ダビデはペリシテびとに 言 った、「おまえはつるぎと、やりと、投 げやりを 持 って、わたしに 向 かってくるが、わたしは 万軍 の 主 の 名、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの 軍 の 神 の 名 によって、おまえに 立 ち 向 かう。
46 きょう、主 は、おまえをわたしの 手 にわたされるであろう。わたしは、おまえを 撃 って、首 をはね、ペリシテびとの 軍勢 の 死 かばねを、きょう、空 の 鳥、地 の 野獣 のえじきにし、イスラエルに、神 がおられることを 全 地 に 知 らせよう。
47 またこの 全 会衆 も、主 は 救 を 施 すのに、つるぎとやりを 用 いられないことを 知 るであろう。この 戦 いは 主 の 戦 いであって、主 がわれわれの 手 におまえたちを 渡 されるからである」。
48 そのペリシテびとが 立 ち 上 がり、近 づいてきてダビデに 立 ち 向 かったので、ダビデは 急 ぎ 戦線 に 走 り 出 て、ペリシテびとに 立 ち 向 かった。
49 ダビデは 手 を 袋 に 入 れて、その 中 から一つの 石 を 取 り、石 投 げで 投 げて、ペリシテびとの 額 を 撃 ったので、石 はその 額 に 突 き 入 り、うつむきに 地 に 倒 れた。
50 こうしてダビデは 石 投 げと 石 をもってペリシテびとに 勝 ち、ペリシテびとを 撃 って、これを 殺 した。ダビデの 手 につるぎがなかったので、
51 ダビデは 走 りよってペリシテびとの 上 に 乗 り、そのつるぎを 取 って、さやから 抜 きはなし、それをもって 彼 を 殺 し、その 首 をはねた。ペリシテの 人々 は、その 勇士 が 死 んだのを 見 て 逃 げた。
52 イスラエルとユダの 人々 は 立 ちあがり、ときをあげて、ペリシテびとを 追撃 し、ガテおよびエクロンの 門 にまで 及 んだ。そのためペリシテびとの 負傷 者 は、シャライムからガテおよびエクロンに 行 く 道 の 上 に 倒 れた。
53 イスラエルの 人々 はペリシテびとの 追撃 を 終 えて 帰 り、その 陣営 を 略奪 した。
54 ダビデは、あのペリシテびとの 首 を 取 ってエルサレムへ 持 って 行 ったが、その 武器 は 自分 の 天幕 に 置 いた。
55 サウルはダビデがあのペリシテびとに 向 かって 出 ていくのを 見 て、軍 の 長 アブネルに 言 った、「アブネルよ、この 若者 はだれの 子 か」。アブネルは 言 った、「王 よ、あなたのいのちにかけて 誓 います。わたしは 知 らないのです」。
56 王 は 言 った、「この 若者 がだれの 子 か、尋 ねてみよ」。
57 ダビデが、あのペリシテびとを 殺 して 帰 ってきた 時、アブネルは、ペリシテびとの 首 を 手 に 持 っている 彼 を、サウルの 前 に 連 れて 行 った。
58 サウルは 彼 に 言 った、「若者 よ、あなたはだれの 子 か」。ダビデは 答 えた、「あなたのしもべ、ベツレヘムびとエッサイの 子 です」。
Chapter 18
1 ダビデがサウルに 語 り 終 えた 時、ヨナタンの 心 はダビデの 心 に 結 びつき、ヨナタンは 自分 の 命 のようにダビデを 愛 した。
2 この 日、サウルはダビデを 召 しかかえて、父 の 家 に 帰 らせなかった。
3 ヨナタンとダビデとは 契約 を 結 んだ。ヨナタンが 自分 の 命 のようにダビデを 愛 したからである。
4 ヨナタンは 自分 が 着 ていた 上着 を 脱 いでダビデに 与 えた。また、そのいくさ 衣、およびつるぎも 弓 も 帯 も、そのようにした。
5 ダビデはどこでもサウルがつかわす 所 に 出 て 行 って、てがらを 立 てたので、サウルは 彼 を 兵 の 隊長 とした。それはすべての 民 の 心 にかない、またサウルの 家来 たちの 心 にもかなった。
6 人々 が 引 き 揚 げてきた 時、すなわちダビデが、かのペリシテびとを 殺 して 帰 った 時、女 たちはイスラエルの 町々 から 出 てきて、手 鼓 と 祝 い 歌 と 三糸 の 琴 をもって、歌 いつ 舞 いつ、サウル 王 を 迎 えた。
7 女 たちは 踊 りながら 互 に 歌 いかわした、「サウルは千を 撃 ち 殺 し、ダビデは 万 を 撃 ち 殺 した」。
8 サウルは、ひじょうに 怒 り、この 言葉 に 気 を 悪 くして 言 った、「ダビデには 万 と 言 い、わたしには千と 言 う。この 上、彼 に 与 えるものは、国 のほかないではないか」。
9 サウルは、この 日 からのちダビデをうかがった。
10 次 の 日、神 から 来 る 悪霊 がサウルにはげしく 臨 んで、サウルが 家 の 中 で 狂 いわめいたので、ダビデは、いつものように、手 で 琴 をひいた。その 時、サウルの 手 にやりがあったので、
11 サウルは「ダビデを 壁 に 刺 し 通 そう」と 思 って、そのやりをふり 上 げた。しかしダビデは二 度 身 をかわしてサウルを 避 けた。
12 主 がサウルを 離 れて、ダビデと 共 におられたので、サウルはダビデを 恐 れた。
13 それゆえサウルは、ダビデを 遠 ざけて、千 人 の 長 としたので、ダビデは 民 の 先 に 立 って 出入 りした。
14 またダビデは、すべてそのすることに、てがらを 立 てた。主 が 共 におられたからである。
15 サウルはダビデが 大 きなてがらを 立 てるのを 見 て 彼 を 恐 れたが、
16 イスラエルとユダのすべての 人 はダビデを 愛 した。彼 が 民 の 先 に 立 って 出入 りしたからである。
17 その 時 サウルはダビデに 言 った、「わたしの 長女 メラブを、あなたに 妻 として 与 えよう。ただ、あなたはわたしのために 勇 ましく、主 の 戦 いを 戦 いなさい」。サウルは「自分 の 手 で 彼 を 殺 さないで、ペリシテびとの 手 で 殺 そう」と 思 ったからである。
18 ダビデはサウルに 言 った、「わたしは 何者 なのでしょう。わたしの 親族、わたしの 父 の 一族 はイスラエルのうちで 何者 なのでしょう。そのわたしが、どうして 王 のむこになることができましょう」。
19 しかしサウルの 娘 メラブは、ダビデにとつぐべき 時 になって、メホラびとアデリエルに 妻 として 与 えられた。
20 サウルの 娘 ミカルはダビデを 愛 した。人々 がそれをサウルに 告 げたとき、サウルはその 事 を 喜 んだ。
21 サウルは「ミカルを 彼 に 与 えて、彼 を 欺 く 手 だてとし、ペリシテびとの 手 で 彼 を 殺 そう」と 思 ったので、サウルはふたたびダビデに 言 った、「あなたを、きょう、わたしのむこにします」。
22 そしてサウルは 家来 たちに 命 じた、「ひそかにダビデに 言 いなさい、『王 はあなたが 気 に 入 り、王 の 家来 たちも 皆 あなたを 愛 しています。それゆえ 王 のむこになりなさい』」。
23 そこでサウルの 家来 たちはこの 言葉 をダビデの 耳 に 語 ったので、ダビデは 言 った、「わたしのような 貧 しく、卑 しい 者 が、王 のむこになることは、あなたがたには、たやすいことと 思 われますか」。
24 サウルの 家来 たちはサウルに、「ダビデはこう 言 った」と 告 げた。
25 サウルは 言 った、「あなたがたはダビデにこう 言 いなさい、『王 はなにも 結納 を 望 まれない。ただペリシテびとの 陽 の 皮 一百を 獲 て、王 のあだを 討 つことを 望 まれる』」。これはサウルが、ダビデをペリシテびとの 手 によって 倒 そうと 思 ったからである。
26 サウルの 家来 たちが、この 言葉 をダビデに 告 げた 時、ダビデは 王 のむこになることを 良 しとした。そして 定 めた 日 がまだこないうちに、
27 ダビデは 従者 をつれて、立 って 行 き、ペリシテびと二百 人 を 殺 して、その 陽 の 皮 を 携 え 帰 り、王 のむこになるために、それをことごとく 王 にささげた。そこでサウルは 娘 ミカルを 彼 に 妻 として 与 えた。
28 しかしサウルは 見 て、主 がダビデと 共 におられること、またイスラエルのすべての 人 がダビデを 愛 するのを 知 った 時、
29 サウルは、ますますダビデを 恐 れた。こうしてサウルは 絶 えずダビデに 敵 した。
30 さてペリシテびとの 君 たちが 攻 めてきたが、ダビデは、彼 らが 攻 めてくるごとに、サウルのどの 家来 よりも 多 くのてがらを 立 てたので、その 名 はひじょうに 尊敬 された。
Chapter 19
1 サウルはその 子 ヨナタンおよびすべての 家来 たちにダビデを 殺 すようにと 言 った。しかしサウルの 子 ヨナタンは 深 くダビデを 愛 していた。
2 ヨナタンはダビデに 言 った、「父 サウルはあなたを 殺 そうとしています。それゆえあすの 朝、気 をつけて、わからない 場所 に 身 を 隠 していてください。
3 わたしは 出 て 行 って、あなたがいる 野原 で 父 のかたわらに 立 ち、父 にあなたのことを 話 しましょう。そして、何 かわたしにわかれば、あなたに 告 げましょう」。
4 ヨナタンは 父 サウルにダビデのことをほめて 言 った、「王 よ、どうか 家来 ダビデに 対 して 罪 を 犯 さないでください。彼 は、あなたに 罪 を 犯 さず、また 彼 のしたことは、あなたのためになることでした。
5 彼 は 命 をかけて、あのペリシテびとを 殺 し、主 はイスラエルの 人々 に 大 いなる 勝利 を 与 えられたのです。あなたはそれを 見 て 喜 ばれました。それであるのに、どうしてゆえなくダビデを 殺 し、罪 なき 者 の 血 を 流 して 罪 を 犯 そうとされるのですか」。
6 サウルはヨナタンの 言葉 を 聞 きいれた。そしてサウルは 誓 った、「主 は 生 きておられる。わたしは 決 して 彼 を 殺 さない」。
7 ヨナタンはダビデを 呼 んでこれらのことをみなダビデに 告 げた。そしてヨナタンがダビデをサウルのもとに 連 れてきたので、ダビデは、もとのようにサウルの 前 にいた。
8 ところがまた 戦争 がおこって、ダビデは 出 てペリシテびとと 戦 い、大 いに 彼 らを 殺 したので、彼 らはその 前 から 逃 げ 去 った。
9 さてサウルが 家 にいて 手 にやりを 持 ってすわっていた 時、主 から 来 る 悪霊 がサウルに 臨 んだので、ダビデは 琴 をひいていたが、
10 サウルはそのやりをもってダビデを 壁 に 刺 し 通 そうとした。しかし 彼 はサウルの 前 に 身 をかわしたので、やりは 壁 につきささった。そしてダビデは 逃 げ 去 った。
11 その 夜、サウルはダビデの 家 に 使者 たちをつかわして 見張 りをさせ、朝 になって 彼 を 殺 させようとした。しかしダビデの 妻 ミカルはダビデに 言 った、「もし 今夜 のうちに、あなたが 自分 の 命 を 救 わないならば、あすは 殺 されるでしょう」。
12 そしてミカルがダビデを 窓 からつりおろしたので、彼 は 逃 げ 去 った。
13 ミカルは一つの 像 をとって、寝床 の 上 に 横 たえ、その 頭 にやぎの 毛 の 網 をかけ、着物 をもってそれをおおった。
14 サウルはダビデを 捕 えるため 使者 たちをつかわしたが、彼女 は 言 った、「あの 人 は 病気 です」。
15 そこでサウルは、ダビデを 見 させようと 使者 たちをつかわして 言 った、「彼 を 寝床 のまま、わたしの 所 に 連 れてきなさい。わたしが 彼 を 殺 そう」。
16 使者 たちがはいって 見 ると、寝床 には 像 が 横 たえてあって、その 頭 には、やぎの 毛 の 網 がかけてあった。
17 サウルはミカルに 言 った、「あなたはどうして、このようにわたしを 欺 いて、わたしの 敵 を 逃 がしたのか」。ミカルはサウルに 答 えた、「あの 人 はわたしに『逃 がしてくれ。さもないと、おまえを 殺 す』と 言 いました」。
18 ダビデは 逃 げ 去 り、ラマにいるサムエルのもとへ 行 って、サウルが 自分 にしたすべてのことを 彼 に 告 げた。そしてダビデとサムエルは 行 ってナヨテに 住 んだ。
19 ある 人 がサウルに「ダビデはラマのナヨテにいます」と 告 げたので、
20 サウルは、ダビデを 捕 えるために、使者 たちをつかわした。彼 らは 預言者 の 一群 が 預言 していて、サムエルが、そのうちの、かしらとなって 立 っているのを 見 たが、その 時、神 の 霊 はサウルの 使者 たちにも 臨 んで、彼 らもまた 預言 した。
21 サウルは、このことを 聞 いて、他 の 使者 たちをつかわしたが、彼 らもまた 預言 した。サウルは三たび 使者 たちをつかわしたが、彼 らもまた 預言 した。
22 そこでサウルはみずからラマに 行 き、セクの 大井戸 に 着 いた 時、問 うて 言 った、「サムエルとダビデは、どこにおるか」。ひとりの 人 が 答 えた、「彼 らはラマのナヨテにいます」。
23 そこでサウルはそこからラマのナヨテに 行 ったが、神 の 霊 はまた 彼 にも 臨 んで、彼 はラマのナヨテに 着 くまで 歩 きながら 預言 した。
24 そして 彼 もまた 着物 を 脱 いで、同 じようにサムエルの 前 で 預言 し、一 日 一 夜、裸 で 倒 れ 伏 していた。人々 が「サウルもまた 預言者 たちのうちにいるのか」というのはこのためである。
Chapter 20
1 ダビデはラマのナヨテから 逃 げてきて、ヨナタンに 言 った、「わたしが 何 をし、どのような 悪 いことがあり、あなたの 父 の 前 にどんな 罪 を 犯 したので、わたしを 殺 そうとされるのでしょうか」。
2 ヨナタンは 彼 に 言 った、「決 して 殺 されることはありません。父 は 事 の 大小 を 問 わず、わたしに 告 げないですることはありません。どうして 父 がわたしにその 事 を 隠 しましょう。そのようなことはありません」。
3 しかしダビデは 答 えた、「あなたの 父 は、わたしがあなたの 好意 をえていることをよく 知 っておられます。それで『ヨナタンが 悲 しむことのないように、これを 知 らせないでおこう』と 思 っておられるのです。しかし、主 は 生 きておられ、あなたの 魂 は 生 きています。わたしと 死 との 間 は、ただ一 歩 です」。
4 ヨナタンはダビデに 言 った、「あなたが 言 われることはなんでもします」。
5 ダビデはヨナタンに 言 った、「あすは、ついたちですから、わたしは 王 と 一緒 に 食事 をしなければなりません。しかしわたしを 行 かせて三 日 目 の 夕方 まで、野原 に 隠 れることを 許 してください。
6 もしあなたの 父 がわたしのことを 尋 ねられるならば、その 時、言 ってください、『ダビデはふるさとの 町 ベツレヘムへ 急 いで 行 くことを 許 してくださいと、しきりにわたしに 求 めました。そこで 全家 の 年 祭 があるからです』。
7 もし 彼 が「良 し」と 言 われるなら、しもべは 安全 ですが、怒 られるなら、わたしに 害 を 加 える 決心 でおられるのを 知 ってください。
8 あなたは、主 の 前 で、しもべと 契約 を 結 んでくださいました。それでどうぞしもべにいつくしみを 施 してください。しかし、もしわたしに 悪 いことがあるならば、あなた 自 らわたしを 殺 してください。どうしてあなたの 父 のもとへわたしを 引 いていかなければならないでしょう」。
9 ヨナタンは 言 った、「そのようなことは 決 してありません。父 があなたに 害 を 加 える 決心 をしていることがわたしにわかっているならば、わたしはそれをあなたに 告 げないでおきましょうか」。
10 ダビデはヨナタンに 言 った、「あなたの 父 が 荒々 しくあなたに 答 えられる 時、だれがわたしに 告 げるでしょうか」。
11 ヨナタンはダビデに 言 った、「さあ、野原 へ 出 ていこう」。こうしてふたりは 野原 へ 出 て 行 った。
12 そしてヨナタンはダビデに 言 った、「イスラエルの 神、主 が、証人 です。明日 か 明後日 の 今 ごろ、わたしが 父 の 心 を 探 って、父 がダビデに 対 して 良 いのを 見 ながら、人 をつかわしてあなたに 知 らせないようなことをするでしょうか。
13 しかし、もし 父 があなたに 害 を 加 えようと 思 っているのに、それをあなたに 知 らせず、あなたを 逃 がして、安全 に 去 らせないならば、主 よ、どうぞ 幾重 にも、このヨナタンを 罰 してください。どうぞ 主 が 父 と 共 におられたように、あなたと 共 におられますように。
14 もしわたしがなお 生 きながらえているならば、主 のいつくしみをわたしに 施 し、死 を 免 れさせてください。
15 またわたしの 家 をも、長 くあなたのいつくしみにあずからせてください。主 がダビデの 敵 をことごとく 地 のおもてから 断 ち 滅 ぼされる 時、
16 ヨナタンの 名 をダビデの 家 から 絶 やさないでください。どうぞ 主 がダビデの 敵 に、あだを 返 されるように」。
17 そしてヨナタンは 重 ねてダビデに 誓 わせた。彼 を 愛 したからである。ヨナタンは 自分 の 命 のように 彼 を 愛 していた。
18 ヨナタンはダビデに 言 った、「あすはついたちです。あなたの 席 があいているので、どうしたのかと 尋 ねられるでしょう。
19 三 日 目 には、きびしく 尋 ねられるでしょうから、先 にあなたが 隠 れた 場所 へ 行 って、向 こうの 石塚 のかたわらにいてください。
20 わたしは 的 を 射 るようにして、矢 を三 本、そのそばに 放 ちます。
21 そして、『行 って 矢 を 捜 してきなさい』と 言 って 子供 をつかわしましょう。わたしが 子供 に、『矢 は 手前 にある。それを 取 ってきなさい』と 言 うならば、その 時 あなたはきてください。主 が 生 きておられるように、あなたは 安全 で、何 も 危険 がないからです。
22 しかしわたしがその 子 供 に、『矢 は 向 こうにある』と 言 うならば、その 時、あなたは 去 って 行 きなさい。主 があなたを 去 らせられるのです。
23 あなたとわたしとで 話 しあった 事 については、主 が 常 にあなたとわたしとの 間 におられます」。
24 そこでダビデは 野原 に 身 を 隠 した。さて、ついたちになったので、王 は 食事 をするため 席 に 着 いた。
25 王 はいつものように 壁 寄 りに 席 に 着 き、ヨナタンはその 向 かい 側 の 席 に 着 き、アブネルはサウルの 横 の 席 に 着 いたが、ダビデの 場所 にはだれもいなかった。
26 ところがその 日 サウルは 何 も 言 わなかった、「彼 に 何 か 起 って 汚 れたのだろう。きっと 汚 れたのにちがいない」と 思 ったからである。
27 しかし、ふつか 目 すなわち、ついたちの 明 くる 日 も、ダビデの 場所 はあいていたので、サウルは、その 子 ヨナタンに 言 った、「どうしてエッサイの 子 は、きのうもきょうも 食事 にこないのか」。
28 ヨナタンはサウルに 答 えた、「ダビデは、ベツレヘムへ 行 くことを 許 してくださいと、しきりにわたしに 求 めました。
29 彼 は 言 いました、『わたしに 行 かせてください。われわれの 一族 が 町 で 祭 をするので、兄 がわたしに 来 るようにと 命 じました。それでもし、あなたの 前 に 恵 みを 得 ますならば、どうぞ、わたしに 行 くことを 許 し、兄弟 たちに 会 わせてください』。それで 彼 は 王 の 食卓 にこなかったのです」。
30 その 時 サウルはヨナタンにむかって 怒 りを 発 し、彼 に 言 った、「あなたは 心 の 曲 った、そむく 女 の 産 んだ 子 だ。あなたがエッサイの 子 を 選 んで、自分 の 身 をはずかしめ、また 母 の 身 をはずかしめていることをわたしが 知 らないと 思 うのか。
31 エッサイの 子 がこの 世 に 生 きながらえている 間 は、あなたも、あなたの 王国 も 堅 く 立 っていくことはできない。それゆえ 今、人 をつかわして、彼 をわたしのもとに 連 れてこさせなさい。彼 は 必 ず 死 ななければならない」。
32 ヨナタンは 父 サウルに 答 えた、「どうして 彼 は 殺 されなければならないのですか。彼 は 何 をしたのですか」。
33 ところがサウルはヨナタンを 撃 とうとして、やりを 彼 に 向 かって 振 り 上 げたので、ヨナタンは 父 がダビデを 殺 そうと、心 に 決 めているのを 知 った。
34 ヨナタンは 激 しく 怒 って 席 を 立 ち、その 月 のふつかには 食事 をしなかった。父 がダビデをはずかしめたので、ダビデのために 憂 えたからである。
35 あくる 朝、ヨナタンは、ひとりの 小 さい 子供 を 連 れて、ダビデと 打 ち 合 わせたように 野原 に 出 て 行 った。
36 そしてその 子 供 に 言 った、「走 って 行 って、わたしの 射 る 矢 を 捜 しなさい」。子供 が 走 って 行 く 間 に、ヨナタンは 矢 を 彼 の 前 の 方 に 放 った。
37 そして 子供 が、ヨナタンの 放 った 矢 のところへ 行 った 時、ヨナタンは 子供 のうしろから 呼 ばわって、「矢 は 向 こうにあるではないか」と 言 った。
38 ヨナタンはまた、その 子 供 のうしろから 呼 ばわって 言 った、「早 くせよ、急 げ。とどまるな」。その 子 供 は 矢 を 拾 い 集 めて 主人 ヨナタンのもとにきた。
39 しかし 子供 は 何 も 知 らず、ヨナタンとダビデだけがそのことを 知 っていた。
40 ヨナタンは 自分 の 武器 をその 子 供 に 渡 して 言 った、「あなたはこれを 町 へ 運 んで 行 きなさい」。
41 子供 が 行 ってしまうとダビデは 石塚 のかたわらをはなれて 立 ちいで、地 にひれ 伏 して三 度 敬礼 した。そして、ふたりは 互 に 口 づけし、互 に 泣 いた。やがてダビデは 心 が 落 ち 着 いた。
42 その 時 ヨナタンはダビデに 言 った、「無事 に 行 きなさい。われわれふたりは、『主 が 常 にわたしとあなたの 間 におられ、また、わたしの 子孫 とあなたの 子孫 の 間 におられる』と 言 って、主 の 名 をさして 誓 ったのです」。こうしてダビデは 立 ち 去 り、ヨナタンは 町 にはいった。
Chapter 21
1 ダビデはノブに 行 き、祭司 アヒメレクのところへ 行 った。アヒメレクはおののきながらダビデを 迎 えて 言 った、「どうしてあなたはひとりですか。だれも 供 がいないのですか」。
2 ダビデは 祭司 アヒメレクに 言 った、「王 がわたしに一つの 事 を 命 じて、『わたしがおまえをつかわしてさせる 事、またわたしが 命 じたことについては、何 をも 人 に 知 らせてはならない』と 言 われました。そこでわたしは、ある 場所 に 若者 たちを 待 たせてあります。
3 ところで 今 あなたの 手 もとにパン五 個 でもあれば、それをわたしにください。なければなんでも、あるものをください」。
4 祭司 はダビデに 答 えて 言 った、「常 のパンはわたしの 手 もとにありません。ただその 若者 たちが 女 を 慎 んでさえいたのでしたら、聖別 したパンがあります」。
5 ダビデは 祭司 に 答 えた、「わたしが 戦 いに 出 るいつもの 時 のように、われわれはたしかに 女 たちを 近 づけていません。若者 たちの 器 は、常 の 旅 であったとしても、清 いのです。まして、きょう、彼 らの 器 は 清 くないでしょうか」。
6 そこで 祭司 は 彼 に 聖別 したパンを 与 えた。その 所 に、供 えのパンのほかにパンがなく、このパンは、これを 取 り 下 げる 日 に、あたたかいパンと 置 きかえるため、主 の 前 から 取 り 下 さげたものである。
7 その 日、その 所 に、サウルのしもべのひとりが、主 の 前 に 留 め 置 かれていた。その 名 はドエグといい、エドムびとであって、サウルの 牧者 の 長 であった。
8 ダビデはまたアヒメレクに 言 った、「ここに、あなたの 手 もとに、やりかつるぎがありませんか。王 の 事 が 急 を 要 したので、わたしはつるぎも 武器 も 持 ってこなかったのです」。
9 祭司 は 言 った、「あなたがエラの 谷 で 殺 したペリシテびとゴリアテのつるぎが、布 に 包 んでエポデのうしろにあります。もしあなたがこれを 取 ろうとおもわれるなら、お 取 りください。ここにはそのほかにはありません」。ダビデは 言 った、「それにまさるものはありません。それをわたしにください」。
10 ダビデはその 日 サウルを 恐 れて、立 ってガテの 王 アキシのところへ 逃 げて 行 った。
11 アキシの 家来 たちはアキシに 言 った、「これはあの 国 の 王 ダビデではありませんか。人々 が 踊 りながら、互 に 歌 いかわして、『サウルは千を 撃 ち 殺 し、ダビデは 万 を 撃 ち 殺 した』と 言 ったのは、この 人 のことではありませんか」。
12 ダビデは、これらの 言葉 を 心 におき、ガテの 王 アキシを、ひじょうに 恐 れたので、
13 人々 の 前 で、わざと 挙動 を 変 え、捕 えられて 気違 いのふりをし、門 のとびらを 打 ちたたき、よだれを 流 して、ひげに 伝 わらせた。
14 アキシは 家来 たちに 言 った、「あなたがたの 見 るように、この 人 は 気違 いだ。どうして 彼 をわたしの 所 へ 連 れてきたのか。
15 わたしに 気違 いが 必要 なのか。この 者 を 連 れてきて、わたしの 前 で 狂 わせようというのか。この 者 をわたしの 家 へ 入 れようとするのか」。
Chapter 22
1 こうしてダビデはその 所 を 去 り、アドラムのほら 穴 へのがれた。彼 の 兄弟 たちと 父 の 家 の 者 は 皆、これを 聞 き、その 所 に 下 って 彼 のもとにきた。
2 また、しえたげられている 人々、負債 のある 人々、心 に 不満 のある 人々 も 皆、彼 のもとに 集 まってきて、彼 はその 長 となった。おおよそ四百 人 の 人々 が 彼 と 共 にあった。
3 ダビデはそこからモアブのミヅパへ 行 き、モアブの 王 に 言 った、「神 がわたしのためにどんなことをされるかわかるまで、どうぞわたしの 父母 をあなたの 所 におらせてください」。
4 そして 彼 はモアブの 王 に 彼 らを 託 したので、彼 らはダビデが 要害 におる 間、王 の 所 におった。
5 さて、預言者 ガドはダビデに 言 った、「要害 にとどまっていないで、去 ってユダの 地 へ 行 きなさい」。そこでダビデは 去 って、ハレテの 森 へ 行 った。
6 サウルは、ダビデおよび 彼 と 共 にいる 人々 が 見 つかったということを 聞 いた。サウルはギベアで、やりを 手 にもって、丘 のぎょりゅうの 木 の 下 にすわっており、家来 たちはみなそのまわりに 立 っていた。
7 サウルはまわりに 立 っている 家来 たちに 言 った、「あなたがたベニヤミンびとは 聞 きなさい。エッサイの 子 もまた、あなたがたおのおのに 畑 やぶどう 畑 を 与 え、おのおのを千 人 の 長、百 人 の 長 にするであろうか。
8 あなたがたは 皆 共 にはかってわたしに 敵 した。わたしの 子 がエッサイの 子 と 契約 を 結 んでも、それをわたしに 告 げるものはなく、またあなたがたのうち、ひとりもわたしのために 憂 えず、きょうのように、わたしの 子 がわたしのしもべをそそのかしてわたしに 逆 らわせ、道 で 彼 がわたしを 待 ち 伏 せするようになっても、わたしに 告 げる 者 はない」。
9 その 時 エドムびとドエグは、サウルの 家来 たちのそばに 立 っていたが、答 えて 言 った、「わたしはエッサイの 子 がノブにいるアヒトブの 子 アヒメレクの 所 にきたのを 見 ました。
10 アヒメレクは 彼 のために 主 に 問 い、また 彼 に 食物 を 与 え、ペリシテびとゴリアテのつるぎを 与 えました」。
11 そこで 王 は 人 をつかわして、アヒトブの 子 祭司 アヒメレクとその 父 の 家 のすべての 者、すなわちノブの 祭司 たちを 召 したので、みな 王 の 所 にきた。
12 サウルは 言 った、「アヒトブの 子 よ、聞 きなさい」。彼 は 答 えた、「わが 主 よ、わたしはここにおります」。
13 サウルは 彼 に 言 った、「どうしてあなたはエッサイの 子 と 共 にはかってわたしに 敵 し、彼 にパンとつるぎを 与 え、彼 のために 神 に 問 い、きょうのように 彼 をわたしに 逆 らって 立 たせ、道 で 待 ち 伏 せさせるのか」。
14 アヒメレクは 王 に 答 えて 言 った、「あなたの 家来 のうち、ダビデのように 忠義 な 者 がほかにありますか。彼 は 王 の 娘 婿 であり、近衛 兵 の 長 であって、あなたの 家 で 尊 ばれる 人 ではありませんか。
15 彼 のために 神 に 問 うたのは、きょう 初 めてでしょうか。いいえ、決 してそうではありません。王 よ、どうぞ、しもべと 父 の 全家 に 罪 を 負 わせないでください。しもべは、これについては、事 の 大小 を 問 わず、何 をも 知 らなかったのです」。
16 王 は 言 った、「アヒメレクよ、あなたは 必 ず 殺 されなければならない。あなたの 父 の 全家 も 同 じである」。
17 そして 王 はまわりに 立 っている 近衛 の 兵 に 言 った、「身 をひるがえして、主 の 祭司 たちを 殺 しなさい。彼 らもダビデと 協力 していて、ダビデの 逃 げたのを 知 りながら、それをわたしに 告 げなかったからです」。ところが 王 の 家来 たちは 主 の 祭司 たちを 殺 すために 手 を 下 そうとはしなかった。
18 そこで 王 はドエグに 言 った、「あなたが 身 をひるがえして、祭司 たちを 殺 しなさい」。エドムびとドエグは 身 をひるがえして 祭司 たちを 撃 ち、その 日 亜麻 布 のエポデを 身 につけている 者 八十五 人 を 殺 した。
19 彼 はまた、つるぎをもって 祭司 の 町 ノブを 撃 ち、つるぎをもって 男、女、幼 な 子、乳飲 み 子、牛、ろば、羊 を 殺 した。
20 しかしアヒトブの 子 アヒメレクの 子 たちのひとりで、名 をアビヤタルという 人 は、のがれてダビデの 所 に 走 った。
21 そしてアビヤタルは、サウルが 主 の 祭司 たちを 殺 したことをダビデに 告 げたので、
22 ダビデはアビヤタルに 言 った、「あの 日、エドムびとドエグがあそこにいたので、わたしは 彼 がきっとサウルに 告 げるであろうと 思 った。わたしがあなたの 父 の 家 の 人々 の 命 を 失 わせるもととなったのです。
23 あなたはわたしの 所 にとどまってください。恐 れることはありません。あなたの 命 を 求 める 者 は、わたしの 命 をも 求 めているのです。わたしの 所 におられるならば、あなたは 安全 でしょう」。
Chapter 23
1 さて 人々 はダビデに 告 げて 言 った、「ペリシテびとがケイラを 攻 めて、打 ち 場 の 穀物 をかすめています」。
2 そこでダビデは 主 に 問 うて 言 った、「わたしが 行 って、このペリシテびとを 撃 ちましょうか」。主 はダビデに 言 われた、「行 ってペリシテびとを 撃 ち、ケイラを 救 いなさい」。
3 しかしダビデの 従者 たちは 彼 に 言 った、「われわれは、ユダのここにおってさえ、恐 れているのに、ましてケイラへ 行 って、ペリシテびとの 軍 に 当 ることができましょうか」。
4 ダビデが 重 ねて 主 に 問 うたところ、主 は 彼 に 答 えて 言 われた、「立 って、ケイラへ 下 りなさい。わたしはペリシテびとをあなたの 手 に 渡 します」。
5 ダビデとその 従者 たちはケイラへ 行 って、ペリシテびとと 戦 い、彼 らの 家畜 を 奪 いとり、彼 らを 多 く 撃 ち 殺 した。こうしてダビデはケイラの 住民 を 救 った。
6 アヒメレクの 子 アビヤタルは、ケイラにいるダビデのもとにのがれてきた 時、手 にエポデをもって 下 ってきた。
7 さてダビデのケイラにきたことがサウルに 聞 えたので、サウルは 言 った、「神 はわたしの 手 に 彼 をわたされた。彼 は 門 と 貫 の 木 のある 町 にはいって、自分 で 身 を 閉 じこめたからである」。
8 そこでサウルはすべての 民 を 戦 いに 呼 び 集 めて、ケイラに 下 り、ダビデとその 従者 を 攻 め 囲 もうとした。
9 ダビデはサウルが 自分 に 害 を 加 えようとしているのを 知 って、祭司 アビヤタルに 言 った、「エポデを 持 ってきてください」。
10 そしてダビデは 言 った、「イスラエルの 神、主 よ、しもべはサウルがケイラにきて、わたしのために、この 町 を 滅 ぼそうとしていることを 確 かに 聞 きました。
11 ケイラの 人々 はわたしを 彼 の 手 に 渡 すでしょうか。しもべの 聞 いたように、サウルは 下 ってくるでしょうか。イスラエルの 神、主 よ、どうぞ、しもべに 告 げてください」。主 は 言 われた、「彼 は 下 って 来 る」。
12 ダビデは 言 った、「ケイラの 人々 はわたしと 従者 たちをサウルの 手 にわたすでしょうか」。主 は 言 われた、「彼 らはあなたがたを 渡 すであろう」。
13 そこでダビデとその六百 人 ほどの 従者 たちは 立 って、ケイラを 去 り、いずこともなくさまよった。ダビデのケイラから 逃 げ 去 ったことがサウルに 聞 えたので、サウルは 戦 いに 出 ることをやめた。
14 ダビデは 荒野 にある 要害 におり、またジフの 荒野 の 山地 におった。サウルは 日々 に 彼 を 尋 ね 求 めたが、神 は 彼 をその 手 に 渡 されなかった。
15 さてダビデはサウルが 自分 の 命 を 求 めて 出 てきたので 恐 れた。その 時 ダビデはジフの 荒野 のホレシにいたが、
16 サウルの 子 ヨナタンは 立 って、ホレシにいるダビデのもとに 行 き、神 によって 彼 を 力 づけた。
17 そしてヨナタンは 彼 に 言 った、「恐 れるにはおよびません。父 サウルの 手 はあなたに 届 かないでしょう。あなたはイスラエルの 王 となり、わたしはあなたの 次 となるでしょう。このことは 父 サウルも 知 っています」。
18 こうして 彼 らふたりは 主 の 前 で 契約 を 結 び、ダビデはホレシにとどまり、ヨナタンは 家 に 帰 った。
19 その 時 ジフびとはギベアにいるサウルのもとに 上 って 行 き、そして 言 った、「ダビデは、荒野 の 南 にあるハキラの 丘 の 上 のホレシの 要害 に 隠 れて、われわれと 共 にいるではありませんか。
20 それゆえ 王 よ、あなたが 下 って 行 こうという 望 みのとおり、いま 下 ってきてください。われわれは 彼 を 王 の 手 に 渡 します」。
21 サウルは 言 った、「あなたがたはわたしに 同情 を 寄 せてくれたのです。どうぞ 主 があなたがたを 祝福 されるように。
22 あなたがたは 行 って、なお 確 かめてください。彼 のよく 行 く 所 とだれがそこで 彼 を 見 たかを 見 きわめてください。人 の 語 るところによると、彼 はひじょうに 悪賢 いそうだ。
23 それで、あなたがたは 彼 が 隠 れる 隠 れ 場所 をみな 見 きわめ、確 かな 知 らせをもってわたしの 所 に 帰 ってきなさい。その 時 わたしはあなたがたと 共 に 行 きます。もし 彼 がこの 地 にいるならば、わたしはユダの 氏族 をあまねく 尋 ねて 彼 を 捜 しだします」。
24 彼 らは 立 って、サウルに 先立 ってジフへ 行 った。さてダビデとその 従者 たちは 荒野 の 南 のアラバにあるマオンの 荒野 にいた。
25 そしてサウルとその 従者 たちはきて 彼 を 捜 した。人々 がこれをダビデに 告 げたので、ダビデはマオンの 荒野 にある 岩 の 所 へ 下 って 行 った。サウルはこれを 聞 いて、マオンの 荒野 にきてダビデを 追 った。
26 サウルは 山 のこちら 側 を 行 き、ダビデとその 従者 たちとは 山 のむこう 側 を 行 った。そしてダビデは 急 いでサウルからのがれようとした。サウルとその 従者 たちが、ダビデとその 従者 たちを 囲 んで 捕 えようとしたからである。
27 その 時、サウルの 所 に、ひとりの 使者 がきて 言 った、「ペリシテびとが 国 を 侵 しています。急 いできてください」。
28 そこでサウルはダビデを 追 うことをやめて 帰 り、行 ってペリシテびとに 当 った。それで 人々 は、その 所 を「のがれの 岩」と 名 づけた。
29 ダビデはそこから 上 ってエンゲデの 要害 にいた。
Chapter 24
1 サウルがペリシテびとを 追 うことをやめて 帰 ってきたとき、人々 は 彼 に 告 げて 言 った、「ダビデはエンゲデの 野 にいます」。
2 そこでサウルは、全 イスラエルから 選 んだ三千の 人 を 率 い、ダビデとその 従者 たちとを 捜 すため、「やぎの 岩」の 前 へ 出 かけた。
3 途中、羊 のおりの 所 にきたが、そこに、ほら 穴 があり、サウルは 足 をおおうために、その 中 にはいった。その 時、ダビデとその 従者 たちは、ほら 穴 の 奥 にいた。
4 ダビデの 従者 たちは 彼 に 言 った、「主 があなたに 告 げて、『わたしはあなたの 敵 をあなたの 手 に 渡 す。あなたは 自分 の 良 いと 思 うことを 彼 にすることができる』と 言 われた 日 がきたのです」。そこでダビデは 立 って、ひそかに、サウルの 上着 のすそを 切 った。
5 しかし 後 になって、ダビデはサウルの 上着 のすそを 切 ったことに、心 の 責 めを 感 じた。
6 ダビデは 従者 たちに 言 った、「主 が 油 を 注 がれたわが 君 に、わたしがこの 事 をするのを 主 は 禁 じられる。彼 は 主 が 油 を 注 がれた 者 であるから、彼 に 敵 して、わたしの 手 をのべるのは 良 くない」。
7 ダビデはこれらの 言葉 をもって 従者 たちを 差 し 止 め、サウルを 撃 つことを 許 さなかった。サウルは 立 って、ほら 穴 を 去 り、道 を 進 んだ。
8 ダビデもまた、そのあとから 立 ち、ほら 穴 を 出 て、サウルのうしろから 呼 ばわって、「わが 君、王 よ」と 言 った。サウルがうしろをふり 向 いた 時、ダビデは 地 にひれ 伏 して 拝 した。
9 そしてダビデはサウルに 言 った、「どうして、あなたは『ダビデがあなたを 害 しようとしている』という 人々 の 言葉 を 聞 かれるのですか。
10 あなたは、この 日、自分 の 目 で、主 があなたをきょう、ほら 穴 の 中 でわたしの 手 に 渡 されたのをごらんになりました。人々 はわたしにあなたを 殺 すことを 勧 めたのですが、わたしは 殺 しませんでした。『わが 君 は 主 が 油 を 注 がれた 方 であるから、これに 敵 して 手 をのべることはしない』とわたしは 言 いました。
11 わが 父 よ、ごらんなさい。あなたの 上着 のすそは、わたしの 手 にあります。わたしがあなたの 上着 のすそを 切 り、しかも、あなたを 殺 さなかったことによって、あなたは、わたしの 手 に 悪 も、とがもないことを 見 て 知 られるでしょう。あなたはわたしの 命 を 取 ろうと、ねらっておられますが、わたしはあなたに 対 して 罪 をおかしたことはないのです。
12 どうぞ 主 がわたしとあなたの 間 をさばかれますように。また 主 がわたしのために、あなたに 報 いられますように。しかし、わたしはあなたに 手 をくだすことをしないでしょう。
13 昔 から、ことわざに 言 っているように、『悪 は 悪人 から 出 る』。しかし、わたしはあなたに 手 をくだすことをしないでしょう。
14 イスラエルの 王 は、だれを 追 って 出 てこられたのですか。あなたは、だれを 追 っておられるのですか。死 んだ 犬 を 追 っておられるのです。一 匹 の 蚤 を 追 っておられるのです。
15 どうぞ 主 がさばきびととなって、わたしとあなたの 間 をさばき、かつ 見 て、わたしの 訴 えを 聞 き、わたしをあなたの 手 から 救 い 出 してくださるように」。
16 ダビデがこれらの 言葉 をサウルに 語 り 終 ったとき、サウルは 言 った、「わが 子 ダビデよ、これは、あなたの 声 であるか」。そしてサウルは 声 をあげて 泣 いた。
17 サウルはまたダビデに 言 った、「あなたはわたしよりも 正 しい。わたしがあなたに 悪 を 報 いたのに、あなたはわたしに 善 を 報 いる。
18 きょう、あなたはいかに 良 くわたしをあつかったかを 明 らかにしました。すなわち 主 がわたしをあなたの 手 にわたされたのに、あなたはわたしを 殺 さなかったのです。
19 人 は 敵 に 会 ったとき、敵 を 無事 に 去 らせるでしょうか。あなたが、きょう、わたしにした 事 のゆえに、どうぞ 主 があなたに 良 い 報 いを 与 えられるように。
20 今 わたしは、あなたがかならず 王 となることを 知 りました。またイスラエルの 王国 が、あなたの 手 によって 堅 く 立 つことを 知 りました。
21 それゆえ、あなたはわたしのあとに、わたしの 子孫 を 断 たず、またわたしの 父 の 家 から、わたしの 名 を 滅 ぼし 去 らないと、いま 主 をさして、わたしに 誓 ってください」。
22 そこでダビデはサウルに、そのように 誓 った。そしてサウルは 家 に 帰 り、ダビデとその 従者 たちは 要害 にのぼって 行 った。
Chapter 25
1 さてサムエルが 死 んだので、イスラエルの 人々 はみな 集 まって、彼 のためにひじょうに 悲 しみ、ラマにあるその 家 に 彼 を 葬 った。そしてダビデは 立 ってパランの 荒野 に 下 って 行 った。
2 マオンに、ひとりの 人 があって、カルメルにその 所有 があり、ひじょうに 裕福 で、羊 三千 頭、やぎ一千 頭 を 持 っていた。彼 はカルメルで 羊 の 毛 を 切 っていた。
3 その 人 の 名 はナバルといい、妻 の 名 はアビガイルといった。アビガイルは 賢 くて 美 しかったが、その 夫 は 剛情 で、粗暴 であった。彼 はカレブびとであった。
4 ダビデは 荒野 にいて、ナバルがその 羊 の 毛 を 切 っていることを 聞 いたので、
5 十 人 の 若者 をつかわし、その 若者 たちに 言 った、「カルメルに 上 って 行 ってナバルの 所 へ 行 き、わたしの 名 をもって 彼 にあいさつし、
6 彼 にこう 言 いなさい、『どうぞあなたに 平安 があるように。あなたの 家 に 平安 があるように。またあなたのすべての 持 ち 物 に 平安 があるように。
7 わたしはあなたが 羊 の 毛 を 切 っておられることを 聞 きました。あなたの 羊飼 たちはわれわれと 一緒 にいたのですが、われわれは 彼 らを 少 しも 害 しませんでした。また 彼 らはカルメルにいる 間 に、何 ひとつ 失 ったことはありません。
8 あなたの 若者 たちに 聞 いてみられるならば、わかります。それゆえ、わたしの 若者 たちに、あなたの 好意 を 示 してください。われわれは 祝 の 日 にきたのです。どうぞ、あなたの 手 もとにあるものを、贈 り 物 として、しもべどもとあなたの 子 ダビデにください』」。
9 ダビデの 若者 たちは 行 って、ダビデの 名 をもって、これらの 言葉 をナバルに 語 り、そして 待 っていた。
10 ナバルはダビデの 若者 たちに 答 えて 言 った、「ダビデとはだれか。エッサイの 子 とはだれか。このごろは、主人 を 捨 てて 逃 げるしもべが 多 い。
11 どうしてわたしのパンと 水、またわたしの 羊 の 毛 を 切 る 人々 のためにほふった 肉 をとって、どこからきたのかわからない 人々 に 与 えることができようか」。
12 ダビデの 若者 たちは、そこを 去 り、帰 ってきて、彼 にこのすべての 事 を 告 げた。
13 そこでダビデは 従者 たちに 言 った、「おのおの、つるぎを 帯 びなさい」。彼 らはおのおのつるぎを 帯 び、ダビデもまたつるぎを 帯 びた。そしておおよそ四百 人 がダビデに 従 って 上 っていき、二百 人 は 荷物 のところにとどまった。
14 ところで、ひとりの 若者 がナバルの 妻 アビガイルに 言 った、「ダビデが 荒野 から 使者 をつかわして、主人 にあいさつをしたのに、主人 はその 使者 たちをののしられました。
15 しかし、あの 人々 はわれわれに 大 へんよくしてくれて、われわれは 少 しも 害 を 受 けず、またわれわれが 野 にいた 時、彼 らと 共 にいた 間 は、何 ひとつ 失 ったことはありませんでした。
16 われわれが 羊 を 飼 って 彼 らと 共 にいる 間、彼 らは 夜 も 昼 もわれわれのかきとなってくれました。
17 それで、あなたは 今 それを 知 って、自分 のすることを 考 えてください。主人 とその 一家 に 災 が 起 きるからです。しかも 主人 はよこしまな 人 で、話 しかけることもできません」。
18 その 時、アビガイルは 急 いでパン二百、ぶどう 酒 の 皮 袋 二つ、調理 した 羊 五 頭、いり 麦 五セア、ほしぶどう百ふさ、ほしいちじくのかたまり二百を 取 って、ろばにのせ、
19 若者 たちに 言 った、「わたしのさきに 進 みなさい。わたしはあなたがたのうしろに、ついて 行 きます」。しかし 彼女 は 夫 ナバルには 告 げなかった。
20 アビガイルが、ろばに 乗 って 山陰 を 下 ってきた 時、ダビデと 従者 たちは 彼女 の 方 に 向 かって 降 りてきたので、彼女 はその 人々 に 出会 った。
21 さて、ダビデはさきにこう 言 った、「わたしはこの 人 が 荒野 で 持 っている 物 をみな 守 って、その 人 に 属 する 物 を 何 ひとつなくならないようにしたが、それは 全 くむだであった。彼 はわたしのした 親切 に 悪 をもって 報 いた。
22 もしわたしがあすの 朝 まで、ナバルに 属 するすべての 者 のうち、ひとりの 男 でも 残 しておくならば、神 が 幾重 にもダビデを 罰 してくださるように」。
23 アビガイルはダビデを 見 て、急 いで、ろばを 降 り、ダビデの 前 で 地 にひれ 伏 し、
24 その 足 もとに 伏 して 言 った、「わが 君 よ、このとがをわたしだけに 負 わせてください。しかしどうぞ、はしために、あなたの 耳 に 語 ることを 許 し、はしための 言葉 をお 聞 きください。
25 わが 君 よ、どうぞ、このよこしまな 人 ナバルのことを 気 にかけないでください。あの 人 はその 名 のとおりです。名 はナバルで、愚 かな 者 です。あなたのはしためであるわたしは、わが 君 なるあなたがつかわされた 若者 たちを 見 なかったのです。
26 それゆえ 今、わが 君 よ、主 は 生 きておられます。またあなたは 生 きておられます。主 は、あなたがきて 血 を 流 し、また 手 ずから、あだを 報 いるのをとどめられました。どうぞ 今、あなたの 敵、およびわが 君 に 害 を 加 えようとする 者 は、ナバルのごとくになりますように。
27 今、あなたのつかえめが、わが 君 に 携 えてきた 贈 り 物 を、わが 君 に 従 う 若者 たちに 与 えてください。
28 どうぞ、はしためのとがを 許 してください。主 は 必 ずわが 君 のために 確 かな 家 を 造 られるでしょう。わが 君 が 主 のいくさを 戦 い、またこの 世 に 生 きながらえられる 間、あなたのうちに 悪 いことが 見 いだされないからです。
29 たとい 人 が 立 ってあなたを 追 い、あなたの 命 を 求 めても、わが 君 の 命 は、生 きている 者 の 束 にたばねられて、あなたの 神、主 のもとに 守 られるでしょう。しかし 主 はあなたの 敵 の 命 を、石 投 げの 中 から 投 げるように、投 げ 捨 てられるでしょう。
30 そして 主 があなたについて 語 られたすべての 良 いことをわが 君 に 行 い、あなたをイスラエルのつかさに 任 じられる 時、
31 あなたが、ゆえなく 血 を 流 し、またわが 君 がみずからあだを 報 いたと 言 うことで、それがあなたのつまずきとなり、またわが 君 の 心 の 責 めとなることのないようにしてください。主 がわが 君 を 良 くせられる 時、このはしためを 思 いだしてください」。
32 ダビデはアビガイルに 言 った、「きょう、あなたをつかわして、わたしを 迎 えさせられたイスラエルの 神、主 はほむべきかな。
33 あなたの 知恵 はほむべきかな。またあなたはほむべきかな。あなたは、きょう、わたしがきて 血 を 流 し、手 ずからあだを 報 いることをとどめられたのです。
34 わたしがあなたを 害 することをとどめられたイスラエルの 神、主 はまことに 生 きておられる。もしあなたが 急 いでわたしに 会 いにこなかったならば、あすの 朝 までには、ナバルのところに、ひとりの 男 も 残 らなかったでしょう」。
35 ダビデはアビガイルが 携 えてきた 物 をその 手 から 受 けて、彼女 に 言 った、「あなたは 無事 にのぼって、家 に 帰 りなさい。わたしはあなたの 声 を 聞 きいれ、あなたの 願 いを 許 します」。
36 こうしてアビガイルはナバルのもとにきたが、見 よ、彼 はその 家 で、王 の 酒宴 のような 酒宴 を 開 いていた。ナバルは 心 に 楽 しみ、ひじょうに 酔 っていたので、アビガイルは 明 くる 朝 まで 事 の 大小 を 問 わず 何 をも 彼 に 告 げなかった。
37 朝 になってナバルの 酔 いがさめたとき、その 妻 が 彼 にこれらの 事 を 告 げると、彼 の 心 はそのうちに 死 んで、彼 は 石 のようになった。
38 十 日 ばかりして 主 がナバルを 撃 たれたので 彼 は 死 んだ。
39 ダビデはナバルが 死 んだと 聞 いて 言 った、「主 はほむべきかな。主 はわたしがナバルの 手 から 受 けた 侮辱 に 報 いて、しもべが 悪 をおこなわないようにされた。主 はナバルの 悪行 をそのこうべに 報 いられたのだ」。ダビデはアビガイルを 妻 にめとろうと、人 をつかわして 彼女 に 申 し 込 んだ。
40 ダビデのしもべたちはカルメルにいるアビガイルの 所 にきて、彼女 に 言 った、「ダビデはあなたを 妻 にめとろうと、われわれをあなたの 所 へつかわしたのです」。
41 アビガイルは 立 ち、地 にひれ 伏 し 拝 して 言 った、「はしためは、わが 君 のしもべたちの 足 を 洗 うつかえめです」。
42 アビガイルは 急 いで 立 ち、ろばに 乗 って、五 人 の 侍女 たちを 連 れ、ダビデの 使者 たちに 従 って 行 き、ダビデの 妻 となった。
43 ダビデはまたエズレルのアヒノアムをめとった。彼女 たちはふたりともダビデの 妻 となった。
44 ところでサウルはその 娘、ダビデの 妻 ミカルを、ガリムの 人 であるライシの 子 パルテに 与 えた。
Chapter 26
1 そのころジフびとがギベアにおるサウルのもとにきて 言 った、「ダビデは 荒野 の 前 にあるハキラの 山 に 隠 れているではありませんか」。
2 サウルは 立 って、ジフの 荒野 でダビデを 捜 すために、イスラエルのうちから 選 んだ三千 人 をひき 連 れて、ジフの 荒野 に 下 った。
3 サウルは 荒野 の 前 の 道 のかたわらにあるハキラの 山 に 陣 を 取 った。ダビデは 荒野 にとどまっていたが、サウルが 自分 のあとを 追 って 荒野 にきたのを 見 て、
4 斥候 を 出 し、サウルが 確 かにきたのを 知 った。
5 そしてダビデは 立 って、サウルが 陣 を 取 っている 所 へ 行 って、サウルとその 軍 の 長、ネルの 子 アブネルの 寝 ている 場所 を 見 た。サウルは 陣所 のうちに 寝 ていて、民 はその 周囲 に 宿営 していた。
6 ダビデは、ヘテびとアヒメレク、およびゼルヤの 子 で、ヨアブの 兄弟 であるアビシャイに 言 った、「だれがわたしと 共 にサウルの 陣 に 下 って 行 くか」。アビシャイは 言 った、「わたしが 一緒 に 下 って 行 きます」。
7 こうしてダビデとアビシャイとが 夜、民 のところへ 行 ってみると、サウルは 陣所 のうちに 身 を 横 たえて 寝 ており、そのやりは 枕 もとに 地 に 突 きさしてあった。そしてアブネルと 民 らとはその 周囲 に 寝 ていた。
8 アビシャイはダビデに 言 った、「神 はきょう 敵 をあなたの 手 に 渡 されました。どうぞわたしに、彼 のやりをもってひと 突 きで 彼 を 地 に 刺 しとおさせてください。ふたたび 突 くには 及 びません」。
9 しかしダビデはアビシャイに 言 った、「彼 を 殺 してはならない。主 が 油 を 注 がれた 者 に 向 かって、手 をのべ、罪 を 得 ない 者 があろうか」。
10 ダビデはまた 言 った、「主 は 生 きておられる。主 が 彼 を 撃 たれるであろう。あるいは 彼 の 死 ぬ 日 が 来 るであろう。あるいは 戦 いに 下 って 行 って 滅 びるであろう。
11 主 が 油 を 注 がれた 者 に 向 かって、わたしが 手 をのべることを 主 は 禁 じられる。しかし 今、そのまくらもとにあるやりと 水 のびんを 取 りなさい。そしてわれわれは 去 ろう」。
12 こうしてダビデはサウルの 枕 もとから、やりと 水 のびんを 取 って 彼 らは 去 ったが、だれもそれを 見 ず、だれも 知 らず、また、だれも 目 をさまさず、みな 眠 っていた。主 が 彼 らを 深 く 眠 らされたからである。
13 ダビデは 向 こう 側 に 渡 って 行 って、遠 く 離 れて 山 の 頂 に 立 った。彼 らの 間 の 隔 たりは 大 きかった。
14 ダビデは 民 とネルの 子 アブネルに 呼 ばわって 言 った、「アブネルよ、あなたは 答 えないのか」。アブネルは 答 えて 言 った、「王 を 呼 んでいるあなたはだれか」。
15 ダビデはアブネルに 言 った、「あなたは 男 ではないか。イスラエルのうちに、あなたに 及 ぶ 人 があろうか。それであるのに、どうしてあなたは 主君 である 王 を 守 らなかったのか。民 のひとりが、あなたの 主君 である 王 を 殺 そうとして、はいりこんだではないか。
16 あなたがしたこの 事 は 良 くない。主 は 生 きておられる。あなたがたは、まさに 死 に 値 する。主 が 油 をそそがれた、あなたの 主君 を 守 らなかったからだ。いま 王 のやりがどこにあるか。その 枕 もとにあった 水 のびんがどこにあるかを 見 なさい」。
17 サウルはダビデの 声 を 聞 きわけて 言 った、「わが 子 ダビデよ、これはあなたの 声 か」。ダビデは 言 った、「王、わが 君 よ、わたしの 声 です」。
18 ダビデはまた 言 った、「わが 君 はどうしてしもべのあとを 追 われるのですか。わたしが 何 をしたのですか。わたしの 手 になんのわるいことがあるのですか。
19 王、わが 君 よ、どうぞ、今 しもべの 言葉 を 聞 いてください。もし 主 があなたを 動 かして、わたしの 敵 とされたのであれば、どうぞ 主 が 供 え 物 を 受 けて 和 らいでくださるように。もし、それが 人 であるならば、どうぞその 人々 が 主 の 前 にのろいを 受 けるように。彼 らが『おまえは 行 って 他 の 神々 に 仕 えなさい』と 言 って、きょう、わたしを 追 い 出 し、主 の 嗣 業 にあずかることができないようにしたからです。
20 それゆえ 今、主 の 前 を 離 れて、わたしの 血 が 地 に 落 ちることのないようにしてください。イスラエルの 王 は、人 が 山 で、しゃこを 追 うように、わたしの 命 を 取 ろうとして 出 てこられたのです」。
21 その 時、サウルは 言 った、「わたしは 罪 を 犯 した。わが 子 ダビデよ、帰 ってきてください。きょう、わたしの 命 があなたの 目 に 尊 く 見 られたゆえ、わたしは、もはやあなたに 害 を 加 えないであろう。わたしは 愚 かなことをして、非常 なまちがいをした」。
22 ダビデは 答 えた、「王 のやりは、ここにあります。ひとりの 若者 に 渡 ってこさせ、これを 持 ちかえらせてください。
23 主 は 人 おのおのにその 義 と 真実 とに 従 って 報 いられます。主 がきょう、あなたをわたしの 手 に 渡 されたのに、わたしは 主 が 油 を 注 がれた 者 に 向 かって、手 をのべることをしなかったのです。
24 きょう、わたしがあなたの 命 を 重 んじたように、どうぞ 主 がわたしの 命 を 重 んじて、もろもろの 苦難 から 救 い 出 してくださるように」。
25 サウルはダビデに 言 った、「わが 子 ダビデよ、あなたはほむべきかな。あなたは 多 くの 事 をおこなって、それをなし 遂 げるであろう」。こうしてダビデはその 道 を 行 き、サウルは 自分 の 所 へ 帰 った。
Chapter 27
1 ダビデは 心 のうちに 言 った、「わたしは、いつかはサウルの 手 にかかって 滅 ぼされるであろう。早 くペリシテびとの 地 へのがれるほかはない。そうすればサウルはこの 上 イスラエルの 地 にわたしをくまなく 捜 すことはやめ、わたしは 彼 の 手 からのがれることができるであろう」。
2 こうしてダビデは、共 にいた六百 人 と 一緒 に、立 ってガテの 王 マオクの 子 アキシの 所 へ 行 った。
3 ダビデと 従者 たちは、おのおのその 家族 とともに、ガテでアキシと 共 に 住 んだ。ダビデはそのふたりの 妻、すなわちエズレルの 女 アヒノアムと、カルメルの 女 でナバルの 妻 であったアビガイルと 共 におった。
4 ダビデがガテにのがれたことがサウルに 聞 えたので、サウルはもはや 彼 を 捜 さなかった。
5 さてダビデはアキシに 言 った、「もしわたしがあなたの 前 に 恵 みを 得 るならば、どうぞ、いなかにある 町 のうちで一つの 場所 をわたしに 与 えてそこに 住 まわせてください。どうしてしもべがあなたと 共 に 王 の 町 に 住 むことができましょうか」。
6 アキシはその 日 チクラグを 彼 に 与 えた。こうしてチクラグは 今日 にいたるまでユダの 王 に 属 している。
7 ダビデがペリシテびとの 国 に 住 んだ 日 の 数 は一 年 と四か 月 であった。
8 さてダビデは 従者 と 共 にのぼって、ゲシュルびと、ゲゼルびとおよびアマレクびとを 襲 った。これらは 昔 からシュルに 至 るまでの 地 の 住民 であって、エジプトに 至 るまでの 地 に 住 んでいた。
9 ダビデはその 地 を 撃 って、男 も 女 も 生 かしおかず、羊 と 牛 とろばとらくだと 衣服 とを 取 って、アキシのもとに 帰 ってきた。
10 アキシが「あなたはきょうどこを 襲 いましたか」と 尋 ねると、ダビデは、その 時 々、「ユダのネゲブです」、「エラメルびとのネゲブです」「ケニびとのネゲブです」と 言 った。
11 ダビデは 男 も 女 も 生 かしおかず、ひとりをもガテに 引 いて 行 かなかった。それはダビデが、「恐 らくは、彼 らが、『ダビデはこうした』と 言 って、われわれのことを 告 げるであろう」と 思 ったからである。ダビデはペリシテびとのいなかに 住 んでいる 間 はこうするのが 常 であった。
12 アキシはダビデを 信 じて 言 った、「彼 は 自分 を 全 くその 民 イスラエルに 憎 まれるようにした。それゆえ 彼 は 永久 にわたしのしもべとなるであろう」。
Chapter 28
1 そのころ、ペリシテびとがイスラエルと 戦 おうとして、いくさのために 軍勢 を 集 めたので、アキシはダビデに 言 った、「あなたは、しかと 承知 してください。あなたとあなたの 従者 たちとは、わたしと 共 に 出 て、軍勢 に 加 わらなければなりません」。
2 ダビデはアキシに 言 った、「よろしい、あなたはしもべが 何 をするかを 知 られるでしょう」。アキシはダビデに 言 った、「よろしい、あなたを 終身 わたしの 護衛 の 長 としよう」。
3 さてサムエルはすでに 死 んで、イスラエルのすべての 人 は 彼 のために 悲 しみ、その 町 ラマに 葬 った。また 先 にサウルは 口寄 せや 占 い 師 をその 地 から 追放 した。
4 ペリシテびとが 集 まってきてシュネムに 陣 を 取 ったので、サウルはイスラエルのすべての 人 を 集 めて、ギルボアに 陣 を 取 った。
5 サウルはペリシテびとの 軍勢 を 見 て 恐 れ、その 心 はいたくおののいた。
6 そこでサウルは 主 に 伺 いをたてたが、主 は 夢 によっても、ウリムによっても、預言者 によっても 彼 に 答 えられなかった。
7 サウルはしもべたちに 言 った、「わたしのために、口寄 せの 女 を 捜 し 出 しなさい。わたしは 行 ってその 女 に 尋 ねよう」。しもべたちは 彼 に 言 った、「見 よ、エンドルにひとりの 口寄 せがいます」。
8 サウルは 姿 を 変 えてほかの 着物 をまとい、ふたりの 従者 を 伴 って 行 き、夜 の 間 に、その 女 の 所 にきた。そしてサウルは 言 った、「わたしのために 口寄 せの 術 を 行 って、わたしがあなたに 告 げる 人 を 呼 び 起 してください」。
9 女 は 彼 に 言 った、「あなたはサウルがしたことをごぞんじでしょう。彼 は 口寄 せや 占 い 師 をその 国 から 断 ち 滅 ぼしました。どうしてあなたは、わたしの 命 にわなをかけて、わたしを 死 なせようとするのですか」。
10 サウルは 主 をさして 彼女 に 誓 って 言 った、「主 は 生 きておられる。この 事 のためにあなたが 罰 を 受 けることはないでしょう」。
11 女 は 言 った、「あなたのためにだれを 呼 び 起 しましょうか」。サウルは 言 った、「サムエルを 呼 び 起 してください」。
12 女 はサムエルを 見 た 時、大声 で 叫 んだ。そしてその 女 はサウルに 言 った、「どうしてあなたはわたしを 欺 かれたのですか。あなたはサウルです」。
13 王 は 彼女 に 言 った、「恐 れることはない。あなたには 何 が 見 えるのですか」。女 はサウルに 言 った、「神 のようなかたが 地 からのぼられるのが 見 えます」。
14 サウルは 彼女 に 言 った、「その 人 はどんな 様子 をしていますか」。彼女 は 言 った、「ひとりの 老人 がのぼってこられます。その 人 は 上着 をまとっておられます」。サウルはその 人 がサムエルであるのを 知 り、地 にひれ 伏 して 拝 した。
15 サムエルはサウルに 言 った、「なぜ、わたしを 呼 び 起 して、わたしを 煩 わすのか」。サウルは 言 った、「わたしは、ひじょうに 悩 んでいます。ペリシテびとがわたしに 向 かっていくさを 起 し、神 はわたしを 離 れて、預言者 によっても、夢 によっても、もはやわたしに 答 えられないのです。それで、わたしのすべきことを 知 るために、あなたを 呼 びました」。
16 サムエルは 言 った、「主 があなたを 離 れて、あなたの 敵 となられたのに、どうしてあなたはわたしに 問 うのですか。
17 主 は、わたしによって 語 られたとおりにあなたに 行 われた。主 は 王国 を、あなたの 手 から 裂 きはなして、あなたの 隣人 であるダビデに 与 えられた。
18 あなたは 主 の 声 に 聞 き 従 わず、主 の 激 しい 怒 りに 従 って、アマレクびとを 撃 ち 滅 ぼさなかったゆえに、主 はこの 事 を、この 日、あなたに 行 われたのである。
19 主 はまたイスラエルをも、あなたと 共 に、ペリシテびとの 手 に 渡 されるであろう。あすは、あなたもあなたの 子 らもわたしと 一緒 になるであろう。また 主 はイスラエルの 軍勢 をもペリシテびとの 手 に 渡 される」。
20 そのときサウルは、ただちに、地 に 伸 び、倒 れ、サムエルの 言葉 のために、ひじょうに 恐 れ、またその 力 はうせてしまった。その一 日 一 夜、食物 をとっていなかったからである。
21 女 はサウルのもとにきて、彼 のおののいているのを 見 て 言 った、「あなたのつかえめは、あなたの 声 に 聞 き 従 い、わたしの 命 をかけて、あなたの 言 われた 言葉 に 従 いました。
22 それゆえ 今 あなたも、つかえめの 声 に 聞 き 従 い、一口 のパンをあなたの 前 にそなえさせてください。あなたはそれをめしあがって 力 をつけ、道 を 行 ってください」。
23 ところがサウルは 断 って 言 った、「わたしは 食 べません」。しかし 彼 のしもべたちも、その 女 もしいてすすめたので、サウルはその 言葉 を 聞 きいれ、地 から 起 きあがり、床 の 上 にすわった。
24 その 女 は 家 に 肥 えた 子 牛 があったので、急 いでそれをほふり、また 麦粉 をとり、こねて、種 入 れぬパンを 焼 き、
25 サウルとそのしもべたちの 前 に 持 ってきたので、彼 らは 食 べた。そして 彼 らは 立 ち 上 がって、その 夜 のうちに 去 った。
Chapter 29
1 さてペリシテびとは、その 軍勢 をことごとくアペクに 集 めた。イスラエルびとはエズレルにある 泉 のかたわらに 陣 を 取 った。
2 ペリシテびとの 君 たちは、あるいは百 人、あるいは千 人 を 率 いて 進 み、ダビデとその 従者 たちはアキシと 共 に、しんがりになって 進 んだ。
3 その 時、ペリシテびとの 君 たちは 言 った、「これらのヘブルびとはここで 何 をしているのか」。アキシはペリシテびとたちに 言 った、「これはイスラエルの 王 サウルのしもべダビデではないか。彼 はこの 日 ごろ、この 年 ごろ、わたしと 共 にいたが、逃 げ 落 ちてきた 日 からきょうまで、わたしは 彼 にあやまちがあったのを 見 たことがない」。
4 しかしペリシテびとの 君 たちは 彼 に 向 かって 怒 った。そしてペリシテびとの 君 たちは 彼 に 言 った、「この 人 を 帰 らせて、あなたが 彼 を 置 いたもとの 所 へ 行 かせなさい。われわれと 一緒 に 彼 を 戦 いに 下 らせてはならない。戦 いの 時、彼 がわれわれの 敵 となるかも 知 れないからである。この 者 は 何 をもってその 主君 とやわらぐことができようか。ここにいる 人々 の 首 をもってするほかはあるまい。
5 これは、かつて 人々 が 踊 りのうちに 歌 いかわして、『サウルは千を 撃 ち 殺 し、ダビデは 万 を 撃 ち 殺 した』と 言 った、あのダビデではないか」。
6 そこでアキシはダビデを 呼 んで 言 った、「主 は 生 きておられる。あなたは 正 しい 人 である。あなたがわたしと 一緒 に 戦 いに 出入 りすることをわたしは 良 いと 思 っている。それはあなたがわたしの 所 にきた 日 からこの 日 まで、わたしは、あなたに 悪 い 事 があったのを 見 たことがないからである。しかしペリシテびとの 君 たちはあなたを 良 く 言 わない。
7 それゆえ 今 安 らかに 帰 って 行 きなさい。彼 らが 悪 いと 思 うことはしないがよかろう」。
8 ダビデはアキシに 言 った、「しかしわたしが 何 をしたというのですか。わたしがあなたに 仕 えはじめた 日 からこの 日 までに、あなたはしもべの 身 に 何 を 見 られたので、わたしは 行 って、わたしの 主君 である 王 の 敵 と 戦 うことができないのですか」。
9 アキシはダビデに 答 えた、「わたしは 見 て、あなたが 神 の 使 のようにりっぱな 人 であることを 知 っている。しかし、ペリシテびとの 君 たちは、『われわれと 一緒 に 彼 を 戦 いに 上 らせてはならない』と 言 っている。
10 それで、あなたは、一緒 にきたあなたの 主君 のしもべたちと 共 に 朝 早 く 起 きなさい。そして 朝 早 く 起 き、夜 が 明 けてから 去 りなさい」。
11 こうしてダビデとその 従者 たちとは 共 にペリシテびとの 地 へ 帰 ろうと、朝 早 く 起 きて 出立 したが、ペリシテびとはエズレルへ 上 って 行 った。
Chapter 30
1 さてダビデとその 従者 たちが三 日 目 にチクラグにきた 時、アマレクびとはすでにネゲブとチクラグを 襲 っていた。彼 らはチクラグを 撃 ち、火 をはなってこれを 焼 き、
2 その 中 にいた 女 たちおよびすべての 者 を 捕虜 にし、小 さい 者 をも 大 きい 者 をも、ひとりも 殺 さずに、引 いて、その 道 に 行 った。
3 ダビデと 従者 たちはその 町 にきて、町 が 火 で 焼 かれ、その 妻 とむすこ 娘 らは 捕虜 となったのを 見 た。
4 ダビデおよび 彼 と 共 にいた 民 は 声 をあげて 泣 き、ついに 泣 く 力 もなくなった。
5 ダビデのふたりの 妻 すなわちエズレルの 女 アヒノアムと、カルメルびとナバルの 妻 であったアビガイルも 捕虜 になった。
6 その 時、ダビデはひじょうに 悩 んだ。それは 民 がみなおのおのそのむすこ 娘 のために 心 を 痛 めたため、ダビデを 石 で 撃 とうと 言 ったからである。しかしダビデはその 神、主 によって 自分 を 力 づけた。
7 ダビデはアヒメレクの 子、祭司 アビヤタルに、「エポデをわたしのところに 持 ってきなさい」と 言 ったので、アビヤタルは、エポデをダビデのところに 持 ってきた。
8 ダビデは 主 に 伺 いをたてて 言 った、「わたしはこの 軍隊 のあとを 追 うべきですか。わたしはそれに 追 いつくことができましょうか」。主 は 彼 に 言 われた、「追 いなさい。あなたは 必 ず 追 いついて、確 かに 救 い 出 すことができるであろう」。
9 そこでダビデは、一緒 にいた六百 人 の 者 と 共 に 出立 してベソル 川 へ 行 ったが、あとに 残 る 者 はそこにとどまった。
10 すなわちダビデは四百 人 と 共 に 追撃 をつづけたが、疲 れてベソル 川 を 渡 れない 者 二百 人 はとどまった。
11 彼 らは 野 で、ひとりのエジプトびとを 見 て、それをダビデのもとに 引 いてきて、パンを 食 べさせ、水 を 飲 ませた。
12 また 彼 らはほしいちじくのかたまり一つと、ほしぶどう二ふさを 彼 に 与 えた。彼 は 食 べて 元気 を 回復 した。彼 は三 日 三 夜、パンを 食 べず、水 を 飲 んでいなかったからである。
13 ダビデは 彼 に 言 った、「あなたはだれのものか。どこからきたのか」。彼 は 言 った、「わたしはエジプトの 若者 で、アマレクびとの 奴隷 です。三 日 前 にわたしが 病気 になったので、主人 はわたしを 捨 てて 行 きました。
14 わたしどもは、ケレテびとのネゲブと、ユダに 属 する 地 と、カレブのネゲブを 襲 い、また 火 でチクラグを 焼 きはらいました」。
15 ダビデは 彼 に 言 った、「あなたはその 軍隊 のところへわたしを 導 き 下 ってくれるか」。彼 は 言 った、「あなたはわたしを 殺 さないこと、またわたしを 主人 の 手 に 渡 さないことを、神 をさしてわたしに 誓 ってください。そうすればあなたをその 軍隊 のところへ 導 き 下 りましょう」。
16 彼 はダビデを 導 き 下 ったが、見 よ、彼 らはペリシテびとの 地 とユダの 地 から 奪 い 取 ったさまざまの 多 くのぶんどり 物 のゆえに、食 い 飲 み、かつ 踊 りながら、地 のおもてにあまねく 散 りひろがっていた。
17 ダビデは 夕 ぐれから 翌日 の 夕方 まで、彼 らを 撃 ったので、らくだに 乗 って 逃 げた四百 人 の 若者 たちのほかには、ひとりものがれた 者 はなかった。
18 こうしてダビデはアマレクびとが 奪 い 取 ったものをみな 取 りもどした。またダビデはそのふたりの 妻 を 救 い 出 した。
19 そして 彼 らに 属 するものは、小 さいものも 大 きいものも、むすこも 娘 もぶんどり 物 も、アマレクびとが 奪 い 去 った 物 は 何 をも 失 わないで、ダビデがみな 取 りもどした。
20 ダビデはまたすべての 羊 と 牛 を 取 った。人々 はこれらの 家畜 を 彼 の 前 に 追 って 行 きながら、「これはダビデのぶんどり 物 だ」と 言 った。
21 そしてダビデが、あの 疲 れてダビデについて 行 くことができずに、ベソル 川 のほとりにとどまっていた二百 人 の 者 のところへきた 時、彼 らは 出 てきてダビデを 迎 え、またダビデと 共 にいる 民 を 迎 えた。ダビデは 民 に 近 づいてその 安否 を 問 うた。
22 そのときダビデと 共 に 行 った 人々 のうちで、悪 く、かつよこしまな 者 どもはみな 言 った、「彼 らはわれわれと 共 に 行 かなかったのだから、われわれはその 人々 にわれわれの 取 りもどしたぶんどり 物 を 分 け 与 えることはできない。ただおのおのにその 妻子 を 与 えて、連 れて 行 かせましょう」。
23 しかしダビデは 言 った、「兄弟 たちよ、主 はわれわれを 守 って、攻 めてきた 軍隊 をわれわれの 手 に 渡 された。その 主 が 賜 わったものを、あなたがたはそのようにしてはならない。
24 だれがこの 事 について、あなたがたに 聞 き 従 いますか。戦 いに 下 って 行 った 者 の 分 け 前 と、荷物 のかたわらにとどまっていた 者 の 分 け 前 を 同様 にしなければならない。彼 らはひとしく 分 け 前 を 受 けるべきである」。
25 この 日 以来、ダビデはこれをイスラエルの 定 めとし、おきてとして 今日 に 及 んでいる。
26 ダビデはチクラグにきて、そのぶんどり 物 の 一部 をユダの 長老 である 友人 たちにおくって 言 った、「これは 主 の 敵 から 取 ったぶんどり 物 のうちからあなたがたにおくる 贈 り 物 である」。
27 そのおくり 先 は、ベテルにいる 人々、ネゲブのラモテにいる 人々、ヤッテルにいる 人々、
28 アロエルにいる 人々、シフモテにいる 人々、エシテモアにいる 人々、ラカルにいる 人々、
29 エラメルびとの 町々 にいる 人々、ケニびとの 町々 にいる 人々、
30 ホルマにいる 人々、ボラシャンにいる 人々、アタクにいる 人々、
31 ヘブロンにいる 人々、およびダビデとその 従者 たちが、さまよい 歩 いたすべての 所 にいる 人々 であった。
Chapter 31
1 さてペリシテびとはイスラエルと 戦 った。イスラエルの 人々 はペリシテびとの 前 から 逃 げ、多 くの 者 は 傷 ついてギルボア 山 にたおれた。
2 ペリシテびとはサウルとその 子 らに 攻 め 寄 り、そしてペリシテびとはサウルの 子 ヨナタン、アビナダブ、およびマルキシュアを 殺 した。
3 戦 いは 激 しくサウルに 迫 り、弓 を 射 る 者 どもがサウルを 見 つけて、彼 を 射 たので、サウルは 射 る 者 たちにひどい 傷 を 負 わされた。
4 そこでサウルはその 武器 を 執 る 者 に 言 った、「つるぎを 抜 き、それをもってわたしを 刺 せ。さもないと、これらの 無 割礼 の 者 どもがきて、わたしを 刺 し、わたしをなぶり 殺 しにするであろう」。しかしその 武器 を 執 る 者 は、ひじょうに 恐 れて、それに 応 じなかったので、サウルは、つるぎを 執 って、その 上 に 伏 した。
5 武器 を 執 る 者 はサウルが 死 んだのを 見 て、自分 もまたつるぎの 上 に 伏 して、彼 と 共 に 死 んだ。
6 こうしてサウルとその三 人 の 子 たち、およびサウルの 武器 を 執 る 者、ならびにその 従者 たちは 皆、この 日 共 に 死 んだ。
7 イスラエルの 人々 で、谷 の 向 こう 側、およびヨルダンの 向 こう 側 にいる 者 が、イスラエルの 人々 の 逃 げるのを 見、またサウルとその 子 たちの 死 んだのを 見 て 町々 を 捨 てて 逃 げたので、ペリシテびとはきてその 中 に 住 んだ。
8 あくる 日、ペリシテびとは 殺 された 者 から、はぎ 取 るためにきたが、サウルとその三 人 の 子 たちがギルボア 山 にたおれているのを 見 つけた。
9 彼 らはサウルの 首 を 切 り、そのよろいをはぎ 取 り、ペリシテびとの 全 地 に 人 をつかわして、この 良 い 知 らせを、その 偶像 と 民 とに 伝 えさせた。
10 また 彼 らは、そのよろいをアシタロテの 神殿 に 置 き、彼 のからだをベテシャンの 城壁 にくぎづけにした。
11 ヤベシ・ギレアデの 住民 たちは、ペリシテびとがサウルにした 事 を 聞 いて、
12 勇士 たちはみな 立 ち、夜 もすがら 行 って、サウルのからだと、その 子 たちのからだをベテシャンの 城壁 から 取 りおろし、ヤベシにきて、これをそこで 焼 き、
13 その 骨 を 取 って、ヤベシのぎょりゅうの 木 の 下 に 葬 り、七日 の 間、断食 した。