Chapter 1
1 初 めに 言 があった。言 は 神 と 共 にあった。言 は 神 であった。
2 この 言 は 初 めに 神 と 共 にあった。
3 すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。
4 この 言 に 命 があった。そしてこの 命 は 人 の 光 であった。
5 光 はやみの 中 に 輝 いている。そして、やみはこれに 勝 たなかった。
6 ここにひとりの 人 があって、神 からつかわされていた。その 名 をヨハネと 言 った。
7 この 人 はあかしのためにきた。光 についてあかしをし、彼 によってすべての 人 が 信 じるためである。
8 彼 は 光 ではなく、ただ、光 についてあかしをするためにきたのである。
9 すべての 人 を 照 すまことの 光 があって、世 にきた。
10 彼 は 世 にいた。そして、世 は 彼 によってできたのであるが、世 は 彼 を 知 らずにいた。
11 彼 は 自分 のところにきたのに、自分 の 民 は 彼 を 受 けいれなかった。
12 しかし、彼 を 受 けいれた 者、すなわち、その 名 を 信 じた 人々 には、彼 は 神 の 子 となる 力 を 与 えたのである。
13 それらの 人 は、血 すじによらず、肉 の 欲 によらず、また、人 の 欲 にもよらず、ただ 神 によって 生 れたのである。
14 そして 言 は 肉体 となり、わたしたちのうちに 宿 った。わたしたちはその 栄光 を 見 た。それは 父 のひとり 子 としての 栄光 であって、めぐみとまこととに 満 ちていた。
15 ヨハネは 彼 についてあかしをし、叫 んで 言 った、「『わたしのあとに 来 るかたは、わたしよりもすぐれたかたである。わたしよりも 先 におられたからである』とわたしが 言 ったのは、この 人 のことである」。
16 わたしたちすべての 者 は、その 満 ち 満 ちているものの 中 から 受 けて、めぐみにめぐみを 加 えられた。
17 律法 はモーセをとおして 与 えられ、めぐみとまこととは、イエス・キリストをとおしてきたのである。
18 神 を 見 た 者 はまだひとりもいない。ただ 父 のふところにいるひとり 子 なる 神 だけが、神 をあらわしたのである。
19 さて、ユダヤ 人 たちが、エルサレムから 祭司 たちやレビ 人 たちをヨハネのもとにつかわして、「あなたはどなたですか」と 問 わせたが、その 時 ヨハネが 立 てたあかしは、こうであった。
20 すなわち、彼 は 告白 して 否 まず、「わたしはキリストではない」と 告白 した。
21 そこで、彼 らは 問 うた、「それでは、どなたなのですか、あなたはエリヤですか」。彼 は「いや、そうではない」と 言 った。「では、あの 預言者 ですか」。彼 は「いいえ」と 答 えた。
22 そこで、彼 らは 言 った、「あなたはどなたですか。わたしたちをつかわした 人々 に、答 を 持 って 行 けるようにしていただきたい。あなた 自身 をだれだと 考 えるのですか」。
23 彼 は 言 った、「わたしは、預言者 イザヤが 言 ったように、『主 の 道 をまっすぐにせよと 荒野 で 呼 ばわる 者 の 声』である」。
24 つかわされた 人 たちは、パリサイ 人 であった。
25 彼 らはヨハネに 問 うて 言 った、「では、あなたがキリストでもエリヤでもまたあの 預言者 でもないのなら、なぜバプテスマを 授 けるのですか」。
26 ヨハネは 彼 らに 答 えて 言 った、「わたしは 水 でバプテスマを 授 けるが、あなたがたの 知 らないかたが、あなたがたの 中 に 立 っておられる。
27 それがわたしのあとにあとにおいでになる 方 であって、わたしはその 人 のくつのひもを 解 く 値 うちもない」。
28 これらのことは、ヨハネがバプテスマを 授 けていたヨルダンの 向 こうのベタニヤであったのである。
29 その 翌日、ヨハネはイエスが 自分 の 方 にこられるのを 見 て 言 った、「見 よ、世 の 罪 を 取 り 除 く 神 の 小羊。
30 『わたしのあとに 来 るかたは、わたしよりもすぐれたかたである。わたしよりも 先 におられたからである』とわたしが 言 ったのは、この 人 のことである。
31 わたしはこのかたを 知 らなかった。しかし、このかたがイスラエルに 現 れてくださるそのことのために、わたしはきて、水 でバプテスマを 授 けているのである」。
32 ヨハネはまたあかしをして 言 った、「わたしは、御霊 がはとのように 天 から 下 って、彼 の 上 にとどまるのを 見 た。
33 わたしはこの 人 を 知 らなかった。しかし、水 でバプテスマを 授 けるようにと、わたしをおつかわしになったそのかたが、わたしに 言 われた、『ある 人 の 上 に、御霊 が 下 ってとどまるのを 見 たら、その 人 こそは、御霊 によってバプテスマを 授 けるかたである』。
34 わたしはそれを 見 たので、このかたこそ 神 の 子 であると、あかしをしたのである」。
35 その 翌日、ヨハネはまたふたりの 弟子 たちと 一緒 に 立 っていたが、
36 イエスが 歩 いておられるのに 目 をとめて 言 った、「見 よ、神 の 小羊」。
37 そのふたりの 弟子 は、ヨハネがそう 言 うのを 聞 いて、イエスについて 行 った。
38 イエスはふり 向 き、彼 らがついてくるのを 見 て 言 われた、「何 か 願 いがあるのか」。彼 らは 言 った、「ラビ(訳 して 言 えば、先生)どこにおとまりなのですか」。
39 イエスは 彼 らに 言 われた、「きてごらんなさい。そうしたらわかるだろう」。そこで 彼 らはついて 行 って、イエスの 泊 まっておられる 所 を 見 た。そして、その 日 はイエスのところに 泊 まった。時 は 午後 四 時 ごろであった。
40 ヨハネから 聞 いて、イエスについて 行 ったふたりのうちのひとりは、シモン・ペテロの 兄弟 アンデレであった。
41 彼 はまず 自分 の 兄弟 シモンに 出会 って 言 った、「わたしたちはメシヤ(訳 せば、キリスト)にいま 出会 った」。
42 そしてシモンをイエスのもとにつれてきた。イエスは 彼 に 目 をとめて 言 われた、「あなたはヨハネの 子 シモンである。あなたをケパ(訳 せば、ペテロ)と 呼 ぶことにする」。
43 その 翌日、イエスはガリラヤに 行 こうとされたが、ピリポに 出会 って 言 われた、「わたしに 従 ってきなさい」。
44 ピリポは、アンデレとペテロとの 町 ベツサイダの 人 であった。
45 このピリポがナタナエルに 出会 って 言 った、「わたしたちは、モーセが 律法 の 中 にしるしており、預言者 たちがしるしていた 人、ヨセフの 子、ナザレのイエスにいま 出会 った」。
46 ナタナエルは 彼 に 言 った、「ナザレから、なんのよいものが 出 ようか」。ピリポは 彼 に 言 った、「きて 見 なさい」。
47 イエスはナタナエルが 自分 の 方 に 来 るのを 見 て、彼 について 言 われた、「見 よ、あの 人 こそ、ほんとうのイスラエル 人 である。その 心 には 偽 りがない」。
48 ナタナエルは 言 った、「どうしてわたしをご 存 じなのですか」。イエスは 答 えて 言 われた、「ピリポがあなたを 呼 ぶ 前 に、わたしはあなたが、いちじくの 木 の 下 にいるのを 見 た」。
49 ナタナエルは 答 えた、「先生、あなたは 神 の 子 です。あなたはイスラエルの 王 です」。
50 イエスは 答 えて 言 われた、「あなたが、いちじくの 木 の 下 にいるのを 見 たと、わたしが 言 ったので 信 じるのか。これよりも、もっと 大 きなことを、あなたは 見 るであろう」。
51 また 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。天 が 開 けて、神 の 御使 たちが 人 の 子 の 上 に 上 り 下 りするのを、あなたがたは 見 るであろう」。
Chapter 2
1 三 日 目 にガリラヤのカナに 婚礼 があって、イエスの 母 がそこにいた。
2 イエスも 弟子 たちも、その 婚礼 に 招 かれた。
3 ぶどう 酒 がなくなったので、母 はイエスに 言 った、「ぶどう 酒 がなくなってしまいました」。
4 イエスは 母 に 言 われた、「婦人 よ、あなたは、わたしと、なんの 係 わりがありますか。わたしの 時 は、まだきていません」。
5 母 は 僕 たちに 言 った、「このかたが、あなたがたに 言 いつけることは、なんでもして 下 さい」。
6 そこには、ユダヤ 人 のきよめのならわしに 従 って、それぞれ四、五 斗 もはいる 石 の 水 がめが、六つ 置 いてあった。
7 イエスは 彼 らに「かめに 水 をいっぱい 入 れなさい」と 言 われたので、彼 らは 口 のところまでいっぱいに 入 れた。
8 そこで 彼 らに 言 われた、「さあ、くんで、料理 がしらのところに 持 って 行 きなさい」。すると、彼 らは 持 って 行 った。
9 料理 がしらは、ぶどう 酒 になった 水 をなめてみたが、それがどこからきたのか 知 らなかったので、(水 をくんだ 僕 たちは 知 っていた)花婿 を 呼 んで
10 言 った、「どんな 人 でも、初 めによいぶどう 酒 を 出 して、酔 いがまわったころにわるいのを 出 すものだ。それだのに、あなたはよいぶどう 酒 を 今 までとっておかれました」。
11 イエスは、この 最初 のしるしをガリラヤのカナで 行 い、その 栄光 を 現 された。そして 弟子 たちはイエスを 信 じた。
12 そののち、イエスは、その 母、兄弟 たち、弟子 たちと 一緒 に、カペナウムに 下 って、幾日 かそこにとどまられた。
13 さて、ユダヤ 人 の 過越 の 祭 が 近 づいたので、イエスはエルサレムに 上 られた。
14 そして 牛、羊、はとを 売 る 者 や 両替 する 者 などが 宮 の 庭 にすわり 込 んでいるのをごらんになって、
15 なわでむちを 造 り、羊 も 牛 もみな 宮 から 追 いだし、両替人 の 金 を 散 らし、その 台 をひっくりかえし、
16 はとを 売 る 人々 には「これらのものを 持 って、ここから 出 て 行 け。わたしの 父 の 家 を 商売 の 家 とするな」と 言 われた。
17 弟子 たちは、「あなたの 家 を 思 う 熱心 が、わたしを 食 いつくすであろう」と 書 いてあることを 思 い 出 した。
18 そこで、ユダヤ 人 はイエスに 言 った、「こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに 見 せてくれますか」。
19 イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「この 神殿 をこわしたら、わたしは三 日 のうちに、それを 起 すであろう」。
20 そこで、ユダヤ 人 たちは 言 った、「この 神殿 を 建 てるのには、四十六 年 もかかっています。それだのに、あなたは三 日 のうちに、それを 建 てるのですか」。
21 イエスは 自分 のからだである 神殿 のことを 言 われたのである。
22 それで、イエスが 死人 の 中 からよみがえったとき、弟子 たちはイエスがこう 言 われたことを 思 い 出 して、聖書 とイエスのこの 言葉 とを 信 じた。
23 過越 の 祭 の 間、イエスがエルサレムに 滞在 しておられたとき、多 くの 人々 は、その 行 われたしるしを 見 て、イエスの 名 を 信 じた。
24 しかしイエスご 自身 は、彼 らに 自分 をお 任 せにならなかった。それは、すべての 人 を 知 っておられ、
25 また 人 についてあかしする 者 を、必要 とされなかったからである。それは、ご 自身 人 の 心 の 中 にあることを 知 っておられたからである。
Chapter 3
1 パリサイ 人 のひとりで、その 名 をニコデモというユダヤ 人 の 指導者 があった。
2 この 人 が 夜 イエスのもとにきて 言 った、「先生、わたしたちはあなたが 神 からこられた 教師 であることを 知 っています。神 がご 一緒 でないなら、あなたがなさっておられるようなしるしは、だれにもできはしません」。
3 イエスは 答 えて 言 われた、「よくよくあなたに 言 っておく。だれでも 新 しく 生 れなければ、神 の 国 を 見 ることはできない」。
4 ニコデモは 言 った、「人 は 年 をとってから 生 れることが、どうしてできますか。もう 一度、母 の 胎 にはいって 生 れることができましょうか」。
5 イエスは 答 えられた、「よくよくあなたに 言 っておく。だれでも、水 と 霊 とから 生 れなければ、神 の 国 にはいることはできない。
6 肉 から 生 れる 者 は 肉 であり、霊 から 生 れる 者 は 霊 である。
7 あなたがたは 新 しく 生 れなければならないと、わたしが 言 ったからとて、不思議 に 思 うには 及 ばない。
8 風 は 思 いのままに 吹 く。あなたはその 音 を 聞 くが、それがどこからきて、どこへ 行 くかは 知 らない。霊 から 生 れる 者 もみな、それと 同 じである」。
9 ニコデモはイエスに 答 えて 言 った、「どうして、そんなことがあり 得 ましょうか」。
10 イエスは 彼 に 答 えて 言 われた、「あなたはイスラエルの 教師 でありながら、これぐらいのことがわからないのか。
11 よくよく 言 っておく。わたしたちは 自分 の 知 っていることを 語 り、また 自分 の 見 たことをあかししているのに、あなたがたはわたしたちのあかしを 受 けいれない。
12 わたしが 地上 のことを 語 っているのに、あなたがたが 信 じないならば、天上 のことを 語 った 場合、どうしてそれを 信 じるだろうか。
13 天 から 下 ってきた 者、すなわち 人 の 子 のほかには、だれも 天 に 上 った 者 はない。
14 そして、ちょうどモーセが 荒野 でへびを 上 げたように、人 の 子 もまた 上 げられなければならない。
15 それは 彼 を 信 じる 者 が、すべて 永遠 の 命 を 得 るためである」。
16 神 はそのひとり 子 を 賜 わったほどに、この 世 を 愛 して 下 さった。それは 御子 を 信 じる 者 がひとりも 滅 びないで、永遠 の 命 を 得 るためである。
17 神 が 御子 を 世 につかわされたのは、世 をさばくためではなく、御子 によって、この 世 が 救 われるためである。
18 彼 を 信 じる 者 は、さばかれない。信 じない 者 は、すでにさばかれている。神 のひとり 子 の 名 を 信 じることをしないからである。
19 そのさばきというのは、光 がこの 世 にきたのに、人々 はそのおこないが 悪 いために、光 よりもやみの 方 を 愛 したことである。
20 悪 を 行 っている 者 はみな 光 を 憎 む。そして、そのおこないが 明 るみに 出 されるのを 恐 れて、光 にこようとはしない。
21 しかし、真理 を 行 っている 者 は 光 に 来 る。その 人 のおこないの、神 にあってなされたということが、明 らかにされるためである。
22 こののち、イエスは 弟子 たちとユダヤの 地 に 行 き、彼 らと 一緒 にそこに 滞在 して、バプテスマを 授 けておられた。
23 ヨハネもサリムに 近 いアイノンで、バプテスマを 授 けていた。そこには 水 がたくさんあったからである。人々 がぞくぞくとやってきてバプテスマを 受 けていた。
24 そのとき、ヨハネはまだ 獄 に 入 れられてはいなかった。
25 ところが、ヨハネの 弟子 たちとひとりのユダヤ 人 との 間 に、きよめのことで 争論 が 起 った。
26 そこで 彼 らはヨハネのところにきて 言 った、「先生、ごらん 下 さい。ヨルダンの 向 こうであなたと 一緒 にいたことがあり、そして、あなたがあかしをしておられたあのかたが、バプテスマを 授 けており、皆 の 者 が、そのかたのところへ 出 かけています」。
27 ヨハネは 答 えて 言 った、「人 は 天 から 与 えられなければ、何 ものも 受 けることはできない。
28 『わたしはキリストではなく、そのかたよりも 先 につかわされた 者 である』と 言 ったことをあかししてくれるのは、あなたがた 自身 である。
29 花嫁 をもつ 者 は 花婿 である。花婿 の 友人 は 立 って 彼 の 声 を 聞 き、その 声 を 聞 いて 大 いに 喜 ぶ。こうして、この 喜 びはわたしに 満 ち 足 りている。
30 彼 は 必 ず 栄 え、わたしは 衰 える。
31 上 から 来 る 者 は、すべてのものの 上 にある。地 から 出 る 者 は、地 に 属 する 者 であって、地 のことを 語 る。天 から 来 る 者 は、すべてのものの 上 にある。
32 彼 はその 見 たところ、聞 いたところをあかししているが、だれもそのあかしを 受 けいれない。
33 しかし、そのあかしを 受 けいれる 者 は、神 がまことであることを、たしかに 認 めたのである。
34 神 がおつかわしになったかたは、神 の 言葉 を 語 る。神 は 聖霊 を 限 りなく 賜 うからである。
35 父 は 御子 を 愛 して、万物 をその 手 にお 与 えになった。
36 御子 を 信 じる 者 は 永遠 の 命 をもつ。御子 に 従 わない 者 は、命 にあずかることがないばかりか、神 の 怒 りがその 上 にとどまるのである」。
Chapter 4
1 イエスが、ヨハネよりも 多 く 弟子 をつくり、またバプテスマを 授 けておられるということを、パリサイ 人 たちが 聞 き、それを 主 が 知 られたとき、
2 (しかし、イエスみずからが、バプテスマをお 授 けになったのではなく、その 弟子 たちであった)
3 ユダヤを 去 って、またガリラヤへ 行 かれた。
4 しかし、イエスはサマリヤを 通過 しなければならなかった。
5 そこで、イエスはサマリヤのスカルという 町 においでになった。この 町 は、ヤコブがその 子 ヨセフに 与 えた 土地 の 近 くにあったが、
6 そこにヤコブの 井戸 があった。イエスは 旅 の 疲 れを 覚 えて、そのまま、この 井戸 のそばにすわっておられた。時 は 昼 の十二 時 ごろであった。
7 ひとりのサマリヤの 女 が 水 をくみにきたので、イエスはこの 女 に、「水 を 飲 ませて 下 さい」と 言 われた。
8 弟子 たちは 食物 を 買 いに 町 に 行 っていたのである。
9 すると、サマリヤの 女 はイエスに 言 った、「あなたはユダヤ 人 でありながら、どうしてサマリヤの 女 のわたしに、飲 ませてくれとおっしゃるのですか」。これは、ユダヤ 人 はサマリヤ 人 と 交際 していなかったからである。
10 イエスは 答 えて 言 われた、「もしあなたが 神 の 賜物 のことを 知 り、また、『水 を 飲 ませてくれ』と 言 った 者 が、だれであるか 知 っていたならば、あなたの 方 から 願 い 出 て、その 人 から 生 ける 水 をもらったことであろう」。
11 女 はイエスに 言 った、「主 よ、あなたは、くむ 物 をお 持 ちにならず、その 上、井戸 は 深 いのです。その 生 ける 水 を、どこから 手 に 入 れるのですか。
12 あなたは、この 井戸 を 下 さったわたしたちの 父 ヤコブよりも、偉 いかたなのですか。ヤコブ 自身 も 飲 み、その 子 らも、その 家畜 も、この 井戸 から 飲 んだのですが」。
13 イエスは 女 に 答 えて 言 われた、「この 水 を 飲 む 者 はだれでも、またかわくであろう。
14 しかし、わたしが 与 える 水 を 飲 む 者 は、いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが 与 える 水 は、その 人 のうちで 泉 となり、永遠 の 命 に 至 る 水 が、わきあがるであろう」。
15 女 はイエスに 言 った、「主 よ、わたしがかわくことがなく、また、ここにくみにこなくてもよいように、その 水 をわたしに 下 さい」。
16 イエスは 女 に 言 われた、「あなたの 夫 を 呼 びに 行 って、ここに 連 れてきなさい」。
17 女 は 答 えて 言 った、「わたしには 夫 はありません」。イエスは 女 に 言 われた、「夫 がないと 言 ったのは、もっともだ。
18 あなたには五 人 の 夫 があったが、今 のはあなたの 夫 ではない。あなたの 言葉 のとおりである」。
19 女 はイエスに 言 った、「主 よ、わたしはあなたを 預言者 と 見 ます。
20 わたしたちの 先祖 は、この 山 で 礼拝 をしたのですが、あなたがたは 礼拝 すべき 場所 は、エルサレムにあると 言 っています」。
21 イエスは 女 に 言 われた、「女 よ、わたしの 言 うことを 信 じなさい。あなたがたが、この 山 でも、またエルサレムでもない 所 で、父 を 礼拝 する 時 が 来 る。
22 あなたがたは 自分 の 知 らないものを 拝 んでいるが、わたしたちは 知 っているかたを 礼拝 している。救 はユダヤ 人 から 来 るからである。
23 しかし、まことの 礼拝 をする 者 たちが、霊 とまこととをもって 父 を 礼拝 する 時 が 来 る。そうだ、今 きている。父 は、このような 礼拝 をする 者 たちを 求 めておられるからである。
24 神 は 霊 であるから、礼拝 をする 者 も、霊 とまこととをもって 礼拝 すべきである」。
25 女 はイエスに 言 った、「わたしは、キリストと 呼 ばれるメシヤがこられることを 知 っています。そのかたがこられたならば、わたしたちに、いっさいのことを 知 らせて 下 さるでしょう」。
26 イエスは 女 に 言 われた、「あなたと 話 をしているこのわたしが、それである」。
27 そのとき、弟子 たちが 帰 って 来 て、イエスがひとりの 女 と 話 しておられるのを 見 て 不思議 に 思 ったが、しかし、「何 を 求 めておられますか」とも、「何 を 彼女 と 話 しておられるのですか」とも、尋 ねる 者 はひとりもなかった。
28 この 女 は 水 がめをそのままそこに 置 いて 町 に 行 き、人々 に 言 った、
29 「わたしのしたことを 何 もかも、言 いあてた 人 がいます。さあ、見 にきてごらんなさい。もしかしたら、この 人 がキリストかも 知 れません」。
30 人々 は 町 を 出 て、ぞくぞくとイエスのところへ 行 った。
31 その 間 に 弟子 たちはイエスに、「先生、召 しあがってください」とすすめた。
32 ところが、イエスは 言 われた、「わたしには、あなたがたの 知 らない 食物 がある」。
33 そこで、弟子 たちが 互 に 言 った、「だれかが、何 か 食 べるものを 持 ってきてさしあげたのであろうか」。
34 イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしの 食物 というのは、わたしをつかわされたかたのみこころを 行 い、そのみわざをなし 遂 げることである。
35 あなたがたは、刈入 れ 時 が 来 るまでには、まだ四か 月 あると、言 っているではないか。しかし、わたしはあなたがたに 言 う。目 をあげて 畑 を 見 なさい。はや 色 づいて 刈入 れを 待 っている。
36 刈 る 者 は 報酬 を 受 けて、永遠 の 命 に 至 る 実 を 集 めている。まく 者 も 刈 る 者 も、共々 に 喜 ぶためである。
37 そこで、『ひとりがまき、ひとりが 刈 る』ということわざが、ほんとうのこととなる。
38 わたしは、あなたがたをつかわして、あなたがたがそのために 労苦 しなかったものを 刈 りとらせた。ほかの 人々 が 労苦 し、あなたがたは、彼 らの 労苦 の 実 にあずかっているのである」。
39 さて、この 町 からきた 多 くのサマリヤ 人 は、「この 人 は、わたしのしたことを 何 もかも 言 いあてた」とあかしした 女 の 言葉 によって、イエスを 信 じた。
40 そこで、サマリヤ 人 たちはイエスのもとにきて、自分 たちのところに 滞在 していただきたいと 願 ったので、イエスはそこにふつか 滞在 された。
41 そしてなお 多 くの 人々 が、イエスの 言葉 を 聞 いて 信 じた。
42 彼 らは 女 に 言 った、「わたしたちが 信 じるのは、もうあなたが 話 してくれたからではない。自分 自身 で 親 しく 聞 いて、この 人 こそまことに 世 の 救主 であることが、わかったからである」。
43 ふつかの 後 に、イエスはここを 去 ってガリラヤへ 行 かれた。
44 イエスはみずからはっきり、「預言者 は 自分 の 故郷 では 敬 われないものだ」と 言 われたのである。
45 ガリラヤに 着 かれると、ガリラヤの 人 たちはイエスを 歓迎 した。それは、彼 らも 祭 に 行 っていたので、その 祭 の 時、イエスがエルサレムでなされたことをことごとく 見 ていたからである。
46 イエスは、またガリラヤのカナに 行 かれた。そこは、かつて 水 をぶどう 酒 にかえられた 所 である。ところが、病気 をしているむすこを 持 つある 役人 がカペナウムにいた。
47 この 人 が、ユダヤからガリラヤにイエスのきておられることを 聞 き、みもとにきて、カペナウムに 下 って、彼 の 子 をなおしていただきたいと、願 った。その 子 が 死 にかかっていたからである。
48 そこで、イエスは 彼 に 言 われた、「あなたがたは、しるしと 奇跡 とを 見 ない 限 り、決 して 信 じないだろう」。
49 この 役人 はイエスに 言 った、「主 よ、どうぞ、子供 が 死 なないうちにきて 下 さい」。
50 イエスは 彼 に 言 われた、「お 帰 りなさい。あなたのむすこは 助 かるのだ」。彼 は 自分 に 言 われたイエスの 言葉 を 信 じて 帰 って 行 った。
51 その 下 って 行 く 途中、僕 たちが 彼 に 出会 い、その 子 が 助 かったことを 告 げた。
52 そこで、彼 は 僕 たちに、そのなおりはじめた 時刻 を 尋 ねてみたら、「きのうの 午後 一 時 に 熱 が 引 きました」と 答 えた。
53 それは、イエスが「あなたのむすこは 助 かるのだ」と 言 われたのと 同 じ 時刻 であったことを、この 父 は 知 って、彼 自身 もその 家族 一同 も 信 じた。
54 これは、イエスがユダヤからガリラヤにきてなされた 第 二のしるしである。
Chapter 5
1 こののち、ユダヤ 人 の 祭 があったので、イエスはエルサレムに 上 られた。
2 エルサレムにある 羊 の 門 のそばに、ヘブル 語 でベテスダと 呼 ばれる 池 があった。そこには五つの 廊 があった。
3 その 廊 の 中 には、病人、盲人、足 なえ、やせ 衰 えた 者 などが、大 ぜいからだを 横 たえていた。〔彼 らは 水 の 動 くのを 待 っていたのである。
4 それは、時々、主 の 御使 がこの 池 に 降 りてきて 水 を 動 かすことがあるが、水 が 動 いた 時 まっ 先 にはいる 者 は、どんな 病気 にかかっていても、いやされたからである。〕
5 さて、そこに三十八 年 のあいだ、病気 に 悩 んでいる 人 があった。
6 イエスはその 人 が 横 になっているのを 見、また 長 い 間 わずらっていたのを 知 って、その 人 に「なおりたいのか」と 言 われた。
7 この 病人 はイエスに 答 えた、「主 よ、水 が 動 く 時 に、わたしを 池 の 中 に 入 れてくれる 人 がいません。わたしがはいりかけると、ほかの 人 が 先 に 降 りて 行 くのです」。
8 イエスは 彼 に 言 われた、「起 きて、あなたの 床 を 取 りあげ、そして 歩 きなさい」。
9 すると、この 人 はすぐにいやされ、床 をとりあげて 歩 いて 行 った。その 日 は 安息日 であった。
10 そこでユダヤ 人 たちは、そのいやされた 人 に 言 った、「きょうは 安息日 だ。床 を 取 りあげるのは、よろしくない」。
11 彼 は 答 えた、「わたしをなおして 下 さったかたが、床 を 取 りあげて 歩 けと、わたしに 言 われました」。
12 彼 らは 尋 ねた、「取 りあげて 歩 けと 言 った 人 は、だれか」。
13 しかし、このいやされた 人 は、それがだれであるか 知 らなかった。群衆 がその 場 にいたので、イエスはそっと 出 て 行 かれたからである。
14 そののち、イエスは 宮 でその 人 に 出会 ったので、彼 に 言 われた、「ごらん、あなたはよくなった。もう 罪 を 犯 してはいけない。何 かもっと 悪 いことが、あなたの 身 に 起 るかも 知 れないから」。
15 彼 は 出 て 行 って、自分 をいやしたのはイエスであったと、ユダヤ 人 たちに 告 げた。
16 そのためユダヤ 人 たちは、安息日 にこのようなことをしたと 言 って、イエスを 責 めた。
17 そこで、イエスは 彼 らに 答 えられた、「わたしの 父 は 今 に 至 るまで 働 いておられる。わたしも 働 くのである」。
18 このためにユダヤ 人 たちは、ますますイエスを 殺 そうと 計 るようになった。それは、イエスが 安息日 を 破 られたばかりではなく、神 を 自分 の 父 と 呼 んで、自分 を 神 と 等 しいものとされたからである。
19 さて、イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。子 は 父 のなさることを 見 てする 以外 に、自分 からは 何事 もすることができない。父 のなさることであればすべて、子 もそのとおりにするのである。
20 なぜなら、父 は 子 を 愛 して、みずからなさることは、すべて 子 にお 示 しになるからである。そして、それよりもなお 大 きなわざを、お 示 しになるであろう。あなたがたが、それによって 不思議 に 思 うためである。
21 すなわち、父 が 死人 を 起 して 命 をお 与 えになるように、子 もまた、そのこころにかなう 人々 に 命 を 与 えるであろう。
22 父 はだれをもさばかない。さばきのことはすべて、子 にゆだねられたからである。
23 それは、すべての 人 が 父 を 敬 うと 同様 に、子 を 敬 うためである。子 を 敬 わない 者 は、子 をつかわされた 父 をも 敬 わない。
24 よくよくあなたがたに 言 っておく。わたしの 言葉 を 聞 いて、わたしをつかわされたかたを 信 じる 者 は、永遠 の 命 を 受 け、またさばかれることがなく、死 から 命 に 移 っているのである。
25 よくよくあなたがたに 言 っておく。死 んだ 人 たちが、神 の 子 の 声 を 聞 く 時 が 来 る。今 すでにきている。そして 聞 く 人 は 生 きるであろう。
26 それは、父 がご 自分 のうちに 生命 をお 持 ちになっていると 同様 に、子 にもまた、自分 のうちに 生命 を 持 つことをお 許 しになったからである。
27 そして 子 は 人 の 子 であるから、子 にさばきを 行 う 権威 をお 与 えになった。
28 このことを 驚 くには 及 ばない。墓 の 中 にいる 者 たちがみな 神 の 子 の 声 を 聞 き、
29 善 をおこなった 人々 は、生命 を 受 けるためによみがえり、悪 をおこなった 人々 は、さばきを 受 けるためによみがえって、それぞれ 出 てくる 時 が 来 るであろう。
30 わたしは、自分 からは 何事 もすることができない。ただ 聞 くままにさばくのである。そして、わたしのこのさばきは 正 しい。それは、わたし 自身 の 考 えでするのではなく、わたしをつかわされたかたの、み 旨 を 求 めているからである。
31 もし、わたしが 自分 自身 についてあかしをするならば、わたしのあかしはほんとうではない。
32 わたしについてあかしをするかたはほかにあり、そして、その 人 がするあかしがほんとうであることを、わたしは 知 っている。
33 あなたがたはヨハネのもとへ 人 をつかわしたが、そのとき 彼 は 真理 についてあかしをした。
34 わたしは 人 からあかしを 受 けないが、このことを 言 うのは、あなたがたが 救 われるためである。
35 ヨハネは 燃 えて 輝 くあかりであった。あなたがたは、しばらくの 間 その 光 を 喜 び 楽 しもうとした。
36 しかし、わたしには、ヨハネのあかしよりも、もっと 力 あるあかしがある。父 がわたしに 成就 させようとしてお 与 えになったわざ、すなわち、今 わたしがしているこのわざが、父 のわたしをつかわされたことをあかししている。
37 また、わたしをつかわされた 父 も、ご 自分 でわたしについてあかしをされた。あなたがたは、まだそのみ 声 を 聞 いたこともなく、そのみ 姿 を 見 たこともない。
38 また、神 がつかわされた 者 を 信 じないから、神 の 御言 はあなたがたのうちにとどまっていない。
39 あなたがたは、聖書 の 中 に 永遠 の 命 があると 思 って 調 べているが、この 聖書 は、わたしについてあかしをするものである。
40 しかも、あなたがたは、命 を 得 るためにわたしのもとにこようともしない。
41 わたしは 人 からの 誉 を 受 けることはしない。
42 しかし、あなたがたのうちには 神 を 愛 する 愛 がないことを 知 っている。
43 わたしは 父 の 名 によってきたのに、あなたがたはわたしを 受 けいれない。もし、ほかの 人 が 彼 自身 の 名 によって 来 るならば、その 人 を 受 けいれるのであろう。
44 互 に 誉 を 受 けながら、ただひとりの 神 からの 誉 を 求 めようとしないあなたがたは、どうして 信 じることができようか。
45 わたしがあなたがたのことを 父 に 訴 えると、考 えてはいけない。あなたがたを 訴 える 者 は、あなたがたが 頼 みとしているモーセその 人 である。
46 もし、あなたがたがモーセを 信 じたならば、わたしをも 信 じたであろう。モーセは、わたしについて 書 いたのである。
47 しかし、モーセの 書 いたものを 信 じないならば、どうしてわたしの 言葉 を 信 じるだろうか」。
Chapter 6
1 そののち、イエスはガリラヤの 海、すなわち、テベリヤ 湖 の 向 こう 岸 へ 渡 られた。
2 すると、大 ぜいの 群衆 がイエスについてきた。病人 たちになさっていたしるしを 見 たからである。
3 イエスは 山 に 登 って、弟子 たちと 一緒 にそこで 座 につかれた。
4 時 に、ユダヤ 人 の 祭 である 過越 が 間近 になっていた。
5 イエスは 目 をあげ、大 ぜいの 群衆 が 自分 の 方 に 集 まって 来 るのを 見 て、ピリポに 言 われた、「どこからパンを 買 ってきて、この 人々 に 食 べさせようか」。
6 これはピリポをためそうとして 言 われたのであって、ご 自分 ではしようとすることを、よくご 承知 であった。
7 すると、ピリポはイエスに 答 えた、「二百デナリのパンがあっても、めいめいが 少 しずついただくにも 足 りますまい」。
8 弟子 のひとり、シモン・ペテロの 兄弟 アンデレがイエスに 言 った、
9 「ここに、大麦 のパン五つと、さかな二ひきとを 持 っている 子供 がいます。しかし、こんなに 大 ぜいの 人 では、それが 何 になりましょう」。
10 イエスは「人々 をすわらせなさい」と 言 われた。その 場所 には 草 が 多 かった。そこにすわった 男 の 数 は五千 人 ほどであった。
11 そこで、イエスはパンを 取 り、感謝 してから、すわっている 人々 に 分 け 与 え、また、さかなをも 同様 にして、彼 らの 望 むだけ 分 け 与 えられた。
12 人々 がじゅうぶんに 食 べたのち、イエスは 弟子 たちに 言 われた、「少 しでもむだにならないように、パンくずのあまりを 集 めなさい」。
13 そこで 彼 らが 集 めると、五つの 大麦 のパンを 食 べて 残 ったパンくずは、十二のかごにいっぱいになった。
14 人々 はイエスのなさったこのしるしを 見 て、「ほんとうに、この 人 こそ 世 にきたるべき 預言者 である」と 言 った。
15 イエスは 人々 がきて、自分 をとらえて 王 にしようとしていると 知 って、ただひとり、また 山 に 退 かれた。
16 夕方 になったとき、弟子 たちは 海 べに 下 り、
17 舟 に 乗 って 海 を 渡 り、向 こう 岸 のカペナウムに 行 きかけた。すでに 暗 くなっていたのに、イエスはまだ 彼 らのところにおいでにならなかった。
18 その 上、強 い 風 が 吹 いてきて、海 は 荒 れ 出 した。
19 四、五十 丁 こぎ 出 したとき、イエスが 海 の 上 を 歩 いて 舟 に 近 づいてこられるのを 見 て、彼 らは 恐 れた。
20 すると、イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしだ、恐 れることはない」。
21 そこで、彼 らは 喜 んでイエスを 舟 に 迎 えようとした。すると 舟 は、すぐ、彼 らが 行 こうとしていた 地 に 着 いた。
22 その 翌日、海 の 向 こう 岸 に 立 っていた 群衆 は、そこに 小舟 が一そうしかなく、またイエスは 弟子 たちと 一緒 に 小舟 にお 乗 りにならず、ただ 弟子 たちだけが 船出 したのを 見 た。
23 しかし、数 そうの 小舟 がテベリヤからきて、主 が 感謝 されたのちパンを 人々 に 食 べさせた 場所 に 近 づいた。
24 群衆 は、イエスも 弟子 たちもそこにいないと 知 って、それらの 小舟 に 乗 り、イエスをたずねてカペナウムに 行 った。
25 そして、海 の 向 こう 岸 でイエスに 出会 ったので 言 った、「先生、いつ、ここにおいでになったのですか」。
26 イエスは 答 えて 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。あなたがたがわたしを 尋 ねてきているのは、しるしを 見 たためではなく、パンを 食 べて 満腹 したからである。
27 朽 ちる 食物 のためではなく、永遠 の 命 に 至 る 朽 ちない 食物 のために 働 くがよい。これは 人 の 子 があなたがたに 与 えるものである。父 なる 神 は、人 の 子 にそれをゆだねられたのである」。
28 そこで、彼 らはイエスに 言 った、「神 のわざを 行 うために、わたしたちは 何 をしたらよいでしょうか」。
29 イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「神 がつかわされた 者 を 信 じることが、神 のわざである」。
30 彼 らはイエスに 言 った、「わたしたちが 見 てあなたを 信 じるために、どんなしるしを 行 って 下 さいますか。どんなことをして 下 さいますか。
31 わたしたちの 先祖 は 荒野 でマナを 食 べました。それは『天 よりのパンを 彼 らに 与 えて 食 べさせた』と 書 いてあるとおりです」。
32 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「よくよく 言 っておく。天 からのパンをあなたがたに 与 えたのは、モーセではない。天 からのまことのパンをあなたがたに 与 えるのは、わたしの 父 なのである。
33 神 のパンは、天 から 下 ってきて、この 世 に 命 を 与 えるものである」。
34 彼 らはイエスに 言 った、「主 よ、そのパンをいつもわたしたちに 下 さい」。
35 イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしが 命 のパンである。わたしに 来 る 者 は 決 して 飢 えることがなく、わたしを 信 じる 者 は 決 してかわくことがない。
36 しかし、あなたがたに 言 ったが、あなたがたはわたしを 見 たのに 信 じようとはしない。
37 父 がわたしに 与 えて 下 さる 者 は 皆、わたしに 来 るであろう。そして、わたしに 来 る 者 を 決 して 拒 みはしない。
38 わたしが 天 から 下 ってきたのは、自分 のこころのままを 行 うためではなく、わたしをつかわされたかたのみこころを 行 うためである。
39 わたしをつかわされたかたのみこころは、わたしに 与 えて 下 さった 者 を、わたしがひとりも 失 わずに、終 りの 日 によみがえらせることである。
40 わたしの 父 のみこころは、子 を 見 て 信 じる 者 が、ことごとく 永遠 の 命 を 得 ることなのである。そして、わたしはその 人々 を 終 りの 日 によみがえらせるであろう」。
41 ユダヤ 人 らは、イエスが「わたしは 天 から 下 ってきたパンである」と 言 われたので、イエスについてつぶやき 始 めた。
42 そして 言 った、「これはヨセフの 子 イエスではないか。わたしたちはその 父母 を 知 っているではないか。わたしは 天 から 下 ってきたと、どうして 今 いうのか」。
43 イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「互 につぶやいてはいけない。
44 わたしをつかわされた 父 が 引 きよせて 下 さらなければ、だれもわたしに 来 ることはできない。わたしは、その 人々 を 終 りの 日 によみがえらせるであろう。
45 預言者 の 書 に、『彼 らはみな 神 に 教 えられるであろう』と 書 いてある。父 から 聞 いて 学 んだ 者 は、みなわたしに 来 るのである。
46 神 から 出 た 者 のほかに、だれかが 父 を 見 たのではない。その 者 だけが 父 を 見 たのである。
47 よくよくあなたがたに 言 っておく。信 じる 者 には 永遠 の 命 がある。
48 わたしは 命 のパンである。
49 あなたがたの 先祖 は 荒野 でマナを 食 べたが、死 んでしまった。
50 しかし、天 から 下 ってきたパンを 食 べる 人 は、決 して 死 ぬことはない。
51 わたしは 天 から 下 ってきた 生 きたパンである。それを 食 べる 者 は、いつまでも 生 きるであろう。わたしが 与 えるパンは、世 の 命 のために 与 えるわたしの 肉 である」。
52 そこで、ユダヤ 人 らが 互 に 論 じて 言 った、「この 人 はどうして、自分 の 肉 をわたしたちに 与 えて 食 べさせることができようか」。
53 イエスは 彼 らに 言 われた、「よくよく 言 っておく。人 の 子 の 肉 を 食 べず、また、その 血 を 飲 まなければ、あなたがたの 内 に 命 はない。
54 わたしの 肉 を 食 べ、わたしの 血 を 飲 む 者 には、永遠 の 命 があり、わたしはその 人 を 終 りの 日 によみがえらせるであろう。
55 わたしの 肉 はまことの 食物、わたしの 血 はまことの 飲 み 物 である。
56 わたしの 肉 を 食 べ、わたしの 血 を 飲 む 者 はわたしにおり、わたしもまたその 人 におる。
57 生 ける 父 がわたしをつかわされ、また、わたしが 父 によって 生 きているように、わたしを 食 べる 者 もわたしによって 生 きるであろう。
58 天 から 下 ってきたパンは、先祖 たちが 食 べたが 死 んでしまったようなものではない。このパンを 食 べる 者 は、いつまでも 生 きるであろう」。
59 これらのことは、イエスがカペナウムの 会堂 で 教 えておられたときに 言 われたものである。
60 弟子 たちのうちの 多 くの 者 は、これを 聞 いて 言 った、「これは、ひどい 言葉 だ。だれがそんなことを 聞 いておられようか」。
61 しかしイエスは、弟子 たちがそのことでつぶやいているのを 見破 って、彼 らに 言 われた、「このことがあなたがたのつまずきになるのか。
62 それでは、もし 人 の 子 が 前 にいた 所 に 上 るのを 見 たら、どうなるのか。
63 人 を 生 かすものは 霊 であって、肉 はなんの 役 にも 立 たない。わたしがあなたがたに 話 した 言葉 は 霊 であり、また 命 である。
64 しかし、あなたがたの 中 には 信 じない 者 がいる」。イエスは、初 めから、だれが 信 じないか、また、だれが 彼 を 裏切 るかを 知 っておられたのである。
65 そしてイエスは 言 われた、「それだから、父 が 与 えて 下 さった 者 でなければ、わたしに 来 ることはできないと、言 ったのである」。
66 それ 以来、多 くの 弟子 たちは 去 っていって、もはやイエスと 行動 を 共 にしなかった。
67 そこでイエスは十二 弟子 に 言 われた、「あなたがたも 去 ろうとするのか」。
68 シモン・ペテロが 答 えた、「主 よ、わたしたちは、だれのところに 行 きましょう。永遠 の 命 の 言 をもっているのはあなたです。
69 わたしたちは、あなたが 神 の 聖者 であることを 信 じ、また 知 っています」。
70 イエスは 彼 らに 答 えられた、「あなたがた十二 人 を 選 んだのは、わたしではなかったか。それだのに、あなたがたのうちのひとりは 悪魔 である」。
71 これは、イスカリオテのシモンの 子 ユダをさして 言 われたのである。このユダは、十二 弟子 のひとりでありながら、イエスを 裏切 ろうとしていた。
Chapter 7
1 そののち、イエスはガリラヤを 巡回 しておられた。ユダヤ 人 たちが 自分 を 殺 そうとしていたので、ユダヤを 巡回 しようとはされなかった。
2 時 に、ユダヤ 人 の 仮庵 の 祭 が 近 づいていた。
3 そこで、イエスの 兄弟 たちがイエスに 言 った、「あなたがしておられるわざを 弟子 たちにも 見 せるために、ここを 去 りユダヤに 行 ってはいかがです。
4 自分 を 公 けにあらわそうと 思 っている 人 で、隠 れて 仕事 をするものはありません。あなたがこれらのことをするからには、自分 をはっきりと 世 にあらわしなさい」。
5 こう 言 ったのは、兄弟 たちもイエスを 信 じていなかったからである。
6 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「わたしの 時 はまだきていない。しかし、あなたがたの 時 はいつも 備 わっている。
7 世 はあなたがたを 憎 み 得 ないが、わたしを 憎 んでいる。わたしが 世 のおこないの 悪 いことを、あかししているからである。
8 あなたがたこそ 祭 に 行 きなさい。わたしはこの 祭 には 行 かない。わたしの 時 はまだ 満 ちていないから」。
9 彼 らにこう 言 って、イエスはガリラヤにとどまっておられた。
10 しかし、兄弟 たちが 祭 に 行 ったあとで、イエスも 人目 にたたぬように、ひそかに 行 かれた。
11 ユダヤ 人 らは 祭 の 時 に、「あの 人 はどこにいるのか」と 言 って、イエスを 捜 していた。
12 群衆 の 中 に、イエスについていろいろとうわさが 立 った。ある 人々 は、「あれはよい 人 だ」と 言 い、他 の 人々 は、「いや、あれは 群衆 を 惑 わしている」と 言 った。
13 しかし、ユダヤ 人 らを 恐 れて、イエスのことを 公然 と 口 にする 者 はいなかった。
14 祭 も 半 ばになってから、イエスは 宮 に 上 って 教 え 始 められた。
15 すると、ユダヤ 人 たちは 驚 いて 言 った、「この 人 は 学問 をしたこともないのに、どうして 律法 の 知識 をもっているのだろう」。
16 そこでイエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「わたしの 教 はわたし 自身 の 教 ではなく、わたしをつかわされたかたの 教 である。
17 神 のみこころを 行 おうと 思 う 者 であれば、だれでも、わたしの 語 っているこの 教 が 神 からのものか、それとも、わたし 自身 から 出 たものか、わかるであろう。
18 自分 から 出 たことを 語 る 者 は、自分 の 栄光 を 求 めるが、自分 をつかわされたかたの 栄光 を 求 める 者 は 真実 であって、その 人 の 内 には 偽 りがない。
19 モーセはあなたがたに 律法 を 与 えたではないか。それだのに、あなたがたのうちには、その 律法 を 行 う 者 がひとりもない。あなたがたは、なぜわたしを 殺 そうと 思 っているのか」。
20 群衆 は 答 えた、「あなたは 悪霊 に 取 りつかれている。だれがあなたを 殺 そうと 思 っているものか」。
21 イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「わたしが一つのわざをしたところ、あなたがたは 皆 それを 見 て 驚 いている。
22 モーセはあなたがたに 割礼 を 命 じたので、(これは、実 は、モーセから 始 まったのではなく、先祖 たちから 始 まったものである)あなたがたは 安息日 にも 人 に 割礼 を 施 している。
23 もし、モーセの 律法 が 破 られないように、安息日 であっても 割礼 を 受 けるのなら、安息日 に 人 の 全身 を 丈夫 にしてやったからといって、どうして、そんなにおこるのか。
24 うわべで 人 をさばかないで、正 しいさばきをするがよい」。
25 さて、エルサレムのある 人 たちが 言 った、「この 人 は 人々 が 殺 そうと 思 っている 者 ではないか。
26 見 よ、彼 は 公然 と 語 っているのに、人々 はこれに 対 して 何 も 言 わない。役人 たちは、この 人 がキリストであることを、ほんとうに 知 っているのではなかろうか。
27 わたしたちはこの 人 がどこからきたのか 知 っている。しかし、キリストが 現 れる 時 には、どこから 来 るのか 知 っている 者 は、ひとりもいない」。
28 イエスは 宮 の 内 で 教 えながら、叫 んで 言 われた、「あなたがたは、わたしを 知 っており、また、わたしがどこからきたかも 知 っている。しかし、わたしは 自分 からきたのではない。わたしをつかわされたかたは 真実 であるが、あなたがたは、そのかたを 知 らない。
29 わたしは、そのかたを 知 っている。わたしはそのかたのもとからきた 者 で、そのかたがわたしをつかわされたのである」。
30 そこで 人々 はイエスを 捕 えようと 計 ったが、だれひとり 手 をかける 者 はなかった。イエスの 時 が、まだきていなかったからである。
31 しかし、群衆 の 中 の 多 くの 者 が、イエスを 信 じて 言 った、「キリストがきても、この 人 が 行 ったよりも 多 くのしるしを 行 うだろうか」。
32 群衆 がイエスについてこのようなうわさをしているのを、パリサイ 人 たちは 耳 にした。そこで、祭司長 たちやパリサイ 人 たちは、イエスを 捕 えようとして、下役 どもをつかわした。
33 イエスは 言 われた、「今 しばらくの 間、わたしはあなたがたと 一緒 にいて、それから、わたしをおつかわしになったかたのみもとに 行 く。
34 あなたがたはわたしを 捜 すであろうが、見 つけることはできない。そしてわたしのいる 所 に、あなたがたは 来 ることができない」。
35 そこでユダヤ 人 たちは 互 に 言 った、「わたしたちが 見 つけることができないというのは、どこへ 行 こうとしているのだろう。ギリシヤ 人 の 中 に 離散 している 人 たちのところにでも 行 って、ギリシヤ 人 を 教 えようというのだろうか。
36 また、『わたしを 捜 すが、見 つけることはできない。そしてわたしのいる 所 には 来 ることができないだろう』と 言 ったその 言葉 は、どういう 意味 だろう」。
37 祭 の 終 りの 大事 な 日 に、イエスは 立 って、叫 んで 言 われた、「だれでもかわく 者 は、わたしのところにきて 飲 むがよい。
38 わたしを 信 じる 者 は、聖書 に 書 いてあるとおり、その 腹 から 生 ける 水 が 川 となって 流 れ 出 るであろう」。
39 これは、イエスを 信 じる 人々 が 受 けようとしている 御霊 をさして 言 われたのである。すなわち、イエスはまだ 栄光 を 受 けておられなかったので、御霊 がまだ 下 っていなかったのである。
40 群衆 のある 者 がこれらの 言葉 を 聞 いて、「このかたは、ほんとうに、あの 預言者 である」と 言 い、
41 ほかの 人 たちは「このかたはキリストである」と 言 い、また、ある 人々 は、「キリストはまさか、ガリラヤからは 出 てこないだろう。
42 キリストは、ダビデの 子孫 から、またダビデのいたベツレヘムの 村 から 出 ると、聖書 に 書 いてあるではないか」と 言 った。
43 こうして、群衆 の 間 にイエスのことで 分争 が 生 じた。
44 彼 らのうちのある 人々 は、イエスを 捕 えようと 思 ったが、だれひとり 手 をかける 者 はなかった。
45 さて、下役 どもが 祭司長 たちやパリサイ 人 たちのところに 帰 ってきたので、彼 らはその 下役 どもに 言 った、「なぜ、あの 人 を 連 れてこなかったのか」。
46 下役 どもは 答 えた、「この 人 の 語 るように 語 った 者 は、これまでにありませんでした」。
47 パリサイ 人 たちが 彼 らに 答 えた、「あなたがたまでが、だまされているのではないか。
48 役人 たちやパリサイ 人 たちの 中 で、ひとりでも 彼 を 信 じた 者 があっただろうか。
49 律法 をわきまえないこの 群衆 は、のろわれている」。
50 彼 らの 中 のひとりで、以前 にイエスに 会 いにきたことのあるニコデモが、彼 らに 言 った、
51 「わたしたちの 律法 によれば、まずその 人 の 言 い 分 を 聞 き、その 人 のしたことを 知 った 上 でなければ、さばくことをしないのではないか」。
52 彼 らは 答 えて 言 った、「あなたもガリラヤ 出 なのか。よく 調 べてみなさい、ガリラヤからは 預言者 が 出 るものではないことが、わかるだろう」。〔
53 そして、人々 はおのおの 家 に 帰 って 行 った。
Chapter 8
1 イエスはオリブ 山 に 行 かれた。
2 朝 早 くまた 宮 にはいられると、人々 が 皆 みもとに 集 まってきたので、イエスはすわって 彼 らを 教 えておられた。
3 すると、律法 学者 たちやパリサイ 人 たちが、姦淫 をしている 時 につかまえられた 女 をひっぱってきて、中 に 立 たせた 上、イエスに 言 った、
4 「先生、この 女 は 姦淫 の 場 でつかまえられました。
5 モーセは 律法 の 中 で、こういう 女 を 石 で 打 ち 殺 せと 命 じましたが、あなたはどう 思 いますか」。
6 彼 らがそう 言 ったのは、イエスをためして、訴 える 口実 を 得 るためであった。しかし、イエスは 身 をかがめて、指 で 地面 に 何 か 書 いておられた。
7 彼 らが 問 い 続 けるので、イエスは 身 を 起 して 彼 らに 言 われた、「あなたがたの 中 で 罪 のない 者 が、まずこの 女 に 石 を 投 げつけるがよい」。
8 そしてまた 身 をかがめて、地面 に 物 を 書 きつづけられた。
9 これを 聞 くと、彼 らは 年寄 から 始 めて、ひとりびとり 出 て 行 き、ついに、イエスだけになり、女 は 中 にいたまま 残 された。
10 そこでイエスは 身 を 起 して 女 に 言 われた、「女 よ、みんなはどこにいるか。あなたを 罰 する 者 はなかったのか」。
11 女 は 言 った、「主 よ、だれもございません」。イエスは 言 われた、「わたしもあなたを 罰 しない。お 帰 りなさい。今後 はもう 罪 を 犯 さないように」。〕
12 イエスは、また 人々 に 語 ってこう 言 われた、「わたしは 世 の 光 である。わたしに 従 って 来 る 者 は、やみのうちを 歩 くことがなく、命 の 光 をもつであろう」。
13 するとパリサイ 人 たちがイエスに 言 った、「あなたは、自分 のことをあかししている。あなたのあかしは 真実 ではない」。
14 イエスは 彼 らに 答 えて 言 われた、「たとい、わたしが 自分 のことをあかししても、わたしのあかしは 真実 である。それは、わたしがどこからきたのか、また、どこへ 行 くのかを 知 っているからである。しかし、あなたがたは、わたしがどこからきて、どこへ 行 くのかを 知 らない。
15 あなたがたは 肉 によって 人 をさばくが、わたしはだれもさばかない。
16 しかし、もしわたしがさばくとすれば、わたしのさばきは 正 しい。なぜなら、わたしはひとりではなく、わたしをつかわされたかたが、わたしと 一緒 だからである。
17 あなたがたの 律法 には、ふたりによる 証言 は 真実 だと、書 いてある。
18 わたし 自身 のことをあかしするのは、わたしであるし、わたしをつかわされた 父 も、わたしのことをあかしして 下 さるのである」。
19 すると、彼 らはイエスに 言 った、「あなたの 父 はどこにいるのか」。イエスは 答 えられた、「あなたがたは、わたしをもわたしの 父 をも 知 っていない。もし、あなたがたがわたしを 知 っていたなら、わたしの 父 をも 知 っていたであろう」。
20 イエスが 宮 の 内 で 教 えていた 時、これらの 言葉 をさいせん 箱 のそばで 語 られたのであるが、イエスの 時 がまだきていなかったので、だれも 捕 える 者 がなかった。
21 さて、また 彼 らに 言 われた、「わたしは 去 って 行 く。あなたがたはわたしを 捜 し 求 めるであろう。そして 自分 の 罪 のうちに 死 ぬであろう。わたしの 行 く 所 には、あなたがたは 来 ることができない」。
22 そこでユダヤ 人 たちは 言 った、「わたしの 行 く 所 に、あなたがたは 来 ることができないと、言 ったのは、あるいは 自殺 でもしようとするつもりか」。
23 イエスは 彼 らに 言 われた、「あなたがたは 下 から 出 た 者 だが、わたしは 上 からきた 者 である。あなたがたはこの 世 の 者 であるが、わたしはこの 世 の 者 ではない。
24 だからわたしは、あなたがたは 自分 の 罪 のうちに 死 ぬであろうと、言 ったのである。もしわたしがそういう 者 であることをあなたがたが 信 じなければ、罪 のうちに 死 ぬことになるからである」。
25 そこで 彼 らはイエスに 言 った、「あなたは、いったい、どういうかたですか」。イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしがどういう 者 であるかは、初 めからあなたがたに 言 っているではないか。
26 あなたがたについて、わたしの 言 うべきこと、さばくべきことが、たくさんある。しかし、わたしをつかわされたかたは 真実 なかたである。わたしは、そのかたから 聞 いたままを 世 にむかって 語 るのである」。
27 彼 らは、イエスが 父 について 話 しておられたことを 悟 らなかった。
28 そこでイエスは 言 われた、「あなたがたが 人 の 子 を 上 げてしまった 後 はじめて、わたしがそういう 者 であること、また、わたしは 自分 からは 何 もせず、ただ 父 が 教 えて 下 さったままを 話 していたことが、わかってくるであろう。
29 わたしをつかわされたかたは、わたしと 一緒 におられる。わたしは、いつも 神 のみこころにかなうことをしているから、わたしをひとり 置 きざりになさることはない」。
30 これらのことを 語 られたところ、多 くの 人々 がイエスを 信 じた。
31 イエスは 自分 を 信 じたユダヤ 人 たちに 言 われた、「もしわたしの 言葉 のうちにとどまっておるなら、あなたがたは、ほんとうにわたしの 弟子 なのである。
32 また 真理 を 知 るであろう。そして 真理 は、あなたがたに 自由 を 得 させるであろう」。
33 そこで、彼 らはイエスに 言 った、「わたしたちはアブラハムの 子孫 であって、人 の 奴隷 になったことなどは、一度 もない。どうして、あなたがたに 自由 を 得 させるであろうと、言 われるのか」。
34 イエスは 彼 らに 答 えられた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。すべて 罪 を 犯 す 者 は 罪 の 奴隷 である。
35 そして、奴隷 はいつまでも 家 にいる 者 ではない。しかし、子 はいつまでもいる。
36 だから、もし 子 があなたがたに 自由 を 得 させるならば、あなたがたは、ほんとうに 自由 な 者 となるのである。
37 わたしは、あなたがたがアブラハムの 子孫 であることを 知 っている。それだのに、あなたがたはわたしを 殺 そうとしている。わたしの 言葉 が、あなたがたのうちに 根 をおろしていないからである。
38 わたしはわたしの 父 のもとで 見 たことを 語 っているが、あなたがたは 自分 の 父 から 聞 いたことを 行 っている」。
39 彼 らはイエスに 答 えて 言 った、「わたしたちの 父 はアブラハムである」。イエスは 彼 らに 言 われた、「もしアブラハムの 子 であるなら、アブラハムのわざをするがよい。
40 ところが 今、神 から 聞 いた 真理 をあなたがたに 語 ってきたこのわたしを、殺 そうとしている。そんなことをアブラハムはしなかった。
41 あなたがたは、あなたがたの 父 のわざを 行 っているのである」。彼 らは 言 った、「わたしたちは、不品行 の 結果 うまれた 者 ではない。わたしたちにはひとりの 父 がある。それは 神 である」。
42 イエスは 彼 らに 言 われた、「神 があなたがたの 父 であるならば、あなたがたはわたしを 愛 するはずである。わたしは 神 から 出 た 者、また 神 からきている 者 であるからだ。わたしは 自分 からきたのではなく、神 からつかわされたのである。
43 どうしてあなたがたは、わたしの 話 すことがわからないのか。あなたがたが、わたしの 言葉 を 悟 ることができないからである。
44 あなたがたは 自分 の 父、すなわち、悪魔 から 出 てきた 者 であって、その 父 の 欲望 どおりを 行 おうと 思 っている。彼 は 初 めから、人殺 しであって、真理 に 立 つ 者 ではない。彼 のうちには 真理 がないからである。彼 が 偽 りを 言 うとき、いつも 自分 の 本音 をはいているのである。彼 は 偽 り 者 であり、偽 りの 父 であるからだ。
45 しかし、わたしが 真理 を 語 っているので、あなたがたはわたしを 信 じようとしない。
46 あなたがたのうち、だれがわたしに 罪 があると 責 めうるのか。わたしは 真理 を 語 っているのに、なぜあなたがたは、わたしを 信 じないのか。
47 神 からきた 者 は 神 の 言葉 に 聞 き 従 うが、あなたがたが 聞 き 従 わないのは、神 からきた 者 でないからである」。
48 ユダヤ 人 たちはイエスに 答 えて 言 った、「あなたはサマリヤ 人 で、悪霊 に 取 りつかれていると、わたしたちが 言 うのは、当然 ではないか」。
49 イエスは 答 えられた、「わたしは、悪霊 に 取 りつかれているのではなくて、わたしの 父 を 重 んじているのだが、あなたがたはわたしを 軽 んじている。
50 わたしは 自分 の 栄光 を 求 めてはいない。それを 求 めるかたが 別 にある。そのかたは、またさばくかたである。
51 よくよく 言 っておく。もし 人 がわたしの 言葉 を 守 るならば、その 人 はいつまでも 死 を 見 ることがないであろう」。
52 ユダヤ 人 たちが 言 った、「あなたが 悪霊 に 取 りつかれていることが、今 わかった。アブラハムは 死 に、預言者 たちも 死 んでいる。それだのに、あなたは、わたしの 言葉 を 守 る 者 はいつまでも 死 を 味 わうことがないであろうと、言 われる。
53 あなたは、わたしたちの 父 アブラハムより 偉 いのだろうか。彼 も 死 に、預言者 たちも 死 んだではないか。あなたは、いったい、自分 をだれと 思 っているのか」。
54 イエスは 答 えられた、「わたしがもし 自分 に 栄光 を 帰 するなら、わたしの 栄光 は、むなしいものである。わたしに 栄光 を 与 えるかたは、わたしの 父 であって、あなたがたが 自分 の 神 だと 言 っているのは、そのかたのことである。
55 あなたがたはその 神 を 知 っていないが、わたしは 知 っている。もしわたしが 神 を 知 らないと 言 うならば、あなたがたと 同 じような 偽 り 者 であろう。しかし、わたしはそのかたを 知 り、その 御言 を 守 っている。
56 あなたがたの 父 アブラハムは、わたしのこの 日 を 見 ようとして 楽 しんでいた。そしてそれを 見 て 喜 んだ」。
57 そこでユダヤ 人 たちはイエスに 言 った、「あなたはまだ五十にもならないのに、アブラハムを 見 たのか」。
58 イエスは 彼 らに 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。アブラハムの 生 れる 前 からわたしは、いるのである」。
59 そこで 彼 らは 石 をとって、イエスに 投 げつけようとした。しかし、イエスは 身 を 隠 して、宮 から 出 て 行 かれた。
Chapter 9
1 イエスが 道 をとおっておられるとき、生 れつきの 盲人 を 見 られた。
2 弟子 たちはイエスに 尋 ねて 言 った、「先生、この 人 が 生 れつき 盲人 なのは、だれが 罪 を 犯 したためですか。本人 ですか、それともその 両親 ですか」。
3 イエスは 答 えられた、「本人 が 罪 を 犯 したのでもなく、また、その 両親 が 犯 したのでもない。ただ 神 のみわざが、彼 の 上 に 現 れるためである。
4 わたしたちは、わたしをつかわされたかたのわざを、昼 の 間 にしなければならない。夜 が 来 る。すると、だれも 働 けなくなる。
5 わたしは、この 世 にいる 間 は、世 の 光 である」。
6 イエスはそう 言 って、地 につばきをし、そのつばきで、どろをつくり、そのどろを 盲人 の 目 に 塗 って 言 われた、
7 「シロアム(つかわされた 者、の 意)の 池 に 行 って 洗 いなさい」。そこで 彼 は 行 って 洗 った。そして 見 えるようになって、帰 って 行 った。
8 近所 の 人々 や、彼 がもと、こじきであったのを 見知 っていた 人々 が 言 った、「この 人 は、すわってこじきをしていた 者 ではないか」。
9 ある 人々 は「その 人 だ」と 言 い、他 の 人々 は「いや、ただあの 人 に 似 ているだけだ」と 言 った。しかし、本人 は「わたしがそれだ」と 言 った。
10 そこで 人々 は 彼 に 言 った、「では、おまえの 目 はどうしてあいたのか」。
11 彼 は 答 えた、「イエスというかたが、どろをつくって、わたしの 目 に 塗 り、『シロアムに 行 って 洗 え』と 言 われました。それで、行 って 洗 うと、見 えるようになりました」。
12 人々 は 彼 に 言 った、「その 人 はどこにいるのか」。彼 は「知 りません」と 答 えた。
13 人々 は、もと 盲人 であったこの 人 を、パリサイ 人 たちのところにつれて 行 った。
14 イエスがどろをつくって 彼 の 目 をあけたのは、安息日 であった。
15 パリサイ 人 たちもまた、「どうして 見 えるようになったのか」、と 彼 に 尋 ねた。彼 は 答 えた、「あのかたがわたしの 目 にどろを 塗 り、わたしがそれを 洗 い、そして 見 えるようになりました」。
16 そこで、あるパリサイ 人 たちが 言 った、「その 人 は 神 からきた 人 ではない。安息日 を 守 っていないのだから」。しかし、ほかの 人々 は 言 った、「罪 のある 人 が、どうしてそのようなしるしを 行 うことができようか」。そして 彼 らの 間 に 分争 が 生 じた。
17 そこで 彼 らは、もう一 度 この 盲人 に 聞 いた、「おまえの 目 をあけてくれたその 人 を、どう 思 うか」。「預言者 だと 思 います」と 彼 は 言 った。
18 ユダヤ 人 たちは、彼 がもと 盲人 であったが 見 えるようになったことを、まだ 信 じなかった。ついに 彼 らは、目 が 見 えるようになったこの 人 の 両親 を 呼 んで、
19 尋 ねて 言 った、「これが、生 れつき 盲人 であったと、おまえたちの 言 っているむすこか。それではどうして、いま 目 が 見 えるのか」。
20 両親 は 答 えて 言 った、「これがわたしどものむすこであること、また 生 れつき 盲人 であったことは 存 じています。
21 しかし、どうしていま 見 えるようになったのか、それは 知 りません。また、だれがその 目 をあけて 下 さったのかも 知 りません。あれに 聞 いて 下 さい。あれはもうおとなですから、自分 のことは 自分 で 話 せるでしょう」。
22 両親 はユダヤ 人 たちを 恐 れていたので、こう 答 えたのである。それは、もしイエスをキリストと 告白 する 者 があれば、会堂 から 追 い 出 すことに、ユダヤ 人 たちが 既 に 決 めていたからである。
23 彼 の 両親 が「おとなですから、あれに 聞 いて 下 さい」と 言 ったのは、そのためであった。
24 そこで 彼 らは、盲人 であった 人 をもう 一度 呼 んで 言 った、「神 に 栄光 を 帰 するがよい。あの 人 が 罪人 であることは、わたしたちにはわかっている」。
25 すると 彼 は 言 った、「あのかたが 罪人 であるかどうか、わたしは 知 りません。ただ一つのことだけ 知 っています。わたしは 盲 であったが、今 は 見 えるということです」。
26 そこで 彼 らは 言 った、「その 人 はおまえに 何 をしたのか。どんなにしておまえの 目 をあけたのか」。
27 彼 は 答 えた、「そのことはもう 話 してあげたのに、聞 いてくれませんでした。なぜまた 聞 こうとするのですか。あなたがたも、あの 人 の 弟子 になりたいのですか」。
28 そこで 彼 らは 彼 をののしって 言 った、「おまえはあれの 弟子 だが、わたしたちはモーセの 弟子 だ。
29 モーセに 神 が 語 られたということは 知 っている。だが、あの 人 がどこからきた 者 か、わたしたちは 知 らぬ」。
30 そこで 彼 が 答 えて 言 った、「わたしの 目 をあけて 下 さったのに、そのかたがどこからきたか、ご 存 じないとは、不思議 千万 です。
31 わたしたちはこのことを 知 っています。神 は 罪人 の 言 うことはお 聞 きいれになりませんが、神 を 敬 い、そのみこころを 行 う 人 の 言 うことは、聞 きいれて 下 さいます。
32 生 れつき 盲 であった 者 の 目 をあけた 人 があるということは、世界 が 始 まって 以来、聞 いたことがありません。
33 もしあのかたが 神 からきた 人 でなかったら、何一 つできなかったはずです」。
34 これを 聞 いて 彼 らは 言 った、「おまえは 全 く 罪 の 中 に 生 れていながら、わたしたちを 教 えようとするのか」。そして 彼 を 外 へ 追 い 出 した。
35 イエスは、その 人 が 外 へ 追 い 出 されたことを 聞 かれた。そして 彼 に 会 って 言 われた、「あなたは 人 の 子 を 信 じるか」。
36 彼 は 答 えて 言 った、「主 よ、それはどなたですか。そのかたを 信 じたいのですが」。
37 イエスは 彼 に 言 われた、「あなたは、もうその 人 に 会 っている。今 あなたと 話 しているのが、その 人 である」。
38 すると 彼 は、「主 よ、信 じます」と 言 って、イエスを 拝 した。
39 そこでイエスは 言 われた、「わたしがこの 世 にきたのは、さばくためである。すなわち、見 えない 人 たちが 見 えるようになり、見 える 人 たちが 見 えないようになるためである」。
40 そこにイエスと 一緒 にいたあるパリサイ 人 たちが、それを 聞 いてイエスに 言 った、「それでは、わたしたちも 盲 なのでしょうか」。
41 イエスは 彼 らに 言 われた、「もしあなたがたが 盲人 であったなら、罪 はなかったであろう。しかし、今 あなたがたが『見 える』と 言 い 張 るところに、あなたがたの 罪 がある。
Chapter 10
1 よくよくあなたがたに 言 っておく。羊 の 囲 いにはいるのに、門 からでなく、ほかの 所 からのりこえて 来 る 者 は、盗人 であり、強盗 である。
2 門 からはいる 者 は、羊 の 羊飼 である。
3 門番 は 彼 のために 門 を 開 き、羊 は 彼 の 声 を 聞 く。そして 彼 は 自分 の 羊 の 名 をよんで 連 れ 出 す。
4 自分 の 羊 をみな 出 してしまうと、彼 は 羊 の 先頭 に 立 って 行 く。羊 はその 声 を 知 っているので、彼 について 行 くのである。
5 ほかの 人 には、ついて 行 かないで 逃 げ 去 る。その 人 の 声 を 知 らないからである」。
6 イエスは 彼 らにこの 比喩 を 話 されたが、彼 らは 自分 たちにお 話 しになっているのが 何 のことだか、わからなかった。
7 そこで、イエスはまた 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。わたしは 羊 の 門 である。
8 わたしよりも 前 にきた 人 は、みな 盗人 であり、強盗 である。羊 は 彼 らに 聞 き 従 わなかった。
9 わたしは 門 である。わたしをとおってはいる 者 は 救 われ、また 出入 りし、牧草 にありつくであろう。
10 盗人 が 来 るのは、盗 んだり、殺 したり、滅 ぼしたりするためにほかならない。わたしがきたのは、羊 に 命 を 得 させ、豊 かに 得 させるためである。
11 わたしはよい 羊飼 である。よい 羊飼 は、羊 のために 命 を 捨 てる。
12 羊飼 ではなく、羊 が 自分 のものでもない 雇人 は、おおかみが 来 るのを 見 ると、羊 をすてて 逃 げ 去 る。そして、おおかみは 羊 を 奪 い、また 追 い 散 らす。
13 彼 は 雇人 であって、羊 のことを 心 にかけていないからである。
14 わたしはよい 羊飼 であって、わたしの 羊 を 知 り、わたしの 羊 はまた、わたしを 知 っている。
15 それはちょうど、父 がわたしを 知 っておられ、わたしが 父 を 知 っているのと 同 じである。そして、わたしは 羊 のために 命 を 捨 てるのである。
16 わたしにはまた、この 囲 いにいない 他 の 羊 がある。わたしは 彼 らをも 導 かねばならない。彼 らも、わたしの 声 に 聞 き 従 うであろう。そして、ついに一つの 群 れ、ひとりの 羊飼 となるであろう。
17 父 は、わたしが 自分 の 命 を 捨 てるから、わたしを 愛 して 下 さるのである。命 を 捨 てるのは、それを 再 び 得 るためである。
18 だれかが、わたしからそれを 取 り 去 るのではない。わたしが、自分 からそれを 捨 てるのである。わたしには、それを 捨 てる 力 があり、またそれを 受 ける 力 もある。これはわたしの 父 から 授 かった 定 めである」。
19 これらの 言葉 を 語 られたため、ユダヤ 人 の 間 にまたも 分争 が 生 じた。
20 そのうちの 多 くの 者 が 言 った、「彼 は 悪霊 に 取 りつかれて、気 が 狂 っている。どうして、あなたがたはその 言 うことを 聞 くのか」。
21 他 の 人々 は 言 った、「それは 悪霊 に 取 りつかれた 者 の 言葉 ではない。悪霊 は 盲人 の 目 をあけることができようか」。
22 そのころ、エルサレムで 宮 きよめの 祭 が 行 われた。時 は 冬 であった。
23 イエスは、宮 の 中 にあるソロモンの 廊 を 歩 いておられた。
24 するとユダヤ 人 たちが、イエスを 取 り 囲 んで 言 った、「いつまでわたしたちを 不安 のままにしておくのか。あなたがキリストであるなら、そうとはっきり 言 っていただきたい」。
25 イエスは 彼 らに 答 えられた、「わたしは 話 したのだが、あなたがたは 信 じようとしない。わたしの 父 の 名 によってしているすべてのわざが、わたしのことをあかししている。
26 あなたがたが 信 じないのは、わたしの 羊 でないからである。
27 わたしの 羊 はわたしの 声 に 聞 き 従 う。わたしは 彼 らを 知 っており、彼 らはわたしについて 来 る。
28 わたしは、彼 らに 永遠 の 命 を 与 える。だから、彼 らはいつまでも 滅 びることがなく、また、彼 らをわたしの 手 から 奪 い 去 る 者 はない。
29 わたしの 父 がわたしに 下 さったものは、すべてにまさるものである。そしてだれも 父 のみ 手 から、それを 奪 い 取 ることはできない。
30 わたしと 父 とは一つである」。
31 そこでユダヤ 人 たちは、イエスを 打 ち 殺 そうとして、また 石 を 取 りあげた。
32 するとイエスは 彼 らに 答 えられた、「わたしは、父 による 多 くのよいわざを、あなたがたに 示 した。その 中 のどのわざのために、わたしを 石 で 打 ち 殺 そうとするのか」。
33 ユダヤ 人 たちは 答 えた、「あなたを 石 で 殺 そうとするのは、よいわざをしたからではなく、神 を 汚 したからである。また、あなたは 人間 であるのに、自分 を 神 としているからである」。
34 イエスは 彼 らに 答 えられた、「あなたがたの 律法 に、『わたしは 言 う、あなたがたは 神々 である』と 書 いてあるではないか。
35 神 の 言 を 託 された 人々 が、神々 といわれておるとすれば、(そして 聖書 の 言 は、すたることがあり 得 ない)
36 父 が 聖 別 して、世 につかわされた 者 が、『わたしは 神 の 子 である』と 言 ったからとて、どうして『あなたは 神 を 汚 す 者 だ』と 言 うのか。
37 もしわたしが 父 のわざを 行 わないとすれば、わたしを 信 じなくてもよい。
38 しかし、もし 行 っているなら、たといわたしを 信 じなくても、わたしのわざを 信 じるがよい。そうすれば、父 がわたしにおり、また、わたしが 父 におることを 知 って 悟 るであろう」。
39 そこで、彼 らはまたイエスを 捕 えようとしたが、イエスは 彼 らの 手 をのがれて、去 って 行 かれた。
40 さて、イエスはまたヨルダンの 向 こう 岸、すなわち、ヨハネが 初 めにバプテスマを 授 けていた 所 に 行 き、そこに 滞在 しておられた。
41 多 くの 人々 がイエスのところにきて、互 に 言 った、「ヨハネはなんのしるしも 行 わなかったが、ヨハネがこのかたについて 言 ったことは、皆 ほんとうであった」。
42 そして、そこで 多 くの 者 がイエスを 信 じた。
Chapter 11
1 さて、ひとりの 病人 がいた。ラザロといい、マリヤとその 姉妹 マルタの 村 ベタニヤの 人 であった。
2 このマリヤは 主 に 香油 をぬり、自分 の 髪 の 毛 で、主 の 足 をふいた 女 であって、病気 であったのは、彼女 の 兄弟 ラザロであった。
3 姉妹 たちは 人 をイエスのもとにつかわして、「主 よ、ただ 今、あなたが 愛 しておられる 者 が 病気 をしています」と 言 わせた。
4 イエスはそれを 聞 いて 言 われた、「この 病気 は 死 ぬほどのものではない。それは 神 の 栄光 のため、また、神 の 子 がそれによって 栄光 を 受 けるためのものである」。
5 イエスは、マルタとその 姉妹 とラザロとを 愛 しておられた。
6 ラザロが 病気 であることを 聞 いてから、なおふつか、そのおられた 所 に 滞在 された。
7 それから 弟子 たちに、「もう一 度 ユダヤに 行 こう」と 言 われた。
8 弟子 たちは 言 った、「先生、ユダヤ 人 らが、さきほどもあなたを 石 で 殺 そうとしていましたのに、またそこに 行 かれるのですか」。
9 イエスは 答 えられた、「一 日 には十二 時間 あるではないか。昼間 あるけば、人 はつまずくことはない。この 世 の 光 を 見 ているからである。
10 しかし、夜 あるけば、つまずく。その 人 のうちに、光 がないからである」。
11 そう 言 われたが、それからまた、彼 らに 言 われた、「わたしたちの 友 ラザロが 眠 っている。わたしは 彼 を 起 しに 行 く」。
12 すると 弟子 たちは 言 った、「主 よ、眠 っているのでしたら、助 かるでしょう」。
13 イエスはラザロが 死 んだことを 言 われたのであるが、弟子 たちは、眠 って 休 んでいることをさして 言 われたのだと 思 った。
14 するとイエスは、あからさまに 彼 らに 言 われた、「ラザロは 死 んだのだ。
15 そして、わたしがそこにいあわせなかったことを、あなたがたのために 喜 ぶ。それは、あなたがたが 信 じるようになるためである。では、彼 のところに 行 こう」。
16 するとデドモと 呼 ばれているトマスが、仲間 の 弟子 たちに 言 った、「わたしたちも 行 って、先生 と 一緒 に 死 のうではないか」。
17 さて、イエスが 行 ってごらんになると、ラザロはすでに四 日間 も 墓 の 中 に 置 かれていた。
18 ベタニヤはエルサレムに 近 く、二十五 丁 ばかり 離 れたところにあった。
19 大 ぜいのユダヤ 人 が、その 兄弟 のことで、マルタとマリヤとを 慰 めようとしてきていた。
20 マルタはイエスがこられたと 聞 いて、出迎 えに 行 ったが、マリヤは 家 ですわっていた。
21 マルタはイエスに 言 った、「主 よ、もしあなたがここにいて 下 さったなら、わたしの 兄弟 は 死 ななかったでしょう。
22 しかし、あなたがどんなことをお 願 いになっても、神 はかなえて 下 さることを、わたしは 今 でも 存 じています」。
23 イエスはマルタに 言 われた、「あなたの 兄弟 はよみがえるであろう」。
24 マルタは 言 った、「終 りの 日 のよみがえりの 時 よみがえることは、存 じています」。
25 イエスは 彼女 に 言 われた、「わたしはよみがえりであり、命 である。わたしを 信 じる 者 は、たとい 死 んでも 生 きる。
26 また、生 きていて、わたしを 信 じる 者 は、いつまでも 死 なない。あなたはこれを 信 じるか」。
27 マルタはイエスに 言 った、「主 よ、信 じます。あなたがこの 世 にきたるべきキリスト、神 の 御子 であると 信 じております」。
28 マルタはこう 言 ってから、帰 って 姉妹 のマリヤを 呼 び、「先生 がおいでになって、あなたを 呼 んでおられます」と 小声 で 言 った。
29 これを 聞 いたマリヤはすぐ 立 ち 上 がって、イエスのもとに 行 った。
30 イエスはまだ 村 に、はいってこられず、マルタがお 迎 えしたその 場所 におられた。
31 マリヤと 一緒 に 家 にいて 彼女 を 慰 めていたユダヤ 人 たちは、マリヤが 急 いで 立 ち 上 がって 出 て 行 くのを 見 て、彼女 は 墓 に 泣 きに 行 くのであろうと 思 い、そのあとからついて 行 った。
32 マリヤは、イエスのおられる 所 に 行 ってお 目 にかかり、その 足 もとにひれ 伏 して 言 った、「主 よ、もしあなたがここにいて 下 さったなら、わたしの 兄弟 は 死 ななかったでしょう」。
33 イエスは、彼女 が 泣 き、また、彼女 と 一緒 にきたユダヤ 人 たちも 泣 いているのをごらんになり、激 しく 感動 し、また 心 を 騒 がせ、そして 言 われた、
34 「彼 をどこに 置 いたのか」。彼 らはイエスに 言 った、「主 よ、きて、ごらん 下 さい」。
35 イエスは 涙 を 流 された。
36 するとユダヤ 人 たちは 言 った、「ああ、なんと 彼 を 愛 しておられたことか」。
37 しかし、彼 らのある 人 たちは 言 った、「あの 盲人 の 目 をあけたこの 人 でも、ラザロを 死 なせないようには、できなかったのか」。
38 イエスはまた 激 しく 感動 して、墓 にはいられた。それは 洞穴 であって、そこに 石 がはめてあった。
39 イエスは 言 われた、「石 を 取 りのけなさい」。死 んだラザロの 姉妹 マルタが 言 った、「主 よ、もう 臭 くなっております。四 日 もたっていますから」。
40 イエスは 彼女 に 言 われた、「もし 信 じるなら 神 の 栄光 を 見 るであろうと、あなたに 言 ったではないか」。
41 人々 は 石 を 取 りのけた。すると、イエスは 目 を 天 にむけて 言 われた、「父 よ、わたしの 願 いをお 聞 き 下 さったことを 感謝 します。
42 あなたがいつでもわたしの 願 いを 聞 きいれて 下 さることを、よく 知 っています。しかし、こう 申 しますのは、そばに 立 っている 人々 に、あなたがわたしをつかわされたことを、信 じさせるためであります」。
43 こう 言 いながら、大声 で「ラザロよ、出 てきなさい」と 呼 ばわれた。
44 すると、死人 は 手足 を 布 でまかれ、顔 も 顔 おおいで 包 まれたまま、出 てきた。イエスは 人々 に 言 われた、「彼 をほどいてやって、帰 らせなさい」。
45 マリヤのところにきて、イエスのなさったことを 見 た 多 くのユダヤ 人 たちは、イエスを 信 じた。
46 しかし、そのうちの 数人 がパリサイ 人 たちのところに 行 って、イエスのされたことを 告 げた。
47 そこで、祭司長 たちとパリサイ 人 たちとは、議会 を 召集 して 言 った、「この 人 が 多 くのしるしを 行 っているのに、お 互 は 何 をしているのだ。
48 もしこのままにしておけば、みんなが 彼 を 信 じるようになるだろう。そのうえ、ローマ 人 がやってきて、わたしたちの 土地 も 人民 も 奪 ってしまうであろう」。
49 彼 らのうちのひとりで、その 年 の 大祭司 であったカヤパが、彼 らに 言 った、「あなたがたは、何 もわかっていないし、
50 ひとりの 人 が 人民 に 代 って 死 んで、全国民 が 滅 びないようになるのがわたしたちにとって 得 だということを、考 えてもいない」。
51 このことは 彼 が 自分 から 言 ったのではない。彼 はこの 年 の 大祭司 であったので、預言 をして、イエスが 国民 のために、
52 ただ 国民 のためだけではなく、また 散在 している 神 の 子 らを一つに 集 めるために、死 ぬことになっていると、言 ったのである。
53 彼 らはこの 日 からイエスを 殺 そうと 相談 した。
54 そのためイエスは、もはや 公然 とユダヤ 人 の 間 を 歩 かないで、そこを 出 て、荒野 に 近 い 地方 のエフライムという 町 に 行 かれ、そこに 弟子 たちと 一緒 に 滞在 しておられた。
55 さて、ユダヤ 人 の 過越 の 祭 が 近 づいたので、多 くの 人々 は 身 をきよめるために、祭 の 前 に、地方 からエルサレムへ 上 った。
56 人々 はイエスを 捜 し 求 め、宮 の 庭 に 立 って 互 に 言 った、「あなたがたはどう 思 うか。イエスはこの 祭 にこないのだろうか」。
57 祭司長 たちとパリサイ 人 たちとは、イエスを 捕 えようとして、そのいどころを 知 っている 者 があれば 申 し 出 よ、という 指令 を 出 していた。
Chapter 12
1 過越 の 祭 の六 日 まえに、イエスはベタニヤに 行 かれた。そこは、イエスが 死人 の 中 からよみがえらせたラザロのいた 所 である。
2 イエスのためにそこで 夕食 の 用意 がされ、マルタは 給仕 をしていた。イエスと 一緒 に 食卓 についていた 者 のうちに、ラザロも 加 わっていた。
3 その 時、マリヤは 高価 で 純粋 なナルドの 香油 一 斤 を 持 ってきて、イエスの 足 にぬり、自分 の 髪 の 毛 でそれをふいた。すると、香油 のかおりが 家 にいっぱいになった。
4 弟子 のひとりで、イエスを 裏切 ろうとしていたイスカリオテのユダが 言 った、
5 「なぜこの 香油 を三百デナリに 売 って、貧 しい 人 たちに、施 さなかったのか」。
6 彼 がこう 言 ったのは、貧 しい 人 たちに 対 する 思 いやりがあったからではなく、自分 が 盗人 であり、財布 を 預 かっていて、その 中身 をごまかしていたからであった。
7 イエスは 言 われた、「この 女 のするままにさせておきなさい。わたしの 葬 りの 日 のために、それをとっておいたのだから。
8 貧 しい 人 たちはいつもあなたがたと 共 にいるが、わたしはいつも 共 にいるわけではない」。
9 大 ぜいのユダヤ 人 たちが、そこにイエスのおられるのを 知 って、押 しよせてきた。それはイエスに 会 うためだけではなく、イエスが 死人 のなかから、よみがえらせたラザロを 見 るためでもあった。
10 そこで 祭司長 たちは、ラザロも 殺 そうと 相談 した。
11 それは、ラザロのことで、多 くのユダヤ 人 が 彼 らを 離 れ 去 って、イエスを 信 じるに 至 ったからである。
12 その 翌日、祭 にきていた 大 ぜいの 群衆 は、イエスがエルサレムにこられると 聞 いて、
13 しゅろの 枝 を 手 にとり、迎 えに 出 て 行 った。そして 叫 んだ、「ホサナ、主 の 御名 によってきたる 者 に 祝福 あれ、イスラエルの 王 に」。
14 イエスは、ろばの 子 を 見 つけて、その 上 に 乗 られた。それは
15 「シオンの 娘 よ、恐 れるな。見 よ、あなたの 王 がろばの 子 に 乗 っておいでになる」と 書 いてあるとおりであった。
16 弟子 たちは 初 めにはこのことを 悟 らなかったが、イエスが 栄光 を 受 けられた 時 に、このことがイエスについて 書 かれてあり、またそのとおりに、人々 がイエスに 対 してしたのだということを、思 い 起 した。
17 また、イエスがラザロを 墓 から 呼 び 出 して、死人 の 中 からよみがえらせたとき、イエスと 一緒 にいた 群衆 が、そのあかしをした。
18 群衆 がイエスを 迎 えに 出 たのは、イエスがこのようなしるしを 行 われたことを、聞 いていたからである。
19 そこで、パリサイ 人 たちは 互 に 言 った、「何 をしてもむだだった。世 をあげて 彼 のあとを 追 って 行 ったではないか」。
20 祭 で 礼拝 するために 上 ってきた 人々 のうちに、数人 のギリシヤ 人 がいた。
21 彼 らはガリラヤのベツサイダ 出 であるピリポのところにきて、「君 よ、イエスにお 目 にかかりたいのですが」と 言 って 頼 んだ。
22 ピリポはアンデレのところに 行 ってそのことを 話 し、アンデレとピリポは、イエスのもとに 行 って 伝 えた。
23 すると、イエスは 答 えて 言 われた、「人 の 子 が 栄光 を 受 ける 時 がきた。
24 よくよくあなたがたに 言 っておく。一 粒 の 麦 が 地 に 落 ちて 死 ななければ、それはただ一 粒 のままである。しかし、もし 死 んだなら、豊 かに 実 を 結 ぶようになる。
25 自分 の 命 を 愛 する 者 はそれを 失 い、この 世 で 自分 の 命 を 憎 む 者 は、それを 保 って 永遠 の 命 に 至 るであろう。
26 もしわたしに 仕 えようとする 人 があれば、その 人 はわたしに 従 って 来 るがよい。そうすれば、わたしのおる 所 に、わたしに 仕 える 者 もまた、おるであろう。もしわたしに 仕 えようとする 人 があれば、その 人 を 父 は 重 んじて 下 さるであろう。
27 今 わたしは 心 が 騒 いでいる。わたしはなんと 言 おうか。父 よ、この 時 からわたしをお 救 い 下 さい。しかし、わたしはこのために、この 時 に 至 ったのです。
28 父 よ、み 名 があがめられますように」。すると 天 から 声 があった、「わたしはすでに 栄光 をあらわした。そして、更 にそれをあらわすであろう」。
29 すると、そこに 立 っていた 群衆 がこれを 聞 いて、「雷 がなったのだ」と 言 い、ほかの 人 たちは、「御使 が 彼 に 話 しかけたのだ」と 言 った。
30 イエスは 答 えて 言 われた、「この 声 があったのは、わたしのためではなく、あなたがたのためである。
31 今 はこの 世 がさばかれる 時 である。今 こそこの 世 の 君 は 追 い 出 されるであろう。
32 そして、わたしがこの 地 から 上 げられる 時 には、すべての 人 をわたしのところに 引 きよせるであろう」。
33 イエスはこう 言 って、自分 がどんな 死 に 方 で 死 のうとしていたかを、お 示 しになったのである。
34 すると 群衆 はイエスにむかって 言 った、「わたしたちは 律法 によって、キリストはいつまでも 生 きておいでになるのだ、と 聞 いていました。それだのに、どうして 人 の 子 は 上 げられねばならないと、言 われるのですか。その 人 の 子 とは、だれのことですか」。
35 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「もうしばらくの 間、光 はあなたがたと 一緒 にここにある。光 がある 間 に 歩 いて、やみに 追 いつかれないようにしなさい。やみの 中 を 歩 く 者 は、自分 がどこへ 行 くのかわかっていない。
36 光 のある 間 に、光 の 子 となるために、光 を 信 じなさい」。イエスはこれらのことを 話 してから、そこを 立 ち 去 って、彼 らから 身 をお 隠 しになった。
37 このように 多 くのしるしを 彼 らの 前 でなさったが、彼 らはイエスを 信 じなかった。
38 それは、預言者 イザヤの 次 の 言葉 が 成就 するためである、「主 よ、わたしたちの 説 くところを、だれが 信 じたでしょうか。また、主 のみ 腕 はだれに 示 されたでしょうか」。
39 こういうわけで、彼 らは 信 じることができなかった。イザヤはまた、こうも 言 った、
40 「神 は 彼 らの 目 をくらまし、心 をかたくなになさった。それは、彼 らが 目 で 見 ず、心 で 悟 らず、悔 い 改 めていやされることがないためである」。
41 イザヤがこう 言 ったのは、イエスの 栄光 を 見 たからであって、イエスのことを 語 ったのである。
42 しかし、役人 たちの 中 にも、イエスを 信 じた 者 が 多 かったが、パリサイ 人 をはばかって、告白 はしなかった。会堂 から 追 い 出 されるのを 恐 れていたのである。
43 彼 らは 神 のほまれよりも、人 のほまれを 好 んだからである。
44 イエスは 大声 で 言 われた、「わたしを 信 じる 者 は、わたしを 信 じるのではなく、わたしをつかわされたかたを 信 じるのであり、
45 また、わたしを 見 る 者 は、わたしをつかわされたかたを 見 るのである。
46 わたしは 光 としてこの 世 にきた。それは、わたしを 信 じる 者 が、やみのうちにとどまらないようになるためである。
47 たとい、わたしの 言 うことを 聞 いてそれを 守 らない 人 があっても、わたしはその 人 をさばかない。わたしがきたのは、この 世 をさばくためではなく、この 世 を 救 うためである。
48 わたしを 捨 てて、わたしの 言葉 を 受 けいれない 人 には、その 人 をさばくものがある。わたしの 語 ったその 言葉 が、終 りの 日 にその 人 をさばくであろう。
49 わたしは 自分 から 語 ったのではなく、わたしをつかわされた 父 ご 自身 が、わたしの 言 うべきこと、語 るべきことをお 命 じになったのである。
50 わたしは、この 命令 が 永遠 の 命 であることを 知 っている。それゆえに、わたしが 語 っていることは、わたしの 父 がわたしに 仰 せになったことを、そのまま 語 っているのである」。
Chapter 13
1 過越 の 祭 の 前 に、イエスは、この 世 を 去 って 父 のみもとに 行 くべき 自分 の 時 がきたことを 知 り、世 にいる 自分 の 者 たちを 愛 して、彼 らを 最後 まで 愛 し 通 された。
2 夕食 のとき、悪魔 はすでにシモンの 子 イスカリオテのユダの 心 に、イエスを 裏切 ろうとする 思 いを 入 れていたが、
3 イエスは、父 がすべてのものを 自分 の 手 にお 与 えになったこと、また、自分 は 神 から 出 てきて、神 にかえろうとしていることを 思 い、
4 夕食 の 席 から 立 ち 上 がって、上着 を 脱 ぎ、手 ぬぐいをとって 腰 に 巻 き、
5 それから 水 をたらいに 入 れて、弟子 たちの 足 を 洗 い、腰 に 巻 いた 手 ぬぐいでふき 始 められた。
6 こうして、シモン・ペテロの 番 になった。すると 彼 はイエスに、「主 よ、あなたがわたしの 足 をお 洗 いになるのですか」と 言 った。
7 イエスは 彼 に 答 えて 言 われた、「わたしのしていることは 今 あなたにはわからないが、あとでわかるようになるだろう」。
8 ペテロはイエスに 言 った、「わたしの 足 を 決 して 洗 わないで 下 さい」。イエスは 彼 に 答 えられた、「もしわたしがあなたの 足 を 洗 わないなら、あなたはわたしとなんの 係 わりもなくなる」。
9 シモン・ペテロはイエスに 言 った、「主 よ、では、足 だけではなく、どうぞ、手 も 頭 も」。
10 イエスは 彼 に 言 われた、「すでにからだを 洗 った 者 は、足 のほかは 洗 う 必要 がない。全身 がきれいなのだから。あなたがたはきれいなのだ。しかし、みんながそうなのではない」。
11 イエスは 自分 を 裏切 る 者 を 知 っておられた。それで、「みんながきれいなのではない」と 言 われたのである。
12 こうして 彼 らの 足 を 洗 ってから、上着 をつけ、ふたたび 席 にもどって、彼 らに 言 われた、「わたしがあなたがたにしたことがわかるか。
13 あなたがたはわたしを 教師、また 主 と 呼 んでいる。そう 言 うのは 正 しい。わたしはそのとおりである。
14 しかし、主 であり、また 教師 であるわたしが、あなたがたの 足 を 洗 ったからには、あなたがたもまた、互 に 足 を 洗 い 合 うべきである。
15 わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしは 手本 を 示 したのだ。
16 よくよくあなたがたに 言 っておく。僕 はその 主人 にまさるものではなく、つかわされた 者 はつかわした 者 にまさるものではない。
17 もしこれらのことがわかっていて、それを 行 うなら、あなたがたはさいわいである。
18 あなたがた 全部 の 者 について、こう 言 っているのではない。わたしは 自分 が 選 んだ 人 たちを 知 っている。しかし、『わたしのパンを 食 べている 者 が、わたしにむかってそのかかとをあげた』とある 聖書 は 成就 されなければならない。
19 そのことがまだ 起 らない 今 のうちに、あなたがたに 言 っておく。いよいよ 事 が 起 ったとき、わたしがそれであることを、あなたがたが 信 じるためである。
20 よくよくあなたがたに 言 っておく。わたしがつかわす 者 を 受 けいれる 者 は、わたしを 受 けいれるのである。わたしを 受 けいれる 者 は、わたしをつかわされたかたを、受 けいれるのである」。
21 イエスがこれらのことを 言 われた 後、その 心 が 騒 ぎ、おごそかに 言 われた、「よくよくあなたがたに 言 っておく。あなたがたのうちのひとりが、わたしを 裏切 ろうとしている」。
22 弟子 たちはだれのことを 言 われたのか 察 しかねて、互 に 顔 を 見合 わせた。
23 弟子 たちのひとりで、イエスの 愛 しておられた 者 が、み 胸 に 近 く 席 についていた。
24 そこで、シモン・ペテロは 彼 に 合図 をして 言 った、「だれのことをおっしゃったのか、知 らせてくれ」。
25 その 弟子 はそのままイエスの 胸 によりかかって、「主 よ、だれのことですか」と 尋 ねると、
26 イエスは 答 えられた、「わたしが一きれの 食物 をひたして 与 える 者 が、それである」。そして、一きれの 食物 をひたしてとり 上 げ、シモンの 子 イスカリオテのユダにお 与 えになった。
27 この一きれの 食物 を 受 けるやいなや、サタンがユダにはいった。そこでイエスは 彼 に 言 われた、「しようとしていることを、今 すぐするがよい」。
28 席 を 共 にしていた 者 のうち、なぜユダにこう 言 われたのか、わかっていた 者 はひとりもなかった。
29 ある 人々 は、ユダが 金入 れをあずかっていたので、イエスが 彼 に、「祭 のために 必要 なものを 買 え」と 言 われたか、あるいは、貧 しい 者 に 何 か 施 させようとされたのだと 思 っていた。
30 ユダは一きれの 食物 を 受 けると、すぐに 出 て 行 った。時 は 夜 であった。
31 さて、彼 が 出 て 行 くと、イエスは 言 われた、「今 や 人 の 子 は 栄光 を 受 けた。神 もまた 彼 によって 栄光 をお 受 けになった。
32 彼 によって 栄光 をお 受 けになったのなら、神 ご 自身 も 彼 に 栄光 をお 授 けになるであろう。すぐにもお 授 けになるであろう。
33 子 たちよ、わたしはまだしばらく、あなたがたと 一緒 にいる。あなたがたはわたしを 捜 すだろうが、すでにユダヤ 人 たちに 言 ったとおり、今 あなたがたにも 言 う、『あなたがたはわたしの 行 く 所 に 来 ることはできない』。
34 わたしは、新 しいいましめをあなたがたに 与 える、互 に 愛 し 合 いなさい。わたしがあなたがたを 愛 したように、あなたがたも 互 に 愛 し 合 いなさい。
35 互 に 愛 し 合 うならば、それによって、あなたがたがわたしの 弟子 であることを、すべての 者 が 認 めるであろう」。
36 シモン・ペテロがイエスに 言 った、「主 よ、どこへおいでになるのですか」。イエスは 答 えられた、「あなたはわたしの 行 くところに、今 はついて 来 ることはできない。しかし、あとになってから、ついて 来 ることになろう」。
37 ペテロはイエスに 言 った、「主 よ、なぜ、今 あなたについて 行 くことができないのですか。あなたのためには、命 も 捨 てます」。
38 イエスは 答 えられた、「わたしのために 命 を 捨 てると 言 うのか。よくよくあなたに 言 っておく。鶏 が 鳴 く 前 に、あなたはわたしを三 度 知 らないと 言 うであろう」。
Chapter 14
1 「あなたがたは、心 を 騒 がせないがよい。神 を 信 じ、またわたしを 信 じなさい。
2 わたしの 父 の 家 には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう 言 っておいたであろう。あなたがたのために、場所 を 用意 しに 行 くのだから。
3 そして、行 って、場所 の 用意 ができたならば、またきて、あなたがたをわたしのところに 迎 えよう。わたしのおる 所 にあなたがたもおらせるためである。
4 わたしがどこへ 行 くのか、その 道 はあなたがたにわかっている」。
5 トマスはイエスに 言 った、「主 よ、どこへおいでになるのか、わたしたちにはわかりません。どうしてその 道 がわかるでしょう」。
6 イエスは 彼 に 言 われた、「わたしは 道 であり、真理 であり、命 である。だれでもわたしによらないでは、父 のみもとに 行 くことはできない。
7 もしあなたがたがわたしを 知 っていたならば、わたしの 父 をも 知 ったであろう。しかし、今 は 父 を 知 っており、またすでに 父 を 見 たのである」。
8 ピリポはイエスに 言 った、「主 よ、わたしたちに 父 を 示 して 下 さい。そうして 下 されば、わたしたちは 満足 します」。
9 イエスは 彼 に 言 われた、「ピリポよ、こんなに 長 くあなたがたと 一緒 にいるのに、わたしがわかっていないのか。わたしを 見 た 者 は、父 を 見 たのである。どうして、わたしたちに 父 を 示 してほしいと、言 うのか。
10 わたしが 父 におり、父 がわたしにおられることをあなたは 信 じないのか。わたしがあなたがたに 話 している 言葉 は、自分 から 話 しているのではない。父 がわたしのうちにおられて、みわざをなさっているのである。
11 わたしが 父 におり、父 がわたしにおられることを 信 じなさい。もしそれが 信 じられないならば、わざそのものによって 信 じなさい。
12 よくよくあなたがたに 言 っておく。わたしを 信 じる 者 は、またわたしのしているわざをするであろう。そればかりか、もっと 大 きいわざをするであろう。わたしが 父 のみもとに 行 くからである。
13 わたしの 名 によって 願 うことは、なんでもかなえてあげよう。父 が 子 によって 栄光 をお 受 けになるためである。
14 何事 でもわたしの 名 によって 願 うならば、わたしはそれをかなえてあげよう。
15 もしあなたがたがわたしを 愛 するならば、わたしのいましめを 守 るべきである。
16 わたしは 父 にお 願 いしよう。そうすれば、父 は 別 に 助 け 主 を 送 って、いつまでもあなたがたと 共 におらせて 下 さるであろう。
17 それは 真理 の 御霊 である。この 世 はそれを 見 ようともせず、知 ろうともしないので、それを 受 けることができない。あなたがたはそれを 知 っている。なぜなら、それはあなたがたと 共 におり、またあなたがたのうちにいるからである。
18 わたしはあなたがたを 捨 てて 孤児 とはしない。あなたがたのところに 帰 って 来 る。
19 もうしばらくしたら、世 はもはやわたしを 見 なくなるだろう。しかし、あなたがたはわたしを 見 る。わたしが 生 きるので、あなたがたも 生 きるからである。
20 その 日 には、わたしはわたしの 父 におり、あなたがたはわたしにおり、また、わたしがあなたがたにおることが、わかるであろう。
21 わたしのいましめを 心 にいだいてこれを 守 る 者 は、わたしを 愛 する 者 である。わたしを 愛 する 者 は、わたしの 父 に 愛 されるであろう。わたしもその 人 を 愛 し、その 人 にわたし 自身 をあらわすであろう」。
22 イスカリオテでない 方 のユダがイエスに 言 った、「主 よ、あなたご 自身 をわたしたちにあらわそうとして、世 にはあらわそうとされないのはなぜですか」。
23 イエスは 彼 に 答 えて 言 われた、「もしだれでもわたしを 愛 するならば、わたしの 言葉 を 守 るであろう。そして、わたしの 父 はその 人 を 愛 し、また、わたしたちはその 人 のところに 行 って、その 人 と 一緒 に 住 むであろう。
24 わたしを 愛 さない 者 はわたしの 言葉 を 守 らない。あなたがたが 聞 いている 言葉 は、わたしの 言葉 ではなく、わたしをつかわされた 父 の 言葉 である。
25 これらのことは、あなたがたと 一緒 にいた 時、すでに 語 ったことである。
26 しかし、助 け 主、すなわち、父 がわたしの 名 によってつかわされる 聖霊 は、あなたがたにすべてのことを 教 え、またわたしが 話 しておいたことを、ことごとく 思 い 起 させるであろう。
27 わたしは 平安 をあなたがたに 残 して 行 く。わたしの 平安 をあなたがたに 与 える。わたしが 与 えるのは、世 が 与 えるようなものとは 異 なる。あなたがたは 心 を 騒 がせるな、またおじけるな。
28 『わたしは 去 って 行 くが、またあなたがたのところに 帰 って 来 る』と、わたしが 言 ったのを、あなたがたは 聞 いている。もしわたしを 愛 しているなら、わたしが 父 のもとに 行 くのを 喜 んでくれるであろう。父 がわたしより 大 きいかたであるからである。
29 今 わたしは、そのことが 起 らない 先 にあなたがたに 語 った。それは、事 が 起 った 時 にあなたがたが 信 じるためである。
30 わたしはもはや、あなたがたに、多 くを 語 るまい。この 世 の 君 が 来 るからである。だが、彼 はわたしに 対 して、なんの 力 もない。
31 しかし、わたしが 父 を 愛 していることを 世 が 知 るように、わたしは 父 がお 命 じになったとおりのことを 行 うのである。立 て。さあ、ここから 出 かけて 行 こう。
Chapter 15
1 わたしはまことのぶどうの 木、わたしの 父 は 農夫 である。
2 わたしにつながっている 枝 で 実 を 結 ばないものは、父 がすべてこれをとりのぞき、実 を 結 ぶものは、もっと 豊 かに 実 らせるために、手入 れしてこれをきれいになさるのである。
3 あなたがたは、わたしが 語 った 言葉 によって 既 にきよくされている。
4 わたしにつながっていなさい。そうすれば、わたしはあなたがたとつながっていよう。枝 がぶどうの 木 につながっていなければ、自分 だけでは 実 を 結 ぶことができないように、あなたがたもわたしにつながっていなければ 実 を 結 ぶことができない。
5 わたしはぶどうの 木、あなたがたはその 枝 である。もし 人 がわたしにつながっており、またわたしがその 人 とつながっておれば、その 人 は 実 を 豊 かに 結 ぶようになる。わたしから 離 れては、あなたがたは 何一 つできないからである。
6 人 がわたしにつながっていないならば、枝 のように 外 に 投 げすてられて 枯 れる。人々 はそれをかき 集 め、火 に 投 げ 入 れて、焼 いてしまうのである。
7 あなたがたがわたしにつながっており、わたしの 言葉 があなたがたにとどまっているならば、なんでも 望 むものを 求 めるがよい。そうすれば、与 えられるであろう。
8 あなたがたが 実 を 豊 かに 結 び、そしてわたしの 弟子 となるならば、それによって、わたしの 父 は 栄光 をお 受 けになるであろう。
9 父 がわたしを 愛 されたように、わたしもあなたがたを 愛 したのである。わたしの 愛 のうちにいなさい。
10 もしわたしのいましめを 守 るならば、あなたがたはわたしの 愛 のうちにおるのである。それはわたしがわたしの 父 のいましめを 守 ったので、その 愛 のうちにおるのと 同 じである。
11 わたしがこれらのことを 話 したのは、わたしの 喜 びがあなたがたのうちにも 宿 るため、また、あなたがたの 喜 びが 満 ちあふれるためである。
12 わたしのいましめは、これである。わたしがあなたがたを 愛 したように、あなたがたも 互 に 愛 し 合 いなさい。
13 人 がその 友 のために 自分 の 命 を 捨 てること、これよりも 大 きな 愛 はない。
14 あなたがたにわたしが 命 じることを 行 うならば、あなたがたはわたしの 友 である。
15 わたしはもう、あなたがたを 僕 とは 呼 ばない。僕 は 主人 のしていることを 知 らないからである。わたしはあなたがたを 友 と 呼 んだ。わたしの 父 から 聞 いたことを 皆、あなたがたに 知 らせたからである。
16 あなたがたがわたしを 選 んだのではない。わたしがあなたがたを 選 んだのである。そして、あなたがたを 立 てた。それは、あなたがたが 行 って 実 をむすび、その 実 がいつまでも 残 るためであり、また、あなたがたがわたしの 名 によって 父 に 求 めるものはなんでも、父 が 与 えて 下 さるためである。
17 これらのことを 命 じるのは、あなたがたが 互 に 愛 し 合 うためである。
18 もしこの 世 があなたがたを 憎 むならば、あなたがたよりも 先 にわたしを 憎 んだことを、知 っておくがよい。
19 もしあなたがたがこの 世 から 出 たものであったなら、この 世 は、あなたがたを 自分 のものとして 愛 したであろう。しかし、あなたがたはこの 世 のものではない。かえって、わたしがあなたがたをこの 世 から 選 び 出 したのである。だから、この 世 はあなたがたを 憎 むのである。
20 わたしがあなたがたに『僕 はその 主人 にまさるものではない』と 言 ったことを、おぼえていなさい。もし 人々 がわたしを 迫害 したなら、あなたがたをも 迫害 するであろう。また、もし 彼 らがわたしの 言葉 を 守 っていたなら、あなたがたの 言葉 をも 守 るであろう。
21 彼 らはわたしの 名 のゆえに、あなたがたに 対 してすべてそれらのことをするであろう。それは、わたしをつかわされたかたを 彼 らが 知 らないからである。
22 もしわたしがきて 彼 らに 語 らなかったならば、彼 らは 罪 を 犯 さないですんだであろう。しかし 今 となっては、彼 らには、その 罪 について 言 いのがれる 道 がない。
23 わたしを 憎 む 者 は、わたしの 父 をも 憎 む。
24 もし、ほかのだれもがしなかったようなわざを、わたしが 彼 らの 間 でしなかったならば、彼 らは 罪 を 犯 さないですんだであろう。しかし 事実、彼 らはわたしとわたしの 父 とを 見 て、憎 んだのである。
25 それは、『彼 らは 理由 なしにわたしを 憎 んだ』と 書 いてある 彼 らの 律法 の 言葉 が 成就 するためである。
26 わたしが 父 のみもとからあなたがたにつかわそうとしている 助 け 主、すなわち、父 のみもとから 来 る 真理 の 御霊 が 下 る 時、それはわたしについてあかしをするであろう。
27 あなたがたも、初 めからわたしと 一緒 にいたのであるから、あかしをするのである。
Chapter 16
1 わたしがこれらのことを 語 ったのは、あなたがたがつまずくことのないためである。
2 人々 はあなたがたを 会堂 から 追 い 出 すであろう。更 にあなたがたを 殺 す 者 がみな、それによって 自分 たちは 神 に 仕 えているのだと 思 う 時 が 来 るであろう。
3 彼 らがそのようなことをするのは、父 をもわたしをも 知 らないからである。
4 わたしがあなたがたにこれらのことを 言 ったのは、彼 らの 時 がきた 場合、わたしが 彼 らについて 言 ったことを、思 い 起 させるためである。これらのことを 初 めから 言 わなかったのは、わたしがあなたがたと 一緒 にいたからである。
5 けれども 今 わたしは、わたしをつかわされたかたのところに 行 こうとしている。しかし、あなたがたのうち、だれも『どこへ 行 くのか』と 尋 ねる 者 はない。
6 かえって、わたしがこれらのことを 言 ったために、あなたがたの 心 は 憂 いで 満 たされている。
7 しかし、わたしはほんとうのことをあなたがたに 言 うが、わたしが 去 って 行 くことは、あなたがたの 益 になるのだ。わたしが 去 って 行 かなければ、あなたがたのところに 助 け 主 はこないであろう。もし 行 けば、それをあなたがたにつかわそう。
8 それがきたら、罪 と 義 とさばきとについて、世 の 人 の 目 を 開 くであろう。
9 罪 についてと 言 ったのは、彼 らがわたしを 信 じないからである。
10 義 についてと 言 ったのは、わたしが 父 のみもとに 行 き、あなたがたは、もはやわたしを 見 なくなるからである。
11 さばきについてと 言 ったのは、この 世 の 君 がさばかれるからである。
12 わたしには、あなたがたに 言 うべきことがまだ 多 くあるが、あなたがたは 今 はそれに 堪 えられない。
13 けれども 真理 の 御霊 が 来 る 時 には、あなたがたをあらゆる 真理 に 導 いてくれるであろう。それは 自分 から 語 るのではなく、その 聞 くところを 語 り、きたるべき 事 をあなたがたに 知 らせるであろう。
14 御霊 はわたしに 栄光 を 得 させるであろう。わたしのものを 受 けて、それをあなたがたに 知 らせるからである。
15 父 がお 持 ちになっているものはみな、わたしのものである。御霊 はわたしのものを 受 けて、それをあなたがたに 知 らせるのだと、わたしが 言 ったのは、そのためである。
16 しばらくすれば、あなたがたはもうわたしを 見 なくなる。しかし、またしばらくすれば、わたしに 会 えるであろう」。
17 そこで、弟子 たちのうちのある 者 は 互 に 言 い 合 った、「『しばらくすれば、わたしを 見 なくなる。またしばらくすれば、わたしに 会 えるであろう』と 言 われ、『わたしの 父 のところに 行 く』と 言 われたのは、いったい、どういうことなのであろう」。
18 彼 らはまた 言 った、「『しばらくすれば』と 言 われるのは、どういうことか。わたしたちには、その 言葉 の 意味 がわからない」。
19 イエスは、彼 らが 尋 ねたがっていることに 気 がついて、彼 らに 言 われた、「しばらくすればわたしを 見 なくなる、またしばらくすればわたしに 会 えるであろうと、わたしが 言 ったことで、互 に 論 じ 合 っているのか。
20 よくよくあなたがたに 言 っておく。あなたがたは 泣 き 悲 しむが、この 世 は 喜 ぶであろう。あなたがたは 憂 えているが、その 憂 いは 喜 びに 変 るであろう。
21 女 が 子 を 産 む 場合 には、その 時 がきたというので、不安 を 感 じる。しかし、子 を 産 んでしまえば、もはやその 苦 しみをおぼえてはいない。ひとりの 人 がこの 世 に 生 れた、という 喜 びがあるためである。
22 このように、あなたがたにも 今 は 不安 がある。しかし、わたしは 再 びあなたがたと 会 うであろう。そして、あなたがたの 心 は 喜 びに 満 たされるであろう。その 喜 びをあなたがたから 取 り 去 る 者 はいない。
23 その 日 には、あなたがたがわたしに 問 うことは、何 もないであろう。よくよくあなたがたに 言 っておく。あなたがたが 父 に 求 めるものはなんでも、わたしの 名 によって 下 さるであろう。
24 今 までは、あなたがたはわたしの 名 によって 求 めたことはなかった。求 めなさい、そうすれば、与 えられるであろう。そして、あなたがたの 喜 びが 満 ちあふれるであろう。
25 わたしはこれらのことを 比喩 で 話 したが、もはや 比喩 では 話 さないで、あからさまに、父 のことをあなたがたに 話 してきかせる 時 が 来 るであろう。
26 その 日 には、あなたがたは、わたしの 名 によって 求 めるであろう。わたしは、あなたがたのために 父 に 願 ってあげようとは 言 うまい。
27 父 ご 自身 があなたがたを 愛 しておいでになるからである。それは、あなたがたがわたしを 愛 したため、また、わたしが 神 のみもとからきたことを 信 じたためである。
28 わたしは 父 から 出 てこの 世 にきたが、またこの 世 を 去 って、父 のみもとに 行 くのである」。
29 弟子 たちは 言 った、「今 はあからさまにお 話 しになって、少 しも 比喩 ではお 話 しになりません。
30 あなたはすべてのことをご 存 じであり、だれもあなたにお 尋 ねする 必要 のないことが、今 わかりました。このことによって、わたしたちはあなたが 神 からこられたかたであると 信 じます」。
31 イエスは 答 えられた、「あなたがたは 今 信 じているのか。
32 見 よ、あなたがたは 散 らされて、それぞれ 自分 の 家 に 帰 り、わたしをひとりだけ 残 す 時 が 来 るであろう。いや、すでにきている。しかし、わたしはひとりでいるのではない。父 がわたしと 一緒 におられるのである。
33 これらのことをあなたがたに 話 したのは、わたしにあって 平安 を 得 るためである。あなたがたは、この 世 ではなやみがある。しかし、勇気 を 出 しなさい。わたしはすでに 世 に 勝 っている」。
Chapter 17
1 これらのことを 語 り 終 えると、イエスは 天 を 見 あげて 言 われた、「父 よ、時 がきました。あなたの 子 があなたの 栄光 をあらわすように、子 の 栄光 をあらわして 下 さい。
2 あなたは、子 に 賜 わったすべての 者 に、永遠 の 命 を 授 けさせるため、万民 を 支配 する 権威 を 子 にお 与 えになったのですから。
3 永遠 の 命 とは、唯一 の、まことの 神 でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを 知 ることであります。
4 わたしは、わたしにさせるためにお 授 けになったわざをなし 遂 げて、地上 であなたの 栄光 をあらわしました。
5 父 よ、世 が 造 られる 前 に、わたしがみそばで 持 っていた 栄光 で、今 み 前 にわたしを 輝 かせて 下 さい。
6 わたしは、あなたが 世 から 選 んでわたしに 賜 わった 人々 に、み 名 をあらわしました。彼 らはあなたのものでありましたが、わたしに 下 さいました。そして、彼 らはあなたの 言葉 を 守 りました。
7 いま 彼 らは、わたしに 賜 わったものはすべて、あなたから 出 たものであることを 知 りました。
8 なぜなら、わたしはあなたからいただいた 言葉 を 彼 らに 与 え、そして 彼 らはそれを 受 け、わたしがあなたから 出 たものであることをほんとうに 知 り、また、あなたがわたしをつかわされたことを 信 じるに 至 ったからです。
9 わたしは 彼 らのためにお 願 いします。わたしがお 願 いするのは、この 世 のためにではなく、あなたがわたしに 賜 わった 者 たちのためです。彼 らはあなたのものなのです。
10 わたしのものは 皆 あなたのもの、あなたのものはわたしのものです。そして、わたしは 彼 らによって 栄光 を 受 けました。
11 わたしはもうこの 世 にはいなくなりますが、彼 らはこの 世 に 残 っており、わたしはみもとに 参 ります。聖 なる 父 よ、わたしに 賜 わった 御名 によって 彼 らを 守 って 下 さい。それはわたしたちが一つであるように、彼 らも一つになるためであります。
12 わたしが 彼 らと 一緒 にいた 間 は、あなたからいただいた 御名 によって 彼 らを 守 り、また 保護 してまいりました。彼 らのうち、だれも 滅 びず、ただ 滅 びの 子 だけが 滅 びました。それは 聖書 が 成就 するためでした。
13 今 わたしはみもとに 参 ります。そして 世 にいる 間 にこれらのことを 語 るのは、わたしの 喜 びが 彼 らのうちに 満 ちあふれるためであります。
14 わたしは 彼 らに 御言 を 与 えましたが、世 は 彼 らを 憎 みました。わたしが 世 のものでないように、彼 らも 世 のものではないからです。
15 わたしがお 願 いするのは、彼 らを 世 から 取 り 去 ることではなく、彼 らを 悪 しき 者 から 守 って 下 さることであります。
16 わたしが 世 のものでないように、彼 らも 世 のものではありません。
17 真理 によって 彼 らを 聖 別 して 下 さい。あなたの 御言 は 真理 であります。
18 あなたがわたしを 世 につかわされたように、わたしも 彼 らを 世 につかわしました。
19 また 彼 らが 真理 によって 聖 別 されるように、彼 らのためわたし 自身 を 聖 別 いたします。
20 わたしは 彼 らのためばかりではなく、彼 らの 言葉 を 聞 いてわたしを 信 じている 人々 のためにも、お 願 いいたします。
21 父 よ、それは、あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、みんなの 者 が一つとなるためであります。すなわち、彼 らをもわたしたちのうちにおらせるためであり、それによって、あなたがわたしをおつかわしになったことを、世 が 信 じるようになるためであります。
22 わたしは、あなたからいただいた 栄光 を 彼 らにも 与 えました。それは、わたしたちが一つであるように、彼 らも一つになるためであります。
23 わたしが 彼 らにおり、あなたがわたしにいますのは、彼 らが 完全 に一つとなるためであり、また、あなたがわたしをつかわし、わたしを 愛 されたように、彼 らをお 愛 しになったことを、世 が 知 るためであります。
24 父 よ、あなたがわたしに 賜 わった 人々 が、わたしのいる 所 に 一緒 にいるようにして 下 さい。天地 が 造 られる 前 からわたしを 愛 して 下 さって、わたしに 賜 わった 栄光 を、彼 らに 見 させて 下 さい。
25 正 しい 父 よ、この 世 はあなたを 知 っていません。しかし、わたしはあなたを 知 り、また 彼 らも、あなたがわたしをおつかわしになったことを 知 っています。
26 そしてわたしは 彼 らに 御名 を 知 らせました。またこれからも 知 らせましょう。それは、あなたがわたしを 愛 して 下 さったその 愛 が 彼 らのうちにあり、またわたしも 彼 らのうちにおるためであります」。
Chapter 18
1 イエスはこれらのことを 語 り 終 えて、弟子 たちと 一緒 にケデロンの 谷 の 向 こうへ 行 かれた。そこには 園 があって、イエスは 弟子 たちと 一緒 にその 中 にはいられた。
2 イエスを 裏切 ったユダは、その 所 をよく 知 っていた。イエスと 弟子 たちとがたびたびそこで 集 まったことがあるからである。
3 さてユダは、一隊 の 兵卒 と 祭司長 やパリサイ 人 たちの 送 った 下役 どもを 引 き 連 れ、たいまつやあかりや 武器 を 持 って、そこへやってきた。
4 しかしイエスは、自分 の 身 に 起 ろうとすることをことごとく 承知 しておられ、進 み 出 て 彼 らに 言 われた、「だれを 捜 しているのか」。
5 彼 らは「ナザレのイエスを」と 答 えた。イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしが、それである」。イエスを 裏切 ったユダも、彼 らと 一緒 に 立 っていた。
6 イエスが 彼 らに「わたしが、それである」と 言 われたとき、彼 らはうしろに 引 きさがって 地 に 倒 れた。
7 そこでまた 彼 らに、「だれを 捜 しているのか」とお 尋 ねになると、彼 らは「ナザレのイエスを」と 言 った。
8 イエスは 答 えられた、「わたしがそれであると、言 ったではないか。わたしを 捜 しているのなら、この 人 たちを 去 らせてもらいたい」。
9 それは、「あなたが 与 えて 下 さった 人 たちの 中 のひとりも、わたしは 失 わなかった」とイエスの 言 われた 言葉 が、成就 するためである。
10 シモン・ペテロは 剣 を 持 っていたが、それを 抜 いて、大祭司 の 僕 に 切 りかかり、その 右 の 耳 を 切 り 落 した。その 僕 の 名 はマルコスであった。
11 すると、イエスはペテロに 言 われた、「剣 をさやに 納 めなさい。父 がわたしに 下 さった 杯 は、飲 むべきではないか」。
12 それから 一隊 の 兵卒 やその 千卒長 やユダヤ 人 の 下役 どもが、イエスを 捕 え、縛 りあげて、
13 まずアンナスのところに 引 き 連 れて 行 った。彼 はその 年 の 大祭司 カヤパのしゅうとであった。
14 カヤパは 前 に、ひとりの 人 が 民 のために 死 ぬのはよいことだと、ユダヤ 人 に 助言 した 者 であった。
15 シモン・ペテロともうひとりの 弟子 とが、イエスについて 行 った。この 弟子 は 大祭司 の 知 り 合 いであったので、イエスと 一緒 に 大祭司 の 中庭 にはいった。
16 しかし、ペテロは 外 で 戸口 に 立 っていた。すると 大祭司 の 知 り 合 いであるその 弟子 が、外 に 出 て 行 って 門番 の 女 に 話 し、ペテロを 内 に 入 れてやった。
17 すると、この 門番 の 女 がペテロに 言 った、「あなたも、あの 人 の 弟子 のひとりではありませんか」。ペテロは「いや、そうではない」と 答 えた。
18 僕 や 下役 どもは、寒 い 時 であったので、炭火 をおこし、そこに 立 ってあたっていた。ペテロもまた 彼 らに 交 じり、立 ってあたっていた。
19 大祭司 はイエスに、弟子 たちのことやイエスの 教 のことを 尋 ねた。
20 イエスは 答 えられた、「わたしはこの 世 に 対 して 公然 と 語 ってきた。すべてのユダヤ 人 が 集 まる 会堂 や 宮 で、いつも 教 えていた。何事 も 隠 れて 語 ったことはない。
21 なぜ、わたしに 尋 ねるのか。わたしが 彼 らに 語 ったことは、それを 聞 いた 人々 に 尋 ねるがよい。わたしの 言 ったことは、彼 らが 知 っているのだから」。
22 イエスがこう 言 われると、そこに 立 っていた 下役 のひとりが、「大祭司 にむかって、そのような 答 をするのか」と 言 って、平手 でイエスを 打 った。
23 イエスは 答 えられた、「もしわたしが 何 か 悪 いことを 言 ったのなら、その 悪 い 理由 を 言 いなさい。しかし、正 しいことを 言 ったのなら、なぜわたしを 打 つのか」。
24 それからアンナスは、イエスを 縛 ったまま 大祭司 カヤパのところへ 送 った。
25 シモン・ペテロは、立 って 火 にあたっていた。すると 人々 が 彼 に 言 った、「あなたも、あの 人 の 弟子 のひとりではないか」。彼 はそれをうち 消 して、「いや、そうではない」と 言 った。
26 大祭司 の 僕 のひとりで、ペテロに 耳 を 切 りおとされた 人 の 親族 の 者 が 言 った、「あなたが 園 であの 人 と 一緒 にいるのを、わたしは 見 たではないか」。
27 ペテロはまたそれを 打 ち 消 した。するとすぐに、鶏 が 鳴 いた。
28 それから 人々 は、イエスをカヤパのところから 官邸 につれて 行 った。時 は 夜明 けであった。彼 らは、けがれを 受 けないで 過越 の 食事 ができるように、官邸 にはいらなかった。
29 そこで、ピラトは 彼 らのところに 出 てきて 言 った、「あなたがたは、この 人 に 対 してどんな 訴 えを 起 すのか」。
30 彼 らはピラトに 答 えて 言 った、「もしこの 人 が 悪事 をはたらかなかったなら、あなたに 引 き 渡 すようなことはしなかったでしょう」。
31 そこでピラトは 彼 らに 言 った、「あなたがたは 彼 を 引 き 取 って、自分 たちの 律法 でさばくがよい」。ユダヤ 人 らは 彼 に 言 った、「わたしたちには、人 を 死刑 にする 権限 がありません」。
32 これは、ご 自身 がどんな 死 にかたをしようとしているかを 示 すために 言 われたイエスの 言葉 が、成就 するためである。
33 さて、ピラトはまた 官邸 にはいり、イエスを 呼 び 出 して 言 った、「あなたは、ユダヤ 人 の 王 であるか」。
34 イエスは 答 えられた、「あなたがそう 言 うのは、自分 の 考 えからか。それともほかの 人々 が、わたしのことをあなたにそう 言 ったのか」。
35 ピラトは 答 えた、「わたしはユダヤ 人 なのか。あなたの 同族 や 祭司長 たちが、あなたをわたしに 引 き 渡 したのだ。あなたは、いったい、何 をしたのか」。
36 イエスは 答 えられた、「わたしの 国 はこの 世 のものではない。もしわたしの 国 がこの 世 のものであれば、わたしに 従 っている 者 たちは、わたしをユダヤ 人 に 渡 さないように 戦 ったであろう。しかし 事実、わたしの 国 はこの 世 のものではない」。
37 そこでピラトはイエスに 言 った、「それでは、あなたは 王 なのだな」。イエスは 答 えられた、「あなたの 言 うとおり、わたしは 王 である。わたしは 真理 についてあかしをするために 生 れ、また、そのためにこの 世 にきたのである。だれでも 真理 につく 者 は、わたしの 声 に 耳 を 傾 ける」。
38 ピラトはイエスに 言 った、「真理 とは 何 か」。こう 言 って、彼 はまたユダヤ 人 の 所 に 出 て 行 き、彼 らに 言 った、「わたしには、この 人 になんの 罪 も 見 いだせない。
39 過越 の 時 には、わたしがあなたがたのために、ひとりの 人 を 許 してやるのが、あなたがたのしきたりになっている。ついては、あなたがたは、このユダヤ 人 の 王 を 許 してもらいたいのか」。
40 すると 彼 らは、また 叫 んで「その 人 ではなく、バラバを」と 言 った。このバラバは 強盗 であった。
Chapter 20
1 さて、一 週 の 初 めの 日 に、朝 早 くまだ 暗 いうちに、マグダラのマリヤが 墓 に 行 くと、墓 から 石 がとりのけてあるのを 見 た。
2 そこで 走 って、シモン・ペテロとイエスが 愛 しておられた、もうひとりの 弟子 のところへ 行 って、彼 らに 言 った、「だれかが、主 を 墓 から 取 り 去 りました。どこへ 置 いたのか、わかりません」。
3 そこでペテロともうひとりの 弟子 は 出 かけて、墓 へむかって 行 った。
4 ふたりは 一緒 に 走 り 出 したが、そのもうひとりの 弟子 の 方 が、ペテロよりも 早 く 走 って 先 に 墓 に 着 き、
5 そして 身 をかがめてみると、亜麻布 がそこに 置 いてあるのを 見 たが、中 へははいらなかった。
6 シモン・ペテロも 続 いてきて、墓 の 中 にはいった。彼 は 亜麻布 がそこに 置 いてあるのを 見 たが、
7 イエスの 頭 に 巻 いてあった 布 は 亜麻布 のそばにはなくて、はなれた 別 の 場所 にくるめてあった。
8 すると、先 に 墓 に 着 いたもうひとりの 弟子 もはいってきて、これを 見 て 信 じた。
9 しかし、彼 らは 死人 のうちからイエスがよみがえるべきことをしるした 聖 句 を、まだ 悟 っていなかった。
10 それから、ふたりの 弟子 たちは 自分 の 家 に 帰 って 行 った。
11 しかし、マリヤは 墓 の 外 に 立 って 泣 いていた。そして 泣 きながら、身 をかがめて 墓 の 中 をのぞくと、
12 白 い 衣 を 着 たふたりの 御使 が、イエスの 死体 のおかれていた 場所 に、ひとりは 頭 の 方 に、ひとりは 足 の 方 に、すわっているのを 見 た。
13 すると、彼 らはマリヤに、「女 よ、なぜ 泣 いているのか」と 言 った。マリヤは 彼 らに 言 った、「だれかが、わたしの 主 を 取 り 去 りました。そして、どこに 置 いたのか、わからないのです」。
14 そう 言 って、うしろをふり 向 くと、そこにイエスが 立 っておられるのを 見 た。しかし、それがイエスであることに 気 がつかなかった。
15 イエスは 女 に 言 われた、「女 よ、なぜ 泣 いているのか。だれを 捜 しているのか」。マリヤは、その 人 が 園 の 番人 だと 思 って 言 った、「もしあなたが、あのかたを 移 したのでしたら、どこへ 置 いたのか、どうぞ、おっしゃって 下 さい。わたしがそのかたを 引 き 取 ります」。
16 イエスは 彼女 に「マリヤよ」と 言 われた。マリヤはふり 返 って、イエスにむかってヘブル 語 で「ラボニ」と 言 った。それは、先生 という 意味 である。
17 イエスは 彼女 に 言 われた、「わたしにさわってはいけない。わたしは、まだ 父 のみもとに 上 っていないのだから。ただ、わたしの 兄弟 たちの 所 に 行 って、『わたしは、わたしの 父 またあなたがたの 父 であって、わたしの 神 またあなたがたの 神 であられるかたのみもとへ 上 って 行 く』と、彼 らに 伝 えなさい」。
18 マグダラのマリヤは 弟子 たちのところに 行 って、自分 が 主 に 会 ったこと、またイエスがこれこれのことを 自分 に 仰 せになったことを、報告 した。
19 その 日、すなわち、一 週 の 初 めの 日 の 夕方、弟子 たちはユダヤ 人 をおそれて、自分 たちのおる 所 の 戸 をみなしめていると、イエスがはいってきて、彼 らの 中 に 立 ち、「安 かれ」と 言 われた。
20 そう 言 って、手 とわきとを、彼 らにお 見 せになった。弟子 たちは 主 を 見 て 喜 んだ。
21 イエスはまた 彼 らに 言 われた、「安 かれ。父 がわたしをおつかわしになったように、わたしもまたあなたがたをつかわす」。
22 そう 言 って、彼 らに 息 を 吹 きかけて 仰 せになった、「聖霊 を 受 けよ。
23 あなたがたがゆるす 罪 は、だれの 罪 でもゆるされ、あなたがたがゆるさずにおく 罪 は、そのまま 残 るであろう」。
24 十二 弟子 のひとりで、デドモと 呼 ばれているトマスは、イエスがこられたとき、彼 らと 一緒 にいなかった。
25 ほかの 弟子 たちが、彼 に「わたしたちは 主 にお 目 にかかった」と 言 うと、トマスは 彼 らに 言 った、「わたしは、その 手 に 釘 あとを 見、わたしの 指 をその 釘 あとにさし 入 れ、また、わたしの 手 をそのわきにさし 入 れてみなければ、決 して 信 じない」。
26 八 日 ののち、イエスの 弟子 たちはまた 家 の 内 におり、トマスも 一緒 にいた。戸 はみな 閉 ざされていたが、イエスがはいってこられ、中 に 立 って「安 かれ」と 言 われた。
27 それからトマスに 言 われた、「あなたの 指 をここにつけて、わたしの 手 を 見 なさい。手 をのばしてわたしのわきにさし 入 れてみなさい。信 じない 者 にならないで、信 じる 者 になりなさい」。
28 トマスはイエスに 答 えて 言 った、「わが 主 よ、わが 神 よ」。
29 イエスは 彼 に 言 われた、「あなたはわたしを 見 たので 信 じたのか。見 ないで 信 ずる 者 は、さいわいである」。
30 イエスは、この 書 に 書 かれていないしるしを、ほかにも 多 く、弟子 たちの 前 で 行 われた。
31 しかし、これらのことを 書 いたのは、あなたがたがイエスは 神 の 子 キリストであると 信 じるためであり、また、そう 信 じて、イエスの 名 によって 命 を 得 るためである。
Chapter 21
1 そののち、イエスはテベリヤの 海 べで、ご 自身 をまた 弟子 たちにあらわされた。そのあらわされた 次第 は、こうである。
2 シモン・ペテロが、デドモと 呼 ばれているトマス、ガリラヤのカナのナタナエル、ゼベダイの 子 らや、ほかのふたりの 弟子 たちと 一緒 にいた 時 のことである。
3 シモン・ペテロは 彼 らに「わたしは 漁 に 行 くのだ」と 言 うと、彼 らは「わたしたちも 一緒 に 行 こう」と 言 った。彼 らは 出 て 行 って 舟 に 乗 った。しかし、その 夜 はなんの 獲物 もなかった。
4 夜 が 明 けたころ、イエスが 岸 に 立 っておられた。しかし 弟子 たちはそれがイエスだとは 知 らなかった。
5 イエスは 彼 らに 言 われた、「子 たちよ、何 か 食 べるものがあるか」。彼 らは「ありません」と 答 えた。
6 すると、イエスは 彼 らに 言 われた、「舟 の 右 の 方 に 網 をおろして 見 なさい。そうすれば、何 かとれるだろう」。彼 らは 網 をおろすと、魚 が 多 くとれたので、それを 引 き 上 げることができなかった。
7 イエスの 愛 しておられた 弟子 が、ペテロに「あれは 主 だ」と 言 った。シモン・ペテロは 主 であると 聞 いて、裸 になっていたため、上着 をまとって 海 にとびこんだ。
8 しかし、ほかの 弟子 たちは 舟 に 乗 ったまま、魚 のはいっている 網 を 引 きながら 帰 って 行 った。陸 からはあまり 遠 くない五十 間 ほどの 所 にいたからである。
9 彼 らが 陸 に 上 って 見 ると、炭火 がおこしてあって、その 上 に 魚 がのせてあり、またそこにパンがあった。
10 イエスは 彼 らに 言 われた、「今 とった 魚 を 少 し 持 ってきなさい」。
11 シモン・ペテロが 行 って、網 を 陸 へ 引 き 上 げると、百五十三びきの 大 きな 魚 でいっぱいになっていた。そんなに 多 かったが、網 はさけないでいた。
12 イエスは 彼 らに 言 われた、「さあ、朝 の 食事 をしなさい」。弟子 たちは、主 であることがわかっていたので、だれも「あなたはどなたですか」と 進 んで 尋 ねる 者 がなかった。
13 イエスはそこにきて、パンをとり 彼 らに 与 え、また 魚 も 同 じようにされた。
14 イエスが 死人 の 中 からよみがえったのち、弟子 たちにあらわれたのは、これで 既 に三 度目 である。
15 彼 らが 食事 をすませると、イエスはシモン・ペテロに 言 われた、「ヨハネの 子 シモンよ、あなたはこの 人 たちが 愛 する 以上 に、わたしを 愛 するか」。ペテロは 言 った、「主 よ、そうです。わたしがあなたを 愛 することは、あなたがご 存 じです」。イエスは 彼 に「わたしの 小羊 を 養 いなさい」と 言 われた。
16 またもう 一度 彼 に 言 われた、「ヨハネの 子 シモンよ、わたしを 愛 するか」。彼 はイエスに 言 った、「主 よ、そうです。わたしがあなたを 愛 することは、あなたがご 存 じです」。イエスは 彼 に 言 われた、「わたしの 羊 を 飼 いなさい」。
17 イエスは三 度目 に 言 われた、「ヨハネの 子 シモンよ、わたしを 愛 するか」。ペテロは「わたしを 愛 するか」とイエスが三 度 も 言 われたので、心 をいためてイエスに 言 った、「主 よ、あなたはすべてをご 存 じです。わたしがあなたを 愛 していることは、おわかりになっています」。イエスは 彼 に 言 われた、「わたしの 羊 を 養 いなさい。
18 よくよくあなたに 言 っておく。あなたが 若 かった 時 には、自分 で 帯 をしめて、思 いのままに 歩 きまわっていた。しかし 年 をとってからは、自分 の 手 をのばすことになろう。そして、ほかの 人 があなたに 帯 を 結 びつけ、行 きたくない 所 へ 連 れて 行 くであろう」。
19 これは、ペテロがどんな 死 に 方 で、神 の 栄光 をあらわすかを 示 すために、お 話 しになったのである。こう 話 してから、「わたしに 従 ってきなさい」と 言 われた。
20 ペテロはふり 返 ると、イエスの 愛 しておられた 弟子 がついて 来 るのを 見 た。この 弟子 は、あの 夕食 のときイエスの 胸 近 くに 寄 りかかって、「主 よ、あなたを 裏切 る 者 は、だれなのですか」と 尋 ねた 人 である。
21 ペテロはこの 弟子 を 見 て、イエスに 言 った、「主 よ、この 人 はどうなのですか」。
22 イエスは 彼 に 言 われた、「たとい、わたしの 来 る 時 まで 彼 が 生 き 残 っていることを、わたしが 望 んだとしても、あなたにはなんの 係 わりがあるか。あなたは、わたしに 従 ってきなさい」。
23 こういうわけで、この 弟子 は 死 ぬことがないといううわさが、兄弟 たちの 間 にひろまった。しかし、イエスは 彼 が 死 ぬことはないと 言 われたのではなく、ただ「たとい、わたしの 来 る 時 まで 彼 が 生 き 残 っていることを、わたしが 望 んだとしても、あなたにはなんの 係 わりがあるか」と 言 われただけである。
24 これらの 事 についてあかしをし、またこれらの 事 を 書 いたのは、この 弟子 である。そして 彼 のあかしが 真実 であることを、わたしたちは 知 っている。
25 イエスのなさったことは、このほかにまだ 数多 くある。もしいちいち 書 きつけるならば、世界 もその 書 かれた 文書 を 収 めきれないであろうと 思 う。