Chapter 1
1 アブラハムの 子 であるダビデの 子、イエス・キリストの 系図。
2 アブラハムはイサクの 父 であり、イサクはヤコブの 父、ヤコブはユダとその 兄弟 たちとの 父、
3 ユダはタマルによるパレスとザラとの 父、パレスはエスロンの 父、エスロンはアラムの 父、
4 アラムはアミナダブの 父、アミナダブはナアソンの 父、ナアソンはサルモンの 父、
5 サルモンはラハブによるボアズの 父、ボアズはルツによるオベデの 父、オベデはエッサイの 父、
6 エッサイはダビデ 王 の 父 であった。ダビデはウリヤの 妻 によるソロモンの 父 であり、
7 ソロモンはレハベアムの 父、レハベアムはアビヤの 父、アビヤはアサの 父、
8 アサはヨサパテの 父、ヨサパテはヨラムの 父、ヨラムはウジヤの 父、
9 ウジヤはヨタムの 父、ヨタムはアハズの 父、アハズはヒゼキヤの 父、
10 ヒゼキヤはマナセの 父、マナセはアモンの 父、アモンはヨシヤの 父、
11 ヨシヤはバビロンへ 移 されたころ、エコニヤとその 兄弟 たちとの 父 となった。
12 バビロンへ 移 されたのち、エコニヤはサラテルの 父 となった。サラテルはゾロバベルの 父、
13 ゾロバベルはアビウデの 父、アビウデはエリヤキムの 父、エリヤキムはアゾルの 父、
14 アゾルはサドクの 父、サドクはアキムの 父、アキムはエリウデの 父、
15 エリウデはエレアザルの 父、エレアザルはマタンの 父、マタンはヤコブの 父、
16 ヤコブはマリヤの 夫 ヨセフの 父 であった。このマリヤからキリストといわれるイエスがお 生 れになった。
17 だから、アブラハムからダビデまでの 代 は 合 わせて十四 代、ダビデからバビロンへ 移 されるまでは十四 代、そして、バビロンへ 移 されてからキリストまでは十四 代 である。
18 イエス・キリストの 誕生 の 次第 はこうであった。母 マリヤはヨセフと 婚約 していたが、まだ 一緒 にならない 前 に、聖霊 によって 身重 になった。
19 夫 ヨセフは 正 しい 人 であったので、彼女 のことが 公 けになることを 好 まず、ひそかに 離縁 しようと 決心 した。
20 彼 がこのことを 思 いめぐらしていたとき、主 の 使 が 夢 に 現 れて 言 った、「ダビデの 子 ヨセフよ、心配 しないでマリヤを 妻 として 迎 えるがよい。その 胎内 に 宿 っているものは 聖霊 によるのである。
21 彼女 は 男 の 子 を 産 むであろう。その 名 をイエスと 名 づけなさい。彼 は、おのれの 民 をそのもろもろの 罪 から 救 う 者 となるからである」。
22 すべてこれらのことが 起 ったのは、主 が 預言者 によって 言 われたことの 成就 するためである。すなわち、
23 「見 よ、おとめがみごもって 男 の 子 を 産 むであろう。その 名 はインマヌエルと 呼 ばれるであろう」。これは、「神 われらと 共 にいます」という 意味 である。
24 ヨセフは 眠 りからさめた 後 に、主 の 使 が 命 じたとおりに、マリヤを 妻 に 迎 えた。
25 しかし、子 が 生 れるまでは、彼女 を 知 ることはなかった。そして、その 子 をイエスと 名 づけた。
Chapter 2
1 イエスがヘロデ 王 の 代 に、ユダヤのベツレヘムでお 生 れになったとき、見 よ、東 からきた 博士 たちがエルサレムに 着 いて 言 った、
2 「ユダヤ 人 の 王 としてお 生 れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは 東 の 方 でその 星 を 見 たので、そのかたを 拝 みにきました」。
3 ヘロデ 王 はこのことを 聞 いて 不安 を 感 じた。エルサレムの 人々 もみな、同様 であった。
4 そこで 王 は 祭司長 たちと 民 の 律法 学者 たちとを 全部 集 めて、キリストはどこに 生 れるのかと、彼 らに 問 いただした。
5 彼 らは 王 に 言 った、「それはユダヤのベツレヘムです。預言者 がこうしるしています、
6 『ユダの 地、ベツレヘムよ、おまえはユダの 君 たちの 中 で、決 して 最 も 小 さいものではない。おまえの 中 からひとりの 君 が 出 て、わが 民 イスラエルの 牧者 となるであろう』」。
7 そこで、ヘロデはひそかに 博士 たちを 呼 んで、星 の 現 れた 時 について 詳 しく 聞 き、
8 彼 らをベツレヘムにつかわして 言 った、「行 って、その 幼 な 子 のことを 詳 しく 調 べ、見 つかったらわたしに 知 らせてくれ。わたしも 拝 みに 行 くから」。
9 彼 らは 王 の 言 うことを 聞 いて 出 かけると、見 よ、彼 らが 東方 で 見 た 星 が、彼 らより 先 に 進 んで、幼 な 子 のいる 所 まで 行 き、その 上 にとどまった。
10 彼 らはその 星 を 見 て、非常 な 喜 びにあふれた。
11 そして、家 にはいって、母 マリヤのそばにいる 幼 な 子 に 会 い、ひれ 伏 して 拝 み、また、宝 の 箱 をあけて、黄金・乳香・没薬 などの 贈 り 物 をささげた。
12 そして、夢 でヘロデのところに 帰 るなとのみ 告 げを 受 けたので、他 の 道 をとおって 自分 の 国 へ 帰 って 行 った。
13 彼 らが 帰 って 行 ったのち、見 よ、主 の 使 が 夢 でヨセフに 現 れて 言 った、「立 って、幼 な 子 とその 母 を 連 れて、エジプトに 逃 げなさい。そして、あなたに 知 らせるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが 幼 な 子 を 捜 し 出 して、殺 そうとしている」。
14 そこで、ヨセフは 立 って、夜 の 間 に 幼 な 子 とその 母 とを 連 れてエジプトへ 行 き、
15 ヘロデが 死 ぬまでそこにとどまっていた。それは、主 が 預言者 によって「エジプトからわが 子 を 呼 び 出 した」と 言 われたことが、成就 するためである。
16 さて、ヘロデは 博士 たちにだまされたと 知 って、非常 に 立腹 した。そして 人々 をつかわし、博士 たちから 確 かめた 時 に 基 いて、ベツレヘムとその 附近 の 地方 とにいる二 歳 以下 の 男 の 子 を、ことごとく 殺 した。
17 こうして、預言者 エレミヤによって 言 われたことが、成就 したのである。
18 「叫 び 泣 く 大 いなる 悲 しみの 声 がラマで 聞 えた。ラケルはその 子 らのためになげいた。子 らがもはやいないので、慰 められることさえ 願 わなかった」。
19 さて、ヘロデが 死 んだのち、見 よ、主 の 使 がエジプトにいるヨセフに 夢 で 現 れて 言 った、
20 「立 って、幼 な 子 とその 母 を 連 れて、イスラエルの 地 に 行 け。幼 な 子 の 命 をねらっていた 人々 は、死 んでしまった」。
21 そこでヨセフは 立 って、幼 な 子 とその 母 とを 連 れて、イスラエルの 地 に 帰 った。
22 しかし、アケラオがその 父 ヘロデに 代 ってユダヤを 治め ていると 聞 いたので、そこへ 行 くことを 恐 れた。そして 夢 でみ 告 げを 受 けたので、ガリラヤの 地方 に 退 き、
23 ナザレという 町 に 行 って 住 んだ。これは 預言者 たちによって、「彼 はナザレ 人 と 呼 ばれるであろう」と 言 われたことが、成就 するためである。
Chapter 3
1 そのころ、バプテスマのヨハネが 現 れ、ユダヤの 荒野 で 教 を 宣 べて 言 った、
2 「悔 い 改 めよ、天国 は 近 づいた」。
3 預言者 イザヤによって、「荒野 で 呼 ばわる 者 の 声 がする、『主 の 道 を 備 えよ、その 道 筋 をまっすぐにせよ』」と 言 われたのは、この 人 のことである。
4 このヨハネは、らくだの 毛 ごろもを 着物 にし、腰 に 皮 の 帯 をしめ、いなごと 野 蜜 とを 食物 としていた。
5 すると、エルサレムとユダヤ 全土 とヨルダン 附近 一帯 の 人々 が、ぞくぞくとヨハネのところに 出 てきて、
6 自分 の 罪 を 告白 し、ヨルダン 川 でヨハネからバプテスマを 受 けた。
7 ヨハネは、パリサイ 人 やサドカイ 人 が 大 ぜいバプテスマを 受 けようとしてきたのを 見 て、彼 らに 言 った、「まむしの 子 らよ、迫 ってきている 神 の 怒 りから、おまえたちはのがれられると、だれが 教 えたのか。
8 だから、悔改 めにふさわしい 実 を 結 べ。
9 自分 たちの 父 にはアブラハムがあるなどと、心 の 中 で 思 ってもみるな。おまえたちに 言 っておく、神 はこれらの 石 ころからでも、アブラハムの 子 を 起 すことができるのだ。
10 斧 がすでに 木 の 根 もとに 置 かれている。だから、良 い 実 を 結 ばない 木 はことごとく 切 られて、火 の 中 に 投 げ 込 まれるのだ。
11 わたしは 悔改 めのために、水 でおまえたちにバプテスマを 授 けている。しかし、わたしのあとから 来 る 人 はわたしよりも 力 のあるかたで、わたしはそのくつをぬがせてあげる 値 うちもない。このかたは、聖霊 と 火 とによっておまえたちにバプテスマをお 授 けになるであろう。
12 また、箕 を 手 に 持 って、打 ち 場 の 麦 をふるい 分 け、麦 は 倉 に 納 め、からは 消 えない 火 で 焼 き 捨 てるであろう」。
13 そのときイエスは、ガリラヤを 出 てヨルダン 川 に 現 れ、ヨハネのところにきて、バプテスマを 受 けようとされた。
14 ところがヨハネは、それを 思 いとどまらせようとして 言 った、「わたしこそあなたからバプテスマを 受 けるはずですのに、あなたがわたしのところにおいでになるのですか」。
15 しかし、イエスは 答 えて 言 われた、「今 は 受 けさせてもらいたい。このように、すべての 正 しいことを 成就 するのは、われわれにふさわしいことである」。そこでヨハネはイエスの 言 われるとおりにした。
16 イエスはバプテスマを 受 けるとすぐ、水 から 上 がられた。すると、見 よ、天 が 開 け、神 の 御霊 がはとのように 自分 の 上 に 下 ってくるのを、ごらんになった。
17 また 天 から 声 があって 言 った、「これはわたしの 愛 する 子、わたしの 心 にかなう 者 である」。
Chapter 4
1 さて、イエスは 御霊 によって 荒野 に 導 かれた。悪魔 に 試 みられるためである。
2 そして、四十 日 四十 夜、断食 をし、そののち 空腹 になられた。
3 すると 試 みる 者 がきて 言 った、「もしあなたが 神 の 子 であるなら、これらの 石 がパンになるように 命 じてごらんなさい」。
4 イエスは 答 えて 言 われた、「『人 はパンだけで 生 きるものではなく、神 の 口 から 出 る一つ一つの 言 で 生 きるものである』と 書 いてある」。
5 それから 悪魔 は、イエスを 聖 なる 都 に 連 れて 行 き、宮 の 頂上 に 立 たせて
6 言 った、「もしあなたが 神 の 子 であるなら、下 へ 飛 びおりてごらんなさい。『神 はあなたのために 御使 たちにお 命 じになると、あなたの 足 が 石 に 打 ちつけられないように、彼 らはあなたを 手 でささえるであろう』と 書 いてありますから」。
7 イエスは 彼 に 言 われた、「『主 なるあなたの 神 を 試 みてはならない』とまた 書 いてある」。
8 次 に 悪魔 は、イエスを 非常 に 高 い 山 に 連 れて 行 き、この 世 のすべての 国々 とその 栄華 とを 見 せて
9 言 った、「もしあなたが、ひれ 伏 してわたしを 拝 むなら、これらのものを 皆 あなたにあげましょう」。
10 するとイエスは 彼 に 言 われた、「サタンよ、退 け。『主 なるあなたの 神 を 拝 し、ただ 神 にのみ 仕 えよ』と 書 いてある」。
11 そこで、悪魔 はイエスを 離 れ 去 り、そして、御使 たちがみもとにきて 仕 えた。
12 さて、イエスはヨハネが 捕 えられたと 聞 いて、ガリラヤへ 退 かれた。
13 そしてナザレを 去 り、ゼブルンとナフタリとの 地方 にある 海 べの 町 カペナウムに 行 って 住 まわれた。
14 これは 預言者 イザヤによって 言 われた 言 が、成就 するためである。
15 「ゼブルンの 地、ナフタリの 地、海 に 沿 う 地方、ヨルダンの 向 こうの 地、異邦人 のガリラヤ、
16 暗黒 の 中 に 住 んでいる 民 は 大 いなる 光 を 見、死 の 地、死 の 陰 に 住 んでいる 人々 に、光 がのぼった」。
17 この 時 からイエスは 教 を 宣 べはじめて 言 われた、「悔 い 改 めよ、天国 は 近 づいた」。
18 さて、イエスがガリラヤの 海 べを 歩 いておられると、ふたりの 兄弟、すなわち、ペテロと 呼 ばれたシモンとその 兄弟 アンデレとが、海 に 網 を 打 っているのをごらんになった。彼 らは 漁師 であった。
19 イエスは 彼 らに 言 われた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間 をとる 漁師 にしてあげよう」。
20 すると、彼 らはすぐに 網 を 捨 てて、イエスに 従 った。
21 そこから 進 んで 行 かれると、ほかのふたりの 兄弟、すなわち、ゼベダイの 子 ヤコブとその 兄弟 ヨハネとが、父 ゼベダイと 一緒 に、舟 の 中 で 網 を 繕 っているのをごらんになった。そこで 彼 らをお 招 きになると、
22 すぐ 舟 と 父 とをおいて、イエスに 従 って 行 った。
23 イエスはガリラヤの 全 地 を 巡 り 歩 いて、諸 会堂 で 教 え、御国 の 福音 を 宣 べ 伝 え、民 の 中 のあらゆる 病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。
24 そこで、その 評判 はシリヤ 全 地 にひろまり、人々 があらゆる 病 にかかっている 者、すなわち、いろいろの 病気 と 苦 しみとに 悩 んでいる 者、悪霊 につかれている 者、てんかん、中風 の 者 などをイエスのところに 連 れてきたので、これらの 人々 をおいやしになった。
25 こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ 及 びヨルダンの 向 こうから、おびただしい 群衆 がきてイエスに 従 った。
Chapter 5
1 イエスはこの 群衆 を 見 て、山 に 登 り、座 につかれると、弟子 たちがみもとに 近寄 ってきた。
2 そこで、イエスは 口 を 開 き、彼 らに 教 えて 言 われた。
3 「こころの 貧 しい 人 たちは、さいわいである、天国 は 彼 らのものである。
4 悲 しんでいる 人 たちは、さいわいである、彼 らは 慰 められるであろう。
5 柔和 な 人 たちは、さいわいである、彼 らは 地 を 受 けつぐであろう。
6 義 に 飢 えかわいている 人 たちは、さいわいである、彼 らは 飽 き 足 りるようになるであろう。
7 あわれみ 深 い 人 たちは、さいわいである、彼 らはあわれみを 受 けるであろう。
8 心 の 清 い 人 たちは、さいわいである、彼 らは 神 を 見 るであろう。
9 平和 をつくり 出 す 人 たちは、さいわいである、彼 らは 神 の 子 と 呼 ばれるであろう。
10 義 のために 迫害 されてきた 人 たちは、さいわいである、天国 は 彼 らのものである。
11 わたしのために 人々 があなたがたをののしり、また 迫害 し、あなたがたに 対 し 偽 って 様々 の 悪口 を 言 う 時 には、あなたがたは、さいわいである。
12 喜 び、よろこべ、天 においてあなたがたの 受 ける 報 いは 大 きい。あなたがたより 前 の 預言者 たちも、同 じように 迫害 されたのである。
13 あなたがたは、地 の 塩 である。もし 塩 のききめがなくなったら、何 によってその 味 が 取 りもどされようか。もはや、なんの 役 にも 立 たず、ただ 外 に 捨 てられて、人々 にふみつけられるだけである。
14 あなたがたは、世 の 光 である。山 の 上 にある 町 は 隠 れることができない。
15 また、あかりをつけて、それを 枡 の 下 におく 者 はいない。むしろ 燭台 の 上 において、家 の 中 のすべてのものを 照 させるのである。
16 そのように、あなたがたの 光 を 人々 の 前 に 輝 かし、そして、人々 があなたがたのよいおこないを 見 て、天 にいますあなたがたの 父 をあがめるようにしなさい。
17 わたしが 律法 や 預言者 を 廃 するためにきた、と 思 ってはならない。廃 するためではなく、成就 するためにきたのである。
18 よく 言 っておく。天地 が 滅 び 行 くまでは、律法 の一 点、一画 もすたることはなく、ことごとく 全 うされるのである。
19 それだから、これらの 最 も 小 さいいましめの一つでも 破 り、またそうするように 人 に 教 えたりする 者 は、天国 で 最 も 小 さい 者 と 呼 ばれるであろう。しかし、これをおこないまたそう 教 える 者 は、天国 で 大 いなる 者 と 呼 ばれるであろう。
20 わたしは 言 っておく。あなたがたの 義 が 律法 学者 やパリサイ 人 の 義 にまさっていなければ、決 して 天国 に、はいることはできない。
21 昔 の 人々 に『殺 すな。殺 す 者 は 裁判 を 受 けねばならない』と 言 われていたことは、あなたがたの 聞 いているところである。
22 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。兄弟 に 対 して 怒 る 者 は、だれでも 裁判 を 受 けねばならない。兄弟 にむかって 愚 か 者 と 言 う 者 は、議会 に 引 きわたされるであろう。また、ばか 者 と 言 う 者 は、地獄 の 火 に 投 げ 込 まれるであろう。
23 だから、祭壇 に 供 え 物 をささげようとする 場合、兄弟 が 自分 に 対 して 何 かうらみをいだいていることを、そこで 思 い 出 したなら、
24 その 供 え 物 を 祭壇 の 前 に 残 しておき、まず 行 ってその 兄弟 と 和解 し、それから 帰 ってきて、供 え 物 をささげることにしなさい。
25 あなたを 訴 える 者 と 一緒 に 道 を 行 く 時 には、その 途中 で 早 く 仲直 りをしなさい。そうしないと、その 訴 える 者 はあなたを 裁判官 にわたし、裁判官 は 下役 にわたし、そして、あなたは 獄 に 入 れられるであろう。
26 よくあなたに 言 っておく。最後 の一コドラントを 支払 ってしまうまでは、決 してそこから 出 てくることはできない。
27 『姦淫 するな』と 言 われていたことは、あなたがたの 聞 いているところである。
28 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。だれでも、情欲 をいだいて 女 を 見 る 者 は、心 の 中 ですでに 姦淫 をしたのである。
29 もしあなたの 右 の 目 が 罪 を 犯 させるなら、それを 抜 き 出 して 捨 てなさい。五体 の 一部 を 失 っても、全身 が 地獄 に 投 げ 入 れられない 方 が、あなたにとって 益 である。
30 もしあなたの 右 の 手 が 罪 を 犯 させるなら、それを 切 って 捨 てなさい。五体 の 一部 を 失 っても、全身 が 地獄 に 落 ち 込 まない 方 が、あなたにとって 益 である。
31 また『妻 を 出 す 者 は 離縁 状 を 渡 せ』と 言 われている。
32 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。だれでも、不品行 以外 の 理由 で 自分 の 妻 を 出 す 者 は、姦淫 を 行 わせるのである。また 出 された 女 をめとる 者 も、姦淫 を 行 うのである。
33 また 昔 の 人々 に『いつわり 誓 うな、誓 ったことは、すべて 主 に 対 して 果 せ』と 言 われていたことは、あなたがたの 聞 いているところである。
34 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。いっさい 誓 ってはならない。天 をさして 誓 うな。そこは 神 の 御座 であるから。
35 また 地 をさして 誓 うな。そこは 神 の 足 台 であるから。またエルサレムをさして 誓 うな。それは『大王 の 都』であるから。
36 また、自分 の 頭 をさして 誓 うな。あなたは 髪 の 毛 一 すじさえ、白 くも 黒 くもすることができない。
37 あなたがたの 言葉 は、ただ、しかり、しかり、否、否、であるべきだ。それ 以上 に 出 ることは、悪 から 来 るのである。
38 『目 には 目 を、歯 には 歯 を』と 言 われていたことは、あなたがたの 聞 いているところである。
39 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。悪人 に 手向 かうな。もし、だれかがあなたの 右 の 頬 を 打 つなら、ほかの 頬 をも 向 けてやりなさい。
40 あなたを 訴 えて、下着 を 取 ろうとする 者 には、上着 をも 与 えなさい。
41 もし、だれかが、あなたをしいて一マイル 行 かせようとするなら、その 人 と 共 に二マイル 行 きなさい。
42 求 める 者 には 与 え、借 りようとする 者 を 断 るな。
43 『隣 り 人 を 愛 し、敵 を 憎 め』と 言 われていたことは、あなたがたの 聞 いているところである。
44 しかし、わたしはあなたがたに 言 う。敵 を 愛 し、迫害 する 者 のために 祈 れ。
45 こうして、天 にいますあなたがたの 父 の 子 となるためである。天 の 父 は、悪 い 者 の 上 にも 良 い 者 の 上 にも、太陽 をのぼらせ、正 しい 者 にも 正 しくない 者 にも、雨 を 降 らして 下 さるからである。
46 あなたがたが 自分 を 愛 する 者 を 愛 したからとて、なんの 報 いがあろうか。そのようなことは 取税人 でもするではないか。
47 兄弟 だけにあいさつをしたからとて、なんのすぐれた 事 をしているだろうか。そのようなことは 異邦人 でもしているではないか。
48 それだから、あなたがたの 天 の 父 が 完全 であられるように、あなたがたも 完全 な 者 となりなさい。
Chapter 6
1 自分 の 義 を、見 られるために 人 の 前 で 行 わないように、注意 しなさい。もし、そうしないと、天 にいますあなたがたの 父 から 報 いを 受 けることがないであろう。
2 だから、施 しをする 時 には、偽善者 たちが 人 にほめられるため 会堂 や 町 の 中 でするように、自分 の 前 でラッパを 吹 きならすな。よく 言 っておくが、彼 らはその 報 いを 受 けてしまっている。
3 あなたは 施 しをする 場合、右 の 手 のしていることを 左 の 手 に 知 らせるな。
4 それは、あなたのする 施 しが 隠 れているためである。すると、隠 れた 事 を 見 ておられるあなたの 父 は、報 いてくださるであろう。
5 また 祈 る 時 には、偽善者 たちのようにするな。彼 らは 人 に 見 せようとして、会堂 や 大通 りのつじに 立 って 祈 ることを 好 む。よく 言 っておくが、彼 らはその 報 いを 受 けてしまっている。
6 あなたは 祈 る 時、自分 のへやにはいり、戸 を 閉 じて、隠 れた 所 においでになるあなたの 父 に 祈 りなさい。すると、隠 れた 事 を 見 ておられるあなたの 父 は、報 いてくださるであろう。
7 また、祈 る 場合、異邦人 のように、くどくどと 祈 るな。彼 らは 言葉 かずが 多 ければ、聞 きいれられるものと 思 っている。
8 だから、彼 らのまねをするな。あなたがたの 父 なる 神 は、求 めない 先 から、あなたがたに 必要 なものはご 存 じなのである。
9 だから、あなたがたはこう 祈 りなさい、天 にいますわれらの 父 よ、御名 があがめられますように。
10 御国 がきますように。みこころが 天 に 行 われるとおり、地 にも 行 われますように。
11 わたしたちの 日 ごとの 食物 を、きょうもお 与 えください。
12 わたしたちに 負債 のある 者 をゆるしましたように、わたしたちの 負債 をもおゆるしください。
13 わたしたちを 試 みに 会 わせないで、悪 しき 者 からお 救 いください。
14 もしも、あなたがたが、人々 のあやまちをゆるすならば、あなたがたの 天 の 父 も、あなたがたをゆるして 下 さるであろう。
15 もし 人 をゆるさないならば、あなたがたの 父 も、あなたがたのあやまちをゆるして 下 さらないであろう。
16 また 断食 をする 時 には、偽善者 がするように、陰気 な 顔 つきをするな。彼 らは 断食 をしていることを 人 に 見 せようとして、自分 の 顔 を 見苦 しくするのである。よく 言 っておくが、彼 らはその 報 いを 受 けてしまっている。
17 あなたがたは 断食 をする 時 には、自分 の 頭 に 油 を 塗 り、顔 を 洗 いなさい。
18 それは 断食 をしていることが 人 に 知 れないで、隠 れた 所 においでになるあなたの 父 に 知 られるためである。すると、隠 れた 事 を 見 ておられるあなたの 父 は、報 いて 下 さるであろう。
19 あなたがたは 自分 のために、虫 が 食 い、さびがつき、また、盗人 らが 押 し 入 って 盗 み 出 すような 地上 に、宝 をたくわえてはならない。
20 むしろ 自分 のため、虫 も 食 わず、さびもつかず、また、盗人 らが 押 し 入 って 盗 み 出 すこともない 天 に、宝 をたくわえなさい。
21 あなたの 宝 のある 所 には、心 もあるからである。
22 目 はからだのあかりである。だから、あなたの 目 が 澄 んでおれば、全身 も 明 るいだろう。
23 しかし、あなたの 目 が 悪 ければ、全身 も 暗 いだろう。だから、もしあなたの 内 なる 光 が 暗 ければ、その 暗 さは、どんなであろう。
24 だれも、ふたりの 主人 に 兼 ね 仕 えることはできない。一方 を 憎 んで 他方 を 愛 し、あるいは、一方 に 親 しんで 他方 をうとんじるからである。あなたがたは、神 と 富 とに 兼 ね 仕 えることはできない。
25 それだから、あなたがたに 言 っておく。何 を 食 べようか、何 を 飲 もうかと、自分 の 命 のことで 思 いわずらい、何 を 着 ようかと 自分 のからだのことで 思 いわずらうな。命 は 食物 にまさり、からだは 着物 にまさるではないか。
26 空 の 鳥 を 見 るがよい。まくことも、刈 ることもせず、倉 に 取 りいれることもしない。それだのに、あなたがたの 天 の 父 は 彼 らを 養 っていて 下 さる。あなたがたは 彼 らよりも、はるかにすぐれた 者 ではないか。
27 あなたがたのうち、だれが 思 いわずらったからとて、自分 の 寿命 をわずかでも 延 ばすことができようか。
28 また、なぜ、着物 のことで 思 いわずらうのか。野 の 花 がどうして 育 っているか、考 えて 見 るがよい。働 きもせず、紡 ぎもしない。
29 しかし、あなたがたに 言 うが、栄華 をきわめた 時 のソロモンでさえ、この 花 の一つほどにも 着飾 ってはいなかった。
30 きょうは 生 えていて、あすは 炉 に 投 げ 入 れられる 野 の 草 でさえ、神 はこのように 装 って 下 さるのなら、あなたがたに、それ 以上 よくしてくださらないはずがあろうか。ああ、信仰 の 薄 い 者 たちよ。
31 だから、何 を 食 べようか、何 を 飲 もうか、あるいは 何 を 着 ようかと 言 って 思 いわずらうな。
32 これらのものはみな、異邦人 が 切 に 求 めているものである。あなたがたの 天 の 父 は、これらのものが、ことごとくあなたがたに 必要 であることをご 存 じである。
33 まず 神 の 国 と 神 の 義 とを 求 めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて 添 えて 与 えられるであろう。
34 だから、あすのことを 思 いわずらうな。あすのことは、あす 自身 が 思 いわずらうであろう。一 日 の 苦労 は、その 日 一 日 だけで 十分 である。
Chapter 7
1 人 をさばくな。自分 がさばかれないためである。
2 あなたがたがさばくそのさばきで、自分 もさばかれ、あなたがたの 量 るそのはかりで、自分 にも 量 り 与 えられるであろう。
3 なぜ、兄弟 の 目 にあるちりを 見 ながら、自分 の 目 にある 梁 を 認 めないのか。
4 自分 の 目 には 梁 があるのに、どうして 兄弟 にむかって、あなたの 目 からちりを 取 らせてください、と 言 えようか。
5 偽善者 よ、まず 自分 の 目 から 梁 を 取 りのけるがよい。そうすれば、はっきり 見 えるようになって、兄弟 の 目 からちりを 取 りのけることができるだろう。
6 聖 なるものを 犬 にやるな。また 真珠 を 豚 に 投 げてやるな。恐 らく 彼 らはそれらを 足 で 踏 みつけ、向 きなおってあなたがたにかみついてくるであろう。
7 求 めよ、そうすれば、与 えられるであろう。捜 せ、そうすれば、見 いだすであろう。門 をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。
8 すべて 求 める 者 は 得、捜 す 者 は 見 いだし、門 をたたく 者 はあけてもらえるからである。
9 あなたがたのうちで、自分 の 子 がパンを 求 めるのに、石 を 与 える 者 があろうか。
10 魚 を 求 めるのに、へびを 与 える 者 があろうか。
11 このように、あなたがたは 悪 い 者 であっても、自分 の 子供 には、良 い 贈 り 物 をすることを 知 っているとすれば、天 にいますあなたがたの 父 はなおさら、求 めてくる 者 に 良 いものを 下 さらないことがあろうか。
12 だから、何事 でも 人々 からしてほしいと 望 むことは、人々 にもそのとおりにせよ。これが 律法 であり 預言者 である。
13 狭 い 門 からはいれ。滅 びにいたる 門 は 大 きく、その 道 は 広 い。そして、そこからはいって 行 く 者 が 多 い。
14 命 にいたる 門 は 狭 く、その 道 は 細 い。そして、それを 見 いだす 者 が 少 ない。
15 にせ 預言者 を 警戒 せよ。彼 らは、羊 の 衣 を 着 てあなたがたのところに 来 るが、その 内側 は 強欲 なおおかみである。
16 あなたがたは、その 実 によって 彼 らを 見 わけるであろう。茨 からぶどうを、あざみからいちじくを 集 める 者 があろうか。
17 そのように、すべて 良 い 木 は 良 い 実 を 結 び、悪 い 木 は 悪 い 実 を 結 ぶ。
18 良 い 木 が 悪 い 実 をならせることはないし、悪 い 木 が 良 い 実 をならせることはできない。
19 良 い 実 を 結 ばない 木 はことごとく 切 られて、火 の 中 に 投 げ 込 まれる。
20 このように、あなたがたはその 実 によって 彼 らを 見 わけるのである。
21 わたしにむかって『主 よ、主 よ』と 言 う 者 が、みな 天国 にはいるのではなく、ただ、天 にいますわが 父 の 御旨 を 行 う 者 だけが、はいるのである。
22 その 日 には、多 くの 者 が、わたしにむかって『主 よ、主 よ、わたしたちはあなたの 名 によって 預言 したではありませんか。また、あなたの 名 によって 悪霊 を 追 い 出 し、あなたの 名 によって 多 くの 力 あるわざを 行 ったではありませんか』と 言 うであろう。
23 そのとき、わたしは 彼 らにはっきり、こう 言 おう、『あなたがたを 全 く 知 らない。不法 を 働 く 者 どもよ、行 ってしまえ』。
24 それで、わたしのこれらの 言葉 を 聞 いて 行 うものを、岩 の 上 に 自分 の 家 を 建 てた 賢 い 人 に 比 べることができよう。
25 雨 が 降 り、洪水 が 押 し 寄 せ、風 が 吹 いてその 家 に 打 ちつけても、倒 れることはない。岩 を 土台 としているからである。
26 また、わたしのこれらの 言葉 を 聞 いても 行 わない 者 を、砂 の 上 に 自分 の 家 を 建 てた 愚 かな 人 に 比 べることができよう。
27 雨 が 降 り、洪水 が 押 し 寄 せ、風 が 吹 いてその 家 に 打 ちつけると、倒 れてしまう。そしてその 倒 れ 方 はひどいのである」。
28 イエスがこれらの 言 を 語 り 終 えられると、群衆 はその 教 にひどく 驚 いた。
29 それは 律法 学者 たちのようにではなく、権威 ある 者 のように、教 えられたからである。
Chapter 8
1 イエスが 山 をお 降 りになると、おびただしい 群衆 がついてきた。
2 すると、そのとき、ひとりのらい 病人 がイエスのところにきて、ひれ 伏 して 言 った、「主 よ、みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。
3 イエスは 手 を 伸 ばして、彼 にさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」と 言 われた。すると、らい 病 は 直 ちにきよめられた。
4 イエスは 彼 に 言 われた、「だれにも 話 さないように、注意 しなさい。ただ 行 って、自分 のからだを 祭司 に 見 せ、それから、モーセが 命 じた 供 え 物 をささげて、人々 に 証明 しなさい」。
5 さて、イエスがカペナウムに 帰 ってこられたとき、ある 百卒長 がみもとにきて 訴 えて 言 った、
6 「主 よ、わたしの 僕 が 中風 でひどく 苦 しんで、家 に 寝 ています」。
7 イエスは 彼 に、「わたしが 行 ってなおしてあげよう」と 言 われた。
8 そこで 百卒長 は 答 えて 言 った、「主 よ、わたしの 屋根 の 下 にあなたをお 入 れする 資格 は、わたしにはございません。ただ、お 言葉 を 下 さい。そうすれば 僕 はなおります。
9 わたしも 権威 の 下 にある 者 ですが、わたしの 下 にも 兵卒 がいまして、ひとりの 者 に『行 け』と 言 えば 行 き、ほかの 者 に『こい』と 言 えばきますし、また、僕 に『これをせよ』と 言 えば、してくれるのです」。
10 イエスはこれを 聞 いて 非常 に 感心 され、ついてきた 人々 に 言 われた、「よく 聞 きなさい。イスラエル 人 の 中 にも、これほどの 信仰 を 見 たことがない。
11 なお、あなたがたに 言 うが、多 くの 人 が 東 から 西 からきて、天国 で、アブラハム、イサク、ヤコブと 共 に 宴会 の 席 につくが、
12 この 国 の 子 らは 外 のやみに 追 い 出 され、そこで 泣 き 叫 んだり、歯 がみをしたりするであろう」。
13 それからイエスは 百卒長 に「行 け、あなたの 信 じたとおりになるように」と 言 われた。すると、ちょうどその 時 に、僕 はいやされた。
14 それから、イエスはペテロの 家 にはいって 行 かれ、そのしゅうとめが 熱病 で、床 についているのをごらんになった。
15 そこで、その 手 にさわられると、熱 が 引 いた。そして 女 は 起 きあがってイエスをもてなした。
16 夕暮 になると、人々 は 悪霊 につかれた 者 を 大 ぜい、みもとに 連 れてきたので、イエスはみ 言葉 をもって 霊 どもを 追 い 出 し、病人 をことごとくおいやしになった。
17 これは、預言者 イザヤによって「彼 は、わたしたちのわずらいを 身 に 受 け、わたしたちの 病 を 負 うた」と 言 われた 言葉 が 成就 するためである。
18 イエスは、群衆 が 自分 のまわりに 群 がっているのを 見 て、向 こう 岸 に 行 くようにと 弟子 たちにお 命 じになった。
19 するとひとりの 律法 学者 が 近 づいてきて 言 った、「先生、あなたがおいでになる 所 なら、どこへでも 従 ってまいります」。
20 イエスはその 人 に 言 われた、「きつねには 穴 があり、空 の 鳥 には 巣 がある。しかし、人 の 子 にはまくらする 所 がない」。
21 また 弟子 のひとりが 言 った、「主 よ、まず、父 を 葬 りに 行 かせて 下 さい」。
22 イエスは 彼 に 言 われた、「わたしに 従 ってきなさい。そして、その 死人 を 葬 ることは、死人 に 任 せておくがよい」。
23 それから、イエスが 舟 に 乗 り 込 まれると、弟子 たちも 従 った。
24 すると 突然、海上 に 激 しい 暴風 が 起 って、舟 は 波 にのまれそうになった。ところが、イエスは 眠 っておられた。
25 そこで 弟子 たちはみそばに 寄 ってきてイエスを 起 し、「主 よ、お 助 けください、わたしたちは 死 にそうです」と 言 った。
26 するとイエスは 彼 らに 言 われた、「なぜこわがるのか、信仰 の 薄 い 者 たちよ」。それから 起 きあがって、風 と 海 とをおしかりになると、大 なぎになった。
27 彼 らは 驚 いて 言 った、「このかたはどういう 人 なのだろう。風 も 海 も 従 わせるとは」。
28 それから、向 こう 岸、ガダラ 人 の 地 に 着 かれると、悪霊 につかれたふたりの 者 が、墓場 から 出 てきてイエスに 出会 った。彼 らは 手 に 負 えない 乱暴 者 で、だれもその 辺 の 道 を 通 ることができないほどであった。
29 すると 突然、彼 らは 叫 んで 言 った、「神 の 子 よ、あなたはわたしどもとなんの 係 わりがあるのです。まだその 時 ではないのに、ここにきて、わたしどもを 苦 しめるのですか」。
30 さて、そこからはるか 離 れた 所 に、おびただしい 豚 の 群 れが 飼 ってあった。
31 悪霊 どもはイエスに 願 って 言 った、「もしわたしどもを 追 い 出 されるのなら、あの 豚 の 群 れの 中 につかわして 下 さい」。
32 そこで、イエスが「行 け」と 言 われると、彼 らは 出 て 行 って、豚 の 中 へはいり 込 んだ。すると、その 群 れ 全体 が、がけから 海 へなだれを 打 って 駆 け 下 り、水 の 中 で 死 んでしまった。
33 飼 う 者 たちは 逃 げて 町 に 行 き、悪霊 につかれた 者 たちのことなど、いっさいを 知 らせた。
34 すると、町中 の 者 がイエスに 会 いに 出 てきた。そして、イエスに 会 うと、この 地方 から 去 ってくださるようにと 頼 んだ。
Chapter 9
1 さて、イエスは 舟 に 乗 って 海 を 渡 り、自分 の 町 に 帰 られた。
2 すると、人々 が 中風 の 者 を 床 の 上 に 寝 かせたままでみもとに 運 んできた。イエスは 彼 らの 信仰 を 見 て、中風 の 者 に、「子 よ、しっかりしなさい。あなたの 罪 はゆるされたのだ」と 言 われた。
3 すると、ある 律法 学者 たちが 心 の 中 で 言 った、「この 人 は 神 を 汚 している」。
4 イエスは 彼 らの 考 えを 見抜 いて、「なぜ、あなたがたは 心 の 中 で 悪 いことを 考 えているのか。
5 あなたの 罪 はゆるされた、と 言 うのと、起 きて 歩 け、と 言 うのと、どちらがたやすいか。
6 しかし、人 の 子 は 地上 で 罪 をゆるす 権威 をもっていることが、あなたがたにわかるために」と 言 い、中風 の 者 にむかって、「起 きよ、床 を 取 りあげて 家 に 帰 れ」と 言 われた。
7 すると 彼 は 起 きあがり、家 に 帰 って 行 った。
8 群衆 はそれを 見 て 恐 れ、こんな 大 きな 権威 を 人 にお 与 えになった 神 をあがめた。
9 さてイエスはそこから 進 んで 行 かれ、マタイという 人 が 収税所 にすわっているのを 見 て、「わたしに 従 ってきなさい」と 言 われた。すると 彼 は 立 ちあがって、イエスに 従 った。
10 それから、イエスが 家 で 食事 の 席 についておられた 時 のことである。多 くの 取税人 や 罪人 たちがきて、イエスや 弟子 たちと 共 にその 席 に 着 いていた。
11 パリサイ 人 たちはこれを 見 て、弟子 たちに 言 った、「なぜ、あなたがたの 先生 は、取税人 や 罪人 などと 食事 を 共 にするのか」。
12 イエスはこれを 聞 いて 言 われた、「丈夫 な 人 には 医者 はいらない。いるのは 病人 である。
13 『わたしが 好 むのは、あわれみであって、いけにえではない』とはどういう 意味 か、学 んできなさい。わたしがきたのは、義人 を 招 くためではなく、罪人 を 招 くためである」。
14 そのとき、ヨハネの 弟子 たちがイエスのところにきて 言 った、「わたしたちとパリサイ 人 たちとが 断食 をしているのに、あなたの 弟子 たちは、なぜ 断食 をしないのですか」。
15 するとイエスは 言 われた、「婚礼 の 客 は、花婿 が 一緒 にいる 間 は、悲 しんでおられようか。しかし、花婿 が 奪 い 去 られる 日 が 来 る。その 時 には 断食 をするであろう。
16 だれも、真新 しい 布 ぎれで、古 い 着物 につぎを 当 てはしない。そのつぎきれは 着物 を 引 き 破 り、そして、破 れがもっとひどくなるから。
17 だれも、新 しいぶどう 酒 を 古 い 皮 袋 に 入 れはしない。もしそんなことをしたら、その 皮 袋 は 張 り 裂 け、酒 は 流 れ 出 るし、皮 袋 もむだになる。だから、新 しいぶどう 酒 は 新 しい 皮 袋 に 入 れるべきである。そうすれば 両方 とも 長 もちがするであろう」。
18 これらのことを 彼 らに 話 しておられると、そこにひとりの 会堂司 がきて、イエスを 拝 して 言 った、「わたしの 娘 がただ 今 死 にました。しかしおいでになって 手 をその 上 においてやって 下 さい。そうしたら、娘 は 生 き 返 るでしょう」。
19 そこで、イエスが 立 って 彼 について 行 かれると、弟子 たちも 一緒 に 行 った。
20 するとそのとき、十二 年間 も 長 血 をわずらっている 女 が 近寄 ってきて、イエスのうしろからみ 衣 のふさにさわった。
21 み 衣 にさわりさえすれば、なおしていただけるだろう、と 心 の 中 で 思 っていたからである。
22 イエスは 振 り 向 いて、この 女 を 見 て 言 われた、「娘 よ、しっかりしなさい。あなたの 信仰 があなたを 救 ったのです」。するとこの 女 はその 時 に、いやされた。
23 それからイエスは 司 の 家 に 着 き、笛 吹 きどもや 騒 いでいる 群衆 を 見 て 言 われた。
24 「あちらへ 行 っていなさい。少女 は 死 んだのではない。眠 っているだけである」。すると 人々 はイエスをあざ 笑 った。
25 しかし、群衆 を 外 へ 出 したのち、イエスは 内 へはいって、少女 の 手 をお 取 りになると、少女 は 起 きあがった。
26 そして、そのうわさがこの 地方 全体 にひろまった。
27 そこから 進 んで 行 かれると、ふたりの 盲人 が、「ダビデの 子 よ、わたしたちをあわれんで 下 さい」と 叫 びながら、イエスについてきた。
28 そしてイエスが 家 にはいられると、盲人 たちがみもとにきたので、彼 らに「わたしにそれができると 信 じるか」と 言 われた。彼 らは 言 った、「主 よ、信 じます」。
29 そこで、イエスは 彼 らの 目 にさわって 言 われた、「あなたがたの 信仰 どおり、あなたがたの 身 になるように」。
30 すると 彼 らの 目 が 開 かれた。イエスは 彼 らをきびしく 戒 めて 言 われた、「だれにも 知 れないように 気 をつけなさい」。
31 しかし、彼 らは 出 て 行 って、その 地方 全体 にイエスのことを 言 いひろめた。
32 彼 らが 出 て 行 くと、人々 は 悪霊 につかれたおしをイエスのところに 連 れてきた。
33 すると、悪霊 は 追 い 出 されて、おしが 物 を 言 うようになった。群衆 は 驚 いて、「このようなことがイスラエルの 中 で 見 られたことは、これまで 一度 もなかった」と 言 った。
34 しかし、パリサイ 人 たちは 言 った、「彼 は、悪霊 どものかしらによって 悪霊 どもを 追 い 出 しているのだ」。
35 イエスは、すべての 町々 村々 を 巡 り 歩 いて、諸 会堂 で 教 え、御国 の 福音 を 宣 べ 伝 え、あらゆる 病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。
36 また 群衆 が 飼 う 者 のない 羊 のように 弱 り 果 てて、倒 れているのをごらんになって、彼 らを 深 くあわれまれた。
37 そして 弟子 たちに 言 われた、「収穫 は 多 いが、働 き 人 が 少 ない。
38 だから、収穫 の 主 に 願 って、その 収穫 のために 働 き 人 を 送 り 出 すようにしてもらいなさい」。
Chapter 10
1 そこで、イエスは十二 弟子 を 呼 び 寄 せて、汚 れた 霊 を 追 い 出 し、あらゆる 病気、あらゆるわずらいをいやす 権威 をお 授 けになった。
2 十二 使徒 の 名 は、次 のとおりである。まずペテロと 呼 ばれたシモンとその 兄弟 アンデレ、それからゼベダイの 子 ヤコブとその 兄弟 ヨハネ、
3 ピリポとバルトロマイ、トマスと 取税人 マタイ、アルパヨの 子 ヤコブとタダイ、
4 熱心 党 のシモンとイスカリオテのユダ。このユダはイエスを 裏切 った 者 である。
5 イエスはこの十二 人 をつかわすに 当 り、彼 らに 命 じて 言 われた、「異邦人 の 道 に 行 くな。またサマリヤ 人 の 町 にはいるな。
6 むしろ、イスラエルの 家 の 失 われた 羊 のところに 行 け。
7 行 って、『天国 が 近 づいた』と 宣 べ 伝 えよ。
8 病人 をいやし、死人 をよみがえらせ、らい 病人 をきよめ、悪霊 を 追 い 出 せ。ただで 受 けたのだから、ただで 与 えるがよい。
9 財布 の 中 に 金、銀 または 銭 を 入 れて 行 くな。
10 旅行 のための 袋 も、二 枚 の 下着 も、くつも、つえも 持 って 行 くな。働 き 人 がその 食物 を 得 るのは 当然 である。
11 どの 町、どの 村 にはいっても、その 中 でだれがふさわしい 人 か、たずね 出 して、立 ち 去 るまではその 人 のところにとどまっておれ。
12 その 家 にはいったなら、平安 を 祈 ってあげなさい。
13 もし 平安 を 受 けるにふさわしい 家 であれば、あなたがたの 祈 る 平安 はその 家 に 来 るであろう。もしふさわしくなければ、その 平安 はあなたがたに 帰 って 来 るであろう。
14 もしあなたがたを 迎 えもせず、またあなたがたの 言葉 を 聞 きもしない 人 があれば、その 家 や 町 を 立 ち 去 る 時 に、足 のちりを 払 い 落 しなさい。
15 あなたがたによく 言 っておく。さばきの 日 には、ソドム、ゴモラの 地 の 方 が、その 町 よりは 耐 えやすいであろう。
16 わたしがあなたがたをつかわすのは、羊 をおおかみの 中 に 送 るようなものである。だから、へびのように 賢 く、はとのように 素直 であれ。
17 人々 に 注意 しなさい。彼 らはあなたがたを 衆議所 に 引 き 渡 し、会堂 でむち 打 つであろう。
18 またあなたがたは、わたしのために 長官 たちや 王 たちの 前 に 引 き 出 されるであろう。それは、彼 らと 異邦人 とに 対 してあかしをするためである。
19 彼 らがあなたがたを 引 き 渡 したとき、何 をどう 言 おうかと 心配 しないがよい。言 うべきことは、その 時 に 授 けられるからである。
20 語 る 者 は、あなたがたではなく、あなたがたの 中 にあって 語 る 父 の 霊 である。
21 兄弟 は 兄弟 を、父 は 子 を 殺 すために 渡 し、また 子 は 親 に 逆 らって 立 ち、彼 らを 殺 させるであろう。
22 またあなたがたは、わたしの 名 のゆえにすべての 人 に 憎 まれるであろう。しかし、最後 まで 耐 え 忍 ぶ 者 は 救 われる。
23 一つの 町 で 迫害 されたなら、他 の 町 へ 逃 げなさい。よく 言 っておく。あなたがたがイスラエルの 町々 を 回 り 終 らないうちに、人 の 子 は 来 るであろう。
24 弟子 はその 師 以上 のものではなく、僕 はその 主人 以上 の 者 ではない。
25 弟子 がその 師 のようであり、僕 がその 主人 のようであれば、それで 十分 である。もし 家 の 主人 がベルゼブルと 言 われるならば、その 家 の 者 どもはなおさら、どんなにか 悪 く 言 われることであろう。
26 だから 彼 らを 恐 れるな。おおわれたもので、現 れてこないものはなく、隠 れているもので、知 られてこないものはない。
27 わたしが 暗 やみであなたがたに 話 すことを、明 るみで 言 え。耳 にささやかれたことを、屋根 の 上 で 言 いひろめよ。
28 また、からだを 殺 しても、魂 を 殺 すことのできない 者 どもを 恐 れるな。むしろ、からだも 魂 も 地獄 で 滅 ぼす 力 のあるかたを 恐 れなさい。
29 二 羽 のすずめは一アサリオンで 売 られているではないか。しかもあなたがたの 父 の 許 しがなければ、その一 羽 も 地 に 落 ちることはない。
30 またあなたがたの 頭 の 毛 までも、みな 数 えられている。
31 それだから、恐 れることはない。あなたがたは 多 くのすずめよりも、まさった 者 である。
32 だから 人 の 前 でわたしを 受 けいれる 者 を、わたしもまた、天 にいますわたしの 父 の 前 で 受 けいれるであろう。
33 しかし、人 の 前 でわたしを 拒 む 者 を、わたしも 天 にいますわたしの 父 の 前 で 拒 むであろう。
34 地上 に 平和 をもたらすために、わたしがきたと 思 うな。平和 ではなく、つるぎを 投 げ 込 むためにきたのである。
35 わたしがきたのは、人 をその 父 と、娘 をその 母 と、嫁 をそのしゅうとめと 仲 たがいさせるためである。
36 そして 家 の 者 が、その 人 の 敵 となるであろう。
37 わたしよりも 父 または 母 を 愛 する 者 は、わたしにふさわしくない。わたしよりもむすこや 娘 を 愛 する 者 は、わたしにふさわしくない。
38 また 自分 の 十字架 をとってわたしに 従 ってこない 者 はわたしにふさわしくない。
39 自分 の 命 を 得 ている 者 はそれを 失 い、わたしのために 自分 の 命 を 失 っている 者 は、それを 得 るであろう。
40 あなたがたを 受 けいれる 者 は、わたしを 受 けいれるのである。わたしを 受 けいれる 者 は、わたしをおつかわしになったかたを 受 けいれるのである。
41 預言者 の 名 のゆえに 預言者 を 受 けいれる 者 は、預言者 の 報 いを 受 け、義人 の 名 のゆえに 義人 を 受 けいれる 者 は、義人 の 報 いを 受 けるであろう。
42 わたしの 弟子 であるという 名 のゆえに、この 小 さい 者 のひとりに 冷 たい 水 一 杯 でも 飲 ませてくれる 者 は、よく 言 っておくが、決 してその 報 いからもれることはない」。
Chapter 11
1 イエスは十二 弟子 にこのように 命 じ 終 えてから、町々 で 教 えまた 宣 べ 伝 えるために、そこを 立 ち 去 られた。
2 さて、ヨハネは 獄中 でキリストのみわざについて 伝 え 聞 き、自分 の 弟子 たちをつかわして、
3 イエスに 言 わせた、「『きたるべきかた』はあなたなのですか。それとも、ほかにだれかを 待 つべきでしょうか」。
4 イエスは 答 えて 言 われた、「行 って、あなたがたが 見聞 きしていることをヨハネに 報告 しなさい。
5 盲人 は 見 え、足 なえは 歩 き、らい 病人 はきよまり、耳 しいは 聞 え、死人 は 生 きかえり、貧 しい 人々 は 福音 を 聞 かされている。
6 わたしにつまずかない 者 は、さいわいである」。
7 彼 らが 帰 ってしまうと、イエスはヨハネのことを 群衆 に 語 りはじめられた、「あなたがたは、何 を 見 に 荒野 に 出 てきたのか。風 に 揺 らぐ 葦 であるか。
8 では、何 を 見 に 出 てきたのか。柔 らかい 着物 をまとった 人 か。柔 らかい 着物 をまとった 人々 なら、王 の 家 にいる。
9 では、なんのために 出 てきたのか。預言者 を 見 るためか。そうだ、あなたがたに 言 うが、預言者 以上 の 者 である。
10 『見 よ、わたしは 使 をあなたの 先 につかわし、あなたの 前 に、道 を 整 えさせるであろう』と 書 いてあるのは、この 人 のことである。
11 あなたがたによく 言 っておく。女 の 産 んだ 者 の 中 で、バプテスマのヨハネより 大 きい 人物 は 起 らなかった。しかし、天国 で 最 も 小 さい 者 も、彼 よりは 大 きい。
12 バプテスマのヨハネの 時 から 今 に 至 るまで、天国 は 激 しく 襲 われている。そして 激 しく 襲 う 者 たちがそれを 奪 い 取 っている。
13 すべての 預言者 と 律法 とが 預言 したのは、ヨハネの 時 までである。
14 そして、もしあなたがたが 受 けいれることを 望 めば、この 人 こそは、きたるべきエリヤなのである。
15 耳 のある 者 は 聞 くがよい。
16 今 の 時代 を 何 に 比 べようか。それは 子供 たちが 広場 にすわって、ほかの 子供 たちに 呼 びかけ、
17 『わたしたちが 笛 を 吹 いたのに、あなたたちは 踊 ってくれなかった。弔 いの 歌 を 歌 ったのに、胸 を 打 ってくれなかった』と 言 うのに 似 ている。
18 なぜなら、ヨハネがきて、食 べることも、飲 むこともしないと、あれは 悪霊 につかれているのだ、と 言 い、
19 また 人 の 子 がきて、食 べたり 飲 んだりしていると、見 よ、あれは 食 をむさぼる 者、大酒 を 飲 む 者、また 取税人、罪人 の 仲間 だ、と 言 う。しかし、知恵 の 正 しいことは、その 働 きが 証明 する」。
20 それからイエスは、数々 の 力 あるわざがなされたのに、悔 い 改 めることをしなかった 町々 を、責 めはじめられた。
21 「わざわいだ、コラジンよ。わざわいだ、ベツサイダよ。おまえたちのうちでなされた 力 あるわざが、もしツロとシドンでなされたなら、彼 らはとうの 昔 に、荒布 をまとい 灰 をかぶって、悔 い 改 めたであろう。
22 しかし、おまえたちに 言 っておく。さばきの 日 には、ツロとシドンの 方 がおまえたちよりも、耐 えやすいであろう。
23 ああ、カペナウムよ、おまえは 天 にまで 上 げられようとでもいうのか。黄泉 にまで 落 されるであろう。おまえの 中 でなされた 力 あるわざが、もしソドムでなされたなら、その 町 は 今日 までも 残 っていたであろう。
24 しかし、あなたがたに 言 う。さばきの 日 には、ソドムの 地 の 方 がおまえよりは 耐 えやすいであろう」。
25 そのときイエスは 声 をあげて 言 われた、「天地 の 主 なる 父 よ。あなたをほめたたえます。これらの 事 を 知恵 のある 者 や 賢 い 者 に 隠 して、幼 な 子 にあらわしてくださいました。
26 父 よ、これはまことにみこころにかなった 事 でした。
27 すべての 事 は 父 からわたしに 任 せられています。そして、子 を 知 る 者 は 父 のほかにはなく、父 を 知 る 者 は、子 と、父 をあらわそうとして 子 が 選 んだ 者 とのほかに、だれもありません。
28 すべて 重荷 を 負 うて 苦労 している 者 は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを 休 ませてあげよう。
29 わたしは 柔和 で 心 のへりくだった 者 であるから、わたしのくびきを 負 うて、わたしに 学 びなさい。そうすれば、あなたがたの 魂 に 休 みが 与 えられるであろう。
30 わたしのくびきは 負 いやすく、わたしの 荷 は 軽 いからである」。
Chapter 12
1 そのころ、ある 安息日 に、イエスは 麦畑 の 中 を 通 られた。すると 弟子 たちは、空腹 であったので、穂 を 摘 んで 食 べはじめた。
2 パリサイ 人 たちがこれを 見 て、イエスに 言 った、「ごらんなさい、あなたの 弟子 たちが、安息日 にしてはならないことをしています」。
3 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「あなたがたは、ダビデとその 供 の 者 たちとが 飢 えたとき、ダビデが 何 をしたか 読 んだことがないのか。
4 すなわち、神 の 家 にはいって、祭司 たちのほか、自分 も 供 の 者 たちも 食 べてはならぬ 供 えのパンを 食 べたのである。
5 また、安息日 に 宮仕 えをしている 祭司 たちは 安息日 を 破 っても 罪 にはならないことを、律法 で 読 んだことがないのか。
6 あなたがたに 言 っておく。宮 よりも 大 いなる 者 がここにいる。
7 『わたしが 好 むのは、あわれみであって、いけにえではない』とはどういう 意味 か 知 っていたなら、あなたがたは 罪 のない 者 をとがめなかったであろう。
8 人 の 子 は 安息日 の 主 である」。
9 イエスはそこを 去 って、彼 らの 会堂 にはいられた。
10 すると、そのとき、片手 のなえた 人 がいた。人々 はイエスを 訴 えようと 思 って、「安息日 に 人 をいやしても、さしつかえないか」と 尋 ねた。
11 イエスは 彼 らに 言 われた、「あなたがたのうちに、一 匹 の 羊 を 持 っている 人 があるとして、もしそれが 安息日 に 穴 に 落 ちこんだなら、手 をかけて 引 き 上 げてやらないだろうか。
12 人 は 羊 よりも、はるかにすぐれているではないか。だから、安息日 に 良 いことをするのは、正 しいことである」。
13 そしてイエスはその 人 に、「手 を 伸 ばしなさい」と 言 われた。そこで 手 を 伸 ばすと、ほかの 手 のように 良 くなった。
14 パリサイ 人 たちは 出 て 行 って、なんとかしてイエスを 殺 そうと 相談 した。
15 イエスはこれを 知 って、そこを 去 って 行 かれた。ところが 多 くの 人々 がついてきたので、彼 らを 皆 いやし、
16 そして 自分 のことを 人々 にあらわさないようにと、彼 らを 戒 められた。
17 これは 預言者 イザヤの 言 った 言葉 が、成就 するためである、
18 「見 よ、わたしが 選 んだ 僕、わたしの 心 にかなう、愛 する 者。わたしは 彼 にわたしの 霊 を 授 け、そして 彼 は 正義 を 異邦人 に 宣 べ 伝 えるであろう。
19 彼 は 争 わず、叫 ばず、またその 声 を 大路 で 聞 く 者 はない。
20 彼 が 正義 に 勝 ちを 得 させる 時 まで、いためられた 葦 を 折 ることがなく、煙 っている 燈心 を 消 すこともない。
21 異邦人 は 彼 の 名 に 望 みを 置 くであろう」。
22 そのとき、人々 が 悪霊 につかれた 盲人 のおしを 連 れてきたので、イエスは 彼 をいやして、物 を 言 い、また 目 が 見 えるようにされた。
23 すると 群衆 はみな 驚 いて 言 った、「この 人 が、あるいはダビデの 子 ではあるまいか」。
24 しかし、パリサイ 人 たちは、これを 聞 いて 言 った、「この 人 が 悪霊 を 追 い 出 しているのは、まったく 悪霊 のかしらベルゼブルによるのだ」。
25 イエスは 彼 らの 思 いを 見抜 いて 言 われた、「おおよそ、内部 で 分 れ 争 う 国 は 自滅 し、内 わで 分 れ 争 う 町 や 家 は 立 ち 行 かない。
26 もしサタンがサタンを 追 い 出 すならば、それは 内 わで 分 れ 争 うことになる。それでは、その 国 はどうして 立 ち 行 けよう。
27 もしわたしがベルゼブルによって 悪霊 を 追 い 出 すとすれば、あなたがたの 仲間 はだれによって 追 い 出 すのであろうか。だから、彼 らがあなたがたをさばく 者 となるであろう。
28 しかし、わたしが 神 の 霊 によって 悪霊 を 追 い 出 しているのなら、神 の 国 はすでにあなたがたのところにきたのである。
29 まただれでも、まず 強 い 人 を 縛 りあげなければ、どうして、その 人 の 家 に 押 し 入 って 家財 を 奪 い 取 ることができようか。縛 ってから、はじめてその 家 を 掠奪 することができる。
30 わたしの 味方 でない 者 は、わたしに 反対 するものであり、わたしと 共 に 集 めない 者 は、散 らすものである。
31 だから、あなたがたに 言 っておく。人 には、その 犯 すすべての 罪 も 神 を 汚 す 言葉 も、ゆるされる。しかし、聖霊 を 汚 す 言葉 は、ゆるされることはない。
32 また 人 の 子 に 対 して 言 い 逆 らう 者 は、ゆるされるであろう。しかし、聖霊 に 対 して 言 い 逆 らう 者 は、この 世 でも、きたるべき 世 でも、ゆるされることはない。
33 木 が 良 ければ、その 実 も 良 いとし、木 が 悪 ければ、その 実 も 悪 いとせよ。木 はその 実 でわかるからである。
34 まむしの 子 らよ。あなたがたは 悪 い 者 であるのに、どうして 良 いことを 語 ることができようか。おおよそ、心 からあふれることを、口 が 語 るものである。
35 善人 はよい 倉 から 良 い 物 を 取 り 出 し、悪人 は 悪 い 倉 から 悪 い 物 を 取 り 出 す。
36 あなたがたに 言 うが、審判 の 日 には、人 はその 語 る 無益 な 言葉 に 対 して、言 い 開 きをしなければならないであろう。
37 あなたは、自分 の 言葉 によって 正 しいとされ、また 自分 の 言葉 によって 罪 ありとされるからである」。
38 そのとき、律法 学者、パリサイ 人 のうちのある 人々 がイエスにむかって 言 った、「先生、わたしたちはあなたから、しるしを 見 せていただきとうございます」。
39 すると、彼 らに 答 えて 言 われた、「邪悪 で 不義 な 時代 は、しるしを 求 める。しかし、預言者 ヨナのしるしのほかには、なんのしるしも 与 えられないであろう。
40 すなわち、ヨナが三 日 三 晩、大魚 の 腹 の 中 にいたように、人 の 子 も三 日 三 晩、地 の 中 にいるであろう。
41 ニネベの 人々 が、今 の 時代 の 人々 と 共 にさばきの 場 に 立 って、彼 らを 罪 に 定 めるであろう。なぜなら、ニネベの 人々 はヨナの 宣教 によって 悔 い 改 めたからである。しかし 見 よ、ヨナにまさる 者 がここにいる。
42 南 の 女王 が、今 の 時代 の 人々 と 共 にさばきの 場 に 立 って、彼 らを 罪 に 定 めるであろう。なぜなら、彼女 はソロモンの 知恵 を 聞 くために 地 の 果 から、はるばるきたからである。しかし 見 よ、ソロモンにまさる 者 がここにいる。
43 汚 れた 霊 が 人 から 出 ると、休 み 場 を 求 めて 水 の 無 い 所 を 歩 きまわるが、見 つからない。
44 そこで、出 てきた 元 の 家 に 帰 ろうと 言 って 帰 って 見 ると、その 家 はあいていて、そうじがしてある 上、飾 りつけがしてあった。
45 そこでまた 出 て 行 って、自分 以上 に 悪 い 他 の七つの 霊 を 一緒 に 引 き 連 れてきて 中 にはいり、そこに 住 み 込 む。そうすると、その 人 ののちの 状態 は 初 めよりももっと 悪 くなるのである。よこしまな 今 の 時代 も、このようになるであろう」。
46 イエスがまだ 群衆 に 話 しておられるとき、その 母 と 兄弟 たちとが、イエスに 話 そうと 思 って 外 に 立 っていた。
47 それで、ある 人 がイエスに 言 った、「ごらんなさい。あなたの 母上 と 兄弟 がたが、あなたに 話 そうと 思 って、外 に 立 っておられます」。
48 イエスは 知 らせてくれた 者 に 答 えて 言 われた、「わたしの 母 とは、だれのことか。わたしの 兄弟 とは、だれのことか」。
49 そして、弟子 たちの 方 に 手 をさし 伸 べて 言 われた、「ごらんなさい。ここにわたしの 母、わたしの 兄弟 がいる。
50 天 にいますわたしの 父 のみこころを 行 う 者 はだれでも、わたしの 兄弟、また 姉妹、また 母 なのである」。
Chapter 13
1 その 日、イエスは 家 を 出 て、海 べにすわっておられた。
2 ところが、大 ぜいの 群衆 がみもとに 集 まったので、イエスは 舟 に 乗 ってすわられ、群衆 はみな 岸 に 立 っていた。
3 イエスは 譬 で 多 くの 事 を 語 り、こう 言 われた、「見 よ、種 まきが 種 をまきに 出 て 行 った。
4 まいているうちに、道 ばたに 落 ちた 種 があった。すると、鳥 がきて 食 べてしまった。
5 ほかの 種 は 土 の 薄 い 石地 に 落 ちた。そこは 土 が 深 くないので、すぐ 芽 を 出 したが、
6 日 が 上 ると 焼 けて、根 がないために 枯 れてしまった。
7 ほかの 種 はいばらの 地 に 落 ちた。すると、いばらが 伸 びて、ふさいでしまった。
8 ほかの 種 は 良 い 地 に 落 ちて 実 を 結 び、あるものは百 倍、あるものは六十 倍、あるものは三十 倍 にもなった。
9 耳 のある 者 は 聞 くがよい」。
10 それから、弟子 たちがイエスに 近寄 ってきて 言 った、「なぜ、彼 らに 譬 でお 話 しになるのですか」。
11 そこでイエスは 答 えて 言 われた、「あなたがたには、天国 の 奥義 を 知 ることが 許 されているが、彼 らには 許 されていない。
12 おおよそ、持 っている 人 は 与 えられて、いよいよ 豊 かになるが、持 っていない 人 は、持 っているものまでも 取 り 上 げられるであろう。
13 だから、彼 らには 譬 で 語 るのである。それは 彼 らが、見 ても 見 ず、聞 いても 聞 かず、また 悟 らないからである。
14 こうしてイザヤの 言 った 預言 が、彼 らの 上 に 成就 したのである。『あなたがたは 聞 くには 聞 くが、決 して 悟 らない。見 るには 見 るが、決 して 認 めない。
15 この 民 の 心 は 鈍 くなり、その 耳 は 聞 えにくく、その 目 は 閉 じている。それは、彼 らが 目 で 見 ず、耳 で 聞 かず、心 で 悟 らず、悔 い 改 めていやされることがないためである』。
16 しかし、あなたがたの 目 は 見 ており、耳 は 聞 いているから、さいわいである。
17 あなたがたによく 言 っておく。多 くの 預言者 や 義人 は、あなたがたの 見 ていることを 見 ようと 熱心 に 願 ったが、見 ることができず、またあなたがたの 聞 いていることを 聞 こうとしたが、聞 けなかったのである。
18 そこで、種 まきの 譬 を 聞 きなさい。
19 だれでも 御国 の 言 を 聞 いて 悟 らないならば、悪 い 者 がきて、その 人 の 心 にまかれたものを 奪 いとって 行 く。道 ばたにまかれたものというのは、そういう 人 のことである。
20 石地 にまかれたものというのは、御言 を 聞 くと、すぐに 喜 んで 受 ける 人 のことである。
21 その 中 に 根 がないので、しばらく 続 くだけであって、御言 のために 困難 や 迫害 が 起 ってくると、すぐつまずいてしまう。
22 また、いばらの 中 にまかれたものとは、御言 を 聞 くが、世 の 心 づかいと 富 の 惑 わしとが 御言 をふさぐので、実 を 結 ばなくなる 人 のことである。
23 また、良 い 地 にまかれたものとは、御言 を 聞 いて 悟 る 人 のことであって、そういう 人 が 実 を 結 び、百 倍、あるいは六十 倍、あるいは三十 倍 にもなるのである」。
24 また、ほかの 譬 を 彼 らに 示 して 言 われた、「天国 は、良 い 種 を 自分 の 畑 にまいておいた 人 のようなものである。
25 人々 が 眠 っている 間 に 敵 がきて、麦 の 中 に 毒 麦 をまいて 立 ち 去 った。
26 芽 がはえ 出 て 実 を 結 ぶと、同時 に 毒 麦 もあらわれてきた。
27 僕 たちがきて、家 の 主人 に 言 った、『ご 主人様、畑 におまきになったのは、良 い 種 ではありませんでしたか。どうして 毒 麦 がはえてきたのですか』。
28 主人 は 言 った、『それは 敵 のしわざだ』。すると 僕 たちが 言 った『では 行 って、それを 抜 き 集 めましょうか』。
29 彼 は 言 った、『いや、毒 麦 を 集 めようとして、麦 も 一緒 に 抜 くかも 知 れない。
30 収穫 まで、両方 とも 育 つままにしておけ。収穫 の 時 になったら、刈 る 者 に、まず 毒 麦 を 集 めて 束 にして 焼 き、麦 の 方 は 集 めて 倉 に 入 れてくれ、と 言 いつけよう』」。
31 また、ほかの 譬 を 彼 らに 示 して 言 われた、「天国 は、一 粒 のからし 種 のようなものである。ある 人 がそれをとって 畑 にまくと、
32 それはどんな 種 よりも 小 さいが、成長 すると、野菜 の 中 でいちばん 大 きくなり、空 の 鳥 がきて、その 枝 に 宿 るほどの 木 になる」。
33 またほかの 譬 を 彼 らに 語 られた、「天国 は、パン 種 のようなものである。女 がそれを 取 って三 斗 の 粉 の 中 に 混 ぜると、全体 がふくらんでくる」。
34 イエスはこれらのことをすべて、譬 で 群衆 に 語 られた。譬 によらないでは 何事 も 彼 らに 語 られなかった。
35 これは 預言者 によって 言 われたことが、成就 するためである、「わたしは 口 を 開 いて 譬 を 語 り、世 の 初 めから 隠 されていることを 語 り 出 そう」。
36 それからイエスは、群衆 をあとに 残 して 家 にはいられた。すると 弟子 たちは、みもとにきて 言 った、「畑 の 毒 麦 の 譬 を 説明 してください」。
37 イエスは 答 えて 言 われた、「良 い 種 をまく 者 は、人 の 子 である。
38 畑 は 世界 である。良 い 種 と 言 うのは 御国 の 子 たちで、毒 麦 は 悪 い 者 の 子 たちである。
39 それをまいた 敵 は 悪魔 である。収穫 とは 世 の 終 りのことで、刈 る 者 は 御使 たちである。
40 だから、毒 麦 が 集 められて 火 で 焼 かれるように、世 の 終 りにもそのとおりになるであろう。
41 人 の 子 はその 使 たちをつかわし、つまずきとなるものと 不法 を 行 う 者 とを、ことごとく 御国 からとり 集 めて、
42 炉 の 火 に 投 げ 入 れさせるであろう。そこでは 泣 き 叫 んだり、歯 がみをしたりするであろう。
43 そのとき、義人 たちは 彼 らの 父 の 御国 で、太陽 のように 輝 きわたるであろう。耳 のある 者 は 聞 くがよい。
44 天国 は、畑 に 隠 してある 宝 のようなものである。人 がそれを 見 つけると 隠 しておき、喜 びのあまり、行 って 持 ち 物 をみな 売 りはらい、そしてその 畑 を 買 うのである。
45 また 天国 は、良 い 真珠 を 捜 している 商人 のようなものである。
46 高価 な 真珠 一 個 を 見 いだすと、行 って 持 ち 物 をみな 売 りはらい、そしてこれを 買 うのである。
47 また 天国 は、海 におろして、あらゆる 種類 の 魚 を 囲 みいれる 網 のようなものである。
48 それがいっぱいになると 岸 に 引 き 上 げ、そしてすわって、良 いのを 器 に 入 れ、悪 いのを 外 へ 捨 てるのである。
49 世 の 終 りにも、そのとおりになるであろう。すなわち、御使 たちがきて、義人 のうちから 悪人 をえり 分 け、
50 そして 炉 の 火 に 投 げこむであろう。そこでは 泣 き 叫 んだり、歯 がみをしたりするであろう。
51 あなたがたは、これらのことが 皆 わかったか」。彼 らは「わかりました」と 答 えた。
52 そこで、イエスは 彼 らに 言 われた、「それだから、天国 のことを 学 んだ 学者 は、新 しいものと 古 いものとを、その 倉 から 取 り 出 す 一家 の 主人 のようなものである」。
53 イエスはこれらの 譬 を 語 り 終 えてから、そこを 立 ち 去 られた。
54 そして 郷里 に 行 き、会堂 で 人々 を 教 えられたところ、彼 らは 驚 いて 言 った、「この 人 は、この 知恵 とこれらの 力 あるわざとを、どこで 習 ってきたのか。
55 この 人 は 大工 の 子 ではないか。母 はマリヤといい、兄弟 たちは、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではないか。
56 またその 姉妹 たちもみな、わたしたちと 一緒 にいるではないか。こんな 数々 のことを、いったい、どこで 習 ってきたのか」。
57 こうして 人々 はイエスにつまずいた。しかし、イエスは 言 われた、「預言者 は、自分 の 郷里 や 自分 の 家 以外 では、どこででも 敬 われないことはない」。
58 そして 彼 らの 不 信仰 のゆえに、そこでは 力 あるわざを、あまりなさらなかった。
Chapter 14
1 そのころ、領主 ヘロデはイエスのうわさを 聞 いて、
2 家来 に 言 った、「あれはバプテスマのヨハネだ。死人 の 中 からよみがえったのだ。それで、あのような 力 が 彼 のうちに 働 いているのだ」。
3 というのは、ヘロデは 先 に、自分 の 兄弟 ピリポの 妻 ヘロデヤのことで、ヨハネを 捕 えて 縛 り、獄 に 入 れていた。
4 すなわち、ヨハネはヘロデに、「その 女 をめとるのは、よろしくない」と 言 ったからである。
5 そこでヘロデはヨハネを 殺 そうと 思 ったが、群衆 を 恐 れた。彼 らがヨハネを 預言者 と 認 めていたからである。
6 さてヘロデの 誕生 日 の 祝 に、ヘロデヤの 娘 がその 席上 で 舞 をまい、ヘロデを 喜 ばせたので、
7 彼女 の 願 うものは、なんでも 与 えようと、彼 は 誓 って 約束 までした。
8 すると 彼女 は 母 にそそのかされて、「バプテスマのヨハネの 首 を 盆 に 載 せて、ここに 持 ってきていただきとうございます」と 言 った。
9 王 は 困 ったが、いったん 誓 ったのと、また 列座 の 人 たちの 手前、それを 与 えるように 命 じ、
10 人 をつかわして、獄中 でヨハネの 首 を 切 らせた。
11 その 首 は 盆 に 載 せて 運 ばれ、少女 にわたされ、少女 はそれを 母 のところに 持 って 行 った。
12 それから、ヨハネの 弟子 たちがきて、死体 を 引 き 取 って 葬 った。そして、イエスのところに 行 って 報告 した。
13 イエスはこのことを 聞 くと、舟 に 乗 ってそこを 去 り、自分 ひとりで 寂 しい 所 へ 行 かれた。しかし、群衆 はそれと 聞 いて、町々 から 徒歩 であとを 追 ってきた。
14 イエスは 舟 から 上 がって、大 ぜいの 群衆 をごらんになり、彼 らを 深 くあわれんで、そのうちの 病人 たちをおいやしになった。
15 夕方 になったので、弟子 たちがイエスのもとにきて 言 った、「ここは 寂 しい 所 でもあり、もう 時 もおそくなりました。群衆 を 解散 させ、めいめいで 食物 を 買 いに、村々 へ 行 かせてください」。
16 するとイエスは 言 われた、「彼 らが 出 かけて 行 くには 及 ばない。あなたがたの 手 で 食物 をやりなさい」。
17 弟子 たちは 言 った、「わたしたちはここに、パン五つと 魚 二ひきしか 持 っていません」。
18 イエスは 言 われた、「それをここに 持 ってきなさい」。
19 そして 群衆 に 命 じて、草 の 上 にすわらせ、五つのパンと二ひきの 魚 とを 手 に 取 り、天 を 仰 いでそれを 祝福 し、パンをさいて 弟子 たちに 渡 された。弟子 たちはそれを 群衆 に 与 えた。
20 みんなの 者 は 食 べて 満腹 した。パンくずの 残 りを 集 めると、十二のかごにいっぱいになった。
21 食 べた 者 は、女 と 子供 とを 除 いて、おおよそ五千 人 であった。
22 それからすぐ、イエスは 群衆 を 解散 させておられる 間 に、しいて 弟子 たちを 舟 に 乗 り 込 ませ、向 こう 岸 へ 先 におやりになった。
23 そして 群衆 を 解散 させてから、祈 るためひそかに 山 へ 登 られた。夕方 になっても、ただひとりそこにおられた。
24 ところが 舟 は、もうすでに 陸 から 数丁 も 離 れており、逆風 が 吹 いていたために、波 に 悩 まされていた。
25 イエスは 夜明 けの四 時 ごろ、海 の 上 を 歩 いて 彼 らの 方 へ 行 かれた。
26 弟子 たちは、イエスが 海 の 上 を 歩 いておられるのを 見 て、幽霊 だと 言 っておじ 惑 い、恐怖 のあまり 叫 び 声 をあげた。
27 しかし、イエスはすぐに 彼 らに 声 をかけて、「しっかりするのだ、わたしである。恐 れることはない」と 言 われた。
28 するとペテロが 答 えて 言 った、「主 よ、あなたでしたか。では、わたしに 命 じて、水 の 上 を 渡 ってみもとに 行 かせてください」。
29 イエスは、「おいでなさい」と 言 われたので、ペテロは 舟 からおり、水 の 上 を 歩 いてイエスのところへ 行 った。
30 しかし、風 を 見 て 恐 ろしくなり、そしておぼれかけたので、彼 は 叫 んで、「主 よ、お 助 けください」と 言 った。
31 イエスはすぐに 手 を 伸 ばし、彼 をつかまえて 言 われた、「信仰 の 薄 い 者 よ、なぜ 疑 ったのか」。
32 ふたりが 舟 に 乗 り 込 むと、風 はやんでしまった。
33 舟 の 中 にいた 者 たちはイエスを 拝 して、「ほんとうに、あなたは 神 の 子 です」と 言 った。
34 それから、彼 らは 海 を 渡 ってゲネサレの 地 に 着 いた。
35 するとその 土地 の 人々 はイエスと 知 って、その 附近 全体 に 人 をつかわし、イエスのところに 病人 をみな 連 れてこさせた。
36 そして 彼 らにイエスの 上着 のふさにでも、さわらせてやっていただきたいとお 願 いした。そしてさわった 者 は 皆 いやされた。
Chapter 15
1 ときに、パリサイ 人 と 律法 学者 たちとが、エルサレムからイエスのもとにきて 言 った、
2 「あなたの 弟子 たちは、なぜ 昔 の 人々 の 言伝 えを 破 るのですか。彼 らは 食事 の 時 に 手 を 洗 っていません」。
3 イエスは 答 えて 言 われた、「なぜ、あなたがたも 自分 たちの 言伝 えによって、神 のいましめを 破 っているのか。
4 神 は 言 われた、『父 と 母 とを 敬 え』、また『父 または 母 をののしる 者 は、必 ず 死 に 定 められる』と。
5 それだのに、あなたがたは『だれでも 父 または 母 にむかって、あなたにさしあげるはずのこのものは 供 え 物 です、と 言 えば、
6 父 または 母 を 敬 わなくてもよろしい』と 言 っている。こうしてあなたがたは 自分 たちの 言伝 えによって、神 の 言 を 無 にしている。
7 偽善者 たちよ、イザヤがあなたがたについて、こういう 適切 な 預言 をしている、
8 『この 民 は、口 さきではわたしを 敬 うが、その 心 はわたしから 遠 く 離 れている。
9 人間 のいましめを 教 として 教 え、無意味 にわたしを 拝 んでいる』」。
10 それからイエスは 群衆 を 呼 び 寄 せて 言 われた、「聞 いて 悟 るがよい。
11 口 にはいるものは 人 を 汚 すことはない。かえって、口 から 出 るものが 人 を 汚 すのである」。
12 そのとき、弟子 たちが 近寄 ってきてイエスに 言 った、「パリサイ 人 たちが 御言 を 聞 いてつまずいたことを、ご 存 じですか」。
13 イエスは 答 えて 言 われた、「わたしの 天 の 父 がお 植 えにならなかったものは、みな 抜 き 取 られるであろう。
14 彼 らをそのままにしておけ。彼 らは 盲人 を 手引 きする 盲人 である。もし 盲人 が 盲人 を 手引 きするなら、ふたりとも 穴 に 落 ち 込 むであろう」。
15 ペテロが 答 えて 言 った、「その 譬 を 説明 してください」。
16 イエスは 言 われた、「あなたがたも、まだわからないのか。
17 口 にはいってくるものは、みな 腹 の 中 にはいり、そして、外 に 出 て 行 くことを 知 らないのか。
18 しかし、口 から 出 て 行 くものは、心 の 中 から 出 てくるのであって、それが 人 を 汚 すのである。
19 というのは、悪 い 思 い、すなわち、殺人、姦淫、不品行、盗 み、偽証、誹 りは、心 の 中 から 出 てくるのであって、
20 これらのものが 人 を 汚 すのである。しかし、洗 わない 手 で 食事 することは、人 を 汚 すのではない」。
21 さて、イエスはそこを 出 て、ツロとシドンとの 地方 へ 行 かれた。
22 すると、そこへ、その 地方 出 のカナンの 女 が 出 てきて、「主 よ、ダビデの 子 よ、わたしをあわれんでください。娘 が 悪霊 にとりつかれて 苦 しんでいます」と 言 って 叫 びつづけた。
23 しかし、イエスはひと 言 もお 答 えにならなかった。そこで 弟子 たちがみもとにきて 願 って 言 った、「この 女 を 追 い 払 ってください。叫 びながらついてきていますから」。
24 するとイエスは 答 えて 言 われた、「わたしは、イスラエルの 家 の 失 われた 羊 以外 の 者 には、つかわされていない」。
25 しかし、女 は 近寄 りイエスを 拝 して 言 った、「主 よ、わたしをお 助 けください」。
26 イエスは 答 えて 言 われた、「子供 たちのパンを 取 って 小犬 に 投 げてやるのは、よろしくない」。
27 すると 女 は 言 った、「主 よ、お 言葉 どおりです。でも、小犬 もその 主人 の 食卓 から 落 ちるパンくずは、いただきます」。
28 そこでイエスは 答 えて 言 われた、「女 よ、あなたの 信仰 は 見 あげたものである。あなたの 願 いどおりになるように」。その 時 に、娘 はいやされた。
29 イエスはそこを 去 って、ガリラヤの 海 べに 行 き、それから 山 に 登 ってそこにすわられた。
30 すると 大 ぜいの 群衆 が、足 なえ、不具者、盲人、おし、そのほか 多 くの 人々 を 連 れてきて、イエスの 足 もとに 置 いたので、彼 らをおいやしになった。
31 群衆 は、おしが 物 を 言 い、不具者 が 直 り、足 なえが 歩 き、盲人 が 見 えるようになったのを 見 て 驚 き、そしてイスラエルの 神 をほめたたえた。
32 イエスは 弟子 たちを 呼 び 寄 せて 言 われた、「この 群衆 がかわいそうである。もう三 日間 もわたしと 一緒 にいるのに、何 も 食 べるものがない。しかし、彼 らを 空腹 のままで 帰 らせたくはない。恐 らく 途中 で 弱 り 切 ってしまうであろう」。
33 弟子 たちは 言 った、「荒野 の 中 で、こんなに 大 ぜいの 群衆 にじゅうぶん 食 べさせるほどたくさんのパンを、どこで 手 に 入 れましょうか」。
34 イエスは 弟子 たちに「パンはいくつあるか」と 尋 ねられると、「七つあります。また 小 さい 魚 が 少 しあります」と 答 えた。
35 そこでイエスは 群衆 に、地 にすわるようにと 命 じ、
36 七つのパンと 魚 とを 取 り、感謝 してこれをさき、弟子 たちにわたされ、弟子 たちはこれを 群衆 にわけた。
37 一同 の 者 は 食 べて 満腹 した。そして 残 ったパンくずを 集 めると、七つのかごにいっぱいになった。
38 食 べた 者 は、女 と 子供 とを 除 いて四千 人 であった。
39 そこでイエスは 群衆 を 解散 させ、舟 に 乗 ってマガダンの 地方 へ 行 かれた。
Chapter 16
1 パリサイ 人 とサドカイ 人 とが 近寄 ってきて、イエスを 試 み、天 からのしるしを 見 せてもらいたいと 言 った。
2 イエスは 彼 らに 言 われた、「あなたがたは 夕方 になると、『空 がまっかだから、晴 だ』と 言 い、
3 また 明 け 方 には『空 が 曇 ってまっかだから、きょうは 荒 れだ』と 言 う。あなたがたは 空 の 模様 を 見分 けることを 知 りながら、時 のしるしを 見分 けることができないのか。
4 邪悪 で 不義 な 時代 は、しるしを 求 める。しかし、ヨナのしるしのほかには、なんのしるしも 与 えられないであろう」。そして、イエスは 彼 らをあとに 残 して 立 ち 去 られた。
5 弟子 たちは 向 こう 岸 に 行 ったが、パンを 持 って 来 るのを 忘 れていた。
6 そこでイエスは 言 われた、「パリサイ 人 とサドカイ 人 とのパン 種 を、よくよく 警戒 せよ」。
7 弟子 たちは、これは 自分 たちがパンを 持 ってこなかったためであろうと 言 って、互 に 論 じ 合 った。
8 イエスはそれと 知 って 言 われた、「信仰 の 薄 い 者 たちよ、なぜパンがないからだと 互 に 論 じ 合 っているのか。
9 まだわからないのか。覚 えていないのか。五つのパンを五千 人 に 分 けたとき、幾 かご 拾 ったか。
10 また、七つのパンを四千 人 に 分 けたとき、幾 かご 拾 ったか。
11 わたしが 言 ったのは、パンについてではないことを、どうして 悟 らないのか。ただ、パリサイ 人 とサドカイ 人 とのパン 種 を 警戒 しなさい」。
12 そのとき 彼 らは、イエスが 警戒 せよと 言 われたのは、パン 種 のことではなく、パリサイ 人 とサドカイ 人 との 教 のことであると 悟 った。
13 イエスがピリポ・カイザリヤの 地方 に 行 かれたとき、弟子 たちに 尋 ねて 言 われた、「人々 は 人 の 子 をだれと 言 っているか」。
14 彼 らは 言 った、「ある 人々 はバプテスマのヨハネだと 言 っています。しかし、ほかの 人 たちは、エリヤだと 言 い、また、エレミヤあるいは 預言者 のひとりだ、と 言 っている 者 もあります」。
15 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「それでは、あなたがたはわたしをだれと 言 うか」。
16 シモン・ペテロが 答 えて 言 った、「あなたこそ、生 ける 神 の 子 キリストです」。
17 すると、イエスは 彼 にむかって 言 われた、「バルヨナ・シモン、あなたはさいわいである。あなたにこの 事 をあらわしたのは、血肉 ではなく、天 にいますわたしの 父 である。
18 そこで、わたしもあなたに 言 う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの 岩 の 上 にわたしの 教会 を 建 てよう。黄泉 の 力 もそれに 打 ち 勝 つことはない。
19 わたしは、あなたに 天国 のかぎを 授 けよう。そして、あなたが 地上 でつなぐことは、天 でもつながれ、あなたが 地上 で 解 くことは 天 でも 解 かれるであろう」。
20 そのとき、イエスは、自分 がキリストであることをだれにも 言 ってはいけないと、弟子 たちを 戒 められた。
21 この 時 から、イエス・キリストは、自分 が 必 ずエルサレムに 行 き、長老、祭司長、律法 学者 たちから 多 くの 苦 しみを 受 け、殺 され、そして三 日 目 によみがえるべきことを、弟子 たちに 示 しはじめられた。
22 すると、ペテロはイエスをわきへ 引 き 寄 せて、いさめはじめ、「主 よ、とんでもないことです。そんなことがあるはずはございません」と 言 った。
23 イエスは 振 り 向 いて、ペテロに 言 われた、「サタンよ、引 きさがれ。わたしの 邪魔 をする 者 だ。あなたは 神 のことを 思 わないで、人 のことを 思 っている」。
24 それからイエスは 弟子 たちに 言 われた、「だれでもわたしについてきたいと 思 うなら、自分 を 捨 て、自分 の 十字架 を 負 うて、わたしに 従 ってきなさい。
25 自分 の 命 を 救 おうと 思 う 者 はそれを 失 い、わたしのために 自分 の 命 を 失 う 者 は、それを 見 いだすであろう。
26 たとい 人 が 全 世界 をもうけても、自分 の 命 を 損 したら、なんの 得 になろうか。また、人 はどんな 代価 を 払 って、その 命 を 買 いもどすことができようか。
27 人 の 子 は 父 の 栄光 のうちに、御使 たちを 従 えて 来 るが、その 時 には、実際 のおこないに 応 じて、それぞれに 報 いるであろう。
28 よく 聞 いておくがよい、人 の 子 が 御国 の 力 をもって 来 るのを 見 るまでは、死 を 味 わわない 者 が、ここに 立 っている 者 の 中 にいる」。
Chapter 17
1 六日 ののち、イエスはペテロ、ヤコブ、ヤコブの 兄弟 ヨハネだけを 連 れて、高 い 山 に 登 られた。
2 ところが、彼 らの 目 の 前 でイエスの 姿 が 変 り、その 顔 は 日 のように 輝 き、その 衣 は 光 のように 白 くなった。
3 すると、見 よ、モーセとエリヤが 彼 らに 現 れて、イエスと 語 り 合 っていた。
4 ペテロはイエスにむかって 言 った、「主 よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。もし、おさしつかえなければ、わたしはここに 小屋 を三つ 建 てましょう。一つはあなたのために、一つはモーセのために、一つはエリヤのために」。
5 彼 がまだ 話 し 終 えないうちに、たちまち、輝 く 雲 が 彼 らをおおい、そして 雲 の 中 から 声 がした、「これはわたしの 愛 する 子、わたしの 心 にかなう 者 である。これに 聞 け」。
6 弟子 たちはこれを 聞 いて 非常 に 恐 れ、顔 を 地 に 伏 せた。
7 イエスは 近 づいてきて、手 を 彼 らにおいて 言 われた、「起 きなさい、恐 れることはない」。
8 彼 らが 目 をあげると、イエスのほかには、だれも 見 えなかった。
9 一同 が 山 を 下 って 来 るとき、イエスは「人 の 子 が 死人 の 中 からよみがえるまでは、いま 見 たことをだれにも 話 してはならない」と、彼 らに 命 じられた。
10 弟子 たちはイエスにお 尋 ねして 言 った、「いったい、律法 学者 たちは、なぜ、エリヤが 先 に 来 るはずだと 言 っているのですか」。
11 答 えて 言 われた、「確 かに、エリヤがきて、万事 を 元 どおりに 改 めるであろう。
12 しかし、あなたがたに 言 っておく。エリヤはすでにきたのだ。しかし 人々 は 彼 を 認 めず、自分 かってに 彼 をあしらった。人 の 子 もまた、そのように 彼 らから 苦 しみを 受 けることになろう」。
13 そのとき、弟子 たちは、イエスがバプテスマのヨハネのことを 言 われたのだと 悟 った。
14 さて 彼 らが 群衆 のところに 帰 ると、ひとりの 人 がイエスに 近寄 ってきて、ひざまずいて、言 った、
15 「主 よ、わたしの 子 をあわれんでください。てんかんで 苦 しんでおります。何 度 も 何 度 も 火 の 中 や 水 の 中 に 倒 れるのです。
16 それで、その 子 をお 弟子 たちのところに 連 れてきましたが、なおしていただけませんでした」。
17 イエスは 答 えて 言 われた、「ああ、なんという 不 信仰 な、曲 った 時代 であろう。いつまで、わたしはあなたがたと 一緒 におられようか。いつまであなたがたに 我慢 ができようか。その 子 をここに、わたしのところに 連 れてきなさい」。
18 イエスがおしかりになると、悪霊 はその 子 から 出 て 行 った。そして 子 はその 時 いやされた。
19 それから、弟子 たちがひそかにイエスのもとにきて 言 った、「わたしたちは、どうして 霊 を 追 い 出 せなかったのですか」。
20 するとイエスは 言 われた、「あなたがたの 信仰 が 足 りないからである。よく 言 い 聞 かせておくが、もし、からし 種 一 粒 ほどの 信仰 があるなら、この 山 にむかって『ここからあそこに 移 れ』と 言 えば、移 るであろう。このように、あなたがたにできない 事 は、何 もないであろう。〔
21 しかし、このたぐいは、祈 と 断食 とによらなければ、追 い 出 すことはできない〕」。
22 彼 らがガリラヤで 集 まっていた 時、イエスは 言 われた、「人 の 子 は 人々 の 手 にわたされ、
23 彼 らに 殺 され、そして三 日 目 によみがえるであろう」。弟子 たちは 非常 に 心 をいためた。
24 彼 らがカペナウムにきたとき、宮 の 納入 金 を 集 める 人 たちがペテロのところにきて 言 った、「あなたがたの 先生 は 宮 の 納入 金 を 納 めないのか」。
25 ペテロは「納 めておられます」と 言 った。そして 彼 が 家 にはいると、イエスから 先 に 話 しかけて 言 われた、「シモン、あなたはどう 思 うか。この 世 の 王 たちは 税 や 貢 をだれから 取 るのか。自分 の 子 からか、それとも、ほかの 人 たちからか」。
26 ペテロが「ほかの 人 たちからです」と 答 えると、イエスは 言 われた、「それでは、子 は 納 めなくてもよいわけである。
27 しかし、彼 らをつまずかせないために、海 に 行 って、つり 針 をたれなさい。そして 最初 につれた 魚 をとって、その 口 をあけると、銀貨 一 枚 が 見 つかるであろう。それをとり 出 して、わたしとあなたのために 納 めなさい」。
Chapter 18
1 そのとき、弟子 たちがイエスのもとにきて 言 った、「いったい、天国 ではだれがいちばん 偉 いのですか」。
2 すると、イエスは 幼 な 子 を 呼 び 寄 せ、彼 らのまん 中 に 立 たせて 言 われた、
3 「よく 聞 きなさい。心 をいれかえて 幼 な 子 のようにならなければ、天国 にはいることはできないであろう。
4 この 幼 な 子 のように 自分 を 低 くする 者 が、天国 でいちばん 偉 いのである。
5 また、だれでも、このようなひとりの 幼 な 子 を、わたしの 名 のゆえに 受 けいれる 者 は、わたしを 受 けいれるのである。
6 しかし、わたしを 信 ずるこれらの 小 さい 者 のひとりをつまずかせる 者 は、大 きなひきうすを 首 にかけられて 海 の 深 みに 沈 められる 方 が、その 人 の 益 になる。
7 この 世 は、罪 の 誘惑 があるから、わざわいである。罪 の 誘惑 は 必 ず 来 る。しかし、それをきたらせる 人 は、わざわいである。
8 もしあなたの 片手 または 片足 が、罪 を 犯 させるなら、それを 切 って 捨 てなさい。両手、両足 がそろったままで、永遠 の 火 に 投 げ 込 まれるよりは、片手、片足 になって 命 に 入 る 方 がよい。
9 もしあなたの 片目 が 罪 を 犯 させるなら、それを 抜 き 出 して 捨 てなさい。両 眼 がそろったままで 地獄 の 火 に 投 げ 入 れられるよりは、片目 になって 命 に 入 る 方 がよい。
10 あなたがたは、これらの 小 さい 者 のひとりをも 軽 んじないように、気 をつけなさい。あなたがたに 言 うが、彼 らの 御使 たちは 天 にあって、天 にいますわたしの 父 のみ 顔 をいつも 仰 いでいるのである。〔
11 人 の 子 は、滅 びる 者 を 救 うためにきたのである。〕
12 あなたがたはどう 思 うか。ある 人 に百 匹 の 羊 があり、その 中 の一 匹 が 迷 い 出 たとすれば、九十九 匹 を 山 に 残 しておいて、その 迷 い 出 ている 羊 を 捜 しに 出 かけないであろうか。
13 もしそれを 見 つけたなら、よく 聞 きなさい、迷 わないでいる九十九 匹 のためよりも、むしろその一 匹 のために 喜 ぶであろう。
14 そのように、これらの 小 さい 者 のひとりが 滅 びることは、天 にいますあなたがたの 父 のみこころではない。
15 もしあなたの 兄弟 が 罪 を 犯 すなら、行 って、彼 とふたりだけの 所 で 忠告 しなさい。もし 聞 いてくれたら、あなたの 兄弟 を 得 たことになる。
16 もし 聞 いてくれないなら、ほかにひとりふたりを、一緒 に 連 れて 行 きなさい。それは、ふたりまたは三 人 の 証人 の 口 によって、すべてのことがらが 確 かめられるためである。
17 もし 彼 らの 言 うことを 聞 かないなら、教会 に 申 し 出 なさい。もし 教会 の 言 うことも 聞 かないなら、その 人 を 異邦人 または 取税人 同様 に 扱 いなさい。
18 よく 言 っておく。あなたがたが 地上 でつなぐことは、天 でも 皆 つながれ、あなたがたが 地上 で 解 くことは、天 でもみな 解 かれるであろう。
19 また、よく 言 っておく。もしあなたがたのうちのふたりが、どんな 願 い 事 についても 地上 で 心 を 合 わせるなら、天 にいますわたしの 父 はそれをかなえて 下 さるであろう。
20 ふたりまたは三 人 が、わたしの 名 によって 集 まっている 所 には、わたしもその 中 にいるのである」。
21 そのとき、ペテロがイエスのもとにきて 言 った、「主 よ、兄弟 がわたしに 対 して 罪 を 犯 した 場合、幾 たびゆるさねばなりませんか。七たびまでですか」。
22 イエスは 彼 に 言 われた、「わたしは七たびまでとは 言 わない。七たびを七十 倍 するまでにしなさい。
23 それだから、天国 は 王 が 僕 たちと 決算 をするようなものだ。
24 決算 が 始 まると、一万タラントの 負債 のある 者 が、王 のところに 連 れられてきた。
25 しかし、返 せなかったので、主人 は、その 人 自身 とその 妻子 と 持 ち 物 全部 とを 売 って 返 すように 命 じた。
26 そこで、この 僕 はひれ 伏 して 哀願 した、『どうぞお 待 ちください。全部 お 返 しいたしますから』。
27 僕 の 主人 はあわれに 思 って、彼 をゆるし、その 負債 を 免 じてやった。
28 その 僕 が 出 て 行 くと、百デナリを 貸 しているひとりの 仲間 に 出会 い、彼 をつかまえ、首 をしめて『借金 を 返 せ』と 言 った。
29 そこでこの 仲間 はひれ 伏 し、『どうか 待 ってくれ。返 すから』と 言 って 頼 んだ。
30 しかし 承知 せずに、その 人 をひっぱって 行 って、借金 を 返 すまで 獄 に 入 れた。
31 その 人 の 仲間 たちは、この 様子 を 見 て、非常 に 心 をいため、行 ってそのことをのこらず 主人 に 話 した。
32 そこでこの 主人 は 彼 を 呼 びつけて 言 った、『悪 い 僕、わたしに 願 ったからこそ、あの 負債 を 全部 ゆるしてやったのだ。
33 わたしがあわれんでやったように、あの 仲間 をあわれんでやるべきではなかったか』。
34 そして 主人 は 立腹 して、負債 全部 を 返 してしまうまで、彼 を 獄吏 に 引 きわたした。
35 あなたがためいめいも、もし 心 から 兄弟 をゆるさないならば、わたしの 天 の 父 もまたあなたがたに 対 して、そのようになさるであろう」。
Chapter 19
1 イエスはこれらのことを 語 り 終 えられてから、ガリラヤを 去 ってヨルダンの 向 こうのユダヤの 地方 へ 行 かれた。
2 すると 大 ぜいの 群衆 がついてきたので、彼 らをそこでおいやしになった。
3 さてパリサイ 人 たちが 近 づいてきて、イエスを 試 みようとして 言 った、「何 かの 理由 で、夫 がその 妻 を 出 すのは、さしつかえないでしょうか」。
4 イエスは 答 えて 言 われた、「あなたがたはまだ 読 んだことがないのか。『創造者 は 初 めから 人 を 男 と 女 とに 造 られ、
5 そして 言 われた、それゆえに、人 は 父母 を 離 れ、その 妻 と 結 ばれ、ふたりの 者 は 一体 となるべきである』。
6 彼 らはもはや、ふたりではなく 一体 である。だから、神 が 合 わせられたものを、人 は 離 してはならない」。
7 彼 らはイエスに 言 った、「それでは、なぜモーセは、妻 を 出 す 場合 には 離縁 状 を 渡 せ、と 定 めたのですか」。
8 イエスが 言 われた、「モーセはあなたがたの 心 が、かたくななので、妻 を 出 すことを 許 したのだが、初 めからそうではなかった。
9 そこでわたしはあなたがたに 言 う。不品行 のゆえでなくて、自分 の 妻 を 出 して 他 の 女 をめとる 者 は、姦淫 を 行 うのである」。
10 弟子 たちは 言 った、「もし 妻 に 対 する 夫 の 立場 がそうだとすれば、結婚 しない 方 がましです」。
11 するとイエスは 彼 らに 言 われた、「その 言葉 を 受 けいれることができるのはすべての 人 ではなく、ただそれを 授 けられている 人々 だけである。
12 というのは、母 の 胎内 から 独身者 に 生 れついているものがあり、また 他 から 独身者 にされたものもあり、また 天国 のために、みずから 進 んで 独身者 となったものもある。この 言葉 を 受 けられる 者 は、受 けいれるがよい」。
13 そのとき、イエスに 手 をおいて 祈 っていただくために、人々 が 幼 な 子 らをみもとに 連 れてきた。ところが、弟子 たちは 彼 らをたしなめた。
14 するとイエスは 言 われた、「幼 な 子 らをそのままにしておきなさい。わたしのところに 来 るのをとめてはならない。天国 はこのような 者 の 国 である」。
15 そして 手 を 彼 らの 上 においてから、そこを 去 って 行 かれた。
16 すると、ひとりの 人 がイエスに 近寄 ってきて 言 った、「先生、永遠 の 生命 を 得 るためには、どんなよいことをしたらいいでしょうか」。
17 イエスは 言 われた、「なぜよい 事 についてわたしに 尋 ねるのか。よいかたはただひとりだけである。もし 命 に 入 りたいと 思 うなら、いましめを 守 りなさい」。
18 彼 は 言 った、「どのいましめですか」。イエスは 言 われた、「『殺 すな、姦淫 するな、盗 むな、偽証 を 立 てるな。
19 父 と 母 とを 敬 え』。また『自分 を 愛 するように、あなたの 隣 り 人 を 愛 せよ』」。
20 この 青年 はイエスに 言 った、「それはみな 守 ってきました。ほかに 何 が 足 りないのでしょう」。
21 イエスは 彼 に 言 われた、「もしあなたが 完全 になりたいと 思 うなら、帰 ってあなたの 持 ち 物 を 売 り 払 い、貧 しい 人々 に 施 しなさい。そうすれば、天 に 宝 を 持 つようになろう。そして、わたしに 従 ってきなさい」。
22 この 言葉 を 聞 いて、青年 は 悲 しみながら 立 ち 去 った。たくさんの 資産 を 持 っていたからである。
23 それからイエスは 弟子 たちに 言 われた、「よく 聞 きなさい。富 んでいる 者 が 天国 にはいるのは、むずかしいものである。
24 また、あなたがたに 言 うが、富 んでいる 者 が 神 の 国 にはいるよりは、らくだが 針 の 穴 を 通 る 方 が、もっとやさしい」。
25 弟子 たちはこれを 聞 いて 非常 に 驚 いて 言 った、「では、だれが 救 われることができるのだろう」。
26 イエスは 彼 らを 見 つめて 言 われた、「人 にはそれはできないが、神 にはなんでもできない 事 はない」。
27 そのとき、ペテロがイエスに 答 えて 言 った、「ごらんなさい、わたしたちはいっさいを 捨 てて、あなたに 従 いました。ついては、何 がいただけるでしょうか」。
28 イエスは 彼 らに 言 われた、「よく 聞 いておくがよい。世 が 改 まって、人 の 子 がその 栄光 の 座 につく 時 には、わたしに 従 ってきたあなたがたもまた、十二の 位 に 座 してイスラエルの十二の 部族 をさばくであろう。
29 おおよそ、わたしの 名 のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、もしくは 畑 を 捨 てた 者 は、その 幾 倍 もを 受 け、また 永遠 の 生命 を 受 けつぐであろう。
30 しかし、多 くの 先 の 者 はあとになり、あとの 者 は 先 になるであろう。
Chapter 20
1 天国 は、ある 家 の 主人 が、自分 のぶどう 園 に 労働者 を 雇 うために、夜 が 明 けると 同時 に、出 かけて 行 くようなものである。
2 彼 は 労働者 たちと、一 日 一デナリの 約束 をして、彼 らをぶどう 園 に 送 った。
3 それから九 時 ごろに 出 て 行 って、他 の 人々 が 市場 で 何 もせずに 立 っているのを 見 た。
4 そして、その 人 たちに 言 った、『あなたがたも、ぶどう 園 に 行 きなさい。相当 な 賃銀 を 払 うから』。
5 そこで、彼 らは 出 かけて 行 った。主人 はまた、十二 時 ごろと三 時 ごろとに 出 て 行 って、同 じようにした。
6 五 時 ごろまた 出 て 行 くと、まだ 立 っている 人々 を 見 たので、彼 らに 言 った、『なぜ、何 もしないで、一 日 中 ここに 立 っていたのか』。
7 彼 らが『だれもわたしたちを 雇 ってくれませんから』と 答 えたので、その 人々 に 言 った、『あなたがたも、ぶどう 園 に 行 きなさい』。
8 さて、夕方 になって、ぶどう 園 の 主人 は 管理人 に 言 った、『労働者 たちを 呼 びなさい。そして、最後 にきた 人々 からはじめて 順々 に 最初 にきた 人々 にわたるように、賃銀 を 払 ってやりなさい』。
9 そこで、五 時 ごろに 雇 われた 人々 がきて、それぞれ一デナリずつもらった。
10 ところが、最初 の 人々 がきて、もっと 多 くもらえるだろうと 思 っていたのに、彼 らも一デナリずつもらっただけであった。
11 もらったとき、家 の 主人 にむかって 不平 をもらして
12 言 った、『この 最後 の 者 たちは一 時間 しか 働 かなかったのに、あなたは一 日 じゅう、労苦 と 暑 さを 辛抱 したわたしたちと 同 じ 扱 いをなさいました』。
13 そこで 彼 はそのひとりに 答 えて 言 った、『友 よ、わたしはあなたに 対 して 不正 をしてはいない。あなたはわたしと一デナリの 約束 をしたではないか。
14 自分 の 賃銀 をもらって 行 きなさい。わたしは、この 最後 の 者 にもあなたと 同様 に 払 ってやりたいのだ。
15 自分 の 物 を 自分 がしたいようにするのは、当 りまえではないか。それともわたしが 気前 よくしているので、ねたましく 思 うのか』。
16 このように、あとの 者 は 先 になり、先 の 者 はあとになるであろう」。
17 さて、イエスはエルサレムへ 上 るとき、十二 弟子 をひそかに 呼 びよせ、その 途中 で 彼 らに 言 われた、
18 「見 よ、わたしたちはエルサレムへ 上 って 行 くが、人 の 子 は 祭司長、律法 学者 たちの 手 に 渡 されるであろう。彼 らは 彼 に 死刑 を 宣告 し、
19 そして 彼 をあざけり、むち 打 ち、十字架 につけさせるために、異邦人 に 引 きわたすであろう。そして 彼 は三 日 目 によみがえるであろう」。
20 そのとき、ゼベダイの 子 らの 母 が、その 子 らと 一緒 にイエスのもとにきてひざまずき、何事 かをお 願 いした。
21 そこでイエスは 彼女 に 言 われた、「何 をしてほしいのか」。彼女 は 言 った、「わたしのこのふたりのむすこが、あなたの 御国 で、ひとりはあなたの 右 に、ひとりは 左 にすわれるように、お 言葉 をください」。
22 イエスは 答 えて 言 われた、「あなたがたは、自分 が 何 を 求 めているのか、わかっていない。わたしの 飲 もうとしている 杯 を 飲 むことができるか」。彼 らは「できます」と 答 えた。
23 イエスは 彼 らに 言 われた、「確 かに、あなたがたはわたしの 杯 を 飲 むことになろう。しかし、わたしの 右、左 にすわらせることは、わたしのすることではなく、わたしの 父 によって 備 えられている 人々 だけに 許 されることである」。
24 十 人 の 者 はこれを 聞 いて、このふたりの 兄弟 たちのことで 憤慨 した。
25 そこで、イエスは 彼 らを 呼 び 寄 せて 言 われた、「あなたがたの 知 っているとおり、異邦人 の 支配者 たちはその 民 を 治め、また 偉 い 人 たちは、その 民 の 上 に 権力 をふるっている。
26 あなたがたの 間 ではそうであってはならない。かえって、あなたがたの 間 で 偉 くなりたいと 思 う 者 は、仕 える 人 となり、
27 あなたがたの 間 でかしらになりたいと 思 う 者 は、僕 とならねばならない。
28 それは、人 の 子 がきたのも、仕 えられるためではなく、仕 えるためであり、また 多 くの 人 のあがないとして、自分 の 命 を 与 えるためであるのと、ちょうど 同 じである」。
29 それから、彼 らがエリコを 出 て 行 ったとき、大 ぜいの 群衆 がイエスに 従 ってきた。
30 すると、ふたりの 盲人 が 道 ばたにすわっていたが、イエスがとおって 行 かれると 聞 いて、叫 んで 言 った、「主 よ、ダビデの 子 よ、わたしたちをあわれんで 下 さい」。
31 群衆 は 彼 らをしかって 黙 らせようとしたが、彼 らはますます 叫 びつづけて 言 った、「主 よ、ダビデの 子 よ、わたしたちをあわれんで 下 さい」。
32 イエスは 立 ちどまり、彼 らを 呼 んで 言 われた、「わたしに 何 をしてほしいのか」。
33 彼 らは 言 った、「主 よ、目 をあけていただくことです」。
34 イエスは 深 くあわれんで、彼 らの 目 にさわられた。すると 彼 らは、たちまち 見 えるようになり、イエスに 従 って 行 った。
Chapter 21
1 さて、彼 らがエルサレムに 近 づき、オリブ 山 沿 いのベテパゲに 着 いたとき、イエスはふたりの 弟子 をつかわして 言 われた、
2 「向 こうの 村 へ 行 きなさい。するとすぐ、ろばがつながれていて、子 ろばがそばにいるのを 見 るであろう。それを 解 いてわたしのところに 引 いてきなさい。
3 もしだれかが、あなたがたに 何 か 言 ったなら、主 がお 入 り 用 なのです、と 言 いなさい。そう 言 えば、すぐ 渡 してくれるであろう」。
4 こうしたのは、預言者 によって 言 われたことが、成就 するためである。
5 すなわち、「シオンの 娘 に 告 げよ、見 よ、あなたの 王 がおいでになる、柔和 なおかたで、ろばに 乗 って、くびきを 負 うろばの 子 に 乗 って」。
6 弟子 たちは 出 て 行 って、イエスがお 命 じになったとおりにし、
7 ろばと 子 ろばとを 引 いてきた。そしてその 上 に 自分 たちの 上着 をかけると、イエスはそれにお 乗 りになった。
8 群衆 のうち 多 くの 者 は 自分 たちの 上着 を 道 に 敷 き、また、ほかの 者 たちは 木 の 枝 を 切 ってきて 道 に 敷 いた。
9 そして 群衆 は、前 に 行 く 者 も、あとに 従 う 者 も、共 に 叫 びつづけた、「ダビデの 子 に、ホサナ。主 の 御名 によってきたる 者 に、祝福 あれ。いと 高 き 所 に、ホサナ」。
10 イエスがエルサレムにはいって 行 かれたとき、町中 がこぞって 騒 ぎ 立 ち、「これは、いったい、どなただろう」と 言 った。
11 そこで 群衆 は、「この 人 はガリラヤのナザレから 出 た 預言者 イエスである」と 言 った。
12 それから、イエスは 宮 にはいられた。そして、宮 の 庭 で 売 り 買 いしていた 人々 をみな 追 い 出 し、また 両替人 の 台 や、はとを 売 る 者 の 腰掛 をくつがえされた。
13 そして 彼 らに 言 われた、「『わたしの 家 は、祈 の 家 ととなえらるべきである』と 書 いてある。それだのに、あなたがたはそれを 強盗 の 巣 にしている」。
14 そのとき 宮 の 庭 で、盲人 や 足 なえがみもとにきたので、彼 らをおいやしになった。
15 しかし、祭司長、律法 学者 たちは、イエスがなされた 不思議 なわざを 見、また 宮 の 庭 で「ダビデの 子 に、ホサナ」と 叫 んでいる 子供 たちを 見 て 立腹 し、
16 イエスに 言 った、「あの 子 たちが 何 を 言 っているのか、お 聞 きですか」。イエスは 彼 らに 言 われた、「そうだ、聞 いている。あなたがたは『幼 な 子、乳 のみ 子 たちの 口 にさんびを 備 えられた』とあるのを 読 んだことがないのか」。
17 それから、イエスは 彼 らをあとに 残 し、都 を 出 てベタニヤに 行 き、そこで 夜 を 過 ごされた。
18 朝 はやく 都 に 帰 るとき、イエスは 空腹 をおぼえられた。
19 そして、道 のかたわらに一 本 のいちじくの 木 があるのを 見 て、そこに 行 かれたが、ただ 葉 のほかは 何 も 見当 らなかった。そこでその 木 にむかって、「今 から 後 いつまでも、おまえには 実 がならないように」と 言 われた。すると、いちじくの 木 はたちまち 枯 れた。
20 弟子 たちはこれを 見 て、驚 いて 言 った、「いちじくがどうして、こうすぐに 枯 れたのでしょう」。
21 イエスは 答 えて 言 われた、「よく 聞 いておくがよい。もしあなたがたが 信 じて 疑 わないならば、このいちじくにあったようなことが、できるばかりでなく、この 山 にむかって、動 き 出 して 海 の 中 にはいれと 言 っても、そのとおりになるであろう。
22 また、祈 のとき、信 じて 求 めるものは、みな 与 えられるであろう」。
23 イエスが 宮 にはいられたとき、祭司長 たちや 民 の 長老 たちが、その 教 えておられる 所 にきて 言 った、「何 の 権威 によって、これらの 事 をするのですか。だれが、そうする 権威 を 授 けたのですか」。
24 そこでイエスは 彼 らに 言 われた、「わたしも一つだけ 尋 ねよう。あなたがたがそれに 答 えてくれたなら、わたしも、何 の 権威 によってこれらの 事 をするのか、あなたがたに 言 おう。
25 ヨハネのバプテスマはどこからきたのであったか。天 からであったか、人 からであったか」。すると、彼 らは 互 に 論 じて 言 った、「もし 天 からだと 言 えば、では、なぜ 彼 を 信 じなかったのか、とイエスは 言 うだろう。
26 しかし、もし 人 からだと 言 えば、群衆 が 恐 ろしい。人々 がみなヨハネを 預言者 と 思 っているのだから」。
27 そこで 彼 らは、「わたしたちにはわかりません」と 答 えた。すると、イエスが 言 われた、「わたしも 何 の 権威 によってこれらの 事 をするのか、あなたがたに 言 うまい。
28 あなたがたはどう 思 うか。ある 人 にふたりの 子 があったが、兄 のところに 行 って 言 った、『子 よ、きょう、ぶどう 園 へ 行 って 働 いてくれ』。
29 すると 彼 は『おとうさん、参 ります』と 答 えたが、行 かなかった。
30 また 弟 のところにきて 同 じように 言 った。彼 は『いやです』と 答 えたが、あとから 心 を 変 えて、出 かけた。
31 このふたりのうち、どちらが 父 の 望 みどおりにしたのか」。彼 らは 言 った、「あとの 者 です」。イエスは 言 われた、「よく 聞 きなさい。取税人 や 遊女 は、あなたがたより 先 に 神 の 国 にはいる。
32 というのは、ヨハネがあなたがたのところにきて、義 の 道 を 説 いたのに、あなたがたは 彼 を 信 じなかった。ところが、取税人 や 遊女 は 彼 を 信 じた。あなたがたはそれを 見 たのに、あとになっても、心 をいれ 変 えて 彼 を 信 じようとしなかった。
33 もう一つの 譬 を 聞 きなさい。ある 所 に、ひとりの 家 の 主人 がいたが、ぶどう 園 を 造 り、かきをめぐらし、その 中 に 酒 ぶねの 穴 を 掘 り、やぐらを 立 て、それを 農夫 たちに 貸 して、旅 に 出 かけた。
34 収穫 の 季節 がきたので、その 分 け 前 を 受 け 取 ろうとして、僕 たちを 農夫 のところへ 送 った。
35 すると、農夫 たちは、その 僕 たちをつかまえて、ひとりを 袋 だたきにし、ひとりを 殺 し、もうひとりを 石 で 打 ち 殺 した。
36 また 別 に、前 よりも 多 くの 僕 たちを 送 ったが、彼 らをも 同 じようにあしらった。
37 しかし、最後 に、わたしの 子 は 敬 ってくれるだろうと 思 って、主人 はその 子 を 彼 らの 所 につかわした。
38 すると 農夫 たちは、その 子 を 見 て 互 に 言 った、『あれはあと 取 りだ。さあ、これを 殺 して、その 財産 を 手 に 入 れよう』。
39 そして 彼 をつかまえて、ぶどう 園 の 外 に 引 き 出 して 殺 した。
40 このぶどう 園 の 主人 が 帰 ってきたら、この 農夫 たちをどうするだろうか」。
41 彼 らはイエスに 言 った、「悪人 どもを、皆殺 しにして、季節 ごとに 収穫 を 納 めるほかの 農夫 たちに、そのぶどう 園 を 貸 し 与 えるでしょう」。
42 イエスは 彼 らに 言 われた、「あなたがたは、聖書 でまだ 読 んだことがないのか、『家 造 りらの 捨 てた 石 が 隅 のかしら 石 になった。これは 主 がなされたことで、わたしたちの 目 には 不思議 に 見 える』。
43 それだから、あなたがたに 言 うが、神 の 国 はあなたがたから 取 り 上 げられて、御国 にふさわしい 実 を 結 ぶような 異邦人 に 与 えられるであろう。
44 またその 石 の 上 に 落 ちる 者 は 打 ち 砕 かれ、それがだれかの 上 に 落 ちかかるなら、その 人 はこなみじんにされるであろう」。
45 祭司長 たちやパリサイ 人 たちがこの 譬 を 聞 いたとき、自分 たちのことをさして 言 っておられることを 悟 ったので、
46 イエスを 捕 えようとしたが、群衆 を 恐 れた。群衆 はイエスを 預言者 だと 思 っていたからである。
Chapter 22
1 イエスはまた、譬 で 彼 らに 語 って 言 われた、
2 「天国 は、ひとりの 王 がその 王子 のために、婚 宴 を 催 すようなものである。
3 王 はその 僕 たちをつかわして、この 婚 宴 に 招 かれていた 人 たちを 呼 ばせたが、その 人 たちはこようとはしなかった。
4 そこでまた、ほかの 僕 たちをつかわして 言 った、『招 かれた 人 たちに 言 いなさい。食事 の 用意 ができました。牛 も 肥 えた 獣 もほふられて、すべての 用意 ができました。さあ、婚 宴 においでください』。
5 しかし、彼 らは 知 らぬ 顔 をして、ひとりは 自分 の 畑 に、ひとりは 自分 の 商売 に 出 て 行 き、
6 またほかの 人々 は、この 僕 たちをつかまえて 侮辱 を 加 えた 上、殺 してしまった。
7 そこで 王 は 立腹 し、軍隊 を 送 ってそれらの 人殺 しどもを 滅 ぼし、その 町 を 焼 き 払 った。
8 それから 僕 たちに 言 った、『婚 宴 の 用意 はできているが、招 かれていたのは、ふさわしくない 人々 であった。
9 だから、町 の 大通 りに 出 て 行 って、出会 った 人 はだれでも 婚 宴 に 連 れてきなさい』。
10 そこで、僕 たちは 道 に 出 て 行 って、出会 う 人 は、悪人 でも 善人 でもみな 集 めてきたので、婚 宴 の 席 は 客 でいっぱいになった。
11 王 は 客 を 迎 えようとしてはいってきたが、そこに 礼服 をつけていないひとりの 人 を 見 て、
12 彼 に 言 った、『友 よ、どうしてあなたは 礼服 をつけないで、ここにはいってきたのですか』。しかし、彼 は 黙 っていた。
13 そこで、王 はそばの 者 たちに 言 った、『この 者 の 手足 をしばって、外 の 暗 やみにほうり 出 せ。そこで 泣 き 叫 んだり、歯 がみをしたりするであろう』。
14 招 かれる 者 は 多 いが、選 ばれる 者 は 少 ない」。
15 そのときパリサイ 人 たちがきて、どうかしてイエスを 言葉 のわなにかけようと、相談 をした。
16 そして、彼 らの 弟子 を、ヘロデ 党 の 者 たちと 共 に、イエスのもとにつかわして 言 わせた、「先生、わたしたちはあなたが 真実 なかたであって、真理 に 基 いて 神 の 道 を 教 え、また、人 に 分 け 隔 てをしないで、だれをもはばかられないことを 知 っています。
17 それで、あなたはどう 思 われますか、答 えてください。カイザルに 税金 を 納 めてよいでしょうか、いけないでしょうか」。
18 イエスは 彼 らの 悪意 を 知 って 言 われた、「偽善者 たちよ、なぜわたしをためそうとするのか。
19 税 に 納 める 貨幣 を 見 せなさい」。彼 らはデナリ一つを 持 ってきた。
20 そこでイエスは 言 われた、「これは、だれの 肖像、だれの 記号 か」。
21 彼 らは「カイザルのです」と 答 えた。するとイエスは 言 われた、「それでは、カイザルのものはカイザルに、神 のものは 神 に 返 しなさい」。
22 彼 らはこれを 聞 いて 驚嘆 し、イエスを 残 して 立 ち 去 った。
23 復活 ということはないと 主張 していたサドカイ 人 たちが、その 日、イエスのもとにきて 質問 した、
24 「先生、モーセはこう 言 っています、『もし、ある 人 が 子 がなくて 死 んだなら、その 弟 は 兄 の 妻 をめとって、兄 のために 子 をもうけねばならない』。
25 さて、わたしたちのところに七 人 の 兄弟 がありました。長男 は 妻 をめとったが 死 んでしまい、そして 子 がなかったので、その 妻 を 弟 に 残 しました。
26 次男 も 三男 も、ついに七 人 とも 同 じことになりました。
27 最後 に、その 女 も 死 にました。
28 すると 復活 の 時 には、この 女 は、七 人 のうちだれの 妻 なのでしょうか。みんながこの 女 を 妻 にしたのですが」。
29 イエスは 答 えて 言 われた、「あなたがたは 聖書 も 神 の 力 も 知 らないから、思 い 違 いをしている。
30 復活 の 時 には、彼 らはめとったり、とついだりすることはない。彼 らは 天 にいる 御使 のようなものである。
31 また、死人 の 復活 については、神 があなたがたに 言 われた 言葉 を 読 んだことがないのか。
32 『わたしはアブラハムの 神、イサクの 神、ヤコブの 神 である』と 書 いてある。神 は 死 んだ 者 の 神 ではなく、生 きている 者 の 神 である」。
33 群衆 はこれを 聞 いて、イエスの 教 に 驚 いた。
34 さて、パリサイ 人 たちは、イエスがサドカイ 人 たちを 言 いこめられたと 聞 いて、一緒 に 集 まった。
35 そして 彼 らの 中 のひとりの 律法 学者 が、イエスをためそうとして 質問 した、
36 「先生、律法 の 中 で、どのいましめがいちばん 大切 なのですか」。
37 イエスは 言 われた、「『心 をつくし、精神 をつくし、思 いをつくして、主 なるあなたの 神 を 愛 せよ』。
38 これがいちばん 大切 な、第 一のいましめである。
39 第 二もこれと 同様 である、『自分 を 愛 するようにあなたの 隣 り 人 を 愛 せよ』。
40 これらの二つのいましめに、律法 全体 と 預言者 とが、かかっている」。
41 パリサイ 人 たちが 集 まっていたとき、イエスは 彼 らにお 尋 ねになった、
42 「あなたがたはキリストをどう 思 うか。だれの 子 なのか」。彼 らは「ダビデの 子 です」と 答 えた。
43 イエスは 言 われた、「それではどうして、ダビデが 御霊 に 感 じてキリストを 主 と 呼 んでいるのか。
44 すなわち『主 はわが 主 に 仰 せになった、あなたの 敵 をあなたの 足 もとに 置 くときまでは、わたしの 右 に 座 していなさい』。
45 このように、ダビデ 自身 がキリストを 主 と 呼 んでいるなら、キリストはどうしてダビデの 子 であろうか」。
46 イエスにひと 言 でも 答 えうる 者 は、なかったし、その 日 からもはや、進 んでイエスに 質問 する 者 も、いなくなった。
Chapter 23
1 そのときイエスは、群衆 と 弟子 たちとに 語 って 言 われた、
2 「律法 学者 とパリサイ 人 とは、モーセの 座 にすわっている。
3 だから、彼 らがあなたがたに 言 うことは、みな 守 って 実行 しなさい。しかし、彼 らのすることには、ならうな。彼 らは 言 うだけで、実行 しないから。
4 また、重 い 荷物 をくくって 人々 の 肩 にのせるが、それを 動 かすために、自分 では 指 一 本 も 貸 そうとはしない。
5 そのすることは、すべて 人 に 見 せるためである。すなわち、彼 らは 経札 を 幅広 くつくり、その 衣 のふさを 大 きくし、
6 また、宴会 の 上座、会堂 の 上席 を 好 み、
7 広場 であいさつされることや、人々 から 先生 と 呼 ばれることを 好 んでいる。
8 しかし、あなたがたは 先生 と 呼 ばれてはならない。あなたがたの 先生 は、ただひとりであって、あなたがたはみな 兄弟 なのだから。
9 また、地上 のだれをも、父 と 呼 んではならない。あなたがたの 父 はただひとり、すなわち、天 にいます 父 である。
10 また、あなたがたは 教師 と 呼 ばれてはならない。あなたがたの 教師 はただひとり、すなわち、キリストである。
11 そこで、あなたがたのうちでいちばん 偉 い 者 は、仕 える 人 でなければならない。
12 だれでも 自分 を 高 くする 者 は 低 くされ、自分 を 低 くする 者 は 高 くされるであろう。
13 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、天国 を 閉 ざして 人々 をはいらせない。自分 もはいらないし、はいろうとする 人 をはいらせもしない。〔
14 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、やもめたちの 家 を 食 い 倒 し、見 えのために 長 い 祈 をする。だから、もっときびしいさばきを 受 けるに 違 いない。〕
15 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたはひとりの 改宗者 をつくるために、海 と 陸 とを 巡 り 歩 く。そして、つくったなら、彼 を 自分 より 倍 もひどい 地獄 の 子 にする。
16 盲目 な 案内 者 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは 言 う、『神殿 をさして 誓 うなら、そのままでよいが、神殿 の 黄金 をさして 誓 うなら、果 す 責任 がある』と。
17 愚 かな 盲目 な 人 たちよ。黄金 と、黄金 を 神聖 にする 神殿 と、どちらが 大事 なのか。
18 また、あなたがたは 言 う、『祭壇 をさして 誓 うなら、そのままでよいが、その 上 の 供 え 物 をさして 誓 うなら、果 す 責任 がある』と。
19 盲目 な 人 たちよ。供 え 物 と 供 え 物 を 神聖 にする 祭壇 とどちらが 大事 なのか。
20 祭壇 をさして 誓 う 者 は、祭壇 と、その 上 にあるすべての 物 とをさして 誓 うのである。
21 神殿 をさして 誓 う 者 は、神殿 とその 中 に 住 んでおられるかたとをさして 誓 うのである。
22 また、天 をさして 誓 う 者 は、神 の 御座 とその 上 にすわっておられるかたとをさして 誓 うのである。
23 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。はっか、いのんど、クミンなどの 薬味 の十 分 の一を 宮 に 納 めておりながら、律法 の 中 でもっと 重要 な、公平 とあわれみと 忠実 とを 見 のがしている。それもしなければならないが、これも 見 のがしてはならない。
24 盲目 な 案内 者 たちよ。あなたがたは、ぶよはこしているが、らくだはのみこんでいる。
25 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。杯 と 皿 との 外側 はきよめるが、内側 は 貪欲 と 放縦 とで 満 ちている。
26 盲目 なパリサイ 人 よ。まず、杯 の 内側 をきよめるがよい。そうすれば、外側 も 清 くなるであろう。
27 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは 白 く 塗 った 墓 に 似 ている。外側 は 美 しく 見 えるが、内側 は 死人 の 骨 や、あらゆる 不潔 なものでいっぱいである。
28 このようにあなたがたも、外側 は 人 に 正 しく 見 えるが、内側 は 偽善 と 不法 とでいっぱいである。
29 偽善 な 律法 学者、パリサイ 人 たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは 預言者 の 墓 を 建 て、義人 の 碑 を 飾 り 立 てて、こう 言 っている、
30 『もしわたしたちが 先祖 の 時代 に 生 きていたなら、預言者 の 血 を 流 すことに 加 わってはいなかっただろう』と。
31 このようにして、あなたがたは 預言者 を 殺 した 者 の 子孫 であることを、自分 で 証明 している。
32 あなたがたもまた 先祖 たちがした 悪 の 枡目 を 満 たすがよい。
33 へびよ、まむしの 子 らよ、どうして 地獄 の 刑罰 をのがれることができようか。
34 それだから、わたしは、預言者、知者、律法 学者 たちをあなたがたにつかわすが、そのうちのある 者 を 殺 し、また 十字架 につけ、そのある 者 を 会堂 でむち 打 ち、また 町 から 町 へと 迫害 して 行 くであろう。
35 こうして 義人 アベルの 血 から、聖所 と 祭壇 との 間 であなたがたが 殺 したバラキヤの 子 ザカリヤの 血 に 至 るまで、地上 に 流 された 義人 の 血 の 報 いが、ことごとくあなたがたに 及 ぶであろう。
36 よく 言 っておく。これらのことの 報 いは、みな 今 の 時代 に 及 ぶであろう。
37 ああ、エルサレム、エルサレム、預言者 たちを 殺 し、おまえにつかわされた 人 たちを 石 で 打 ち 殺 す 者 よ。ちょうど、めんどりが 翼 の 下 にそのひなを 集 めるように、わたしはおまえの 子 らを 幾 たび 集 めようとしたことであろう。それだのに、おまえたちは 応 じようとしなかった。
38 見 よ、おまえたちの 家 は 見捨 てられてしまう。
39 わたしは 言 っておく、『主 の 御名 によってきたる 者 に、祝福 あれ』とおまえたちが 言 う 時 までは、今後 ふたたび、わたしに 会 うことはないであろう」。
Chapter 24
1 イエスが 宮 から 出 て 行 こうとしておられると、弟子 たちは 近寄 ってきて、宮 の 建物 にイエスの 注意 を 促 した。
2 そこでイエスは 彼 らにむかって 言 われた、「あなたがたは、これらすべてのものを 見 ないか。よく 言 っておく。その 石 一つでもくずされずに、そこに 他 の 石 の 上 に 残 ることもなくなるであろう」。
3 またオリブ 山 ですわっておられると、弟子 たちが、ひそかにみもとにきて 言 った、「どうぞお 話 しください。いつ、そんなことが 起 るのでしょうか。あなたがまたおいでになる 時 や、世 の 終 りには、どんな 前兆 がありますか」。
4 そこでイエスは 答 えて 言 われた、「人 に 惑 わされないように 気 をつけなさい。
5 多 くの 者 がわたしの 名 を 名 のって 現 れ、自分 がキリストだと 言 って、多 くの 人 を 惑 わすであろう。
6 また、戦争 と 戦争 のうわさとを 聞 くであろう。注意 していなさい、あわててはいけない。それは 起 らねばならないが、まだ 終 りではない。
7 民 は 民 に、国 は 国 に 敵対 して 立 ち 上 がるであろう。またあちこちに、ききんが 起 り、また 地震 があるであろう。
8 しかし、すべてこれらは 産 みの 苦 しみの 初 めである。
9 そのとき 人々 は、あなたがたを 苦 しみにあわせ、また 殺 すであろう。またあなたがたは、わたしの 名 のゆえにすべての 民 に 憎 まれるであろう。
10 そのとき、多 くの 人 がつまずき、また 互 に 裏切 り、憎 み 合 うであろう。
11 また 多 くのにせ 預言者 が 起 って、多 くの 人 を 惑 わすであろう。
12 また 不法 がはびこるので、多 くの 人 の 愛 が 冷 えるであろう。
13 しかし、最後 まで 耐 え 忍 ぶ 者 は 救 われる。
14 そしてこの 御国 の 福音 は、すべての 民 に 対 してあかしをするために、全 世界 に 宣 べ 伝 えられるであろう。そしてそれから 最後 が 来 るのである。
15 預言者 ダニエルによって 言 われた 荒 らす 憎 むべき 者 が、聖 なる 場所 に 立 つのを 見 たならば(読者 よ、悟 れ)、
16 そのとき、ユダヤにいる 人々 は 山 へ 逃 げよ。
17 屋上 にいる 者 は、家 からものを 取 り 出 そうとして 下 におりるな。
18 畑 にいる 者 は、上着 を 取 りにあとへもどるな。
19 その 日 には、身重 の 女 と 乳飲 み 子 をもつ 女 とは、不幸 である。
20 あなたがたの 逃 げるのが、冬 または 安息日 にならないように 祈 れ。
21 その 時 には、世 の 初 めから 現在 に 至 るまで、かつてなく 今後 もないような 大 きな 患難 が 起 るからである。
22 もしその 期間 が 縮 められないなら、救 われる 者 はひとりもないであろう。しかし、選民 のためには、その 期間 が 縮 められるであろう。
23 そのとき、だれかがあなたがたに『見 よ、ここにキリストがいる』、また、『あそこにいる』と 言 っても、それを 信 じるな。
24 にせキリストたちや、にせ 預言者 たちが 起 って、大 いなるしるしと 奇跡 とを 行 い、できれば、選民 をも 惑 わそうとするであろう。
25 見 よ、あなたがたに 前 もって 言 っておく。
26 だから、人々 が『見 よ、彼 は 荒野 にいる』と 言 っても、出 て 行 くな。また『見 よ、へやの 中 にいる』と 言 っても、信 じるな。
27 ちょうど、いなずまが 東 から 西 にひらめき 渡 るように、人 の 子 も 現 れるであろう。
28 死体 のあるところには、はげたかが 集 まるものである。
29 しかし、その 時 に 起 る 患難 の 後、たちまち 日 は 暗 くなり、月 はその 光 を 放 つことをやめ、星 は 空 から 落 ち、天体 は 揺 り 動 かされるであろう。
30 そのとき、人 の 子 のしるしが 天 に 現 れるであろう。またそのとき、地 のすべての 民族 は 嘆 き、そして 力 と 大 いなる 栄光 とをもって、人 の 子 が 天 の 雲 に 乗 って 来 るのを、人々 は 見 るであろう。
31 また、彼 は 大 いなるラッパの 音 と 共 に 御使 たちをつかわして、天 のはてからはてに 至 るまで、四方 からその 選民 を 呼 び 集 めるであろう。
32 いちじくの 木 からこの 譬 を 学 びなさい。その 枝 が 柔 らかになり、葉 が 出 るようになると、夏 の 近 いことがわかる。
33 そのように、すべてこれらのことを 見 たならば、人 の 子 が 戸口 まで 近 づいていると 知 りなさい。
34 よく 聞 いておきなさい。これらの 事 が、ことごとく 起 るまでは、この 時代 は 滅 びることがない。
35 天地 は 滅 びるであろう。しかしわたしの 言葉 は 滅 びることがない。
36 その 日、その 時 は、だれも 知 らない。天 の 御使 たちも、また 子 も 知 らない、ただ 父 だけが 知 っておられる。
37 人 の 子 の 現 れるのも、ちょうどノアの 時 のようであろう。
38 すなわち、洪水 の 出 る 前、ノアが 箱舟 にはいる 日 まで、人々 は 食 い、飲 み、めとり、とつぎなどしていた。
39 そして 洪水 が 襲 ってきて、いっさいのものをさらって 行 くまで、彼 らは 気 がつかなかった。人 の 子 の 現 れるのも、そのようであろう。
40 そのとき、ふたりの 者 が 畑 にいると、ひとりは 取 り 去 られ、ひとりは 取 り 残 されるであろう。
41 ふたりの 女 がうすをひいていると、ひとりは 取 り 去 られ、ひとりは 残 されるであろう。
42 だから、目 をさましていなさい。いつの 日 にあなたがたの 主 がこられるのか、あなたがたには、わからないからである。
43 このことをわきまえているがよい。家 の 主人 は、盗賊 がいつごろ 来 るかわかっているなら、目 をさましていて、自分 の 家 に 押 し 入 ることを 許 さないであろう。
44 だから、あなたがたも 用意 をしていなさい。思 いがけない 時 に 人 の 子 が 来 るからである。
45 主人 がその 家 の 僕 たちの 上 に 立 てて、時 に 応 じて 食物 をそなえさせる 忠実 な 思慮 深 い 僕 は、いったい、だれであろう。
46 主人 が 帰 ってきたとき、そのようにつとめているのを 見 られる 僕 は、さいわいである。
47 よく 言 っておくが、主人 は 彼 を 立 てて 自分 の 全 財産 を 管理 させるであろう。
48 もしそれが 悪 い 僕 であって、自分 の 主人 は 帰 りがおそいと 心 の 中 で 思 い、
49 その 僕 仲間 をたたきはじめ、また 酒飲 み 仲間 と 一緒 に 食 べたり 飲 んだりしているなら、
50 その 僕 の 主人 は 思 いがけない 日、気 がつかない 時 に 帰 ってきて、
51 彼 を 厳罰 に 処 し、偽善者 たちと 同 じ 目 にあわせるであろう。彼 はそこで 泣 き 叫 んだり、歯 がみをしたりするであろう。