Chapter 1
1 テオピロよ、わたしは 先 に 第 一 巻 を 著 わして、イエスが 行 い、また 教 えはじめてから、
2 お 選 びになった 使徒 たちに、聖霊 によって 命 じたのち、天 に 上 げられた 日 までのことを、ことごとくしるした。
3 イエスは 苦難 を 受 けたのち、自分 の 生 きていることを 数々 の 確 かな 証拠 によって 示 し、四十 日 にわたってたびたび 彼 らに 現 れて、神 の 国 のことを 語 られた。
4 そして 食事 を 共 にしているとき、彼 らにお 命 じになった、「エルサレムから 離 れないで、かねてわたしから 聞 いていた 父 の 約束 を 待 っているがよい。
5 すなわち、ヨハネは 水 でバプテスマを 授 けたが、あなたがたは 間 もなく 聖霊 によって、バプテスマを 授 けられるであろう」。
6 さて、弟子 たちが 一緒 に 集 まったとき、イエスに 問 うて 言 った、「主 よ、イスラエルのために 国 を 復興 なさるのは、この 時 なのですか」。
7 彼 らに 言 われた、「時期 や 場合 は、父 がご 自分 の 権威 によって 定 めておられるのであって、あなたがたの 知 る 限 りではない。
8 ただ、聖霊 があなたがたにくだる 時、あなたがたは 力 を 受 けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの 全土、さらに 地 のはてまで、わたしの 証人 となるであろう」。
9 こう 言 い 終 ると、イエスは 彼 らの 見 ている 前 で 天 に 上 げられ、雲 に 迎 えられて、その 姿 が 見 えなくなった。
10 イエスの 上 って 行 かれるとき、彼 らが 天 を 見 つめていると、見 よ、白 い 衣 を 着 たふたりの 人 が、彼 らのそばに 立 っていて
11 言 った、「ガリラヤの 人 たちよ、なぜ 天 を 仰 いで 立 っているのか。あなたがたを 離 れて 天 に 上 げられたこのイエスは、天 に 上 って 行 かれるのをあなたがたが 見 たのと 同 じ 有様 で、またおいでになるであろう」。
12 それから 彼 らは、オリブという 山 を 下 ってエルサレムに 帰 った。この 山 はエルサレムに 近 く、安息日 に 許 されている 距離 のところにある。
13 彼 らは、市内 に 行 って、その 泊 まっていた 屋上 の 間 にあがった。その 人 たちは、ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨの 子 ヤコブと 熱心 党 のシモンとヤコブの 子 ユダとであった。
14 彼 らはみな、婦人 たち、特 にイエスの 母 マリヤ、およびイエスの 兄弟 たちと 共 に、心 を 合 わせて、ひたすら 祈 をしていた。
15 そのころ、百二十 名 ばかりの 人々 が、一団 となって 集 まっていたが、ペテロはこれらの 兄弟 たちの 中 に 立 って 言 った、
16 「兄弟 たちよ、イエスを 捕 えた 者 たちの 手 びきになったユダについては、聖霊 がダビデの 口 をとおして 預言 したその 言葉 は、成就 しなければならなかった。
17 彼 はわたしたちの 仲間 に 加 えられ、この 務 を 授 かっていた 者 であった。(
18 彼 は 不義 の 報酬 で、ある 地所 を 手 に 入 れたが、そこへまっさかさまに 落 ちて、腹 がまん 中 から 引 き 裂 け、はらわたがみな 流 れ 出 てしまった。
19 そして、この 事 はエルサレムの 全 住民 に 知 れわたり、そこで、この 地所 が 彼 らの 国語 でアケルダマと 呼 ばれるようになった。「血 の 地所」との 意 である。)
20 詩篇 に、『その 屋敷 は 荒 れ 果 てよ、そこにはひとりも 住 む 者 がいなくなれ』と 書 いてあり、また『その 職 は、ほかの 者 に 取 らせよ』とあるとおりである。
21 そういうわけで、主 イエスがわたしたちの 間 にゆききされた 期間中、
22 すなわち、ヨハネのバプテスマの 時 から 始 まって、わたしたちを 離 れて 天 に 上 げられた 日 に 至 るまで、始終 わたしたちと 行動 を 共 にした 人 たちのうち、だれかひとりが、わたしたちに 加 わって 主 の 復活 の 証人 にならねばならない」。
23 そこで 一同 は、バルサバと 呼 ばれ、またの 名 をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを 立 て、
24 祈 って 言 った、「すべての 人 の 心 をご 存 じである 主 よ。このふたりのうちのどちらを 選 んで、
25 ユダがこの 使徒 の 職務 から 落 ちて、自分 の 行 くべきところへ 行 ったそのあとを 継 がせなさいますか、お 示 し 下 さい」。
26 それから、ふたりのためにくじを 引 いたところ、マッテヤに 当 ったので、この 人 が十一 人 の 使徒 たちに 加 えられることになった。
Chapter 2
1 五旬節 の 日 がきて、みんなの 者 が 一緒 に 集 まっていると、
2 突然、激 しい 風 が 吹 いてきたような 音 が 天 から 起 ってきて、一同 がすわっていた 家 いっぱいに 響 きわたった。
3 また、舌 のようなものが、炎 のように 分 れて 現 れ、ひとりびとりの 上 にとどまった。
4 すると、一同 は 聖霊 に 満 たされ、御霊 が 語 らせるままに、いろいろの 他国 の 言葉 で 語 り 出 した。
5 さて、エルサレムには、天下 のあらゆる 国々 から、信仰 深 いユダヤ 人 たちがきて 住 んでいたが、
6 この 物音 に 大 ぜいの 人 が 集 まってきて、彼 らの 生 れ 故郷 の 国語 で、使徒 たちが 話 しているのを、だれもかれも 聞 いてあっけに 取 られた。
7 そして 驚 き 怪 しんで 言 った、「見 よ、いま 話 しているこの 人 たちは、皆 ガリラヤ 人 ではないか。
8 それだのに、わたしたちがそれぞれ、生 れ 故郷 の 国語 を 彼 らから 聞 かされるとは、いったい、どうしたことか。
9 わたしたちの 中 には、パルテヤ 人、メジヤ 人、エラム 人 もおれば、メソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポントとアジヤ、
10 フルギヤとパンフリヤ、エジプトとクレネに 近 いリビヤ 地方 などに 住 む 者 もいるし、またローマ 人 で 旅 にきている 者、
11 ユダヤ 人 と 改宗者、クレテ 人 とアラビヤ 人 もいるのだが、あの 人々 がわたしたちの 国語 で、神 の 大 きな 働 きを 述 べるのを 聞 くとは、どうしたことか」。
12 みんなの 者 は 驚 き 惑 って、互 に 言 い 合 った、「これは、いったい、どういうわけなのだろう」。
13 しかし、ほかの 人 たちはあざ 笑 って、「あの 人 たちは 新 しい 酒 で 酔 っているのだ」と 言 った。
14 そこで、ペテロが十一 人 の 者 と 共 に 立 ちあがり、声 をあげて 人々 に 語 りかけた。「ユダヤの 人 たち、ならびにエルサレムに 住 むすべてのかたがた、どうか、この 事 を 知 っていただきたい。わたしの 言 うことに 耳 を 傾 けていただきたい。
15 今 は 朝 の九 時 であるから、この 人 たちは、あなたがたが 思 っているように、酒 に 酔 っているのではない。
16 そうではなく、これは 預言者 ヨエルが 預言 していたことに 外 ならないのである。すなわち、
17 『神 がこう 仰 せになる。終 りの 時 には、わたしの 霊 をすべての 人 に 注 ごう。そして、あなたがたのむすこ 娘 は 預言 をし、若者 たちは 幻 を 見、老人 たちは 夢 を 見 るであろう。
18 その 時 には、わたしの 男女 の 僕 たちにもわたしの 霊 を 注 ごう。そして 彼 らも 預言 をするであろう。
19 また、上 では、天 に 奇跡 を 見 せ、下 では、地 にしるしを、すなわち、血 と 火 と 立 ちこめる 煙 とを、見 せるであろう。
20 主 の 大 いなる 輝 かしい 日 が 来 る 前 に、日 はやみに 月 は 血 に 変 るであろう。
21 そのとき、主 の 名 を 呼 び 求 める 者 は、みな 救 われるであろう』。
22 イスラエルの 人 たちよ、今 わたしの 語 ることを 聞 きなさい。あなたがたがよく 知 っているとおり、ナザレ 人 イエスは、神 が 彼 をとおして、あなたがたの 中 で 行 われた 数々 の 力 あるわざと 奇跡 としるしとにより、神 からつかわされた 者 であることを、あなたがたに 示 されたかたであった。
23 このイエスが 渡 されたのは 神 の 定 めた 計画 と 予知 とによるのであるが、あなたがたは 彼 を 不法 の 人々 の 手 で 十字架 につけて 殺 した。
24 神 はこのイエスを 死 の 苦 しみから 解 き 放 って、よみがえらせたのである。イエスが 死 に 支配 されているはずはなかったからである。
25 ダビデはイエスについてこう 言 っている、『わたしは 常 に 目 の 前 に 主 を 見 た。主 は、わたしが 動 かされないため、わたしの 右 にいて 下 さるからである。
26 それゆえ、わたしの 心 は 楽 しみ、わたしの 舌 はよろこび 歌 った。わたしの 肉体 もまた、望 みに 生 きるであろう。
27 あなたは、わたしの 魂 を 黄泉 に 捨 ておくことをせず、あなたの 聖者 が 朽 ち 果 てるのを、お 許 しにならないであろう。
28 あなたは、いのちの 道 をわたしに 示 し、み 前 にあって、わたしを 喜 びで 満 たして 下 さるであろう』。
29 兄弟 たちよ、族長 ダビデについては、わたしはあなたがたにむかって 大胆 に 言 うことができる。彼 は 死 んで 葬 られ、現 にその 墓 が 今日 に 至 るまで、わたしたちの 間 に 残 っている。
30 彼 は 預言者 であって、『その 子孫 のひとりを 王位 につかせよう』と、神 が 堅 く 彼 に 誓 われたことを 認 めていたので、
31 キリストの 復活 をあらかじめ 知 って、『彼 は 黄泉 に 捨 ておかれることがなく、またその 肉体 が 朽 ち 果 てることもない』と 語 ったのである。
32 このイエスを、神 はよみがえらせた。そして、わたしたちは 皆 その 証人 なのである。
33 それで、イエスは 神 の 右 に 上 げられ、父 から 約束 の 聖霊 を 受 けて、それをわたしたちに 注 がれたのである。このことは、あなたがたが 現 に 見聞 きしているとおりである。
34 ダビデが 天 に 上 ったのではない。彼 自身 こう 言 っている、『主 はわが 主 に 仰 せになった、
35 あなたの 敵 をあなたの 足 台 にするまでは、わたしの 右 に 座 していなさい』。
36 だから、イスラエルの 全 家 は、この 事 をしかと 知 っておくがよい。あなたがたが 十字架 につけたこのイエスを、神 は、主 またキリストとしてお 立 てになったのである」。
37 人々 はこれを 聞 いて、強 く 心 を 刺 され、ペテロやほかの 使徒 たちに、「兄弟 たちよ、わたしたちは、どうしたらよいのでしょうか」と 言 った。
38 すると、ペテロが 答 えた、「悔 い 改 めなさい。そして、あなたがたひとりびとりが 罪 のゆるしを 得 るために、イエス・キリストの 名 によって、バプテスマを 受 けなさい。そうすれば、あなたがたは 聖霊 の 賜物 を 受 けるであろう。
39 この 約束 は、われらの 主 なる 神 の 召 しにあずかるすべての 者、すなわちあなたがたと、あなたがたの 子 らと、遠 くの 者 一同 とに、与 えられているものである」。
40 ペテロは、ほかになお 多 くの 言葉 であかしをなし、人々 に「この 曲 った 時代 から 救 われよ」と 言 って 勧 めた。
41 そこで、彼 の 勧 めの 言葉 を 受 けいれた 者 たちは、バプテスマを 受 けたが、その 日、仲間 に 加 わったものが三千 人 ほどあった。
42 そして 一同 はひたすら、使徒 たちの 教 を 守 り、信徒 の 交 わりをなし、共 にパンをさき、祈 をしていた。
43 みんなの 者 におそれの 念 が 生 じ、多 くの 奇跡 としるしとが、使徒 たちによって、次々 に 行 われた。
44 信者 たちはみな 一緒 にいて、いっさいの 物 を 共有 にし、
45 資産 や 持 ち 物 を 売 っては、必要 に 応 じてみんなの 者 に 分 け 与 えた。
46 そして 日々 心 を一つにして、絶 えず 宮 もうでをなし、家 ではパンをさき、よろこびと、まごころとをもって、食事 を 共 にし、
47 神 をさんびし、すべての 人 に 好意 を 持 たれていた。そして 主 は、救 われる 者 を 日々 仲間 に 加 えて 下 さったのである。
Chapter 3
1 さて、ペテロとヨハネとが、午後 三 時 の 祈 のときに 宮 に 上 ろうとしていると、
2 生 れながら 足 のきかない 男 が、かかえられてきた。この 男 は、宮 もうでに 来 る 人々 に 施 しをこうため、毎日、「美 しの 門」と 呼 ばれる 宮 の 門 のところに、置 かれていた 者 である。
3 彼 は、ペテロとヨハネとが、宮 にはいって 行 こうとしているのを 見 て、施 しをこうた。
4 ペテロとヨハネとは 彼 をじっと 見 て、「わたしたちを 見 なさい」と 言 った。
5 彼 は 何 かもらえるのだろうと 期待 して、ふたりに 注目 していると、
6 ペテロが 言 った、「金銀 はわたしには 無 い。しかし、わたしにあるものをあげよう。ナザレ 人 イエス・キリストの 名 によって 歩 きなさい」。
7 こう 言 って 彼 の 右手 を 取 って 起 してやると、足 と、くるぶしとが、立 ちどころに 強 くなって、
8 踊 りあがって 立 ち、歩 き 出 した。そして、歩 き 回 ったり 踊 ったりして 神 をさんびしながら、彼 らと 共 に 宮 にはいって 行 った。
9 民衆 はみな、彼 が 歩 き 回 り、また 神 をさんびしているのを 見、
10 これが 宮 の「美 しの 門」のそばにすわって、施 しをこうていた 者 であると 知 り、彼 の 身 に 起 ったことについて、驚 き 怪 しんだ。
11 彼 がなおもペテロとヨハネとにつきまとっているとき、人々 は 皆 ひどく 驚 いて、「ソロモンの 廊」と 呼 ばれる 柱廊 にいた 彼 らのところに 駆 け 集 まってきた。
12 ペテロはこれを 見 て、人々 にむかって 言 った、「イスラエルの 人 たちよ、なぜこの 事 を 不思議 に 思 うのか。また、わたしたちが 自分 の 力 や 信心 で、あの 人 を 歩 かせたかのように、なぜわたしたちを 見 つめているのか。
13 アブラハム、イサク、ヤコブの 神、わたしたちの 先祖 の 神 は、その 僕 イエスに 栄光 を 賜 わったのであるが、あなたがたは、このイエスを 引 き 渡 し、ピラトがゆるすことに 決 めていたのに、それを 彼 の 面前 で 拒 んだ。
14 あなたがたは、この 聖 なる 正 しいかたを 拒 んで、人殺 しの 男 をゆるすように 要求 し、
15 いのちの 君 を 殺 してしまった。しかし、神 はこのイエスを 死人 の 中 から、よみがえらせた。わたしたちは、その 事 の 証人 である。
16 そして、イエスの 名 が、それを 信 じる 信仰 のゆえに、あなたがたのいま 見 て 知 っているこの 人 を、強 くしたのであり、イエスによる 信仰 が、彼 をあなたがた 一同 の 前 で、このとおり 完全 にいやしたのである。
17 さて、兄弟 たちよ、あなたがたは 知 らずにあのような 事 をしたのであり、あなたがたの 指導者 たちとても 同様 であったことは、わたしにわかっている。
18 神 はあらゆる 預言者 の 口 をとおして、キリストの 受難 を 予告 しておられたが、それをこのように 成就 なさったのである。
19 だから、自分 の 罪 をぬぐい 去 っていただくために、悔 い 改 めて 本心 に 立 ちかえりなさい。
20 それは、主 のみ 前 から 慰 めの 時 がきて、あなたがたのためにあらかじめ 定 めてあったキリストなるイエスを、神 がつかわして 下 さるためである。
21 このイエスは、神 が 聖 なる 預言者 たちの 口 をとおして、昔 から 預言 しておられた 万物 更新 の 時 まで、天 にとどめておかれねばならなかった。
22 モーセは 言 った、『主 なる 神 は、わたしをお 立 てになったように、あなたがたの 兄弟 の 中 から、ひとりの 預言者 をお 立 てになるであろう。その 預言者 があなたがたに 語 ることには、ことごとく 聞 きしたがいなさい。
23 彼 に 聞 きしたがわない 者 は、みな 民 の 中 から 滅 ぼし 去 られるであろう』。
24 サムエルをはじめ、その 後 つづいて 語 ったほどの 預言者 はみな、この 時 のことを 予告 した。
25 あなたがたは 預言者 の 子 であり、神 があなたがたの 先祖 たちと 結 ばれた 契約 の 子 である。神 はアブラハムに 対 して、『地上 の 諸 民族 は、あなたの 子孫 によって 祝福 を 受 けるであろう』と 仰 せられた。
26 神 がまずあなたがたのために、その 僕 を 立 てて、おつかわしになったのは、あなたがたひとりびとりを、悪 から 立 ちかえらせて、祝福 にあずからせるためなのである」。
Chapter 4
1 彼 らが 人々 にこのように 語 っているあいだに、祭司 たち、宮守 がしら、サドカイ 人 たちが 近寄 ってきて、
2 彼 らが 人々 に 教 を 説 き、イエス 自身 に 起 った 死人 の 復活 を 宣伝 しているのに 気 をいら 立 て、
3 彼 らに 手 をかけて 捕 え、はや 日 が 暮 れていたので、翌 朝 まで 留置 しておいた。
4 しかし、彼 らの 話 を 聞 いた 多 くの 人 たちは 信 じた。そして、その 男 の 数 が五千 人 ほどになった。
5 明 くる 日、役人、長老、律法 学者 たちが、エルサレムに 召集 された。
6 大祭司 アンナスをはじめ、カヤパ、ヨハネ、アレキサンデル、そのほか 大祭司 の 一族 もみな 集 まった。
7 そして、そのまん 中 に 使徒 たちを 立 たせて 尋問 した、「あなたがたは、いったい、なんの 権威、また、だれの 名 によって、このことをしたのか」。
8 その 時、ペテロが 聖霊 に 満 たされて 言 った、「民 の 役人 たち、ならびに 長老 たちよ、
9 わたしたちが、きょう、取調 べを 受 けているのは、病人 に 対 してした 良 いわざについてであり、この 人 がどうしていやされたかについてであるなら、
10 あなたがたご 一同 も、またイスラエルの 人々 全体 も、知 っていてもらいたい。この 人 が 元気 になってみんなの 前 に 立 っているのは、ひとえに、あなたがたが 十字架 につけて 殺 したのを、神 が 死人 の 中 からよみがえらせたナザレ 人 イエス・キリストの 御名 によるのである。
11 このイエスこそは『あなたがた 家 造 りらに 捨 てられたが、隅 のかしら 石 となった 石』なのである。
12 この 人 による 以外 に 救 はない。わたしたちを 救 いうる 名 は、これを 別 にしては、天下 のだれにも 与 えられていないからである」。
13 人々 はペテロとヨハネとの 大胆 な 話 しぶりを 見、また 同時 に、ふたりが 無学 な、ただの 人 たちであることを 知 って、不思議 に 思 った。そして 彼 らがイエスと 共 にいた 者 であることを 認 め、
14 かつ、彼 らにいやされた 者 がそのそばに 立 っているのを 見 ては、まったく 返 す 言葉 がなかった。
15 そこで、ふたりに 議会 から 退場 するように 命 じてから、互 に 協議 をつづけて
16 言 った、「あの 人 たちを、どうしたらよかろうか。彼 らによって 著 しいしるしが 行 われたことは、エルサレムの 住民 全体 に 知 れわたっているので、否定 しようもない。
17 ただ、これ 以上 このことが 民衆 の 間 にひろまらないように、今後 はこの 名 によって、いっさいだれにも 語 ってはいけないと、おどしてやろうではないか」。
18 そこで、ふたりを 呼 び 入 れて、イエスの 名 によって 語 ることも 説 くことも、いっさい 相成 らぬと 言 いわたした。
19 ペテロとヨハネとは、これに 対 して 言 った、「神 に 聞 き 従 うよりも、あなたがたに 聞 き 従 う 方 が、神 の 前 に 正 しいかどうか、判断 してもらいたい。
20 わたしたちとしては、自分 の 見 たこと 聞 いたことを、語 らないわけにはいかない」。
21 そこで、彼 らはふたりを 更 におどしたうえ、ゆるしてやった。みんなの 者 が、この 出来事 のために、神 をあがめていたので、その 人々 の 手前、ふたりを 罰 するすべがなかったからである。
22 そのしるしによっていやされたのは、四十 歳 あまりの 人 であった。
23 ふたりはゆるされてから、仲間 の 者 たちのところに 帰 って、祭司長 たちや 長老 たちが 言 ったいっさいのことを 報告 した。
24 一同 はこれを 聞 くと、口 をそろえて、神 にむかい 声 をあげて 言 った、「天 と 地 と 海 と、その 中 のすべてのものとの 造 りぬしなる 主 よ。
25 あなたは、わたしたちの 先祖、あなたの 僕 ダビデの 口 をとおして、聖霊 によって、こう 仰 せになりました、『なぜ、異邦人 らは、騒 ぎ 立 ち、もろもろの 民 は、むなしいことを 図 り、
26 地上 の 王 たちは、立 ちかまえ、支配者 たちは、党 を 組 んで、主 とそのキリストとに 逆 らったのか』。
27 まことに、ヘロデとポンテオ・ピラトとは、異邦人 らやイスラエルの 民 と 一緒 になって、この 都 に 集 まり、あなたから 油 を 注 がれた 聖 なる 僕 イエスに 逆 らい、
28 み 手 とみ 旨 とによって、あらかじめ 定 められていたことを、なし 遂 げたのです。
29 主 よ、いま、彼 らの 脅迫 に 目 をとめ、僕 たちに、思 い 切 って 大胆 に 御言葉 を 語 らせて 下 さい。
30 そしてみ 手 を 伸 ばしていやしをなし、聖 なる 僕 イエスの 名 によって、しるしと 奇跡 とを 行 わせて 下 さい」。
31 彼 らが 祈 り 終 えると、その 集 まっていた 場所 が 揺 れ 動 き、一同 は 聖霊 に 満 たされて、大胆 に 神 の 言 を 語 り 出 した。
32 信 じた 者 の 群 れは、心 を一つにし 思 いを一つにして、だれひとりその 持 ち 物 を 自分 のものだと 主張 する 者 がなく、いっさいの 物 を 共有 にしていた。
33 使徒 たちは 主 イエスの 復活 について、非常 に 力強 くあかしをした。そして 大 きなめぐみが、彼 ら 一同 に 注 がれた。
34 彼 らの 中 に 乏 しい 者 は、ひとりもいなかった。地所 や 家屋 を 持 っている 人 たちは、それを 売 り、売 った 物 の 代金 をもってきて、
35 使徒 たちの 足 もとに 置 いた。そしてそれぞれの 必要 に 応 じて、だれにでも 分 け 与 えられた。
36 クプロ 生 れのレビ 人 で、使徒 たちにバルナバ(「慰 めの 子」との 意)と 呼 ばれていたヨセフは、
37 自分 の 所有 する 畑 を 売 り、その 代金 をもってきて、使徒 たちの 足 もとに 置 いた。
Chapter 5
1 ところが、アナニヤという 人 とその 妻 サッピラとは 共 に 資産 を 売 ったが、
2 共謀 して、その 代金 をごまかし、一部 だけを 持 ってきて、使徒 たちの 足 もとに 置 いた。
3 そこで、ペテロが 言 った、「アナニヤよ、どうしてあなたは、自分 の 心 をサタンに 奪 われて、聖霊 を 欺 き、地所 の 代金 をごまかしたのか。
4 売 らずに 残 しておけば、あなたのものであり、売 ってしまっても、あなたの 自由 になったはずではないか。どうして、こんなことをする 気 になったのか。あなたは 人 を 欺 いたのではなくて、神 を 欺 いたのだ」。
5 アナニヤはこの 言葉 を 聞 いているうちに、倒 れて 息 が 絶 えた。このことを 伝 え 聞 いた 人々 は、みな 非常 なおそれを 感 じた。
6 それから、若者 たちが 立 って、その 死体 を 包 み、運 び 出 して 葬 った。
7 三 時間 ばかりたってから、たまたま 彼 の 妻 が、この 出来事 を 知 らずに、はいってきた。
8 そこで、ペテロが 彼女 にむかって 言 った、「あの 地所 は、これこれの 値段 で 売 ったのか。そのとおりか」。彼女 は「そうです、その 値段 です」と 答 えた。
9 ペテロは 言 った、「あなたがたふたりが、心 を 合 わせて 主 の 御霊 を 試 みるとは、何事 であるか。見 よ、あなたの 夫 を 葬 った 人 たちの 足 が、そこの 門口 にきている。あなたも 運 び 出 されるであろう」。
10 すると 女 は、たちまち 彼 の 足 もとに 倒 れて、息 が 絶 えた。そこに 若者 たちがはいってきて、女 が 死 んでしまっているのを 見、それを 運 び 出 してその 夫 のそばに 葬 った。
11 教会 全体 ならびにこれを 伝 え 聞 いた 人 たちは、みな 非常 なおそれを 感 じた。
12 そのころ、多 くのしるしと 奇跡 とが、次々 に 使徒 たちの 手 により 人々 の 中 で 行 われた。そして、一同 は 心 を一つにして、ソロモンの 廊 に 集 まっていた。
13 ほかの 者 たちは、だれひとり、その 交 わりに 入 ろうとはしなかったが、民衆 は 彼 らを 尊敬 していた。
14 しかし、主 を 信 じて 仲間 に 加 わる 者 が、男女 とも、ますます 多 くなってきた。
15 ついには、病人 を 大通 りに 運 び 出 し、寝台 や 寝床 の 上 に 置 いて、ペテロが 通 るとき、彼 の 影 なりと、そのうちのだれかにかかるようにしたほどであった。
16 またエルサレム 附近 の 町々 からも、大 ぜいの 人 が、病人 や 汚 れた 霊 に 苦 しめられている 人 たちを 引 き 連 れて、集 まってきたが、その 全部 の 者 が、ひとり 残 らずいやされた。
17 そこで、大祭司 とその 仲間 の 者、すなわち、サドカイ 派 の 人 たちが、みな 嫉妬 の 念 に 満 たされて 立 ちあがり、
18 使徒 たちに 手 をかけて 捕 え、公共 の 留置場 に 入 れた。
19 ところが 夜、主 の 使 が 獄 の 戸 を 開 き、彼 らを 連 れ 出 して 言 った、
20 「さあ 行 きなさい。そして、宮 の 庭 に 立 ち、この 命 の 言葉 を 漏 れなく、人々 に 語 りなさい」。
21 彼 らはこれを 聞 き、夜明 けごろ 宮 にはいって 教 えはじめた。一方 では、大祭司 とその 仲間 の 者 とが、集 まってきて、議会 とイスラエル 人 の 長老 一同 とを 召集 し、使徒 たちを 引 き 出 してこさせるために、人 を 獄 につかわした。
22 そこで、下役 どもが 行 って 見 ると、使徒 たちが 獄 にいないので、引 き 返 して 報告 した、
23 「獄 には、しっかりと 錠 がかけてあり、戸口 には、番人 が 立 っていました。ところが、あけて 見 たら、中 にはだれもいませんでした」。
24 宮守 がしらと 祭司長 たちとは、この 報告 を 聞 いて、これは、いったい、どんな 事 になるのだろうと、あわて 惑 っていた。
25 そこへ、ある 人 がきて 知 らせた、「行 ってごらんなさい。あなたがたが 獄 に 入 れたあの 人 たちが、宮 の 庭 に 立 って、民衆 を 教 えています」。
26 そこで 宮守 がしらが、下役 どもと 一緒 に 出 かけて 行 って、使徒 たちを 連 れてきた。しかし、人々 に 石 で 打 ち 殺 されるのを 恐 れて、手荒 なことはせず、
27 彼 らを 連 れてきて、議会 の 中 に 立 たせた。すると、大祭司 が 問 うて
28 言 った、「あの 名 を 使 って 教 えてはならないと、きびしく 命 じておいたではないか。それだのに、なんという 事 だ。エルサレム 中 にあなたがたの 教 を、はんらんさせている。あなたがたは 確 かに、あの 人 の 血 の 責任 をわたしたちに 負 わせようと、たくらんでいるのだ」。
29 これに 対 して、ペテロをはじめ 使徒 たちは 言 った、「人間 に 従 うよりは、神 に 従 うべきである。
30 わたしたちの 先祖 の 神 は、あなたがたが 木 にかけて 殺 したイエスをよみがえらせ、
31 そして、イスラエルを 悔 い 改 めさせてこれに 罪 のゆるしを 与 えるために、このイエスを 導 き 手 とし 救主 として、ご 自身 の 右 に 上 げられたのである。
32 わたしたちはこれらの 事 の 証人 である。神 がご 自身 に 従 う 者 に 賜 わった 聖霊 もまた、その 証人 である」。
33 これを 聞 いた 者 たちは、激 しい 怒 りのあまり、使徒 たちを 殺 そうと 思 った。
34 ところが、国民 全体 に 尊敬 されていた 律法 学者 ガマリエルというパリサイ 人 が、議会 で 立 って、使徒 たちをしばらくのあいだ 外 に 出 すように 要求 してから、
35 一同 にむかって 言 った、「イスラエルの 諸君、あの 人 たちをどう 扱 うか、よく 気 をつけるがよい。
36 先 ごろ、チゥダが 起 って、自分 を 何 か 偉 い 者 のように 言 いふらしたため、彼 に 従 った 男 の 数 が、四百 人 ほどもあったが、結局、彼 は 殺 されてしまい、従 った 者 もみな 四散 して、全 く 跡 方 もなくなっている。
37 そののち、人口 調査 の 時 に、ガリラヤ 人 ユダが 民衆 を 率 いて 反乱 を 起 したが、この 人 も 滅 び、従 った 者 もみな 散 らされてしまった。
38 そこで、この 際、諸君 に 申 し 上 げる。あの 人 たちから 手 を 引 いて、そのなすままにしておきなさい。その 企 てや、しわざが、人間 から 出 たものなら、自滅 するだろう。
39 しかし、もし 神 から 出 たものなら、あの 人 たちを 滅 ぼすことはできまい。まかり 違 えば、諸君 は 神 を 敵 にまわすことになるかも 知 れない」。そこで 彼 らはその 勧告 にしたがい、
40 使徒 たちを 呼 び 入 れて、むち 打 ったのち、今後 イエスの 名 によって 語 ることは 相成 らぬと 言 いわたして、ゆるしてやった。
41 使徒 たちは、御名 のために 恥 を 加 えられるに 足 る 者 とされたことを 喜 びながら、議会 から 出 てきた。
42 そして、毎日、宮 や 家 で、イエスがキリストであることを、引 きつづき 教 えたり 宣 べ 伝 えたりした。
Chapter 6
1 そのころ、弟子 の 数 がふえてくるにつれて、ギリシヤ 語 を 使 うユダヤ 人 たちから、ヘブル 語 を 使 うユダヤ 人 たちに 対 して、自分 たちのやもめらが、日々 の 配給 で、おろそかにされがちだと、苦情 を 申 し 立 てた。
2 そこで、十二 使徒 は 弟子 全体 を 呼 び 集 めて 言 った、「わたしたちが 神 の 言 をさしおいて、食卓 のことに 携 わるのはおもしろくない。
3 そこで、兄弟 たちよ、あなたがたの 中 から、御霊 と 知恵 とに 満 ちた、評判 のよい 人 たち七 人 を 捜 し 出 してほしい。その 人 たちにこの 仕事 をまかせ、
4 わたしたちは、もっぱら 祈 と 御言 のご 用 に 当 ることにしよう」。
5 この 提案 は 会衆 一同 の 賛成 するところとなった。そして 信仰 と 聖霊 とに 満 ちた 人 ステパノ、それからピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、およびアンテオケの 改宗者 ニコラオを 選 び 出 して、
6 使徒 たちの 前 に 立 たせた。すると、使徒 たちは 祈 って 手 を 彼 らの 上 においた。
7 こうして 神 の 言 は、ますますひろまり、エルサレムにおける 弟子 の 数 が、非常 にふえていき、祭司 たちも 多数、信仰 を 受 けいれるようになった。
8 さて、ステパノは 恵 みと 力 とに 満 ちて、民衆 の 中 で、めざましい 奇跡 としるしとを 行 っていた。
9 すると、いわゆる「リベルテン」の 会堂 に 属 する 人々、クレネ 人、アレキサンドリヤ 人、キリキヤやアジヤからきた 人々 などが 立 って、ステパノと 議論 したが、
10 彼 は 知恵 と 御霊 とで 語 っていたので、それに 対抗 できなかった。
11 そこで、彼 らは 人々 をそそのかして、「わたしたちは、彼 がモーセと 神 とを 汚 す 言葉 を 吐 くのを 聞 いた」と 言 わせた。
12 その 上、民衆 や 長老 たちや 律法 学者 たちを 煽動 し、彼 を 襲 って 捕 えさせ、議会 にひっぱってこさせた。
13 それから、偽 りの 証人 たちを 立 てて 言 わせた、「この 人 は、この 聖所 と 律法 とに 逆 らう 言葉 を 吐 いて、どうしても、やめようとはしません。
14 『あのナザレ 人 イエスは、この 聖所 を 打 ちこわし、モーセがわたしたちに 伝 えた 慣例 を 変 えてしまうだろう』などと、彼 が 言 うのを、わたしたちは 聞 きました」。
15 議会 で 席 についていた 人 たちは 皆、ステパノに 目 を 注 いだが、彼 の 顔 は、ちょうど 天使 の 顔 のように 見 えた。
Chapter 7
1 大祭司 は「そのとおりか」と 尋 ねた。
2 そこで、ステパノが 言 った、「兄弟 たち、父 たちよ、お 聞 き 下 さい。わたしたちの 父祖 アブラハムが、カランに 住 む 前、まだメソポタミヤにいたとき、栄光 の 神 が 彼 に 現 れて
3 仰 せになった、『あなたの 土地 と 親族 から 離 れて、あなたにさし 示 す 地 に 行 きなさい』。
4 そこで、アブラハムはカルデヤ 人 の 地 を 出 て、カランに 住 んだ。そして、彼 の 父 が 死 んだのち、神 は 彼 をそこから、今 あなたがたの 住 んでいるこの 地 に 移住 させたが、
5 そこでは、遺産 となるものは 何 一つ、一歩 の 幅 の 土地 すらも、与 えられなかった。ただ、その 地 を 所領 として 授 けようとの 約束 を、彼 と、そして 彼 にはまだ 子 がなかったのに、その 子孫 とに 与 えられたのである。
6 神 はこう 仰 せになった、『彼 の 子孫 は 他国 に 身 を 寄 せるであろう。そして、そこで四百 年 のあいだ、奴隷 にされて 虐待 を 受 けるであろう』。
7 それから、さらに 仰 せになった、『彼 らを 奴隷 にする 国民 を、わたしはさばくであろう。その 後、彼 らはそこからのがれ 出 て、この 場所 でわたしを 礼拝 するであろう』。
8 そして、神 はアブラハムに、割礼 の 契約 をお 与 えになった。こうして、彼 はイサクの 父 となり、これに八 日目 に 割礼 を 施 し、それから、イサクはヤコブの 父 となり、ヤコブは十二 人 の 族長 たちの 父 となった。
9 族長 たちは、ヨセフをねたんで、エジプトに 売 りとばした。しかし、神 は 彼 と 共 にいまして、
10 あらゆる 苦難 から 彼 を 救 い 出 し、エジプト 王 パロの 前 で 恵 みを 与 え、知恵 をあらわさせた。そこで、パロは 彼 を 宰相 の 任 につかせ、エジプトならびに 王家 全体 の 支配 に 当 らせた。
11 時 に、エジプトとカナンとの 全土 にわたって、ききんが 起 り、大 きな 苦難 が 襲 ってきて、わたしたちの 先祖 たちは、食物 が 得 られなくなった。
12 ヤコブは、エジプトには 食糧 があると 聞 いて、初 めに 先祖 たちをつかわしたが、
13 二 回 目 の 時 に、ヨセフが 兄弟 たちに、自分 の 身 の 上 を 打 ち 明 けたので、彼 の 親族 関係 がパロに 知 れてきた。
14 ヨセフは 使 をやって、父 ヤコブと七十五 人 にのぼる 親族 一同 とを 招 いた。
15 こうして、ヤコブはエジプトに 下 り、彼 自身 も 先祖 たちもそこで 死 に、
16 それから 彼 らは、シケムに 移 されて、かねてアブラハムがいくらかの 金 を 出 してこの 地 のハモルの 子 らから 買 っておいた 墓 に、葬 られた。
17 神 がアブラハムに 対 して 立 てられた 約束 の 時期 が 近 づくにつれ、民 はふえてエジプト 全土 にひろがった。
18 やがて、ヨセフのことを 知 らない 別 な 王 が、エジプトに 起 った。
19 この 王 は、わたしたちの 同族 に 対 し 策略 をめぐらして、先祖 たちを 虐待 し、その 幼 な 子 らを 生 かしておかないように 捨 てさせた。
20 モーセが 生 れたのは、ちょうどこのころのことである。彼 はまれに 見 る 美 しい 子 であった。三か 月 の 間 は、父 の 家 で 育 てられたが、
21 そののち 捨 てられたのを、パロの 娘 が 拾 いあげて、自分 の 子 として 育 てた。
22 モーセはエジプト 人 のあらゆる 学問 を 教 え 込 まれ、言葉 にもわざにも、力 があった。
23 四十 歳 になった 時、モーセは 自分 の 兄弟 であるイスラエル 人 たちのために 尽 すことを、思 い 立 った。
24 ところが、そのひとりがいじめられているのを 見 て、これをかばい、虐待 されているその 人 のために、相手 のエジプト 人 を 撃 って 仕返 しをした。
25 彼 は、自分 の 手 によって 神 が 兄弟 たちを 救 って 下 さることを、みんなが 悟 るものと 思 っていたが、実際 はそれを 悟 らなかったのである。
26 翌日 モーセは、彼 らが 争 い 合 っているところに 現 れ、仲裁 しようとして 言 った、『まて、君 たちは 兄弟 同志 ではないか。どうして 互 に 傷 つけ 合 っているのか』。
27 すると、仲間 をいじめていた 者 が、モーセを 突 き 飛 ばして 言 った、『だれが、君 をわれわれの 支配者 や 裁判人 にしたのか。
28 君 は、きのう、エジプト 人 を 殺 したように、わたしも 殺 そうと 思 っているのか』。
29 モーセは、この 言葉 を 聞 いて 逃 げ、ミデアンの 地 に 身 を 寄 せ、そこで 男 の 子 ふたりをもうけた。
30 四十 年 たった 時、シナイ 山 の 荒野 において、御使 が 柴 の 燃 える 炎 の 中 でモーセに 現 れた。
31 彼 はこの 光景 を 見 て 不思議 に 思 い、それを 見 きわめるために 近寄 ったところ、主 の 声 が 聞 えてきた、
32 『わたしは、あなたの 先祖 たちの 神、アブラハム、イサク、ヤコブの 神 である』。モーセは 恐 れおののいて、もうそれを 見 る 勇気 もなくなった。
33 すると、主 が 彼 に 言 われた、『あなたの 足 から、くつを 脱 ぎなさい。あなたの 立 っているこの 場所 は、聖 なる 地 である。
34 わたしは、エジプトにいるわたしの 民 が 虐待 されている 有様 を 確 かに 見 とどけ、その 苦悩 のうめき 声 を 聞 いたので、彼 らを 救 い 出 すために 下 ってきたのである。さあ、今 あなたをエジプトにつかわそう』。
35 こうして、『だれが、君 を 支配者 や 裁判人 にしたのか』と 言 って 排斥 されたこのモーセを、神 は、柴 の 中 で 彼 に 現 れた 御使 の 手 によって、支配者、解放者 として、おつかわしになったのである。
36 この 人 が、人々 を 導 き 出 して、エジプトの 地 においても、紅海 においても、また四十 年 のあいだ 荒野 においても、奇跡 としるしとを 行 ったのである。
37 この 人 が、イスラエル 人 たちに、『神 はわたしをお 立 てになったように、あなたがたの 兄弟 たちの 中 から、ひとりの 預言者 をお 立 てになるであろう』と 言 ったモーセである。
38 この 人 が、シナイ 山 で、彼 に 語 りかけた 御使 や 先祖 たちと 共 に、荒野 における 集会 にいて、生 ける 御言葉 を 授 かり、それをあなたがたに 伝 えたのである。
39 ところが、先祖 たちは 彼 に 従 おうとはせず、かえって 彼 を 退 け、心 の 中 でエジプトにあこがれて、
40 『わたしたちを 導 いてくれる 神々 を 造 って 下 さい。わたしたちをエジプトの 地 から 導 いてきたあのモーセがどうなったのか、わかりませんから』とアロンに 言 った。
41 そのころ、彼 らは 子 牛 の 像 を 造 り、その 偶像 に 供 え 物 をささげ、自分 たちの 手 で 造 ったものを 祭 ってうち興じていた。
42 そこで、神 は 顔 をそむけ、彼 らを 天 の 星 を 拝 むままに 任 せられた。預言者 の 書 にこう 書 いてあるとおりである、『イスラエルの 家 よ、四十 年 のあいだ 荒野 にいた 時 に、いけにえと 供 え 物 とを、わたしにささげたことがあったか。
43 あなたがたは、モロクの 幕屋 やロンパの 星 の 神 を、かつぎ 回 った。それらは、拝 むために 自分 で 造 った 偶像 に 過 ぎぬ。だからわたしは、あなたがたをバビロンのかなたへ、移 してしまうであろう』。
44 わたしたちの 先祖 には、荒野 にあかしの 幕屋 があった。それは、見 たままの 型 にしたがって 造 るようにと、モーセに 語 ったかたのご 命令 どおりに 造 ったものである。
45 この 幕屋 は、わたしたちの 先祖 が、ヨシュアに 率 いられ、神 によって 諸 民族 を 彼 らの 前 から 追 い 払 い、その 所領 をのり 取 ったときに、そこに 持 ち 込 まれ、次々 に 受 け 継 がれて、ダビデの 時代 に 及 んだものである。
46 ダビデは、神 の 恵 みをこうむり、そして、ヤコブの 神 のために 宮 を 造営 したいと 願 った。
47 けれども、じっさいにその 宮 を 建 てたのは、ソロモンであった。
48 しかし、いと 高 き 者 は、手 で 造 った 家 の 内 にはお 住 みにならない。預言者 が 言 っているとおりである、
49 『主 が 仰 せられる、どんな 家 をわたしのために 建 てるのか。わたしのいこいの 場所 は、どれか。天 はわたしの 王座、地 はわたしの 足 台 である。
50 これは 皆 わたしの 手 が 造 ったものではないか』。
51 ああ、強情 で、心 にも 耳 にも 割礼 のない 人 たちよ。あなたがたは、いつも 聖霊 に 逆 らっている。それは、あなたがたの 先祖 たちと 同 じである。
52 いったい、あなたがたの 先祖 が 迫害 しなかった 預言者 が、ひとりでもいたか。彼 らは 正 しいかたの 来 ることを 予告 した 人 たちを 殺 し、今 やあなたがたは、その 正 しいかたを 裏切 る 者、また 殺 す 者 となった。
53 あなたがたは、御使 たちによって 伝 えられた 律法 を 受 けたのに、それを 守 ることをしなかった」。
54 人々 はこれを 聞 いて、心 の 底 から 激 しく 怒 り、ステパノにむかって、歯 ぎしりをした。
55 しかし、彼 は 聖霊 に 満 たされて、天 を 見 つめていると、神 の 栄光 が 現 れ、イエスが 神 の 右 に 立 っておられるのが 見 えた。
56 そこで、彼 は「ああ、天 が 開 けて、人 の 子 が 神 の 右 に 立 っておいでになるのが 見 える」と 言 った。
57 人々 は 大声 で 叫 びながら、耳 をおおい、ステパノを 目 がけて、いっせいに 殺到 し、
58 彼 を 市外 に 引 き 出 して、石 で 打 った。これに 立 ち 合 った 人 たちは、自分 の 上着 を 脱 いで、サウロという 若者 の 足 もとに 置 いた。
59 こうして、彼 らがステパノに 石 を 投 げつけている 間、ステパノは 祈 りつづけて 言 った、「主 イエスよ、わたしの 霊 をお 受 け 下 さい」。
60 そして、ひざまずいて、大声 で 叫 んだ、「主 よ、どうぞ、この 罪 を 彼 らに 負 わせないで 下 さい」。こう 言 って、彼 は 眠 りについた。
Chapter 8
1 サウロは、ステパノを 殺 すことに 賛成 していた。その 日、エルサレムの 教会 に 対 して 大 迫害 が 起 り、使徒 以外 の 者 はことごとく、ユダヤとサマリヤとの 地方 に 散 らされて 行 った。
2 信仰 深 い 人 たちはステパノを 葬 り、彼 のために 胸 を 打 って、非常 に 悲 しんだ。
3 ところが、サウロは 家々 に 押 し 入 って、男 や 女 を 引 きずり 出 し、次々 に 獄 に 渡 して、教会 を 荒 し 回 った。
4 さて、散 らされて 行 った 人 たちは、御言 を 宣 べ 伝 えながら、めぐり 歩 いた。
5 ピリポはサマリヤの 町 に 下 って 行 き、人々 にキリストを 宣 べはじめた。
6 群衆 はピリポの 話 を 聞 き、その 行 っていたしるしを 見 て、こぞって 彼 の 語 ることに 耳 を 傾 けた。
7 汚 れた 霊 につかれた 多 くの 人々 からは、その 霊 が 大声 でわめきながら 出 て 行 くし、また、多 くの 中風 をわずらっている 者 や、足 のきかない 者 がいやされたからである。
8 それで、この 町 では 人々 が、大変 なよろこびかたであった。
9 さて、この 町 に 以前 からシモンという 人 がいた。彼 は 魔術 を 行 ってサマリヤの 人 たちを 驚 かし、自分 をさも 偉 い 者 のように 言 いふらしていた。
10 それで、小 さい 者 から 大 きい 者 にいたるまで 皆、彼 について 行 き、「この 人 こそは『大能』と 呼 ばれる 神 の 力 である」と 言 っていた。
11 彼 らがこの 人 について 行 ったのは、ながい 間 その 魔術 に 驚 かされていたためであった。
12 ところが、ピリポが 神 の 国 とイエス・キリストの 名 について 宣 べ 伝 えるに 及 んで、男 も 女 も 信 じて、ぞくぞくとバプテスマを 受 けた。
13 シモン 自身 も 信 じて、バプテスマを 受 け、それから、引 きつづきピリポについて 行 った。そして、数々 のしるしやめざましい 奇跡 が 行 われるのを 見 て、驚 いていた。
14 エルサレムにいる 使徒 たちは、サマリヤの 人々 が、神 の 言 を 受 け 入 れたと 聞 いて、ペテロとヨハネとを、そこにつかわした。
15 ふたりはサマリヤに 下 って 行 って、みんなが 聖霊 を 受 けるようにと、彼 らのために 祈 った。
16 それは、彼 らはただ 主 イエスの 名 によってバプテスマを 受 けていただけで、聖霊 はまだだれにも 下 っていなかったからである。
17 そこで、ふたりが 手 を 彼 らの 上 においたところ、彼 らは 聖霊 を 受 けた。
18 シモンは、使徒 たちが 手 をおいたために、御霊 が 人々 に 授 けられたのを 見 て、金 をさし 出 し、
19 「わたしが 手 をおけばだれにでも 聖霊 が 授 けられるように、その 力 をわたしにも 下 さい」と 言 った。
20 そこで、ペテロが 彼 に 言 った、「おまえの 金 は、おまえもろとも、うせてしまえ。神 の 賜物 が、金 で 得 られるなどと 思 っているのか。
21 おまえの 心 が 神 の 前 に 正 しくないから、おまえは、とうてい、この 事 にあずかることができない。
22 だから、この 悪事 を 悔 いて、主 に 祈 れ。そうすればあるいはそんな 思 いを 心 にいだいたことが、ゆるされるかも 知 れない。
23 おまえには、まだ 苦 い 胆汁 があり、不義 のなわ 目 がからみついている。それが、わたしにわかっている」。
24 シモンはこれを 聞 いて 言 った、「仰 せのような 事 が、わたしの 身 に 起 らないように、どうぞ、わたしのために 主 に 祈 って 下 さい」。
25 使徒 たちは 力強 くあかしをなし、また 主 の 言 を 語 った 後、サマリヤ 人 の 多 くの 村々 に 福音 を 宣 べ 伝 えて、エルサレムに 帰 った。
26 しかし、主 の 使 がピリポにむかって 言 った、「立 って 南方 に 行 き、エルサレムからガザへ 下 る 道 に 出 なさい」(このガザは、今 は 荒 れはてている)。
27 そこで、彼 は 立 って 出 かけた。すると、ちょうど、エチオピヤ 人 の 女王 カンダケの 高官 で、女王 の 財宝 全部 を 管理 していた 宦官 であるエチオピヤ 人 が、礼拝 のためエルサレムに 上 り、
28 その 帰途 についていたところであった。彼 は 自分 の 馬車 に 乗 って、預言者 イザヤの 書 を 読 んでいた。
29 御霊 がピリポに「進 み 寄 って、あの 馬車 に 並 んで 行 きなさい」と 言 った。
30 そこでピリポが 駆 けて 行 くと、預言者 イザヤの 書 を 読 んでいるその 人 の 声 が 聞 えたので、「あなたは、読 んでいることが、おわかりですか」と 尋 ねた。
31 彼 は「だれかが、手 びきをしてくれなければ、どうしてわかりましょう」と 答 えた。そして、馬車 に 乗 って 一緒 にすわるようにと、ピリポにすすめた。
32 彼 が 読 んでいた 聖書 の 箇所 は、これであった、「彼 は、ほふり 場 に 引 かれて 行 く 羊 のように、また、黙々 として、毛 を 刈 る 者 の 前 に 立 つ 小羊 のように、口 を 開 かない。
33 彼 は、いやしめられて、そのさばきも 行 われなかった。だれが、彼 の 子孫 のことを 語 ることができようか、彼 の 命 が 地上 から 取 り 去 られているからには」。
34 宦官 はピリポにむかって 言 った、「お 尋 ねしますが、ここで 預言者 はだれのことを 言 っているのですか。自分 のことですか、それとも、だれかほかの 人 のことですか」。
35 そこでピリポは 口 を 開 き、この 聖 句 から 説 き 起 して、イエスのことを 宣 べ 伝 えた。
36 道 を 進 んで 行 くうちに、水 のある 所 にきたので、宦官 が 言 った、「ここに 水 があります。わたしがバプテスマを 受 けるのに、なんのさしつかえがありますか」。〔
37 これに 対 して、ピリポは、「あなたがまごころから 信 じるなら、受 けてさしつかえはありません」と 言 った。すると、彼 は「わたしは、イエス・キリストを 神 の 子 と 信 じます」と 答 えた。〕
38 そこで 車 をとめさせ、ピリポと 宦官 と、ふたりとも、水 の 中 に 降 りて 行 き、ピリポが 宦官 にバプテスマを 授 けた。
39 ふたりが 水 から 上 がると、主 の 霊 がピリポをさらって 行 ったので、宦官 はもう 彼 を 見 ることができなかった。宦官 はよろこびながら 旅 をつづけた。
40 その 後、ピリポはアゾトに 姿 をあらわして、町々 をめぐり 歩 き、いたるところで 福音 を 宣 べ 伝 えて、ついにカイザリヤに 着 いた。
Chapter 9
1 さてサウロは、なおも 主 の 弟子 たちに 対 する 脅迫、殺害 の 息 をはずませながら、大祭司 のところに 行 って、
2 ダマスコの 諸 会堂 あての 添書 を 求 めた。それは、この 道 の 者 を 見 つけ 次第、男女 の 別 なく 縛 りあげて、エルサレムにひっぱって 来 るためであった。
3 ところが、道 を 急 いでダマスコの 近 くにきたとき、突然、天 から 光 がさして、彼 をめぐり 照 した。
4 彼 は 地 に 倒 れたが、その 時「サウロ、サウロ、なぜわたしを 迫害 するのか」と 呼 びかける 声 を 聞 いた。
5 そこで 彼 は「主 よ、あなたは、どなたですか」と 尋 ねた。すると 答 があった、「わたしは、あなたが 迫害 しているイエスである。
6 さあ 立 って、町 にはいって 行 きなさい。そうすれば、そこであなたのなすべき 事 が 告 げられるであろう」。
7 サウロの 同行者 たちは 物 も 言 えずに 立 っていて、声 だけは 聞 えたが、だれも 見 えなかった。
8 サウロは 地 から 起 き 上 がって 目 を 開 いてみたが、何 も 見 えなかった。そこで 人々 は、彼 の 手 を 引 いてダマスコへ 連 れて 行 った。
9 彼 は三 日間、目 が 見 えず、また 食 べることも 飲 むこともしなかった。
10 さて、ダマスコにアナニヤというひとりの 弟子 がいた。この 人 に 主 が 幻 の 中 に 現 れて、「アナニヤよ」とお 呼 びになった。彼 は「主 よ、わたしでございます」と 答 えた。
11 そこで 主 が 彼 に 言 われた、「立 って、『真 すぐ』という 名 の 路地 に 行 き、ユダの 家 でサウロというタルソ 人 を 尋 ねなさい。彼 はいま 祈 っている。
12 彼 はアナニヤという 人 がはいってきて、手 を 自分 の 上 において 再 び 見 えるようにしてくれるのを、幻 で 見 たのである」。
13 アナニヤは 答 えた、「主 よ、あの 人 がエルサレムで、どんなにひどい 事 をあなたの 聖徒 たちにしたかについては、多 くの 人 たちから 聞 いています。
14 そして 彼 はここでも、御名 をとなえる 者 たちをみな 捕縛 する 権 を、祭司長 たちから 得 てきているのです」。
15 しかし、主 は 仰 せになった、「さあ、行 きなさい。あの 人 は、異邦人 たち、王 たち、またイスラエルの 子 らにも、わたしの 名 を 伝 える 器 として、わたしが 選 んだ 者 である。
16 わたしの 名 のために 彼 がどんなに 苦 しまなければならないかを、彼 に 知 らせよう」。
17 そこでアナニヤは、出 かけて 行 ってその 家 にはいり、手 をサウロの 上 において 言 った、「兄弟 サウロよ、あなたが 来 る 途中 で 現 れた 主 イエスは、あなたが 再 び 見 えるようになるため、そして 聖霊 に 満 たされるために、わたしをここにおつかわしになったのです」。
18 するとたちどころに、サウロの 目 から、うろこのようなものが 落 ちて、元 どおり 見 えるようになった。そこで 彼 は 立 ってバプテスマを 受 け、
19 また 食事 をとって 元気 を 取 りもどした。サウロは、ダマスコにいる 弟子 たちと 共 に 数日間 を 過 ごしてから、
20 ただちに 諸 会堂 でイエスのことを 宣 べ 伝 え、このイエスこそ 神 の 子 であると 説 きはじめた。
21 これを 聞 いた 人 たちはみな 非常 に 驚 いて 言 った、「あれは、エルサレムでこの 名 をとなえる 者 たちを 苦 しめた 男 ではないか。その 上 ここにやってきたのも、彼 らを 縛 りあげて、祭司長 たちのところへひっぱって 行 くためではなかったか」。
22 しかし、サウロはますます 力 が 加 わり、このイエスがキリストであることを 論証 して、ダマスコに 住 むユダヤ 人 たちを 言 い 伏 せた。
23 相当 の 日数 がたったころ、ユダヤ 人 たちはサウロを 殺 す 相談 をした。
24 ところが、その 陰謀 が 彼 の 知 るところとなった。彼 らはサウロを 殺 そうとして、夜昼、町 の 門 を 見守 っていたのである。
25 そこで 彼 の 弟子 たちが、夜 の 間 に 彼 をかごに 乗 せて、町 の 城壁 づたいにつりおろした。
26 サウロはエルサレムに 着 いて、弟子 たちの 仲間 に 加 わろうと 努 めたが、みんなの 者 は 彼 を 弟子 だとは 信 じないで、恐 れていた。
27 ところが、バルナバは 彼 の 世話 をして 使徒 たちのところへ 連 れて 行 き、途中 で 主 が 彼 に 現 れて 語 りかけたことや、彼 がダマスコでイエスの 名 で 大胆 に 宣 べ 伝 えた 次第 を、彼 らに 説明 して 聞 かせた。
28 それ 以来、彼 は 使徒 たちの 仲間 に 加 わり、エルサレムに 出入 りし、主 の 名 によって 大胆 に 語 り、
29 ギリシヤ 語 を 使 うユダヤ 人 たちとしばしば 語 り 合 い、また 論 じ 合 った。しかし、彼 らは 彼 を 殺 そうとねらっていた。
30 兄弟 たちはそれと 知 って、彼 をカイザリヤに 連 れてくだり、タルソへ 送 り 出 した。
31 こうして 教会 は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤ 全 地方 にわたって 平安 を 保 ち、基礎 がかたまり、主 をおそれ 聖霊 にはげまされて 歩 み、次第 に 信徒 の 数 を 増 して 行 った。
32 ペテロは 方々 をめぐり 歩 いたが、ルダに 住 む 聖徒 たちのところへも 下 って 行 った。
33 そして、そこで、八 年間 も 床 についているアイネヤという 人 に 会 った。この 人 は 中風 であった。
34 ペテロが 彼 に 言 った、「アイネヤよ、イエス・キリストがあなたをいやして 下 さるのだ。起 きなさい。そして 床 を 取 りあげなさい」。すると、彼 はただちに 起 きあがった。
35 ルダとサロンに 住 む 人 たちは、みなそれを 見 て、主 に 帰依 した。
36 ヨッパにタビタ(これを 訳 すと、ドルカス、すなわち、かもしか)という 女 弟子 がいた。数々 のよい 働 きや 施 しをしていた 婦人 であった。
37 ところが、そのころ 病気 になって 死 んだので、人々 はそのからだを 洗 って、屋上 の 間 に 安置 した。
38 ルダはヨッパに 近 かったので、弟子 たちはペテロがルダにきていると 聞 き、ふたりの 者 を 彼 のもとにやって、「どうぞ、早 くこちらにおいで 下 さい」と 頼 んだ。
39 そこでペテロは 立 って、ふたりの 者 に 連 れられてきた。彼 が 着 くとすぐ、屋上 の 間 に 案内 された。すると、やもめたちがみんな 彼 のそばに 寄 ってきて、ドルカスが 生前 つくった 下着 や 上着 の 数々 を、泣 きながら 見 せるのであった。
40 ペテロはみんなの 者 を 外 に 出 し、ひざまずいて 祈 った。それから 死体 の 方 に 向 いて、「タビタよ、起 きなさい」と 言 った。すると 彼女 は 目 をあけ、ペテロを 見 て 起 きなおった。
41 ペテロは 彼女 に 手 をかして 立 たせた。それから、聖徒 たちや、やもめたちを 呼 び 入 れて、彼女 が 生 きかえっているのを 見 せた。
42 このことがヨッパ 中 に 知 れわたり、多 くの 人々 が 主 を 信 じた。
43 ペテロは、皮 なめしシモンという 人 の 家 に 泊 まり、しばらくの 間 ヨッパに 滞在 した。
Chapter 10
1 さて、カイザリヤにコルネリオという 名 の 人 がいた。イタリヤ 隊 と 呼 ばれた 部隊 の 百卒長 で、
2 信心 深 く、家族 一同 と 共 に 神 を 敬 い、民 に 数々 の 施 しをなし、絶 えず 神 に 祈 をしていた。
3 ある 日 の 午後 三 時 ごろ、神 の 使 が 彼 のところにきて、「コルネリオよ」と 呼 ぶのを、幻 ではっきり 見 た。
4 彼 は 御使 を 見 つめていたが、恐 ろしくなって、「主 よ、なんでございますか」と 言 った。すると 御使 が 言 った、「あなたの 祈 や 施 しは 神 のみ 前 にとどいて、おぼえられている。
5 ついては 今、ヨッパに 人 をやって、ペテロと 呼 ばれるシモンという 人 を 招 きなさい。
6 この 人 は、海 べに 家 をもつ 皮 なめしシモンという 者 の 客 となっている」。
7 このお 告 げをした 御使 が 立 ち 去 ったのち、コルネリオは、僕 ふたりと、部下 の 中 で 信心 深 い 兵卒 ひとりとを 呼 び、
8 いっさいの 事 を 説明 して 聞 かせ、ヨッパへ 送 り 出 した。
9 翌日、この三 人 が 旅 をつづけて 町 の 近 くにきたころ、ペテロは 祈 をするため 屋上 にのぼった。時 は 昼 の十二 時 ごろであった。
10 彼 は 空腹 をおぼえて、何 か 食 べたいと 思 った。そして、人々 が 食事 の 用意 をしている 間 に、夢心地 になった。
11 すると、天 が 開 け、大 きな 布 のような 入 れ 物 が、四 すみをつるされて、地上 に 降 りて 来 るのを 見 た。
12 その 中 には、地上 の四つ 足 や 這 うもの、また 空 の 鳥 など、各種 の 生 きものがはいっていた。
13 そして 声 が 彼 に 聞 えてきた、「ペテロよ。立 って、それらをほふって 食 べなさい」。
14 ペテロは 言 った、「主 よ、それはできません。わたしは 今 までに、清 くないもの、汚 れたものは、何一 つ 食 べたことがありません」。
15 すると、声 が二 度目 にかかってきた、「神 がきよめたものを、清 くないなどと 言 ってはならない」。
16 こんなことが三 度 もあってから、その 入 れ 物 はすぐ 天 に 引 き 上 げられた。
17 ペテロが、いま 見 た 幻 はなんの 事 だろうかと、ひとり 思案 にくれていると、ちょうどその 時、コルネリオから 送 られた 人 たちが、シモンの 家 を 尋 ね 当 てて、その 門口 に 立 っていた。
18 そして 声 をかけて、「ペテロと 呼 ばれるシモンというかたが、こちらにお 泊 まりではございませんか」と 尋 ねた。
19 ペテロはなおも 幻 について、思 いめぐらしていると、御霊 が 言 った、「ごらんなさい、三 人 の 人 たちが、あなたを 尋 ねてきている。
20 さあ、立 って 下 に 降 り、ためらわないで、彼 らと 一緒 に 出 かけるがよい。わたしが 彼 らをよこしたのである」。
21 そこでペテロは、その 人 たちのところに 降 りて 行 って 言 った、「わたしがお 尋 ねのペテロです。どんなご 用 でおいでになったのですか」。
22 彼 らは 答 えた、「正 しい 人 で、神 を 敬 い、ユダヤの 全国民 に 好感 を 持 たれている 百卒長 コルネリオが、あなたを 家 に 招 いてお 話 を 伺 うようにとのお 告 げを、聖 なる 御使 から 受 けましたので、参 りました」。
23 そこで、ペテロは、彼 らを 迎 えて 泊 まらせた。翌日、ペテロは 立 って、彼 らと 連 れだって 出 発 した。ヨッパの 兄弟 たち 数人 も 一緒 に 行 った。
24 その 次 の 日 に、一行 はカイザリヤに 着 いた。コルネリオは 親族 や 親 しい 友人 たちを 呼 び 集 めて、待 っていた。
25 ペテロがいよいよ 到着 すると、コルネリオは 出迎 えて、彼 の 足 もとにひれ 伏 して 拝 した。
26 するとペテロは、彼 を 引 き 起 して 言 った、「お 立 ちなさい。わたしも 同 じ 人間 です」。
27 それから 共 に 話 しながら、へやにはいって 行 くと、そこには、すでに 大 ぜいの 人 が 集 まっていた。
28 ペテロは 彼 らに 言 った、「あなたがたが 知 っているとおり、ユダヤ 人 が 他国 の 人 と 交際 したり、出入 りしたりすることは、禁 じられています。ところが、神 は、どんな 人間 をも 清 くないとか、汚 れているとか 言 ってはならないと、わたしにお 示 しになりました。
29 お 招 きにあずかった 時、少 しもためらわずに 参 ったのは、そのためなのです。そこで 伺 いますが、どういうわけで、わたしを 招 いてくださったのですか」。
30 これに 対 してコルネリオが 答 えた、「四 日 前、ちょうどこの 時刻 に、わたしが 自宅 で 午後 三 時 の 祈 をしていますと、突然、輝 いた 衣 を 着 た 人 が、前 に 立 って 申 しました、
31 『コルネリオよ、あなたの 祈 は 聞 きいれられ、あなたの 施 しは 神 のみ 前 におぼえられている。
32 そこでヨッパに 人 を 送 ってペテロと 呼 ばれるシモンを 招 きなさい。その 人 は 皮 なめしシモンの 海沿 いの 家 に 泊 まっている』。
33 それで、早速 あなたをお 呼 びしたのです。ようこそおいで 下 さいました。今 わたしたちは、主 があなたにお 告 げになったことを 残 らず 伺 おうとして、みな 神 のみ 前 にまかり 出 ているのです」。
34 そこでペテロは 口 を 開 いて 言 った、「神 は 人 をかたよりみないかたで、
35 神 を 敬 い 義 を 行 う 者 はどの 国民 でも 受 けいれて 下 さることが、ほんとうによくわかってきました。
36 あなたがたは、神 がすべての 者 の 主 なるイエス・キリストによって 平和 の 福音 を 宣 べ 伝 えて、イスラエルの 子 らにお 送 り 下 さった 御言 をご 存 じでしょう。
37 それは、ヨハネがバプテスマを 説 いた 後、ガリラヤから 始 まってユダヤ 全土 にひろまった 福音 を 述 べたものです。
38 神 はナザレのイエスに 聖霊 と 力 とを 注 がれました。このイエスは、神 が 共 におられるので、よい 働 きをしながら、また 悪魔 に 押 えつけられている 人々 をことごとくいやしながら、巡回 されました。
39 わたしたちは、イエスがこうしてユダヤ 人 の 地 やエルサレムでなさったすべてのことの 証人 であります。人々 はこのイエスを 木 にかけて 殺 したのです。
40 しかし 神 はイエスを三 日 目 によみがえらせ、
41 全部 の 人々 にではなかったが、わたしたち 証人 としてあらかじめ 選 ばれた 者 たちに 現 れるようにして 下 さいました。わたしたちは、イエスが 死人 の 中 から 復活 された 後、共 に 飲食 しました。
42 それから、イエスご 自身 が 生者 と 死者 との 審判者 として 神 に 定 められたかたであることを、人々 に 宣 べ 伝 え、またあかしするようにと、神 はわたしたちにお 命 じになったのです。
43 預言者 たちもみな、イエスを 信 じる 者 はことごとく、その 名 によって 罪 のゆるしが 受 けられると、あかしをしています」。
44 ペテロがこれらの 言葉 をまだ 語 り 終 えないうちに、それを 聞 いていたみんなの 人 たちに、聖霊 がくだった。
45 割礼 を 受 けている 信者 で、ペテロについてきた 人 たちは、異邦人 たちにも 聖霊 の 賜物 が 注 がれたのを 見 て、驚 いた。
46 それは、彼 らが 異言 を 語 って 神 をさんびしているのを 聞 いたからである。そこで、ペテロが 言 い 出 した、
47 「この 人 たちがわたしたちと 同 じように 聖霊 を 受 けたからには、彼 らに 水 でバプテスマを 授 けるのを、だれがこばみ 得 ようか」。
48 こう 言 って、ペテロはその 人々 に 命 じて、イエス・キリストの 名 によってバプテスマを 受 けさせた。それから、彼 らはペテロに 願 って、なお 数日 のあいだ 滞在 してもらった。
Chapter 11
1 さて、異邦人 たちも 神 の 言 を 受 けいれたということが、使徒 たちやユダヤにいる 兄弟 たちに 聞 えてきた。
2 そこでペテロがエルサレムに 上 ったとき、割礼 を 重 んじる 者 たちが 彼 をとがめて 言 った、
3 「あなたは、割礼 のない 人 たちのところに 行 って、食事 を 共 にしたということだが」。
4 そこでペテロは 口 を 開 いて、順序 正 しく 説明 して 言 った、
5 「わたしがヨッパの 町 で 祈 っていると、夢心地 になって 幻 を 見 た。大 きな 布 のような 入 れ 物 が、四 すみをつるされて、天 から 降 りてきて、わたしのところにとどいた。
6 注意 して 見 つめていると、地上 の四つ 足、野 の 獣、這 うもの、空 の 鳥 などが、はいっていた。
7 それから 声 がして、『ペテロよ、立 って、それらをほふって 食 べなさい』と、わたしに 言 うのが 聞 えた。
8 わたしは 言 った、『主 よ、それはできません。わたしは 今 までに、清 くないものや 汚 れたものを 口 に 入 れたことが 一度 もございません』。
9 すると、二 度目 に 天 から 声 がかかってきた、『神 がきよめたものを、清 くないなどと 言 ってはならない』。
10 こんなことが三 度 もあってから、全部 のものがまた 天 に 引 き 上 げられてしまった。
11 ちょうどその 時、カイザリヤからつかわされてきた三 人 の 人 が、わたしたちの 泊 まっていた 家 に 着 いた。
12 御霊 がわたしに、ためらわずに 彼 らと 共 に 行 けと 言 ったので、ここにいる六 人 の 兄弟 たちも、わたしと 一緒 に 出 かけて 行 き、一同 がその 人 の 家 にはいった。
13 すると 彼 はわたしたちに、御使 が 彼 の 家 に 現 れて、『ヨッパに 人 をやって、ペテロと 呼 ばれるシモンを 招 きなさい。
14 この 人 は、あなたとあなたの 全 家族 とが 救 われる 言葉 を 語 って 下 さるであろう』と 告 げた 次第 を、話 してくれた。
15 そこでわたしが 語 り 出 したところ、聖霊 が、ちょうど 最初 わたしたちの 上 にくだったと 同 じように、彼 らの 上 にくだった。
16 その 時 わたしは、主 が『ヨハネは 水 でバプテスマを 授 けたが、あなたがたは 聖霊 によってバプテスマを 受 けるであろう』と 仰 せになった 言葉 を 思 い 出 した。
17 このように、わたしたちが 主 イエス・キリストを 信 じた 時 に 下 さったのと 同 じ 賜物 を、神 が 彼 らにもお 与 えになったとすれば、わたしのような 者 が、どうして 神 を 妨 げることができようか」。
18 人々 はこれを 聞 いて 黙 ってしまった。それから 神 をさんびして、「それでは 神 は、異邦人 にも 命 にいたる 悔改 めをお 与 えになったのだ」と 言 った。
19 さて、ステパノのことで 起 った 迫害 のために 散 らされた 人々 は、ピニケ、クプロ、アンテオケまでも 進 んで 行 ったが、ユダヤ 人 以外 の 者 には、だれにも 御言 を 語 っていなかった。
20 ところが、その 中 に 数人 のクプロ 人 とクレネ 人 がいて、アンテオケに 行 ってからギリシヤ 人 にも 呼 びかけ、主 イエスを 宣 べ 伝 えていた。
21 そして、主 のみ 手 が 彼 らと 共 にあったため、信 じて 主 に 帰依 するものの 数 が 多 かった。
22 このうわさがエルサレムにある 教会 に 伝 わってきたので、教会 はバルナバをアンテオケにつかわした。
23 彼 は、そこに 着 いて、神 のめぐみを 見 てよろこび、主 に 対 する 信仰 を 揺 るがない 心 で 持 ちつづけるようにと、みんなの 者 を 励 ました。
24 彼 は 聖霊 と 信仰 とに 満 ちた 立派 な 人 であったからである。こうして 主 に 加 わる 人々 が、大 ぜいになった。
25 そこでバルナバはサウロを 捜 しにタルソへ 出 かけて 行 き、
26 彼 を 見 つけたうえ、アンテオケに 連 れて 帰 った。ふたりは、まる一 年、ともどもに 教会 で 集 まりをし、大 ぜいの 人々 を 教 えた。このアンテオケで 初 めて、弟子 たちがクリスチャンと 呼 ばれるようになった。
27 そのころ、預言者 たちがエルサレムからアンテオケにくだってきた。
28 その 中 のひとりであるアガボという 者 が 立 って、世界中 に 大 ききんが 起 るだろうと、御霊 によって 預言 したところ、果 してそれがクラウデオ 帝 の 時 に 起 った。
29 そこで 弟子 たちは、それぞれの 力 に 応 じて、ユダヤに 住 んでいる 兄弟 たちに 援助 を 送 ることに 決 めた。
30 そして、それをバルナバとサウロとの 手 に 託 して、長老 たちに 送 りとどけた。
Chapter 12
1 そのころ、ヘロデ 王 は 教会 のある 者 たちに 圧迫 の 手 をのばし、
2 ヨハネの 兄弟 ヤコブをつるぎで 切 り 殺 した。
3 そして、それがユダヤ 人 たちの 意 にかなったのを 見 て、さらにペテロをも 捕 えにかかった。それは 除酵祭 の 時 のことであった。
4 ヘロデはペテロを 捕 えて 獄 に 投 じ、四 人 一 組 の 兵卒 四 組 に 引 き 渡 して、見張 りをさせておいた。過越 の 祭 のあとで、彼 を 民衆 の 前 に 引 き 出 すつもりであったのである。
5 こうして、ペテロは 獄 に 入 れられていた。教会 では、彼 のために 熱心 な 祈 が 神 にささげられた。
6 ヘロデが 彼 を 引 き 出 そうとしていたその 夜、ペテロは 二重 の 鎖 につながれ、ふたりの 兵卒 の 間 に 置 かれて 眠 っていた。番兵 たちは 戸口 で 獄 を 見張 っていた。
7 すると、突然、主 の 使 がそばに 立 ち、光 が 獄内 を 照 した。そして 御使 はペテロのわき 腹 をつついて 起 し、「早 く 起 きあがりなさい」と 言 った。すると 鎖 が 彼 の 両手 から、はずれ 落 ちた。
8 御使 が「帯 をしめ、くつをはきなさい」と 言 ったので、彼 はそのとおりにした。それから「上着 を 着 て、ついてきなさい」と 言 われたので、
9 ペテロはついて 出 て 行 った。彼 には 御使 のしわざが 現実 のこととは 考 えられず、ただ 幻 を 見 ているように 思 われた。
10 彼 らは 第 一、第 二の 衛所 を 通 りすぎて、町 に 抜 ける 鉄 門 のところに 来 ると、それがひとりでに 開 いたので、そこを 出 て一つの 通路 に 進 んだとたんに、御使 は 彼 を 離 れ 去 った。
11 その 時 ペテロはわれにかえって 言 った、「今 はじめて、ほんとうのことがわかった。主 が 御使 をつかわして、ヘロデの 手 から、またユダヤ 人 たちの 待 ちもうけていたあらゆる 災 から、わたしを 救 い 出 して 下 さったのだ」。
12 ペテロはこうとわかってから、マルコと 呼 ばれているヨハネの 母 マリヤの 家 に 行 った。その 家 には 大 ぜいの 人 が 集 まって 祈 っていた。
13 彼 が 門 の 戸 をたたいたところ、ロダという 女中 が 取次 ぎに 出 てきたが、
14 ペテロの 声 だとわかると、喜 びのあまり、門 をあけもしないで 家 に 駆 け 込 み、ペテロが 門口 に 立 っていると 報告 した。
15 人々 は「あなたは 気 が 狂 っている」と 言 ったが、彼女 は 自分 の 言 うことに 間違 いはないと、言 い 張 った。そこで 彼 らは「それでは、ペテロの 御使 だろう」と 言 った。
16 しかし、ペテロが 門 をたたきつづけるので、彼 らがあけると、そこにペテロがいたのを 見 て 驚 いた。
17 ペテロは 手 を 振 って 彼 らを 静 め、主 が 獄 から 彼 を 連 れ 出 して 下 さった 次第 を 説明 し、「このことを、ヤコブやほかの 兄弟 たちに 伝 えて 下 さい」と 言 い 残 して、どこかほかの 所 へ 出 て 行 った。
18 夜 が 明 けると、兵卒 たちの 間 に、ペテロはいったいどうなったのだろうと、大 へんな 騒 ぎが 起 った。
19 ヘロデはペテロを 捜 しても 見 つからないので、番兵 たちを 取 り 調 べたうえ、彼 らを 死刑 に 処 するように 命 じ、そして、ユダヤからカイザリヤにくだって 行 って、そこに 滞在 した。
20 さて、ツロとシドンとの 人々 は、ヘロデの 怒 りに 触 ていたので、一同 うちそろって 王 をおとずれ、王 の 侍従 官 ブラストに 取 りいって、和解 かたを 依頼 した。彼 らの 地方 が、王 の 国 から 食糧 を 得 ていたからである。
21 定 められた 日 に、ヘロデは 王 服 をまとって 王座 にすわり、彼 らにむかって 演説 をした。
22 集 まった 人々 は、「これは 神 の 声 だ、人間 の 声 ではない」と 叫 びつづけた。
23 するとたちまち、主 の 使 が 彼 を 打 った。神 に 栄光 を 帰 することをしなかったからである。彼 は 虫 にかまれて 息 が 絶 えてしまった。
24 こうして、主 の 言 はますます 盛 んにひろまって 行 った。
25 バルナバとサウロとは、その 任務 を 果 したのち、マルコと 呼 ばれていたヨハネを 連 れて、エルサレムから 帰 ってきた。
Chapter 13
1 さて、アンテオケにある 教会 には、バルナバ、ニゲルと 呼 ばれるシメオン、クレネ 人 ルキオ、領主 ヘロデの 乳兄弟 マナエン、およびサウロなどの 預言者 や 教師 がいた。
2 一同 が 主 に 礼拝 をささげ、断食 をしていると、聖霊 が「さあ、バルナバとサウロとを、わたしのために 聖 別 して、彼 らに 授 けておいた 仕事 に 当 らせなさい」と 告 げた。
3 そこで 一同 は、断食 と 祈 とをして、手 をふたりの 上 においた 後、出発 させた。
4 ふたりは 聖霊 に 送 り 出 されて、セルキヤにくだり、そこから 舟 でクプロに 渡 った。
5 そしてサラミスに 着 くと、ユダヤ 人 の 諸 会堂 で 神 の 言 を 宣 べはじめた。彼 らはヨハネを 助 け 手 として 連 れていた。
6 島 全体 を 巡回 して、パポスまで 行 ったところ、そこでユダヤ 人 の 魔術 師、バルイエスというにせ 預言者 に 出会 った。
7 彼 は 地方 総督 セルギオ・パウロのところに 出入 りをしていた。この 総督 は 賢明 な 人 であって、バルナバとサウロとを 招 いて、神 の 言 を 聞 こうとした。
8 ところが 魔術 師 エルマ(彼 の 名 は「魔術 師」との 意)は、総督 を 信仰 からそらそうとして、しきりにふたりの 邪魔 をした。
9 サウロ、またの 名 はパウロ、は 聖霊 に 満 たされ、彼 をにらみつけて
10 言 った、「ああ、あらゆる 偽 りと 邪悪 とでかたまっている 悪魔 の 子 よ、すべて 正 しいものの 敵 よ。主 のまっすぐな 道 を 曲 げることを 止 めないのか。
11 見 よ、主 のみ 手 がおまえの 上 に 及 んでいる。おまえは 盲 になって、当分、日 の 光 が 見 えなくなるのだ」。たちまち、かすみとやみとが 彼 にかかったため、彼 は 手 さぐりしながら、手 を 引 いてくれる 人 を 捜 しまわった。
12 総督 はこの 出来事 を 見 て、主 の 教 にすっかり 驚 き、そして 信 じた。
13 パウロとその 一行 は、パポスから 船出 して、パンフリヤのペルガに 渡 った。ここでヨハネは 一行 から 身 を 引 いて、エルサレムに 帰 ってしまった。
14 しかしふたりは、ペルガからさらに 進 んで、ピシデヤのアンテオケに 行 き、安息日 に 会堂 にはいって 席 に 着 いた。
15 律法 と 預言 書 の 朗読 があったのち、会堂司 たちが 彼 らのところに 人 をつかわして、「兄弟 たちよ、もしあなたがたのうち、どなたか、この 人々 に 何 か 奨励 の 言葉 がありましたら、どうぞお 話 し 下 さい」と 言 わせた。
16 そこでパウロが 立 ちあがり、手 を 振 りながら 言 った。「イスラエルの 人 たち、ならびに 神 を 敬 うかたがたよ、お 聞 き 下 さい。
17 この 民 イスラエルの 神 は、わたしたちの 先祖 を 選 び、エジプトの 地 に 滞在 中、この 民 を 大 いなるものとし、み 腕 を 高 くさし 上 げて、彼 らをその 地 から 導 き 出 された。
18 そして 約 四十 年 にわたって、荒野 で 彼 らをはぐくみ、
19 カナンの 地 では七つの 異 民族 を 打 ち 滅 ぼし、その 地 を 彼 らに 譲 り 与 えられた。
20 それらのことが 約 四百五十 年 の 年月 にわたった。その 後、神 はさばき 人 たちをおつかわしになり、預言者 サムエルの 時 に 及 んだ。
21 その 時、人々 が 王 を 要求 したので、神 はベニヤミン 族 の 人、キスの 子 サウロを四十 年間、彼 らにおつかわしになった。
22 それから 神 はサウロを 退 け、ダビデを 立 てて 王 とされたが、彼 についてあかしをして、『わたしはエッサイの 子 ダビデを 見 つけた。彼 はわたしの 心 にかなった 人 で、わたしの 思 うところを、ことごとく 実行 してくれるであろう』と 言 われた。
23 神 は 約束 にしたがって、このダビデの 子孫 の 中 から 救主 イエスをイスラエルに 送 られたが、
24 そのこられる 前 に、ヨハネがイスラエルのすべての 民 に 悔改 めのバプテスマを、あらかじめ 宣 べ 伝 えていた。
25 ヨハネはその 一生 の 行程 を 終 ろうとするに 当 って 言 った、『わたしは、あなたがたが 考 えているような 者 ではない。しかし、わたしのあとから 来 るかたがいる。わたしはそのくつを 脱 がせてあげる 値 うちもない』。
26 兄弟 たち、アブラハムの 子孫 のかたがた、ならびに 皆 さんの 中 の 神 を 敬 う 人 たちよ。この 救 の 言葉 はわたしたちに 送 られたのである。
27 エルサレムに 住 む 人々 やその 指導者 たちは、イエスを 認 めずに 刑 に 処 し、それによって、安息日 ごとに 読 む 預言者 の 言葉 が 成就 した。
28 また、なんら 死 に 当 る 理由 が 見 いだせなかったのに、ピラトに 強要 してイエスを 殺 してしまった。
29 そして、イエスについて 書 いてあることを、皆 なし 遂 げてから、人々 はイエスを 木 から 取 りおろして 墓 に 葬 った。
30 しかし、神 はイエスを 死人 の 中 から、よみがえらせたのである。
31 イエスは、ガリラヤからエルサレムへ 一緒 に 上 った 人 たちに、幾日 ものあいだ 現 れ、そして、彼 らは 今 や、人々 に 対 してイエスの 証人 となっている。
32 わたしたちは、神 が 先祖 たちに 対 してなされた 約束 を、ここに 宣 べ 伝 えているのである。
33 神 は、イエスをよみがえらせて、わたしたち 子孫 にこの 約束 を、お 果 しになった。それは 詩篇 の 第 二 篇 にも、『あなたこそは、わたしの 子。きょう、わたしはあなたを 生 んだ』と 書 いてあるとおりである。
34 また、神 がイエスを 死人 の 中 からよみがえらせて、いつまでも 朽 ち 果 てることのないものとされたことについては、『わたしは、ダビデに 約束 した 確 かな 聖 なる 祝福 を、あなたがたに 授 けよう』と 言 われた。
35 だから、ほかの 箇所 でもこう 言 っておられる、『あなたの 聖者 が 朽 ち 果 てるようなことは、お 許 しにならないであろう』。
36 事実、ダビデは、その 時代 の 人々 に 神 のみ 旨 にしたがって 仕 えたが、やがて 眠 りにつき、先祖 たちの 中 に 加 えられて、ついに 朽 ち 果 ててしまった。
37 しかし、神 がよみがえらせたかたは、朽 ち 果 てることがなかったのである。
38 だから、兄弟 たちよ、この 事 を 承知 しておくがよい。すなわち、このイエスによる 罪 のゆるしの 福音 が、今 やあなたがたに 宣 べ 伝 えられている。そして、モーセの 律法 では 義 とされることができなかったすべての 事 についても、
39 信 じる 者 はもれなく、イエスによって 義 とされるのである。
40 だから 預言者 たちの 書 にかいてある 次 のようなことが、あなたがたの 身 に 起 らないように 気 をつけなさい。
41 『見 よ、侮 る 者 たちよ。驚 け、そして 滅 び 去 れ。わたしは、あなたがたの 時代 に一つの 事 をする。それは、人 がどんなに 説明 して 聞 かせても、あなたがたのとうてい 信 じないような 事 なのである』」。
42 ふたりが 会堂 を 出 る 時、人々 は 次 の 安息日 にも、これと 同 じ 話 をしてくれるようにと、しきりに 願 った。
43 そして 集会 が 終 ってからも、大 ぜいのユダヤ 人 や 信心 深 い 改宗者 たちが、パウロとバルナバとについてきたので、ふたりは、彼 らが 引 きつづき 神 のめぐみにとどまっているようにと、説 きすすめた。
44 次 の 安息日 には、ほとんど 全市 をあげて、神 の 言 を 聞 きに 集 まってきた。
45 するとユダヤ 人 たちは、その 群衆 を 見 てねたましく 思 い、パウロの 語 ることに 口 ぎたなく 反対 した。
46 パウロとバルナバとは 大胆 に 語 った、「神 の 言 は、まず、あなたがたに 語 り 伝 えられなければならなかった。しかし、あなたがたはそれを 退 け、自分 自身 を 永遠 の 命 にふさわしからぬ 者 にしてしまったから、さあ、わたしたちはこれから 方向 をかえて、異邦人 たちの 方 に 行 くのだ。
47 主 はわたしたちに、こう 命 じておられる、『わたしは、あなたを 立 てて 異邦人 の 光 とした。あなたが 地 の 果 までも 救 をもたらすためである』」。
48 異邦人 たちはこれを 聞 いてよろこび、主 の 御言 をほめたたえてやまなかった。そして、永遠 の 命 にあずかるように 定 められていた 者 は、みな 信 じた。
49 こうして、主 の 御言 はこの 地方 全体 にひろまって 行 った。
50 ところが、ユダヤ 人 たちは、信心 深 い 貴婦人 たちや 町 の 有力 者 たちを 煽動 して、パウロとバルナバを 迫害 させ、ふたりをその 地方 から 追 い 出 させた。
51 ふたりは、彼 らに 向 けて 足 のちりを 払 い 落 して、イコニオムへ 行 った。
52 弟子 たちは、ますます 喜 びと 聖霊 とに 満 たされていた。
Chapter 14
1 ふたりは、イコニオムでも 同 じようにユダヤ 人 の 会堂 にはいって 語 った 結果、ユダヤ 人 やギリシヤ 人 が 大 ぜい 信 じた。
2 ところが、信 じなかったユダヤ 人 たちは 異邦人 たちをそそのかして、兄弟 たちに 対 して 悪意 をいだかせた。
3 それにもかかわらず、ふたりは 長 い 期間 をそこで 過 ごして、大胆 に 主 のことを 語 った。主 は、彼 らの 手 によってしるしと 奇跡 とを 行 わせ、そのめぐみの 言葉 をあかしされた。
4 そこで 町 の 人々 が二 派 に 分 れ、ある 人 たちはユダヤ 人 の 側 につき、ある 人 たちは 使徒 の 側 についた。
5 その 時、異邦人 やユダヤ 人 が 役人 たちと 一緒 になって 反対 運動 を 起 し、使徒 たちをはずかしめ、石 で 打 とうとしたので、
6 ふたりはそれと 気 づいて、ルカオニヤの 町々、ルステラ、デルベおよびその 附近 の 地 へのがれ、
7 そこで 引 きつづき 福音 を 伝 えた。
8 ところが、ルステラに 足 のきかない 人 が、すわっていた。彼 は 生 れながらの 足 なえで、歩 いた 経験 が 全 くなかった。
9 この 人 がパウロの 語 るのを 聞 いていたが、パウロは 彼 をじっと 見 て、いやされるほどの 信仰 が 彼 にあるのを 認 め、
10 大声 で「自分 の 足 で、まっすぐに 立 ちなさい」と 言 った。すると 彼 は 踊 り 上 がって 歩 き 出 した。
11 群衆 はパウロのしたことを 見 て、声 を 張 りあげ、ルカオニヤの 地方 語 で、「神々 が 人間 の 姿 をとって、わたしたちのところにお 下 りになったのだ」と 叫 んだ。
12 彼 らはバルナバをゼウスと 呼 び、パウロはおもに 語 る 人 なので、彼 をヘルメスと 呼 んだ。
13 そして、郊外 にあるゼウス 神殿 の 祭司 が、群衆 と 共 に、ふたりに 犠牲 をささげようと 思 って、雄 牛 数頭 と 花輪 とを 門前 に 持 ってきた。
14 ふたりの 使徒 バルナバとパウロとは、これを 聞 いて 自分 の 上着 を 引 き 裂 き、群衆 の 中 に 飛 び 込 んで 行 き、叫 んで
15 言 った、「皆 さん、なぜこんな 事 をするのか。わたしたちとても、あなたがたと 同 じような 人間 である。そして、あなたがたがこのような 愚 にもつかぬものを 捨 てて、天 と 地 と 海 と、その 中 のすべてのものをお 造 りになった 生 ける 神 に 立 ち 帰 るようにと、福音 を 説 いているものである。
16 神 は 過 ぎ 去 った 時代 には、すべての 国々 の 人 が、それぞれの 道 を 行 くままにしておかれたが、
17 それでも、ご 自分 のことをあかししないでおられたわけではない。すなわち、あなたがたのために 天 から 雨 を 降 らせ、実 りの 季節 を 与 え、食物 と 喜 びとで、あなたがたの 心 を 満 たすなど、いろいろのめぐみをお 与 えになっているのである」。
18 こう 言 って、ふたりは、やっとのことで、群衆 が 自分 たちに 犠牲 をささげるのを、思 い 止 まらせた。
19 ところが、あるユダヤ 人 たちはアンテオケやイコニオムから 押 しかけてきて、群衆 を 仲間 に 引 き 入 れたうえ、パウロを 石 で 打 ち、死 んでしまったと 思 って、彼 を 町 の 外 に 引 きずり 出 した。
20 しかし、弟子 たちがパウロを 取 り 囲 んでいる 間 に、彼 は 起 きあがって 町 にはいって 行 った。そして 翌日 には、バルナバと 一緒 にデルベにむかって 出 かけた。
21 その 町 で 福音 を 伝 えて、大 ぜいの 人 を 弟子 とした 後、ルステラ、イコニオム、アンテオケの 町々 に 帰 って 行 き、
22 弟子 たちを 力 づけ、信仰 を 持 ちつづけるようにと 奨励 し、「わたしたちが 神 の 国 にはいるのには、多 くの 苦難 を 経 なければならない」と 語 った。
23 また 教会 ごとに 彼 らのために 長老 たちを 任命 し、断食 をして 祈 り、彼 らをその 信 じている 主 にゆだねた。
24 それから、ふたりはピシデヤを 通過 してパンフリヤにきたが、
25 ペルガで 御言 を 語 った 後、アタリヤにくだり、
26 そこから 舟 でアンテオケに 帰 った。彼 らが 今 なし 終 った 働 きのために、神 の 祝福 を 受 けて 送 り 出 されたのは、このアンテオケからであった。
27 彼 らは 到着 早々、教会 の 人々 を 呼 び 集 めて、神 が 彼 らと 共 にいてして 下 さった 数々 のこと、また 信仰 の 門 を 異邦人 に 開 いて 下 さったことなどを、報告 した。
28 そして、ふたりはしばらくの 間、弟子 たちと 一緒 に 過 ごした。
Chapter 15
1 さて、ある 人 たちがユダヤから 下 ってきて、兄弟 たちに「あなたがたも、モーセの 慣例 にしたがって 割礼 を 受 けなければ、救 われない」と、説 いていた。
2 そこで、パウロやバルナバと 彼 らとの 間 に、少 なからぬ 紛糾 と 争論 とが 生 じたので、パウロ、バルナバそのほか 数人 の 者 がエルサレムに 上 り、使徒 たちや 長老 たちと、この 問題 について 協議 することになった。
3 彼 らは 教会 の 人々 に 見送 られ、ピニケ、サマリヤをとおって、道 すがら、異邦人 たちの 改宗 の 模様 をくわしく 説明 し、すべての 兄弟 たちを 大 いに 喜 ばせた。
4 エルサレムに 着 くと、彼 らは 教会 と 使徒 たち、長老 たちに 迎 えられて、神 が 彼 らと 共 にいてなされたことを、ことごとく 報告 した。
5 ところが、パリサイ 派 から 信仰 にはいってきた 人 たちが 立 って、「異邦人 にも 割礼 を 施 し、またモーセの 律法 を 守 らせるべきである」と 主張 した。
6 そこで、使徒 たちや 長老 たちが、この 問題 について 審議 するために 集 まった。
7 激 しい 争論 があった 後、ペテロが 立 って 言 った、「兄弟 たちよ、ご 承知 のとおり、異邦人 がわたしの 口 から 福音 の 言葉 を 聞 いて 信 じるようにと、神 は 初 めのころに、諸君 の 中 からわたしをお 選 びになったのである。
8 そして、人 の 心 をご 存 じである 神 は、聖霊 をわれわれに 賜 わったと 同様 に 彼 らにも 賜 わって、彼 らに 対 してあかしをなし、
9 また、その 信仰 によって 彼 らの 心 をきよめ、われわれと 彼 らとの 間 に、なんの 分 けへだてもなさらなかった。
10 しかるに、諸君 はなぜ、今 われわれの 先祖 もわれわれ 自身 も、負 いきれなかったくびきをあの 弟子 たちの 首 にかけて、神 を 試 みるのか。
11 確 かに、主 イエスのめぐみによって、われわれは 救 われるのだと 信 じるが、彼 らとても 同様 である」。
12 すると、全 会衆 は 黙 ってしまった。それから、バルナバとパウロとが、彼 らをとおして 異邦人 の 間 に 神 が 行 われた 数々 のしるしと 奇跡 のことを、説明 するのを 聞 いた。
13 ふたりが 語 り 終 えた 後、ヤコブはそれに 応 じて 述 べた、「兄弟 たちよ、わたしの 意見 を 聞 いていただきたい。
14 神 が 初 めに 異邦人 たちを 顧 みて、その 中 から 御名 を 負 う 民 を 選 び 出 された 次第 は、シメオンがすでに 説明 した。
15 預言者 たちの 言葉 も、それと 一致 している。すなわち、こう 書 いてある、
16 『その 後、わたしは 帰 ってきて、倒 れたダビデの 幕屋 を 建 てかえ、くずれた 箇所 を 修理 し、それを 立 て 直 そう。
17 残 っている 人々 も、わたしの 名 を 唱 えているすべての 異邦人 も、主 を 尋 ね 求 めるようになるためである。
18 世 の 初 めからこれらの 事 を 知 らせておられる 主 が、こう 仰 せになった』。
19 そこで、わたしの 意見 では、異邦人 の 中 から 神 に 帰依 している 人 たちに、わずらいをかけてはいけない。
20 ただ、偶像 に 供 えて 汚 れた 物 と、不品行 と、絞 め 殺 したものと、血 とを、避 けるようにと、彼 らに 書 き 送 ることにしたい。
21 古 い 時代 から、どの 町 にもモーセの 律法 を 宣 べ 伝 える 者 がいて、安息日 ごとにそれを 諸 会堂 で 朗読 するならわしであるから」。
22 そこで、使徒 たちや 長老 たちは、全 教会 と 協議 した 末、お 互 の 中 から 人々 を 選 んで、パウロやバルナバと 共 に、アンテオケに 派遣 することに 決 めた。選 ばれたのは、バルサバというユダとシラスとであったが、いずれも 兄弟 たちの 間 で 重 んじられていた 人 たちであった。
23 この 人 たちに 託 された 書面 はこうである。「あなたがたの 兄弟 である 使徒 および 長老 たちから、アンテオケ、シリヤ、キリキヤにいる 異邦人 の 兄弟 がたに、あいさつを 送 る。
24 こちらから 行 ったある 者 たちが、わたしたちからの 指示 もないのに、いろいろなことを 言 って、あなたがたを 騒 がせ、あなたがたの 心 を 乱 したと 伝 え 聞 いた。
25 そこで、わたしたちは 人々 を 選 んで、愛 するバルナバおよびパウロと 共 に、あなたがたのもとに 派遣 することに、衆議 一決 した。
26 このふたりは、われらの 主 イエス・キリストの 名 のために、その 命 を 投 げ 出 した 人々 であるが、
27 彼 らと 共 に、ユダとシラスとを 派遣 する 次第 である。この 人 たちは、あなたがたに、同 じ 趣旨 のことを、口頭 でも 伝 えるであろう。
28 すなわち、聖霊 とわたしたちとは、次 の 必要 事項 のほかは、どんな 負担 をも、あなたがたに 負 わせないことに 決 めた。
29 それは、偶像 に 供 えたものと、血 と、絞 め 殺 したものと、不品行 とを、避 けるということである。これらのものから 遠 ざかっておれば、それでよろしい。以上」。
30 さて、一行 は 人々 に 見送 られて、アンテオケに 下 って 行 き、会衆 を 集 めて、その 書面 を 手渡 した。
31 人々 はそれを 読 んで、その 勧 めの 言葉 をよろこんだ。
32 ユダとシラスとは 共 に 預言者 であったので、多 くの 言葉 をもって 兄弟 たちを 励 まし、また 力 づけた。
33 ふたりは、しばらくの 時 を、そこで 過 ごした 後、兄弟 たちから、旅 の 平安 を 祈 られて、見送 りを 受 け、自分 らを 派遣 した 人々 のところに 帰 って 行 った。〔
34 しかし、シラスだけは、引 きつづきとどまることにした。〕
35 パウロとバルナバとはアンテオケに 滞在 をつづけて、ほかの 多 くの 人 たちと 共 に、主 の 言葉 を 教 えかつ 宣 べ 伝 えた。
36 幾日 かの 後、パウロはバルナバに 言 った、「さあ、前 に 主 の 言葉 を 伝 えたすべての 町々 にいる 兄弟 たちを、また 訪問 して、みんながどうしているかを 見 てこようではないか」。
37 そこで、バルナバはマルコというヨハネも 一緒 に 連 れて 行 くつもりでいた。
38 しかし、パウロは、前 にパンフリヤで 一行 から 離 れて、働 きを 共 にしなかったような 者 は、連 れて 行 かないがよいと 考 えた。
39 こうして 激論 が 起 り、その 結果 ふたりは 互 に 別 れ 別 れになり、バルナバはマルコを 連 れてクプロに 渡 って 行 き、
40 パウロはシラスを 選 び、兄弟 たちから 主 の 恵 みにゆだねられて、出 発 した。
41 そしてパウロは、シリヤ、キリキヤの 地方 をとおって、諸 教会 を 力 づけた。
Chapter 16
1 それから、彼 はデルベに 行 き、次 にルステラに 行 った。そこにテモテという 名 の 弟子 がいた。信者 のユダヤ 婦人 を 母 とし、ギリシヤ 人 を 父 としており、
2 ルステラとイコニオムの 兄弟 たちの 間 で、評判 のよい 人物 であった。
3 パウロはこのテモテを 連 れて 行 きたかったので、その 地方 にいるユダヤ 人 の 手前、まず 彼 に 割礼 を 受 けさせた。彼 の 父 がギリシヤ 人 であることは、みんな 知 っていたからである。
4 それから 彼 らは 通 る 町々 で、エルサレムの 使徒 たちや 長老 たちの 取 り 決 めた 事項 を 守 るようにと、人々 にそれを 渡 した。
5 こうして、諸 教会 はその 信仰 を 強 められ、日 ごとに 数 を 増 していった。
6 それから 彼 らは、アジヤで 御言 を 語 ることを 聖霊 に 禁 じられたので、フルギヤ・ガラテヤ 地方 をとおって 行 った。
7 そして、ムシヤのあたりにきてから、ビテニヤに 進 んで 行 こうとしたところ、イエスの 御霊 がこれを 許 さなかった。
8 それで、ムシヤを 通過 して、トロアスに 下 って 行 った。
9 ここで 夜、パウロは一つの 幻 を 見 た。ひとりのマケドニヤ 人 が 立 って、「マケドニヤに 渡 ってきて、わたしたちを 助 けて 下 さい」と、彼 に 懇願 するのであった。
10 パウロがこの 幻 を 見 た 時、これは 彼 らに 福音 を 伝 えるために、神 がわたしたちをお 招 きになったのだと 確信 して、わたしたちは、ただちにマケドニヤに 渡 って 行 くことにした。
11 そこで、わたしたちはトロアスから 船出 して、サモトラケに 直航 し、翌日 ネアポリスに 着 いた。
12 そこからピリピへ 行 った。これはマケドニヤのこの 地方 第 一の 町 で、植民 都市 であった。わたしたちは、この 町 に 数日間 滞在 した。
13 ある 安息日 に、わたしたちは 町 の 門 を 出 て、祈 り 場 があると 思 って、川 のほとりに 行 った。そして、そこにすわり、集 まってきた 婦人 たちに 話 をした。
14 ところが、テアテラ 市 の 紫 布 の 商人 で、神 を 敬 うルデヤという 婦人 が 聞 いていた。主 は 彼女 の 心 を 開 いて、パウロの 語 ることに 耳 を 傾 けさせた。
15 そして、この 婦人 もその 家族 も、共 にバプテスマを 受 けたが、その 時、彼女 は「もし、わたしを 主 を 信 じる 者 とお 思 いでしたら、どうぞ、わたしの 家 にきて 泊 まって 下 さい」と 懇望 し、しいてわたしたちをつれて 行 った。
16 ある 時、わたしたちが、祈 り 場 に 行 く 途中、占 いの 霊 につかれた 女 奴隷 に 出会 った。彼女 は 占 いをして、その 主人 たちに 多 くの 利益 を 得 させていた 者 である。
17 この 女 が、パウロやわたしたちのあとを 追 ってきては、「この 人 たちは、いと 高 き 神 の 僕 たちで、あなたがたに 救 の 道 を 伝 えるかただ」と、叫 び 出 すのであった。
18 そして、そんなことを 幾 日間 もつづけていた。パウロは 困 りはてて、その 霊 にむかい「イエス・キリストの 名 によって 命 じる。その 女 から 出 て 行 け」と 言 った。すると、その 瞬間 に 霊 が 女 から 出 て 行 った。
19 彼女 の 主人 たちは、自分 らの 利益 を 得 る 望 みが 絶 えたのを 見 て、パウロとシラスとを 捕 え、役人 に 引 き 渡 すため 広場 に 引 きずって 行 った。
20 それから、ふたりを 長官 たちの 前 に 引 き 出 して 訴 えた、「この 人 たちはユダヤ 人 でありまして、わたしたちの 町 をかき 乱 し、
21 わたしたちローマ 人 が、採用 も 実行 もしてはならない 風習 を 宣伝 しているのです」。
22 群衆 もいっせいに 立 って、ふたりを 責 めたてたので、長官 たちはふたりの 上着 をはぎ 取 り、むちで 打 つことを 命 じた。
23 それで、ふたりに 何 度 もむちを 加 えさせたのち、獄 に 入 れ、獄吏 にしっかり 番 をするようにと 命 じた。
24 獄吏 はこの 厳命 を 受 けたので、ふたりを 奥 の 獄屋 に 入 れ、その 足 に 足 かせをしっかとかけておいた。
25 真夜中 ごろ、パウロとシラスとは、神 に 祈 り、さんびを 歌 いつづけたが、囚人 たちは 耳 をすまして 聞 きいっていた。
26 ところが 突然、大 地震 が 起 って、獄 の 土台 が 揺 れ 動 き、戸 は 全部 たちまち 開 いて、みんなの 者 の 鎖 が 解 けてしまった。
27 獄吏 は 目 をさまし、獄 の 戸 が 開 いてしまっているのを 見 て、囚人 たちが 逃 げ 出 したものと 思 い、つるぎを 抜 いて 自殺 しかけた。
28 そこでパウロは 大声 をあげて 言 った、「自害 してはいけない。われわれは 皆 ひとり 残 らず、ここにいる」。
29 すると、獄吏 は、あかりを 手 に 入 れた 上、獄 に 駆 け 込 んできて、おののきながらパウロとシラスの 前 にひれ 伏 した。
30 それから、ふたりを 外 に 連 れ 出 して 言 った、「先生 がた、わたしは 救 われるために、何 をすべきでしょうか」。
31 ふたりが 言 った、「主 イエスを 信 じなさい。そうしたら、あなたもあなたの 家族 も 救 われます」。
32 それから、彼 とその 家族 一同 とに、神 の 言 を 語 って 聞 かせた。
33 彼 は 真夜中 にもかかわらず、ふたりを 引 き 取 って、その 打 ち 傷 を 洗 ってやった。そして、その 場 で 自分 も 家族 も、ひとり 残 らずバプテスマを 受 け、
34 さらに、ふたりを 自分 の 家 に 案内 して 食事 のもてなしをし、神 を 信 じる 者 となったことを、全 家族 と 共 に 心 から 喜 んだ。
35 夜 が 明 けると、長官 たちは 警 吏 らをつかわして、「あの 人 たちを 釈放 せよ」と 言 わせた。
36 そこで、獄吏 はこの 言葉 をパウロに 伝 えて 言 った、「長官 たちが、あなたがたを 釈放 させるようにと、使 をよこしました。さあ、出 てきて、無事 にお 帰 りなさい」。
37 ところが、パウロは 警 吏 らに 言 った、「彼 らは、ローマ 人 であるわれわれを、裁判 にかけもせずに、公衆 の 前 でむち 打 ったあげく、獄 に 入 れてしまった。しかるに 今 になって、ひそかに、われわれを 出 そうとするのか。それは、いけない。彼 ら 自身 がここにきて、われわれを 連 れ 出 すべきである」。
38 警 吏 らはこの 言葉 を 長官 たちに 報告 した。すると 長官 たちは、ふたりがローマ 人 だと 聞 いて 恐 れ、
39 自分 でやってきてわびた 上、ふたりを 獄 から 連 れ 出 し、町 から 立 ち 去 るようにと 頼 んだ。
40 ふたりは 獄 を 出 て、ルデヤの 家 に 行 った。そして、兄弟 たちに 会 って 勧 めをなし、それから 出 かけた。
Chapter 17
1 一行 は、アムピポリスとアポロニヤとをとおって、テサロニケに 行 った。ここにはユダヤ 人 の 会堂 があった。
2 パウロは 例 によって、その 会堂 にはいって 行 って、三つの 安息日 にわたり、聖書 に 基 いて 彼 らと 論 じ、
3 キリストは 必 ず 苦難 を 受 け、そして 死人 の 中 からよみがえるべきこと、また「わたしがあなたがたに 伝 えているこのイエスこそは、キリストである」とのことを、説明 もし 論証 もした。
4 ある 人 たちは 納得 がいって、パウロとシラスにしたがった。その 中 には、信心 深 いギリシヤ 人 が 多数 あり、貴婦人 たちも 少 なくなかった。
5 ところが、ユダヤ 人 たちは、それをねたんで、町 をぶらついているならず 者 らを 集 めて 暴動 を 起 し、町 を 騒 がせた。それからヤソンの 家 を 襲 い、ふたりを 民衆 の 前 にひっぱり 出 そうと、しきりに 捜 した。
6 しかし、ふたりが 見 つからないので、ヤソンと 兄弟 たち 数人 を、市 の 当局者 のところに 引 きずって 行 き、叫 んで 言 った、「天下 をかき 回 してきたこの 人 たちが、ここにもはいり 込 んでいます。
7 その 人 たちをヤソンが 自分 の 家 に 迎 え 入 れました。この 連中 は、みなカイザルの 詔勅 にそむいて 行動 し、イエスという 別 の 王 がいるなどと 言 っています」。
8 これを 聞 いて、群衆 と 市 の 当局者 は 不安 に 感 じた。
9 そして、ヤソンやほかの 者 たちから、保証 金 を 取 った 上、彼 らを 釈放 した。
10 そこで、兄弟 たちはただちに、パウロとシラスとを、夜 の 間 にベレヤへ 送 り 出 した。ふたりはベレヤに 到着 すると、ユダヤ 人 の 会堂 に 行 った。
11 ここにいるユダヤ 人 はテサロニケの 者 たちよりも 素直 であって、心 から 教 を 受 けいれ、果 してそのとおりかどうかを 知 ろうとして、日々 聖書 を 調 べていた。
12 そういうわけで、彼 らのうちの 多 くの 者 が 信者 になった。また、ギリシヤの 貴婦人 や 男子 で 信 じた 者 も、少 なくなかった。
13 テサロニケのユダヤ 人 たちは、パウロがベレヤでも 神 の 言 を 伝 えていることを 知 り、そこにも 押 しかけてきて、群衆 を 煽動 して 騒 がせた。
14 そこで、兄弟 たちは、ただちにパウロを 送 り 出 して、海 べまで 行 かせ、シラスとテモテとはベレヤに 居残 った。
15 パウロを 案内 した 人 たちは、彼 をアテネまで 連 れて 行 き、テモテとシラスとになるべく 早 く 来 るようにとのパウロの 伝言 を 受 けて、帰 った。
16 さて、パウロはアテネで 彼 らを 待 っている 間 に、市内 に 偶像 がおびただしくあるのを 見 て、心 に 憤 りを 感 じた。
17 そこで 彼 は、会堂 ではユダヤ 人 や 信心 深 い 人 たちと 論 じ、広場 では 毎日 そこで 出会 う 人々 を 相手 に 論 じた。
18 また、エピクロス 派 やストア 派 の 哲学者 数人 も、パウロと 議論 を 戦 わせていたが、その 中 のある 者 たちが 言 った、「このおしゃべりは、いったい、何 を 言 おうとしているのか」。また、ほかの 者 たちは、「あれは、異国 の 神々 を 伝 えようとしているらしい」と 言 った。パウロが、イエスと 復活 とを、宣 べ 伝 えていたからであった。
19 そこで、彼 らはパウロをアレオパゴスの 評議所 に 連 れて 行 って、「君 の 語 っている 新 しい 教 がどんなものか、知 らせてもらえまいか。
20 君 がなんだか 珍 らしいことをわれわれに 聞 かせているので、それがなんの 事 なのか 知 りたいと 思 うのだ」と 言 った。
21 いったい、アテネ 人 もそこに 滞在 している 外国 人 もみな、何 か 耳新 しいことを 話 したり 聞 いたりすることのみに、時 を 過 ごしていたのである。
22 そこでパウロは、アレオパゴスの 評議所 のまん 中 に 立 って 言 った。「アテネの 人 たちよ、あなたがたは、あらゆる 点 において、すこぶる 宗教 心 に 富 んでおられると、わたしは 見 ている。
23 実 は、わたしが 道 を 通 りながら、あなたがたの 拝 むいろいろなものを、よく 見 ているうちに、『知 られない 神 に』と 刻 まれた 祭壇 もあるのに 気 がついた。そこで、あなたがたが 知 らずに 拝 んでいるものを、いま 知 らせてあげよう。
24 この 世界 と、その 中 にある 万物 とを 造 った 神 は、天地 の 主 であるのだから、手 で 造 った 宮 などにはお 住 みにならない。
25 また、何 か 不足 でもしておるかのように、人 の 手 によって 仕 えられる 必要 もない。神 は、すべての 人々 に 命 と 息 と 万物 とを 与 え、
26 また、ひとりの 人 から、あらゆる 民族 を 造 り 出 して、地 の 全面 に 住 まわせ、それぞれに 時代 を 区分 し、国土 の 境界 を 定 めて 下 さったのである。
27 こうして、人々 が 熱心 に 追 い 求 めて 捜 しさえすれば、神 を 見 いだせるようにして 下 さった。事実、神 はわれわれひとりびとりから 遠 く 離 れておいでになるのではない。
28 われわれは 神 のうちに 生 き、動 き、存在 しているからである。あなたがたのある 詩人 たちも 言 ったように、『われわれも、確 かにその 子孫 である』。
29 このように、われわれは 神 の 子孫 なのであるから、神 たる 者 を、人間 の 技巧 や 空想 で 金 や 銀 や 石 などに 彫 り 付 けたものと 同 じと、見 なすべきではない。
30 神 は、このような 無知 の 時代 を、これまでは 見過 ごしにされていたが、今 はどこにおる 人 でも、みな 悔 い 改 めなければならないことを 命 じておられる。
31 神 は、義 をもってこの 世界 をさばくためその 日 を 定 め、お 選 びになったかたによってそれをなし 遂 げようとされている。すなわち、このかたを 死人 の 中 からよみがえらせ、その 確証 をすべての 人 に 示 されたのである」。
32 死人 のよみがえりのことを 聞 くと、ある 者 たちはあざ 笑 い、またある 者 たちは、「この 事 については、いずれまた 聞 くことにする」と 言 った。
33 こうして、パウロは 彼 らの 中 から 出 て 行 った。
34 しかし、彼 にしたがって 信 じた 者 も、幾人 かあった。その 中 には、アレオパゴスの 裁判人 デオヌシオとダマリスという 女、また、その 他 の 人々 もいた。
Chapter 18
1 その 後、パウロはアテネを 去 ってコリントへ 行 った。
2 そこで、アクラというポント 生 れのユダヤ 人 と、その 妻 プリスキラとに 出会 った。クラウデオ 帝 が、すべてのユダヤ 人 をローマから 退去 させるようにと、命令 したため、彼 らは 近 ごろイタリヤから 出 てきたのである。
3 パウロは 彼 らのところに 行 ったが、互 に 同業 であったので、その 家 に 住 み 込 んで、一緒 に 仕事 をした。天幕 造 りがその 職業 であった。
4 パウロは 安息日 ごとに 会堂 で 論 じては、ユダヤ 人 やギリシヤ 人 の 説得 に 努 めた。
5 シラスとテモテが、マケドニヤから 下 ってきてからは、パウロは 御言 を 伝 えることに 専念 し、イエスがキリストであることを、ユダヤ 人 たちに 力強 くあかしした。
6 しかし、彼 らがこれに 反抗 してののしり 続 けたので、パウロは 自分 の 上着 を 振 りはらって、彼 らに 言 った、「あなたがたの 血 は、あなたがた 自身 にかえれ。わたしには 責任 がない。今 からわたしは 異邦人 の 方 に 行 く」。
7 こう 言 って、彼 はそこを 去 り、テテオ・ユストという 神 を 敬 う 人 の 家 に 行 った。その 家 は 会堂 と 隣 り 合 っていた。
8 会堂司 クリスポは、その 家族 一同 と 共 に 主 を 信 じた。また 多 くのコリント 人 も、パウロの 話 を 聞 いて 信 じ、ぞくぞくとバプテスマを 受 けた。
9 すると、ある 夜、幻 のうちに 主 がパウロに 言 われた、「恐 れるな。語 りつづけよ、黙 っているな。
10 あなたには、わたしがついている。だれもあなたを 襲 って、危害 を 加 えるようなことはない。この 町 には、わたしの 民 が 大 ぜいいる」。
11 パウロは一 年 六か 月 の 間 ここに 腰 をすえて、神 の 言 を 彼 らの 間 に 教 えつづけた。
12 ところが、ガリオがアカヤの 総督 であった 時、ユダヤ 人 たちは 一緒 になってパウロを 襲 い、彼 を 法廷 にひっぱって 行 って 訴 えた、
13 「この 人 は、律法 にそむいて 神 を 拝 むように、人々 をそそのかしています」。
14 パウロが 口 を 開 こうとすると、ガリオはユダヤ 人 たちに 言 った、「ユダヤ 人 諸君、何 か 不法 行為 とか、悪質 の 犯罪 とかのことなら、わたしは 当然、諸君 の 訴 えを 取 り 上 げもしようが、
15 これは 諸君 の 言葉 や 名称 や 律法 に 関 する 問題 なのだから、諸君 みずから 始末 するがよかろう。わたしはそんな 事 の 裁判人 にはなりたくない」。
16 こう 言 って、彼 らを 法廷 から 追 いはらった。
17 そこで、みんなの 者 は、会堂司 ソステネを 引 き 捕 え、法廷 の 前 で 打 ちたたいた。ガリオはそれに 対 して、そ 知 らぬ 顔 をしていた。
18 さてパウロは、なお 幾日 ものあいだ 滞在 した 後、兄弟 たちに 別 れを 告 げて、シリヤへ 向 け 出帆 した。プリスキラとアクラも 同行 した。パウロは、かねてから、ある 誓願 を 立 てていたので、ケンクレヤで 頭 をそった。
19 一行 がエペソに 着 くと、パウロはふたりをそこに 残 しておき、自分 だけ 会堂 にはいって、ユダヤ 人 たちと 論 じた。
20 人々 は、パウロにもっと 長 いあいだ 滞在 するように 願 ったが、彼 は 聞 きいれないで、
21 「神 のみこころなら、またあなたがたのところに 帰 ってこよう」と 言 って、別 れを 告 げ、エペソから 船出 した。
22 それから、カイザリヤで 上陸 してエルサレムに 上 り、教会 にあいさつしてから、アンテオケに 下 って 行 った。
23 そこにしばらくいてから、彼 はまた 出 かけ、ガラテヤおよびフルギヤの 地方 を 歴訪 して、すべての 弟子 たちを 力 づけた。
24 さて、アレキサンデリヤ 生 れで、聖書 に 精通 し、しかも、雄弁 なアポロというユダヤ 人 が、エペソにきた。
25 この 人 は 主 の 道 に 通 じており、また、霊 に 燃 えてイエスのことを 詳 しく 語 ったり 教 えたりしていたが、ただヨハネのバプテスマしか 知 っていなかった。
26 彼 は 会堂 で 大胆 に 語 り 始 めた。それをプリスキラとアクラとが 聞 いて、彼 を 招 きいれ、さらに 詳 しく 神 の 道 を 解 き 聞 かせた。
27 それから、アポロがアカヤに 渡 りたいと 思 っていたので、兄弟 たちは 彼 を 励 まし、先方 の 弟子 たちに、彼 をよく 迎 えるようにと、手紙 を 書 き 送 った。彼 は 到着 して、すでにめぐみによって 信者 になっていた 人 たちに、大 いに 力 になった。
28 彼 はイエスがキリストであることを、聖書 に 基 いて 示 し、公然 と、ユダヤ 人 たちを 激 しい 語調 で 論破 したからである。
Chapter 19
1 アポロがコリントにいた 時、パウロは 奥地 をとおってエペソにきた。そして、ある 弟子 たちに 出会 って、
2 彼 らに「あなたがたは、信仰 にはいった 時 に、聖霊 を 受 けたのか」と 尋 ねたところ、「いいえ、聖霊 なるものがあることさえ、聞 いたことがありません」と 答 えた。
3 「では、だれの 名 によってバプテスマを 受 けたのか」と 彼 がきくと、彼 らは「ヨハネの 名 によるバプテスマを 受 けました」と 答 えた。
4 そこで、パウロが 言 った、「ヨハネは 悔改 めのバプテスマを 授 けたが、それによって、自分 のあとに 来 るかた、すなわち、イエスを 信 じるように、人々 に 勧 めたのである」。
5 人々 はこれを 聞 いて、主 イエスの 名 によるバプテスマを 受 けた。
6 そして、パウロが 彼 らの 上 に 手 をおくと、聖霊 が 彼 らにくだり、それから 彼 らは 異言 を 語 ったり、預言 をしたりし 出 した。
7 その 人 たちはみんなで十二 人 ほどであった。
8 それから、パウロは 会堂 にはいって、三か 月 のあいだ、大胆 に 神 の 国 について 論 じ、また 勧 めをした。
9 ところが、ある 人 たちは 心 をかたくなにして、信 じようとせず、会衆 の 前 でこの 道 をあしざまに 言 ったので、彼 は 弟子 たちを 引 き 連 れて、その 人 たちから 離 れ、ツラノの 講堂 で 毎日 論 じた。
10 それが二 年間 も 続 いたので、アジヤに 住 んでいる 者 は、ユダヤ 人 もギリシヤ 人 も 皆、主 の 言 を 聞 いた。
11 神 は、パウロの 手 によって、異常 な 力 あるわざを 次々 になされた。
12 たとえば、人々 が、彼 の 身 につけている 手 ぬぐいや 前掛 けを 取 って 病人 にあてると、その 病気 が 除 かれ、悪霊 が 出 て 行 くのであった。
13 そこで、ユダヤ 人 のまじない 師 で、遍歴 している 者 たちが、悪霊 につかれている 者 にむかって、主 イエスの 名 をとなえ、「パウロの 宣 べ 伝 えているイエスによって 命 じる。出 て 行 け」と、ためしに 言 ってみた。
14 ユダヤの 祭司長 スケワという 者 の七 人 のむすこたちも、そんなことをしていた。
15 すると 悪霊 がこれに 対 して 言 った、「イエスなら 自分 は 知 っている。パウロもわかっている。だが、おまえたちは、いったい 何者 だ」。
16 そして、悪霊 につかれている 人 が、彼 らに 飛 びかかり、みんなを 押 えつけて 負 かしたので、彼 らは 傷 を 負 ったまま 裸 になって、その 家 を 逃 げ 出 した。
17 このことがエペソに 住 むすべてのユダヤ 人 やギリシヤ 人 に 知 れわたって、みんな 恐怖 に 襲 われ、そして、主 イエスの 名 があがめられた。
18 また 信者 になった 者 が 大 ぜいきて、自分 の 行為 を 打 ちあけて 告白 した。
19 それから、魔術 を 行 っていた 多 くの 者 が、魔術 の 本 を 持 ち 出 してきては、みんなの 前 で 焼 き 捨 てた。その 値段 を 総計 したところ、銀 五万にも 上 ることがわかった。
20 このようにして、主 の 言 はますます 盛 んにひろまり、また 力 を 増 し 加 えていった。
21 これらの 事 があった 後、パウロは 御霊 に 感 じて、マケドニヤ、アカヤをとおって、エルサレムへ 行 く 決心 をした。そして 言 った、「わたしは、そこに 行 ったのち、ぜひローマをも 見 なければならない」。
22 そこで、自分 に 仕 えている 者 の 中 から、テモテとエラストとのふたりを、まずマケドニヤに 送 り 出 し、パウロ 自身 は、なおしばらくアジヤにとどまった。
23 そのころ、この 道 について 容易 ならぬ 騒動 が 起 った。
24 そのいきさつは、こうである。デメテリオという 銀細工人 が、銀 でアルテミス 神殿 の 模型 を 造 って、職人 たちに 少 なからぬ 利益 を 得 させていた。
25 この 男 がその 職人 たちや、同類 の 仕事 をしていた 者 たちを 集 めて 言 った、「諸君、われわれがこの 仕事 で、金 もうけをしていることは、ご 承知 のとおりだ。
26 しかるに、諸君 の 見聞 きしているように、あのパウロが、手 で 造 られたものは 神様 ではないなどと 言 って、エペソばかりか、ほとんどアジヤ 全体 にわたって、大 ぜいの 人々 を 説 きつけて 誤 らせた。
27 これでは、お 互 の 仕事 に 悪評 が 立 つおそれがあるばかりか、大 女神 アルテミスの 宮 も 軽 んじられ、ひいては 全 アジヤ、いや 全 世界 が 拝 んでいるこの 大 女神 のご 威光 さえも、消 えてしまいそうである」。
28 これを 聞 くと、人々 は 怒 りに 燃 え、大声 で「大 いなるかな、エペソ 人 のアルテミス」と 叫 びつづけた。
29 そして、町中 が 大 混乱 に 陥 り、人々 はパウロの 道連 れであるマケドニヤ 人 ガイオとアリスタルコとを 捕 えて、いっせいに 劇場 へなだれ 込 んだ。
30 パウロは 群衆 の 中 にはいって 行 こうとしたが、弟子 たちがそれをさせなかった。
31 アジヤ 州 の 議員 で、パウロの 友人 であった 人 たちも、彼 に 使 をよこして、劇場 にはいって 行 かないようにと、しきりに 頼 んだ。
32 中 では、集会 が 混乱 に 陥 ってしまって、ある 者 はこのことを、ほかの 者 はあのことを、どなりつづけていたので、大多数 の 者 は、なんのために 集 まったのかも、わからないでいた。
33 そこで、ユダヤ 人 たちが、前 に 押 し 出 したアレキサンデルなる 者 を、群衆 の 中 のある 人 たちが 促 したため、彼 は 手 を 振 って、人々 に 弁明 を 試 みようとした。
34 ところが、彼 がユダヤ 人 だとわかると、みんなの 者 がいっせいに「大 いなるかな、エペソ 人 のアルテミス」と二 時間 ばかりも 叫 びつづけた。
35 ついに、市 の 書記 役 が 群衆 を 押 し 静 めて 言 った、「エペソの 諸君、エペソ 市 が 大 女神 アルテミスと、天 くだったご 神体 との 守護 役 であることを 知 らない 者 が、ひとりでもいるだろうか。
36 これは 否定 のできない 事実 であるから、諸君 はよろしく 静 かにしているべきで、乱暴 な 行動 は、いっさいしてはならない。
37 諸君 はこの 人 たちをここにひっぱってきたが、彼 らは 宮 を 荒 す 者 でも、われわれの 女神 をそしる 者 でもない。
38 だから、もしデメテリオなりその 職人 仲間 なりが、だれかに 対 して 訴 え 事 があるなら、裁判 の 日 はあるし、総督 もいるのだから、それぞれ 訴 え 出 るがよい。
39 しかし、何 かもっと 要求 したい 事 があれば、それは 正式 の 議会 で 解決 してもらうべきだ。
40 きょうの 事件 については、この 騒 ぎを 弁護 できるような 理由 が 全 くないのだから、われわれは 治安 をみだす 罪 に 問 われるおそれがある」。
41 こう 言 って、彼 はこの 集会 を 解散 させた。
Chapter 20
1 騒 ぎがやんだ 後、パウロは 弟子 たちを 呼 び 集 めて 激励 を 与 えた 上、別 れのあいさつを 述 べ、マケドニヤへ 向 かって 出発 した。
2 そして、その 地方 をとおり、多 くの 言葉 で 人々 を 励 ましたのち、ギリシヤにきた。
3 彼 はそこで三か 月 を 過 ごした。それからシリヤへ 向 かって、船出 しようとしていた 矢先、彼 に 対 するユダヤ 人 の 陰謀 が 起 ったので、マケドニヤを 経由 して 帰 ることに 決 した。
4 プロの 子 であるエペソ 人 ソパテロ、テサロニケ 人 アリスタルコとセクンド、デルベ 人 ガイオ、それからテモテ、またアジヤ 人 テキコとトロピモがパウロの 同行者 であった。
5 この 人 たちは 先 発 して、トロアスでわたしたちを 待 っていた。
6 わたしたちは、除酵祭 が 終 ったのちに、ピリピから 出帆 し、五 日 かかってトロアスに 到着 して、彼 らと 落 ち 合 い、そこに 七日間 滞在 した。
7 週 の 初 めの 日 に、わたしたちがパンをさくために 集 まった 時、パウロは 翌日 出発 することにしていたので、しきりに 人々 と 語 り 合 い、夜中 まで 語 りつづけた。
8 わたしたちが 集 まっていた 屋上 の 間 には、あかりがたくさんともしてあった。
9 ユテコという 若者 が 窓 に 腰 をかけていたところ、パウロの 話 がながながと 続 くので、ひどく 眠 けがさしてきて、とうとうぐっすり 寝入 ってしまい、三 階 から 下 に 落 ちた。抱 き 起 してみたら、もう 死 んでいた。
10 そこでパウロは 降 りてきて、若者 の 上 に 身 をかがめ、彼 を 抱 きあげて、「騒 ぐことはない。まだ 命 がある」と 言 った。
11 そして、また 上 がって 行 って、パンをさいて 食 べてから、明 けがたまで 長 いあいだ 人々 と 語 り 合 って、ついに 出発 した。
12 人々 は 生 きかえった 若者 を 連 れかえり、ひとかたならず 慰 められた。
13 さて、わたしたちは 先 に 舟 に 乗 り 込 み、アソスへ 向 かって 出帆 した。そこからパウロを 舟 に 乗 せて 行 くことにしていた。彼 だけは 陸路 をとることに 決 めていたからである。
14 パウロがアソスで、わたしたちと 落 ち 合 った 時、わたしたちは 彼 を 舟 に 乗 せてミテレネに 行 った。
15 そこから 出帆 して、翌日 キヨスの 沖合 にいたり、次 の 日 にサモスに 寄 り、その 翌日 ミレトに 着 いた。
16 それは、パウロがアジヤで 時間 をとられないため、エペソには 寄 らないで 続 航 することに 決 めていたからである。彼 は、できればペンテコステの 日 には、エルサレムに 着 いていたかったので、旅 を 急 いだわけである。
17 そこでパウロは、ミレトからエペソに 使 をやって、教会 の 長老 たちを 呼 び 寄 せた。
18 そして、彼 のところに 寄 り 集 まってきた 時、彼 らに 言 った。「わたしが、アジヤの 地 に 足 を 踏 み 入 れた 最初 の 日 以来、いつもあなたがたとどんなふうに 過 ごしてきたか、よくご 存 じである。
19 すなわち、謙遜 の 限 りをつくし、涙 を 流 し、ユダヤ 人 の 陰謀 によってわたしの 身 に 及 んだ 数々 の 試練 の 中 にあって、主 に 仕 えてきた。
20 また、あなたがたの 益 になることは、公衆 の 前 でも、また 家々 でも、すべてあますところなく 話 して 聞 かせ、また 教 え、
21 ユダヤ 人 にもギリシヤ 人 にも、神 に 対 する 悔改 めと、わたしたちの 主 イエスに 対 する 信仰 とを、強 く 勧 めてきたのである。
22 今 や、わたしは 御霊 に 迫 られてエルサレムへ 行 く。あの 都 で、どんな 事 がわたしの 身 にふりかかって 来 るか、わたしにはわからない。
23 ただ、聖霊 が 至 るところの 町々 で、わたしにはっきり 告 げているのは、投獄 と 患難 とが、わたしを 待 ちうけているということだ。
24 しかし、わたしは 自分 の 行程 を 走 り 終 え、主 イエスから 賜 わった、神 のめぐみの 福音 をあかしする 任務 を 果 し 得 さえしたら、このいのちは 自分 にとって、少 しも 惜 しいとは 思 わない。
25 わたしはいま 信 じている、あなたがたの 間 を 歩 き 回 って 御国 を 宣 べ 伝 えたこのわたしの 顔 を、みんなが 今後 二 度 と 見 ることはあるまい。
26 だから、きょう、この 日 にあなたがたに 断言 しておく。わたしは、すべての 人 の 血 について、なんら 責任 がない。
27 神 のみ 旨 を 皆 あますところなく、あなたがたに 伝 えておいたからである。
28 どうか、あなたがた 自身 に 気 をつけ、また、すべての 群 れに 気 をくばっていただきたい。聖霊 は、神 が 御子 の 血 であがない 取 られた 神 の 教会 を 牧 させるために、あなたがたをその 群 れの 監督者 にお 立 てになったのである。
29 わたしが 去 った 後、狂暴 なおおかみが、あなたがたの 中 にはいり 込 んできて、容赦 なく 群 れを 荒 すようになることを、わたしは 知 っている。
30 また、あなたがた 自身 の 中 からも、いろいろ 曲 ったことを 言 って、弟子 たちを 自分 の 方 に、ひっぱり 込 もうとする 者 らが 起 るであろう。
31 だから、目 をさましていなさい。そして、わたしが三 年 の 間、夜 も 昼 も 涙 をもって、あなたがたひとりびとりを 絶 えずさとしてきたことを、忘 れないでほしい。
32 今 わたしは、主 とその 恵 みの 言 とに、あなたがたをゆだねる。御言 には、あなたがたの 徳 をたて、聖 別 されたすべての 人々 と 共 に、御国 をつがせる 力 がある。
33 わたしは、人 の 金 や 銀 や 衣服 をほしがったことはない。
34 あなたがた 自身 が 知 っているとおり、わたしのこの 両手 は、自分 の 生活 のためにも、また 一緒 にいた 人 たちのためにも、働 いてきたのだ。
35 わたしは、あなたがたもこのように 働 いて、弱 い 者 を 助 けなければならないこと、また『受 けるよりは 与 える 方 が、さいわいである』と 言 われた 主 イエスの 言葉 を 記憶 しているべきことを、万事 について 教 え 示 したのである」。
36 こう 言 って、パウロは 一同 と 共 にひざまずいて 祈 った。
37 みんなの 者 は、はげしく 泣 き 悲 しみ、パウロの 首 を 抱 いて、幾度 も 接吻 し、
38 もう二 度 と 自分 の 顔 を 見 ることはあるまいと 彼 が 言 ったので、特 に 心 を 痛 めた。それから 彼 を 舟 まで 見送 った。
Chapter 21
1 さて、わたしたちは 人々 と 別 れて 船出 してから、コスに 直航 し、次 の 日 はロドスに、そこからパタラに 着 いた。
2 ここでピニケ 行 きの 舟 を 見 つけたので、それに 乗 り 込 んで 出帆 した。
3 やがてクプロが 見 えてきたが、それを 左手 にして 通 りすぎ、シリヤへ 航行 をつづけ、ツロに 入港 した。ここで 積荷 が 陸上 げされることになっていたからである。
4 わたしたちは、弟子 たちを 捜 し 出 して、そこに 七日間 泊 まった。ところが 彼 らは、御霊 の 示 しを 受 けて、エルサレムには 上 って 行 かないようにと、しきりにパウロに 注意 した。
5 しかし、滞在 期間 が 終 った 時、わたしたちはまた 旅立 つことにしたので、みんなの 者 は、妻 や 子供 を 引 き 連 れて、町 はずれまで、わたしたちを 見送 りにきてくれた。そこで、共 に 海岸 にひざまずいて 祈 り、
6 互 に 別 れを 告 げた。それから、わたしたちは 舟 に 乗 り 込 み、彼 らはそれぞれ 自分 の 家 に 帰 った。
7 わたしたちは、ツロからの 航行 を 終 ってトレマイに 着 き、そこの 兄弟 たちにあいさつをし、彼 らのところに一 日 滞在 した。
8 翌日 そこをたって、カイザリヤに 着 き、かの七 人 のひとりである 伝道者 ピリポの 家 に 行 き、そこに 泊 まった。
9 この 人 に四 人 の 娘 があったが、いずれも 処女 であって、預言 をしていた。
10 幾日 か 滞在 している 間 に、アガボという 預言者 がユダヤから 下 ってきた。
11 そして、わたしたちのところにきて、パウロの 帯 を 取 り、それで 自分 の 手足 を 縛 って 言 った、「聖霊 がこうお 告 げになっている、『この 帯 の 持 ち 主 を、ユダヤ 人 たちがエルサレムでこのように 縛 って、異邦人 の 手 に 渡 すであろう』」。
12 わたしたちはこれを 聞 いて、土地 の 人 たちと 一緒 になって、エルサレムには 上 って 行 かないようにと、パウロに 願 い 続 けた。
13 その 時 パウロは 答 えた、「あなたがたは、泣 いたり、わたしの 心 をくじいたりして、いったい、どうしようとするのか。わたしは、主 イエスの 名 のためなら、エルサレムで 縛 られるだけでなく、死 ぬことをも 覚悟 しているのだ」。
14 こうして、パウロが 勧告 を 聞 きいれてくれないので、わたしたちは「主 のみこころが 行 われますように」と 言 っただけで、それ 以上、何 も 言 わなかった。
15 数日後、わたしたちは 旅装 を 整 えてエルサレムへ 上 って 行 った。
16 カイザリヤの 弟子 たちも 数人、わたしたちと 同行 して、古 くからの 弟子 であるクプロ 人 マナソンの 家 に 案内 してくれた。わたしたちはその 家 に 泊 まることになっていたのである。
17 わたしたちがエルサレムに 到着 すると、兄弟 たちは 喜 んで 迎 えてくれた。
18 翌日 パウロはわたしたちを 連 れて、ヤコブを 訪問 しに 行 った。そこに 長老 たちがみな 集 まっていた。
19 パウロは 彼 らにあいさつをした 後、神 が 自分 の 働 きをとおして、異邦人 の 間 になさった 事 どもを 一々 説明 した。
20 一同 はこれを 聞 いて 神 をほめたたえ、そして 彼 に 言 った、「兄弟 よ、ご 承知 のように、ユダヤ 人 の 中 で 信者 になった 者 が、数万 にものぼっているが、みんな 律法 に 熱心 な 人 たちである。
21 ところが、彼 らが 伝 え 聞 いているところによれば、あなたは 異邦人 の 中 にいるユダヤ 人 一同 に 対 して、子供 に 割礼 を 施 すな、またユダヤの 慣例 にしたがうなと 言 って、モーセにそむくことを 教 えている、ということである。
22 どうしたらよいか。あなたがここにきていることは、彼 らもきっと 聞 き 込 むに 違 いない。
23 ついては、今 わたしたちが 言 うとおりのことをしなさい。わたしたちの 中 に、誓願 を 立 てている 者 が四 人 いる。
24 この 人 たちを 連 れて 行 って、彼 らと 共 にきよめを 行 い、また 彼 らの 頭 をそる 費用 を 引 き 受 けてやりなさい。そうすれば、あなたについて、うわさされていることは、根 も 葉 もないことで、あなたは 律法 を 守 って、正 しい 生活 をしていることが、みんなにわかるであろう。
25 異邦人 で 信者 になった 人 たちには、すでに 手紙 で、偶像 に 供 えたものと、血 と、絞 め 殺 したものと、不品行 とを、慎 むようにとの 決議 が、わたしたちから 知 らせてある」。
26 そこでパウロは、その 次 の 日 に四 人 の 者 を 連 れて、彼 らと 共 にきよめを 受 けてから 宮 にはいった。そしてきよめの 期間 が 終 って、ひとりびとりのために 供 え 物 をささげる 時 を 報告 しておいた。
27 七日 の 期間 が 終 ろうとしていた 時、アジヤからきたユダヤ 人 たちが、宮 の 内 でパウロを 見 かけて、群衆 全体 を 煽動 しはじめ、パウロに 手 をかけて 叫 び 立 てた、
28 「イスラエルの 人々 よ、加勢 にきてくれ。この 人 は、いたるところで 民 と 律法 とこの 場所 にそむくことを、みんなに 教 えている。その 上 に、ギリシヤ 人 を 宮 の 内 に 連 れ 込 んで、この 神聖 な 場所 を 汚 したのだ」。
29 彼 らは、前 にエペソ 人 トロピモが、パウロと 一緒 に 町 を 歩 いていたのを 見 かけて、その 人 をパウロが 宮 の 内 に 連 れ 込 んだのだと 思 ったのである。
30 そこで、市 全体 が 騒 ぎ 出 し、民衆 が 駆 け 集 まってきて、パウロを 捕 え、宮 の 外 に 引 きずり 出 した。そして、すぐそのあとに 宮 の 門 が 閉 ざされた。
31 彼 らがパウロを 殺 そうとしていた 時 に、エルサレム 全体 が 混乱 状態 に 陥 っているとの 情報 が、守備 隊 の 千卒長 にとどいた。
32 そこで、彼 はさっそく、兵卒 や 百卒長 たちを 率 いて、その 場 に 駆 けつけた。人々 は 千卒長 や 兵卒 たちを 見 て、パウロを 打 ちたたくのをやめた。
33 千卒長 は 近寄 ってきてパウロを 捕 え、彼 を 二重 の 鎖 で 縛 っておくように 命 じた 上、パウロは 何者 か、また 何 をしたのか、と 尋 ねた。
34 しかし、群衆 がそれぞれ 違 ったことを 叫 びつづけるため、騒 がしくて、確 かなことがわからないので、彼 はパウロを 兵営 に 連 れて 行 くように 命 じた。
35 パウロが 階段 にさしかかった 時 には、群衆 の 暴行 を 避 けるため、兵卒 たちにかつがれて 行 くという 始末 であった。
36 大 ぜいの 民衆 が「あれをやっつけてしまえ」と 叫 びながら、ついてきたからである。
37 パウロが 兵営 の 中 に 連 れて 行 かれようとした 時、千卒長 に、「ひと 言 あなたにお 話 してもよろしいですか」と 尋 ねると、千卒長 が 言 った、「おまえはギリシヤ 語 が 話 せるのか。
38 では、もしかおまえは、先 ごろ 反乱 を 起 した 後、四千 人 の 刺客 を 引 き 連 れて 荒野 へ 逃 げて 行 ったあのエジプト 人 ではないのか」。
39 パウロは 答 えた、「わたしはタルソ 生 れのユダヤ 人 で、キリキヤのれっきとした 都市 の 市民 です。お 願 いですが、民衆 に 話 をさせて 下 さい」。
40 千卒長 が 許 してくれたので、パウロは 階段 の 上 に 立 ち、民衆 にむかって 手 を 振 った。すると、一同 がすっかり 静粛 になったので、パウロはヘブル 語 で 話 し 出 した。
Chapter 22
1 「兄弟 たち、父 たちよ、いま 申 し 上 げるわたしの 弁明 を 聞 いていただきたい」。
2 パウロが、ヘブル 語 でこう 語 りかけるのを 聞 いて、人々 はますます 静粛 になった。
3 そこで 彼 は 言葉 をついで 言 った、「わたしはキリキヤのタルソで 生 れたユダヤ 人 であるが、この 都 で 育 てられ、ガマリエルのひざもとで 先祖 伝来 の 律法 について、きびしい 薫陶 を 受 け、今日 の 皆 さんと 同 じく 神 に 対 して 熱心 な 者 であった。
4 そして、この 道 を 迫害 し、男 であれ 女 であれ、縛 りあげて 獄 に 投 じ、彼 らを 死 に 至 らせた。
5 このことは、大祭司 も 長老 たち 一同 も、証明 するところである。さらにわたしは、この 人 たちからダマスコの 同志 たちへあてた 手紙 をもらって、その 地 にいる 者 たちを 縛 りあげ、エルサレムにひっぱってきて、処罰 するため、出 かけて 行 った。
6 旅 をつづけてダマスコの 近 くにきた 時 に、真昼 ごろ、突然、つよい 光 が 天 からわたしをめぐり 照 した。
7 わたしは 地 に 倒 れた。そして、『サウロ、サウロ、なぜわたしを 迫害 するのか』と、呼 びかける 声 を 聞 いた。
8 これに 対 してわたしは、『主 よ、あなたはどなたですか』と 言 った。すると、その 声 が、『わたしは、あなたが 迫害 しているナザレ 人 イエスである』と 答 えた。
9 わたしと 一緒 にいた 者 たちは、その 光 は 見 たが、わたしに 語 りかけたかたの 声 は 聞 かなかった。
10 わたしが『主 よ、わたしは 何 をしたらよいでしょうか』と 尋 ねたところ、主 は 言 われた、『起 きあがってダマスコに 行 きなさい。そうすれば、あなたがするように 決 めてある 事 が、すべてそこで 告 げられるであろう』。
11 わたしは、光 の 輝 きで 目 がくらみ、何 も 見 えなくなっていたので、連 れの 者 たちに 手 を 引 かれながら、ダマスコに 行 った。
12 すると、律法 に 忠実 で、ダマスコ 在住 のユダヤ 人 全体 に 評判 のよいアナニヤという 人 が、
13 わたしのところにきて、そばに 立 ち、『兄弟 サウロよ、見 えるようになりなさい』と 言 った。するとその 瞬間 に、わたしの 目 が 開 いて、彼 の 姿 が 見 えた。
14 彼 は 言 った、『わたしたちの 先祖 の 神 が、あなたを 選 んでみ 旨 を 知 らせ、かの 義人 を 見 させ、その 口 から 声 をお 聞 かせになった。
15 それはあなたが、その 見聞 きした 事 につき、すべての 人 に 対 して、彼 の 証人 になるためである。
16 そこで 今、なんのためらうことがあろうか。すぐ 立 って、み 名 をとなえてバプテスマを 受 け、あなたの 罪 を 洗 い 落 しなさい』。
17 それからわたしは、エルサレムに 帰 って 宮 で 祈 っているうちに、夢 うつつになり、
18 主 にまみえたが、主 は 言 われた、『急 いで、すぐにエルサレムを 出 て 行 きなさい。わたしについてのあなたのあかしを、人々 が 受 けいれないから』。
19 そこで、わたしが 言 った、『主 よ、彼 らは、わたしがいたるところの 会堂 で、あなたを 信 じる 人々 を 獄 に 投 じたり、むち 打 ったりしていたことを、知 っています。
20 また、あなたの 証人 ステパノの 血 が 流 された 時 も、わたしは 立 ち 合 っていてそれに 賛成 し、また 彼 を 殺 した 人 たちの 上着 の 番 をしていたのです』。
21 すると、主 がわたしに 言 われた、『行 きなさい。わたしが、あなたを 遠 く 異邦 の 民 へつかわすのだ』」。
22 彼 の 言葉 をここまで 聞 いていた 人々 は、このとき、声 を 張 りあげて 言 った、「こんな 男 は 地上 から 取 り 除 いてしまえ。生 かしおくべきではない」。
23 人々 がこうわめき 立 てて、空中 に 上着 を 投 げ、ちりをまき 散 らす 始末 であったので、
24 千卒長 はパウロを 兵営 に 引 き 入 れるように 命 じ、どういうわけで、彼 に 対 してこんなにわめき 立 てているのかを 確 かめるため、彼 をむちの 拷問 にかけて、取 り 調 べるように 言 いわたした。
25 彼 らがむちを 当 てるため、彼 を 縛 りつけていた 時、パウロはそばに 立 っている 百卒長 に 言 った、「ローマの 市民 たる 者 を、裁判 にかけもしないで、むち 打 ってよいのか」。
26 百卒長 はこれを 聞 き、千卒長 のところに 行 って 報告 し、そして 言 った、「どうなさいますか。あの 人 はローマの 市民 なのです」。
27 そこで、千卒長 がパウロのところにきて 言 った、「わたしに 言 ってくれ。あなたはローマの 市民 なのか」。パウロは「そうです」と 言 った。
28 これに 対 して 千卒長 が 言 った、「わたしはこの 市民 権 を、多額 の 金 で 買 い 取 ったのだ」。するとパウロは 言 った、「わたしは 生 れながらの 市民 です」。
29 そこで、パウロを 取 り 調 べようとしていた 人 たちは、ただちに 彼 から 身 を 引 いた。千卒長 も、パウロがローマの 市民 であること、また、そういう 人 を 縛 っていたことがわかって、恐 れた。
30 翌日、彼 は、ユダヤ 人 がなぜパウロを 訴 え 出 たのか、その 真相 を 知 ろうと 思 って 彼 を 解 いてやり、同時 に 祭司長 たちと 全 議会 とを 召集 させ、そこに 彼 を 引 き 出 して、彼 らの 前 に 立 たせた。
Chapter 23
1 パウロは 議会 を 見 つめて 言 った、「兄弟 たちよ、わたしは 今日 まで、神 の 前 に、ひたすら 明 らかな 良心 にしたがって 行動 してきた」。
2 すると、大祭司 アナニヤが、パウロのそばに 立 っている 者 たちに、彼 の 口 を 打 てと 命 じた。
3 そのとき、パウロはアナニヤにむかって 言 った、「白 く 塗 られた 壁 よ、神 があなたを 打 つであろう。あなたは、律法 にしたがって、わたしをさばくために 座 についているのに、律法 にそむいて、わたしを 打 つことを 命 じるのか」。
4 すると、そばに 立 っている 者 たちが 言 った、「神 の 大祭司 に 対 して 無礼 なことを 言 うのか」。
5 パウロは 言 った、「兄弟 たちよ、彼 が 大祭司 だとは 知 らなかった。聖書 に『民 のかしらを 悪 く 言 ってはいけない』と、書 いてあるのだった」。
6 パウロは、議員 の 一部 がサドカイ 人 であり、一部 はパリサイ 人 であるのを 見 て、議会 の 中 で 声 を 高 めて 言 った、「兄弟 たちよ、わたしはパリサイ 人 であり、パリサイ 人 の 子 である。わたしは、死人 の 復活 の 望 みをいだいていることで、裁判 を 受 けているのである」。
7 彼 がこう 言 ったところ、パリサイ 人 とサドカイ 人 との 間 に 争論 が 生 じ、会衆 が 相 分 れた。
8 元来、サドカイ 人 は、復活 とか 天使 とか 霊 とかは、いっさい 存在 しないと 言 い、パリサイ 人 は、それらは、みな 存在 すると 主張 している。
9 そこで、大騒 ぎとなった。パリサイ 派 のある 律法 学者 たちが 立 って、強 く 主張 して 言 った、「われわれは、この 人 には 何 も 悪 いことがないと 思 う。あるいは、霊 か 天使 かが、彼 に 告 げたのかも 知 れない」。
10 こうして、争論 が 激 しくなったので、千卒長 は、パウロが 彼 らに 引 き 裂 かれるのを 気 づかって、兵卒 どもに、降 りて 行 ってパウロを 彼 らの 中 から 力 づくで 引 き 出 し、兵営 に 連 れて 来 るように、命 じた。
11 その 夜、主 がパウロに 臨 んで 言 われた、「しっかりせよ。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなくてはならない」。
12 夜 が 明 けると、ユダヤ 人 らは 申 し 合 わせをして、パウロを 殺 すまでは 飲食 をいっさい 断 つと、誓 い 合 った。
13 この 陰謀 に 加 わった 者 は、四十 人 あまりであった。
14 彼 らは、祭司長 たちや 長老 たちのところに 行 って、こう 言 った。「われわれは、パウロを 殺 すまでは 何 も 食 べないと、堅 く 誓 い 合 いました。
15 ついては、あなたがたは 議会 と 組 んで、彼 のことでなお 詳 しく 取調 べをするように 見 せかけ、パウロをあなたがたのところに 連 れ 出 すように、千卒長 に 頼 んで 下 さい。われわれとしては、パウロがそこにこないうちに 殺 してしまう 手 はずをしています」。
16 ところが、パウロの 姉妹 の 子 が、この 待伏 せのことを 耳 にし、兵営 にはいって 行 って、パウロにそれを 知 らせた。
17 そこでパウロは、百卒長 のひとりを 呼 んで 言 った、「この 若者 を 千卒長 のところに 連 れて 行 ってください。何 か 報告 することがあるようですから」。
18 この 百卒長 は 若者 を 連 れて 行 き、千卒長 に 引 きあわせて 言 った、「囚人 のパウロが、この 若者 があなたに 話 したいことがあるので、あなたのところに 連 れて 行 ってくれるようにと、わたしを 呼 んで 頼 みました」。
19 そこで 千卒長 は、若者 の 手 を 取 り、人 のいないところへ 連 れて 行 って 尋 ねた、「わたしに 話 したいことというのは、何 か」。
20 若者 が 言 った、「ユダヤ 人 たちが、パウロのことをもっと 詳 しく 取調 べをすると 見 せかけて、あす 議会 に 彼 を 連 れ 出 すように、あなたに 頼 むことに 決 めています。
21 どうぞ、彼 らの 頼 みを 取 り 上 げないで 下 さい。四十 人 あまりの 者 が、パウロを 待伏 せしているのです。彼 らは、パウロを 殺 すまでは 飲食 をいっさい 断 つと、堅 く 誓 い 合 っています。そして、いま 手 はずをととのえて、あなたの 許可 を 待 っているところなのです」。
22 そこで 千卒長 は、「このことをわたしに 知 らせたことは、だれにも 口外 するな」と 命 じて、若者 を 帰 した。
23 それから 彼 は、百卒長 ふたりを 呼 んで 言 った、「歩兵 二百 名、騎兵 七十 名、槍 兵 二百 名 を、カイザリヤに 向 け 出発 できるように、今夜 九 時 までに 用意 せよ。
24 また、パウロを 乗 せるために 馬 を 用意 して、彼 を 総督 ペリクスのもとへ 無事 に 連 れて 行 け」。
25 さらに 彼 は、次 のような 文面 の 手紙 を 書 いた。
26 「クラウデオ・ルシヤ、つつしんで 総督 ペリクス 閣下 の 平安 を 祈 ります。
27 本人 のパウロが、ユダヤ 人 らに 捕 えられ、まさに 殺 されようとしていたのを、彼 のローマ 市民 であることを 知 ったので、わたしは 兵卒 たちを 率 いて 行 って、彼 を 救 い 出 しました。
28 それから、彼 が 訴 えられた 理由 を 知 ろうと 思 い、彼 を 議会 に 連 れて 行 きました。
29 ところが、彼 はユダヤ 人 の 律法 の 問題 で 訴 えられたものであり、なんら 死刑 または 投獄 に 当 る 罪 のないことがわかりました。
30 しかし、この 人 に 対 して 陰謀 がめぐらされているとの 報告 がありましたので、わたしは 取 りあえず、彼 を 閣下 のもとにお 送 りすることにし、訴 える 者 たちには、閣下 の 前 で、彼 に 対 する 申 立 てをするようにと、命 じておきました」。
31 そこで 歩兵 たちは、命 じられたとおりパウロを 引 き 取 って、夜 の 間 にアンテパトリスまで 連 れて 行 き、
32 翌日 は、騎兵 たちにパウロを 護送 させることにして、兵営 に 帰 って 行 った。
33 騎兵 たちは、カイザリヤに 着 くと、手紙 を 総督 に 手渡 し、さらにパウロを 彼 に 引 きあわせた。
34 総督 は 手紙 を 読 んでから、パウロに、どの 州 の 者 かと 尋 ね、キリキヤの 出 だと 知 って、
35 「訴 え 人 たちがきた 時 に、おまえを 調 べることにする」と 言 った。そして、ヘロデの 官邸 に 彼 を 守 っておくように 命 じた。
Chapter 24
1 五 日 の 後、大祭司 アナニヤは、長老 数名 と、テルトロという 弁護人 とを 連 れて 下 り、総督 にパウロを 訴 え 出 た。
2 パウロが 呼 び 出 されたので、テルトロは 論告 を 始 めた。「ペリクス 閣下、わたしたちが、閣下 のお 陰 でじゅうぶんに 平和 を 楽 しみ、またこの 国 が、ご 配慮 によって、
3 あらゆる 方面 に、またいたるところで 改善 されていることは、わたしたちの 感謝 してやまないところであります。
4 しかし、ご 迷惑 をかけないように、くどくどと 述 べずに、手短 かに 申 し 上 げますから、どうぞ、忍 んでお 聞 き 取 りのほど、お 願 いいたします。
5 さて、この 男 は、疫病 のような 人間 で、世界中 のすべてのユダヤ 人 の 中 に 騒 ぎを 起 している 者 であり、また、ナザレ 人 らの 異端 のかしらであります。
6 この 者 が 宮 までも 汚 そうとしていたので、わたしたちは 彼 を 捕縛 したのです。〔そして、律法 にしたがって、さばこうとしていたところ、
7 千卒長 ルシヤが 干渉 して、彼 を 無理 にわたしたちの 手 から 引 き 離 してしまい、
8 彼 を 訴 えた 人 たちには、閣下 のところに 来 るようにと 命 じました。〕それで、閣下 ご 自身 でお 調 べになれば、わたしたちが 彼 を 訴 え 出 た 理由 が、全部 おわかりになるでしょう」。
9 ユダヤ 人 たちも、この 訴 えに 同調 して、全 くそのとおりだと 言 った。
10 そこで、総督 が 合図 をして 発言 を 促 したので、パウロは 答弁 して 言 った。「閣下 が、多年 にわたり、この 国民 の 裁判 をつかさどっておられることを、よく 承知 していますので、わたしは 喜 んで、自分 のことを 弁明 いたします。
11 お 調 べになればわかるはずですが、わたしが 礼拝 をしにエルサレムに 上 ってから、まだ十二 日 そこそこにしかなりません。
12 そして、宮 の 内 でも、会堂 内 でも、あるいは 市内 でも、わたしがだれかと 争論 したり、群衆 を 煽動 したりするのを 見 たものはありませんし、
13 今 わたしを 訴 え 出 ていることについて、閣下 の 前 に、その 証拠 をあげうるものはありません。
14 ただ、わたしはこの 事 は 認 めます。わたしは、彼 らが 異端 だとしている 道 にしたがって、わたしたちの 先祖 の 神 に 仕 え、律法 の 教 えるところ、また 預言者 の 書 に 書 いてあることを、ことごとく 信 じ、
15 また、正 しい 者 も 正 しくない 者 も、やがてよみがえるとの 希望 を、神 を 仰 いでいだいているものです。この 希望 は、彼 ら 自身 も 持 っているのです。
16 わたしはまた、神 に 対 しまた 人 に 対 して、良心 に 責 められることのないように、常 に 努 めています。
17 さてわたしは、幾年 ぶりかに 帰 ってきて、同胞 に 施 しをし、また、供 え 物 をしていました。
18 そのとき、彼 らはわたしが 宮 できよめを 行 っているのを 見 ただけであって、群衆 もいず、騒動 もなかったのです。
19 ところが、アジヤからきた 数人 のユダヤ 人 が――彼 らが、わたしに 対 して、何 かとがめ 立 てをすることがあったなら、よろしく 閣下 の 前 にきて、訴 えるべきでした。
20 あるいは、何 かわたしに 不正 なことがあったなら、わたしが 議会 の 前 に 立 っていた 時、彼 らみずから、それを 指摘 すべきでした。
21 ただ、わたしは、彼 らの 中 に 立 って、『わたしは、死人 のよみがえりのことで、きょう、あなたがたの 前 でさばきを 受 けているのだ』と 叫 んだだけのことです」。
22 ここでペリクスは、この 道 のことを 相当 わきまえていたので、「千卒長 ルシヤが 下 って 来 るのを 待 って、おまえたちの 事件 を 判決 することにする」と 言 って、裁判 を 延期 した。
23 そして 百卒長 に、パウロを 監禁 するように、しかし 彼 を 寛大 に 取 り 扱 い、友人 らが 世話 をするのを 止 めないようにと、命 じた。
24 数日 たってから、ペリクスは、ユダヤ 人 である 妻 ドルシラと 一緒 にきて、パウロを 呼 び 出 し、キリスト・イエスに 対 する 信仰 のことを、彼 から 聞 いた。
25 そこで、パウロが、正義、節制、未来 の 審判 などについて 論 じていると、ペリクスは 不安 を 感 じてきて、言 った、「きょうはこれで 帰 るがよい。また、よい 機会 を 得 たら、呼 び 出 すことにする」。
26 彼 は、それと 同時 に、パウロから 金 をもらいたい 下 ごころがあったので、たびたびパウロを 呼 び 出 しては 語 り 合 った。
27 さて、二か 年 たった 時、ポルキオ・フェストが、ペリクスと 交代 して 任 についた。ペリクスは、ユダヤ 人 の 歓心 を 買 おうと 思 って、パウロを 監禁 したままにしておいた。
Chapter 25
1 さて、フェストは、任地 に 着 いてから三 日 の 後、カイザリヤからエルサレムに 上 ったところ、
2 祭司長 たちやユダヤ 人 の 重立 った 者 たちが、パウロを 訴 え 出 て、
3 彼 をエルサレムに 呼 び 出 すよう 取 り 計 らっていただきたいと、しきりに 願 った。彼 らは 途中 で 待 ち 伏 せして、彼 を 殺 す 考 えであった。
4 ところがフェストは、パウロがカイザリヤに 監禁 してあり、自分 もすぐそこへ 帰 ることになっていると 答 え、
5 そして 言 った、「では、もしあの 男 に 何 か 不都合 なことがあるなら、おまえたちのうちの 有力 者 らが、わたしと 一緒 に 下 って 行 って、訴 えるがよかろう」。
6 フェストは、彼 らのあいだに八 日 か十 日 ほど 滞在 した 後、カイザリヤに 下 って 行 き、その 翌日、裁判 の 席 について、パウロを 引 き 出 すように 命 じた。
7 パウロが 姿 をあらわすと、エルサレムから 下 ってきたユダヤ 人 たちが、彼 を 取 りかこみ、彼 に 対 してさまざまの 重 い 罪状 を 申 し 立 てたが、いずれもその 証拠 をあげることはできなかった。
8 パウロは「わたしは、ユダヤ 人 の 律法 に 対 しても、宮 に 対 しても、またカイザルに 対 しても、なんら 罪 を 犯 したことはない」と 弁明 した。
9 ところが、フェストはユダヤ 人 の 歓心 を 買 おうと 思 って、パウロにむかって 言 った、「おまえはエルサレムに 上 り、この 事件 に 関 し、わたしからそこで 裁判 を 受 けることを 承知 するか」。
10 パウロは 言 った、「わたしは 今、カイザルの 法廷 に 立 っています。わたしはこの 法廷 で 裁判 されるべきです。よくご 承知 のとおり、わたしはユダヤ 人 たちに、何 も 悪 いことをしてはいません。
11 もしわたしが 悪 いことをし、死 に 当 るようなことをしているのなら、死 を 免 れようとはしません。しかし、もし 彼 らの 訴 えることに、なんの 根拠 もないとすれば、だれもわたしを 彼 らに 引 き 渡 す 権利 はありません。わたしはカイザルに 上訴 します」。
12 そこでフェストは、陪席 の 者 たちと 協議 したうえ 答 えた、「おまえはカイザルに 上訴 を 申 し 出 た。カイザルのところに 行 くがよい」。
13 数日 たった 後、アグリッパ 王 とベルニケとが、フェストに 敬意 を 表 するため、カイザリヤにきた。
14 ふたりは、そこに 何 日間 も 滞在 していたので、フェストは、パウロのことを 王 に 話 して 言 った、「ここに、ペリクスが 囚人 として 残 して 行 ったひとりの 男 がいる。
15 わたしがエルサレムに 行 った 時、この 男 のことを、祭司長 たちやユダヤ 人 の 長老 たちが、わたしに 報告 し、彼 を 罪 に 定 めるようにと 要求 した。
16 そこでわたしは、彼 らに 答 えた、『訴 えられた 者 が、訴 えた 者 の 前 に 立 って、告訴 に 対 し 弁明 する 機会 を 与 えられない 前 に、その 人 を 見放 してしまうのは、ローマ 人 の 慣例 にはないことである』。
17 それで、彼 らがここに 集 まってきた 時、わたしは 時 をうつさず、次 の 日 に 裁判 の 席 について、その 男 を 引 き 出 させた。
18 訴 えた 者 たちは 立 ち 上 がったが、わたしが 推測 していたような 悪事 は、彼 について 何一 つ 申 し 立 てはしなかった。
19 ただ、彼 と 争 い 合 っているのは、彼 ら 自身 の 宗教 に 関 し、また、死 んでしまったのに 生 きているとパウロが 主張 しているイエスなる 者 に 関 する 問題 に 過 ぎない。
20 これらの 問題 を、どう 取 り 扱 ってよいかわからなかったので、わたしは 彼 に、『エルサレムに 行 って、これらの 問題 について、そこでさばいてもらいたくはないか』と 尋 ねてみた。
21 ところがパウロは、皇帝 の 判決 を 受 ける 時 まで、このまま 自分 をとどめておいてほしいと 言 うので、カイザルに 彼 を 送 りとどける 時 までとどめておくようにと、命 じておいた」。
22 そこで、アグリッパがフェストに「わたしも、その 人 の 言 い 分 を 聞 いて 見 たい」と 言 ったので、フェストは、「では、あす 彼 から 聞 きとるようにしてあげよう」と 答 えた。
23 翌日、アグリッパとベルニケとは、大 いに 威儀 をととのえて、千卒長 たちや 市 の 重立 った 人 たちと 共 に、引見所 にはいってきた。すると、フェストの 命 によって、パウロがそこに 引 き 出 された。
24 そこで、フェストが 言 った、「アグリッパ 王、ならびにご 臨席 の 諸君。ごらんになっているこの 人物 は、ユダヤ 人 たちがこぞって、エルサレムにおいても、また、この 地 においても、これ 以上、生 かしておくべきでないと 叫 んで、わたしに 訴 え 出 ている 者 である。
25 しかし、彼 は 死 に 当 ることは 何 もしていないと、わたしは 見 ているのだが、彼 自身 が 皇帝 に 上訴 すると 言 い 出 したので、彼 をそちらへ 送 ることに 決 めた。
26 ところが、彼 について、主君 に 書 きおくる 確 かなものが 何 もないので、わたしは、彼 を 諸君 の 前 に、特 に、アグリッパ 王 よ、あなたの 前 に 引 き 出 して、取調 べをしたのち、上書 すべき 材料 を 得 ようと 思 う。
27 囚人 を 送 るのに、その 告訴 の 理由 を 示 さないということは、不合理 だと 思 えるからである」。
Chapter 26
1 アグリッパはパウロに、「おまえ 自身 のことを 話 してもよい」と 言 った。そこでパウロは、手 をさし 伸 べて、弁明 をし 始 めた。
2 「アグリッパ 王 よ、ユダヤ 人 たちから 訴 えられているすべての 事 に 関 して、きょう、あなたの 前 で 弁明 することになったのは、わたしのしあわせに 思 うところであります。
3 あなたは、ユダヤ 人 のあらゆる 慣例 や 問題 を、よく 知 り 抜 いておられるかたですから、わたしの 申 すことを、寛大 なお 心 で 聞 いていただきたいのです。
4 さて、わたしは 若 い 時代 には、初 めから 自 国民 の 中 で、またエルサレムで 過 ごしたのですが、そのころのわたしの 生活 ぶりは、ユダヤ 人 がみんなよく 知 っているところです。
5 彼 らはわたしを 初 めから 知 っているので、証言 しようと 思 えばできるのですが、わたしは、わたしたちの 宗教 の 最 も 厳格 な 派 にしたがって、パリサイ 人 としての 生活 をしていたのです。
6 今 わたしは、神 がわたしたちの 先祖 に 約束 なさった 希望 をいだいているために、裁判 を 受 けているのであります。
7 わたしたちの十二の 部族 は、夜昼、熱心 に 神 に 仕 えて、その 約束 を 得 ようと 望 んでいるのです。王 よ、この 希望 のために、わたしはユダヤ 人 から 訴 えられています。
8 神 が 死人 をよみがえらせるということが、あなたがたには、どうして 信 じられないことと 思 えるのでしょうか。
9 わたし 自身 も、以前 には、ナザレ 人 イエスの 名 に 逆 らって 反対 の 行動 をすべきだと、思 っていました。
10 そしてわたしは、それをエルサレムで 敢行 し、祭司長 たちから 権限 を 与 えられて、多 くの 聖徒 たちを 獄 に 閉 じ 込 め、彼 らが 殺 される 時 には、それに 賛成 の 意 を 表 しました。
11 それから、いたるところの 会堂 で、しばしば 彼 らを 罰 して、無理 やりに 神 をけがす 言葉 を 言 わせようとし、彼 らに 対 してひどく 荒 れ 狂 い、ついに 外国 の 町々 にまで、迫害 の 手 をのばすに 至 りました。
12 こうして、わたしは、祭司長 たちから 権限 と 委任 とを 受 けて、ダマスコに 行 ったのですが、
13 王 よ、その 途中、真昼 に、光 が 天 からさして 来 るのを 見 ました。それは、太陽 よりも、もっと 光 り 輝 いて、わたしと 同行者 たちとをめぐり 照 しました。
14 わたしたちはみな 地 に 倒 れましたが、その 時 ヘブル 語 でわたしにこう 呼 びかける 声 を 聞 きました、『サウロ、サウロ、なぜわたしを 迫害 するのか。とげのあるむちをければ、傷 を 負 うだけである』。
15 そこで、わたしが『主 よ、あなたはどなたですか』と 尋 ねると、主 は 言 われた、『わたしは、あなたが 迫害 しているイエスである。
16 さあ、起 きあがって、自分 の 足 で 立 ちなさい。わたしがあなたに 現 れたのは、あなたがわたしに 会 った 事 と、あなたに 現 れて 示 そうとしている 事 とをあかしし、これを 伝 える 務 に、あなたを 任 じるためである。
17 わたしは、この 国民 と 異邦人 との 中 から、あなたを 救 い 出 し、あらためてあなたを 彼 らにつかわすが、
18 それは、彼 らの 目 を 開 き、彼 らをやみから 光 へ、悪魔 の 支配 から 神 のみもとへ 帰 らせ、また、彼 らが 罪 のゆるしを 得、わたしを 信 じる 信仰 によって、聖 別 された 人々 に 加 わるためである』。
19 それですから、アグリッパ 王 よ、わたしは 天 よりの 啓示 にそむかず、
20 まず 初 めにダマスコにいる 人々 に、それからエルサレムにいる 人々、さらにユダヤ 全土、ならびに 異邦人 たちに、悔 い 改 めて 神 に 立 ち 帰 り、悔改 めにふさわしいわざを 行 うようにと、説 き 勧 めました。
21 そのために、ユダヤ 人 は、わたしを 宮 で 引 き 捕 えて 殺 そうとしたのです。
22 しかし、わたしは 今日 に 至 るまで 神 の 加護 を 受 け、このように 立 って、小 さい 者 にも 大 きい 者 にもあかしをなし、預言者 たちやモーセが、今後 起 るべきだと 語 ったことを、そのまま 述 べてきました。
23 すなわち、キリストが 苦難 を 受 けること、また、死人 の 中 から 最初 によみがえって、この 国民 と 異邦人 とに、光 を 宣 べ 伝 えるに 至 ることを、あかししたのです」。
24 パウロがこのように 弁明 をしていると、フェストは 大声 で 言 った、「パウロよ、おまえは 気 が 狂 っている。博学 が、おまえを 狂 わせている」。
25 パウロが 言 った、「フェスト 閣下 よ、わたしは 気 が 狂 ってはいません。わたしは、まじめな 真実 の 言葉 を 語 っているだけです。
26 王 はこれらのことをよく 知 っておられるので、王 に 対 しても、率直 に 申 し 上 げているのです。それは、片 すみで 行 われたのではないのですから、一つとして、王 が 見 のがされたことはないと 信 じます。
27 アグリッパ 王 よ、あなたは 預言者 を 信 じますか。信 じておられると 思 います」。
28 アグリッパがパウロに 言 った、「おまえは 少 し 説 いただけで、わたしをクリスチャンにしようとしている」。
29 パウロが 言 った、「説 くことが 少 しであろうと、多 くであろうと、わたしが 神 に 祈 るのは、ただあなただけでなく、きょう、わたしの 言葉 を 聞 いた 人 もみな、わたしのようになって 下 さることです。このような 鎖 は 別 ですが」。
30 それから、王 も 総督 もベルニケも、また 列席 の 人々 も、みな 立 ちあがった。
31 退場 してから、互 に 語 り 合 って 言 った、「あの 人 は、死 や 投獄 に 当 るようなことをしてはいない」。
32 そして、アグリッパがフェストに 言 った、「あの 人 は、カイザルに 上訴 していなかったら、ゆるされたであろうに」。
Chapter 27
1 さて、わたしたちが、舟 でイタリヤに 行 くことが 決 まった 時、パウロとそのほか 数人 の 囚人 とは、近衛 隊 の 百卒長 ユリアスに 託 された。
2 そしてわたしたちは、アジヤ 沿岸 の 各所 に 寄港 することになっているアドラミテオの 舟 に 乗 り 込 んで、出帆 した。テサロニケのマケドニヤ 人 アリスタルコも 同行 した。
3 次 の 日、シドンに 入港 したが、ユリアスは、パウロを 親切 に 取 り 扱 い、友人 をおとずれてかんたいを 受 けることを、許 した。
4 それからわたしたちは、ここから 船出 したが、逆風 にあったので、クプロの 島 かげを 航行 し、
5 キリキヤとパンフリヤの 沖 を 過 ぎて、ルキヤのミラに 入港 した。
6 そこに、イタリヤ 行 きのアレキサンドリヤの 舟 があったので、百卒長 は、わたしたちをその 舟 に 乗 り 込 ませた。
7 幾日 ものあいだ、舟 の 進 みがおそくて、わたしたちは、かろうじてクニドの 沖合 にきたが、風 がわたしたちの 行 く 手 をはばむので、サルモネの 沖、クレテの 島 かげを 航行 し、
8 その 岸 に 沿 って 進 み、かろうじて「良 き 港」と 呼 ばれる 所 に 着 いた。その 近 くにラサヤの 町 があった。
9 長 い 時 が 経過 し、断食 期 も 過 ぎてしまい、すでに 航海 が 危険 な 季節 になったので、パウロは 人々 に 警告 して 言 った、
10 「皆 さん、わたしの 見 るところでは、この 航海 では、積荷 や 船体 ばかりでなく、われわれの 生命 にも、危害 と 大 きな 損失 が 及 ぶであろう」。
11 しかし 百卒長 は、パウロの 意 見 よりも、船長 や 船主 の 方 を 信頼 した。
12 なお、この 港 は 冬 を 過 ごすのに 適 しないので、大多数 の 者 は、ここから 出 て、できればなんとかして、南西 と 北西 とに 面 しているクレテのピニクス 港 に 行 って、そこで 冬 を 過 ごしたいと 主張 した。
13 時 に、南風 が 静 かに 吹 いてきたので、彼 らは、この 時 とばかりにいかりを 上 げて、クレテの 岸 に 沿 って 航行 した。
14 すると 間 もなく、ユーラクロンと 呼 ばれる 暴風 が、島 から 吹 きおろしてきた。
15 そのために、舟 が 流 されて 風 に 逆 らうことができないので、わたしたちは 吹 き 流 されるままに 任 せた。
16 それから、クラウダという 小島 の 陰 に、はいり 込 んだので、わたしたちは、やっとのことで 小舟 を 処置 することができ、
17 それを 舟 に 引 き 上 げてから、綱 で 船体 を 巻 きつけた。また、スルテスの 洲 に 乗 り 上 げるのを 恐 れ、帆 をおろして 流 れるままにした。
18 わたしたちは、暴風 にひどく 悩 まされつづけたので、次 の 日 に、人々 は 積荷 を 捨 てはじめ、
19 三 日 目 には、船具 までも、てずから 投 げすてた。
20 幾日 ものあいだ、太陽 も 星 も 見 えず、暴風 は 激 しく 吹 きすさぶので、わたしたちの 助 かる 最後 の 望 みもなくなった。
21 みんなの 者 は、長 いあいだ 食事 もしないでいたが、その 時、パウロが 彼 らの 中 に 立 って 言 った、「皆 さん、あなたがたが、わたしの 忠告 を 聞 きいれて、クレテから 出 なかったら、このような 危害 や 損失 を 被 らなくてすんだはずであった。
22 だが、この 際、お 勧 めする。元気 を 出 しなさい。舟 が 失 われるだけで、あなたがたの 中 で 生命 を 失 うものは、ひとりもいないであろう。
23 昨夜、わたしが 仕 え、また 拝 んでいる 神 からの 御使 が、わたしのそばに 立 って 言 った、
24 『パウロよ、恐 れるな。あなたは 必 ずカイザルの 前 に 立 たなければならない。たしかに 神 は、あなたと 同船 の 者 を、ことごとくあなたに 賜 わっている』。
25 だから、皆 さん、元気 を 出 しなさい。万事 はわたしに 告 げられたとおりに 成 って 行 くと、わたしは、神 かけて 信 じている。
26 われわれは、どこかの 島 に 打 ちあげられるに 相違 ない」。
27 わたしたちがアドリヤ 海 に 漂 ってから十四 日 目 の 夜 になった 時、真夜中 ごろ、水夫 らはどこかの 陸地 に 近 づいたように 感 じた。
28 そこで、水 の 深 さを 測 ってみたところ、二十ひろであることがわかった。それから 少 し 進 んで、もう 一度 測 ってみたら、十五ひろであった。
29 わたしたちが、万一 暗礁 に 乗 り 上 げては 大変 だと、人々 は 気 づかって、ともから四つのいかりを 投 げおろし、夜 の 明 けるのを 待 ちわびていた。
30 その 時、水夫 らが 舟 から 逃 げ 出 そうと 思 って、へさきからいかりを 投 げおろすと 見 せかけ、小舟 を 海 におろしていたので、
31 パウロは、百卒長 や 兵卒 たちに 言 った、「あの 人 たちが、舟 に 残 っていなければ、あなたがたは 助 からない」。
32 そこで 兵卒 たちは、小舟 の 綱 を 断 ち 切 って、その 流 れて 行 くままに 任 せた。
33 夜 が 明 けかけたころ、パウロは 一同 の 者 に、食事 をするように 勧 めて 言 った、「あなたがたが 食事 もせずに、見張 りを 続 けてから、何 も 食 べないで、きょうが十四 日 目 に 当 る。
34 だから、いま 食事 を 取 ることをお 勧 めする。それが、あなたがたを 救 うことになるのだから。たしかに 髪 の 毛 ひとすじでも、あなたがたの 頭 から 失 われることはないであろう」。
35 彼 はこう 言 って、パンを 取 り、みんなの 前 で 神 に 感謝 し、それをさいて 食 べはじめた。
36 そこで、みんなの 者 も 元 気 づいて 食事 をした。
37 舟 にいたわたしたちは、合 わせて二百七十六 人 であった。
38 みんなの 者 は、じゅうぶんに 食事 をした 後、穀物 を 海 に 投 げすてて 舟 を 軽 くした。
39 夜 が 明 けて、どこの 土地 かよくわからなかったが、砂浜 のある 入江 が 見 えたので、できれば、それに 舟 を 乗 り 入 れようということになった。
40 そこで、いかりを 切 り 離 して 海 に 捨 て、同時 にかじの 綱 をゆるめ、風 に 前 の 帆 をあげて、砂浜 にむかって 進 んだ。
41 ところが、潮流 の 流 れ 合 う 所 に 突 き 進 んだため、舟 を 浅瀬 に 乗 りあげてしまって、へさきがめり 込 んで 動 かなくなり、ともの 方 は 激浪 のためにこわされた。
42 兵卒 たちは、囚人 らが 泳 いで 逃 げるおそれがあるので、殺 してしまおうと 図 ったが、
43 百卒長 は、パウロを 救 いたいと 思 うところから、その 意図 をしりぞけ、泳 げる 者 はまず 海 に 飛 び 込 んで 陸 に 行 き、
44 その 他 の 者 は、板 や 舟 の 破片 に 乗 って 行 くように 命 じた。こうして、全部 の 者 が 上陸 して 救 われたのであった。
Chapter 28
1 わたしたちが、こうして 救 われてからわかったが、これはマルタと 呼 ばれる 島 であった。
2 土地 の 人々 は、わたしたちに 並々 ならぬ 親切 をあらわしてくれた。すなわち、降 りしきる 雨 や 寒 さをしのぐために、火 をたいてわたしたち 一同 をねぎらってくれたのである。
3 そのとき、パウロはひとかかえの 柴 をたばねて 火 にくべたところ、熱気 のためにまむしが 出 てきて、彼 の 手 にかみついた。
4 土地 の 人々 は、この 生 きものがパウロの 手 からぶら 下 がっているのを 見 て、互 に 言 った、「この 人 は、きっと 人殺 しに 違 いない。海 からはのがれたが、ディケーの 神様 が 彼 を 生 かしてはおかないのだ」。
5 ところがパウロは、まむしを 火 の 中 に 振 り 落 して、なんの 害 も 被 らなかった。
6 彼 らは、彼 が 間 もなくはれ 上 がるか、あるいは、たちまち 倒 れて 死 ぬだろうと、様子 をうかがっていた。しかし、長 い 間 うかがっていても、彼 の 身 になんの 変 ったことも 起 らないのを 見 て、彼 らは 考 えを 変 えて、「この 人 は 神様 だ」と 言 い 出 した。
7 さて、その 場所 の 近 くに、島 の 首長、ポプリオという 人 の 所有 地 があった。彼 は、そこにわたしたちを 招待 して、三 日 のあいだ 親切 にもてなしてくれた。
8 たまたま、ポプリオの 父 が 赤痢 をわずらい、高熱 で 床 についていた。そこでパウロは、その 人 のところにはいって 行 って 祈 り、手 を 彼 の 上 においていやしてやった。
9 このことがあってから、ほかに 病気 をしている 島 の 人 たちが、ぞくぞくとやってきて、みないやされた。
10 彼 らはわたしたちを 非常 に 尊敬 し、出帆 の 時 には、必要 な 品々 を 持 ってきてくれた。
11 三か 月 たった 後、わたしたちは、この 島 に 冬 ごもりをしていたデオスクリの 船 飾 りのあるアレキサンドリヤの 舟 で、出帆 した。
12 そして、シラクサに 寄港 して三 日 のあいだ 停泊 し、
13 そこから 進 んでレギオンに 行 った。それから一 日 おいて、南風 が 吹 いてきたのに 乗 じ、ふつか 目 にポテオリに 着 いた。
14 そこで 兄弟 たちに 会 い、勧 められるまま、彼 らのところに 七日間 も 滞在 した。それからわたしたちは、ついにローマに 到着 した。
15 ところが、兄弟 たちは、わたしたちのことを 聞 いて、アピオ・ポロおよびトレス・タベルネまで 出迎 えてくれた。パウロは 彼 らに 会 って、神 に 感謝 し 勇 み 立 った。
16 わたしたちがローマに 着 いた 後、パウロは、ひとりの 番兵 をつけられ、ひとりで 住 むことを 許 された。
17 三 日 たってから、パウロは、重立 ったユダヤ 人 たちを 招 いた。みんなの 者 が 集 まったとき、彼 らに 言 った、「兄弟 たちよ、わたしは、わが 国民 に 対 しても、あるいは 先祖 伝来 の 慣例 に 対 しても、何一 つそむく 行為 がなかったのに、エルサレムで 囚人 としてローマ 人 たちの 手 に 引 き 渡 された。
18 彼 らはわたしを 取 り 調 べた 結果、なんら 死 に 当 る 罪状 もないので、わたしを 釈放 しようと 思 ったのであるが、
19 ユダヤ 人 たちがこれに 反対 したため、わたしはやむを 得 ず、カイザルに 上訴 するに 至 ったのである。しかしわたしは、わが 同胞 を 訴 えようなどとしているのではない。
20 こういうわけで、あなたがたに 会 って 語 り 合 いたいと 願 っていた。事実、わたしは、イスラエルのいだいている 希望 のゆえに、この 鎖 につながれているのである」。
21 そこで 彼 らは、パウロに 言 った、「わたしたちは、ユダヤ 人 たちから、あなたについて、なんの 文書 も 受 け 取 っていないし、また、兄弟 たちの 中 からここにきて、あなたについて 不利 な 報告 をしたり、悪口 を 言 ったりした 者 もなかった。
22 わたしたちは、あなたの 考 えていることを、直接 あなたから 聞 くのが、正 しいことだと 思 っている。実 は、この 宗派 については、いたるところで 反対 のあることが、わたしたちの 耳 にもはいっている」。
23 そこで、日 を 定 めて、大 ぜいの 人 が、パウロの 宿 につめかけてきたので、朝 から 晩 まで、パウロは 語 り 続 け、神 の 国 のことをあかしし、またモーセの 律法 や 預言者 の 書 を 引 いて、イエスについて 彼 らの 説得 につとめた。
24 ある 者 はパウロの 言 うことを 受 けいれ、ある 者 は 信 じようともしなかった。
25 互 に 意見 が 合 わなくて、みんなの 者 が 帰 ろうとしていた 時、パウロはひとこと 述 べて 言 った、「聖霊 はよくも 預言者 イザヤによって、あなたがたの 先祖 に 語 ったものである。
26 『この 民 に 行 って 言 え、あなたがたは 聞 くには 聞 くが、決 して 悟 らない。見 るには 見 るが、決 して 認 めない。
27 この 民 の 心 は 鈍 くなり、その 耳 は 聞 えにくく、その 目 は 閉 じている。それは、彼 らが 目 で 見 ず、耳 で 聞 かず、心 で 悟 らず、悔 い 改 めていやされることがないためである』。
28 そこで、あなたがたは 知 っておくがよい。神 のこの 救 の 言葉 は、異邦人 に 送 られたのだ。彼 らは、これに 聞 きしたがうであろう」。〔
29 パウロがこれらのことを 述 べ 終 ると、ユダヤ 人 らは、互 に 論 じ 合 いながら 帰 って 行 った。〕
30 パウロは、自分 の 借 りた 家 に 満 二 年 のあいだ 住 んで、たずねて 来 る 人々 をみな 迎 え 入 れ、
31 はばからず、また 妨 げられることもなく、神 の 国 を 宣 べ 伝 え、主 イエス・キリストのことを 教 えつづけた。