Chapter 1
1 キリスト・イエスの 僕、召 されて 使徒 となり、神 の 福音 のために 選 び 別 たれたるパウロ――
2 この 福音 は 神 その 預言者 たちにより、聖書 の 中 に 預 じめ 御子 に 就 きて 約 し 給 ひしものなり。
3 御子 は 肉 によれば、ダビデの 裔 より 生 れ、
4 潔 き 靈 によれば、死人 の 復活 により 大能 をもて 神 の 子 と 定 められ 給 へり、即 ち 我 らの 主 イエス・キリストなり。
5 我等 その 御名 の 爲 にもろもろの 國人 を 信仰 に 從順 ならしめんとて、彼 より 恩惠 と 使徒 の 職 とを 受 けたり。
6 汝 等 もその 中 にあり、てイエス・キリストの 有 とならん 爲 に 召 されたるなり。――
7 われ 書 をロマに 在 りて 神 に 愛 せられ、召 されて 聖徒 となりたる 凡 ての 者 に 贈 る。願 はくは 我 らの 父 なる 神 および 主 イエス・キリストより 賜 ふ 恩惠 と 平安 と 汝 らに 在 らんことを。
8 汝 らの 信仰、全世界 に 言 ひ 傳 へられたれば、我 まづ 汝 ら 一同 の 爲 にイエス・キリストによりて 我 が 神 に 感謝 す。
9 その 御子 の 福音 に 於 て 我 が 靈 をもて 事 ふる 神 は、わが 絶 えず 祈 のうちに 汝 らを 覺 え、
10 如何 にしてか 御意 に 適 ひ、いつか 汝 らに 到 るべき 途 を 得 んと、常 に 冀 がふことを 我 がために 證 し 給 ふなり。
11 われ 汝 らを 見 んことを 切 に 望 むは、汝 らの 堅 うせられん 爲 に 靈 の 賜物 を 分 け 與 へんとてなり。
12 即 ち 我 なんぢらの 中 にありて、互 の 信仰 により 相 共 に 慰 められん 爲 なり。
13 兄弟 よ、我 ほかの 異邦人 の 中 より 得 しごとく、汝 らの 中 よりも 實 を 得 んとて、屡次 なんぢらに 往 かんとしたれど、今 に 至 りてなほ 妨 げらる、此 の 事 を 汝 らの 知 らざるを 欲 せず。
14 我 はギリシヤ 人 にも 夷人 にも、智 き 者 にも 愚 なる 者 にも 負債 あり。
15 この 故 に 我 はロマに 在 る 汝 らにも 福音 を 宣傳 へんことを 頻 りに 願 ふなり。
16 我 は 福音 を 恥 とせず、この 福音 はユダヤ 人 を 始 めギリシヤ 人 にも、凡 て 信 ずる 者 に 救 を 得 さする 神 の 力 たればなり。
17 神 の 義 はその 福音 のうちに 顯 れ、信仰 より 出 でて 信仰 に 進 ましむ。録 して『義人 は 信仰 によりて 生 くべし』とある 如 し。
18 それ 神 の 怒 は、不義 をもて 眞理 を 阻 む 人 の、もろもろの 不虔 と 不義 とに 對 ひて 天 より 顯 る。
19 その 故 は、神 につきて 知 り 得 べきことは 彼 らに 顯著 なればなり、神 これを 顯 し 給 へり。
20 それ 神 の 見 るべからざる 永遠 の 能力 と 神性 とは、造 られたる 物 により 世 の 創 より 悟 りえて 明 かに 見 るべければ、彼 ら 言 ひ 遁 るる 術 なし。
21 神 を 知 りつつも 尚 これを 神 として 崇 めず、感謝 せず、その 念 は 虚 しく、その 愚 なる 心 は 暗 くなれり。
22 自 ら 智 しと 稱 へて 愚 となり、
23 朽 つることなき 神 の 榮光 を 易 へて、朽 つべき 人 および 禽獸・匍 ふ 物 に 似 たる 像 となす。
24 この 故 に 神 は 彼 らを 其 の 心 の 慾 にまかせて、互 にその 身 を 辱 しむる 汚穢 に 付 し 給 へり。
25 彼 らは 神 の 眞 を 易 へて 虚僞 となし、造物主 を 措 きて 造 られたる 物 を 拜 し、且 これに 事 ふ、造物主 は 永遠 に 讃 むべき 者 なり、アァメン。
26 之 によりて 神 は 彼 らを 恥 づべき 慾 に 付 し 給 へり。即 ち 女 は 順性 の 用 を 易 へて 逆性 の 用 となし、
27 男 もまた 同 じく 女 の 順性 の 用 を 棄 てて 互 に 情 慾 を 熾 し、男 と 男 と 恥 づることを 行 ひて、その 迷 に 値 すべき 報 を 己 が 身 に 受 けたり。
28 また 神 を 心 に 存 むるを 善 しとせざれば、神 もその 邪曲 なる 心 の 隨 に 爲 まじき 事 をするに 任 せ 給 へり。
29 即 ちもろもろの 不義・惡・慳貪・惡意 にて 滿 つる 者、また 嫉妬・殺意・紛爭・詭計・惡念 の 溢 るる 者、
30 讒言 する 者・謗 る 者・神 に 憎 まるる 者・侮 る 者・高 ぶる 者・誇 る 者・惡事 を 企 つる 者・父母 に 逆 ふ 者、
31 無知・違約・無情・無 慈悲 なる 者 にして、
32 かかる 事 どもを 行 ふ 者 の 死罪 に 當 るべき 神 の 定 を 知 りながら、啻 に 自己 これらの 事 を 行 ふのみならず、また 人 の 之 を 行 ふを 可 しとせり。
Chapter 2
1 されば 凡 て 人 を 審 く 者 よ、なんぢ 言 ひ 遁 るる 術 なし、他 の 人 を 審 くは、正 しく 己 を 罪 するなり。人 をさばく 汝 もみづから 同 じ 事 を 行 へばなり。
2 かかる 事 をおこなふ 者 を 罪 する 神 の 審判 は 眞理 に 合 へりと 我 らは 知 る。
3 かかる 事 をおこなふ 者 を 審 きて 自己 これを 行 ふ 人 よ、なんぢ 神 の 審判 を 遁 れんと 思 ふか。
4 神 の 仁慈 なんぢを 悔改 に 導 くを 知 らずして、その 仁慈 と 忍耐 と 寛容 との 豐 なるを 輕 んずるか。
5 なんぢ 頑固 と 悔改 めぬ 心 とにより、己 のために 神 の 怒 を 積 みて、その 正 しき 審判 の 顯 るる 怒 の 日 に 及 ぶなり。
6 神 はおのおのの 所作 に 隨 ひて 報 い、
7 耐 へ 忍 びて 善 をおこない 光榮 と 尊貴 と 朽 ちざる 事 とを 求 むる 者 には、永遠 の 生命 をもて 報 い、
8 徒黨 により 眞理 に 從 はずして 不義 にしたがう 者 には、怒 と 憤恚 とをもて 報 い 給 はん。
9 すべて 惡 をおこなふ 人 には、ユダヤ 人 を 始 めギリシヤ 人 にも 患難 と 苦難 とあり。
10 凡 て 善 をおこなふ 人 には、ユダヤ 人 を 始 めギリシヤ 人 にも 光榮 と 尊貴 と 平安 とあらん。
11 そは 神 には 偏 り 視 給 ふこと 無 ければなり。
12 凡 そ 律法 なくして 罪 を 犯 したる 者 は 律法 なくして 滅 び、律法 ありて 罪 を 犯 したる 者 は 律法 によりて 審 かるべし。
13 律法 を 聞 くもの 神 の 前 に 義 たるにあらず、律法 をおこなふ 者 のみ 義 とせらるべし。――
14 律法 を 有 たぬ 異邦人、もし 本性 のまま 律法 に 載 せたる 所 をおこなふ 時 は、律法 を 有 たずともおのづから 己 が 律法 たるなり。
15 即 ち 律法 の 命 ずる 所 のその 心 に 録 されたるを 顯 し、おのが 良心 もこれを 證 をなして、その 念、たがひに 或 は 訴 へ 或 は 辯明 す。――
16 是 わが 福音 に 云 へる 如 く、神 のキリスト・イエスによりて 人々 の 隱 れたる 事 を 審 きたまふ 日 に 成 るべし。
17 汝 ユダヤ 人 と 稱 へられ、律法 に 安 んじ、神 を 誇 り、
18 その 御意 を 知 り、律法 に 教 へられて 善惡 を 辨 へ、
19 また 律法 のうちに 知識 と 眞理 との 式 を 有 てりとして、盲人 の 手引、暗黒 にをる 者 の 光明、
20 愚 なる 者 の 守役、幼兒 の 教師 なりと 自 ら 信 ずる 者 よ、
21 何 ゆゑ 人 に 教 へて 己 を 教 へぬか、竊 む 勿 れと 宣 べて 自 ら 竊 むか、
22 姦淫 する 勿 れと 言 ひて 姦淫 するか、偶像 を 惡 みて 宮 の 物 を 奪 ふか、
23 律法 に 誇 りて 律法 を 破 り 神 を 輕 んずるか。
24 録 して『神 の 名 は 汝 らの 故 によりて 異邦人 の 中 に 涜 さる』とあるが 如 し。
25 なんぢ 律法 を 守 らば 割禮 は 益 あり、律法 を 破 らば 汝 の 割禮 は 無 割禮 となるなり。
26 割禮 なき 者 も 律法 の 義 を 守 らば、その 無 割禮 は 割禮 とせらるるにあらずや。
27 本性 のまま 割禮 なくして 律法 を 全 うする 者 は、儀文 と 割禮 とありてなほ 律法 をやぶる 汝 を 審 かん。
28 それ 表面 のユダヤ 人 はユダヤ 人 たるにあらず、肉 に 在 る 表面 の 割禮 は 割禮 たるにあらず。
29 隱 なるユダヤ 人 はユダヤ 人 なり、儀文 によらず、靈 による 心 の 割禮 は 割禮 なり、その 譽 は 人 よりにあらず、神 より 來 るなり。
Chapter 3
1 さらばユダヤ 人 に 何 の 優 るる 所 ありや、また 割禮 に 何 の 益 ありや。
2 凡 ての 事 に 益 おほし、先 づ 第一 に 彼 らは 神 の 言 を 委 ねられたり。
3 されど 如何 ん、ここに 信 ぜざる 者 ありとも、その 不 信 は 神 の 眞實 を 廢 つべきか。
4 決 して 然 らず、人 をみな 虚僞 者 とすとも 神 を 誠實 とすべし。録 して『なんぢは 其 の 言 にて 義 とせられ、審 かるるとき 勝 を 得給 はん 爲 なり』とあるが 如 し。
5 然 れど 若 し 我 らの 不義 は 神 の 義 を 顯 すとせば 何 と 言 はんか、怒 を 加 へたまふ 神 は 不義 なるか(こは 人 の 言 ふごとく 言 ふなり)
6 決 して 然 らず、若 し 然 あらば 神 は 如何 にして 世 を 審 き 給 ふべき。
7 わが 虚僞 によりて 神 の 誠實 いよいよ 顯 れ、その 榮光 とならんには、いかで 我 なほ 罪人 として 審 かるる 事 あらん。
8 また『善 を 來 らせん 爲 に 惡 をなすは 可 からずや』(或 者 われらを 譏 りて 之 を 我 らの 言 なりといふ)かかる 人 の 罪 に 定 めらるるは 正 し。
9 さらば 如何 ん、我 らの 勝 る 所 ありや、有 ることなし。我 ら 既 にユダヤ 人 もギリシヤ 人 もみな 罪 の 下 に 在 りと 告 げたり。
10 録 して『義人 なし、一人 だになし、
11 聰 き 者 なく、神 を 求 むる 者 なし。
12 みな 迷 ひて 相 共 に 空 しくなれり、善 をなす 者 なし、一人 だになし。
13 彼 らの 咽 は 開 きたる 墓 なり、舌 には 詭計 あり、口唇 のうちには 蝮 の 毒 あり、
14 その 口 は 詛 と 苦 とにて 滿 つ。
15 その 足 は 血 を 流 すに 速 し、
16 破壞 と 艱難 とその 道 にあり、
17 彼 らは 平和 の 道 を 知 らず。
18 その 眼前 に 神 をおそるる 畏 なし』とあるが 如 し。
19 それ 律法 の 言 ふところは 律法 の 下 にある 者 に 語 ると 我 らは 知 る、これは 凡 ての 口 ふさがり、神 の 審判 に 全世界 の 服 せん 爲 なり。
20 律法 の 行爲 によりては、一人 だに 神 のまへに 義 とせられず、律法 によりて 罪 は 知 らるるなり。
21 然 るに 今 や 律法 の 外 に 神 の 義 は 顯 れたり、これ 律法 と 預言者 とに 由 りて 證 せられ、
22 イエス・キリストを 信 ずるに 由 りて 凡 て 信 ずる 者 に 與 へたまふ 神 の 義 なり。之 には 何 等 の 差別 あるなし。
23 凡 ての 人、罪 を 犯 したれば 神 の 榮光 を 受 くるに 足 らず、
24 功 なくして 神 の 恩惠 により、キリスト・イエスにある 贖罪 によりて 義 とせらるるなり。
25 即 ち 神 は 忍耐 をもて 過來 しかたの 罪 を 見遁 し 給 ひしが、己 の 義 を 顯 さんとて、キリストを 立 て、その 血 によりて 信仰 によれる 宥 の 供物 となし 給 へり。
26 これ 今 おのれの 義 を 顯 して、自 ら 義 たらん 爲、またイエスを 信 ずる 者 を 義 とし 給 はん 爲 なり。
27 さらば 誇 るところ 何處 にあるか。既 に 除 かれたり、何 の 律法 に 由 りてか、行爲 の 律法 か、然 らず、信仰 の 律法 に 由 りてなり。
28 我 らは 思 ふ、人 の 義 とせらるるは、律法 の 行爲 によらず、信仰 に 由 るなり。
29 神 はただユダヤ 人 のみの 神 なるか、また 異邦人 の 神 ならずや、然 り、また 異邦人 の 神 なり。
30 神 は 唯一 にして、割禮 ある 者 を 信仰 によりて 義 とし、割禮 なき 者 をも 信仰 によりて 義 とし 給 へばなり。
31 然 らば 我 ら 信仰 をもて 律法 を 空 しくするか、決 して 然 らず、反 つて 律法 を 堅 うするなり。
Chapter 4
1 さらば 我 らの 先祖 アブラハムは 肉 につきて 何 を 得 たりと 言 はんか。
2 アブラハム 若 し 行爲 によりて 義 とせられたらんには 誇 るべき 所 あり、然 れど 神 の 前 には 有 ることなし。
3 聖書 に 何 と 云 へるか『アブラハム 神 を 信 ず、その 信仰 を 義 と 認 められたり』と。
4 それ 働 く 者 への 報酬 は 恩惠 といはず、負債 と 認 めらる。
5 されど 働 く 事 なくとも、敬虔 ならぬ 者 を 義 としたまふ 神 を 信 ずる 者 は、その 信仰 を 義 と 認 めらるるなり。
6 ダビデもまた 行爲 なくして 神 に 義 と 認 めらるる 人 の 幸福 につきて 斯 く 云 へり。曰 く、
7 『不法 を 免 され、罪 を 蔽 はれたる 者 は 幸福 なるかな、
8 主 が 罪 を 認 め 給 はぬ 人 は 幸福 なるかな』
9 されば 此 の 幸福 はただ 割禮 ある 者 にのみあるか、また 割禮 なき 者 にもあるか、我 らは 言 ふ『アブラハムはその 信仰 を 義 と 認 められたり』と。
10 如何 なるときに 義 と 認 められたるか、割禮 ののちか、無 割禮 のときか、割禮 の 後 ならず、無 割禮 の 時 なり。
11 而 して 無 割禮 のときの 信仰 によれる 義 の 印 として 割禮 の 徽 を 受 けたり、これ 無 割禮 にして 信 ずる 凡 ての 者 の 義 と 認 められん 爲 に、その 父 となり、
12 また 割禮 のみに 由 らず、我 らの 父 アブラハムの 無 割禮 のときの 信仰 の 跡 をふむ 割禮 ある 者 の 父 とならん 爲 なり。
13 アブラハム 世界 の 世嗣 たるべしとの 約束 を、アブラハムとその 裔 との 與 へられしは、律法 に 由 らず、信仰 の 義 に 由 れるなり。
14 もし 律法 による 者 ども 世嗣 たらば、信仰 は 空 しく 約束 は 廢 るなり。
15 それ 律法 は 怒 を 招 く、律法 なき 所 には 罪 を 犯 すこともなし。
16 この 故 に 世嗣 たることの 恩惠 に 干 らんために 信仰 に 由 るなり、是 かの 約束 のアブラハムの 凡 ての 裔、すなわち 律法 による 裔 のみならず、彼 の 信仰 に 效 ふ 裔 にも 堅 うせられん 爲 なり。
17 彼 はその 信 じたる 所 の 神、すなはち 死人 を 活 し、無 きものを 有 るものの 如 く 呼 びたまふ 神 の 前 にて、我等 すべての 者 の 父 たるなり。録 して『われ 汝 を 立 てて 多 くの 國人 の 父 とせり』とあるが 如 し。
18 彼 は 望 むべくもあらぬ 時 になほ 望 みて 信 じたり、是 なんぢの 裔 はかくの 如 くなるべしと 言 ひ 給 ひしに 隨 ひて、多 くの 國人 の 父 とならん 爲 なりき。
19 かくて 凡 そ 百歳 に 及 びて 己 が 身 の 死 にたるがごとき 状 なると、サラの 胎 の 死 にたるが 如 きとを 認 むれども、その 信仰 よわらず、
20 不 信 をもて 神 の 約束 を 疑 はず、信仰 により 強 くなりて 神 に 榮光 を 歸 し、
21 その 約 し 給 へることを、成 し 得給 ふと 確信 せり。
22 之 に 由 りて 其 の 信仰 を 義 と 認 められたり。
23 斯 く『義 と 認 められたり』と 録 したるは、アブラハムの 爲 のみならず、また 我 らの 爲 なり。
24 我 らの 主 イエスを 死人 の 中 より 甦 へらせ 給 ひし 者 を 信 ずる 我 らも、その 信仰 を 義 と 認 められん。
25 主 は 我 らの 罪 のために 付 され、我 らの 義 とせられん 爲 に 甦 へらせられ 給 へるなり。
Chapter 5
1 斯 く 我 ら 信仰 によりて 義 とせられたれば、我 らの 主 イエス・キリストに 頼 り、神 に 對 して 平和 を 得 たり。
2 また 彼 により 信仰 によりて、今 立 つところの 恩惠 に 入 ることを 得、神 の 榮光 を 望 みて 喜 ぶなり。
3 然 のみならず 患難 をも 喜 ぶ、そは 患難 は 忍耐 を 生 じ、
4 忍耐 は 練達 を 生 じ、練達 は 希望 を 生 ずと 知 ればなり。
5 希望 は 恥 を 來 らせず、我 らに 賜 ひたる 聖 靈 によりて 神 の 愛 われらの 心 に 注 げばなり。
6 我等 のなほ 弱 かりし 時、キリスト 定 りたる 日 に 及 びて、敬虔 ならぬ 者 のために 死 に 給 へり。
7 それ 義人 のために 死 ぬるもの 殆 どなし、仁者 のためには 死 ぬることを 厭 はぬ 者 もやあらん。
8 然 れど 我等 がなほ 罪人 たりし 時、キリスト 我等 のために 死 に 給 ひしに 由 りて、神 は 我 らに 對 する 愛 をあらはし 給 へり。
9 斯 く 今 その 血 に 頼 りて 我 ら 義 とせられたらんには、まして 彼 によりて 怒 より 救 はれざらんや。
10 我等 もし 敵 たりしとき 御子 の 死 に 頼 りて 神 と 和 ぐことを 得 たらんには、まして 和 ぎて 後 その 生命 によりて 救 はれざらんや。
11 然 のみならず 今 われらに 和睦 を 得 させ 給 へる 我 らの 主 イエス・キリストに 頼 りて 神 を 喜 ぶなり。
12 それ 一人 の 人 によりて 罪 は 世 に 入 り、また 罪 によりて 死 は 世 に 入 り、凡 ての 人 罪 を 犯 しし 故 に、死 は 凡 ての 人 に 及 べり。
13 律法 のきたる 前 にも 罪 は 世 にありき、されど 律法 なくば 罪 は 認 めらるること 無 し。
14 然 るにアダムよりモーセに 至 るまで、アダムの 咎 と 等 しき 罪 を 犯 さぬ 者 の 上 にも 死 は 王 たりき。アダムは 來 らんとする 者 の 型 なり。
15 されど 恩惠 の 賜物 は、かの 咎 の 如 きにあらず、一人 の 咎 によりて 多 くの 人 の 死 にたらんには、まして 神 の 恩惠 と 一人 の 人 イエス・キリストによる 恩惠 の 賜物 とは、多 くの 人 に 溢 れざらんや。
16 又 この 賜物 は 罪 を 犯 しし 一人 より 來 れるものの 如 きにあらず、審判 は 一人 よりして 罪 を 定 むるに 至 りしが、恩惠 の 賜物 は 多 くの 咎 よりして 義 とするに 至 るなり。
17 もし 一人 の 咎 のために 一人 によりて 死 は 王 となりたらんには、まして 恩惠 と 義 の 賜物 とを 豐 に 受 くる 者 は、一人 のイエス・キリストにより 生命 に 在 りて 王 たらざらんや。
18 されば 一 つの 咎 によりて 罪 を 定 むることの 凡 ての 人 に 及 びしごとく、一 つの 正 しき 行爲 によりて 義 とせられ 生命 を 得 るに 至 ることも、凡 ての 人 に 及 べり。
19 それは 一人 の 不 從順 によりて 多 くの 人 の 罪人 とせられし 如 く、一人 の 從順 によりて 多 くの 人、義人 とせらるるなり。
20 律法 の 來 りしは 咎 の 増 さんためなり。されど 罪 の 増 すところには 恩惠 も 彌増 せり。
21 これ 罪 の 死 によりて 王 たりし 如 く、恩惠 も 義 によりて 王 となり、我 らの 主 イエス・キリストに 由 りて 永遠 の 生命 に 至 らん 爲 なり。
Chapter 6
1 されば 何 をか 言 はん、恩惠 の 増 さんために 罪 のうちに 止 るべきか、
2 決 して 然 らず、罪 に 就 きて 死 にたる 我 らは 爭 で 尚 その 中 に 生 きんや。
3 なんじら 知 らぬか、凡 そキリスト・イエスに 合 ふバプテスマを 受 けたる 我 らは、その 死 に 合 ふバプテスマを 受 けしを。
4 我 らはバプテスマによりて 彼 とともに 葬 られ、その 死 に 合 せられたり。これキリスト 父 の 榮光 によりて 死人 の 中 より 甦 へらせられ 給 ひしごとく、我 らも 新 しき 生命 に 歩 まんためなり。
5 我 らキリストに 接 がれて、その 死 の 状 にひとしくば、その 復活 にも 等 しかるべし。
6 我 らは 知 る、われらの 舊 き 人、キリストと 共 に 十字架 につけられたるは、罪 の 體 ほろびて、此 ののち 罪 に 事 へざらん 爲 なるを。
7 そは 死 にし 者 は 罪 より 脱 るるなり。
8 我等 もしキリストと 共 に 死 にしならば、また 彼 とともに 活 きんことを 信 ず。
9 キリスト 死人 の 中 より 甦 へりて 復 死 に 給 はず、死 もまた 彼 に 主 とならぬを 我 ら 知 ればなり。
10 その 死 に 給 へるは 罪 につきて 一 たび 死 に 給 へるにて、その 活 き 給 へるは 神 につきて 活 き 給 へるなり。
11 斯 くのごとく 汝 らも 己 を 罪 につきては 死 にたるもの、神 につきては、キリスト・イエスに 在 りて 活 きたる 者 と 思 ふべし。
12 されば 罪 を 汝 らの 死 ぬべき 體 に 王 たらしめて 其 の 慾 に 從 ふことなく、
13 汝 らの 肢體 を 罪 に 献 げて 不義 の 器 となさず、反 つて 死人 の 中 より 活 き 返 りたる 者 のごとく 己 を 神 にささげ、その 肢體 を 義 の 器 として 神 に 献 げよ。
14 汝 らは 律法 の 下 にあらずして 恩惠 の 下 にあれば、罪 は 汝 らに 主 となる 事 なきなり。
15 然 らば 如何 に、我 らは 律法 の 下 にあらず、恩惠 の 下 にあるが 故 に、罪 を 犯 すべきか、決 して 然 らず。
16 なんぢら 知 らぬか、己 を 献 げ 僕 となりて、誰 に 從 ふとも 其 の 僕 たることを。或 は 罪 の 僕 となりて 死 に 至 り、或 は 從順 の 僕 となりて 義 に 至 る。
17 然 れど 神 に 感謝 す、汝 等 はもと 罪 の 僕 なりしが、傳 へられし 教 の 範 に 心 より 從 ひ、
18 罪 より 解放 されて 義 の 僕 となりたり。
19 斯 く 人 の 事 をかりて 言 ふは、汝 らの 肉 よわき 故 なり。なんぢら 舊 その 肢體 をささげ、穢 と 不法 との 僕 となりて 不法 に 到 りしごとく、今 その 肢體 をささげ、義 の 僕 となりて 潔 に 到 れ。
20 なんぢら 罪 の 僕 たりしときは 義 に 對 して 自由 なりき。
21 その 時 に 今 は 恥 とする 所 の 事 によりて 何 の 實 を 得 しか、これらの 事 の 極 は 死 なり。
22 然 れど 今 は 罪 より 解放 されて 神 の 僕 となりたれば、潔 にいたる 實 を 得 たり、その 極 は 永遠 の 生命 なり。
23 それ 罪 の 拂 ふ 價 は 死 なり、然 れど 神 の 賜物 は 我 らの 主 キリスト・イエスにありて 受 くる 永遠 の 生命 なり。
Chapter 7
1 兄弟 よ、なんぢら 知 らぬか、(われ 律法 を 知 る 者 に 語 る)律法 は 人 の 生 ける 間 のみ 之 に 主 たるなり。
2 夫 ある 婦 は 律法 によりて 夫 の 生 ける 中 は 之 に 縛 らる。然 れど 夫 死 なば 夫 の 律法 より 解 かるるなり。
3 されば 夫 の 生 ける 中 に 他 の 人 に 適 かば 淫婦 と 稱 へらるれど、夫 死 なばその 律法 より 解放 さるる 故 に、他 の 人 に 適 くとも 淫婦 とはならぬなり。
4 わが 兄弟 よ、斯 くのごとく 汝 等 もキリストの 體 により 律法 に 就 きて 死 にたり。これ 他 の 者、すなはち 死人 の 中 より 甦 へらせられ 給 ひし 者 に 適 き、神 のために 實 を 結 ばん 爲 なり。
5 われら 肉 に 在 りしとき、律法 に 由 れる 罪 の 情 は 我 らの 肢體 のうちに 働 きて、死 のために 實 を 結 ばせたり。
6 されど 縛 られたる 所 に 就 きて 我等 いま 死 にて 律法 より 解 かれたれば、儀文 の 舊 きによらず、靈 の 新 しきに 從 ひて 事 ふることを 得 るなり。
7 さらば 何 をか 言 はん、律法 は 罪 なるか、決 して 然 らず、律法 に 由 らでは、われ 罪 を 知 らず、律法 に『貪 る 勿 れ』と 言 はずば、慳貪 を 知 らざりき。
8 されど 罪 は 機 に 乘 じ 誡命 によりて 各樣 の 慳貪 を 我 がうちに 起 せり、律法 なくば 罪 は 死 にたるものなり。
9 われ 曾 て 律法 なくして 生 きたれど、誡命 きたりし 時 に 罪 は 生 き、我 は 死 にたり。
10 而 して 我 は 生命 にいたるべき 誡命 の 反 つて 死 に 到 らしむるを 見出 せり。
11 これ 罪 は 機 に 乘 じ 誡命 によりて 我 を 欺 き、かつ 之 によりて 我 を 殺 せり。
12 それ 律法 は 聖 なり、誡命 もまた 聖 にして 正 しく、かつ 善 なり。
13 されば 善 なるもの 我 に 死 となりたるか。決 して 然 らず、罪 は 罪 たることの 現 れんために、善 なる 者 によりて 我 が 内 に 死 を 來 らせたるなり。これ 誡命 によりて 罪 の 甚 だしき 惡 とならん 爲 なり。
14 われら 律法 は 靈 なるものと 知 る、されど 我 は 肉 なる 者 にて 罪 の 下 に 賣 られたり。
15 わが 行 ふことは 我 しらず、我 が 欲 する 所 は 之 をなさず、反 つて 我 が 憎 むところは 之 を 爲 すなり。
16 わが 欲 せぬ 所 を 爲 すときは 律法 の 善 なるを 認 む。
17 然 れば 之 を 行 ふは 我 にあらず、我 が 中 に 宿 る 罪 なり。
18 我 はわが 中、すなわち 我 が 肉 のうちに 善 の 宿 らぬを 知 る、善 を 欲 すること 我 にあれど、之 を 行 ふ 事 なければなり。
19 わが 欲 する 所 の 善 は 之 をなさず、反 つて 欲 せぬ 所 の 惡 は 之 をなすなり。
20 我 もし 欲 せぬ 所 の 事 をなさば、之 を 行 ふは 我 にあらず、我 が 中 に 宿 る 罪 なり。
21 然 れば 善 をなさんと 欲 する 我 に 惡 ありとの 法 を、われ 見出 せり。
22 われ 中 なる 人 にては 神 の 律法 を 悦 べど、
23 わが 肢體 のうちに 他 の 法 ありて、我 が 心 の 法 と 戰 ひ、我 を 肢體 の 中 にある 罪 の 法 の 下 に 虜 とするを 見 る。
24 噫 われ 惱 める 人 なるかな、此 の 死 の 體 より 我 を 救 はん 者 は 誰 ぞ。
25 我 らの 主 イエス・キリストに 頼 りて 神 に 感謝 す、然 れば 我 みづから 心 にては 神 の 律法 につかへ、内 にては 罪 の 法 に 事 ふるなり。
Chapter 8
1 この 故 に 今 やキリスト・イエスに 在 る 者 は 罪 の 定 めらるることなし。
2 キリスト・イエスに 在 る 生命 の 御靈 の 法 は、なんじを 罪 と 死 との 法 より 解放 したればなり。
3 肉 によりて 弱 くなれる 律法 の 成 し 能 はぬ 所 を 神 は 爲 し 給 へり、即 ち 己 の 子 を 罪 ある 肉 の 形 にて 罪 のために 遣 し、肉 に 於 て 罪 を 定 めたまへり。
4 これ 肉 に 從 はず 靈 に 從 ひて 歩 む 我 らの 中 に、律法 の 義 の 完 うせられん 爲 なり。
5 肉 にしたがふ 者 は 肉 の 事 をおもひ、靈 にしたがふ 者 は 靈 の 事 をおもふ。
6 肉 の 念 は 死 なり、靈 の 念 は 生命 なり、平安 なり。
7 肉 の 念 は 神 に 逆 ふ、それは 神 の 律法 に 服 はず、否 したがふこと 能 はず、
8 また 肉 に 居 る 者 は 神 を 悦 ばすこと 能 はざるなり。
9 然 れど 神 の 御靈 なんぢらの 中 に 宿 り 給 はば、汝 らは 肉 に 居 らで 靈 に 居 らん、キリストの 御靈 なき 者 はキリストに 屬 する 者 にあらず。
10 若 しキリスト 汝 らに 在 さば、體 は 罪 によりて 死 にたる 者 なれど、靈 は 義 によりて 生命 に 在 らん。
11 若 しイエスを 死人 の 中 より 甦 へらせ 給 ひし 者 の 御靈 なんぢらの 中 に 宿 り 給 はば、キリスト・イエスを 死人 の 中 より 甦 へらせ 給 ひし 者 は、汝 らの 中 に 宿 りたまふ 御靈 によりて、汝 らの 死 ぬべき 體 をも 活 し 給 はん。
12 されば 兄弟 よ、われらは 負債 あれど、肉 に 負 ふ 者 ならねば、肉 に 從 ひて 活 くべきにあらず。
13 汝 等 もし 肉 に 從 ひて 活 きなば、死 なん。もし 靈 によりて 體 の 行爲 を 殺 さば 活 くべし。
14 すべて 神 の 御靈 に 導 かるる 者 は、これ 神 の 子 なり。
15 汝 らは 再 び 懼 を 懷 くために 僕 たる 靈 を 受 けしにあらず、子 とせられたる 者 の 靈 を 受 けたり、之 によりて 我 らはアバ 父 と 呼 ぶなり。
16 御靈 みづから 我 らの 靈 とともに 我 らが 神 の 子 たることを 證 す。
17 もし 子 たらば 世嗣 たらん、神 の 嗣子 にしてキリストと 共 に 世嗣 たるなり。これはキリストとともに 榮光 を 受 けん 爲 に、その 苦難 をも 共 に 受 くるに 因 る。
18 われ 思 うに、今 の 時 の 苦難 は、われらの 上 に 顯 れんとする 榮光 にくらぶるに 足 らず。
19 それ 造 られたる 者 は、切 に 慕 ひて 神 の 子 たちの 現 れんことを 待 つ。
20 造 られたるものの 虚無 に 服 せしは、己 が 願 によるにあらず、服 せしめ 給 ひし 者 によるなり。
21 然 れどなほ 造 られたる 者 にも 滅亡 の 僕 たる 状 より 解 かれて、神 の 子 たちの 光榮 の 自由 に 入 る 望 は 存 れり。
22 我 らは 知 る、すべて 造 られたるものの 今 に 至 るまで 共 に 嘆 き、ともに 苦 しむことを。
23 然 のみならず、御靈 の 初 の 實 をもつ 我 らも 自 ら 心 のうちに 嘆 きて、子 とせられんこと、即 ちおのが 軆 の 贖 はれんことを 待 つなり。
24 我 らは 望 によりて 救 はれたり、眼 に 見 ゆる 望 は 望 にあらず、人 その 見 るところを 爭 でなほ 望 まんや。
25 我等 もし 其 の 見 ぬところを 望 まば、忍耐 をもて 之 を 待 たん。
26 斯 くのごとく 御靈 も 我 らの 弱 を 助 けたまふ。我 らは 如何 に 祈 るべきかを 知 らざれども、御靈 みづから 言 ひ 難 き 歎 をもて 執成 し 給 ふ。
27 また 人 の 心 を 極 めたまふ 者 は 御靈 の 念 をも 知 りたまふ。御靈 は 神 の 御意 に 適 ひて 聖徒 のために 執成 し 給 へばなり。
28 神 を 愛 する 者、すなはち 御旨 によりて 召 されたる 者 の 爲 には、凡 てのこと 相 働 きて 益 となるを 我 らは 知 る。
29 神 は 預 じめ 知 りたまふ 者 を 御子 の 像 に 象 らせんと 預 じめ 定 め 給 へり。これ 多 くの 兄弟 のうちに、御子 を 嫡子 たらせんが 爲 なり。
30 又 その 預 じめ 定 めたる 者 を 召 し、召 したる 者 を 義 とし、義 としたる 者 には 光榮 を 得 させ 給 ふ。
31 然 れば 此 等 の 事 につきて 何 をか 言 はん、神 もし 我 らの 味方 ならば、誰 か 我 らに 敵 せんや。
32 己 の 御子 を 惜 まずして 我 ら 衆 のために 付 し 給 ひし 者 は、などか 之 にそへて 萬物 を 我 らに 賜 はざらんや。
33 誰 か 神 の 選 び 給 へる 者 を 訴 へん、神 は 之 を 義 とし 給 ふ。
34 誰 か 之 を 罪 に 定 めん、死 にて 甦 へり 給 ひしキリスト・イエスは 神 の 右 に 在 して、我 らの 爲 に 執成 し 給 ふなり。
35 我等 をキリストの 愛 より 離 れしむる 者 は 誰 ぞ、患難 か、苦難 か、迫害 か、飢 か、裸 か、危險 か、劍 か。
36 録 して『汝 のために 我 らは、終日 ころされて 屠 らるべき 羊 の 如 きものとせられたり』とあるが 如 し。
37 されど 凡 てこれらの 事 の 中 にありても、我 らを 愛 したまふ 者 に 頼 り、勝 ち 得 て 餘 あり。
38 われ 確 く 信 ず、死 も 生命 も、御使 も、權威 ある 者 も、今 ある 者 も 後 あらん 者 も、力 ある 者 も、
39 高 きも 深 きも、此 の 他 の 造 られたるものも、我 らの 主 キリスト・イエスにある 神 の 愛 より、我 らを 離 れしむるを 得 ざることを。
Chapter 9
1 我 キリストに 在 りて 眞 をいひ 虚僞 を 言 はず、
2 我 に 大 なる 憂 あることと 心 に 絶 えざる 痛 あることとを、我 が 良心 も 聖 靈 によりて 證 す。
3 もし 我 が 兄弟 わが 骨肉 の 爲 にならんには、我 みづから 詛 はれてキリストに 棄 てらるるも 亦 ねがふ 所 なり。
4 彼 等 はイスラエル 人 にして、彼 らには 神 の 子 とせられたることと、榮光 と、もろもろの 契約 と、授 けられたる 律法 と、禮拜 と、もろもろの 約束 とあり。
5 先祖 たちも 彼 等 のものなり、肉 によれば、キリストも 彼 等 より 出 で 給 ひたり。キリストは 萬物 の 上 にあり、永遠 に 讃 むべき 神 なり、アァメン。
6 それ 神 の 言 は 廢 りたるに 非 ず。イスラエルより 出 づる 者 みなイスラエルなるに 非 ず。
7 また 彼 等 はアブラハムの 裔 なればとて 皆 その 子 たるに 非 ず『イサクより 出 づる 者 は、なんぢの 裔 と 稱 へらるべし』とあり。
8 即 ち 肉 の 子 らは 神 の 子 らにあらず、ただ 約束 の 子 等 のみ 其 の 裔 と 認 めらるるなり。
9 約束 の 御言 は 是 なり、曰 く『時 ふたたび 巡 り 來 らば、我 きたりてサラに 男子 あらん』と。
10 然 のみならず、レベカも 我 らの 先祖 イサク 一人 によりて 孕 りたる 時、
11 その 子 いまだ 生 れず、善 も 惡 もなさぬ 間 に、神 の 選 の 御旨 は 動 かず、
12 行爲 によらで 召 す 者 によらん 爲 に『兄 は 次弟 に 事 ふべし』とレベカに 宣 へり。
13 『われヤコブを 愛 しエザウを 憎 めり』と 録 されたる 如 し。
14 さらば 何 をか 言 はん、神 には 不義 あるか。決 して 然 らず。
15 モーセに 言 ひ 給 ふ『われ 憐 まんとする 者 をあはれみ、慈悲 を 施 さんとする 者 に 慈悲 を 施 すべし』と。
16 されば 欲 する 者 にも 由 らず、走 る 者 にも 由 らず、ただ 憐 みたまふ 神 に 由 るなり。
17 パロにつきて 聖書 に 言 ひ 給 ふ『わが 汝 を 起 したるは 此 の 爲 なり、即 ち 我 が 能力 を 汝 によりて 顯 し、且 わが 名 の 全世界 に 傳 へられん 爲 なり』と。
18 されば 神 はその 憐 まんと 欲 する 者 を 憐 み、その 頑固 にせんと 欲 する 者 を 頑固 にし 給 ふなり。
19 さらば 汝 あるいは 我 に 言 はん『神 なんぞなほ 人 を 咎 め 給 ふか、誰 かその 御定 に 悖 る 者 あらん』
20 ああ 人 よ、なんぢ 誰 なれば 神 に 言 ひ 逆 ふか、造 られしもの 造 りたる 者 に 對 ひて『なんぢ 何 ぞ 我 を 斯 く 造 りし』と 言 ふべきか。
21 陶工 は 同 じ 土塊 をもて、此 を 貴 きに 用 ふる 器 とし、彼 を 賤 しきに 用 ふる 器 とするの 權 なからんや。
22 もし 神、怒 をあらはし 權力 を 示 さんと 思 しつつも、なほ 大 なる 寛容 をもて、滅亡 に 備 れる 怒 の 器 を 忍 び、
23 また 光榮 のために 預 じめ 備 へ 給 ひし 憐憫 の 器 に 對 ひて、その 榮光 の 富 を 示 さんとし 給 ひしならば 如何 に。
24 この 憐憫 の 器 は 我等 にして、ユダヤ 人 の 中 よりのみならず、異邦人 の 中 よりも 召 し 給 ひしものなり。
25 ホゼヤの 書 に『我 わが 民 たらざる 者 を 我 が 民 と 呼 び、愛 せられざる 者 を 愛 せらるる 者 と 呼 ばん、
26 「なんぢら 我 が 民 にあらず」と 言 ひし 處 にて、彼 らは 活 ける 神 の 子 と 呼 ばるべし』と 宣 へる 如 し。
27 イザヤもイスラエルに 就 きて 叫 べり『イスラエルの 子孫 の 數 は 海 の 砂 のごとくなりとも、救 はるるはただ 殘 の 者 のみならん。
28 主、地 の 上 に 御言 をなし 了 へ、これを 遂 げ、これを 速 かにし 給 はん』
29 また『萬軍 の 主 われらに 裔 を 遺 し 給 はずば、我等 ソドムの 如 くになり、ゴモラと 等 しかりしならん』とイザヤの 預言 せしが 如 し。
30 然 らば 何 をか 言 はん、義 を 追 ひ 求 めざりし 異邦人 は 義 を 得 たり、即 ち 信仰 による 義 なり。
31 イスラエルは 義 の 律法 を 追 ひ 求 めたれど、その 律法 に 到 らざりき。
32 何 の 故 か、かれらは 信仰 によらず、行爲 によりて 追 ひ 求 めたる 故 なり。彼 らは 躓 く 石 に 躓 きたり。
33 録 して『視 よ、我 つまづく 石 さまたぐる 岩 をシオンに 置 く、之 に 依頼 む 者 は 辱 しめられじ』とあるが 如 し。
Chapter 10
1 兄弟 よ、わが 心 のねがひ、神 に 對 する 祈 は、彼 らの 救 はれんことなり。
2 われ 彼 らが 神 のために 熱心 なることを 證 す、されど 其 の 熱心 は 知識 によらざるなり。
3 それは 神 の 義 を 知 らず、己 の 義 を 立 てんとして、神 の 義 に 服 はざればなり。
4 キリストは 凡 て 信 ずる 者 の 義 とせられん 爲 に 律法 の 終 となり 給 へり。
5 モーセは、律法 による 義 をおこなふ 人 は 之 によりて 生 くべしと 録 したり。
6 されど 信仰 による 義 は 斯 くいふ『なんぢ 心 に「誰 か 天 に 昇 らん」と 言 ふなかれ』と。
7 これキリストを 引下 さんとするなり『また「たれか 底 なき 所 に 下 らん」と 言 ふなかれ』と。是 キリストを 死人 の 中 より 引上 げんとするなり。
8 さらば 何 と 言 ふか『御言 はなんぢに 近 し、なんぢの 口 にあり、汝 の 心 にあり』と。これ 我 らが 宣 ぶる 信仰 の 言 なり。
9 即 ち、なんぢ 口 にてイエスを 主 と 言 ひあらはし、心 にて 神 の 之 を 死人 の 中 より 甦 へらせ 給 ひしことを 信 ぜば、救 はるべし。
10 それ 人 は 心 に 信 じて 義 とせられ、口 に 言 ひあらはして 救 はるるなり。
11 聖書 にいふ『すべて 彼 を 信 ずる 者 は 辱 しめられじ』と。
12 ユダヤ 人 とギリシヤ 人 との 區別 なし、同一 の 主 は 萬民 の 主 にましまして、凡 て 呼 び 求 むる 者 に 對 して 豐 なり。
13 『すべて 主 の 御名 を 呼 び 求 むる 者 は 救 はるべし』とあればなり。
14 然 れど 未 だ 信 ぜぬ 者 を 爭 で 呼 び 求 むることをせん、未 だ 聽 かぬ 者 を 爭 で 信 ずることをせん、宣傳 ふる 者 なくば 爭 で 聽 くことをせん。
15 遣 されずば 爭 で 宣傳 ふることをせん『ああ 美 しきかな、善 き 事 を 告 ぐる 者 の 足 よ』と 録 されたる 如 し。
16 されど、みな 福音 に 從 ひしにはあらず、イザヤいふ『主 よ、われらに 聞 きたる 言 を 誰 か 信 ぜし』
17 斯 く 信仰 は 聞 くにより、聞 くはキリストの 言 による。
18 されど 我 いふ、彼 ら 聞 えざりしか、然 らず『その 聲 は 全地 にゆきわたり、其 の 言 は 世界 の 極 にまで 及 べり』
19 我 また 言 ふ、イスラエルは 知 らざりしか、先 づモーセ 言 ふ『われ 民 ならぬ 者 をもて 汝 らに 嫉 を 起 させ、愚 なる 民 をもて 汝 らを 怒 らせん』
20 またイザヤ 憚 らずして 言 ふ『我 を 求 めざる 者 に、われ 見出 され、我 を 尋 ねざる 者 に 我 あらはれたり』
21 更 にイスラエルに 就 きては『われ 服 はずして 言 ひさからふ 民 に、終日 手 を 伸 べたり』と 云 へり。
Chapter 11
1 されば 我 いふ、神 はその 民 を 棄 て 給 ひしか。決 して 然 らず。我 もイスラエル 人 にしてアブラハムの 裔 ベニヤミンの 族 の 者 なり。
2 神 はその 預 じめ 知 り 給 ひし 民 を 棄 て 給 ひしにあらず。汝 らエリヤに 就 きて 聖書 に 云 へることを 知 らぬか、彼 イスラエルを 神 に 訴 へて 言 ふ、
3 『主 よ、彼 らは 汝 の 預言者 たちを 殺 し、なんぢの 祭壇 を 毀 ち、我 ひとり 遺 りたるに、亦 わが 生命 をも 求 めんとするなり』と。
4 然 るに 御答 は 何 と 云 へるか『われバアルに 膝 を 屈 めぬ 者、七 千 人 を 我 がために 遺 し 置 けり』と。
5 斯 くのごとく 今 もなほ 恩惠 の 選 によりて 遺 れる 者 あり。
6 もし 恩惠 によるとせば、もはや 行爲 によるにあらず。然 らずば 恩惠 はもはや 恩惠 たらざるべし。
7 さらば 如何 に、イスラエルはその 求 むる 所 を 得 ず、選 ばれたる 者 は 之 を 得 たり、その 他 の 者 は 鈍 くせられたり。
8 『神 は 今日 に 至 るまで、彼 らに 眠 れる 心、見 えぬ 目、聞 えぬ 耳 を 與 へ 給 へり』と 録 されたるが 如 し。
9 ダビデも 亦 いふ『かれらの 食卓 は 羂 となれ、網 となれ、つまづきとなれ、報 となれ、
10 その 眼 は 眩 みて 見 えずなれ、常 にその 背 を 屈 めしめ 給 へ』
11 されば 我 いふ、彼 らの 躓 きしは 倒 れんが 爲 なりや。決 して 然 らず、反 つて 其 の 落度 によりて 救 は 異邦人 に 及 べり、これイスラエルを 勵 まさん 爲 なり。
12 もし 彼 らの 落度、世 の 富 となり、その 衰微、異邦人 の 富 となりたらんには、まして 彼 らの 數 滿 つるに 於 てをや。
13 われ 異邦人 なる 汝 等 にいふ、我 は 異邦人 の 使徒 たるによりて 己 が 職 を 重 んず。
14 これ 或 は 我 が 骨肉 の 者 を 勵 まし、その 中 の 幾許 かを 救 はん 爲 なり。
15 もし 彼 らの 棄 てらるること 世 の 平和 となりたらんには、其 の 受 け 納 れらるるは、死人 の 中 より 活 くると 等 しからずや。
16 もし 初穗 の 粉 潔 くば、パンの 團塊 も 潔 く、樹 の 根 潔 くば、其 の 枝 も 潔 からん。
17 若 しオリブの 幾許 の 枝 きり 落 されて 野 のオリブなる 汝、その 中 に 接 がれ、共 にその 樹 の 液汁 ある 根 に 與 らば、
18 かの 枝 に 對 ひて 誇 るな、たとひ 誇 るとも 汝 は 根 を 支 へず、根 は 反 つて 汝 を 支 ふるなり。
19 なんぢ 或 は 言 はん『枝 の 折 られしは 我 が 接 がれん 爲 なり』と。
20 實 に 然 り、彼 らは 不 信 によりて 折 られ、汝 は 信仰 によりて 立 てるなり、高 ぶりたる 思 をもたず、反 つて 懼 れよ。
21 もし 神、原 樹 の 枝 を 惜 み 給 はざりしならば、汝 をも 惜 み 給 はじ。
22 神 の 仁慈 と、その 嚴肅 とを 見 よ。嚴肅 は 倒 れし 者 にあり、仁慈 はその 仁慈 に 止 る 汝 にあり、若 しその 仁慈 に 止 らずば、汝 も 切 り 取 らるべし。
23 彼 らも 若 し 不 信 に 止 らずば、接 がるることあらん、神 は 再 び 彼 らを 接 ぎ 得給 ふなり。
24 なんぢ 生來 の 野 のオリブより 切 り 取 られ、その 生來 に 悖 りて 善 きオリブに 接 がれたらんには、まして 原 樹 のままなる 枝 は 己 がオリブに 接 がれざらんや。
25 兄弟 よ、われ 汝 らが 自己 を 聰 しとする 事 なからん 爲 に、この 奧義 を 知 らざるを 欲 せず、即 ち 幾許 のイスラエルの 鈍 くなれるは、異邦人 の 入 り 來 りて 數 滿 つるに 及 ぶ 時 までなり。
26 かくしてイスラエルは 悉 とく 救 はれん。録 して『救 ふ 者 シオンより 出 で 來 りて、ヤコブより 不虔 を 取 り 除 かん、
27 われその 罪 を 除 くときに 彼 らに 立 つる 我 が 契約 は 是 なり』とあるが 如 し。
28 福音 につきて 云 へば、汝 等 のために 彼 らは 敵 とせられ、選 につきて 云 へば、先祖 たちの 爲 に 彼 らは 愛 せらるるなり。
29 それ 神 の 賜物 と 召 とは 變 ることなし。
30 汝 ら 前 には 神 に 從 はざりしが、今 は 彼 らの 不順 によりて 憐 まれたる 如 く、
31 彼 らも 汝 らの 受 くる 憐憫 によりて 憐 まれん 爲 に、今 は 從 はざるなり。
32 神 は 凡 ての 人 を 憐 まんために、凡 ての 人 を 不順 の 中 に 取籠 め 給 ひたり。
33 ああ 神 の 智慧 と 知識 との 富 は 深 いかな、その 審判 は 測 り 難 く、その 途 は 尋 ね 難 し。
34 『たれか 主 の 心 を 知 りし、誰 かその 議士 となりし。
35 たれか 先 づ 主 に 與 へて 其 の 報 を 受 けんや』
36 これ 凡 ての 物 は 神 より 出 で、神 によりて 成 り、神 に 歸 すればなり、榮光 とこしへに 神 にあれ。アァメン。
Chapter 12
1 されば 兄弟 よ、われ 神 のもろもろの 慈悲 によりて 汝 らに 勸 む、己 が 身 を 神 の 悦 びたまふ 潔 き 活 ける 供物 として 献 げよ、これ 靈 の 祭 なり。
2 又 この 世 に 效 ふな、神 の 御意 の 善 にして 悦 ぶべく、かつ 全 きことを 辨 へ 知 らんために、心 を 更 へて 新 にせよ。
3 われ 與 へられし 恩惠 によりて 汝 等 おのおのに 告 ぐ、思 ふべき 所 を 超 えて 自己 を 高 しとすな。神 のおのおのに 分 ち 給 ひし 信仰 の 量 にしたがひ 愼 みて 思 ふべし。
4 人 は 一 つ 體 におほくの 肢 あれども、凡 ての 肢 その 運用 を 同 じうせぬ 如 く、
5 我 らも 多 くあれど、キリストに 在 りて 一 つ 體 にして、各人 たがひに 肢 たるなり。
6 われらが 有 てる 賜物 はおのおの 與 へられし 恩惠 によりて 異 なる 故 に、或 は 預言 あらば 信仰 の 量 にしたがひて 預言 をなし、
7 或 は 務 あらば 務 をなし、或 は 教 をなす 者 は 教 をなし、
8 或 は 勸 をなす 者 は 勸 をなし、施 す 者 はをしみなく 施 し、治 むる 者 は 心 を 盡 して 治 め、憐憫 をなす 者 は 喜 びて 憐憫 をなすべし。
9 愛 には 虚僞 あらざれ、惡 はにくみ、善 はしたしみ、
10 兄弟 の 愛 をもて 互 に 愛 しみ、禮儀 をもて 相 讓 り、
11 勤 めて 怠 らず、心 を 熱 くし、主 につかへ、
12 望 みて 喜 び、患難 にたへ、祈 を 恆 にし、
13 聖徒 の 缺乏 を 賑 し、旅人 を 懇 ろに 待 せ、
14 汝 らを 責 むる 者 を 祝 し、これを 祝 して 詛 ふな。
15 喜 ぶ 者 と 共 によろこび、泣 く 者 と 共 になけ。
16 相 互 に 心 を 同 じうし、高 ぶりたる 思 をなさず、反 つて 卑 きに 附 け。なんぢら 己 を 聰 しとすな。
17 惡 をもて 惡 に 報 いず、凡 ての 人 のまへに 善 からんことを 圖 り、
18 汝 らの 爲 し 得 るかぎり 力 めて 凡 ての 人 と 相 和 げ。
19 愛 する 者 よ、自 ら 復讐 すな、ただ 神 の 怒 に 任 せまつれ。録 して『主 いひ 給 ふ、復讐 するは 我 にあり、我 これに 報 いん』とあり。
20 『もし 汝 の 仇 飢 ゑなば 之 に 食 はせ、渇 かば 之 に 飮 ませよ、なんぢ 斯 するは 熱 き 火 を 彼 の 頭 に 積 むなり』
21 惡 に 勝 たるることなく、善 をもて 惡 に 勝 て。
Chapter 13
1 凡 ての 人、上 にある 權威 に 服 ふべし。そは 神 によらぬ 權威 なく、あらゆる 權威 は 神 によりて 立 てらる。
2 この 故 に 權威 にさからふ 者 は 神 の 定 に 悖 るなり、悖 る 者 は 自 らその 審判 を 招 かん。
3 長 たる 者 は 善 き 業 の 懼 にあらず、惡 しき 業 の 懼 なり、なんぢ 權威 を 懼 れざらんとするか、善 をなせ、然 らば 彼 より 譽 を 得 ん。
4 かれは 汝 を 益 せんための 神 の 役者 なり。然 れど 惡 をなさば 懼 れよ、彼 は 徒 らに 劍 をおびず、神 の 役者 にして、惡 をなす 者 に 怒 をもて 報 ゆるなり。
5 然 れば 服 はざるべからず、啻 に 怒 の 爲 のみならず、良心 のためなり。
6 また 之 がために 汝 ら 貢 を 納 む、彼 らは 神 の 仕人 にして 此 の 職 に 勵 むなり。
7 汝 等 その 負債 をおのおのに 償 へ、貢 を 受 くべき 者 に 貢 ををさめ、税 を 受 くべき 者 に 税 ををさめ、畏 るべき 者 をおそれ、尊 ぶべき 者 をたふとべ。
8 汝 等 たがひに 愛 を 負 ふのほか 何 をも 人 に 負 ふな。人 を 愛 する 者 は 律法 を 全 うするなり。
9 それ『姦淫 する 勿 れ、殺 すなかれ、盜 むなかれ、貪 るなかれ』と 云 へるこの 他 なほ 誡命 ありとも『おのれの 如 く 隣 を 愛 すべし』といふ 言 の 中 にみな 籠 るなり。
10 愛 は 隣 を 害 はず、この 故 に 愛 は 律法 の 完全 なり。
11 なんぢら 時 を 知 る 故 に、いよいよ 然 なすべし。今 は 眠 より 覺 むべき 時 なり。始 めて 信 ぜし 時 よりも 今 は 我 らの 救 近 ければなり。
12 夜 ふけて 日 近 づきぬ、然 れば 我 ら 暗黒 の 業 をすてて 光明 の 甲 を 著 るべし。
13 晝 のごとく 正 しく 歩 みて 宴樂・醉酒 に、淫樂・好色 に、爭鬪・嫉妬 に 歩 むべきに 非 ず。
14 ただ 汝 ら 主 イエス・キリストを 衣 よ、肉 の 慾 のために 備 すな。
Chapter 14
1 なんぢら 信仰 の 弱 き 者 を 容 れよ、その 思 ふところを 詰 るな。
2 或 人 は 凡 ての 物 を 食 ふを 可 しと 信 じ、弱 き 人 はただ 野菜 を 食 ふ。
3 食 ふ 者 は 食 はぬ 者 を 蔑 すべからず、食 はぬ 者 は 食 ふ 者 を 審 くべからず、神 は 彼 を 容 れ 給 へばなり。
4 なんぢ 如何 なる 者 なれば、他人 の 僕 を 審 くか、彼 が 立 つも 倒 るるも 其 の 主人 に 由 れり。彼 は 必 ず 立 てられん、主 は 能 く 之 を 立 たせ 給 ふべし。
5 或 人 は 此 の 日 を 彼 の 日 に 勝 ると 思 ひ、或 人 は 凡 ての 日 を 等 しとおもふ、各人 おのが 心 の 中 に 確 く 定 むべし。
6 日 を 重 んずる 者 は 主 のために 之 を 重 んず。食 ふ 者 は 主 のために 食 ふ、これ 神 に 感謝 すればなり。食 はぬ 者 も 主 のために 食 はず、かつ 神 に 感謝 するなり。
7 我等 のうち 己 のために 生 ける 者 なく、己 のために 死 ぬる 者 なし。
8 われら 生 くるも 主 のために 生 き、死 ぬるも 主 のために 死 ぬ。然 れば 生 くるも 死 ぬるも 我 らは 主 の 有 なり。
9 それキリストの 死 にて 復 生 き 給 ひしは、死 にたる 者 と 生 ける 者 との 主 とならん 爲 なり。
10 なんぢ 何 ぞその 兄弟 を 審 くか、汝 なんぞ 其 の 兄弟 を 蔑 するか、我等 はみな 神 の 審判 の 座 の 前 に 立 つべし。
11 録 して『主 いひ 給 ふ、我 は 生 くるなり、凡 ての 膝 はわが 前 に 屈 み、凡 ての 舌 は 神 を 讃 め 稱 へん』とあり。
12 我等 おのおの 神 のまへに 己 の 事 を 陳 ぶべし。
13 されば 今 より 後、われら 互 に 審 くべからず、むしろ 兄弟 のまへに 妨碍 または 躓物 を 置 かぬように 心 を 決 めよ。
14 われ 如何 なる 物 も 自 ら 潔 からぬ 事 なきを 主 イエスに 在 りて 知 り、かつ 確 く 信 ず。ただ 潔 からずと 思 ふ 人 にのみ 潔 からぬなり。
15 もし 食物 によりて 兄弟 を 憂 ひしめば、汝 は 愛 によりて 歩 まざるなり、キリストの 代 りて 死 に 給 ひし 人 を、汝 の 食物 によりて 亡 すな。
16 汝 らの 善 きことの 譏 られぬようにせよ。
17 それ 神 の 國 は 飮食 にあらず、義 と 平和 と 聖 靈 によれる 歡喜 とに 在 るなり。
18 かくしてキリストに 事 ふる 者 は 神 に 悦 ばれ、人々 に 善 しとせらるるなり。
19 されば 我 ら 平和 のことと 互 に 徳 を 建 つる 事 とを 追 ひ 求 むべし。
20 なんぢ 食物 のために 神 の 御業 を 毀 つな。凡 ての 物 は 潔 し、されど 之 を 食 ひて 人 を 躓 かする 者 には 惡 とならん。
21 肉 を 食 はず、葡萄酒 を 飮 まず、その 他 なんぢの 兄弟 を 躓 かする 事 をせぬは 善 し。
22 なんぢの 有 てる 信仰 を 己 みづから 神 の 前 に 保 て。善 しとする 所 につきて 自 ら 咎 めなき 者 は 幸福 なり。
23 疑 ひつつ 食 ふ 者 は 罪 せらる。これ 信仰 によらぬ 故 なり、凡 て 信仰 によらぬ 事 は 罪 なり。
Chapter 15
1 われら 強 き 者 はおのれを 喜 ばせずして、力 なき 者 の 弱 を 負 ふべし。
2 おのおの 隣 人 の 徳 を 建 てん 爲 に、その 益 を 圖 りて 之 を 喜 ばすべし。
3 キリストだに 己 を 喜 ばせ 給 はざりき。録 して『なんぢを 謗 る 者 の 謗 は 我 に 及 べり』とあるが 如 し。
4 夙 くより 録 されたる 所 は、みな 我 らの 教訓 のために 録 ししものにして、聖書 の 忍耐 と 慰安 とによりて 希望 を 保 たせんとてなり。
5 願 はくは 忍耐 と 慰安 との 神、なんぢらをしてキリスト・イエスに 效 ひ、互 に 思 を 同 じうせしめ 給 はん 事 を。
6 これ 汝 らが 心 を 一 つにし 口 を 一 つにして、我 らの 主 イエス・キリストの 父 なる 神 を 崇 めん 爲 なり。
7 此 の 故 にキリスト 汝 らを 容 れ 給 ひしごとく、汝 らも 互 に 相 容 れて 神 の 榮光 を 彰 すべし。
8 われ 言 ふ、キリストは 神 の 眞理 のために 割禮 の 役者 となり 給 へり。これ 先祖 たちの 蒙 りし 約束 を 堅 うし 給 はん 爲、
9 また 異邦人 も 憐憫 によりて 神 を 崇 めんためなり。録 して『この 故 に、われ 異邦人 の 中 にて 汝 を 讃 めたたへ、又 なんぢの 名 を 謳 はん』とあるが 如 し。
10 また 曰 く『異邦人 よ、主 の 民 と 共 に 喜 べ』
11 又 いはく『もろもろの 國人 よ、主 を 讃 め 奉 れ、もろもろの 民 よ、主 を 稱 へ 奉 れ』
12 又 イザヤ 言 ふ『エツサイの 萠薛 生 じ、異邦人 を 治 むるもの 興 らん。異邦人 は 彼 に 望 をおかん』
13 願 はくは 希望 の 神、信仰 より 出 づる 凡 ての 喜悦 と 平安 とを 汝 らに 滿 たしめ、聖 靈 の 能力 によりて 希望 を 豐 ならしめ 給 はんことを。
14 わが 兄弟 よ、われは 汝 らが 自 ら 善 に 滿 ち、もろもろの 知識 に 滿 ちて 互 に 訓戒 し 得 ることを 確 く 信 ず。
15 されど 我 なほ 汝 らに 憶 ひ 出 させん 爲 に、ここかしこ 少 しく 憚 らずして 書 きたる 所 あり、これ 神 の 我 に 賜 ひたる 恩惠 に 因 る。
16 即 ち 異邦人 のためにキリスト・イエスの 仕人 となり、神 の 福音 につきて 祭司 の 職 をなす。これ 異邦人 の 聖 靈 によりて 潔 められ、御心 に 適 ふ 献物 とならん 爲 なり。
17 されば、われ 神 の 事 につきては、キリスト・イエスによりて 誇 る 所 あり。
18 我 は、キリストの 異邦人 を 服 はせん 爲 に 我 を 用 ひて、言 と 業 と、
19 また 徴 と 不思議 との 能力、および 聖 靈 の 能力 にて 働 き 給 ひし 事 のほかは 敢 へて 語 らず、エルサレムよりイルリコの 地方 に 到 るまで、徧 くキリストの 福音 を 充 たせり。
20 我 は 努 めて 他人 の 置 ゑたる 基礎 のうへに 建 てじとて、未 だキリストの 御名 の 稱 へられぬ 所 にのみ 福音 を 宣傅 へり。
21 録 して『未 だ 彼 のことを 傳 へられざりし 者 は 見、いまだ 聞 かざりし 者 は 悟 るべし』とあるが 如 し。
22 この 故 に、われ 汝 らに 往 かんとせしが、しばしば 妨 げられたり。
23 されど 今 は 此 の 地方 に 働 くべき 處 なく、且 なんぢらに 往 かんことを 多年 切 に 望 みゐたれば、
24 イスパニヤに 赴 かんとき 立寄 りて 汝 らを 見、ほぼ 意 に 滿 つるを 得 てのち 汝 らに 送 られんとを 望 むなり。
25 されど 今、聖徒 に 事 へん 爲 にエルサレムに 往 かんとす。
26 マケドニアとアカヤとの 人々 は、エルサレムに 在 る 聖徒 の 貧 しき 者 に 幾許 かの 施與 をするを 善 しとせり。
27 實 に 之 を 善 しとせり、また 聖徒 に 對 して 斯 くする 負債 あり。異邦人 もし 彼 らの 靈 の 物 に 與 りたらんには、肉 の 物 をもて 彼 らに 事 ふべきなり。
28 されば 此 の 事 を 成 し 了 へ、この 果 を 付 してのち、汝 らを 歴 てイスパニヤに 往 かん。
29 われ 汝 らに 到 るときは、キリストの 滿 ち 足 れる 祝福 をもて 到 らんことを 知 る。
30 兄弟 よ、我 らの 主 イエス・キリストにより、また 御靈 の 愛 によりて 汝 らに 勸 む、なんぢらの 祈 のうちに、我 とともに 力 を 盡 して 我 がために 神 に 祈 れ。
31 これユダヤにをる 從 はぬ 者 の 中 より 我 が 救 はれ、又 エルサレムに 對 する 我 が 務 の 聖徒 の 心 に 適 ひ、
32 かつ 神 の 御意 により、歡喜 をもて 汝 等 にいたり、共 に 安 んぜん 爲 なり。
33 願 はくは 平和 の 神 なんぢら 衆 と 偕 に 在 さんことを、アァメン。
Chapter 16
1 我 ケンクレヤの 教會 の 執事 なる 我 らの 姉妹 フィベを 汝 らに 薦 む。
2 なんぢら 主 にありて 聖徒 たるに 相應 しく 彼 を 容 れ、何 にても 其 の 要 する 所 を 助 けよ、彼 は 夙 くより 多 くの 人 の 保護者 また 我 が 保護者 たり。
3 プリスカとアクラとに 安否 を 問 へ、彼 らはキリスト・イエスに 在 る 我 が 同勞者 にして、
4 わが 生命 のために 己 の 首 をも 惜 まざりき。彼 らに 感謝 するは、ただ 我 のみならず、異邦人 の 諸 教會 もまた 然 り。
5 又 その 家 にある 教會 にも 安否 を 問 へ。又 わが 愛 するエパネトに 安否 を 問 へ。彼 はアジヤにて 結 べるキリストの 初 の 實 なり。
6 汝 等 のために 甚 く 勞 せしマリヤに 安否 を 問 へ。
7 我 とともに 囚人 たりし 我 が 同族 アンデロニコとユニアスとに 安否 を 問 へ、彼 らは 使徒 たちの 中 に 名聲 あり、かつ 我 に 先 だちてキリストに 歸 せし 者 なり。
8 主 にありて 我 が 愛 するアンプリヤに 安否 を 問 へ。
9 キリストにある 我 らの 同勞者 ウルパノと 我 が 愛 するスタキスとに 安否 を 問 へ。
10 キリストに 在 りて 錬達 せるアペレに 安否 を 問 へ。アリストブロの 家 の 者 に 安否 を 問 へ。
11 わが 同族 ヘロデオンに 安否 を 問 へ。ナルキソの 家 なる 主 に 在 る 者 に 安否 を 問 へ。
12 主 に 在 りて 勞 せしツルパナとツルポサとに 安否 を 問 へ。主 に 在 りて 甚 く 勞 せし 愛 するペルシスに 安否 を 問 へ。
13 主 に 在 りて 選 ばれたるルポスと 其 の 母 とに 安否 を 問 へ、彼 の 母 は 我 にもまた 母 なり。
14 アスンクリト、フレゴン、ヘルメス、パトロバ、ヘルマス 及 び 彼 らと 偕 に 在 る 兄弟 たちに 安否 を 問 へ。
15 ピロロゴ 及 びユリヤ、ネレオ 及 びその 姉妹、またオルンパ 及 び 彼 らと 偕 に 在 る 凡 ての 聖徒 に 安否 を 問 へ。
16 潔 き 接吻 をもて 互 に 安否 を 問 へ。キリストの 諸 教會 みな 汝 らに 安否 を 問 ふ。
17 兄弟 よ、われ 汝 らに 勸 む、おほよそ 汝 らの 學 びし 教 に 背 きて 分離 を 生 じ、顛躓 をおこす 者 に 心 して 之 に 遠 ざかれ。
18 かかる 者 は 我 らの 主 キリストに 事 へず、反 つて 己 が 腹 に 事 へ、また 甘 き 言 と 媚諂 とをもて 質朴 なる 人 の 心 を 欺 くなり。
19 汝 らの 從順 は 凡 ての 人 に 聞 えたれば、我 なんぢらの 爲 に 喜 べり。而 して 我 が 欲 する 所 は、汝 らが 善 に 智 く、惡 に 疏 からんことなり。
20 平和 の 神 は 速 かにサタンを 汝 らの 足 の 下 に 碎 き 給 ふべし。願 はくは 我 らの 主 イエスの 恩惠、なんぢらと 偕 に 在 らんことを。
21 わが 同勞者 テモテ 及 び 我 が 同族 ルキオ、ヤソン、ソシパテロ 汝 らに 安否 を 問 ふ。
22 この 書 を 書 ける 我 テルテオも 主 にありて 汝 らに 安否 を 問 ふ。
23 我 と 全 教會 との 家主 ガイオ 汝 らに 安否 を 問 ふ。町 の 庫司 エラストと 兄弟 クワルトと 汝 らに 安否 を 問 ふ。
24 [なし]
25 願 はくは 長 き 世 のあひだ 隱 れたれども、
26 今 顯 れて、永遠 の 神 の 命 にしたがひ、預言者 たちの 書 によりて 信仰 の 從順 を 得 しめん 爲 に、もろもろの 國人 に 示 されたる 奧義 の 默示 に 循 へる 我 が 福音 と、イエス・キリストを 宣 ぶる 事 とによりて、汝 らを 堅 うし 得 る、
27 唯一 の 智 き 神 に、榮光 世々 限 りなくイエス・キリストに 由 りて 在 らんことを、アァメン。